JP2002306648A - ゴルフ用パター - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 パターヘッドのフェース面とソール面とのコ
ーナー部でゴルフボールをヒットしても、オーバスピン
がかかって球足を延ばすことが容易になる。 【解決手段】パターヘッド２のフェース面２ａとソール
面２ｂとのコーナー部２ｃを丸く面取りする。コーナー
部２ｃの面取りした曲面とに複数の平行な溝３をパター
ヘッド２のトウからヒール方向に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ゴルフ用パター、
特にヘッドの形状に関する。

【０００２】

【従来の技術】ゴルフのパッティング技術において、パ
ターヘッドでヒッティングされたゴルフボールに直進性
を持たせるには、ゴルフボールにオーバスピンを付与す
ることが望ましいといわれている。このような観点か
ら、例えば、特開平８−２２９１６９号公報や、特開平
１１−１３７７４６号公報に示されるパターが提案され
ている。

【０００３】前者のパターは、パターヘッドの全体をミ
ーリング加工することによって削り出し形成し、フェー
ス面にゴルフボールにオーバスピンを付与する回転誘起
用の一群の溝をパターヘッドのトウからヒール方向に水
平に形成し、この一群の回転誘起用の溝がヒッティング
されたゴルフボールにオーバスピンを与えている。ま
た、後者のパターは、パターヘッドのフェース面の中央
領域に隣接する左右の領域に、ゴルフボールにオーバス
ピンを付与する回転誘起用の一群の溝を水平に形成し、
中央領域から外れた左右いずれかの領域でゴルフボール
をヒッティングした場合でも、この一群の回転誘起用の
溝がヒッティングされたゴルフボールにオーバスピンを
与えることにより、ヒッティングされたゴルフボールに
直進性を持たせるようにしている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】一方、パッティングに
おけるスイング技術の未熟やヘッドアップにより、パタ
ーヘッドのスイング軌跡が、正確なヒッティングポイン
トに戻らず、フェース面とソール面とのコーナー部で、
ゴルフボールの赤道よりも上部をヒッティングすること
となる。ところが、上述のパターも含めて既存のパター
ヘッドは、該コーナー部が角張ったままか、僅かに面取
りを施した程度であるため、オーバスピンのかからない
打球となって直進性が得られにくくなり、所望のパッテ
ィングラインに打球が乗りにくいという不具合を招くば
かりでなく、必要とする距離を稼げないことになる。

【０００５】そこで、本発明は、フェース面とソール面
とのコーナー部で、ゴルフボールの赤道よりも上部をヒ
ッティングすることがあっても、オーバスピンがかかっ
て直進性が得られ、かつ球足を延ばすことが可能で、打
球を極力パッティングラインに乗せることのできるゴル
フ用パターを提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、パターヘッド
のフェース面とソール面とのコーナー部を丸く面取りし
て、該コーナー部の面取りした部分に複数の溝をパター
ヘッドのトウからヒール方向に形成したことを特徴とし
ている。また、前記溝を前記フェース面とソール面のい
ずれか一方又は双方にも連続的に形成してもよい。前記
コーナー部の面取りした部分の曲面は、半径３ｍｍ〜２
０ｍｍ程度、特に、現在のゴルフボールの規格直径４２
ｍｍに対して、半径５ｍｍ〜１５ｍｍの範囲が望まし
い。

【０００７】このように、フェース面とソール面との間
のコーナー部に丸みを持たせて、複数の溝をトウからヒ
ール方向に形成することにより、コーナー部で、ゴルフ
ボールの赤道よりも上部をヒッティングすることがあっ
ても、オーバスピンがかかりやすくなる。また、前記溝
をフェース面とソール面のいずれか一方又は双方にも連
続的に形成することにより、ゴルフボールの赤道をフェ
ース面又はコーナー部でヒッティングした場合（通常の
ヒッティング）にも、オーバスピンがかかり、いずれの
場合でも、オーバスピンによって、ゴルフボールに芝の
抵抗に打ち勝つ回転力が発生し、直進性がよくなると共
に球足が伸び、ゴルフボールが所望のパッティングライ
ンに乗るようになる。

【０００８】また、本発明におけるフェース面は、少な
くとも、ゴルフボールをヒットする部分はフラットであ
り、ソール面も、例えば、トウからヒールに亘って湾曲
していたとしても、実質的には凹凸のないフラットな面
である。そして、本発明は、このような形態のフェース
面とソール面とのコーナー部の面取り曲面を、半径３ｍ
ｍ〜２０ｍｍ程度、特に、現在のゴルフボールの規格直
径４２ｍｍに対して、半径５ｍｍ〜１５ｍｍの範囲にす
ることにより、上述のオーバスピンがかけやすくなる。
なお、一般のパターヘッドは、フェース面とソール面と
の角度が直角ないしフェース面が４度程度開いている。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の形態例を図面に基
づいて説明する。図１〜図３は、本発明の第１形態例を
示し、図４及び図５は本発明の第２形態例を示してお
り、図６は第１形態例のゴルフ用パターを用いてパッテ
ィングした状態を示し、図７は第２形態例のゴルフ用パ
ターを用いてパッティングした状態を示している。

【００１０】本発明の第１形態例は、図１〜図３に示す
ように、シャフト１の下端が接続するパターヘッド２
は、フラットなフェース面２ａからなる前面と、トウか
らヒールに亘って凸状に湾曲するソール面２ｂからなる
底面を有している。フェース面２ａとソール面２ｂとは
凡そ９０度に配置され、両者が接合するコーナー部２ｃ
は面取りされて円弧状に形成されている。この面取りし
たコーナー部２ｃには、複数の溝３が湾曲するソール面
２ｂと平行にパターヘッドのトウからヒール方向に形成
されている。

【００１１】コーナー部２ｃの該溝３は、コーナー部２
ｃによってゴルフボール４の赤道５又はそれより上部を
ヒッティングした場合でも、該溝３がゴルフボール４に
オーバスピンを与えるものであるから、コーナー部２ｃ
の円弧面は、コーナー部２ｃによって、ゴルフボール４
をヒッティングした場合でも、ゴルフボール４にオーバ
スピンを与え易い範囲であって、半径３ｍｍ〜２０ｍｍ
程度、特に、現在のゴルフボールの規格直径４２ｍｍに
対しては、半径５ｍｍ〜１５ｍｍの範囲にすることが望
ましい。

【００１２】すなわち、コーナー部２ｃの円弧面が半径
３ｍｍ以下では、コーナー部２ｃが角張ってしまって、
ゴルフボール４にオーバスピンをかけるのに必要な本数
の溝３を形成することが困難となる。また、パッティン
グに際しては、パターヘッド２を芝面のやや上方でスイ
ングさせることが一般的であるから、円弧面が半径２０
ｍｍ以上になると、フェース面２ａのゴルフボール４と
のヒッティングポイント（スイートスポット）の面積が
大きく減少してしまい、パッティングの基本であるフェ
ース面２ａのスイートスポットでゴルフボール４の赤道
５を打つことが困難となる。このため、直径４２ｍｍの
ゴルフボールに対しては、円弧面の半径は５ｍｍ〜１５
ｍｍの範囲にすると、溝３との効果がよくなる。また、
溝３の断面形状は、Ｖ字状や台形等の任意の形状でよ
く、その間隔を等ピッチにして刻設することが望まし
い。例えば、コーナー部２ｃの円弧面を半径６ｍｍとし
た場合の溝３は、断面Ｖ字状の先端角６０度，開口幅
０．６ｍｍ，ピッチ２．７ｍｍとすることにより、必要
充分な３本の溝３をコーナー部２ｃに形成することがで
きる。

【００１３】このように、本形態例のパターヘッド２
は、フェース面２ａとソール面２ｂとのコーナー部２ｃ
を円弧面に形成し、該コーナー部２ｃに複数の溝３をパ
ターヘッド２のトウからヒール方向へ刻んだことによ
り、パターヘッドのスイング軌跡の最下点から上昇する
位置でコーナー部２ｃがゴルフボール４の赤道部分をヒ
ッティングした場合や、あるいは、図６に示す如く、コ
ーナー部２ｃがゴルフボール４の赤道５の上部をヒッテ
ィングした場合でも、コーナー部２ｃの溝３によってゴ
ルフボール４にオーバスピンを与えることができる。

【００１４】本発明の第２形態例は、図４及び図５に示
すように、上述の第１形態例のコーナー部２ｃの溝３と
同様な溝を、フェース面２ａ及びソール面２ｂの双方に
も形成したものである。

【００１５】フェース面２ａの溝３は、インパクト中心
Ｏ及びその周辺のスイートスポット部分を含めて、コー
ナー部２ｃの溝３と同様に、パターヘッド２のトウから
ヒール方向へソール面２ｂの湾曲と平行に形成され、フ
ェース面２ａの上部中央に横長円弧状のフラット面２ｄ
が若干残されている。また、ソール面２ｂの溝３は、ソ
ール面全面に形成してもよいが、必要な範囲、すなわ
ち、パッティングストロークに際してゴルフボール４と
接触可能な部分であるコーナー部２ｃ寄り（図５参照）
に形成すればよい。

【００１６】このように、溝３を、コーナー部２ｃから
フェース面２ａ及びソール面２ｂに亘って連続的に形成
することにより、第１形態例のコーナー部２ｃによるヒ
ッティングの効果の他に、図７に示す如く、ゴルフボー
ル４の赤道５をフェース面２ａ又はコーナー部２ｃでヒ
ッティングした場合でも、フェース面２ａ、コーナー部
２ｃ及びソール面２ｂがゴルフボール４の表面に接触し
ながら移動して、第１形態例のパターヘッドの場合より
も、オーバスピンがかかりやすくなる。

【００１７】なお、この形態例では、フェース面２ａ及
びソール面２ｂの双方に溝を形成したが、コーナー部２
ｃと、フェース面２ａ及びソール面２ｂのいずれか一方
に形成してもよい。また、上述の両形態例では、フェー
ス面及びソール面とのコーナー部を円弧面で説明した
が、楕円や放物線状等の曲面に形成してもよく、溝も、
両形態例以外の湾曲線や直線とすることができる。溝の
形状や溝間の間隔等は、パター規格やアイアン規格等の
ゴルフ用具に関するレギュレーションに沿うようにする
ことが望ましい。

【００１８】

【発明の効果】以上のように、本発明のゴルフ用パター
ヘッドによれば、フェース面とソール面とのコーナー部
によって、ゴルフボールの赤道又はその上部をヒッティ
ングしても、コーナー部の面取りした曲面に形成した溝
がゴルフボールにオーバスピンを与えるので、いわゆる
トップした場合でも、ゴルフボールの直進性がよくなっ
て球足が伸びて、パッティングが易しくなる。

【００１９】また、コーナー部の他にフェース面やソー
ル面にも溝を設けることにより、ゴルフボールの赤道を
フェース面又はコーナー部でヒッティングした場合で
も、オーバスピンがかかり、直進性がよくなると共に球
足が伸び、ゴルフボールを所望の位置へより確実にヒッ
トさせることができるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の第１形態例を示す図２のＩ−Ｉ断面
図

【図２】 第１形態例を示すゴルフ用パターの正面図

【図３】 第１形態例を示すゴルフ用パターの側面図

【図４】 第２形態例を示すゴルフ用パターの正面図

【図５】 第２形態例を示す図４のＶ−Ｖ断面図

【図６】 第１形態例のゴルフ用パターを用いてパッテ
ィングした際に、パターヘッドのコーナー部がゴルフボ
ールの赤道よりも上部をヒッティングした場合のゴルフ
ボールの転動状態を連続的に説明する図

【図７】 第２形態例のゴルフ用パターを用いてパッテ
ィングした際に、パターヘッドのフェース面がゴルフボ
ールの赤道をヒッティングした場合のパターヘッドの動
きとゴルフボールの転動状態を連続的に説明する図

【符号の説明】

１…シャフト、２…パターヘッド、２ａ…フェース面、
２ｂ…ソール面、２ｃ…コーナー部、３…溝、４…ゴル
フボール、５…赤道

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 パターヘッドのフェース面とソール面と
   のコーナー部を丸く面取りして、該コーナー部の面取り
   した部分に複数の溝をパターヘッドのトウからヒール方
   向に形成したことを特徴とするゴルフ用パター。
2. 【請求項２】 前記溝が前記フェース面とソール面のい
   ずれか一方又は双方にも連続的に形成されていることを
   特徴とする請求項１記載のゴルフ用パター。
3. 【請求項３】 前記コーナー部の面取りした部分の曲面
   は、半径３ｍｍ〜２０ｍｍ程度であることを特徴とする
   請求項１記載のゴルフ用パター。