JP2002327496A - 鉄骨柱と基礎コンクリートとの接合金物の構造 - Google Patents
鉄骨柱と基礎コンクリートとの接合金物の構造Info
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 接合強度を向上した鉄骨柱の鋼板と基礎コン
クリートのアンカー鉄筋異形棒鋼との接合金物の構造の
提供。 【解決手段】 基礎コンクリート(1)上に立設する鉄
骨柱(2)とその基礎コンクリート(1)に埋設された
アンカー鉄筋(3)の基礎コンクリート(1)から突出
した上部との接合部材の構造において、鉄骨柱(2)の
下端底部(2a)には内面に凹凸を設けた挿着孔(6
a)を有する鉄筋挿入部(6)を設けた枠体(5)を固
着し、その挿着孔(6a)に高強度モルタル(G)を充
填固化させて鉄骨柱(2)と基礎コンクリート(1)と
を接合しており、鉄筋挿入部(6)は挿着孔(6a)の
下部に設けたグラウト材注入口(11)の開口面積が上
部に設けた排出口(12)の開口面積より大きく形成す
る。
クリートのアンカー鉄筋異形棒鋼との接合金物の構造の
提供。 【解決手段】 基礎コンクリート(1)上に立設する鉄
骨柱(2)とその基礎コンクリート(1)に埋設された
アンカー鉄筋(3)の基礎コンクリート(1)から突出
した上部との接合部材の構造において、鉄骨柱(2)の
下端底部(2a)には内面に凹凸を設けた挿着孔(6
a)を有する鉄筋挿入部(6)を設けた枠体(5)を固
着し、その挿着孔(6a)に高強度モルタル(G)を充
填固化させて鉄骨柱(2)と基礎コンクリート(1)と
を接合しており、鉄筋挿入部(6)は挿着孔(6a)の
下部に設けたグラウト材注入口(11)の開口面積が上
部に設けた排出口(12)の開口面積より大きく形成す
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄骨柱等の土木・
建築構造物に使用する鉄骨部材の鋼板と鉄筋コンクリー
ト部材のアンカー鉄筋との接合金物の構造に関し、特に
鋼板とアンカー鉄筋の異形棒鋼との接合金物の構造に関
する。
建築構造物に使用する鉄骨部材の鋼板と鉄筋コンクリー
ト部材のアンカー鉄筋との接合金物の構造に関し、特に
鋼板とアンカー鉄筋の異形棒鋼との接合金物の構造に関
する。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、特開2000−73378
号公報において、図33に示す鉄骨柱と基礎コンクリー
トとの接合構造について提案している。その内容は、立
ち上がり主鉄筋である複数の異形棒鋼3の下部を基礎コ
ンクリート1内に埋設固定し、凹凸を内面に設けた複数
の挿着孔5Aaを有する鉄筋挿入部(スリーブ金物)5
Aを鉄骨柱2の下部接合部に固着し、異形棒鋼3の基礎
1から突出した上端部をその鉄筋挿着部5Aに挿通して
その鉄筋挿着部5Aに高強度モルタルGを充填固化させ
鉄骨柱2と基礎コンクリート1とを接合させている。
号公報において、図33に示す鉄骨柱と基礎コンクリー
トとの接合構造について提案している。その内容は、立
ち上がり主鉄筋である複数の異形棒鋼3の下部を基礎コ
ンクリート1内に埋設固定し、凹凸を内面に設けた複数
の挿着孔5Aaを有する鉄筋挿入部(スリーブ金物)5
Aを鉄骨柱2の下部接合部に固着し、異形棒鋼3の基礎
1から突出した上端部をその鉄筋挿着部5Aに挿通して
その鉄筋挿着部5Aに高強度モルタルGを充填固化させ
鉄骨柱2と基礎コンクリート1とを接合させている。
【0003】この発明は、地震動に対して接合部にゆる
みが生じない長所を有する接合構造で、旧来に比してき
わめて有用な構造である。しかしながら、接合部にさら
に改善の余地があることがわかった。
みが生じない長所を有する接合構造で、旧来に比してき
わめて有用な構造である。しかしながら、接合部にさら
に改善の余地があることがわかった。
【0004】本出願人は、その後の種々な研究の結果、
以下に示す内容の改善をして提案するに至った。 (1) 鉄骨柱の下端と枠体との溶接接合の継ぎ手効率
の改善。 (2) 鉄筋挿入部へのグラウト充填の密実の改善。
以下に示す内容の改善をして提案するに至った。 (1) 鉄骨柱の下端と枠体との溶接接合の継ぎ手効率
の改善。 (2) 鉄筋挿入部へのグラウト充填の密実の改善。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した様な
従来技術に鑑みて提案されたものであり、接合強度を向
上した鉄骨柱の鋼板と異形棒鋼との接合金物の構造の提
供を目的としている。
従来技術に鑑みて提案されたものであり、接合強度を向
上した鉄骨柱の鋼板と異形棒鋼との接合金物の構造の提
供を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の鋼板と異形棒鋼
との接合金物の構造は、基礎コンクリート上に立設する
鉄骨柱とその基礎コンクリートに埋設されたアンカー鉄
筋の基礎コンクリートから突出した上部との接合部材の
構造において、溶接すべき上端部に裏当て部とJ形開先
とを有しかつ4隅に上方向きの突起部を設けた枠体を前
記鉄骨柱の下端底部に固着し、その枠体には内面に凹凸
を有する挿着孔を所定の間隔で設けた鉄筋挿入部を有
し、その挿着孔にアンカー鉄筋端部を挿入し高強度モル
タルを充填固化させて鉄骨柱と基礎コンクリートとを接
合しており、前記鉄筋挿入部は挿着孔の下部に設けたグ
ラウト材注入口の開口面積が上部に設けた排出口の開口
面積より大きく形成している。
との接合金物の構造は、基礎コンクリート上に立設する
鉄骨柱とその基礎コンクリートに埋設されたアンカー鉄
筋の基礎コンクリートから突出した上部との接合部材の
構造において、溶接すべき上端部に裏当て部とJ形開先
とを有しかつ4隅に上方向きの突起部を設けた枠体を前
記鉄骨柱の下端底部に固着し、その枠体には内面に凹凸
を有する挿着孔を所定の間隔で設けた鉄筋挿入部を有
し、その挿着孔にアンカー鉄筋端部を挿入し高強度モル
タルを充填固化させて鉄骨柱と基礎コンクリートとを接
合しており、前記鉄筋挿入部は挿着孔の下部に設けたグ
ラウト材注入口の開口面積が上部に設けた排出口の開口
面積より大きく形成している。
【0007】本発明の実施に際して、鉄骨柱の下端底部
と枠体との接合には、枠体の突き合わせ溶接すべき上端
部に裏当て金に相当する裏当て部を設けて突き合わせ溶
接が容易になるようにし、また突き合わせ溶接部にはJ
形開先を形成して溶け込みを容易にする。これによっ
て、鉄骨柱の下端は、平面切断のままで使用できる。ま
た、枠体の上端部四隅に上方向き突起部を設けて、高さ
方向の位置決め精度を確保して仮付けし、4周の突き合
わせ後にその突起部をガウジングして開先を形成し、溶
接を行って4周全体に完全な溶接接合をする。そして、
鉄筋挿入部にアンカー鉄筋の端部を挿入後に、グラウト
を注入し充填の際に密実となるような、注入口と排出口
の径路の直進化と、排出口に向かって内面を滑らかに
し、気泡等が残らぬように注入口面積を排出口面積より
大にして注入時にグラウトを加圧する必要がある。
と枠体との接合には、枠体の突き合わせ溶接すべき上端
部に裏当て金に相当する裏当て部を設けて突き合わせ溶
接が容易になるようにし、また突き合わせ溶接部にはJ
形開先を形成して溶け込みを容易にする。これによっ
て、鉄骨柱の下端は、平面切断のままで使用できる。ま
た、枠体の上端部四隅に上方向き突起部を設けて、高さ
方向の位置決め精度を確保して仮付けし、4周の突き合
わせ後にその突起部をガウジングして開先を形成し、溶
接を行って4周全体に完全な溶接接合をする。そして、
鉄筋挿入部にアンカー鉄筋の端部を挿入後に、グラウト
を注入し充填の際に密実となるような、注入口と排出口
の径路の直進化と、排出口に向かって内面を滑らかに
し、気泡等が残らぬように注入口面積を排出口面積より
大にして注入時にグラウトを加圧する必要がある。
【0008】鉄骨柱は、その下端部にかかる引張り、圧
縮の軸方向力と、曲げモーメント、せん断力が複合して
作用するので、これらの応力が同時に作用することを考
慮して断面の設計をしている。即ち、柱の外形寸法、板
厚さ、鋼材の種別等を決めている。従って、上記のよう
な枠体に鉄筋挿入部を設けた接合構造では、この柱断面
と等価以上の強度を有する接合構造にするために、枠体
強度、鉄筋挿入部強度、鉄筋強度、グラウト材による接
合強度を保証する必要がある。とくに枠体と鉄骨柱との
溶接接合は、継ぎ手効率が100%になるような溶接が
要求される。
縮の軸方向力と、曲げモーメント、せん断力が複合して
作用するので、これらの応力が同時に作用することを考
慮して断面の設計をしている。即ち、柱の外形寸法、板
厚さ、鋼材の種別等を決めている。従って、上記のよう
な枠体に鉄筋挿入部を設けた接合構造では、この柱断面
と等価以上の強度を有する接合構造にするために、枠体
強度、鉄筋挿入部強度、鉄筋強度、グラウト材による接
合強度を保証する必要がある。とくに枠体と鉄骨柱との
溶接接合は、継ぎ手効率が100%になるような溶接が
要求される。
【0009】また、本発明の別の鉄骨柱と基礎コンクリ
ートとの接合金物の構造は、基礎コンクリート上に立設
する鉄骨柱とその基礎コンクリートに埋設されたアンカ
ー鉄筋の基礎コンクリートから突出した上部との接合部
材の構造において、凹凸を内面に設けた挿着孔を有する
複数の鉄筋挿入部ユニットを設け、その鉄筋挿入部ユニ
ットには前記鉄骨柱断面に沿ったグルーブを形成して鉄
骨柱の下端と突き合わせ溶接し、前記挿着孔にアンカー
鉄筋端部を挿入し高強度モルタルを充填固化させて鉄骨
柱と基礎コンクリートとを接合しており、前記鉄筋挿入
部ユニットは挿着孔の下部に設けたグラウト材注入口の
開口面積が上部に設けた排出口の開口面積より大きく形
成している。
ートとの接合金物の構造は、基礎コンクリート上に立設
する鉄骨柱とその基礎コンクリートに埋設されたアンカ
ー鉄筋の基礎コンクリートから突出した上部との接合部
材の構造において、凹凸を内面に設けた挿着孔を有する
複数の鉄筋挿入部ユニットを設け、その鉄筋挿入部ユニ
ットには前記鉄骨柱断面に沿ったグルーブを形成して鉄
骨柱の下端と突き合わせ溶接し、前記挿着孔にアンカー
鉄筋端部を挿入し高強度モルタルを充填固化させて鉄骨
柱と基礎コンクリートとを接合しており、前記鉄筋挿入
部ユニットは挿着孔の下部に設けたグラウト材注入口の
開口面積が上部に設けた排出口の開口面積より大きく形
成している。
【0010】本発明の実施に際して、鉄骨柱の下端外側
面への鉄筋挿入部ユニットの固着に関し、重ね溶接のみ
でなく、鉄筋挿入部ユニットが突き合わせ溶接できるよ
うに柱断面に沿ってグルーブ(例えばJ形開先)が形成
されており、この突き合わせ溶接との組み合わせにより
確実に固着される。また、さらにスリットを設けて栓溶
接を加えるとよい。これによって、強度的な接合ととも
に、各部材への応力を集中させることなく平準化して配
分させることができる。
面への鉄筋挿入部ユニットの固着に関し、重ね溶接のみ
でなく、鉄筋挿入部ユニットが突き合わせ溶接できるよ
うに柱断面に沿ってグルーブ(例えばJ形開先)が形成
されており、この突き合わせ溶接との組み合わせにより
確実に固着される。また、さらにスリットを設けて栓溶
接を加えるとよい。これによって、強度的な接合ととも
に、各部材への応力を集中させることなく平準化して配
分させることができる。
【0011】この鉄骨柱と基礎コンクリートとの接合に
おいても、鉄筋挿入部ユニット、アンカー鉄筋、グラウ
ト材強度は、鉄骨柱断面強度と等価以上であることが必
要である。
おいても、鉄筋挿入部ユニット、アンカー鉄筋、グラウ
ト材強度は、鉄骨柱断面強度と等価以上であることが必
要である。
【0012】また、本発明によれば、複数の前記鉄筋挿
入部に台座をその側方に張り出して固着し、それらの台
座の下方に同一レベルでならしモルタルを打設し、それ
らのならしモルタルに建て込んだ固定用ボルトで台座を
螺着して鉄骨柱立設の際の安定を図っている。したがっ
て、据え付けレベルが確保されて高さ位置決めができ、
かつ据え付けの安定性が向上し、上部鉄骨の建方が容易
である。
入部に台座をその側方に張り出して固着し、それらの台
座の下方に同一レベルでならしモルタルを打設し、それ
らのならしモルタルに建て込んだ固定用ボルトで台座を
螺着して鉄骨柱立設の際の安定を図っている。したがっ
て、据え付けレベルが確保されて高さ位置決めができ、
かつ据え付けの安定性が向上し、上部鉄骨の建方が容易
である。
【0013】なお、上記の各発明は、鉄骨柱の鋼板とア
ンカー鉄筋との接合に限定するものではなく、鉄筋コン
クリート造のフレームに鉄骨の筋違いを取り付けたり、
鉄筋コンクリート造の壁体に鉄骨の梁材を取り付ける等
の土木建築構造物の鉄骨部材を構成する鋼鈑と鉄筋コン
クリート部材とを固着させる場合の接合一般に適用が可
能である。
ンカー鉄筋との接合に限定するものではなく、鉄筋コン
クリート造のフレームに鉄骨の筋違いを取り付けたり、
鉄筋コンクリート造の壁体に鉄骨の梁材を取り付ける等
の土木建築構造物の鉄骨部材を構成する鋼鈑と鉄筋コン
クリート部材とを固着させる場合の接合一般に適用が可
能である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。第1の実施形態を示す図1〜図8に
おいて、鉄骨柱2が立設される基礎コンクリート1に、
異形棒鋼で形成された複数の立ち上がりアンカー鉄筋3
と、その周囲に配した複数のフープ4とで籠状に配され
て埋設されている。また、鉄骨柱2の下端底部2aに
は、接合金物として、複数の鉄筋挿入部6を所定間隔で
設けた4角枠状の枠体5が溶接部5dで固着されてい
る。鉄筋挿入部6の、図7及び図8で詳記する挿着孔6
aに、鉄筋3の基礎1から突出した部分が挿入されてい
る。そして、挿着孔6a内部に高強度モルタルを充填固
化させて、鉄筋3と鉄筋挿入部6とが固着され、鉄骨柱
2と基礎コンクリート1とが接合されている。
施形態を説明する。第1の実施形態を示す図1〜図8に
おいて、鉄骨柱2が立設される基礎コンクリート1に、
異形棒鋼で形成された複数の立ち上がりアンカー鉄筋3
と、その周囲に配した複数のフープ4とで籠状に配され
て埋設されている。また、鉄骨柱2の下端底部2aに
は、接合金物として、複数の鉄筋挿入部6を所定間隔で
設けた4角枠状の枠体5が溶接部5dで固着されてい
る。鉄筋挿入部6の、図7及び図8で詳記する挿着孔6
aに、鉄筋3の基礎1から突出した部分が挿入されてい
る。そして、挿着孔6a内部に高強度モルタルを充填固
化させて、鉄筋3と鉄筋挿入部6とが固着され、鉄骨柱
2と基礎コンクリート1とが接合されている。
【0015】図2は、図1の接合要領を示す斜視図であ
る。鉄骨柱2と鉄筋3との間に枠体5が位置し、枠体5
の4面を形成する連結部6cには、8ヶの鉄筋挿入部6
が8本の鉄筋3の位置に合わせて設けられている。ま
た、枠体5の上部には、図3および図4も参照し、鉄骨
柱2の内側2cに遊嵌する裏当て部5cと、裏当て部5
cの外側に形成されたJ形開先5bと、4隅上部に向け
突設された突起部5aとが形成されている。
る。鉄骨柱2と鉄筋3との間に枠体5が位置し、枠体5
の4面を形成する連結部6cには、8ヶの鉄筋挿入部6
が8本の鉄筋3の位置に合わせて設けられている。ま
た、枠体5の上部には、図3および図4も参照し、鉄骨
柱2の内側2cに遊嵌する裏当て部5cと、裏当て部5
cの外側に形成されたJ形開先5bと、4隅上部に向け
突設された突起部5aとが形成されている。
【0016】突起部5aは、枠体5を鉄骨柱2に固着さ
せる作業課程で高さ精度を確保するもので、枠体5を鉄
骨柱2の下端底部2aに溶接する前に突起部5aの上面
と柱下端部2aの四隅を当接させ、必要に応じて仮付け
溶接し、高さ位置を確保し柱下端部2a側面の各溶接後
にガウジングして削除し、四隅部が本溶接できるように
構成されている。
せる作業課程で高さ精度を確保するもので、枠体5を鉄
骨柱2の下端底部2aに溶接する前に突起部5aの上面
と柱下端部2aの四隅を当接させ、必要に応じて仮付け
溶接し、高さ位置を確保し柱下端部2a側面の各溶接後
にガウジングして削除し、四隅部が本溶接できるように
構成されている。
【0017】図3は、図1のA矢視断面を示し、鉄骨柱
2は、内側2cと外側の間を等厚の鋼板で4角筒柱状に
形成されている。図4は、図1のB矢視断面で、枠体5
と鉄筋挿入部6との関係を示している。前記のように、
枠体5の上端に形成された4角筒状の裏当て部5cの外
側にJ形開先5bが4周に形成され、4隅には突起部5
aがその上端面を裏当て部5cと同一面に形成されてい
ている。また、図4においては、鉄筋挿入部6が12ヶ
の例を示しているが、連結部6cに排出口12を上に向
けた鉄筋挿入部6が連結されて形成されている。
2は、内側2cと外側の間を等厚の鋼板で4角筒柱状に
形成されている。図4は、図1のB矢視断面で、枠体5
と鉄筋挿入部6との関係を示している。前記のように、
枠体5の上端に形成された4角筒状の裏当て部5cの外
側にJ形開先5bが4周に形成され、4隅には突起部5
aがその上端面を裏当て部5cと同一面に形成されてい
ている。また、図4においては、鉄筋挿入部6が12ヶ
の例を示しているが、連結部6cに排出口12を上に向
けた鉄筋挿入部6が連結されて形成されている。
【0018】図5は、図1のC矢視断面で、連結部6c
で連結された鉄筋挿入部6と、鉄筋3およびグラウトG
との関係を示している。グラウトGは、挿入孔6aに鉄
筋3が挿入された後に注入口11から充填されている。
図6は、図1のD矢視断面で、鉄筋3の外周にフ−プ4
が取りつけられ鉄筋3とで籠状に形成されている。
で連結された鉄筋挿入部6と、鉄筋3およびグラウトG
との関係を示している。グラウトGは、挿入孔6aに鉄
筋3が挿入された後に注入口11から充填されている。
図6は、図1のD矢視断面で、鉄筋3の外周にフ−プ4
が取りつけられ鉄筋3とで籠状に形成されている。
【0019】図7および図8は、図1の枠体5に設けら
れた鉄筋挿入部6を示している。頂部5fを塞がれた円
筒状の筒部6eは、図5および図8に示すように、板状
の連結部6cで接続されている。頂部5fの連結部6c
と共有する最頂部に鉄骨柱2の内側2cに遊嵌する裏当
て部5cが形成され、裏当て部5cの鉄骨柱2外方、即
ち鉄骨柱2の下端底部2a側に突き合わせ溶接するため
J形開先5bが形成されている。筒部6eには、鉄筋3
が挿入される挿着孔6aが設けられ、その挿着孔6aの
内壁には複数の突起部6bを有する凹凸が形成されてい
る。挿着孔6aの底部には、挿入される鉄筋3が通過可
能な内径を有する環状のシール7が装着されている。
れた鉄筋挿入部6を示している。頂部5fを塞がれた円
筒状の筒部6eは、図5および図8に示すように、板状
の連結部6cで接続されている。頂部5fの連結部6c
と共有する最頂部に鉄骨柱2の内側2cに遊嵌する裏当
て部5cが形成され、裏当て部5cの鉄骨柱2外方、即
ち鉄骨柱2の下端底部2a側に突き合わせ溶接するため
J形開先5bが形成されている。筒部6eには、鉄筋3
が挿入される挿着孔6aが設けられ、その挿着孔6aの
内壁には複数の突起部6bを有する凹凸が形成されてい
る。挿着孔6aの底部には、挿入される鉄筋3が通過可
能な内径を有する環状のシール7が装着されている。
【0020】また、挿着孔6aの低部には、ほぼ水平に
グラウト注入口11が設けられ、挿着孔6aの上部に注
入口11より開口面積の小さいグラウト排出口12が上
方に向けて設けられている。注入口11と排出口12と
は、挿着孔6aを介してスムーズに連通されている。
グラウト注入口11が設けられ、挿着孔6aの上部に注
入口11より開口面積の小さいグラウト排出口12が上
方に向けて設けられている。注入口11と排出口12と
は、挿着孔6aを介してスムーズに連通されている。
【0021】上記構成の枠体5を使用して鉄骨柱2と基
礎コンクリート1を接合させる方法を図2、7、および
8を参照して説明する。予め工場において、鉄骨柱2の
下端に鉄筋挿入部6を設けた枠体5が溶接接合される。
その接合は、前記のように、枠体5の突起部5aに柱下
端底部2aを当接し高さ精度を確保して必要に応じて仮
付け溶接を行い、柱下端底部2aとJ形開先5bとの突
き合わせ溶接を行う。
礎コンクリート1を接合させる方法を図2、7、および
8を参照して説明する。予め工場において、鉄骨柱2の
下端に鉄筋挿入部6を設けた枠体5が溶接接合される。
その接合は、前記のように、枠体5の突起部5aに柱下
端底部2aを当接し高さ精度を確保して必要に応じて仮
付け溶接を行い、柱下端底部2aとJ形開先5bとの突
き合わせ溶接を行う。
【0022】そして、現場に搬入され、工事現場では、
鉄筋挿入部6の挿入孔6aに嵌合するように各鉄筋3を
基礎コンクリート1に配設しておき、定着されたそれら
の鉄筋3に挿入部6を挿入する。なお、柱2を基礎1に
据え付けるに当たり、4隅挿入部6の下端高さ方向の位
置決めのため、当該部分を所定高さまでモルタルを塗
り、高さ方向の寸法精度を確保する。
鉄筋挿入部6の挿入孔6aに嵌合するように各鉄筋3を
基礎コンクリート1に配設しておき、定着されたそれら
の鉄筋3に挿入部6を挿入する。なお、柱2を基礎1に
据え付けるに当たり、4隅挿入部6の下端高さ方向の位
置決めのため、当該部分を所定高さまでモルタルを塗
り、高さ方向の寸法精度を確保する。
【0023】ついで、鉄筋挿入部6の注入口11からグ
ラウトGを注入し、挿入孔6aに充填密実させる。この
際、排出口12が注入口11より小面積なので注入圧が
加わり、密実が容易に行われる。また、排出口12から
のグラウトの溢れ出しを目視して、充填が確実に行われ
たことを確認する。
ラウトGを注入し、挿入孔6aに充填密実させる。この
際、排出口12が注入口11より小面積なので注入圧が
加わり、密実が容易に行われる。また、排出口12から
のグラウトの溢れ出しを目視して、充填が確実に行われ
たことを確認する。
【0024】工場での溶接にあたり、鉄骨柱2と枠体5
との取り付け高さ精度を突起部5aによって確保し、周
辺に巡らせて裏当て金の機能を有している裏当て部5c
により継ぎ手効率のよい突き合わせ溶接を行い、アンカ
ー鉄筋3と鉄筋挿入部6とをグラウトで固化接合させて
ゆるみの生じない接合にする。このようにして、従来の
鉄骨柱とスリーブ(鉄筋挿入部)を設けた上方開放枠体
とでは、柱下端と連続した溶接ができないという溶接上
の不備をなくすことができる。
との取り付け高さ精度を突起部5aによって確保し、周
辺に巡らせて裏当て金の機能を有している裏当て部5c
により継ぎ手効率のよい突き合わせ溶接を行い、アンカ
ー鉄筋3と鉄筋挿入部6とをグラウトで固化接合させて
ゆるみの生じない接合にする。このようにして、従来の
鉄骨柱とスリーブ(鉄筋挿入部)を設けた上方開放枠体
とでは、柱下端と連続した溶接ができないという溶接上
の不備をなくすことができる。
【0025】図9〜図11は、鉄筋挿入部をユニットと
して平鋼板と鉄筋を接合させた例を示している。ここに
図9は正面を、図10は側面を、図11は図9のY矢視
を、それぞれ示している。図9〜図11において、平鋼
板2Aに鉄筋挿入部ユニットA6が(グルーブを有す
る)突き合わせ溶接部5dAを形成して接合されてい
る。その挿入部ユニットA6は、円筒状の鉄筋挿入部6
Aと、その鉄筋挿入部6Aに連結する翼状の連結部6c
Aとで形成されている。この構成は、前記図7および図
8に示した鉄筋挿入部6および連結部6cと同様であ
り、挿着孔6aA内に設けられた凹凸部も鉄筋挿入部6
Aに設けられたグラウト注入口11、排出口12も同様
である。
して平鋼板と鉄筋を接合させた例を示している。ここに
図9は正面を、図10は側面を、図11は図9のY矢視
を、それぞれ示している。図9〜図11において、平鋼
板2Aに鉄筋挿入部ユニットA6が(グルーブを有す
る)突き合わせ溶接部5dAを形成して接合されてい
る。その挿入部ユニットA6は、円筒状の鉄筋挿入部6
Aと、その鉄筋挿入部6Aに連結する翼状の連結部6c
Aとで形成されている。この構成は、前記図7および図
8に示した鉄筋挿入部6および連結部6cと同様であ
り、挿着孔6aA内に設けられた凹凸部も鉄筋挿入部6
Aに設けられたグラウト注入口11、排出口12も同様
である。
【0026】上記構成の挿入部ユニットA6の平鋼板2
Aへの接合は、連結部6cAの頂部に形成されたJ型開
先(グルーブ)によって平鋼鈑2Aの底部2aAに突き
合わせ溶接する。鉄筋挿着孔6aAへの鉄筋の挿入、グ
ラウトの注入要領は、前記実施形態と同様である。この
挿入部ユニットA6によって、土木・建築構造物の鋼鈑
とアンカー鉄筋との接合が、溶接継ぎ手効率のよい、ア
ンカー鉄筋での緩みのない接合ができる。
Aへの接合は、連結部6cAの頂部に形成されたJ型開
先(グルーブ)によって平鋼鈑2Aの底部2aAに突き
合わせ溶接する。鉄筋挿着孔6aAへの鉄筋の挿入、グ
ラウトの注入要領は、前記実施形態と同様である。この
挿入部ユニットA6によって、土木・建築構造物の鋼鈑
とアンカー鉄筋との接合が、溶接継ぎ手効率のよい、ア
ンカー鉄筋での緩みのない接合ができる。
【0027】図12〜図14は、鉄筋挿入部をユニット
としてL鋼板の角部と鉄筋を接合させた例を示してい
る。ここに図12は正面を、図10は側面を、図11は
図12のX1矢視断面をそれぞれ示している。図12〜
図14において、L状鋼板2Bに鉄筋挿入部ユニットB
6が突き合わせ溶接で接合されている。その挿入部ユニ
ットB6は、円筒状の鉄筋挿入部6Aと、鉄筋挿入部6
Aに連結するL翼状の連結部6cBとで形成されてい
る。この構成は、前記図9〜図11に示した鉄筋挿入部
6Aと連結部6cAとの関係と同様であり、L翼状の連
結部6cBの形状以外は前記鉄筋挿入部ユニットA6と
同様である。
としてL鋼板の角部と鉄筋を接合させた例を示してい
る。ここに図12は正面を、図10は側面を、図11は
図12のX1矢視断面をそれぞれ示している。図12〜
図14において、L状鋼板2Bに鉄筋挿入部ユニットB
6が突き合わせ溶接で接合されている。その挿入部ユニ
ットB6は、円筒状の鉄筋挿入部6Aと、鉄筋挿入部6
Aに連結するL翼状の連結部6cBとで形成されてい
る。この構成は、前記図9〜図11に示した鉄筋挿入部
6Aと連結部6cAとの関係と同様であり、L翼状の連
結部6cBの形状以外は前記鉄筋挿入部ユニットA6と
同様である。
【0028】上記構成の挿入部ユニットB6のL状鋼板
2Bへの接合とアンカー鉄筋への接合は、前記図9〜図
11の実施形態と実質的に同じである。この挿入部ユニ
ットB6によって、土木・建築構造物の鋼鈑の角部とア
ンカー鉄筋との接合が溶接継ぎ手効率のよい、アンカー
鉄筋での緩みのない接合ができる。
2Bへの接合とアンカー鉄筋への接合は、前記図9〜図
11の実施形態と実質的に同じである。この挿入部ユニ
ットB6によって、土木・建築構造物の鋼鈑の角部とア
ンカー鉄筋との接合が溶接継ぎ手効率のよい、アンカー
鉄筋での緩みのない接合ができる。
【0029】つぎに、鉄骨柱の鋼鈑側面に鉄筋挿入部を
固着させ、その鉄筋挿入部にアンカー鉄筋を挿着する接
合方式による別の実施形態を示す。前記の実施形態と異
なる部分を主体に、同部材は同符号で説明する。
固着させ、その鉄筋挿入部にアンカー鉄筋を挿着する接
合方式による別の実施形態を示す。前記の実施形態と異
なる部分を主体に、同部材は同符号で説明する。
【0030】図15、図16において、鉄骨柱2が立設
される基礎コンクリート1に、異形棒鋼で形成された複
数の立ち上がりアンカー鉄筋3と、その周囲に配した複
数のフープ4とが籠状に配されて埋設されている。ま
た、鉄骨柱2の下端側部2bの周囲四隅に3ヶの鉄筋挿
入部D6を設けた挿入部ユニットDA6が溶接部D5d
で固着されている。
される基礎コンクリート1に、異形棒鋼で形成された複
数の立ち上がりアンカー鉄筋3と、その周囲に配した複
数のフープ4とが籠状に配されて埋設されている。ま
た、鉄骨柱2の下端側部2bの周囲四隅に3ヶの鉄筋挿
入部D6を設けた挿入部ユニットDA6が溶接部D5d
で固着されている。
【0031】鉄筋挿入部D6の、図19、図20で詳記
する挿着孔D6aに、鉄筋3の基礎コンクリート1から
突出した部分が挿入されている。そして、挿着孔D6a
内部に高強度モルタルを充填固化させて、鉄筋3と挿入
部ユニットDA6とが固着されて、鉄骨柱2と基礎コン
クリート1とが接合されている。
する挿着孔D6aに、鉄筋3の基礎コンクリート1から
突出した部分が挿入されている。そして、挿着孔D6a
内部に高強度モルタルを充填固化させて、鉄筋3と挿入
部ユニットDA6とが固着されて、鉄骨柱2と基礎コン
クリート1とが接合されている。
【0032】図16は、前記図15の接合要領を示す斜
視図である。鉄骨柱2と鉄筋3との間に4ヶの挿入部ユ
ニットDA6が位置し、鉄筋挿入部D6が12本の鉄筋
3の位置に合わせて設けられている。
視図である。鉄骨柱2と鉄筋3との間に4ヶの挿入部ユ
ニットDA6が位置し、鉄筋挿入部D6が12本の鉄筋
3の位置に合わせて設けられている。
【0033】図17は、前記図15のB1矢視断面で、
鉄骨柱2と挿入部ユニットDA6との関係を示してい
る。下端側部2bの4隅に隅肉溶接D5dで固着された
挿入部ユニットDA6には、それぞれ上方に向けて開口
した排出口D12が設けられている。
鉄骨柱2と挿入部ユニットDA6との関係を示してい
る。下端側部2bの4隅に隅肉溶接D5dで固着された
挿入部ユニットDA6には、それぞれ上方に向けて開口
した排出口D12が設けられている。
【0034】図18は、前記図15のC矢視断面で、ア
ンカー鉄筋3と鉄筋挿入部D6とグラウトGとの関係を
示している。グラウトGは、挿着孔D6aに鉄筋3が挿
入された後に図15および図16に示す注入口11から
充填される。鉄骨柱2の下端側部2bへの挿入部ユニッ
トDA6の固着は、隅肉溶接部D5dとスリットC6
(図16参照)に溶着された栓溶接部S5dによって行
われている。図のA矢視断面及びD矢視断面は、前記実
施形態の図1のA、D矢視断面と同じである。
ンカー鉄筋3と鉄筋挿入部D6とグラウトGとの関係を
示している。グラウトGは、挿着孔D6aに鉄筋3が挿
入された後に図15および図16に示す注入口11から
充填される。鉄骨柱2の下端側部2bへの挿入部ユニッ
トDA6の固着は、隅肉溶接部D5dとスリットC6
(図16参照)に溶着された栓溶接部S5dによって行
われている。図のA矢視断面及びD矢視断面は、前記実
施形態の図1のA、D矢視断面と同じである。
【0035】図19および図20は、前記図15〜図1
8の鉄骨柱2に設けられた挿入部ユニットDA6を示し
ている。頂部D5fを塞がれた円筒状の3ヶの筒部D6
eは、翼板状の連結部D6cで接続されている。連結部
D6cの下端部D6gには、鋼板2の下端底部2cと突
き合わせ溶接のためのJ形開先D5bが形成されて鋼板
2側に凸起して形成されている。また、スリット部C6
での栓溶接に代え得るように、連結部D6cに仮付け用
の複数のボルト30が、溶接に先立つ位置決め用に取り
付けられている。
8の鉄骨柱2に設けられた挿入部ユニットDA6を示し
ている。頂部D5fを塞がれた円筒状の3ヶの筒部D6
eは、翼板状の連結部D6cで接続されている。連結部
D6cの下端部D6gには、鋼板2の下端底部2cと突
き合わせ溶接のためのJ形開先D5bが形成されて鋼板
2側に凸起して形成されている。また、スリット部C6
での栓溶接に代え得るように、連結部D6cに仮付け用
の複数のボルト30が、溶接に先立つ位置決め用に取り
付けられている。
【0036】挿入部ユニットDA6の鋼板2への固着
は、前記のように、頂部D5fが連結部D6cと共有す
る最頂部と、連結部D6cの側端部D6cBの隅肉溶接
と、図16に示す長方形のスリット部C6での栓溶接
と、下端部D6gでの突き合わせ溶接によっている。筒
部D6eに、鉄筋3の挿入が可能な挿着孔D6aが設け
られ、その挿着孔D6aの内壁に複数の突起部D6bを
有する凹凸が形成されている。挿着孔D6aの底部は、
挿入すべき鉄筋3が通過可能な内径を有する環状のシー
ル7が装着されている。
は、前記のように、頂部D5fが連結部D6cと共有す
る最頂部と、連結部D6cの側端部D6cBの隅肉溶接
と、図16に示す長方形のスリット部C6での栓溶接
と、下端部D6gでの突き合わせ溶接によっている。筒
部D6eに、鉄筋3の挿入が可能な挿着孔D6aが設け
られ、その挿着孔D6aの内壁に複数の突起部D6bを
有する凹凸が形成されている。挿着孔D6aの底部は、
挿入すべき鉄筋3が通過可能な内径を有する環状のシー
ル7が装着されている。
【0037】また、挿着孔D6aの低部にほぼ水平にグ
ラウト注入口D11が設けられ、挿着孔D6aの上部に
注入口D11より開口面積の小さいグラウト排出口D1
2が上方に向けて設けられている。注入口11と排出口
12とは、挿入孔D6aを介してスムーズな径路で連通
されている 上記以外は、前記第1の実施形態と実質的に同じであ
る。
ラウト注入口D11が設けられ、挿着孔D6aの上部に
注入口D11より開口面積の小さいグラウト排出口D1
2が上方に向けて設けられている。注入口11と排出口
12とは、挿入孔D6aを介してスムーズな径路で連通
されている 上記以外は、前記第1の実施形態と実質的に同じであ
る。
【0038】なお、上記構成は、4ヶの挿入部ユニット
DA6を使用しているが、相隣る挿入部ユニットDA6
を連結して2分割状で使用することも可能である。
DA6を使用しているが、相隣る挿入部ユニットDA6
を連結して2分割状で使用することも可能である。
【0039】次に上記構成の挿入部ユニットDA6を使
用して鉄骨柱2と基礎コンクリート1を接合させる手順
を、図16〜図20を参照して説明する。まず、異形棒
鋼のアンカー鉄筋3に挿入部ユニットDA6の鉄筋挿入
部D6を合わせ、挿入孔D6aに挿入させる。ついで、
挿入部ユニットDA6の鉄骨柱2への取り付け位置精度
を確保するため、栓溶接S5d(図16、図18参照)
または、ボルト30で下端側部2bに仮付けする。そし
て、連結部D6cの上部及び両側部D6cBを隅肉溶接
して横、縦の溶接部D5dで下端側部2bに固着させる
とともに、下端部D6gを鋼鈑2の下端底部2cに突き
合わせ溶接して固着させる。また、スリットC6に栓溶
接S5dをして固着させる。
用して鉄骨柱2と基礎コンクリート1を接合させる手順
を、図16〜図20を参照して説明する。まず、異形棒
鋼のアンカー鉄筋3に挿入部ユニットDA6の鉄筋挿入
部D6を合わせ、挿入孔D6aに挿入させる。ついで、
挿入部ユニットDA6の鉄骨柱2への取り付け位置精度
を確保するため、栓溶接S5d(図16、図18参照)
または、ボルト30で下端側部2bに仮付けする。そし
て、連結部D6cの上部及び両側部D6cBを隅肉溶接
して横、縦の溶接部D5dで下端側部2bに固着させる
とともに、下端部D6gを鋼鈑2の下端底部2cに突き
合わせ溶接して固着させる。また、スリットC6に栓溶
接S5dをして固着させる。
【0040】ついで、鉄筋挿入部6の注入口11からグ
ラウトGを注入し、挿入孔6aに充填密実させる。この
際、排出口12が注入口11より小面積なので注入圧が
加わり、密実が容易に行われる。また、排出口12から
のグラウトの溢れ出しを目視して、充填が確実に行われ
たことを確認する。
ラウトGを注入し、挿入孔6aに充填密実させる。この
際、排出口12が注入口11より小面積なので注入圧が
加わり、密実が容易に行われる。また、排出口12から
のグラウトの溢れ出しを目視して、充填が確実に行われ
たことを確認する。
【0041】上記によって、鉄骨柱2と挿入部ユニット
DA6との位置精度を確保し、隅肉溶接を、栓溶接と継
ぎ手効率のよい突き合わせ溶接とでカバーして、アンカ
ー鉄筋3と鉄筋挿入部D6とをグラウトGで固化接合さ
せてゆるみの生じない接合にする。
DA6との位置精度を確保し、隅肉溶接を、栓溶接と継
ぎ手効率のよい突き合わせ溶接とでカバーして、アンカ
ー鉄筋3と鉄筋挿入部D6とをグラウトGで固化接合さ
せてゆるみの生じない接合にする。
【0042】図21〜図23は、鉄筋挿入部をユニット
として平鋼板と鉄筋とを接合させた例を示している。こ
こに図21は正面を、図22は側面を、図23は図21
のX2矢断面を、それぞれ示している。
として平鋼板と鉄筋とを接合させた例を示している。こ
こに図21は正面を、図22は側面を、図23は図21
のX2矢断面を、それぞれ示している。
【0043】図21〜図23において、平鋼板2Aに挿
入部ユニットDA6Aが重ね溶接と突き合わせ溶接とで
接合されている。挿入部ユニットDA6Aは、円筒状の
鉄筋挿入部D6Aと、鉄筋挿入部D6Aに連結する翼状
の低部下端部D6Gとで形成されている。鉄筋挿入部D
6Aの構成は、前記図19、図20に示した鉄筋挿入部
6とほぼ同様であり、挿着孔D6a内に設けられた凹凸
部も、鉄筋挿入部D6Aに設けられたグラウト注入口1
1、排出口12も同様である。
入部ユニットDA6Aが重ね溶接と突き合わせ溶接とで
接合されている。挿入部ユニットDA6Aは、円筒状の
鉄筋挿入部D6Aと、鉄筋挿入部D6Aに連結する翼状
の低部下端部D6Gとで形成されている。鉄筋挿入部D
6Aの構成は、前記図19、図20に示した鉄筋挿入部
6とほぼ同様であり、挿着孔D6a内に設けられた凹凸
部も、鉄筋挿入部D6Aに設けられたグラウト注入口1
1、排出口12も同様である。
【0044】上記構成の挿入部ユニットDA6の平鋼板
2Aへの接合は、連結部D6cの頂部D5fでの隅肉溶
接と、下端部D6gと鋼鈑2Aの下端部との突き合わせ
溶接とで行われる。鉄筋挿着孔6aAへの鉄筋3の挿
入、グラウトGの注入要領は、前記実施形態と同様であ
る。この挿入部ユニットDA6Aによって、土木・建築
構造物の鋼鈑とアンカー鉄筋との接合が重ね溶接と継ぎ
手効率のよい突き合わせ溶接の組み合わせと、アンカー
鉄筋のグラウト固化で緩みのない接合ができる。
2Aへの接合は、連結部D6cの頂部D5fでの隅肉溶
接と、下端部D6gと鋼鈑2Aの下端部との突き合わせ
溶接とで行われる。鉄筋挿着孔6aAへの鉄筋3の挿
入、グラウトGの注入要領は、前記実施形態と同様であ
る。この挿入部ユニットDA6Aによって、土木・建築
構造物の鋼鈑とアンカー鉄筋との接合が重ね溶接と継ぎ
手効率のよい突き合わせ溶接の組み合わせと、アンカー
鉄筋のグラウト固化で緩みのない接合ができる。
【0045】図24〜図26は、鉄筋挿入部をユニット
としてL鋼板のL部と鉄筋を接合させた例を示してい
る。ここに図24は正面を、図25は側面を、図26は
図24のX3矢視断面をそれぞれ示している。
としてL鋼板のL部と鉄筋を接合させた例を示してい
る。ここに図24は正面を、図25は側面を、図26は
図24のX3矢視断面をそれぞれ示している。
【0046】図24〜図26において、L状鋼板2Bの
角部に挿入部ユニットEA6が重ね溶接と突き合わせ溶
設とで接合されている。挿入部ユニットEA6は、円筒
状の鉄筋挿入部E6Aと、鋼鈑2Bの底部で連結するL
翼状の下端連結部E6Gとで形成されている。この構成
は、前記図21〜図23に示した鉄筋挿入部D6Aと連
結部D6Gの関係と同様であり、L翼状の連結部E6G
の形状以外は前記鉄筋挿入部D6Aと同様である。
角部に挿入部ユニットEA6が重ね溶接と突き合わせ溶
設とで接合されている。挿入部ユニットEA6は、円筒
状の鉄筋挿入部E6Aと、鋼鈑2Bの底部で連結するL
翼状の下端連結部E6Gとで形成されている。この構成
は、前記図21〜図23に示した鉄筋挿入部D6Aと連
結部D6Gの関係と同様であり、L翼状の連結部E6G
の形状以外は前記鉄筋挿入部D6Aと同様である。
【0047】上記構成の挿入部ユニットEA6のL状鋼
板2Bへの接合とアンカー鉄筋3への接合とは、前記図
21〜図23の実施形態と実質的に同じである。この挿
入部ユニットEA6によって、土木・建築構造物の鋼鈑
の角部とアンカー鉄筋との接合が、重ね溶接と溶接継ぎ
手効率のよい突き合わせ溶接との組み合わせと、アンカ
ー鉄筋のグラウト固化とで緩みのない接合ができる。
板2Bへの接合とアンカー鉄筋3への接合とは、前記図
21〜図23の実施形態と実質的に同じである。この挿
入部ユニットEA6によって、土木・建築構造物の鋼鈑
の角部とアンカー鉄筋との接合が、重ね溶接と溶接継ぎ
手効率のよい突き合わせ溶接との組み合わせと、アンカ
ー鉄筋のグラウト固化とで緩みのない接合ができる。
【0048】図27〜図30は、鉄骨柱2の据え付けの
安定を図るため、ならしモルタルを打設する実施形態を
示している。図27および図28に示すように4隅の鉄
筋挿入部6には、側方に張り出した台座15がそれぞれ
溶接付けまたは一体鋳造されており、その台座15には
ボルト孔が穿孔されている。鉄骨柱2の据え付けに際
し、台座15の下方になる位置には据え付けレベルを確
保するために、固定用ボルト16を建て込んで台座15
の下面が同一レベルになるようにならしモルタル18を
打設する。そして、鉄骨柱2を立設して、台座15を固
定ボルト16で螺着する。
安定を図るため、ならしモルタルを打設する実施形態を
示している。図27および図28に示すように4隅の鉄
筋挿入部6には、側方に張り出した台座15がそれぞれ
溶接付けまたは一体鋳造されており、その台座15には
ボルト孔が穿孔されている。鉄骨柱2の据え付けに際
し、台座15の下方になる位置には据え付けレベルを確
保するために、固定用ボルト16を建て込んで台座15
の下面が同一レベルになるようにならしモルタル18を
打設する。そして、鉄骨柱2を立設して、台座15を固
定ボルト16で螺着する。
【0049】この例では、台座15は、図28に示すよ
うに各4隅の挿入部6から対角線延長方向に向けて設け
ているが、基礎幅が狭い場合には、図29または図30
に示すように横方向あるいは縦方向に突出させるように
してもよい。そして、これらを覆って後詰めコンクリー
ト(またはモルタル)19を打設する。
うに各4隅の挿入部6から対角線延長方向に向けて設け
ているが、基礎幅が狭い場合には、図29または図30
に示すように横方向あるいは縦方向に突出させるように
してもよい。そして、これらを覆って後詰めコンクリー
ト(またはモルタル)19を打設する。
【0050】上記の各実施形態の説明においては、断面
形状が4角形状の鉄骨柱2について説明したが、本発明
は、4角柱に限らず各種の断面形状の鉄骨柱についても
適用できる。図31には、クロス十字柱22に適用した
実施形態が示されている。柱22の下端部の各フランジ
面には、前記実施形態と同様の態様によって鉄筋挿入部
ユニットA6またはB6が溶接付けされており、基礎1
から突設されたアンカー鉄筋3の上端部が挿入され、グ
ラウト材が注入されて固着されている。
形状が4角形状の鉄骨柱2について説明したが、本発明
は、4角柱に限らず各種の断面形状の鉄骨柱についても
適用できる。図31には、クロス十字柱22に適用した
実施形態が示されている。柱22の下端部の各フランジ
面には、前記実施形態と同様の態様によって鉄筋挿入部
ユニットA6またはB6が溶接付けされており、基礎1
から突設されたアンカー鉄筋3の上端部が挿入され、グ
ラウト材が注入されて固着されている。
【0051】
【発明の効果】本発明の作用効果を以下に列記する。 (1) 従来のアンカーボルト形式では、地震時に正負
交番荷重を受けてねじ溝部の伸び歪みが生じ、ガタが生
じるので柱脚の固定度の弛みとなり、地震時の柱脚での
エネルギー吸収能力が小さい。これに対して、本発明で
はアンカー鉄筋にねじ溝のない異形棒鋼を用いたグラウ
ト接合で鉄骨柱と接合しているので、引張力、圧縮力に
対して固定されているので、理想的な完全固定柱脚が得
られ、エネルギー吸収力が大きいので耐震性にすぐれて
いる。 (2) 従来技術の鉄骨柱の外側に「枠形に連結したス
リーブ(鉄筋挿入部)金物」を取り付けるに当たり、柱
の内法寸法とスリーブ金物の製作誤差のため、接合作業
が困難であり、かつ、隙間が生じると鉄骨柱と枠形との
上下部での隅肉溶接に欠陥が生じやすい。また、上下面
を全面的に隅肉溶接しても隅肉溶接の最大脚長は鋼板厚
さtに等しくすることが規定され、これによれば溶接部
ののど厚さはt/√2となり、さらに許容せん断強さは
引張り強さの1/√3であるから、柱全断面の引張り強
さは上部と下部とを加えても単位溶接長さ当たり(t/
√2+t/√2)×1/√3=(√2/√3)となり、
この値、すなわち継ぎ手効率は板厚tの約81%に相当
する。さらにスリーブ孔部分の欠柱を考慮すると継ぎ手
効率はさらに低下する。これに対して本発明では、鉄筋
挿入部を設けた枠形を母材と同等の強さが得られる突き
合わせ溶接で鉄骨柱の下端部に固着させるので、柱と金
物との継ぎ手効率は100%となる。 (3) 従来技術では、突き合わせ溶接に裏当て金が必
要であり、スリーブ上端が開放になっているの溶接作業
がしにくい。これに対して本発明では、枠体に柱内側断
面に沿った裏当て部を形成してあり、完全な突き合わせ
溶接が可能な形状となっていて、溶接が容易で100%
の継ぎ手効率が得られる。 (4) グラウト排出口を注入口より小さくし、内側を
滑らかにしてあるので空隙が生じにくく注入時にグラウ
トに加圧され、密実なグラウト充填ができる。 (5) 従来の柱脚はアンカーボルトのほかに、このボ
ルトを囲む鉄筋籠が必要であるが、本発明では鉄筋籠自
体がアンカー体であるため最も単純な構成で柱脚の機能
が満足される。 (6) ベースプレートが不要なため隣地境界に近づけ
て柱を立設することができる。 (7) 従来のベースプレート+アンカーボルト形式に
くらべて、ベースプレート自体が不要であり、アンカー
ボルトと鉄筋籠が共用になるため、柱脚に要する鋼材量
は30〜55%減少し、省資源の目的にかなう。 (8) 柱脚の固定度が高いため、埋め込み形式の柱脚
と同等な性能を持たせることができるので、基礎梁の配
筋がしやすく、基礎自体がコンパクトに設計できコスト
ダウンに寄与するところが大きい。とくに、鉄骨鉄筋コ
ンクリート造の鉄骨柱を基礎の中に埋め込む必要がなく
なるのでコストだけでなく工程が短縮し、施工工期を短
くすることができる。 (9) 柱脚に適用して工事現場で立設する際に、高さ
位置を決めるためにならしモルタルを打設し、安定のた
めに固定ボルトを用いれば、作業上の安全が確保され上
部鉄骨の建方が容易である。 (10) 柱下端と接合金物との接合に当たり、金物側
に溶接用開先が設けてあるので、柱材は平面切断のまま
でよく、開先加工は不要である。 (11) 金物側の開先は、J形とすることができ、溶
接量が少なく作業能率が上がる。 (12) 上記(1)〜(11)の各効果は、接合金物
を鋳造法によって成形することで所定の形状を得ること
ができる。
交番荷重を受けてねじ溝部の伸び歪みが生じ、ガタが生
じるので柱脚の固定度の弛みとなり、地震時の柱脚での
エネルギー吸収能力が小さい。これに対して、本発明で
はアンカー鉄筋にねじ溝のない異形棒鋼を用いたグラウ
ト接合で鉄骨柱と接合しているので、引張力、圧縮力に
対して固定されているので、理想的な完全固定柱脚が得
られ、エネルギー吸収力が大きいので耐震性にすぐれて
いる。 (2) 従来技術の鉄骨柱の外側に「枠形に連結したス
リーブ(鉄筋挿入部)金物」を取り付けるに当たり、柱
の内法寸法とスリーブ金物の製作誤差のため、接合作業
が困難であり、かつ、隙間が生じると鉄骨柱と枠形との
上下部での隅肉溶接に欠陥が生じやすい。また、上下面
を全面的に隅肉溶接しても隅肉溶接の最大脚長は鋼板厚
さtに等しくすることが規定され、これによれば溶接部
ののど厚さはt/√2となり、さらに許容せん断強さは
引張り強さの1/√3であるから、柱全断面の引張り強
さは上部と下部とを加えても単位溶接長さ当たり(t/
√2+t/√2)×1/√3=(√2/√3)となり、
この値、すなわち継ぎ手効率は板厚tの約81%に相当
する。さらにスリーブ孔部分の欠柱を考慮すると継ぎ手
効率はさらに低下する。これに対して本発明では、鉄筋
挿入部を設けた枠形を母材と同等の強さが得られる突き
合わせ溶接で鉄骨柱の下端部に固着させるので、柱と金
物との継ぎ手効率は100%となる。 (3) 従来技術では、突き合わせ溶接に裏当て金が必
要であり、スリーブ上端が開放になっているの溶接作業
がしにくい。これに対して本発明では、枠体に柱内側断
面に沿った裏当て部を形成してあり、完全な突き合わせ
溶接が可能な形状となっていて、溶接が容易で100%
の継ぎ手効率が得られる。 (4) グラウト排出口を注入口より小さくし、内側を
滑らかにしてあるので空隙が生じにくく注入時にグラウ
トに加圧され、密実なグラウト充填ができる。 (5) 従来の柱脚はアンカーボルトのほかに、このボ
ルトを囲む鉄筋籠が必要であるが、本発明では鉄筋籠自
体がアンカー体であるため最も単純な構成で柱脚の機能
が満足される。 (6) ベースプレートが不要なため隣地境界に近づけ
て柱を立設することができる。 (7) 従来のベースプレート+アンカーボルト形式に
くらべて、ベースプレート自体が不要であり、アンカー
ボルトと鉄筋籠が共用になるため、柱脚に要する鋼材量
は30〜55%減少し、省資源の目的にかなう。 (8) 柱脚の固定度が高いため、埋め込み形式の柱脚
と同等な性能を持たせることができるので、基礎梁の配
筋がしやすく、基礎自体がコンパクトに設計できコスト
ダウンに寄与するところが大きい。とくに、鉄骨鉄筋コ
ンクリート造の鉄骨柱を基礎の中に埋め込む必要がなく
なるのでコストだけでなく工程が短縮し、施工工期を短
くすることができる。 (9) 柱脚に適用して工事現場で立設する際に、高さ
位置を決めるためにならしモルタルを打設し、安定のた
めに固定ボルトを用いれば、作業上の安全が確保され上
部鉄骨の建方が容易である。 (10) 柱下端と接合金物との接合に当たり、金物側
に溶接用開先が設けてあるので、柱材は平面切断のまま
でよく、開先加工は不要である。 (11) 金物側の開先は、J形とすることができ、溶
接量が少なく作業能率が上がる。 (12) 上記(1)〜(11)の各効果は、接合金物
を鋳造法によって成形することで所定の形状を得ること
ができる。
【図1】本発明の一実施形態を示す側断面図。
【図2】図1の組み付け要領を示す斜視図。
【図3】図1のA矢視断面図。
【図4】図1のB矢視断面図。
【図5】図1のC矢視断面図。
【図6】図1のD矢視断面図。
【図7】鉄筋挿入部の図5のE1矢視側断面図。
【図8】鉄筋挿入部の図5のF1矢視正断面図。
【図9】鉄筋挿入部と鋼板端部とを突き合わせ溶接しユ
ニットとした実施形態を示す正面図。
ニットとした実施形態を示す正面図。
【図10】図9の側面図。
【図11】図9のY矢視図。
【図12】L形鋼に鉄筋挿入部を突き合わせ溶接した状
態の例を示す側面図。
態の例を示す側面図。
【図13】図12の側面図。
【図14】図12のX1矢視断面図。
【図15】本発明の別の実施形態を示す側断面図。
【図16】図15の組み付け要領を示す斜視図。
【図17】図15のB1矢視断面図。
【図18】図15のC1矢視断面図。
【図19】鉄筋挿入部の図18のE2矢視側断面図。
【図20】鉄筋挿入部の図18のF2矢視正断面図。
【図21】図15の鉄筋挿入部と鉄板端部を突き合わせ
溶接した状態例を示す正面図。
溶接した状態例を示す正面図。
【図22】図21の側面図。
【図23】図21のX2矢視断面図。
【図24】L形鋼に鉄筋挿入部を突き合わせ溶接した状
態例を示す正面図。
態例を示す正面図。
【図25】図24の側面図。
【図26】図24のX3矢視断面図。
【図27】レベル確保するならしモルタルを打設する実
施形態を示す側断面図。
施形態を示す側断面図。
【図28】図27の平面図。
【図29】基礎幅の制約を受ける場合の台座を示す平面
図
図
【図30】図29の台座の別の例を示す平面図。
【図31】断面形状の異なる鉄骨柱に適用した例を示す
側面図。
側面図。
【図32】図31の断面図。
【図33】従来の鉄骨柱と基礎コンクリートとの接合を
示す側断面図。
示す側断面図。
1・・・基礎コンクリート 2・・・鉄骨柱 2a・・底部 3・・・アンカー鉄筋(異形棒鋼) 4・・・フープ 5・・・枠体 6・・・鉄筋挿入部 6a・・・挿着孔 11・・・注入口 12・・・排出口 A6、B6,DA6・・・鉄筋挿入部ユニット
Claims (3)
- 【請求項1】 基礎コンクリート上に立設する鉄骨柱と
その基礎コンクリートに埋設されたアンカー鉄筋の基礎
コンクリートから突出した上部との接合金物の構造にお
いて、溶接すべき上端部に裏当て部とJ形開先とを有し
かつ4隅に上方向きの突起部を設けた枠体を前記鉄骨柱
の下端底部に固着し、その枠体には内面に凹凸を有する
挿着孔を所定の間隔で設けた鉄筋挿入部を有し、その挿
着孔にアンカー鉄筋端部を挿入し高強度モルタルを充填
固化させて鉄骨柱と基礎コンクリートとを接合してお
り、前記鉄筋挿入部は挿着孔の下部に設けたグラウト材
注入口の開口面積が上部に設けた排出口の開口面積より
大きく形成していることを特徴とする鉄骨柱と基礎コン
クリートとの接合金物の構造。 - 【請求項2】 基礎コンクリート上に立設する鉄骨柱と
その基礎コンクリートに埋設されたアンカー鉄筋の基礎
コンクリートから突出した上部との接合金物の構造にお
いて、凹凸を内面に設けた挿着孔を有する複数の鉄筋挿
入部ユニットを設け、その鉄筋挿入部ユニットには前記
鉄骨柱断面に沿ったグルーブを形成して鉄骨柱の下端と
突き合わせ溶接し、前記挿着孔にアンカー鉄筋端部を挿
入し高強度モルタルを充填固化させて鉄骨柱と基礎コン
クリートとを接合しており、前記鉄筋挿入部ユニットは
挿着孔の下部に設けたグラウト材注入口の開口面積が上
部に設けた排出口の開口面積より大きく形成しているこ
とを特徴とする鉄骨柱と基礎コンクリートとの接合金物
の構造。 - 【請求項3】 複数の前記鉄筋挿入部に台座をその側方
に張り出して固着し、それらの台座の下方に同一レベル
でならしモルタルを打設し、それらのならしモルタルに
建て込んだ固定用ボルトで台座を螺着して鉄骨柱立設の
際の安定を図っている請求項1または2のいずれかの鉄
骨柱と基礎コンクリートとの接合金物の構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001135869A JP2002327496A (ja) | 2001-05-07 | 2001-05-07 | 鉄骨柱と基礎コンクリートとの接合金物の構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001135869A JP2002327496A (ja) | 2001-05-07 | 2001-05-07 | 鉄骨柱と基礎コンクリートとの接合金物の構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002327496A true JP2002327496A (ja) | 2002-11-15 |
Family
ID=18983256
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001135869A Pending JP2002327496A (ja) | 2001-05-07 | 2001-05-07 | 鉄骨柱と基礎コンクリートとの接合金物の構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002327496A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006009344A (ja) * | 2004-06-24 | 2006-01-12 | Shimizu Corp | 鋼管柱の柱脚接合部の構造および施工方法 |
JP7647806B2 (ja) | 2019-08-30 | 2025-03-18 | 株式会社大林組 | 柱の接合構造及び柱の構築方法 |
-
2001
- 2001-05-07 JP JP2001135869A patent/JP2002327496A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006009344A (ja) * | 2004-06-24 | 2006-01-12 | Shimizu Corp | 鋼管柱の柱脚接合部の構造および施工方法 |
JP4502192B2 (ja) * | 2004-06-24 | 2010-07-14 | 清水建設株式会社 | 鋼管柱の柱脚接合部の構造および施工方法 |
JP7647806B2 (ja) | 2019-08-30 | 2025-03-18 | 株式会社大林組 | 柱の接合構造及び柱の構築方法 |
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