JP2002322323A - 難燃性樹脂組成物およびそれを用いたシート - Google Patents

難燃性樹脂組成物およびそれを用いたシート

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JP2002322323A
JP2002322323A JP2001128771A JP2001128771A JP2002322323A JP 2002322323 A JP2002322323 A JP 2002322323A JP 2001128771 A JP2001128771 A JP 2001128771A JP 2001128771 A JP2001128771 A JP 2001128771A JP 2002322323 A JP2002322323 A JP 2002322323A
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resin composition
sheet
olefin
retardant resin
resin
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JP2001128771A
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English (en)
Inventor
Masashi Hashimoto
正志 橋本
Yuji Karasawa
勇治 唐沢
Junichi Yamauchi
淳一 山内
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JNC Corp
JNC Petrochemical Corp
Original Assignee
Chisso Petrochemical Corp
Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カレンダー成形時に、カレンダーロールの
バンクにおける溶融樹脂のロール間隙への食い込みが良
好で、カレンダーロールにおける樹脂の粘着がなく、得
られるシートは平滑性に優れ穴明きなど欠陥がなく外観
良好で建材用途や家電用途に好適に用いられる、オレフ
ィン系難燃性樹脂組成物およびそれを成形して得られる
シートの提供を課題とする。 【解決手段】 オレフィン系樹脂20〜60重量%、金
属水和物系難燃剤80〜40重量%を含有する難燃性樹
脂組成物であり、かつその樹脂組成物が、0.5cm3/1
0分≦(メルトフローレート/密度)≦3cm3/10分
である難燃性樹脂組成物およびそれをカレンダー成形し
て得られるシート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カレンダー成形に
好適なオレフィン系難燃性樹脂組成物およびそれをカレ
ンダー成形して得られる難燃性に優れたシートに関す
る。詳しくは、カレンダー成形時にカレンダーロール間
の樹脂溜まり(以下「バンク」という)における溶融樹
脂のロール間隙への食い込みが良好なオレフィン系難燃
性樹脂組成物、およびそれをカレンダー成形して得られ
る平滑性に優れ穴明きなど欠陥のない外観良好な建材用
途、家電用途などに好適に用いられるシートに関する。
なお、本発明では、フィルムおよびシートを総称してシ
ートという。
【0002】
【従来の技術】従来、建材用途などの合成樹脂系難燃シ
ートには、コスト、難燃性などの理由から、塩化ビニル
系樹脂が多く用いられてきたが、焼却時に塩化水素ガス
を発生するため、廃棄物処理の点で問題があり、代替製
品が求められるようになった。このため、オレフィン系
樹脂などのハロゲンを含まない樹脂の要望が高まってい
る。しかし、オレフィン系樹脂は、塩化ビニル系樹脂と
比較して、難燃性に劣るため、多量の難燃剤の添加が必
要とされている。中でも、金属水和物系難燃剤は燃焼時
の有毒ガスの発生がなく、非常にクリーンな難燃剤とし
て注目されているが、上述のように高い難燃性を付与す
るためには、難燃剤を多量に添加する必要がある。
【0003】一方、カレンダー成形法は、従来塩化ビニ
ル系樹脂シートなどの製造に用いられてきた。カレンダ
ー成形法は、厚み精度および高速生産性に優れた成形法
であり、近年、このカレンダー成形法をエチレン系樹脂
やプロピレン系樹脂などオレフィン系樹脂のシートの製
造に用いる試みがなされるようになったが、オレフィン
系樹脂は塩化ビニル系樹脂に比較してカレンダーロール
での粘着が発生し易い等、カレンダー加工性が劣るとい
う課題がある。
【0004】また、カレンダー成形法では、シートの材
料となる樹脂組成物が予備混練工程で溶融された後、複
数本のカレンダーロールで圧延されシートに成形される
が、難燃性を高めるために難燃剤を多量に配合すると、
カレンダーロールのバンクにおいて溶融樹脂の食い込み
が悪くなり、ロール間隙からの安定した樹脂の排出が困
難になり、平滑性に優れ穴明きなど欠陥のない外観良好
なシートの成形ができないという問題があった。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、カレンダ
ー成形時にカレンダーロールのバンクでのロール間隙へ
の溶融樹脂の食い込みが良好で、更にカレンダーロール
への粘着がなく、得られるシートは平滑性に優れ穴明き
など欠陥のない外観良好で建材用途や家電用途に好適に
用いられる、シート成形用のオレフィン系難燃性樹脂組
成物およびそれをカレンダー成形して得られるシートの
提供を課題とする。
【0006】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果、特定のメルトフローレート/密度を有するオレ
フィン系難燃性樹脂組成物及びそれをカレンダー成形し
て得られるシートが前記課題を解決することを見出し本
発明に至った。
【0007】すなわち、本発明は、オレフィン系樹脂2
0〜60重量%、金属水和物系難燃剤80〜40重量%
を含有する難燃性樹脂組成物であり、かつその樹脂組成
物が、0.5cm3/10分≦(メルトフローレート/密
度)≦3cm3/10分である難燃性樹脂組成物にかかる
ものである。
【0008】また、本発明は、前記オレフィン難燃性樹
脂組成物100重量部に対して、さらに(a)フェノー
ル及びリン系酸化防止剤から選ばれる少なくとも1種の
酸化防止剤0.05〜2.0重量部、(b)多価アルコー
ル脂肪酸エステル系滑剤から選ばれる少なくとも1種の
滑剤0.05〜2.0重量部を含有するオレフィン系難燃
性樹脂組成物にかかるものである。
【0009】さらには、本発明は、前記オレフィン系難
燃性樹脂組成物を用いてカレンダー加工により成形され
たシートにかかる物である。
【0010】また、本発明は、前記オレフィン系難燃性
樹脂組成物を用いることを特徴とする、カレンダー温度
120〜200℃で成形する方法を含む。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明において、オレフィン系樹脂として
は、プロピレンやエチレンの単独重合体、プロピレン
(又はエチレン)を主成分とするプロピレン(又はエチ
レン)以外の単量体との二元以上のランダムまたはブロ
ック共重合体およびこれらの2種類以上の混合物が挙げ
られる。前記単量体としては、特に限定されないが、プ
ロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、
1−オクテンなどの炭素数3〜12のα−オレフィン、
酢酸ビニルなどのビニル化合物、アクリル酸エチルなど
のアクリル酸エステル、メタクリル酸メチルなどのメタ
クリル酸エステル、一酸化炭素などが例示できる。これ
らは1種でも2種以上の併用でもよい。また、以下に説
明するオレフィン系難燃性樹脂組成物を0.5≦(メル
トフローレート/密度)≦3cm3/10分にするために
は、オレフィン系樹脂のメルトフローレート(JIS
K 7210−1976「熱可塑性プラスチックの流れ
試験方法」表1の条件4(試験温度190℃、試験荷重
21.18N)により測定、以下「メルトフローレー
ト」という)が、好ましくは0.1〜20、より好まし
くは0.3〜10のものを用いるのが望ましい。
【0012】本発明において、難燃剤として機能する金
属水和物としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸
化アルミニウム、アルミナ(水和物)、ほう酸亜鉛、ハ
イドロタルサイト、ドーソナイト、アルミン酸カルシウ
ム、カオリンクレー等が挙げられる。中でも、水酸化マ
グネシウム、水酸化アルミニウムは難燃性とコストを両
立できる点で好ましい。これらの金属水和物は単独又は
2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0013】さらに、本発明においては難燃化助剤とし
て、赤リン等のリン系化合物、シリコーン化合物、メラ
ミン、炭酸カルシウム等の無機充填剤を添加することが
出来る。
【0014】本発明の難燃性樹脂組成物は、オレフィン
系樹脂20〜60重量%、金属水和物系難燃剤80〜4
0重量%を配合される。金属水和物系難燃剤が40重量
%未満であると難燃性が低下し、80重量%を超えると
オレフィン系樹脂の含有量が少なくなる為、カレンダー
加工における前処理ブレンド工程での混練が困難にな
る。
【0015】また、前記オレフィン系難燃性樹脂組成物
は、メルトフローレート、及び密度(JIS K711
2−1980「プラスチックの密度と比重の測定方法」
6.1A法(水中置換法による測定方法)により測定、
以下「密度」という)が、0.5≦(メルトフローレー
ト/密度)≦3cm3/10分、好ましくは0.6≦(メル
トフローレート/密度)≦2cm3/10分であることが
望ましい。0.5>(メルトフローレート/密度)であ
ると、カレンダー成形時にカレンダーロールのバンクで
の溶融樹脂の食い込みが悪くなり、ロール間隙からの安
定した樹脂組成物の排出が困難になり、平滑性に優れ穴
明きなど欠陥のない外観良好なシートの成形ができな
い。また、(メルトフローレート/密度)>3cm3/1
0分以上になると、カレンダーロールでの粘着が発生し
易くなり、カレンダーロールからのシートの剥離が困難
になり、平滑性に優れ穴明きなど欠陥のない外観良好な
シートの成形ができない。
【0016】本発明のオレフィン系難燃性樹脂組成物に
おいては、オレフィン系難燃性樹脂組成物100重量部
に対し、フェノール系酸化防止剤およびリン系酸化防止
剤から選ばれる少なくとも1種の酸化防止剤が、0.0
5〜2.0重量部配合される。
【0017】前記酸化防止剤の配合量が、0.05重量
部未満であると、カレンダーロールにおける樹脂の粘着
が発生しやすくなり、2.0重量部を超えるとオレフィ
ン系難燃性樹脂組成物中の配合剤が吹出してカレンダー
ロール表面にプレートアウトを生じたり、製品シート表
面にブリードやブルームの現象を生じ商品価値を損なう
おそれがある。
【0018】前記酸化防止剤としては、フェノール系酸
化防止剤として、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、1,3,
5−トリメチル−2,4,6−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2−t−ブチル
−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチル
ベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−t
−ブチル−6−[3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5
−メチル(α−メチルベンジル)]−4−メチルフェニ
ルアクリレート、2,4−ジ−t−ブチル−6−[3,5
−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシベンジル]]フェニ
ルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−[3,5
−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシベンジル]]フェニ
ルアクリレート、2,4−ジ−t−ブチル−6−[3,5
−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシ(α−メチルベンジ
ル)]フェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル
−6−[3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシ(α
−メチルベンジル)]フェニルアクリレート、4,4′
ブチリデン−ビス(6−t−ブチル−m−クレゾー
ル)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,1,3
−トリス(2−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)ブタン、3,9−ビス[1,1−ジメチル−
2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メ
チルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−2,4,
8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、テ
トラキス[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチ
ル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタ
ン、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブ
チル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート]などを挙げることができる。これらは、単独
でまたは2種以上を組合せて用いることができる。
【0019】また、リン系酸化防止剤としては、トリス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−フォスファイ
ト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニ
ル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、ジ
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリト
ール−ジ−フォスファイト、ジステアリルペンタエリス
リトール−ジ−フォスファイト、2,2−メチレンビス
(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルフォスフ
ァイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、ト
リス(モノ,ジ−ノニルフェニル)フォスファイト、テ
トラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4′
−ビフェニレン−ジ−フォスフォナイト、テトラキス
(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)−4,
4′−ビフェニレン−ジ−フォスフォナイトなどを挙げ
ることができる。これらは、単独でまたは2種以上を組
合せて用いることができる。特に、フェノール系酸化防
止剤とリン系酸化防止剤の併用が好ましい。
【0020】本発明のオレフィン系難燃性樹脂組成物に
おいては、オレフィン系難燃性樹脂組成物100重量部
に対し、多価アルコール脂肪酸エステル系滑剤から選ば
れる少なくとも1種の滑剤が0.05〜2.0重量部配合
される。これらの滑剤の配合量が、0.05重量部未満
であるとカレンダーロールにおける樹脂の粘着が発生し
やすくなり、2.0重量部を超えるとオレフィン系難燃
性樹脂組成物中の配合剤が吹出してカレンダーロール表
面にプレートアウトを生じたり、製品シート表面にブリ
ードやブルームの現象を生じ商品価値を損なうおそれが
ある。
【0021】前記多価アルコール脂肪酸エステル系滑剤
としては、多価アルコール成分がグリセリン、ソルビト
ール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール
などで、脂肪酸成分がラウリン酸、ステアリン酸、オレ
イン酸、エルカ酸、ベヘニン酸などの脂肪酸である多価
アルコールと脂肪酸の完全または部分エステル、前記多
価アルコール成分と前記脂肪酸成分に更に酸成分として
コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸などの二塩基酸を用いて得られる多価アルコー
ルと脂肪酸・二塩基酸の完全または部分エステルを挙げ
ることができる。多価アルコール脂肪酸エステル系滑剤
の中でも、多価アルコール成分がペンタエリスリトール
またはジペンタエリスリトールで、脂肪酸成分が炭素数
16〜22の脂肪酸で、二塩基酸が脂肪族二塩基酸であ
る多価アルコールと脂肪酸・二塩基酸のエステルが、カ
レンダーロールにおける粘着防止効果が大きく、カレン
ダーロールへのプレートアウトがなく好ましい。
【0022】本発明においては、必要に応じて上記以外
にオレフィン系樹脂組成物に一般的に用いられる各種添
加剤、例えば、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、
中和剤、無機充填剤(タルク、炭酸カルシウム、シリ
カ、ハイドロタルサイト、マイカ、酸化チタンなど)、
ブロッキング防止剤、抗菌剤、顔料(無機顔料、有機顔
料、パール顔料など)などを本発明の効果を大きく阻害
しない限りにおいて配合することができる。
【0023】本発明のオレフィン系難燃性樹脂組成物
は、オレフィン系樹脂、金属水和物系難燃剤、酸化防止
剤、多価アルコール脂肪酸エステル系滑剤および必要に
応じて配合される他の添加剤をスーパーミキサー、リボ
ンブレンダー、バンバリーミキサー、ミキシングロー
ル、押出機などを用いて混合・溶融・混練して得られ
る。
【0024】本発明のオレフィン系難燃性樹脂シート
は、上記の混合・溶融・混練して得られたオレフィン系
難燃性樹脂組成物を、必要に応じてストレーナーやウォ
ーミングロールを経由してカレンダーロールに移送し、
カレンダーロールにて圧延しシート状にした後、テイク
オフロール、エンボスロール、冷却ロール、トリミング
カッターなどを経てワインダーに巻き取られて製品化さ
れる。
【0025】本発明のオレフィン系難燃性樹脂シートの
厚みは、0.07〜2.0mm、好ましくは0.1〜1.5m
m、更に好ましくは0.3〜1.0mmであることが望まし
い。シートの厚み精度は、JIS B 7502の外側マ
イクロメータにてシートの幅方向10cm毎に等間隔で、
シートの長さ方向に20cm毎に10回測定し、例えば平
均厚み0.07mmのシートの場合は、厚みの許容差が、
好ましくは平均厚み±20%以下、より好ましくは15
%以下であることが望ましい。また、例えば平均厚み
2.0mmのシートでは、厚みの許容差が、好ましくは平
均厚み±7%以下、より好ましくは4%以下であること
が望ましい。
【0026】本発明のオレフィン系難燃性樹脂シートを
建材用途および家電用途などに用いるためには必要に応
じて印刷や積層など二次加工が必要であり、その場合オ
レフィン系難燃性樹脂シートの印刷や接着に供する面
は、ぬれ指数が36mN/m以上であることが望ましい。
36mN/m以上のぬれ指数を実現するための表面処理方
法としては、コロナ放電処理を挙げることができる。コ
ロナ放電処理は、火炎プラズマ処理などに比べ処理の程
度の安定性や作業の安全性の点で優れた方法である。
【0027】また、オレフィン系難燃性樹脂シートを印
刷や接着に供する場合、インク層、表面層、基材層との
密着性や接着性をさらに向上させるため、グラビアコー
ター、ロールコーター等でシートの表面にプライマーを
塗布することができる。プライマーとしては公知のオレ
フィン系樹脂用プライマーを用いることができる。具体
的には、ポリウレタン系、ポリエステル系、塩素化ポリ
オレフィン系、アクリル系等のプライマーを例示できる
が、環境面から塩素等のハロゲン元素を含まないプライ
マーが好ましい。
【0028】また、印刷を行なう場合、印刷の方法とし
ては、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷
など公知の印刷方法が用いられる。本発明のオレフィン
系難燃性樹脂シートには、意匠性を高めるため、エンボ
ス加工やワイピング加工によって木目導管模様などを付
与することができる。
【0029】本発明のオレフィン系難燃性樹脂シートに
は、必要に応じて、少なくとも1種類以上の樹脂を積層
することができる。積層の方法としては、熱ラミネート
法、ドライラミネート法、押出ラミネート法など公知の
方法が用いられる。積層される樹脂としては、エチレン
系樹脂、プロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエス
テル系樹脂などを挙げることができる。
【0030】また、本発明のオレフィン系難燃性樹脂シ
ートには、耐候性、耐汚染性、耐スクラッチ性を向上さ
せるためにトップコート層を設けることができる、トッ
プコート層を形成させるために使用される樹脂として
は、ウレタン系樹脂、シリコン系樹脂、アクリル系樹
脂、フッ素系樹脂などを挙げることができる。
【0031】
【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるも
のではない。試験方法について説明する。
【0032】(a)カレンダー成形性 4本の直径711mm(28インチ)の金属ロールからな
る逆L字型精密カレンダー成形装置を用い、バンバリミ
キサーとミキシングロールで溶融混練された実施例およ
び比較例の各樹脂組成物を、各々2時間以上連続して、
表1および2に記載のカレンダー設定温度(金属ロール
表面温度)で、最終カレンダーロールの面速度10m/
分で、圧延してシートを成形した。圧延されたシート
は、テイクオフロール速度11m/分で引き取られ、冷
却ロールで冷却された後、12m/分の速度でワインダ
ーに巻き取られ、厚み0.5mmのシートを成形した。カ
レンダー成形性は下記基準に従って評価した。
【0033】(a−1)粘着 ◎:ロールへの樹脂組成物の粘着がなく、ロールからの
剥離が容易。 ○:ロールへの樹脂組成物の粘着が少しあるが、ロール
からの剥離が可能。 ×:ロールへの樹脂組成物の粘着がひどく、ロールから
の均一な剥離が困難。 (a−2)バンクへの食込み ◎:溶融樹脂のバンクへの食込みが均一で、カレンダー
ロール間隙からの樹脂組成物の吐出が均一。 ○:溶融樹脂のバンクへの食込みが少し不均一だが、カ
レンダーロール間隙からの樹脂組成物の吐出はほぼ均
一。 ×:溶融樹脂のバンクへの食込みが不均一で、カレンダ
ーロール間隙からの樹脂組成物の吐出が不均一。
【0034】(b)シートの外観 カレンダー成形で得られたシートを目視観察し、下記基
準に従って評価した。 ◎:シートの表面が平滑である。 ○:シートの表面に凹凸又は光沢ムラがわずかに見られ
る。 ×:シートの表面に凹凸又は光沢ムラが見られる。
【0035】(c)シートの厚み精度 カレンダー成形で得られたシートをJIS B 7502
の外側マイクロメータにてシートの幅方向10cm毎に等
間隔で、シートの長さ方向に20cm毎に10回測定し、
厚み精度を下記基準に従って評価した。 ◎:厚みの許容差が、平均厚みの±5%以下 ○:厚みの許容差が、平均厚みの±5%を超え、±10
%以下 ×:厚みの許容差が、平均厚みの±10%を超える
【0036】(d)難燃性評価(酸素指数) 得られたシートの難燃性は、JIS K 7201に準じ
て酸素指数を測定し評価した。酸素指数の数値が高い方
が難燃性に優れる。
【0037】実施例および比較例において用いられたオ
レフィン系樹脂、難燃剤、酸化防止剤、滑剤を以下に示
す。 [オレフィン系樹脂] A:高密度ポリエチレン(京葉ポリエチレン製、E80
82) B:高密度ポリエチレン(京葉ポリエチレン製、B55
14) C:ポリプロピレン(チッソ製、NF1702) D:ポリプロピレン(チッソ製、F1088) E:低密度ポリエチレン(東ソー製、ZF130) F:低密度ポリエチレン(ダウケミカル社製、アフィニ
ティーPL1880) G:水添スチレンブタジエンラバー(JSR製、ダイナ
ロン1320P)
【0038】[難燃剤] H:水酸化マグネシウム(協和化学工業(株)製、キスマ
5A) J:水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製、ハイジライ
トH−42S) K:ハイドロタルサイト(協和化学工業(株)製、DHT
−4A2)
【0039】[酸化防止剤] M:フェノール系酸化防止剤(トリス(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレー
ト) N:リン系酸化防止剤(トリス(2,4−ジ−t−ブチ
ルフェニル)フォスファイト)
【0040】[滑剤] P:多価アルコール脂肪酸エステル(ジペンタエリスリ
トール脂肪酸・二塩基酸エステル(リケスターEW−1
00、理研ビタミン(株)製))
【0041】実施例1〜10、比較例1〜8 表1および表2に記載された配合処方により、各樹脂組
成物を混合した後、これらを前記、(a)カレンダー成
形性の試験に供し、(b)得られたシートの外観を観察
し、(c)厚み精度を測定した。また、得られたシート
は(d)難燃性を測定した。評価結果を表1および表2
に示した。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】以上の結果から分かるように、本発明のオ
レフィン系難燃性樹脂組成物は、カレンダー成形におい
てカレンダーロールのバンクにおける溶融樹脂のロール
間隙への食い込みが良好で、カレンダーロールへの粘着
がなく、得られたシートは平滑で穴明きなどの外観不良
がないため、建材用途や家電用途等など要求の厳しい分
野にも好適に用いられる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/49 C08K 5/49 (72)発明者 唐沢 勇治 千葉県市原市五井海岸5番地の1 チッソ 石油化学株式会社加工品開発研究所内 (72)発明者 山内 淳一 千葉県市原市五井海岸5番地の1 チッソ 石油化学株式会社加工品開発研究所内 Fターム(参考) 4F071 AA15 AA20 AB18 AB20 AB21 AB26 AC10 AC11 AC15 AE05 AE07 AE11 AF47 BA01 BB04 BC01 4J002 BB03 BB04 BB061 BB071 BB12 BB141 DE076 DE146 DE186 DE276 DJ036 DK006 EH048 EH058 EJ027 EJ037 EJ047 EJ067 EU197 EW067 FD077 FD136 FD178

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレフィン系樹脂20〜60重量%、金
    属水和物系難燃剤80〜40重量%を含有するオレフィ
    ン系難燃性樹脂組成物であり、かつそのオレフィン系難
    燃性樹脂組成物が、0.5cm3/10分≦(メルトフロー
    レート/密度)≦3cm3/10分であるオレフィン系難
    燃性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記オレフィン系難燃性樹脂組成物10
    0重量部に対して、(a)フェノール及びリン系酸化防
    止剤から選ばれる少なくとも1種の酸化防止剤0.05
    〜2.0重量部、(b)多価アルコール脂肪酸エステル
    系滑剤から選ばれる少なくとも1種の滑剤0.05〜2.
    0重量部を含有する請求項1記載のオレフィン系難燃性
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のオレフィン系
    難燃性樹脂組成物を用いてカレンダー加工により成形さ
    れたシート。
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