JP2002311106A - 電気特性検査プローブ - Google Patents

電気特性検査プローブ

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JP2002311106A
JP2002311106A JP2001267542A JP2001267542A JP2002311106A JP 2002311106 A JP2002311106 A JP 2002311106A JP 2001267542 A JP2001267542 A JP 2001267542A JP 2001267542 A JP2001267542 A JP 2001267542A JP 2002311106 A JP2002311106 A JP 2002311106A
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electrostrictive element
probe card
probe
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substrate
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JP2001267542A
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Katsuyuki Ishikawa
勝之 石川
Osamu Sugano
修 菅野
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Taiheiyo Cement Corp
Original Assignee
Taiheiyo Cement Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被検査対象物の電極との間の接触抵抗を十分
に低減し、精度の高い検査を行うことを可能とする電気
特性検査プローブを提供する。 【解決手段】 電気特性検査プローブ10は、被検査対
象物50の電極52に接触させるための端子20を基板
18の一の主面に有するプローブカード12と、プロー
ブカード12の基板18の端子20が設けられた主面と
は異なる他の主面上に設けられており、電圧を印加する
ことで基板18の主面に沿う方向にプローブカード12
を変位させることが可能な電歪素子16と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子の導通
状態など電気特性を検査するための電気特性検査プロー
ブに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体素子の導通検査におい
ては、いわゆるカンチレバー型やヴァーティカル型な
ど、基板に検査用の端子としての針(ベリリウムカッパ
ー製等)を取り付けたニードルタイプのプローブカード
が用いられてきた。
【0003】しかしながら、近年、半導体素子の配線パ
ターンの微細化が進展するにつれ、電極の高密度化に対
応すべく端子の高密度化が要求されるが、かかるニード
ルタイプのプローブカードでは端子の高密度化に限界が
あった。
【0004】そこで、いわゆるメンブレン型と呼ばれる
プローブカードが採用されてきている。このメンブレン
型のプローブカードは、可撓性のフィルム上に形成され
た回路配線と、回路配線の端部に設けられたバンプ(突
起電極)とを備えている。かかるメンブレン型のプロー
ブカードでは、半導体の微細加工技術を用いて端子とし
てのバンプを形成することが可能であるため、端子の高
密度化に十分対応することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ここで、半導体素子の
電極はAlまたはAl合金などの金属から構成される。
Alは、空気中で表面に酸化膜を形成することが知られ
ており、この酸化膜は電気的な絶縁性を有する。よっ
て、半導体素子の導通検査においては、高い精度での検
査を行うために、酸化膜を破って接触抵抗を低減した状
態で検査する必要がある。
【0006】しかしながら、上記した従来のメンブレン
型のプローブカードでは、ニードルタイプのプローブカ
ードのように、導通検査の際に半導体素子の電極の上を
引っ掻いて電極の上に形成された酸化膜を破ることが難
しく、バンプと半導体素子の電極との間の接触抵抗を十
分に低減することが困難であった。
【0007】そこで本発明は、被検査対象物の電極との
間の接触抵抗を十分に低減し、精度の高い検査を行うこ
とを可能とする電気特性検査プローブを提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電気特性検
査プローブは、(1)被検査対象物の電極に接触させる
ための端子を基板の一の主面に有するプローブカード
と、(2)プローブカードの基板の端子が設けられた主
面とは異なる他の主面上に設けられており、電圧を印加
することで基板の主面に沿う方向にプローブカードを変
位させることが可能な電歪素子と、を備えることを特徴
とする。
【0009】この電気特性検査プローブは、電歪素子を
備えているため、プローブ自体を支持した状態で電歪素
子に電圧を印加すると、電歪素子が歪むことでプローブ
カードが基板の主面に沿う方向に変位する。この動作
を、被検査対象物の電極にプローブカードの端子を接触
させた状態で行えば、端子が電極の上を摺動すること
で、電極上に形成された酸化膜が除去され、端子と電極
との間の接触抵抗が十分に低減される。
【0010】本発明に係る電気特性検査プローブでは、
電歪素子は、d15モードで動作する電歪素子であるこ
とを特徴としてもよい。d15モードで動作する電歪素
子は、基板の主面に沿う方向にプローブカードを変位さ
せるのに好適である。
【0011】本発明に係る電気特性検査プローブでは、
電気特性検査プローブは、プローブカードと電歪素子と
の間に設けられた第1の配線基板と、第1の配線基板と
の間で電歪素子を挟むように設けられた第2の配線基板
と、を備えることを特徴としてもよい。このようにすれ
ば、それぞれの配線基板の配線により電歪素子を制御す
ることが可能となる。
【0012】本発明に係る電気特性検査プローブでは、
プローブカードとの間で電歪素子を挟むように設けられ
た支持基板を備えることを特徴としてもよい。このよう
にすれば、支持基板を固定することで、支持基板に対し
てプローブカードが相対的に変位可能となる。
【0013】本発明に係る電気特性検査プローブは、
(1)被検査対象物の電極に接触させるための端子を基
板の一の主面に有するプローブカードと、(2)プロー
ブカードの基板の端子が設けられた主面とは異なる他の
主面上に積層して設けられており、電圧を印加すること
で基板の主面に沿う方向にプローブカードを変位させる
ことが可能な第1の電歪素子、及び電圧を印加すること
で基板の主面と交差する方向にプローブカードを変位さ
せることが可能な第2の電歪素子と、を備えることを特
徴とする。
【0014】この電気特性検査プローブは第1の電歪素
子を備えているため、プローブ自体を支持した状態で第
1の電歪素子に電圧を印加すると、第1の電歪素子が歪
むことでプローブカードが基板の主面に沿う方向に変位
する。また第2の電歪素子を備えているため、第2の電
歪素子に電圧を印加すると、第2の電歪素子が歪むこと
でプローブカードが基板の主面に交差する方向に変位す
る。よって、第2の電歪素子の歪みにより被検査対象物
の電極にプローブカードの端子を接触させ、第1の電歪
素子の歪みにより端子を電極の上で摺動させることで、
電極上に形成された酸化膜が除去され、端子と電極との
間の接触抵抗が十分に低減される。
【0015】本発明に係る電気特性検査プローブでは、
第1の電歪素子はd15モードで動作する電歪素子であ
り、第2の電歪素子はd33モードで動作する電歪素子
であることを特徴とする。d15モードで動作する電歪
素子は、基板の主面に沿う方向にプローブカードを変位
させるのに好適である。また、d33モードで動作する
電歪素子は、基板の主面に交差する方向にプローブカー
ドを変位させるのに好適である。
【0016】本発明に係る電気特性検査プローブでは、
電気特性検査プローブは、第1の電歪素子と第2の電歪
素子との間に設けられた第1の配線基板と、第1の配線
基板との間で第1の電歪素子を挟むように設けられた第
2の配線基板と、第1の配線基板との間で第2の電歪素
子を挟むように設けられた第3の配線基板と、を備える
ことを特徴とする。このようにすれば、それぞれの配線
基板の配線により、それぞれの電歪素子を制御すること
が可能となる。
【0017】本発明に係る電気特性検査プローブでは、
プローブカードの基板の端子が設けられた主面とは異な
る他の主面上に設けられており、基板の主面と交差する
方向の圧力を検出するための圧力センサを備えることを
特徴としてもよい。このようにすれば、圧力センサによ
り基板の主面と交差する方向の圧力を検出し、これに基
づいて第2の電極に印加する電圧を制御することで、被
検査対象物の電極と端子との接触圧を調整することが可
能となる。
【0018】本発明に係る電気特性検査プローブでは、
プローブカードとの間で第1及び第2の電歪素子を挟む
ように設けられた支持基板を備えることを特徴としても
よい。このようにすれば、支持基板を固定することで、
支持基板に対してプローブカードが相対的に変位可能と
なる。
【0019】本発明に係る電気特性検査プローブでは、
プローブカードは、端子としてのバンプを有するメンブ
レン型のプローブカードであることを特徴としてもよ
い。この電気特性検査プローブ及び電気特性検査方法
は、端子としてのバンプを有するメンブレン型のプロー
ブカードを用いて検査を行うのに好適である。
【0020】上記した電気特性検査プローブを用いて、
以下のようにして被検査対象物の電気特性を検査するこ
とができる。
【0021】すなわち、この電気特性検査方法は、被検
査対象物の電極に接触させるための端子を基板の一の主
面に有するプローブカードと、プローブカードの基板の
端子が設けられた主面とは異なる他の主面上に設けられ
ており、電圧を印加することで基板の主面に沿う方向に
プローブカードを変位させることが可能な電歪素子と、
を備えた電気特性検査プローブを準備し、電気特性検査
プローブを支持し、被検査対象物の電極にプローブカー
ドの端子を接触させ、電歪素子に交流電圧を所定時間だ
け印加した後、被検査対象物の電気特性を検査すること
を特徴とする。
【0022】この方法では、電気特性検査プローブを支
持し、被検査対象物の電極にプローブカードの端子を接
触させ、電歪素子に交流電圧を所定時間だけ印加してい
るため、電歪素子が歪むことでプローブカードが基板の
主面に沿う方向に変位ないし振動する。このように、端
子が電極の上を摺動しながら変位ないし振動すること
で、電極上に形成された酸化膜が除去され、端子と電極
との間の接触抵抗が十分に低減されて、精度の高い検査
を行うことが可能となる。
【0023】また、この電気特性検査方法は、被検査対
象物の電極に接触させるための端子を基板の一の主面に
有するプローブカードと、プローブカードの基板の端子
が設けられた主面とは異なる他の主面上に設けられてお
り、電圧を印加することで基板の主面に沿う方向にプロ
ーブカードを変位させることが可能な電歪素子と、を備
えた電気特性検査プローブを準備し、電気特性検査プロ
ーブを支持し、被検査対象物の電極にプローブカードの
端子を接触させ、電歪素子に所定値の直流電圧を印加し
た後、被検査対象物の電気特性を検査することを特徴と
する。
【0024】この方法では、電気特性検査プローブを支
持し、被検査対象物の電極にプローブカードの端子を接
触させ、電歪素子に所定値の直流電圧を印加しているた
め、電歪素子が歪むことでプローブカードが基板の主面
に沿う方向に変位する。このように、端子が電極の上を
摺動しながら変位することで、電極上に形成された酸化
膜が除去され、端子と電極との間の接触抵抗が十分に低
減されて、精度の高い検査を行うことが可能となる。
【0025】この電気特性検査方法において、電歪素子
に所定値の直流電圧を印加した後、電歪素子に零から所
定値までの間の任意の値の直流電圧を印加した状態で、
被検査対象物の電気特性を検査することを特徴としても
よい。前述したとおり、電歪素子に所定値の直流電圧を
印加すると、電歪素子が歪むことでプローブカードが基
板の主面に沿う方向に変位する。このとき、端子が電極
の上を摺動しながら変位し、電極上に形成された酸化膜
が除去される。その後、電歪素子に零から所定値までの
間の任意の値の直流電圧を印加すると、電歪素子の歪が
小さくなって、端子が所定値の直流電圧を印加した状態
の位置と、直流電圧を印加する前の位置との間の任意の
位置に変位する。かかる状態で被検査対象物の電気特性
を検査することで、電極上から除去された酸化膜に邪魔
されるおそれが低減され、より精度の高い検査を行うこ
とが可能となる。
【0026】また、この電気特性検査方法は、被検査対
象物の電極に接触させるための端子を基板の一の主面に
有するプローブカードと、プローブカードの基板の端子
が設けられた主面とは異なる他の主面上に積層して設け
られており、電圧を印加することで基板の主面に沿う方
向にプローブカードを変位させることが可能な第1の電
歪素子、及び電圧を印加することで基板の主面と交差す
る方向にプローブカードを変位させることが可能な第2
の電歪素子と、を備えた電気特性検査プローブを準備
し、電気特性検査プローブを支持し、第2の電歪素子に
直流電圧を印加して被検査対象物の電極にプローブカー
ドの端子を接触させ、第1の電歪素子に交流電圧を所定
時間だけ印加した後、被検査対象物の電気特性を検査す
ることを特徴とする。
【0027】この方法では、電気特性検査プローブを支
持し、第2の電歪素子に直流電圧を印加しているため、
第2の電歪素子が歪むことでプローブカードが基板の主
面に交差する方向に変位して、被検査対象物の電極にプ
ローブカードの端子が接触される。そして、第1の電歪
素子に交流電圧を所定時間だけ印加しているため、第1
の電歪素子が歪むことでプローブカードが基板の主面に
沿う方向に変位ないし振動する。このように、電極に端
子を確実に接触させた状態で、端子が電極の上を摺動し
ながら変位ないし振動することで、電極上に形成された
酸化膜が除去され、端子と電極との間の接触抵抗が十分
に低減されて、精度の高い検査を行うことが可能とな
る。
【0028】また、この電気特性検査方法は、被検査対
象物の電極に接触させるための端子を基板の一の主面に
有するプローブカードと、プローブカードの基板の前記
端子が設けられた主面とは異なる他の主面上に積層して
設けられており、電圧を印加することで基板の主面に沿
う方向にプローブカードを変位させることが可能な第1
の電歪素子、及び電圧を印加することで基板の主面と交
差する方向にプローブカードを変位させることが可能な
第2の電歪素子と、を備えた電気特性検査プローブを準
備し、電気特性検査プローブを支持し、第2の電歪素子
に直流電圧を印加して被検査対象物の電極にプローブカ
ードの端子を接触させ、第1の電歪素子に所定値の直流
電圧を印加した後、被検査対象物の電気特性を検査する
ことを特徴とする。
【0029】この方法では、電気特性検査プローブを支
持し、第2の電歪素子に直流電圧を印加しているため、
第2の電歪素子が歪むことでプローブカードが基板の主
面に交差する方向に変位して、被検査対象物の電極にプ
ローブカードの端子が接触される。そして、第1の電歪
素子に所定値の直流電圧を印加しているため、第1の電
歪素子が歪むことでプローブカードが基板の主面に沿う
方向に変位する。このように、電極に端子を確実に接触
させた状態で、端子が電極の上を摺動しながら変位する
ことで、電極上に形成された酸化膜が除去され、端子と
電極との間の接触抵抗が十分に低減されて、精度の高い
検査を行うことが可能となる。
【0030】この電気特性検査方法において、第1の電
歪素子に所定値の直流電圧を印加した後、電歪素子に零
から所定値までの間の任意の値の直流電圧を印加した状
態で、被検査対象物の電気特性を検査してもよい。前述
したとおり、第1の電歪素子に所定値の直流電圧を印加
すると、第1の電歪素子が歪むことでプローブカードが
基板の主面に沿う方向に変位する。このとき、端子が電
極の上を摺動しながら変位し、電極上に形成された酸化
膜が除去される。その後、第1の電歪素子に零から所定
値までの間の任意の値の直流電圧を印加すると、第1の
電歪素子の歪が小さくなって、端子が所定値の直流電圧
を印加した状態の位置と、直流電圧を印加する前の位置
との間の任意の位置に変位する。かかる状態で被検査対
象物の電気特性を検査することで、電極上から除去され
た酸化膜に邪魔されるおそれが低減され、より精度の高
い検査を行うことが可能となる。
【0031】また、この電気特性検査方法において、電
気特性検査プローブは、プローブカードの基板の端子が
設けられた主面とは異なる他の主面上に設けられてお
り、基板の主面と交差する方向の圧力を検出するための
圧力センサを備え、第2の電歪素子に直流電圧を印加し
て被検査対象物の電極にプローブカードの端子を接触さ
せるときに、圧力センサから出力される信号に基づい
て、第2の電歪素子に印加する直流電圧の値を変化させ
ることを特徴としてもよい。このようにすれば、被検査
対象物の電極と端子との接触圧を調整することが可能と
なる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
に係る電気特性検査プローブの実施形態について説明す
る。なお、図面において同一の要素には同一の符号を付
し、重複する説明を省略する。
【0033】(第1の実施形態)図1は、第1の実施形
態に係る電気特性検査プローブの構成を模式的に示す断
面図である。図示の通り、電気特性検査プローブ10
は、プローブカード12と、支持基板14と、かかるプ
ローブカード12と支持基板14との間に設けられた電
歪素子16とを備えている。
【0034】プローブカード12は、上面に配線パター
ン17が形成されたフレキシブル基板18と、フレキシ
ブル基板18の下面にNiなどから形成された端子とし
ての複数のバンプ20とを有するメンブレン型のプロー
ブカードである。フレキシブル基板18上面の配線パタ
ーン17とバンプ20とは、スルーホールに設けられた
導電部22を介して電気的に接続されている。
【0035】支持基板14は、アルミニウム等の金属、
或いはAl23などのセラミックスにより形成されてい
る。
【0036】電歪素子16は、例えばPZT系の圧電セ
ラミックスであり、電圧を印加することでフレキシブル
基板18の主面に沿う方向にプローブカード12を変位
させる機能を有する。この電歪素子16は、単層型の構
造のものであっても積層型の構造のものであってもよ
い。また、この電歪素子16は電圧を印加すると数μm
の振幅で振動すると好ましい。
【0037】ここで、電歪素子16はd15モードで動
作する電歪素子であると好ましい。d15モードとは、
電歪素子の上下面にそれぞれ電極を配置して両電極間に
電圧を印加したとき、電歪素子の上面に対して下面が相
対的に横方向に変位するモードをいう。よって、d15
モードで動作する電歪素子16は、フレキシブル基板1
8の主面に沿う方向にプローブカード12を変位させる
のに好適である。
【0038】かかる電歪素子16が、支持基板14とプ
ローブカード12との間に配置されている。そして、支
持基板14と電歪素子16との間、プローブカード12
と電歪素子16との間のそれぞれには、電歪素子16を
駆動するための配線パターン25が基板24上に形成さ
れた配線基板26が設けられている。
【0039】図2は、第1の実施形態に係る電気特性検
査プローブ10を備えた電気特性検査装置30を模式的
に示す構成図である。電気特性検査装置30は、上記し
た第1の実施形態に係る電気特性検査プローブ10と、
支持基板14を介して電気特性検査プローブ10を支持
する支持部材32と、半導体装置が形成されたウェハな
どの被検査対象物50を載置するステージ34とを備え
ている。
【0040】支持部材32は、電気特性検査プローブ1
0のバンプ20が、ステージ34上に載置された被検査
対象物50の電極52と対応するように、電気特性検査
プローブ10を位置決めするアライメント機能を有す
る。
【0041】また電気特性検査装置30は、電気特性検
査プローブ10の配線基板26の配線パターン25と電
気的に接続されており、電歪素子16に交流電圧あるい
は直流電圧を印加することが可能な電源装置36と、プ
ローブカード12のフレキシブル基板18上の配線パタ
ーン17と電気的に接続されており、バンプ20を介し
て被検査対象物50の電気特性を検査するためのテスタ
ー38とを備えている。
【0042】次に、上記した第1の実施形態に係る電気
特性検査プローブ10を備えた電気特性検査装置30を
用いた、第1の実施形態に係る電気特性検査方法につい
て説明する。
【0043】まず、電気特性検査装置30のステージ3
4上に被検査対象物50を載置する。次に、支持基板1
4を介して支持部材32により電気特性検査プローブ1
0を支持する。そして、電気特性検査プローブ10の位
置決めを行って、図3(a)に示すように、被検査対象
物50の電極52にプローブカード12のバンプ20を
接触させる。このとき、バンプ20が被検査対象物50
の電極52のほぼ中央に位置するように位置決めを行
う。
【0044】次に、電歪素子16に交流電圧を所定時間
だけ印加する。印加する電圧は、使用する電歪素子16
の種類に依存するが、おおよそAC150V程度であ
る。すると、図3(b)及び図4(a)に示すように、
電歪素子16が歪むことでプローブカード12がフレキ
シブル基板18の主面に沿う方向に数μm程度の振幅で
変位ないし振動する。そして、バンプ20が電極52の
上を摺動しながら変位ないし振動することで、電極52
上に形成された酸化膜54が除去される。そして、電歪
素子16に対する交流電圧の印加を止める。すると、図
4(b)に示すように、被検査対象物50の電極52の
ほぼ中央の位置でバンプ20が電極52と接触する。そ
の後、テスター38により被検査対象物50の導通状態
など電気特性を検査する。
【0045】なお、この電気特性検査方法では、1バン
プ当たり10g〜40g程度の荷重をかけ、被検査対象
物50の電極52に対してバンプ20を押圧すると好ま
しい。このようにすれば、電極52上に形成された酸化
膜54の除去効率が向上する。
【0046】以上、この電気特性検査プローブ及び検査
方法によれば、被検査対象物50の電極52上に形成さ
れた酸化膜54を除去してから検査を行うことができる
ため、バンプ20と電極52との間の接触抵抗を十分に
低減して、電気特性の検査を精度良く行うことができ
る。特に、交流電圧を印加する前に電極52のほぼ中央
にバンプ20が位置するように位置決めしているため、
電圧を切ったときには電極52のほぼ中央にバンプ20
が位置し、電極52上から除去された酸化膜54に邪魔
されるおそれが低減され、より精度の高い検査を行うこ
とが可能となる。
【0047】次に、第1の実施形態に係る電気特性検査
方法の変形例について説明する。
【0048】まず、電気特性検査装置30のステージ3
4上に被検査対象物50を載置する。次に、支持基板1
4を介して支持部材32により電気特性検査プローブ1
0を支持する。そして、電気特性検査プローブ10の位
置決めを行って、図5(a)に示すように、被検査対象
物50の電極52にプローブカード12のバンプ20を
接触させる。このとき、バンプ20が被検査対象物50
の電極52の端部付近に位置するように位置決めを行
う。
【0049】次に、電歪素子16に所定値Xボルトの直
流電圧を印加する。印加する電圧は、使用する電歪素子
16の種類に依存するが、おおよそDC300V程度で
ある。すると、図5(b)に示すように、電歪素子16
が歪むことでプローブカード12がフレキシブル基板1
8の主面に沿う方向に数μm程度の振幅で変位する。こ
のように、バンプ20が電極52の上を摺動しながら変
位することで、電極52上に形成された酸化膜54が除
去される。
【0050】その後、電歪素子16に対して印加する直
流電圧の値を零から所定値Xボルトまでの間の任意の値
に変更する。すると、図5(c)に示すように、電歪素
子16の歪が小さくなって、所定値Xボルトの直流電圧
を印加した状態の位置と、直流電圧を印加する前の位置
との間の任意の位置にバンプ20が変位し、その位置で
電極52と接触する。その後、テスター38により被検
査対象物50の導通状態など電気特性を検査する。
【0051】なお、この電気特性検査方法では、1バン
プ当たり10g〜40g程度の荷重をかけ、被検査対象
物50の電極52に対してバンプ20を押圧すると好ま
しい。このようにすれば、電極52上に形成された酸化
膜54の除去効率が向上する。
【0052】以上、この電気特性検査プローブ及び検査
方法によれば、被検査対象物50の電極52上に形成さ
れた酸化膜54を除去してから検査を行うことができる
ため、バンプ20と電極52との間の接触抵抗を十分に
低減して、電気特性の検査を精度良く行うことができ
る。特に、電気特性の検査を行うときに印加する直流電
圧の値を下げてバンプ20の位置を変位させているた
め、電極52上から除去された酸化膜54に邪魔される
おそれが低減され、より精度の高い検査を行うことが可
能となる。
【0053】次に、第1の実施形態に係る電気特性検査
プローブ及び電気特性検査方法を実施例によりさらに詳
細に説明する。
【0054】(実施例)実施例では、以下の電気特性検
査プローブを用いた。
【0055】プローブカードは、次のようにして製作し
たものを用いた。まず、ポリイミド基材の一対の主面上
にそれぞれ12μmの厚みの銅箔が形成されたフレキシ
ブル基板に、被検査対象物の電極配置に対応するように
スルーホールを設けた。次に、スルーホール内を銅メッ
キした後、スルーホール内に絶縁樹脂を印刷にて充填し
て該絶縁樹脂を熱硬化した。そして、銅箔表面から突出
した絶縁樹脂を研磨により除去し、無電解メッキにて絶
縁樹脂研磨面を含む両主面上に厚さ10μmで銅を塗布
した。そして、スルーホールを少なくとも一部含み、か
つ被検査対象物の電極配置と対称になるようなランドを
一方の主面(A面という)に写真製版法にて形成し、ラ
ンド以外の部分の銅を除去した。そして、ランドが形成
された部分に耐メッキレジストにより高さ50μmのN
iバンプを形成した。なお、メッキ時の電極として、バ
ンプを形成した側の主面(A面)とは異なる側の主面
(B面という)上に露出した一部分を用いた。次に、B
面に各スルーホールを一端とする配線パターンを写真製
版法にて形成した。このとき、A面はマスクした。
【0056】電歪素子としては、PZT系の圧電材料を用
いて焼成した素子を、幅5mm×長さ5mm×厚み2m
mに成形し、図8に示すように、かかる素子100の対
抗する一対の側面間に、導電性ゴム102を介して両電
極104間にDC5kVの電圧を印加し、これによって分
極した素子を用いた。
【0057】支持基板としては、幅6mm×長さ6mm
×厚み1mmに成形したAl23基板を用いた。
【0058】かかる支持基板とプローブカードとの間に
電歪素子を配置し、支持基板と電歪素子との間、プロー
ブカードと電歪素子との間のそれぞれに、電歪素子を制
御するためのプリント配線を施した配線基板を挟み込
み、電気特性検査プローブを作製した。
【0059】被検査対象物としては、電極とそれに続く
Al配線のみを有するダミーチップを用いた。
【0060】かかる被検査対象物を電気特性検査装置の
ステージ上に載置すると共に、電気特性検査プローブを
支持部材により支持した。そして、被検査対象物の電極
にプローブカードのバンプを接触させ、バンプにかける
荷重を徐々に増加させた。そして、バンプにかける荷重
が18gとなったときに、電歪素子に交流電圧を3秒間
だけ印加し、被検査対象物の面方向に振幅5μmで振動
させた。その後は交流電圧を印加することなく、40g
になるまで荷重を増加させた。その間、バンプと被検査
対象物の電極との間の接触抵抗を測定した。なお、接触
抵抗の測定はバンプ50個について行った。図6は、実
施例において1バンプ当たりの接触抵抗を方対数に最大
値と最小値を結ぶ線でプロットしたグラフである。
【0061】(比較例)比較例では、実施例と同じ電気
特性検査プローブを用い、実施例と同じ被検査対象物を
用いた。かかる被検査対象物を電気特性検査装置のステ
ージ上に載置すると共に、電気特性検査プローブを支持
部材により支持した。そして、被検査対象物の電極にプ
ローブカードのバンプを接触させ、バンプにかける荷重
を徐々に増加させて、電歪素子に交流電圧を一度も印加
することなくバンプにかける荷重が40gになるまで荷
重を増加させた。その間、バンプと被検査対象物の電極
との間の接触抵抗を測定した。なお、接触抵抗の測定は
バンプ50個について行った。図7は、1バンプ当たり
の接触抵抗を方対数に最大値と最小値を結ぶ線でプロッ
トしたグラフである。
【0062】図7に示すように、比較例では50個の接
触抵抗の測定値は荷重増加に伴って減少しているが、大
きなバラツキを持っていると共に接触抵抗が高い。これ
に対し、図6に示すように、実施例では交流電圧を印加
して振動を加えた荷重18gの時点で、接触抵抗が急激
に下がっており、しかもそのバラツキも少ない。このこ
とから、バンプと被検査対象物の電極との間で電気的な
接触が十分にとれていることが分かる。
【0063】(第2の実施形態)次に、第2の実施形態
に係る電気特性検査プローブ及び電気特性検査方法につ
いて説明する。なお、第1の実施形態と同一の要素には
同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0064】図9は、第2の実施形態に係る電気特性検
査プローブの構成を模式的に示す断面図である。図示の
通り、電気特性検査プローブ60は、プローブカード1
2と、支持基板14と、かかるプローブカード12と支
持基板14との間に積層された第1の電歪素子16及び
第2の電歪素子62と、圧力センサ64と、を備えてい
る。
【0065】プローブカード12、支持基板14、及び
第1の電歪素子16は、第1の実施形態に係る電気特性
検査プローブ10と同じ構成を有する。
【0066】第2の電歪素子62は、例えばPZT系の
圧電セラミックスであり、電圧を印加することでフレキ
シブル基板18の主面に直交する方向(図9中B方向)
にプローブカード12を変位させる機能を有する。この
第2の電歪素子62は、単層型の構造のものであっても
積層型の構造のものであってもよい。また、この第2の
電歪素子62は、電圧を印加すると数μmの振幅で変位
すると好ましい。
【0067】ここで、第1の電歪素子16はd15モー
ドで動作する電歪素子であると好ましく、第2の電歪素
子62はd33モードで動作する電歪素子であると好ま
しい。d15モードとは、電歪素子の上下面にそれぞれ
電極を配置して両電極間に電圧を印加したとき、電歪素
子の上面に対して下面が相対的に横方向に変位するモー
ドをいう。よって、d15モードで動作する電歪素子1
6は、フレキシブル基板18の主面に沿う方向(図9中
A方向)にプローブカード12を変位させるのに好適で
ある。また、d33モードとは、電歪素子の上下面にそ
れぞれ電極を配置して両電極間に電圧を印加したとき、
電歪素子の上面に対して下面が相対的に縦方向に変位す
るモードをいう。よって、d33モードで動作する電歪
素子は、フレキシブル基板18の主面に直交する方向
(図9中B方向)にプローブカード12を変位させるの
に好適である。
【0068】かかる第1及び第2の電歪素子16,62
が、支持基板14とプローブカード12との間に積層さ
れて配置されている。そして、支持基板14と第2の電
歪素子62との間、第2の電歪素子62と第1の電歪素
子との間、プローブカード12と第1の電歪素子16と
の間のそれぞれには、第1及び第2の電歪素子16,6
2を駆動するための配線パターン25が基板24上に形
成された配線基板26が設けられている。
【0069】圧力センサ64は、支持基板14と第2の
電歪素子62との間に設けられている。圧力センサ64
としては、圧力を加えると出力電圧値やインピーダンス
が変化する、例えば半導体圧力センサーや電歪素子を用
いた圧力センサーなどを用いることができる。
【0070】図10は、第2の実施形態に係る電気特性
検査プローブ60を備えた電気特性検査装置70を模式
的に示す構成図である。電気特性検査装置70は、上記
した第2の実施形態に係る電気特性検査プローブ60
と、支持基板14を介して電気特性検査プローブ60を
支持する支持部材32と、半導体装置が形成されたウェ
ハなどの被検査対象物50を載置するステージ34とを
備えている。
【0071】支持部材32は、電気特性検査プローブ6
0のバンプ20が、ステージ34上に載置された被検査
対象物50の電極52と対応するように、電気特性検査
プローブ60を位置決めするアライメント機能を有す
る。
【0072】また電気特性検査装置70は、電気特性検
査プローブ60の配線基板26の配線パターン25と電
気的に接続されており、第1の電歪素子16に交流電圧
あるいは直流電圧を印加することが可能な電源装置36
と、第2の電歪素子62に直流電圧を印加することが可
能な電源装置66と、圧力センサ64からの信号に基づ
いて電源装置66を制御する制御装置68と、プローブ
カード12のフレキシブル基板18上の配線パターン1
7と電気的に接続されており、バンプ20を介して被検
査対象物50の電気特性を検査するためのテスター38
と、を備えている。
【0073】制御装置68は、図11に示すように、基
準信号生成部72と、比較演算部74と、印加電圧制御
信号生成部76とを有している。この制御装置68で
は、圧力センサ64からの検出電圧を示す信号が入力さ
れると、比較演算部74において、基準信号生成部72
からの所定の基準電圧を示す基準信号との比較がなされ
る。そして、その比較結果に基づいて、印加電圧制御信
号生成部76において電源装置66を制御する信号が生
成され、その信号に基づいて電源装置66が制御されて
第2の電歪素子62に印加される電圧が制御される。
【0074】次に、上記した第2の実施形態に係る電気
特性検査プローブ60を備えた電気特性検査装置70を
用いた、第2の実施形態に係る電気特性検査方法につい
て説明する。
【0075】まず、電気特性検査装置70のステージ3
4上に被検査対象物50を載置する。次に、支持基板1
4を介して支持部材32により電気特性検査プローブ6
0を支持する。そして、電気特性検査プローブ60の位
置決めを行う。このとき、バンプ20が被検査対象物5
0の電極52のほぼ中央に位置するように位置決めを行
う。そして、電源装置66により第2の電歪素子62に
直流電圧(ここでは150V)を印加する。すると、図
12に示すように、第2の電歪素子62が歪むことで、
プローブカード12がフレキシブル基板18の主面に直
交する方向(図12中B方向)に数μm程度の振幅で変
位する。このとき、圧力センサ64によりフレキシブル
基板18の主面に直交する方向の圧力を検出する。そし
て、圧力センサ64からの信号と基準信号との比較結果
に基づいて、制御装置68により電源装置66を制御す
ることで、第2の電歪素子62に印加する電圧を調整し
て、バンプ20と電極52との接触圧を調整する。この
ようにして、被検査対象物50の電極52にプローブカ
ード12のバンプ20を所望の接触圧で確実に接触させ
る。
【0076】次に、電源装置36により第1の電歪素子
16に交流電圧を所定時間だけ印加する。印加する電圧
は、使用する電歪素子16の種類に依存するが、おおよ
そAC300V程度である。すると、第1の電歪素子1
6が歪むことで、プローブカード12がフレキシブル基
板18の主面に沿う方向に数μm程度の振幅で変位ない
し振動する。そして、バンプ20が電極52の上を摺動
しながら変位ないし振動することで、電極52上に形成
された酸化膜54が除去される。そして、電歪素子16
に対する交流電圧の印加を止める。すると、被検査対象
物50の電極52のほぼ中央の位置でバンプ20が電極
52と接触する。その後、テスター38により被検査対
象物50の導通状態など電気特性を検査する。なお、こ
の間の第1の電歪素子16の動きは、図3(a),
(b)及び図4(a),(b)に示したのと同様であ
る。
【0077】この電気特性検査方法では、圧力センサ6
4からの信号により第2の電歪素子62に印加する電圧
を調整し、1バンプ当たり10g〜40g程度の荷重を
かけ、被検査対象物50の電極52に対してバンプ20
を押圧すると好ましい。このようにすれば、電極52上
に形成された酸化膜54の除去効率が向上する。
【0078】以上、この電気特性検査プローブ及び検査
方法によれば、被検査対象物50の電極52上に形成さ
れた酸化膜54を除去してから検査を行うことができる
ため、バンプ20と電極52との間の接触抵抗を十分に
低減して、電気特性の検査を精度良く行うことができ
る。特に、交流電圧を印加する前に電極52のほぼ中央
にバンプ20が位置するように位置決めしているため、
電圧を切ったときには電極52のほぼ中央にバンプ20
が位置し、電極52上から除去された酸化膜54に邪魔
されるおそれが低減され、より精度の高い検査を行うこ
とが可能となる。また、圧力センサ64により検出した
信号に基づいて第2の電歪素子62に印加する電圧を調
整することで、バンプ20と電極52とを所望の接触圧
で確実に接触させることができるため、電極52上に形
成された酸化膜54を確実に除去し、より精度の高い検
査を行うことが可能となる。
【0079】次に、第2の実施形態に係る電気特性検査
方法の変形例について説明する。
【0080】まず、電気特性検査装置70のステージ3
4上に被検査対象物50を載置する。次に、支持基板1
4を介して支持部材32により電気特性検査プローブ6
0を支持する。そして、電気特性検査プローブ60の位
置決めを行う。このとき、バンプ20が被検査対象物5
0の電極52の端部付近に位置するように位置決めを行
う。そして、電源装置66により第2の電歪素子62に
直流電圧(ここでは150V)を印加する。すると、図
13に示すように、第2の電歪素子62が歪むことで、
プローブカード12がフレキシブル基板18の主面に直
交する方向(図13中B方向)に数μm程度の振幅で変
位する。このとき、圧力センサ64によりフレキシブル
基板18の主面に直交する方向の圧力を検出し、圧力セ
ンサ64の信号と基準信号との比較結果に基づいて、第
2の電歪素子62に印加する電圧を調整して、バンプ2
0と電極52との接触圧を調整する。このようにして、
被検査対象物50の電極52にプローブカード12のバ
ンプ20を所望の接触圧で確実に接触させる。
【0081】次に、第1の電歪素子16に所定値Xボル
トの直流電圧を印加する。印加する電圧は、使用する第
1の電歪素子16の種類に依存するが、おおよそDC3
00V程度である。すると、第1の電歪素子16が歪む
ことでプローブカード12がフレキシブル基板18の主
面に沿う方向に数μm程度の振幅で変位する。このよう
に、バンプ20が電極52の上を摺動しながら変位する
ことで、電極52上に形成された酸化膜54が除去され
る。
【0082】その後、第1の電歪素子16に対して印加
する直流電圧の値を零から所定値Xボルトまでの間の任
意の値に変更する。すると、第1の電歪素子16の歪が
小さくなって、所定値Xボルトの直流電圧を印加した状
態の位置と、直流電圧を印加する前の位置との間の任意
の位置にバンプ20が変位し、その位置で電極52と接
触する。その後、テスター38により被検査対象物50
の導通状態など電気特性を検査する。なお、この間の第
1の電歪素子16の動きは、図5(a),(b),
(c)に示したのと同様である。
【0083】この電気特性検査方法では、圧力センサ6
4からの信号により第2の電歪素子62に印加する電圧
を調整し、1バンプ当たり10g〜40g程度の荷重を
かけ、被検査対象物50の電極52に対してバンプ20
を押圧すると好ましい。このようにすれば、電極52上
に形成された酸化膜54の除去効率が向上する。
【0084】以上、この電気特性検査プローブ及び検査
方法によれば、被検査対象物50の電極52上に形成さ
れた酸化膜54を除去してから検査を行うことができる
ため、バンプ20と電極52との間の接触抵抗を十分に
低減して、電気特性の検査を精度良く行うことができ
る。特に、電気特性の検査を行うときに印加する直流電
圧の値を下げてバンプ20の位置を変位させているた
め、電極52上から除去された酸化膜54に邪魔される
おそれが低減され、より精度の高い検査を行うことが可
能となる。また、圧力センサ64により検出した信号に
基づいて第2の電歪素子62に印加する電圧を調整する
ことで、バンプ20と電極52とを所望の接触圧で確実
に接触させることができるため、電極52上に形成され
た酸化膜54を確実に除去し、より精度の高い検査を行
うことが可能となる。
【0085】(第3の実施形態)次に、第3の実施形態
に係る電気特性検査プローブ及び電気特性検査方法につ
いて説明する。なお、第1及び第2の実施形態と同一の
要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0086】図14は、第3の実施形態に係る電気特性
検査プローブ80の構成を模式的に示す断面図である。
図示の通り、電気特性検査プローブ80は、第2の実施
形態に係る電気検査プローブ60を複数備えたマルチタ
イプのプローブであり、複数のプローブについて支持基
板14が共通している。
【0087】図15は、第3の実施形態に係る電気特性
検査プローブ80を備えた電気特性検査装置90を模式
的に示す構成図である。電気特性検査装置90は、各プ
ローブ60毎に第1及び第2の電歪素子16,62に印
加する電圧を制御することが可能となっている。
【0088】上記した構成の電気特性検査装置90を用
いた電気特性検査方法において、電気特性検査プローブ
80を構成する各プローブ60の制御方法は、上記した
第2実施形態で説明した通りである。
【0089】以上、第3の実施形態に係る電気特性検査
プローブ及び検査方法によれば、各プローブ60毎に第
1及び第2の電歪素子16,62に印加する電圧を制御
することが可能であるため、図15に示すように、被検
査対象物50の検査面に段差があるときや、各プローブ
60でバンプ20の摩耗具合が相違するときでも、各々
の圧力センサ64からの信号により第2の電歪素子62
それぞれに印加する電圧を制御することで、バンプ20
と電極52とを所望の接触圧で確実に接触させることが
できるため、より大きな被検査対象物50について、電
極52上に形成された酸化膜54を確実に除去し、より
精度の高い検査を行うことが可能となる。
【0090】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ことなく本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変形が
可能である。
【0091】例えば、上記した実施形態では、電気特性
検査プローブがバンプを有するメンブレン型のプローブ
カードを備える場合について説明したが、プローブカー
ドはニードルタイプのものであってもよい。
【0092】また、上記した実施形態では、第1及び第
2の電歪素子はそれぞれ単層のものを用いたが、第1及
び第2の電歪素子はそれぞれ積層構造を有するものを用
いても良い。このようにすれば、第1及び第2の電歪素
子はそれぞれ積層されている分だけ、低い電圧でより大
きな変位量を得ることが可能となる。
【0093】また第2及び第3の実施形態において、第
1の電歪素子と第2の電歪素子との積層の順序は問わ
ず、第1の電歪素子が第2の電歪素子の上に積層されて
いてもよい。
【0094】
【発明の効果】本発明によれば、被検査対象物の電極と
の間の接触抵抗を十分に低減し、精度の高い検査を行う
ことを可能とする電気特性検査プローブが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態に係る電気特性検査プローブ
の構造を模式的に示す断面図である。
【図2】 第1の実施形態に係る電気特性検査プローブ
を備えた電気特性検査装置の構成を模式的に示す図であ
る。
【図3】 第1の実施形態に係る電気特性検査方法の前
段を示す工程図である。
【図4】 第1の実施形態に係る電気特性検査方法の後
段を示す工程図である。
【図5】 第1の実施形態に係る電気特性検査方法の変
形例を示す工程図である。
【図6】 実施例において1バンプ当たりの接触抵抗を
方対数に最大値と最小値を結ぶ線でプロットしたグラフ
図である。
【図7】 比較例において1バンプ当たりの接触抵抗を
方対数に最大値と最小値を結ぶ線でプロットしたグラフ
である。
【図8】 実施例において電歪素子の製造の様子を示す
模式図である。
【図9】 第2の実施形態に係る電気特性検査プローブ
の構造を模式的に示す断面図である。
【図10】 第2の実施形態に係る電気特性検査プロー
ブを備えた電気特性検査装置の構成を模式的に示す図で
ある。
【図11】 制御装置の構成を模式的に示すブロック図
である。
【図12】 第2の実施形態に係る電気特性検査方法の
前段を示す工程図である。
【図13】 第2の実施形態に係る電気特性検査方法の
変形例の前段を示す工程図である。
【図14】 第3の実施形態に係る電気特性検査プロー
ブの構造を模式的に示す断面図である。
【図15】 第3の実施形態に係る電気特性検査プロー
ブを備えた電気特性検査装置の構成を模式的に示す図で
ある。
【符号の説明】
10,60,80…電気特性検査プローブ、12…プロ
ーブカード、14…支持基板、16…第1の電歪素子、
20…バンプ、26…配線基板、36…電源装置、38
…テスタ、50…被検査対象物、52…電極、62…第
2の電歪素子、64…圧力センサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G003 AA10 AG04 AG12 AH00 2G011 AA03 AA16 AA17 AC02 AC11 AC13 AC14 AE03 2G132 AA00 AF02 AF07 AF08 AL03 AL11 4M106 BA01 BA14 DD05 DD10 DD11 DD12

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検査対象物の電極に接触させるための
    端子を基板の一の主面に有するプローブカードと、 前記プローブカードの前記基板の前記端子が設けられた
    主面とは異なる他の主面上に設けられており、電圧を印
    加することで該基板の主面に沿う方向に前記プローブカ
    ードを変位させることが可能な電歪素子と、を備えるこ
    とを特徴とする電気特性検査プローブ。
  2. 【請求項2】 前記電歪素子は、d15モードで動作す
    る電歪素子であることを特徴とする請求項1に記載の電
    気特性検査プローブ。
  3. 【請求項3】 前記プローブカードと前記電歪素子との
    間に設けられた第1の配線基板と、 前記第1の配線基板との間で前記電歪素子を挟むように
    設けられた第2の配線基板と、を備えることを特徴とす
    る請求項1に記載の電気特性検査プローブ。
  4. 【請求項4】 前記プローブカードとの間で前記電歪素
    子を挟むように設けられた支持基板を備える請求項1に
    記載の電気特性検査プローブ。
  5. 【請求項5】 被検査対象物の電極に接触させるための
    端子を基板の一の主面に有するプローブカードと、 前記プローブカードの前記基板の前記端子が設けられた
    主面とは異なる他の主面上に積層して設けられており、
    電圧を印加することで該基板の主面に沿う方向に前記プ
    ローブカードを変位させることが可能な第1の電歪素
    子、及び電圧を印加することで該基板の主面と交差する
    方向に前記プローブカードを変位させることが可能な第
    2の電歪素子と、を備えることを特徴とする電気特性検
    査プローブ。
  6. 【請求項6】 前記第1の電歪素子はd15モードで動
    作する電歪素子であり、前記第2の電歪素子はd33モ
    ードで動作する電歪素子であることを特徴とする請求項
    5に記載の電気特性検査プローブ。
  7. 【請求項7】 前記第1の電歪素子と前記第2の電歪素
    子との間に設けられた第1の配線基板と、 前記第1の配線基板との間で前記第1の電歪素子を挟む
    ように設けられた第2の配線基板と、 前記第1の配線基板との間で前記第2の電歪素子を挟む
    ように設けられた第3の配線基板と、を備えることを特
    徴とする請求項5に記載の電気特性検査プローブ。
  8. 【請求項8】 前記プローブカードの前記基板の前記端
    子が設けられた主面とは異なる他の主面上に設けられて
    おり、該基板の主面と交差する方向の圧力を検出するた
    めの圧力センサを備えることを特徴とする請求項5に記
    載の電気特性検査プローブ。
  9. 【請求項9】 前記プローブカードとの間で前記第1及
    び第2の電歪素子を挟むように設けられた支持基板を備
    える請求項5に記載の電気特性検査プローブ。
  10. 【請求項10】 前記プローブカードは、前記端子とし
    てのバンプを有するメンブレン型のプローブカードであ
    ることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の電
    気特性検査プローブ。
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