JP2002321985A - マグネシア質不定形耐火物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶鋼中に硼素、燐、チタン、アルミニウム、
ジルコニウムなどの成分の溶出が少なく、かつ、耐用性
に優れた補修用のマグネシア質不定形耐火物を提供す
る。 【解決手段】 水で混練して施工するマグネシア質不定
形耐火物において、(ａ)マグネシア質を主成分とし、
(ｂ)硼素及び燐の含有率をそれぞれ０．２重量％以下と
し、(ｃ)チタンの含有率を０．４重量％以下とするとと
もに、(ｄ)アルミニウムの含有率を２重量％以下とす
る。また、マグネシア質として、チタンの含有率が０．
０７重量％以下の天然マグネシアクリンカー、及び天然
マグネシアクリンカーを電融したチタンの含有率が０．
０７重量％以下のマグネシアクリンカーの少なくとも１
種を用いるとともに、結合剤として、乳酸塩を用い、か
つ、シリカ超微粉を１〜５重量％の割合で配合する。ま
た、カーボンを１〜５重量％の範囲で含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、特殊な鋼種を精錬
するために用いられる溶融金属容器などの内張り用耐火
物に関し、詳しくは、鋼の性質に悪影響を及ぼすような
ことのない補修用の不定形耐火物に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば溶鋼取鍋や，脱ガス装置などの製
鉄用精錬設備においては、耐食性に優れた耐火物が必要
となる。

【０００３】そこで、溶鋼取鍋や，脱ガス装置などの製
鉄用精錬設備においては、これまでマグクロれんがやア
ルミナ質不定形耐火物などが多用されている。ところ
で、耐火物は、使用中に溶損する過程で、溶鋼成分と反
応し、一定量は溶鋼中に溶け込むことになる。したがっ
て、特殊な鋼種を精錬する場合には、耐火物からの成分
の溶出が問題になる場合がある。

【０００４】例えば、珪素鋼の場合、溶鋼中のアルミニ
ウム量に制限があり、アルミナを主体とする耐火物から
のアルミニウム成分の溶出により、得られる珪素鋼の特
性が劣化するというような不都合が起こる場合がある。
汎用的な耐火物が含有している成分の中で、溶鋼中に溶
出した場合に問題となる成分には、硼素、燐、チタン、
アルミニウム、ジルコニウムなどが例示される。特に補
修用の不定形耐火物は、れんがに比べて溶損量が大きい
ため、これらの成分の溶鋼中への溶出が大きな問題とな
る場合がある。

【０００５】また、不定形耐火物の結合剤としては、ア
ルミナセメントや燐酸塩が多用されているが、これらの
成分の溶鋼中への溶出も問題となり、他の結合剤を使用
することが必要になるような場合が生じるに至ってい
る。

【０００６】そこで、これらのアルミナセメントや燐酸
塩などの成分を含まないものとして、ピッチなどを添加
し、カーボンボンドが形成されるようにしたタイプの補
修材も提案され、使用されているが、発煙などによる作
業環境の悪化を招いたりして好ましくないという問題点
がある。

【０００７】総じて言えば、実際に使用されている補修
用の耐火物のほとんどが、上述の硼素、燐、チタン、ア
ルミニウム、ジルコニウムなどの成分を含んでおり、上
述のような問題点を包含しているのが実情である。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みてなされたものであり、溶鋼への硼素、燐、チタ
ン、アルミニウム、ジルコニウムなどの溶出が少なく、
かつ、耐用性に優れたマグネシア質不定形耐火物を提供
することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のマグネシア質不定形耐火物は、水で混練し
て施工するマグネシア質不定形耐火物であって、(ａ)マ
グネシア質を主成分とし、(ｂ)硼素及び燐の含有率がそ
れぞれ０．２重量％以下、(ｃ)チタンの含有率が０．４
重量％以下、(ｄ)アルミニウムの含有率が２重量％以下
であることを特徴としている。

【００１０】請求項１のマグネシア質不定形耐火物のよ
うに、(ａ)マグネシア質を主成分とし、(ｂ)硼素及び燐
の含有率をそれぞれ０．２重量％以下とし、(ｃ)チタン
の含有率を０．４重量％以下とするとともに、(ｄ)アル
ミニウムの含有率を２重量％以下とすることにより、溶
鋼中に硼素、燐、チタン、アルミニウムなどが溶出する
ことを確実に抑制して、溶鋼中への不定形耐火物成分の
溶出により、得られる鋼、例えば珪素鋼などの特性の劣
化を防止することが可能になる。

【００１１】また、請求項２のマグネシア質不定形耐火
物は、前記マグネシア質として、チタンの含有率が０．
０７重量％以下の天然マグネシアクリンカー、及び天然
マグネシアクリンカーを電融したチタンの含有率が０．
０７重量％以下のマグネシアクリンカーの少なくとも１
種を用いるとともに、結合剤として、乳酸塩を用い、か
つ、シリカ超微粉を１〜５重量％の割合で配合したこと
を特徴としている。

【００１２】請求項２のマグネシア質不定形耐火物のよ
うに、マグネシア質として、チタンの含有率が０．０７
重量％以下の天然マグネシアクリンカー、及び天然マグ
ネシアクリンカーを電融したチタンの含有率が０．０７
重量％以下のマグネシアクリンカーの少なくとも１種を
用いるとともに、結合剤として、乳酸塩を用い、かつ、
シリカ超微粉を１〜５重量％の割合で配合することによ
り、強度の劣化を抑制しつつ、チタン及びアルミニウム
の溶出をさらに低減することができるようになる。

【００１３】また、請求項３のマグネシア質不定形耐火
物は、カーボンを１〜５重量％の範囲で含有することを
特徴としている。

【００１４】請求項３のマグネシア質不定形耐火物のよ
うに、カーボンを１〜５重量％の範囲で含有させること
により、過焼結の抑制を図ることが可能になり、本発明
をさらに実効あらしめることが可能になる。

【００１５】不定形耐火物には、アルミナ質を主成分と
するもの、ジルコニア質を主成分とするもの、シリカ質
を主成分とするもの、マグクロ質を主成分とするものな
ど、種々のものがある。しかし、アルミナ質を主成分と
する不定形耐火物においては、アルミニウムの溶出が問
題になり、また、ジルコニア質を主成分とする不定形耐
火物においては、ジルコニウムの溶出が問題となる。さ
らに、シリカ質を主成分とする不定形耐火物の場合に
は、耐食性に劣るという問題点がある。また、マグクロ
質を主成分とする不定形耐火物の場合には、クロム鉱に
含まれるＡｌの溶出が問題となり、ピクロクロマイト成
分を用いる場合には問題はないが高価になるという問題
点がある。

【００１６】本発明では、このような状況を全体的に考
慮して、マグネシア質を主成分として用いるようにし
た。本発明のマグネシア質不定形耐火物において、硼素
の含有率は０．２重量％以下であることが好ましい。な
お、主成分であるマグネシア質のうち、海水マグネシア
には一般に硼素０．２〜０．５％含まれているため好ま
しくない。また、硼素を除去した海水マグネシアを用い
ることは可能であるが、高価であるとともに、消化し易
いという欠点がある。したがって、マグネシア質として
は、天然マグネシアクリンカーや天然マグネシアクリン
カーを電融したマグネシア質を用いることが望ましい。
なお、天然マグネシアクリンカーや、天然マグネシアク
リンカーを電融したマグネシア質のチタン含有率は、
０．０７重量％以下であり、チタンの溶出の問題はな
い。

【００１７】また、従来のマグネシア質不定形耐火物に
は、結合剤として、燐酸塩（例えば燐酸ナトリウム）が
０．１〜２重量％添加されたものがあるが、結合剤とし
て、燐酸塩を用いることは、燐（Ｐ）の溶出の問題があ
るので好ましくない。そこで、本発明のマグネシア質不
定形耐火物においては、結合剤として燐酸塩は使用せ
ず、乳酸塩、例えば乳酸アルミニウムや乳酸カルシウム
を添加することにより、燐の含有率が０．２％以下とな
るようにした。

【００１８】また、マグネシア質不定形耐火物には、消
化して水和物を生成しやすいという欠点があるが、乳酸
塩は消化防止にも効果を期待することができる。なお、
乳酸塩を結合剤として用いた場合、４００〜６００℃で
強度が失われるため、シリカ超微粉を加えることにより
強度の劣化が抑制、防止されるようにした。また、シリ
カ超微粉は、マグネシア質の消化抑制にも効果が期待で
きることは周知の事実である。

【００１９】また、マグネシア質は、加熱冷却時に大き
な膨張、収縮があり、スポーリングし易いという欠点が
あるが、本発明では、これを解決するため、カーボン
（例えば黒鉛など）を１〜５重量％の範囲で含有させる
ことにより、過焼結の抑制を図り、耐スポーリング性を
向上させるようにしている。

【００２０】このように、マグネシア質不定形耐火物に
おいて、硼素や、燐の含有率を低く抑え、かつ、チタン
及びアルミニウムの含有率を低く抑えることにより、耐
スポーリング性に優れ、水で混練して圧入もしくは流し
込みにより施工することが可能なマグネシア質不定形耐
火物を提供することが可能になる。

【００２１】

【発明の実施の形態】本発明のマグネシア質不定形耐火
物においては、マグネシア質原料として、天然マグネシ
アクリンカー、さらにその天然マグネシアクリンカーを
電融したものを使用することが可能である。

【００２２】海水マグネシアクリンカーは海水から製造
されるため、酸化硼素を含有しており、ＭｇＯ９５％ク
ラスのものでは、酸化硼素をＢ換算で０．２〜０．５重
量％含有している。したがって、この海水マグネシアク
リンカーは本発明のマグネシア質不定形耐火物に使用す
るには好ましくない。なお、酸化硼素を除去したＭｇＯ
９８％クラスのものは使用可能であるが、高価であるこ
とから、コストの増大を招き、好ましくない。

【００２３】一方、天然マグネシアクリンカーでは、酸
化硼素の含有率がＢ換算で０．００２〜０．００７重量
％程度、その電融品は酸化硼素の含有率がＢ換算で０．
００１〜０．００３％程度であり、酸化硼素の含有率及
びコストの両方の面から、本発明のマグネシア質不定形
耐火物におけるマグネシア質原料として好適である。本
発明のマグネシア質不定形耐火物においては、天然マグ
ネシアクリンカー及びその電融品のいずれか一方を単独
で使用するか、又は両者を併用することが可能である。
天然マグネシアクリンカー及びその電融品の使用量は、
全体での含有率が９０〜９６重量％となるような割合で
使用することが望ましい。また、天然マグネシアクリン
カー及びその電融品としては、 粒度が１〜３mmのものが２０〜３０重量％、 粒度が０．０７５〜１mmのものが４０〜５０重量％、 粒度が０．０７５mm以下のものが２０〜３５重量％ となるような割合で使用することが望ましい。

【００２４】シリカ超微粉は含有率が１〜５重量％とな
るような範囲で添加することが望ましい。これは、シリ
カ超微粉の添加量が１重量％未満になると、中間域の強
度発現が不十分になり、また５重量％を超えると施工体
に過焼結や溶融を生じ、耐用性が劣化して好ましくない
ことによる。

【００２５】結合剤としては消化抑制、及び低温域にお
ける強度保持の目的で、乳酸塩（例えば乳酸アルミニウ
ムや乳酸カルシウムなど）を使用することが望ましい。
なお、乳酸アルミニウムを使用する場合には、使用量は
１〜５重量％の範囲とすることが望ましい。これは、乳
酸アルミニウムの添加量が１重量％以下の場合には、強
度が小さく、十分な添加効果を得ることができないため
であり、また、乳酸アルミニウムを５重量％を超えて添
加しても、強度向上の効果は横ばいとなり、コストを押
し上げる結果となることによる。

【００２６】また、結合剤である乳酸塩の添加量は、気
温によって変化させることが望ましい。なお、乳酸塩の
添加量が増えると、マグネシア質不定形耐火物の使用可
能時間を延ばすことができる。乳酸塩としては、乳酸カ
ルシウムを使用することが可能であり、好ましい添加量
の範囲もほぼ同じであるが、添加量が増えると粘性が上
昇する傾向があるため、より好ましい添加量は、１〜３
重量％の範囲となる。

【００２７】また、本発明のマグネシア質不定形耐火物
においては、カーボンを添加することにより耐スポーリ
ング性を向上させることが可能である。なお、本発明の
マグネシア質不定形耐火物においては、カーボンを添加
する場合、揮発性の少ないカーボンを添加することが望
ましい。カーボン原料としては、人造黒鉛、鱗状黒鉛、
土状黒鉛などが例示される。人造黒鉛は高価であり、鱗
状黒鉛は添加量によって流動性が著しく損なわれる場合
がある。これに対して、土状黒鉛は安価で、流動性が著
しく損なわれることがないので好ましい。なお、カーボ
ン原料の添加量は１〜５重量％の範囲が望ましく、１重
量％未満では耐スポーリング性向上の効果を十分に得る
ことができず、また、５重量％を超えると流動性が悪く
なり、過剰の水を加えることが必要となって耐用性が低
下するため好ましくない。

【００２８】カーボン原料を添加した場合、酸化を抑制
する見地から金属を合わせて添加することが望ましい
が、その場合、アルミニウムを使用することは好ましく
ないため、シリコンを添加することが望ましい。また、
シリコンを添加する場合、粒度が０．０７５mm以下のも
のを０．１〜１重量％の範囲で添加することが望まし
い。これは、シリコンの添加量が０．１重量％未満の場
合、カーボンの酸化を抑制する効果が不十分になり、ま
た、１重量％を超える割合で添加しても、酸化抑制の効
果に顕著な向上が見られず、コストの上昇を招くことに
よる。また、シリコンを添加することにより、熱間での
強度発現を期待することが可能になる。

【００２９】

【実施例】表１の試料番号１〜７に示すような組成の不
定形耐火物を調製し、特殊鋼の精錬用の溶鋼容器の内張
補修材として用いた。

【００３０】

【表１】

【００３１】試料番号１の不定形耐火物は、一般的に使
用されているアルミナ質の圧入施工用不定形耐火物であ
り、解膠剤として、トリポリ燐酸ソーダを用いている。

【００３２】また、試料番号２のマグネシア質不定形耐
火物は、酸化硼素を含む海水マグネシアクリンカーを使
用したものであり、結合剤として、乳酸アルミニウムを
用いている。

【００３３】なお、試料番号３〜７のマグネシア質不定
形耐火物は、天然マグネシアクリンカー又は電融マグネ
シアクリンカーを用いている。

【００３４】また、試料番号３〜６のマグネシア質不定
形耐火物においては、結合剤として乳酸アルミニウムを
用いており、試料番号７のマグネシア質不定形耐火物に
おいては、結合剤として乳酸カルシウムを用いている。

【００３５】［特性の評価］試料番号１の従来のアルミ
ナ質の不定形耐火物は、脱ガス環流管で熱間で使用し
た。耐用性は３５ｃｈで残存はなかった。なお、この試
料番号１の不定形耐火物は、アルミニウムの割合が本発
明の範囲から外れているため、今回の特殊鋼の精錬には
使用しなかった。

【００３６】試料番号２の不定形耐火物は、本発明の不
定形耐火物であるが、酸化硼素を含む海水マグネシアク
リンカーを使用したものであり、耐用性は４２ｃｈで残
存はなかったが、鋼の成分外れ率が、硼素について生じ
た（成分外れ率＝０．２％）。なお、燐及びアルミニウ
ムの成分外れは認められなかった。

【００３７】また、試料番号３の不定形耐火物は、本発
明の不定形耐火物の中で、天然マグネシアクリンカーを
使用したものであり、耐用性は２８ｃｈで残存はなかっ
た。また、鋼の成分外れ率は、硼素、燐及びアルミニウ
ムのいずれについても０％で、成分外れは認められなか
った。

【００３８】また、試料番号４の不定形耐火物は、本発
明の不定形耐火物の中で、電融マグネシアクリンカーを
使用したものであり、耐用性は３８ｃｈで残存はなかっ
た。また、鋼の成分外れ率は、硼素、燐及びアルミニウ
ムのいずれについても０％で、成分外れは認められなか
った。

【００３９】また、試料番号５の不定形耐火物は、本発
明の不定形耐火物の中で、電融マグネシアクリンカーを
使用し、かつ、土状黒鉛を０．５％と、金属シリコンを
０．５％（外掛け）添加したものであり、耐用性は４０
ｃｈで残存はなかった。また、鋼の成分外れ率は、硼
素、燐及びアルミニウムのいずれについても０％で、成
分外れは認められなかった。

【００４０】また、試料番号６の不定形耐火物は、本発
明の不定形耐火物の中で、電融マグネシアクリンカーを
使用し、かつ、土状黒鉛を３％と、金属シリコンを０．
３％（外掛け）添加したものであり、耐用性は４２ｃｈ
で残存はなかった。また、鋼の成分外れ率は、硼素、燐
及びアルミニウムのいずれについても０％で、成分外れ
は認められなかった。

【００４１】また、試料番号７の不定形耐火物は、本発
明の不定形耐火物の中で、電融マグネシアクリンカーを
使用し、かつ、土状黒鉛を３％と、金属シリコンを０．
３％（外掛け）、乳酸アルミニウムの代わりに、乳酸カ
ルシウム１．５％を添加したものであり、耐用性は３５
ｃｈで残存はなかった。また、鋼の成分外れ率は、硼
素、燐及びアルミニウムのいずれについても０％で、成
分外れは認められなかった。

【００４２】上述のように、本発明のマグネシア質不定
形耐火物（試料番号２〜７）においては、従来のアルミ
ナ質に比べ、ほぼ同等の耐用性を有し、かつ、天然マグ
ネシアクリンカー又は電融マグネシアクリンカーを用い
た、試料番号３〜７のマグネシア質不定形耐火物におい
ては、鋼中の硼素、燐、アルミニウムの成分外れは皆無
となり良質な鋼が精錬されることが確認された。

【００４３】

【発明の効果】上述のように、本発明（請求項１）のマ
グネシア質不定形耐火物は、(ａ)マグネシア質を主成分
とし、(ｂ)硼素及び燐の含有率をそれぞれ０．２重量％
以下とし、(ｃ)チタンの含有率を０．４重量％以下とす
るとともに、(ｄ)アルミニウムの含有率を２重量％以下
としているので、溶鋼中に硼素、燐、チタン、アルミニ
ウムなどが溶出することを確実に抑制して、溶鋼中への
不定形耐火物成分の溶出により、得られる鋼、例えば珪
素鋼などの特性の劣化を防止することができるようにな
る。

【００４４】また、請求項２のマグネシア質不定形耐火
物のように、マグネシア質として、チタンの含有率が
０．０７重量％以下の天然マグネシアクリンカー、及び
天然マグネシアクリンカーを電融したチタンの含有率が
０．０７重量％以下のマグネシアクリンカーの少なくと
も１種を用いるとともに、結合剤として、乳酸塩を用
い、かつ、シリカ超微粉を１〜５重量％の割合で配合す
るようにした場合、強度の劣化を抑制しつつ、チタン及
びアルミニウムの溶出をさらに低減することが可能にな
る。

【００４５】また、請求項３のマグネシア質不定形耐火
物のように、カーボンを１〜５重量％の範囲で含有させ
るようにした場合、過焼結の抑制を図ることが可能にな
り、本発明をさらに実効あらしめることができる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｃ２１Ｃ 7/00 Ｃ２１Ｃ 7/00 Ｑ Ｆ２７Ｄ 1/00 Ｆ２７Ｄ 1/00 Ｎ (72)発明者 前田 榮造 兵庫県赤穂市中広字東沖1576番地の２ 川 崎炉材株式会社内 (72)発明者 田中 征二郎 兵庫県赤穂市中広字東沖1576番地の２ 川 崎炉材株式会社内 (72)発明者 会田 公治 岡山県倉敷市水島川崎通１丁目 川崎製鉄 株式会社水島製鉄所内 Ｆターム(参考） 4G033 AA03 AA15 AA24 AB21 4K013 CF19 4K051 AA06 AB03 AB05 BB03 BE03

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】水で混練して施工するマグネシア質不定形
   耐火物であって、 (ａ)マグネシア質を主成分とし、 (ｂ)硼素及び燐の含有率がそれぞれ０．２重量％以下、 (ｃ)チタンの含有率が０．４重量％以下、 (ｄ)アルミニウムの含有率が２重量％以下であることを
   特徴とするマグネシア質不定形耐火物。
2. 【請求項２】前記マグネシア質として、チタンの含有率
   が０．０７重量％以下の天然マグネシアクリンカー、及
   び天然マグネシアクリンカーを電融したチタンの含有率
   が０．０７重量％以下のマグネシアクリンカーの少なく
   とも１種を用いるとともに、 結合剤として、乳酸塩を用い、かつ、 シリカ超微粉を１〜５重量％の割合で配合したことを特
   徴とする請求項１記載のマグネシア質不定形耐火物。
3. 【請求項３】カーボンを１〜５重量％の範囲で含有する
   ことを特徴とする請求項１又は２記載のマグネシア質不
   定形耐火物。