JP2002331228A - 沃素を含有する気体から沃素を回収する方法 - Google Patents
沃素を含有する気体から沃素を回収する方法Info
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- JP2002331228A JP2002331228A JP2001176307A JP2001176307A JP2002331228A JP 2002331228 A JP2002331228 A JP 2002331228A JP 2001176307 A JP2001176307 A JP 2001176307A JP 2001176307 A JP2001176307 A JP 2001176307A JP 2002331228 A JP2002331228 A JP 2002331228A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】沃素を含有する気体から沃素を回収する。
【解決手段】気体中の無電荷状態の沃素を選択した透析
膜を介して回収液に回収する。気体は、空気、窒素、ま
たはヘリウム、アルゴン、キセノンなどの希ガスであ
り、透析膜には高分子膜、特に天然ゴム、ブタジエンゴ
ムあるいはシリコーンゴムのゴム質膜を使用し、その形
状は、平膜、チューブあるいは中空糸が適当である。回
収液には水酸化ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなどの沃
素をイオン化する物質を水溶液にして使用する。沃素を
充分に吸収した回収液は、公知の方法で沃素を単離して
製品とする。
膜を介して回収液に回収する。気体は、空気、窒素、ま
たはヘリウム、アルゴン、キセノンなどの希ガスであ
り、透析膜には高分子膜、特に天然ゴム、ブタジエンゴ
ムあるいはシリコーンゴムのゴム質膜を使用し、その形
状は、平膜、チューブあるいは中空糸が適当である。回
収液には水酸化ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなどの沃
素をイオン化する物質を水溶液にして使用する。沃素を
充分に吸収した回収液は、公知の方法で沃素を単離して
製品とする。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、気体中に拡散して
いる沃素を回収する技術に関するものである。
いる沃素を回収する技術に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】現在気体中に拡散している沃素を濃縮し
て回収するひとつの方法は、沃素を活性炭に一旦吸着し
たのち、その活性炭を亜硫酸ナトリウム水溶液などで脱
着し、再び吸着する工程を繰り返している。この方法で
は、脱着したのちの活性炭は多量の清澄水で洗浄したの
ち、さらに乾燥する必要がある。また、気体を亜硫酸ナ
トリウムなどの還元剤の水溶液に吸収させる方法もある
が、気体に不純物、とくに酸性ガスを含んでいる場合は
その不純物も同時に吸収され、還元剤を無駄に消費し、
かつ回収沃素の品質を低下させる恐れがある。
て回収するひとつの方法は、沃素を活性炭に一旦吸着し
たのち、その活性炭を亜硫酸ナトリウム水溶液などで脱
着し、再び吸着する工程を繰り返している。この方法で
は、脱着したのちの活性炭は多量の清澄水で洗浄したの
ち、さらに乾燥する必要がある。また、気体を亜硫酸ナ
トリウムなどの還元剤の水溶液に吸収させる方法もある
が、気体に不純物、とくに酸性ガスを含んでいる場合は
その不純物も同時に吸収され、還元剤を無駄に消費し、
かつ回収沃素の品質を低下させる恐れがある。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、上記の活
性炭法の吸着−脱着−洗浄−乾燥サイクルの煩雑な操作
を簡素化しようとするものである。また吸収液によって
直接回収する場合に発生する吸収液の劣化を回避する方
法を提供するものである。
性炭法の吸着−脱着−洗浄−乾燥サイクルの煩雑な操作
を簡素化しようとするものである。また吸収液によって
直接回収する場合に発生する吸収液の劣化を回避する方
法を提供するものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、電価の持
たない沃素が高分子物質、とくにゴム質物質によく浸透
吸着されること、逆にイオン化された沃素はゴム質物質
に浸透しないことに着目して鋭意研究の結果、この発明
に至った。即ち、気体中に含有する沃素が無電価の場合
はそのまま、沃化水素のような化合物の場合は適当な方
法で酸化して無電価状態にしたのち透析膜の一方に導入
し、他方には水酸化ナトリウムなどの強アルカリあるい
は亜硫酸ナトリウムなどの還元剤の回収液を配置してお
くと、沃素はその濃度勾配によって自然に透析膜を透過
して、他方の回収液に入る。透析された沃素は、強アル
カリの場合は沃素酸イオンと沃素イオン、還元剤の場合
は沃素イオンとなる。ここで沃素酸イオンあるいは沃素
イオンは透析膜に吸収されないので、一方に沃素がある
限り透析が続行し、その結果他方の回収液に濃縮され
る。この間、消費エネルギーは沃素含有気体を送入する
に足る分のみであり、また運転管理も皆無に等しいので
極めて経済的である。
たない沃素が高分子物質、とくにゴム質物質によく浸透
吸着されること、逆にイオン化された沃素はゴム質物質
に浸透しないことに着目して鋭意研究の結果、この発明
に至った。即ち、気体中に含有する沃素が無電価の場合
はそのまま、沃化水素のような化合物の場合は適当な方
法で酸化して無電価状態にしたのち透析膜の一方に導入
し、他方には水酸化ナトリウムなどの強アルカリあるい
は亜硫酸ナトリウムなどの還元剤の回収液を配置してお
くと、沃素はその濃度勾配によって自然に透析膜を透過
して、他方の回収液に入る。透析された沃素は、強アル
カリの場合は沃素酸イオンと沃素イオン、還元剤の場合
は沃素イオンとなる。ここで沃素酸イオンあるいは沃素
イオンは透析膜に吸収されないので、一方に沃素がある
限り透析が続行し、その結果他方の回収液に濃縮され
る。この間、消費エネルギーは沃素含有気体を送入する
に足る分のみであり、また運転管理も皆無に等しいので
極めて経済的である。
【０００５】
【発明の実施の形態】本発明で使用される隔膜の材質
は、シリコーンゴム、ポリブタジエンゴムあるいは天然
ゴムなどが適当である。また隔膜の形状は、平膜、チュ
ーブあるいは中空糸型のいずれでもよいが、膜厚は薄い
ほど高効率である。ここで平膜の場合は、プレートアン
ドフレーム型、スパイラル型、プリーツ型あるいは円板
状デスク型として使用する。チューブあるいは中空糸型
の場合は、適当な容器に収納して使用する。
は、シリコーンゴム、ポリブタジエンゴムあるいは天然
ゴムなどが適当である。また隔膜の形状は、平膜、チュ
ーブあるいは中空糸型のいずれでもよいが、膜厚は薄い
ほど高効率である。ここで平膜の場合は、プレートアン
ドフレーム型、スパイラル型、プリーツ型あるいは円板
状デスク型として使用する。チューブあるいは中空糸型
の場合は、適当な容器に収納して使用する。
【０００６】本発明の形態は、実際稼動している逆浸透
あるいは電気透析装置と類似であり、実施に当たっては
分離膜の材質を上記のものに変更すればよい。本発明に
使用される回収液は、沃素と反応して沃素をイオンの形
態にするものであれば、特に限定されるものではない
が、水酸化ナトリウムのような強アルカリ性物質あるい
は亜硫酸ナトリウムのような還元性物質の水溶液が価格
的に好適である。
あるいは電気透析装置と類似であり、実施に当たっては
分離膜の材質を上記のものに変更すればよい。本発明に
使用される回収液は、沃素と反応して沃素をイオンの形
態にするものであれば、特に限定されるものではない
が、水酸化ナトリウムのような強アルカリ性物質あるい
は亜硫酸ナトリウムのような還元性物質の水溶液が価格
的に好適である。
【０００７】本発明の方法によれば処理する気体は、空
気のみならず窒素、ヘリウム、アルゴン、キセノンなど
にも適用される。例を挙げれば、化学励起沃素レーザー
装置の希ガスに酸素ガスと沃素ガスとを含有する排ガス
から酸素と沃素を回収するには、回収液に亜硫酸ナトリ
ウム水溶液を使用すると、酸素は亜硫酸イオンと反応し
て硫酸イオンとなり、沃素は沃素イオンになり、結果と
して酸素と沃素が同時に回収でき、極めて合理的であ
る。
気のみならず窒素、ヘリウム、アルゴン、キセノンなど
にも適用される。例を挙げれば、化学励起沃素レーザー
装置の希ガスに酸素ガスと沃素ガスとを含有する排ガス
から酸素と沃素を回収するには、回収液に亜硫酸ナトリ
ウム水溶液を使用すると、酸素は亜硫酸イオンと反応し
て硫酸イオンとなり、沃素は沃素イオンになり、結果と
して酸素と沃素が同時に回収でき、極めて合理的であ
る。
【０００８】このようにして沃素を高濃度に吸収した回
収液からは、公知の方法で沃素を単離して有効利用され
る。本発明によれば、沃素を含有する気体を単に透析膜
に接触させるだけで沃素を回収するので、無人運転が可
能であり極めて低コストな濃縮回収工程を実現出来る。
次に本発明の実施例をあげて説明するが、発明の形態は
これに限定されるものではない。
収液からは、公知の方法で沃素を単離して有効利用され
る。本発明によれば、沃素を含有する気体を単に透析膜
に接触させるだけで沃素を回収するので、無人運転が可
能であり極めて低コストな濃縮回収工程を実現出来る。
次に本発明の実施例をあげて説明するが、発明の形態は
これに限定されるものではない。
【０００９】
【実施例】５００ｍｌの容器に外径２．０ｍｍ外径３．
０ｍｍ長さ１０ｍのシリコーンゴムチューブを環状に纏
めて収納し、４％の水酸化ナトリウム水溶液４００ｍｌ
で満たす。シリコーンゴムチューブの一端から１５ｍｇ
／ｌ濃度の沃素を含有する空気を毎時１．０Ｌの速度で
２４０時間通液する。チューブ出口の沃素の平均濃度
は、１ｍｇ／ｌであり、水酸化ナトリウム水溶液を希硫
酸で酸性にすると３．３ｇの高純度の結晶沃素が得られ
る。
０ｍｍ長さ１０ｍのシリコーンゴムチューブを環状に纏
めて収納し、４％の水酸化ナトリウム水溶液４００ｍｌ
で満たす。シリコーンゴムチューブの一端から１５ｍｇ
／ｌ濃度の沃素を含有する空気を毎時１．０Ｌの速度で
２４０時間通液する。チューブ出口の沃素の平均濃度
は、１ｍｇ／ｌであり、水酸化ナトリウム水溶液を希硫
酸で酸性にすると３．３ｇの高純度の結晶沃素が得られ
る。
【００１０】
【発明の効果】このようにして、透析膜を介して希薄な
沃素含有気体から沃素が効率よく回収され、かつ無人運
転も容易であるので大幅なコスト削減が可能になる。
沃素含有気体から沃素が効率よく回収され、かつ無人運
転も容易であるので大幅なコスト削減が可能になる。
フロントページの続き (72)発明者 佐藤 匡臣 千葉県茂原市茂原1579番地 (72)発明者 南 保 神奈川県藤沢市鵠沼藤が谷１丁目11番地29 号 Ｆターム(参考） 4D006 GA13 HA01 HA21 HA41 KA33 KA72 KB13 KD12 KD17 KD26 KD30 MA01 MA02 MA03 MB03 MB06 MC21 MC68 PA04 PB17 PB20 PB70
Claims (4)
- 【請求項１】透析膜をはさんで一方に沃素を含有する気
体を、他方に回収液を配置して沃素を回収する方法。 - 【請求項２】回収液が水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ムの強アルカリ性水溶液である請求項１の沃素を回収す
る方法。 - 【請求項３】回収液が亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナト
リウムの還元性物質の水溶液である請求項１の沃素を回
収する方法。 - 【請求項４】透析膜が天然ゴム、ブタジエンゴムあるい
はシリコーンゴムのゴム質である請求項１の沃素を回収
する方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001176307A JP2002331228A (ja) | 2001-05-08 | 2001-05-08 | 沃素を含有する気体から沃素を回収する方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001176307A JP2002331228A (ja) | 2001-05-08 | 2001-05-08 | 沃素を含有する気体から沃素を回収する方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002331228A true JP2002331228A (ja) | 2002-11-19 |
Family
ID=19017318
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001176307A Withdrawn JP2002331228A (ja) | 2001-05-08 | 2001-05-08 | 沃素を含有する気体から沃素を回収する方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2002331228A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6625115B1 (en) | 1996-04-23 | 2003-09-23 | Hitachi, Ltd. | Self-healing network, method for transmission line switching thereof, and transmission equipment thereof |
| JP2013001634A (ja) * | 2011-06-21 | 2013-01-07 | Jx Nippon Mining & Metals Corp | 活性炭に吸着されたヨウ素の溶離方法 |
| CN113865947A (zh) * | 2021-08-20 | 2021-12-31 | 中国原子能科学研究院 | 一种气体循环回路中低浓度分子碘在线取样装置和方法 |
-
2001
- 2001-05-08 JP JP2001176307A patent/JP2002331228A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6625115B1 (en) | 1996-04-23 | 2003-09-23 | Hitachi, Ltd. | Self-healing network, method for transmission line switching thereof, and transmission equipment thereof |
| JP2013001634A (ja) * | 2011-06-21 | 2013-01-07 | Jx Nippon Mining & Metals Corp | 活性炭に吸着されたヨウ素の溶離方法 |
| CN113865947A (zh) * | 2021-08-20 | 2021-12-31 | 中国原子能科学研究院 | 一种气体循环回路中低浓度分子碘在线取样装置和方法 |
| CN113865947B (zh) * | 2021-08-20 | 2024-05-14 | 中国原子能科学研究院 | 一种气体循环回路中低浓度分子碘在线取样装置和方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20080805 |