JP2002302599A - ポリカーボネート系樹脂組成物 - Google Patents
ポリカーボネート系樹脂組成物Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 環境上、安全性に優れ、優れた成形性(又は
溶融流動性)と難燃性を有し、モールドデポジットの少
ないポリカーボネート系樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 化学式(1)で表される籠状シルセスキ
オキサン、化学式(2)で表される籠状シルセスキオキ
サンの部分開裂構造体、又はその混合物を含むポリカー
ボネート系樹脂組成物。 【化1】 【化2】 (式中、Rは水素原子、炭素数1から20の飽和炭化水
素基、炭素数2から20のアルケニル基、又はケイ素数
1から10のケイ素原子含有基、nは6から14の整
数、mは0又は1。)
溶融流動性)と難燃性を有し、モールドデポジットの少
ないポリカーボネート系樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 化学式(1)で表される籠状シルセスキ
オキサン、化学式(2)で表される籠状シルセスキオキ
サンの部分開裂構造体、又はその混合物を含むポリカー
ボネート系樹脂組成物。 【化1】 【化2】 (式中、Rは水素原子、炭素数1から20の飽和炭化水
素基、炭素数2から20のアルケニル基、又はケイ素数
1から10のケイ素原子含有基、nは6から14の整
数、mは0又は1。)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の構造の籠状
シルセスキオキサン又はその部分開裂構造体を含むポリ
カーボネート系樹脂組成物及びその利用技術に関するも
のである。更に詳しくは、成形時の溶融流動性に優れ、
さらに難燃性に優れた成形体を得ることが可能な、工業
的に有用なポリカーボネート系樹脂組成物、その樹脂組
成物を用いた成形体の製造方法及び前記製造方法により
得られた成形体に関するものである。
シルセスキオキサン又はその部分開裂構造体を含むポリ
カーボネート系樹脂組成物及びその利用技術に関するも
のである。更に詳しくは、成形時の溶融流動性に優れ、
さらに難燃性に優れた成形体を得ることが可能な、工業
的に有用なポリカーボネート系樹脂組成物、その樹脂組
成物を用いた成形体の製造方法及び前記製造方法により
得られた成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート系樹脂は、金属及びガ
ラスに比較して、軽量で、耐衝撃性に優れていることか
ら、自動車部品、家電部品、OA機器部品をはじめとす
る多岐の分野で使用されているが、樹脂の成形性の悪さ
と易燃性のためにその用途が制限されている。その為、
難燃性の改善と成形性の改善が試みられている。ポリカ
ーボネート系樹脂の難燃性を改善する方法としては、ハ
ロゲン系、リン系、無機系又はそれら混合系の難燃剤を
重合体に添加することが知られており、それによりある
程度難燃化が達成されている。しかしながら、近年、火
災に対する安全性の要求がとみにクローズアップされる
と同時に環境上、問題のない難燃剤含有ポリカーボネー
ト樹脂組成物の技術開発が強く望まれている。すなわ
ち、ハロゲンやリンを含まない環境上の問題のない系
で、かつ、難燃化効果が高く、しかも樹脂組成物の機械
的物性等の実用性能を低下させない新しい難燃剤が望ま
れている。
ラスに比較して、軽量で、耐衝撃性に優れていることか
ら、自動車部品、家電部品、OA機器部品をはじめとす
る多岐の分野で使用されているが、樹脂の成形性の悪さ
と易燃性のためにその用途が制限されている。その為、
難燃性の改善と成形性の改善が試みられている。ポリカ
ーボネート系樹脂の難燃性を改善する方法としては、ハ
ロゲン系、リン系、無機系又はそれら混合系の難燃剤を
重合体に添加することが知られており、それによりある
程度難燃化が達成されている。しかしながら、近年、火
災に対する安全性の要求がとみにクローズアップされる
と同時に環境上、問題のない難燃剤含有ポリカーボネー
ト樹脂組成物の技術開発が強く望まれている。すなわ
ち、ハロゲンやリンを含まない環境上の問題のない系
で、かつ、難燃化効果が高く、しかも樹脂組成物の機械
的物性等の実用性能を低下させない新しい難燃剤が望ま
れている。
【0003】そのような要求に応え得る可能性がある難
燃剤として、現在、有機ケイ素系を難燃剤として用いる
方法が提案されている。例えば、有機ケイ素系難燃剤と
して、ジメチルシリコーンを含有するポリカーボネート
系難燃性樹脂組成物が開示されている(特公昭63−1
0184号公報、特開昭64−4656号公報、 米国
特許第4497925号明細書、同第4387176号
明細書、特開平2−133464号公報)。
燃剤として、現在、有機ケイ素系を難燃剤として用いる
方法が提案されている。例えば、有機ケイ素系難燃剤と
して、ジメチルシリコーンを含有するポリカーボネート
系難燃性樹脂組成物が開示されている(特公昭63−1
0184号公報、特開昭64−4656号公報、 米国
特許第4497925号明細書、同第4387176号
明細書、特開平2−133464号公報)。
【0004】しかしながら、ジメチルシリコーンは、難
燃性の改善が充分ではなく、また揮発性が高いためにモ
ールドデポジットの発生が多く、頻繁に金型を洗浄する
必要があったり、発煙によって作業環境が悪化する等の
問題点があり、実用的使用に耐えることができなかっ
た。有機ケイ素系難燃剤として、無定形のポリオルガノ
シルセスキオキサンを用いるポリカーボネート系樹脂組
成物が開示されている(特開2000−129109号
公報、特開2000−1609号公報)。しかしなが
ら、上記公報の無定形ポリシルセスキオキサンは、単独
ではポリカーボネートに充分な難燃性を付与することが
できず、その為PTFEなどの滴下防止剤や、酸化ジルコニ
ウムなどの金属酸化物やホウ素系化合物の難燃助剤を加
えることが必要であり、耐衝撃性等の機械的特性の低下
が避けられなかった。
燃性の改善が充分ではなく、また揮発性が高いためにモ
ールドデポジットの発生が多く、頻繁に金型を洗浄する
必要があったり、発煙によって作業環境が悪化する等の
問題点があり、実用的使用に耐えることができなかっ
た。有機ケイ素系難燃剤として、無定形のポリオルガノ
シルセスキオキサンを用いるポリカーボネート系樹脂組
成物が開示されている(特開2000−129109号
公報、特開2000−1609号公報)。しかしなが
ら、上記公報の無定形ポリシルセスキオキサンは、単独
ではポリカーボネートに充分な難燃性を付与することが
できず、その為PTFEなどの滴下防止剤や、酸化ジルコニ
ウムなどの金属酸化物やホウ素系化合物の難燃助剤を加
えることが必要であり、耐衝撃性等の機械的特性の低下
が避けられなかった。
【0005】一方、ポリカーボネートの成形性を改善す
る方法としては、ABS等の成形性に優れた樹脂とアロ
イ化する方法が一般的に用いられている。しかしなが
ら、この方法では、成形性は改善されるものの、難燃性
が低下するという問題点があった。このように、環境上
問題のない有機ケイ素系化合物を用いて、ポリカーボネ
ートの難燃性と成形性とを同時に改善する技術は確立さ
れておらず、その改善が強く求められていた。
る方法としては、ABS等の成形性に優れた樹脂とアロ
イ化する方法が一般的に用いられている。しかしなが
ら、この方法では、成形性は改善されるものの、難燃性
が低下するという問題点があった。このように、環境上
問題のない有機ケイ素系化合物を用いて、ポリカーボネ
ートの難燃性と成形性とを同時に改善する技術は確立さ
れておらず、その改善が強く求められていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状を鑑み、環境上、安全性に優れ、かつ、上記問題点
の無い、すなわち、卓越した成形性(又は溶融流動性)
と難燃性を有し、モールドデポジットの少ないポリカー
ボネート系樹脂組成物を提供することを目的とするもの
である。
現状を鑑み、環境上、安全性に優れ、かつ、上記問題点
の無い、すなわち、卓越した成形性(又は溶融流動性)
と難燃性を有し、モールドデポジットの少ないポリカー
ボネート系樹脂組成物を提供することを目的とするもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決すべく、環境上の安全性に優れた有機ケイ素系化
合物について鋭意研究を行った。その結果、数多く存在
する有機ケイ素系化合物の中でも、特定の構造の籠状シ
ルセスキオキサン及びその部分開裂構造体が、ポリカー
ボネート系樹脂に対し卓越した成形性の改善と難燃性向
上効果を示し、かつ、モールドデポジットが少ないとい
う優れた特性を発現することを見いだし、本発明を完成
した。
を解決すべく、環境上の安全性に優れた有機ケイ素系化
合物について鋭意研究を行った。その結果、数多く存在
する有機ケイ素系化合物の中でも、特定の構造の籠状シ
ルセスキオキサン及びその部分開裂構造体が、ポリカー
ボネート系樹脂に対し卓越した成形性の改善と難燃性向
上効果を示し、かつ、モールドデポジットが少ないとい
う優れた特性を発現することを見いだし、本発明を完成
した。
【0008】すなわち、本発明は、以下の通りである。 (1)化学式(1)で表される籠状シルセスキオキサ
ン、化学式(2)で表される籠状シルセスキオキサンの
部分開裂構造体、又はこれらの混合物を含むポリカーボ
ネート系樹脂組成物。
ン、化学式(2)で表される籠状シルセスキオキサンの
部分開裂構造体、又はこれらの混合物を含むポリカーボ
ネート系樹脂組成物。
【0009】
【化3】
【0010】
【化4】
【0011】(式中、Rは水素原子、炭素数1から20
の飽和炭化水素基、炭素数2から20のアルケニル基、
又はケイ素数1から10のケイ素原子含有基で、Rは同
じでも異なっていてもよく、Rとして、炭素数15以内
のアリール基又はアラアルキル基を1分子中に1個含む
ことができ、nは6から14の整数、mは0又は1であ
る。) (2)組成物中における、化学式(1)で表される籠状
シルセスキオキサン、化学式(2)で表される籠状シル
セスキオキサンの部分開裂構造体、又はこれらの混合物
の含有率が0.1質量%以上50質量%以下であること
を特徴とする(1)に記載のポリカーボネート系樹脂組
成物。 (3)化学式(1)で表される籠状シルセスキオキサ
ン、化学式(2)で表される籠状シルセスキオキサンの
部分開裂構造体、又はこれらの混合物を、組成物中の含
有率が0.1質量%以上50質量%以下の範囲になるよ
うにポリカーボネート系樹脂と混合し、得られた組成物
を用いて溶融成型法により成形体を得ることを特徴とす
るポリカーボネート系樹脂組成物成形体の製造方法。 (4)(3)に記載の方法で製造されたポリカーボネー
ト系樹脂組成物の成型体。
の飽和炭化水素基、炭素数2から20のアルケニル基、
又はケイ素数1から10のケイ素原子含有基で、Rは同
じでも異なっていてもよく、Rとして、炭素数15以内
のアリール基又はアラアルキル基を1分子中に1個含む
ことができ、nは6から14の整数、mは0又は1であ
る。) (2)組成物中における、化学式(1)で表される籠状
シルセスキオキサン、化学式(2)で表される籠状シル
セスキオキサンの部分開裂構造体、又はこれらの混合物
の含有率が0.1質量%以上50質量%以下であること
を特徴とする(1)に記載のポリカーボネート系樹脂組
成物。 (3)化学式(1)で表される籠状シルセスキオキサ
ン、化学式(2)で表される籠状シルセスキオキサンの
部分開裂構造体、又はこれらの混合物を、組成物中の含
有率が0.1質量%以上50質量%以下の範囲になるよ
うにポリカーボネート系樹脂と混合し、得られた組成物
を用いて溶融成型法により成形体を得ることを特徴とす
るポリカーボネート系樹脂組成物成形体の製造方法。 (4)(3)に記載の方法で製造されたポリカーボネー
ト系樹脂組成物の成型体。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明で用いられるポリ
カーボネート系樹脂は、2価以上のフェノール化合物
と、ジフェニルカーボネートなどの炭酸ジエステルやホ
スゲン等のカーボネート結合形成剤とを反応させて得ら
れるものである。2価以上のフェノール化合物として
は、2価フェノール、例えば、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン(通称:ビスフェノール
A)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン;ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン;ビス(4
−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン;ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−(4−イソプロピルフェニル)メ
タン;ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
エタン;1−ナフチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン;1−フェニル−1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)エタン;1,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)エタン;2−メチル−1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン;1−エチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン;2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3−フルオロ
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ブタン;2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)ブタン;1,4−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)ブタン;2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)ペンタン;4−メチル−2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン;2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン;2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン;2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ノナン;1,10−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)デカン;1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンな
どのジヒドロキシジアリーリアルカン類、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロデカンなどのジ
ヒドロキシジアリールシクロアルカン類、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホン;ビス(3,5−ジメチル
−4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどのジヒドロキ
シジアリールスルホン類、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エーテル;ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキ
シフェニル)エーテルなどのジヒドロキシジアリールエ
ーテル類、4,4‘−ジヒドロキシベンゾフェノン;
3,3’,5,5‘−テトラメチル−4,4’−ジヒド
ロキシベンゾフェノンなどのジヒドロキシジアリールケ
トン類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド;
ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィ
ド;ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)スルフィドなどのジヒドロキシジアリールスルフィ
ド類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシドな
どのジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4
‘−ジヒドロキシフェニルなどのジヒドロキシジフェニ
ル類、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオ
レンなどのジヒドロキシアリールフルオレン類などが挙
げられる。また、2価フェノール以外に、ヒドロキノ
ン、レゾルシノール、メチルヒドロキノンなどのジヒド
ロキシベンゼン類、1,5−ジヒドロキシナフタレン;
2,6−ジヒドロキシナフタレンなどのジヒドロキシナ
フタレン類なども挙げられる。
カーボネート系樹脂は、2価以上のフェノール化合物
と、ジフェニルカーボネートなどの炭酸ジエステルやホ
スゲン等のカーボネート結合形成剤とを反応させて得ら
れるものである。2価以上のフェノール化合物として
は、2価フェノール、例えば、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン(通称:ビスフェノール
A)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン;ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン;ビス(4
−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン;ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−(4−イソプロピルフェニル)メ
タン;ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
エタン;1−ナフチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン;1−フェニル−1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)エタン;1,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)エタン;2−メチル−1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン;1−エチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン;2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3−フルオロ
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ブタン;2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)ブタン;1,4−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)ブタン;2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)ペンタン;4−メチル−2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン;2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン;2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン;2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ノナン;1,10−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)デカン;1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンな
どのジヒドロキシジアリーリアルカン類、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロデカンなどのジ
ヒドロキシジアリールシクロアルカン類、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホン;ビス(3,5−ジメチル
−4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどのジヒドロキ
シジアリールスルホン類、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エーテル;ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキ
シフェニル)エーテルなどのジヒドロキシジアリールエ
ーテル類、4,4‘−ジヒドロキシベンゾフェノン;
3,3’,5,5‘−テトラメチル−4,4’−ジヒド
ロキシベンゾフェノンなどのジヒドロキシジアリールケ
トン類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド;
ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィ
ド;ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)スルフィドなどのジヒドロキシジアリールスルフィ
ド類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシドな
どのジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4
‘−ジヒドロキシフェニルなどのジヒドロキシジフェニ
ル類、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオ
レンなどのジヒドロキシアリールフルオレン類などが挙
げられる。また、2価フェノール以外に、ヒドロキノ
ン、レゾルシノール、メチルヒドロキノンなどのジヒド
ロキシベンゼン類、1,5−ジヒドロキシナフタレン;
2,6−ジヒドロキシナフタレンなどのジヒドロキシナ
フタレン類なども挙げられる。
【0013】これらの中では、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシジフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェ
ニルメタン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)メタン、1−フェニル−1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(3,5−
ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリ
メチルシクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン
が本発明のポリカーボネート系樹脂組成物の成型加工
性、難燃性及び得られる成形体の機械的強度、難燃性の
点からも好ましく、より好ましくは2,2−ビス(4−
ヒドロキシジフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロ
ヘキサンである。
ロキシジフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェ
ニルメタン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)メタン、1−フェニル−1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(3,5−
ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリ
メチルシクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン
が本発明のポリカーボネート系樹脂組成物の成型加工
性、難燃性及び得られる成形体の機械的強度、難燃性の
点からも好ましく、より好ましくは2,2−ビス(4−
ヒドロキシジフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロ
ヘキサンである。
【0014】これらの2価フェノール等はそれぞれ単独
で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。ま
た、ポリカーボネートの一部にポリオルガノシロキサン
構造が挿入されたポリカーボネート−ポリオルガノシロ
キサンの共重合体も使用できる。その場合、ポリオルガ
ノシロキサン部の重合度は5以上が好ましい。炭酸ジエ
ステル化合物としては、ジフェニルカーボネートなどの
ジアリールカーボネートや、ジメチルカーボネート、ジ
エチルカーボネートなどのジアルキルカーボネートが挙
げられる。ポリカーボネート部の末端停止剤としては、
公知の各種のものを使用することができる。具体的に
は、1価フェノールとして、例えば、フェノール、p−
クレゾール、p−t−ブチルフェノール、p−t−オク
チルフェノール、p−クミルフェノール、ブロモフェノ
ール、トリブロモフェノール、ノニルフェノールなどが
挙げられる。
で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。ま
た、ポリカーボネートの一部にポリオルガノシロキサン
構造が挿入されたポリカーボネート−ポリオルガノシロ
キサンの共重合体も使用できる。その場合、ポリオルガ
ノシロキサン部の重合度は5以上が好ましい。炭酸ジエ
ステル化合物としては、ジフェニルカーボネートなどの
ジアリールカーボネートや、ジメチルカーボネート、ジ
エチルカーボネートなどのジアルキルカーボネートが挙
げられる。ポリカーボネート部の末端停止剤としては、
公知の各種のものを使用することができる。具体的に
は、1価フェノールとして、例えば、フェノール、p−
クレゾール、p−t−ブチルフェノール、p−t−オク
チルフェノール、p−クミルフェノール、ブロモフェノ
ール、トリブロモフェノール、ノニルフェノールなどが
挙げられる。
【0015】難燃性を高めるためにリン含有化合物との
共重合体、又はリン含有化合物で末端封止したポリカー
ボネート系樹脂を使用することができる。耐候性を高め
るためには、ベンゾトリアゾール基を有する2価フェノ
ールで末端封止したポリカーボネート系樹脂を使用する
ことができる。本発明のポリカーボネート系樹脂組成物
中に、ポリカーボネート構造の樹脂以外のポリマー成分
をポリカーボネート系樹脂全体の質量に対して60質量
%以下、好ましくは40質量%以下の範囲で含むませる
ことができる。そのようなポリマー成分としては、例え
ば、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体
等が挙げられる。
共重合体、又はリン含有化合物で末端封止したポリカー
ボネート系樹脂を使用することができる。耐候性を高め
るためには、ベンゾトリアゾール基を有する2価フェノ
ールで末端封止したポリカーボネート系樹脂を使用する
ことができる。本発明のポリカーボネート系樹脂組成物
中に、ポリカーボネート構造の樹脂以外のポリマー成分
をポリカーボネート系樹脂全体の質量に対して60質量
%以下、好ましくは40質量%以下の範囲で含むませる
ことができる。そのようなポリマー成分としては、例え
ば、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体
等が挙げられる。
【0016】次に、本発明に使用する籠状シルセスキオ
キサン及びその部分開裂構造体について説明する。シリ
カが(SiO2)の化学式で表されるのに対し、シルセ
スキオキサンは(R'SiO3/2)で表される化合物であ
る。シルセスキオキサンは通常はR'SiX3(R'は水
素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラ
アルキル基等、Xはハロゲン、アルコキシ基等)型化合
物の加水分解−重縮合で合成されるポリシロキサンであ
り、分子配列の形状として、代表的には無定形構造、ラ
ダー状構造、籠状(完全縮合ケージ状)構造又はその部
分開裂構造体(籠状構造からケイ素原子が一原子欠けた
構造や籠状構造の一部ケイ素−酸素結合が切断された構
造)等が知られている。
キサン及びその部分開裂構造体について説明する。シリ
カが(SiO2)の化学式で表されるのに対し、シルセ
スキオキサンは(R'SiO3/2)で表される化合物であ
る。シルセスキオキサンは通常はR'SiX3(R'は水
素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラ
アルキル基等、Xはハロゲン、アルコキシ基等)型化合
物の加水分解−重縮合で合成されるポリシロキサンであ
り、分子配列の形状として、代表的には無定形構造、ラ
ダー状構造、籠状(完全縮合ケージ状)構造又はその部
分開裂構造体(籠状構造からケイ素原子が一原子欠けた
構造や籠状構造の一部ケイ素−酸素結合が切断された構
造)等が知られている。
【0017】本発明者らは、各種シルセスキオキサン化
合物のポリカーボネート系樹脂への添加効果を詳細に検
討した。その結果、各種シルセスキオキサン化合物の中
でも、特定の構造の籠状シルセスキオキサン系化合物、
すなわち、化学式(1)で表される籠状シルセスキオキ
サン、化学式(2)で表される籠状シルセスキオキサン
の部分開裂構造体、
合物のポリカーボネート系樹脂への添加効果を詳細に検
討した。その結果、各種シルセスキオキサン化合物の中
でも、特定の構造の籠状シルセスキオキサン系化合物、
すなわち、化学式(1)で表される籠状シルセスキオキ
サン、化学式(2)で表される籠状シルセスキオキサン
の部分開裂構造体、
【0018】
【化5】
【0019】
【化6】
【0020】(式中、Rは水素原子、炭素数1から20
の飽和炭化水素基、炭素数2から20のアルケニル基、
又はケイ素数1から10のケイ素原子含有基で、Rは同
じでも異なっていてもよく、 Rとして、炭素数15以
内のアリール基又はアラアルキル基を1分子中に1個含
むことができ、nは6から14の整数、mは0又は1で
ある。) 又はこれらの混合物を、ポリカーボネート系樹脂に特定
の割合で混合した場合に、成形性(又は溶融流動性)に
優れ、かつ、難燃性に優れた成形体を与えるポリカーボ
ネート系樹脂組成物が得られることを見いだし、本発明
を完成させた。
の飽和炭化水素基、炭素数2から20のアルケニル基、
又はケイ素数1から10のケイ素原子含有基で、Rは同
じでも異なっていてもよく、 Rとして、炭素数15以
内のアリール基又はアラアルキル基を1分子中に1個含
むことができ、nは6から14の整数、mは0又は1で
ある。) 又はこれらの混合物を、ポリカーボネート系樹脂に特定
の割合で混合した場合に、成形性(又は溶融流動性)に
優れ、かつ、難燃性に優れた成形体を与えるポリカーボ
ネート系樹脂組成物が得られることを見いだし、本発明
を完成させた。
【0021】籠状シルセスキオキサン又は籠状シルセス
キオキサンの部分開裂構造体であっても、化学式(1)
又は化学式(2)に含まれないもの、例えば、Rがフェ
ニル基やフェネチル基のような芳香核含有置換基の場合
には、これらの化合物を含有するポリカーボネート系樹
脂組成物の熱安定性は不充分であり、組成物製造中に分
子量の低下が起こったり、燃焼試験において燃焼時間低
減効果や滴下防止効果が不充分である。
キオキサンの部分開裂構造体であっても、化学式(1)
又は化学式(2)に含まれないもの、例えば、Rがフェ
ニル基やフェネチル基のような芳香核含有置換基の場合
には、これらの化合物を含有するポリカーボネート系樹
脂組成物の熱安定性は不充分であり、組成物製造中に分
子量の低下が起こったり、燃焼試験において燃焼時間低
減効果や滴下防止効果が不充分である。
【0022】ただし、化学式(1)及び化学式(2)の
化合物において、Rとしてフェニル基やトリル基に代表
されるアリール基、又はフェネチル基やベンジル基に代
表されるアラアルキル基を1分子内に1個だけ含むもの
は、上記のような熱安定性や難燃性における問題が少な
いので本発明に使用することができる。このアリール基
およびアラアルキル基としては、通常は炭素数15以
内、好ましくは炭素数10以内のものが使用される。
化合物において、Rとしてフェニル基やトリル基に代表
されるアリール基、又はフェネチル基やベンジル基に代
表されるアラアルキル基を1分子内に1個だけ含むもの
は、上記のような熱安定性や難燃性における問題が少な
いので本発明に使用することができる。このアリール基
およびアラアルキル基としては、通常は炭素数15以
内、好ましくは炭素数10以内のものが使用される。
【0023】本発明で用いられる化学式(1)で表され
る籠状シルセスキオキサンの例としては、(RSiO
3/2)6の化学式で表されるタイプ(化学式(3))、
(RSiO3/2)8の化学式で表されるタイプ(化学式
(4))、(RSiO3/2)10の化学式で表されるタイ
プ(化学式(5))、(RSiO3/2)12の化学式で表
されるタイプ(化学式(6))、(RSiO3/2)14の
化学式で表されるタイプ(化学式(7))が挙げられ
る。
る籠状シルセスキオキサンの例としては、(RSiO
3/2)6の化学式で表されるタイプ(化学式(3))、
(RSiO3/2)8の化学式で表されるタイプ(化学式
(4))、(RSiO3/2)10の化学式で表されるタイ
プ(化学式(5))、(RSiO3/2)12の化学式で表
されるタイプ(化学式(6))、(RSiO3/2)14の
化学式で表されるタイプ(化学式(7))が挙げられ
る。
【0024】
【化7】
【0025】
【化8】
【0026】
【化9】
【0027】
【化10】
【0028】
【化11】
【0029】本発明の化学式(1)の(RSiO3/2)
n で表される籠状シルセスキオキサンにおけるnの値と
しては、6から14の整数であり、好ましくは8、10
又は12であり、より好ましくは、8,又は8、10及
び12の混合物である。また、本発明では、籠状シルセ
スキオキサンの一部のケイ素−酸素結合が部分開裂して
できた、化学式(2)の(RSiO3/2)n-m(O
1/2H)2+m(nは6から14の整数であり、mは0又は
1である。)で表される籠状シルセスキオキサンの部分
開裂構造体を用いることもできる。例えば、化学式
(1)の一部が開裂したトリシラノール体(RSiO
3/2)7(O1/2H)3の化学式で表されるタイプ(下記化
学式(8))、(RSiO3/2)8(O1/2H)2の化学式
で表されるタイプ(下記化学式(9))、(RSiO
3/2)8(O1/2H)2の化学式で表されるタイプ(下記化
学式(10))等が挙げられる。
n で表される籠状シルセスキオキサンにおけるnの値と
しては、6から14の整数であり、好ましくは8、10
又は12であり、より好ましくは、8,又は8、10及
び12の混合物である。また、本発明では、籠状シルセ
スキオキサンの一部のケイ素−酸素結合が部分開裂して
できた、化学式(2)の(RSiO3/2)n-m(O
1/2H)2+m(nは6から14の整数であり、mは0又は
1である。)で表される籠状シルセスキオキサンの部分
開裂構造体を用いることもできる。例えば、化学式
(1)の一部が開裂したトリシラノール体(RSiO
3/2)7(O1/2H)3の化学式で表されるタイプ(下記化
学式(8))、(RSiO3/2)8(O1/2H)2の化学式
で表されるタイプ(下記化学式(9))、(RSiO
3/2)8(O1/2H)2の化学式で表されるタイプ(下記化
学式(10))等が挙げられる。
【0030】
【化12】
【0031】
【化13】
【0032】
【化14】
【0033】化学式(8)、(9)及び(10)中のシ
ラノール基及び同一ケイ素原子に結合しているRはお互
いの位置を交換したものでもよい。本発明に使用される
Rとしては、水素原子、炭素数1から20までの飽和炭
化水素基、炭素数2から20までのアルケニル基、及び
ケイ素原子数1から10ケイ素原子含有基が挙げられ
る。炭素数1から20までの飽和炭化水素基の例として
は、メチル、エチル、n−プロピル、i-プロピル、ブ
チル(n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、sec-
ブチル)、ペンチル(n−ペンチル、i−ペンチル、ネ
オペンチル、シクロペンチル等)、ヘキシル(n−ヘキ
シル、i−ヘキシル、シクロヘキシル等)、ヘプチル
(n−ヘプチル、i−ヘプチル等)、オクチル(n−オ
クチル、i−オクチル、t−オクチル等)、ノニル(n
−ノニル、i−ノニル等)、デシル(n−デシル、i−
デシル等)、ウンデシル(n−ウンデシル、i−ウンデ
シル等)、ドデシル(n−ドデシル、i−ドデシル等)
などが挙げられる。
ラノール基及び同一ケイ素原子に結合しているRはお互
いの位置を交換したものでもよい。本発明に使用される
Rとしては、水素原子、炭素数1から20までの飽和炭
化水素基、炭素数2から20までのアルケニル基、及び
ケイ素原子数1から10ケイ素原子含有基が挙げられ
る。炭素数1から20までの飽和炭化水素基の例として
は、メチル、エチル、n−プロピル、i-プロピル、ブ
チル(n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、sec-
ブチル)、ペンチル(n−ペンチル、i−ペンチル、ネ
オペンチル、シクロペンチル等)、ヘキシル(n−ヘキ
シル、i−ヘキシル、シクロヘキシル等)、ヘプチル
(n−ヘプチル、i−ヘプチル等)、オクチル(n−オ
クチル、i−オクチル、t−オクチル等)、ノニル(n
−ノニル、i−ノニル等)、デシル(n−デシル、i−
デシル等)、ウンデシル(n−ウンデシル、i−ウンデ
シル等)、ドデシル(n−ドデシル、i−ドデシル等)
などが挙げられる。
【0034】炭素数2から20までのアルケニル基とし
ては、非環式アルケニル基及び環式アルケニル基いずれ
も使用可能である。その例としては、ビニル、プロペニ
ル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセ
ニル、シクロヘキセニルエチル、ノルボルネニルエチ
ル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウ
ンデセニル、ドデセニルなどが挙げられる。化学式
(1)及び(2)中のRは、1種類で籠状シルセスキオ
キサン又はその部分開裂構造体を構成してもよいし、2
種類以上の置換基で構成されていてもよい。
ては、非環式アルケニル基及び環式アルケニル基いずれ
も使用可能である。その例としては、ビニル、プロペニ
ル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセ
ニル、シクロヘキセニルエチル、ノルボルネニルエチ
ル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウ
ンデセニル、ドデセニルなどが挙げられる。化学式
(1)及び(2)中のRは、1種類で籠状シルセスキオ
キサン又はその部分開裂構造体を構成してもよいし、2
種類以上の置換基で構成されていてもよい。
【0035】化学式(1)及び(2)におけるR中の炭
素数としては、通常は20以下のものが使用されるが、
成型時の溶融流動性、難燃性及び操作性のバランスがよ
いものとしては、好ましくは16以下、より好ましくは
12以下のものが使用される。Rとして採用されるケイ
素数1から10のケイ素原子含有基としては、広範な構
造のものが採用されるが、例えば、下記化学式(1
1)、又は化学式(12)の構造の基が挙げられる。
素数としては、通常は20以下のものが使用されるが、
成型時の溶融流動性、難燃性及び操作性のバランスがよ
いものとしては、好ましくは16以下、より好ましくは
12以下のものが使用される。Rとして採用されるケイ
素数1から10のケイ素原子含有基としては、広範な構
造のものが採用されるが、例えば、下記化学式(1
1)、又は化学式(12)の構造の基が挙げられる。
【0036】
【化15】
【0037】
【化16】
【0038】ケイ素原子含有基中のケイ素数は、1から
10の範囲であるが、好ましくは1から6の範囲、より
好ましくは1から3の範囲である。ケイ素原子の数が大
きくなりすぎると籠状シルセスキオキサン化合物は粘ち
ょうな液体となり、ハンドリングや精製が困難になるの
で好ましくない。化学式(11)中のn’は、通常は1
から10の範囲の整数であるが、好ましくは1から6の
範囲の整数、より好ましくは1から3の範囲の整数であ
る。
10の範囲であるが、好ましくは1から6の範囲、より
好ましくは1から3の範囲である。ケイ素原子の数が大
きくなりすぎると籠状シルセスキオキサン化合物は粘ち
ょうな液体となり、ハンドリングや精製が困難になるの
で好ましくない。化学式(11)中のn’は、通常は1
から10の範囲の整数であるが、好ましくは1から6の
範囲の整数、より好ましくは1から3の範囲の整数であ
る。
【0039】化学式(11)中の置換基R5及びR6は、
水素原子又は炭素数1から10、好ましくは炭素数1か
ら6の有機基である。有機基の例としては、水素原子、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロヘ
キシル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基等の不飽
和結合含有基、又はCF3CH2CH2−等の含フッ素ア
ルキル基のような置換アルキル基やフェニル基、トリル
基などのアリール基、ベンジル基やフェネチル基などの
アラアルキル基が挙げられる。
水素原子又は炭素数1から10、好ましくは炭素数1か
ら6の有機基である。有機基の例としては、水素原子、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロヘ
キシル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基等の不飽
和結合含有基、又はCF3CH2CH2−等の含フッ素ア
ルキル基のような置換アルキル基やフェニル基、トリル
基などのアリール基、ベンジル基やフェネチル基などの
アラアルキル基が挙げられる。
【0040】化学式(11)中のR7は水素原子又は炭
素数1から20、好ましくは炭素数1から12、より好
ましくは炭素数1から8の有機基である。当該有機基の
例としては、1)メチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、
シクロヘキシル基、2−シクロヘキシル−エチル基、オ
クチル基、ドデシル基等のアルキル基、2)ビニル基、
アリル基、2−シクロヘキセニル−エチル基等のアルケ
ニル基、3)フェニル基、トリル基、アルキル置換フェ
ニル基等のアリール基、4)ベンジル基、フェネチル基
等のアラアルキル基、5)3,3,3−トリフルオロ−
n−プロピル基等の含フッ素アルキル基やCF3CF2C
F2OCH2CH2CH2−基のような含フッ素エーテル基
等の部分置換炭化水素基が挙げられる。
素数1から20、好ましくは炭素数1から12、より好
ましくは炭素数1から8の有機基である。当該有機基の
例としては、1)メチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、
シクロヘキシル基、2−シクロヘキシル−エチル基、オ
クチル基、ドデシル基等のアルキル基、2)ビニル基、
アリル基、2−シクロヘキセニル−エチル基等のアルケ
ニル基、3)フェニル基、トリル基、アルキル置換フェ
ニル基等のアリール基、4)ベンジル基、フェネチル基
等のアラアルキル基、5)3,3,3−トリフルオロ−
n−プロピル基等の含フッ素アルキル基やCF3CF2C
F2OCH2CH2CH2−基のような含フッ素エーテル基
等の部分置換炭化水素基が挙げられる。
【0041】なお、化学式(11)において、同一のケ
イ素原子に2個以上の水素原子が同時に連結しないこと
が好ましい。化学式(11)で表されるケイ素原子含有
基の具体例としては、例えばトリメチルシロキシ、ジメ
チルフェニルシロキシ、ジフェニルメチルシロキシ、ジ
メチル−n−ヘキシルシロキシ、ジメチルシクロヘキシ
ルシロキシ、ジメチルオクチルシロキシ、(CH3)3S
iO(Si(CH3)2O)k−(k=1から9)、2−フ
ェニル−2,4,4,4−テトラメチルシロキシ、4,
4−ジフェニル−2,2,4−トリメチルシロキシ、
2,4−ジフェニル−2,4,4−トリメチルシロキシ
等が挙げられる。
イ素原子に2個以上の水素原子が同時に連結しないこと
が好ましい。化学式(11)で表されるケイ素原子含有
基の具体例としては、例えばトリメチルシロキシ、ジメ
チルフェニルシロキシ、ジフェニルメチルシロキシ、ジ
メチル−n−ヘキシルシロキシ、ジメチルシクロヘキシ
ルシロキシ、ジメチルオクチルシロキシ、(CH3)3S
iO(Si(CH3)2O)k−(k=1から9)、2−フ
ェニル−2,4,4,4−テトラメチルシロキシ、4,
4−ジフェニル−2,2,4−トリメチルシロキシ、
2,4−ジフェニル−2,4,4−トリメチルシロキシ
等が挙げられる。
【0042】化学式(12)において、Raは炭素数1
から10の2価の炭化水素基であり、炭素数としては、
好ましくは2から6の範囲であり、より好ましくは2又
は3である。Raの具体例としては、例えば、−CH2
CH2−、−CH2CH2CH2−、−(CH2)m−(m=4
〜10)等のアルキレン基があげられる。化学式(1
2)におけるR5,R6,R7は、化学式(11)中の
R5,R6,R7と同じである。また、R8,R9は、R5,
R6と同じである。n’’ は0又は1から9の範囲の整
数であるが、好ましくは0又は1から5の範囲の整数、
より好ましくは0、1又は2である。
から10の2価の炭化水素基であり、炭素数としては、
好ましくは2から6の範囲であり、より好ましくは2又
は3である。Raの具体例としては、例えば、−CH2
CH2−、−CH2CH2CH2−、−(CH2)m−(m=4
〜10)等のアルキレン基があげられる。化学式(1
2)におけるR5,R6,R7は、化学式(11)中の
R5,R6,R7と同じである。また、R8,R9は、R5,
R6と同じである。n’’ は0又は1から9の範囲の整
数であるが、好ましくは0又は1から5の範囲の整数、
より好ましくは0、1又は2である。
【0043】なお、化学式(12)において、同一のケ
イ素原子に2個以上の水素原子が同時に連結しないこと
が好ましい。化学式(1)、(2)、及び(3)から
(10)中のRは、1種類で籠状シルセスキオキサン又
はその部分開裂構造体を構成してもよいし、2種類以上
の置換基で構成されていてもよい。本発明の籠状シルセ
スキオキサンを精製する方法としては、例えば、昇華精
製、再結晶、イオン交換樹脂を用いた精製等が挙げられ
る。これらの方法により、各種不純物を取り除くことが
できる。
イ素原子に2個以上の水素原子が同時に連結しないこと
が好ましい。化学式(1)、(2)、及び(3)から
(10)中のRは、1種類で籠状シルセスキオキサン又
はその部分開裂構造体を構成してもよいし、2種類以上
の置換基で構成されていてもよい。本発明の籠状シルセ
スキオキサンを精製する方法としては、例えば、昇華精
製、再結晶、イオン交換樹脂を用いた精製等が挙げられ
る。これらの方法により、各種不純物を取り除くことが
できる。
【0044】本発明の籠状シルセスキオキサンは、例え
ば、BrownらのJ.Am.Chem.Soc.19
65,87,4313や、FeherらのJ.Am.C
hem.Soc.1989,111,1741又はOr
ganometallics1991,10,2526
などの方法で合成することができる。例えば、シクロヘ
キシルトリエトキシシランを水/メチルイソブチルケト
ン中で触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキサ
イドを加えて反応させることにより結晶として得られ
る。また化学式(8)から(10)で表されるトリシラ
ノール体及びジシラノール体は、完全縮合型の籠状シル
セスキオキサンを製造する際に同時に製造するか、完全
縮合型の籠状シルセスキオキサンからトリフルオロメタ
ンスルホン酸やテトラエチルアンモニウムヒドロキサイ
ドによって部分切断することによっても製造できる(F
eherらのChem.Commun.,1998,1
279参照)。
ば、BrownらのJ.Am.Chem.Soc.19
65,87,4313や、FeherらのJ.Am.C
hem.Soc.1989,111,1741又はOr
ganometallics1991,10,2526
などの方法で合成することができる。例えば、シクロヘ
キシルトリエトキシシランを水/メチルイソブチルケト
ン中で触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキサ
イドを加えて反応させることにより結晶として得られ
る。また化学式(8)から(10)で表されるトリシラ
ノール体及びジシラノール体は、完全縮合型の籠状シル
セスキオキサンを製造する際に同時に製造するか、完全
縮合型の籠状シルセスキオキサンからトリフルオロメタ
ンスルホン酸やテトラエチルアンモニウムヒドロキサイ
ドによって部分切断することによっても製造できる(F
eherらのChem.Commun.,1998,1
279参照)。
【0045】本発明の籠状シルセスキオキサンの構造解
析は、X線構造解析(LarssonらのAlkiv
Kemi 16,209(1960))により行うこと
ができるが、簡易的には赤外吸収スペクトルやNMRを
用いて同定を行うことができる(例えば、Vogtらの
Inorga.Chem.2,189(1963)参
照)。本発明に用いられる籠状シルセスキオキサン又は
籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体はそれぞれ単
独で用いてもよいし、2種類以上の混合物として用いて
もよい。籠状シルセスキオキサン及び籠状シルセスキオ
キサンの部分開裂構造体を混合して使用してもよい。ま
た、本発明に用いられる籠状シルセスキオキサン、籠状
シルセスキオキサンの部分開裂構造体、又はその混合物
を、それ以外の他の構造のケイ素系化合物と組み合わせ
て使用してもよい。
析は、X線構造解析(LarssonらのAlkiv
Kemi 16,209(1960))により行うこと
ができるが、簡易的には赤外吸収スペクトルやNMRを
用いて同定を行うことができる(例えば、Vogtらの
Inorga.Chem.2,189(1963)参
照)。本発明に用いられる籠状シルセスキオキサン又は
籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体はそれぞれ単
独で用いてもよいし、2種類以上の混合物として用いて
もよい。籠状シルセスキオキサン及び籠状シルセスキオ
キサンの部分開裂構造体を混合して使用してもよい。ま
た、本発明に用いられる籠状シルセスキオキサン、籠状
シルセスキオキサンの部分開裂構造体、又はその混合物
を、それ以外の他の構造のケイ素系化合物と組み合わせ
て使用してもよい。
【0046】本発明に使用される化学式(1)、
(2)、及び(3)から(10)で表される籠状シルセ
スキオキサン又は籠状シルセスキオキサンの部分開裂構
造体に対して、籠を形成していない無定形なポリシルセ
スキオキサンをポリカーボネート系樹脂組成物の添加剤
として用いた場合は、成形時の溶融流動性向上や難燃化
の効果が小さい。ポリカーボネート系樹脂組成物中にお
ける、化学式(1)で表される籠状シルセスキオキサ
ン、化学式(2)で表される籠状シルセスキオキサンの
部分開裂構造体、又はこれらの混合物の含有率は0.1
質量%以上50質量%以下であることが好ましく、より
好ましくは0.3質量%以上30質量%以下、さらに好
ましくは0.6質量%以上20質量%以下、最も好まし
くは1.0質量%以上15質量%以下である。含有率が
0.1質量%未満になると、溶融流動性や難燃性に対す
る効果が小さく、50質量%を越えると、機械的強度な
どの物性が低下する。
(2)、及び(3)から(10)で表される籠状シルセ
スキオキサン又は籠状シルセスキオキサンの部分開裂構
造体に対して、籠を形成していない無定形なポリシルセ
スキオキサンをポリカーボネート系樹脂組成物の添加剤
として用いた場合は、成形時の溶融流動性向上や難燃化
の効果が小さい。ポリカーボネート系樹脂組成物中にお
ける、化学式(1)で表される籠状シルセスキオキサ
ン、化学式(2)で表される籠状シルセスキオキサンの
部分開裂構造体、又はこれらの混合物の含有率は0.1
質量%以上50質量%以下であることが好ましく、より
好ましくは0.3質量%以上30質量%以下、さらに好
ましくは0.6質量%以上20質量%以下、最も好まし
くは1.0質量%以上15質量%以下である。含有率が
0.1質量%未満になると、溶融流動性や難燃性に対す
る効果が小さく、50質量%を越えると、機械的強度な
どの物性が低下する。
【0047】本発明のポリカーボネート系樹脂組成物の
難燃性を高めるために、フッ素系樹脂を加えることが好
ましい。フッ素系樹脂の例としては、ポリモノフルオロ
エチレン、ポリジフルオロエチレン、ポリトリフルオロ
エチレン、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオ
ロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体などが
挙げられる。また、必要に応じて、上記含フッ素モノマ
ーと共重合可能なモノマーとを併用してもよい。ポリカ
ーボネート系樹脂組成物中のフッ素系樹脂の含有率は、
本発明の溶融流動性を損なわない限り制限はないが、
0.01から10質量%が好ましく、より好ましくは
0.03から8質量%、最も好ましくは0.05から6
質量%である。0.01質量%未満では難燃性を向上さ
せる効果は小さく、10質量%を超えると成形性などが
低下する。
難燃性を高めるために、フッ素系樹脂を加えることが好
ましい。フッ素系樹脂の例としては、ポリモノフルオロ
エチレン、ポリジフルオロエチレン、ポリトリフルオロ
エチレン、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオ
ロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体などが
挙げられる。また、必要に応じて、上記含フッ素モノマ
ーと共重合可能なモノマーとを併用してもよい。ポリカ
ーボネート系樹脂組成物中のフッ素系樹脂の含有率は、
本発明の溶融流動性を損なわない限り制限はないが、
0.01から10質量%が好ましく、より好ましくは
0.03から8質量%、最も好ましくは0.05から6
質量%である。0.01質量%未満では難燃性を向上さ
せる効果は小さく、10質量%を超えると成形性などが
低下する。
【0048】本発明のポリカーボネート系樹脂組成物に
おいて、ポリカーボネート系樹脂組成物の溶融流動性を
損なわない範囲で強化充填剤を組み合わせてもよい。強
化充填剤を添加することによって耐熱性、機械的強度な
どの向上させることができる。強化充填剤の例として
は、ガラス繊維、炭素繊維などの繊維状物質やガラスビ
ーズ、ガラスフレーク、タルク、珪藻土などが挙げられ
る。本発明のポリカーボネート系樹脂成物の製造方法
は、特に限定されない。例えば、押出機、プラストミ
ル、加熱ロール、ニーダー、バンバリーミキサー等の混
練機を用いて溶融混練することや溶液ブレンド、キャス
トによる製膜によって製造することができる。その中で
も押出機による混練が、生産性の面で好ましい。
おいて、ポリカーボネート系樹脂組成物の溶融流動性を
損なわない範囲で強化充填剤を組み合わせてもよい。強
化充填剤を添加することによって耐熱性、機械的強度な
どの向上させることができる。強化充填剤の例として
は、ガラス繊維、炭素繊維などの繊維状物質やガラスビ
ーズ、ガラスフレーク、タルク、珪藻土などが挙げられ
る。本発明のポリカーボネート系樹脂成物の製造方法
は、特に限定されない。例えば、押出機、プラストミ
ル、加熱ロール、ニーダー、バンバリーミキサー等の混
練機を用いて溶融混練することや溶液ブレンド、キャス
トによる製膜によって製造することができる。その中で
も押出機による混練が、生産性の面で好ましい。
【0049】本発明のポリカーボネート系樹脂組成物
は、ベースとなるポリカーボネート系樹脂に比べて溶融
流動性が大きく改善されるので、溶融成型法により高生
産性で成形体を得ることができる。また、上記方法によ
り得られた成形体は、難燃性に優れているので各種用途
に使用できる。すなわち、本発明によって、自動車部
品、家電部品、OA機器部品等として有用な難燃性に優
れた各種ポリカーボネート系樹脂組成物の成形体を工業
的に有利に、製造することが可能となる。
は、ベースとなるポリカーボネート系樹脂に比べて溶融
流動性が大きく改善されるので、溶融成型法により高生
産性で成形体を得ることができる。また、上記方法によ
り得られた成形体は、難燃性に優れているので各種用途
に使用できる。すなわち、本発明によって、自動車部
品、家電部品、OA機器部品等として有用な難燃性に優
れた各種ポリカーボネート系樹脂組成物の成形体を工業
的に有利に、製造することが可能となる。
【0050】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例により具体
的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。本発明の樹脂組成物の成形及び成形体の物性評価
は、以下の方法にしたがって行う。 (1)射出成形 金型温度80℃に設定した射出成形機(FANUC F
AS−15A)を用い、シリンダー温度を265/26
5/265/265℃に設定し、いずれも射出速度50
mm/秒で成形を行う。 (2)モールドデポジット(MD)評価 10×25×0.2mmの試験片を1000ショット成
型して、金型表面のMD付着程度を目視で評価する。 (3)溶融流動性 JIS K6730にしたがうメルトインデックス値
(230℃、荷重2.16Kgにおける10分間の溶出
量を、東洋精機製メルトインデクサーA−111m)を
用いて測定する。 (4) 難燃性評価 縦126mm、横12.6mm、厚さ1/8インチの5
本の板状試験片を用いて、UL−94(米国アンダーラ
イターズラボラトリー規格)に基づき難燃試験を行う。
的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。本発明の樹脂組成物の成形及び成形体の物性評価
は、以下の方法にしたがって行う。 (1)射出成形 金型温度80℃に設定した射出成形機(FANUC F
AS−15A)を用い、シリンダー温度を265/26
5/265/265℃に設定し、いずれも射出速度50
mm/秒で成形を行う。 (2)モールドデポジット(MD)評価 10×25×0.2mmの試験片を1000ショット成
型して、金型表面のMD付着程度を目視で評価する。 (3)溶融流動性 JIS K6730にしたがうメルトインデックス値
(230℃、荷重2.16Kgにおける10分間の溶出
量を、東洋精機製メルトインデクサーA−111m)を
用いて測定する。 (4) 難燃性評価 縦126mm、横12.6mm、厚さ1/8インチの5
本の板状試験片を用いて、UL−94(米国アンダーラ
イターズラボラトリー規格)に基づき難燃試験を行う。
【0051】
【実施例1】下記の方法により樹脂組成物の評価を行っ
た。120℃で4時間乾燥したポリカーボネート(三菱
エンジニアリングプラスチック社製、S3000)90
質量部と、昇華法により精製したオクタイソブチルオク
タシルセスキオキサン(化学式(4)において、R=イ
ソブチル基であるもの)10質量部を、プレミックスし
た後、280℃に設定された2軸押し出し機(テクノベ
ル社、ZSW−15)に投入して溶融混練し、ポリカー
ボネート樹脂組成物を得た。得られた組成物は優れた溶
融流動性を示し、この組成物を用いると容易に成型体を
得ることができる。得られた組成物及びその成型体の評
価結果を表1に示す。
た。120℃で4時間乾燥したポリカーボネート(三菱
エンジニアリングプラスチック社製、S3000)90
質量部と、昇華法により精製したオクタイソブチルオク
タシルセスキオキサン(化学式(4)において、R=イ
ソブチル基であるもの)10質量部を、プレミックスし
た後、280℃に設定された2軸押し出し機(テクノベ
ル社、ZSW−15)に投入して溶融混練し、ポリカー
ボネート樹脂組成物を得た。得られた組成物は優れた溶
融流動性を示し、この組成物を用いると容易に成型体を
得ることができる。得られた組成物及びその成型体の評
価結果を表1に示す。
【0052】
【実施例2〜5】籠状シルセスキオキサン又は籠状シル
セスキオキサンの部分開裂構造体の種類を変更した以外
は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。得られた
組成物の評価結果を表1に示す。
セスキオキサンの部分開裂構造体の種類を変更した以外
は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。得られた
組成物の評価結果を表1に示す。
【0053】
【比較例1】籠状ケイ素化合物を用いずに単独のポリカ
ーボネート樹脂組成物の評価を行った結果を表1に示
す。
ーボネート樹脂組成物の評価を行った結果を表1に示
す。
【0054】
【比較例2】昇華法により精製したオクタイソブチルオ
クタシルセスキオキサンの替わりに、フェネチルシルセ
スキオキサンCageMixture(化学式(1)において、R
=フェネチル基で、n=8,10,12の混合物)を使
用した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得
た。得られた組成物の評価結果を表1に示す。
クタシルセスキオキサンの替わりに、フェネチルシルセ
スキオキサンCageMixture(化学式(1)において、R
=フェネチル基で、n=8,10,12の混合物)を使
用した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得
た。得られた組成物の評価結果を表1に示す。
【0055】
【比較例3】ガラス容器にメチルトリエトキシシラン1
00部、トルエン80部を添加し、攪拌しながら1質量
%の塩酸水溶液50部を徐々に添加してシランの加水分
解反応を行った。添加終了後、分液し有機相を取り出
し、水洗した後、溶媒のトルエンを留去してシラノール
基含有のポリメチルシルセスキオキサンを得た。得られ
たポリメチルシルセスキオキサンの分子量は約5000
(GPC測定、ポリスチレン換算)、シラノール基は約
5モル%(NMRスペクトル)であった。ケイ素化合物
以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。得られ
た組成物の評価結果を表1に示す。
00部、トルエン80部を添加し、攪拌しながら1質量
%の塩酸水溶液50部を徐々に添加してシランの加水分
解反応を行った。添加終了後、分液し有機相を取り出
し、水洗した後、溶媒のトルエンを留去してシラノール
基含有のポリメチルシルセスキオキサンを得た。得られ
たポリメチルシルセスキオキサンの分子量は約5000
(GPC測定、ポリスチレン換算)、シラノール基は約
5モル%(NMRスペクトル)であった。ケイ素化合物
以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。得られ
た組成物の評価結果を表1に示す。
【0056】以上の実施例から明らかなように、本発明
の特定の籠状シルセスキオキサン、籠状シルセスキオキ
サンの部分開裂構造体を添加したポリカーボネート系樹
脂組成物は成型性と難燃性に優れ、モールドデポジット
が少ない。
の特定の籠状シルセスキオキサン、籠状シルセスキオキ
サンの部分開裂構造体を添加したポリカーボネート系樹
脂組成物は成型性と難燃性に優れ、モールドデポジット
が少ない。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、成形性と難燃性に優
れ、モールドデポジットの少ないポリカーボネート系樹
脂組成物が得られる。
れ、モールドデポジットの少ないポリカーボネート系樹
脂組成物が得られる。
Claims (4)
- 【請求項1】 化学式(1)で表される籠状シルセスキ
オキサン、化学式(2)で表される籠状シルセスキオキ
サンの部分開裂構造体、又はこれらの混合物を含むポリ
カーボネート系樹脂組成物。 【化1】 【化2】 (式中、Rは水素原子、炭素数1から20の飽和炭化水
素基、炭素数2から20のアルケニル基、又はケイ素数
1から10のケイ素原子含有基で、Rは同じでも異なっ
ていてもよく、Rとして、炭素数15以内のアリール基
又はアラアルキル基を1分子中に1個含むことができ、
nは6から14の整数、mは0又は1である。) - 【請求項2】 組成物中における、化学式(1)で表さ
れる籠状シルセスキオキサン、化学式(2)で表される
籠状シルセスキオキサンの部分開裂構造体、又はこれら
の混合物の含有率が0.1質量%以上50質量%以下で
あることを特徴とする請求項1に記載のポリカーボネー
ト系樹脂組成物。 - 【請求項3】 化学式(1)で表される籠状シルセスキ
オキサン、化学式(2)で表される籠状シルセスキオキ
サンの部分開裂構造体、又はこれらの混合物を、組成物
中の含有率が0.1質量%以上50質量%以下の範囲に
なるようにポリカーボネート系樹脂と混合し、得られた
組成物を用いて溶融成型法により成形体を得ることを特
徴とするポリカーボネート系樹脂組成物成形体の製造方
法。 - 【請求項4】 請求項3に記載の方法で製造されたポリ
カーボネート系樹脂組成物の成型体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001108861A JP2002302599A (ja) | 2001-04-06 | 2001-04-06 | ポリカーボネート系樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001108861A JP2002302599A (ja) | 2001-04-06 | 2001-04-06 | ポリカーボネート系樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002302599A true JP2002302599A (ja) | 2002-10-18 |
JP2002302599A5 JP2002302599A5 (ja) | 2008-05-22 |
Family
ID=18960920
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001108861A Withdrawn JP2002302599A (ja) | 2001-04-06 | 2001-04-06 | ポリカーボネート系樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002302599A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1361252A1 (en) * | 2002-05-01 | 2003-11-12 | General Electric Company | Light diffusing articles and methods of manufacture |
CN101851401A (zh) * | 2010-03-09 | 2010-10-06 | 上海锦湖日丽塑料有限公司 | 一种高流动聚酯组合物及制备方法 |
CN102382439A (zh) * | 2010-12-14 | 2012-03-21 | 重庆文理学院 | 一种改性聚碳酸酯及其制备方法 |
CN102443268A (zh) * | 2011-10-17 | 2012-05-09 | 重庆文理学院 | 复合阻燃剂、阻燃型树脂及其制备方法 |
-
2001
- 2001-04-06 JP JP2001108861A patent/JP2002302599A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1361252A1 (en) * | 2002-05-01 | 2003-11-12 | General Electric Company | Light diffusing articles and methods of manufacture |
CN101851401A (zh) * | 2010-03-09 | 2010-10-06 | 上海锦湖日丽塑料有限公司 | 一种高流动聚酯组合物及制备方法 |
CN102382439A (zh) * | 2010-12-14 | 2012-03-21 | 重庆文理学院 | 一种改性聚碳酸酯及其制备方法 |
CN102443268A (zh) * | 2011-10-17 | 2012-05-09 | 重庆文理学院 | 复合阻燃剂、阻燃型树脂及其制备方法 |
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Legal Events
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A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080404 |
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