JP2002301372A - 固体酸触媒、その製造方法およびそれを使用する軽質炭化水素油の水素化脱硫異性化方法 - Google Patents

固体酸触媒、その製造方法およびそれを使用する軽質炭化水素油の水素化脱硫異性化方法

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JP2002301372A JP2002007718A JP2002007718A JP2002301372A JP 2002301372 A JP2002301372 A JP 2002301372A JP 2002007718 A JP2002007718 A JP 2002007718A JP 2002007718 A JP2002007718 A JP 2002007718A JP 2002301372 A JP2002301372 A JP 2002301372A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機イオウ化合物を含有する軽質炭化水素油
の脱硫と異性化とを同時に行なえる固体酸触媒におい
て、触媒の圧縮強度が高く反応器に充填したときに破壊
するおそれがなく、かつ、本来の固体酸性が維持されて
いて、活性の高い成形触媒の製造方法を提供すること。 【解決手段】 (A)ジルコニウム水酸化物に硫酸根含
有物質を添加して硫酸化処理すること、(B)硫酸化
処理したものに、結合材として擬ベーマイトを加え、第
VIII族金属を含む水溶液で混練するか、または(B
硫酸化処理したものに第VIII族金属を担持させた後、結
合材を含む水溶液で混練すること、(C)混練物を触媒
の形状に成形すること、および(D)成形物を550〜
800℃の温度で焼成して触媒を製造する。水素化脱硫
異性化は、この触媒に、イオウ分含有量700質量ppm
以下の軽質炭化水素および水素を、温度:160〜24
0℃、圧力:1.0〜4.5MPa、LHSV:1.0
〜10h−1、水素/油比:100〜1000NL/L
の反応条件下に接触させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は固体酸触媒とその製
造方法に関し、詳しくは、第VIII族金属を担持した硫酸
根含有ジルコニア−アルミナ触媒の、工業的使用に適す
るものと、その製造方法に関する。本発明はまた、この
触媒を使用して行なう、軽質炭化水素油の水素化脱硫異
性化方法にも関する。
【0002】
【従来の技術】炭化水素の異性化やアルキル化に、固体
酸触媒、とくに第VIII族金属を担持した硫酸根含有ジル
コニア触媒が使用されている。この触媒に限らず、工業
的に使用する固体酸触媒は、触媒活性が高いだけでな
く、反応装置に充填したときに自重で破壊されないよ
う、触媒がある程度の強度を有する必要がある。そのた
め、従来は、粉体である固体酸触媒をそのまま加圧して
タブレット化するか、または適当な結合材を用いて、柱
状、四ツ葉状、球状、粒状などの形をもった成形体とし
てから、反応装置に充填して用いることが多かった。
【0003】しかし、単に加圧成形して得たタブレット
触媒は、粉体を押し固めただけのものであるから、実装
置を運転している間に破壊されやすく、また多孔体では
ないために、触媒内部を反応の場として使えず、反応物
との接触面積が小さくて、活性が低い。
【0004】結合材を用いて成形体とすれば、多孔質で
接触効率の高い触媒が得られるものの、一定の強度を確
保するためには、ある程度の結合材の量が必要であり、
多量の結合材が加われば成形触媒中の固体酸濃度が減少
し、触媒活性が低くなる。さらに、結合材自体が触媒表
面の活性点を破壊し、触媒の性能を低下させることもあ
る。
【0005】結合材を使用する技術の例を挙げれば、水
酸化ジルコニウムまたはジルコニアに、結合材としてベ
ーマイト状態のアルミナを混合して成形することからな
る触媒の製造方法が提案された(特開平9−38494
および特開平11−57478)。これらの方法によれ
ば、多孔質で接触効率の高い触媒が得られるものの、結
合材であるアルミナと、原料である水酸化ジルコニウム
やジルコニアとの結合力が弱いために、触媒の圧縮強度
を、あまり高くすることができない。圧縮強度を高める
ためには、結合材であるアルミナの混合量を増さなけれ
ばならないが、そうすると成形した触媒中に占めるアル
ミナの相対的な割合が増大してしまい、固体酸量の少な
い、すなわち活性の低い触媒となってしまう。
【0006】別法として、水酸化ジルコニウムまたはジ
ルコニアに硫酸根を担持させたものを焼成し、その後に
アルミナを結合剤として添加して成形する方法もある
が、この製造方法による触媒は、アルミナが硫酸根を被
覆してしまって固体酸性が著しく低いため、実用的な触
媒といえない。
【0007】このようなわけで、粉体である固体酸触媒
から、圧縮強度が高く、かつ、結合材の量が少なく、従
って強い固体酸性を有する、成形された固体酸触媒を製
造するにはどうすればよいかが、この技術の分野で引き
続き課題になっていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、固体酸触媒
を製造する既知の諸方法の欠点にかんがみてなされたも
のであって、その目的は、固体酸触媒の製造において、
触媒の圧縮強度が高く、かつ、成形触媒においても本来
の固体酸性が維持されている触媒を製造する方法を提供
することにある。
【0009】その方法により製造した固体酸触媒を用い
て、有機イオウ化合物を含有する軽質炭化水素油の脱硫
と異性化とを、同時に達成することができる水素化脱硫
異性化方法を提供することもまた、本発明の目的に含ま
れる。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成する本発
明の固体酸触媒の製造方法には、つぎの二つの態様があ
る。その一つは、下記の諸工程からなる固体酸触媒の製
造方法である: (A)ジルコニウム水酸化物に硫酸根含有物質を添加し
硫酸化処理をすること、(B)硫酸化処理されたジル
コニウム水酸化物に結合材として擬ベーマイトを加え、
第VIII族金属の1種または2種以上を含む水溶液で混練
すること、(C)混練物を触媒の形状に成形すること、
および(D)得られた成形物を550〜800℃の温度
で焼成すること。
【0011】いまひとつは、下記の諸工程からなる固体
酸触媒の製造方法である: (A)ジルコニウム水酸化物に硫酸根含有物質を添加し
硫酸化処理をすること、(B)硫酸化処理されたジル
コニウム水酸化物に第VIII族金属の1種または2種以上
を担持させた後、結合材として擬ベーマイトを加え、水
で混練すること、(C)混練物を触媒の形状に成形する
こと、および、(D)得られた成形物を550〜800
℃の温度で焼成すること。
【0012】本発明の軽質炭化水素油の水素化脱硫異性
化方法は、上記いずれかの方法により製造した触媒を使
用して、イオウ分含有量700質量ppm以下の軽質炭化
水素および水素を、温度:160〜240℃、圧力:
1.0〜4.5MPa、LHSV:1.0〜10
−1、水素/油比:100〜1000NL/Lの反応
条件下に触媒に接触させることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】発明者らは、前記した既知の諸技
術の欠点を克服することを意図して、鋭意研究を重ね
た。その結果、固体酸触媒の製造において、それが本来
有するばずの触媒活性に悪影響を与えないためには、触
媒製造の工程を、まず硫酸根を含有させた水酸化ジルコ
ニウムを用意してこれを原料として使用することからス
タートするのが必須条件であることを見出した。さら
に、この硫酸根含有水酸化ジルコニウムを焼成すること
なくそのまま成形原料として使用すること、その上で、
結合材として擬ベーマイトを添加した混練物を550〜
800℃で焼成することによって、高い圧縮強度と高い
水素化脱硫異性化活性とが両立する触媒が得られること
を見出して、本発明を完成した。
【0014】以下、本発明の各構成要素について説明す
る。
【0015】[水酸化ジルコニウム]本発明で使用する
水酸化ジルコニウムは、ジルコニウムの水酸化物だけで
なく、部分酸化水酸化物であってもよい。それゆえ、以
下の記述においては、「水酸化ジルコニウム」、「ジル
コニウムの水酸化物」の語で、両者を代表させる。水酸
化ジルコニウムには、Zr(OH)、Zr(OH)2、Z
r(OH)3およびZrO(OH)2などの諸形態があり、そ
のいずれも使用することができるが、Zr(OH)4およ
びZrO(OH)2が好ましい。これらの水酸化ジルコニ
ウムは、水和物であってもよい。水酸化ジルコニウムは
市場で入手できるから、それを使用すればよいが、場合
によっては、ジルコニウムの水可溶性塩溶液の液性をア
ルカリ性にして沈殿させるなど、既知の方法によって製
造してもよい。
【0016】[硫酸化処理剤および硫酸根の量]本発明
の一つの特徴は、ジルコニウムの水酸化物に対し、硫酸
根を含有させる硫酸化処理をしてから触媒製造を進め
る。硫酸根を与える処理剤としては、硫酸、硫酸アンモ
ニウム、亜硫酸、亜硫酸アンモニウム、硫化水素、亜硫
酸ガス等が挙げられるが、好ましくは硫酸、硫酸アンモ
ニウムである。含有させる硫酸根の量は、イオウ(S)
分として、0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜5
質量%である。硫酸根の量がイオウ分として0.1%未
満であると、製品である触媒中の固体酸の量が少なす
ぎ、触媒が十分な活性を示さない。一方、10質量%を
超えると、ジルコニアの表面をイオウが被覆しすぎて、
かえって触媒活性が低くなるばかりか、触媒製造中に硫
酸が流出してしまい、装置を腐食するなどの問題が生じ
る。
【0017】[硫酸化処理の方法]硫酸化処理を行なう
には種々の方法が可能であるが、一般的には、吸着法、
含浸法および混合法である。
【0018】吸着法は、液体または固体である硫酸化処
理剤を1〜10倍の水に溶解して、溶液を、ジルコニウ
ムの水酸化物に吸着させる方法である。たとえば、処理
剤の水溶液にジルコニウムの水酸化物を入れ、攪拌して
吸着させる。その後、余分な処理剤水溶液は、濾過によ
り除くことが可能である。濾過して得た硫酸根を含有す
るジルコニウムの水酸化物は、乾燥させてもさせなくて
もよい。含有させる硫酸根の量は、水に溶解する硫酸化
処理剤の量や、吸着させる時間などを調節することによ
ってコントロールできる。
【0019】含浸法は、固体または液体の硫酸化処理剤
を溶媒に溶解し、この溶液をジルコニウムの水酸化物に
含浸させることにより、硫酸根を含有するジルコニウム
の水酸化物を得る方法である。
【0020】混合法は、硫酸化処理剤が固体であるもの
を、ジルコニウムの水酸化物に含有させる場合に採用す
る方法である。
【0021】[第VIII族金属の担持]第VIII族金属成分
としては、白金、パラジウム、ルテニウム、イリジウ
ム、ニッケル、コバルト等が用いられ、好ましいのは、
白金、パラジウムおよびルテニウムである。これらの第
VIII族金属は、2種以上を混合して担持させてもよい。
【0022】第VIII族金属成分を触媒に担持させる手法
には、前述のように、硫酸化処理されたジルコニウム水
酸化物と結合材とに、これら金属の1種または2種以上
を含む水溶液として添加して混練する(B)、同時混
練法とでもいうべき手法と、硫酸化処理されたジルコニ
ウム水酸化物に、まずこれら金属の1種または2種以上
を担持させたのちに結合材を加え、水で混練する
(B)、混練前担持法とでもいうべき手法とがある。
【0023】同時混練法の場合には、第VIII族金属成分
を、その塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、硝酸塩、
アンミン錯塩等各種の水溶性塩の形で添加する。装置の
腐食を考慮に入れると、酸性を有しないアンミン錯塩が
好ましい。
【0024】混練前担持法の場合、第VIII族金属成分を
担持させる方法にはとくに制限がないが、当業者に周知
の含浸法およびイオン交換法が、代表的な方法である。
要するに、硫酸根を担持した水酸化ジルコニウムに、高
分散かつ均一に担持させることができる限り、どのよう
な方法でもよい。担持に使用する金属化合物は、上記し
た各種の水溶性塩のいずれでもよい。
【0025】第VIII族金属の担持量は、上記した担持の
手法のどちらを選択したかにかかわらず、最終的に得ら
れる固体酸触媒中に占める割合で、0.05〜10質量
%、好ましくは0.05〜5質量%となるようにする。
0.05質量%未満では貴金属成分を有する固体酸触媒
としての性能が不十分であり、逆に10質量%を超える
と、金属成分の分散性が低下して、触媒の性能がむしろ
低くなることがある。
【0026】[結合材]本発明に用いる結合材は、アル
ミナの中で、擬ベーマイト構造を有するものが最適であ
るから、これを用いる。擬ベーマイトは、一般に、粉末
状態か、または液中に分散したゾルの状態のものを入手
することができ、水酸化アルミニウムが低重合した構造
(AlOOH)を有している(nは1より大きい数)。
擬ベーマイトは、粒子表面を酢酸イオンや塩素イオンの
ような1価のマイナス電荷で安定化させ、それ以上の重
合による高分子化を抑制した状態で市販されている。本
発明においては、後工程の焼成により、擬ベーマイトの
結晶形態が変化して、最終的にはγ−アルミナまたはη
−アルミナとなるのであるが、結合材として、たとえ
ば、γ−アルミナやα−アルミナをはじめから使用した
場合には、触媒の圧縮強度が高まらず、実用的な触媒は
得られない。
【0027】この差異は、擬ベーマイト構造を有するア
ルミナの粒子がプラス電荷を帯びており、触媒製造のた
めの原料である硫酸根含有水酸化ジルコニウムと強く結
合するためである。硫酸根含有水酸化ジルコニウムは粒
子表面が硫酸によりマイナス電荷を帯びているため、ア
ルミナのプラス電荷と結合することができ、その結合が
強い圧縮強度をもたらすと考えられる。これに対し、γ
−アルミナやα−アルミナ等は表面のプラス電荷が足り
ないため、硫酸根含有水酸化ジルコニウムとは強固に結
合せず、結果として、触媒の実用上必要な圧縮強度を実
現することができないものと解される。
【0028】[触媒の製造−手順]前記のように、本発
明では固体酸触媒の製造手順として、硫酸根含有水酸化
ジルコニウムと結合材とを、1種または2種以上の第VI
II族金属を含有する水溶液で混練するか(B)、また
は、第VIII族金属を1種または2種以上まず担持させた
硫酸根含有水酸化ジルコニウムと、結合材とを水で混練
する(B)、という2種の態様がある。これに続い
て、混練物を触媒形状に成形し、550〜800℃の温
度で焼成して安定化させる。
【0029】[触媒の製造−混練]本発明を実施するに
当たり、触媒原料を混練するには、一般に触媒の製造に
用いられているニーダーであれば、どのようなものを用
いてもかまわない。上記した(B)の態様において
は、硫酸根含有水酸化ジルコニウムと結合材とを混合
し、攪拌したのち、そこへ1種または2種以上の第VIII
族金属を含有する水溶液を添加しながら、混練する。上
記(B)の態様においては、1種または2種以上の第
VIII族金属を担持した硫酸根含有水酸化ジルコニウム
を、結合材と混合し、攪拌したのち、そこへ水を添加し
て混練する。
【0030】混練に当たっては、メタノール、エタノー
ルなどのアルコール系の有機溶媒、硫酸、希硫酸、硝
酸、塩酸、酢酸などの酸性溶媒など、さまざまな溶媒
を、単独で、または2種以上混合して使用することがで
きる。しかし、通常は水で十分であり、かつそれが好ま
しい。
【0031】硫酸根含有水酸化ジルコニウムと結合材、
または1種または2種以上の第VIII族金属を担持した硫
酸根含有水酸化ジルコニウムと結合材との割合は、最終
的に得られる固体酸触媒中に占める割合にして、酸化物
基準で、酸化ジルコニウム/アルミナ=97/3〜80
/20(単位は質量%)となるようにすることが好まし
い。アルミナの量が3質量%未満では結合材の量が少な
すぎて結合力が弱く、触媒に必要な圧縮強度が発現しな
い。一方、アルミナの量が20質量%を超えると、触媒
の圧縮強度は高まるものの、相対的な硫酸根含有水酸化
ジルコニウムの量が減少してしまい、必要な固体酸量を
確保できなくなる。95/5〜85/15の範囲が、と
くに好ましい。
【0032】[触媒の製造−成形]硫酸根含有水酸化ジ
ルコニウムと結合材とを1種または2種以上の第VIII族
金属を含有する水溶液で混練したもの、および1種また
は2種以上の第VIII族金属を担持した硫酸根含有水酸化
ジルコニウムと結合材とを水系媒体で混練したものは、
当業者に既知の手法で、触媒形状に成形することができ
る。成形の手法には、たとえば押出成形法、転動造粒
法、油中滴下法などの方法があるが、好ましいのは押出
成形法である。成形体の寸法・形状には、とくに制限は
ないが、通常、触媒の断面の直径が1〜5mmとなるよう
に成形するのが適当である。とくに、円柱状、四つ葉状
等の輪郭をもった押出成形品を製造するときは、触媒の
長さが1〜20mm程度のものを容易に得ることができ、
実用上好適である。
【0033】[触媒の製造−そのほか可能な触媒製造手
順]その他の触媒成型方法として、硫酸根含有水酸化ジ
ルコニウムと結合材とを水で混練したものを押出成形
し、乾燥させ、その後に1種または2種以上の第VIII族
金属を含有する水溶液を含浸させることによっても、焼
成して触媒とするための前駆体を得ることが可能であ
る。しかし、製造工程が増すことになるから、触媒製造
コストが上昇し、結果として不利になる。
【0034】[触媒の製造−焼成の時点]本発明の触媒
製造方法においては、1種または2種以上の第VIII族金
属を担持した硫酸根含有水酸化ジルコニウムの混練物を
成形した成形品を、最後に適切な温度で焼成することが
肝要である。その理由は、上記のような成形品を焼成し
て安定化させることにより、水酸化ジルコニウムが酸化
ジルコニウム(ジルコニア)に転化し、1種または2種
以上の第VIII族金属を担持した硫酸根含有ジルコニアと
なり、それが触媒として高い性能を発揮することになる
からである。
【0035】従来技術の中には、焼成を経てジルコニア
になったものを触媒原料として使用する製造方法がある
が、焼成によって原料がすでに強い固体酸性を帯びてい
る結果、結合材である擬ベーマイトのゲルとジルコニア
上の硫酸根との結びつきが強くなり過ぎ、硫酸根がアル
ミニウムによってすべて被覆されてしまう。そうなる
と、触媒は硫酸根を含有するにもかかわらず、その固体
酸性が発現せず、固体酸触媒として機能しないものにな
ってしまう。
【0036】[触媒の製造−焼成条件]成形により得ら
れた、触媒前駆体というべきものは、乾燥したのち、焼
成して固体酸として安定化させる。「安定化」とは、触
媒前駆体を焼成することによって水酸化ジルコニウムの
脱水縮合を起こさせ、酸化ジルコニウムに結晶化させる
ことである。この安定化のための焼成は、酸化性の雰囲
気下、温度550〜800℃の範囲、好ましくは600
〜750℃の範囲で、0.5〜10時間にわたり加熱す
ることにより実施する。焼成温度が550℃未満では、
ジルコニウム化合物中に残存する水酸化ジルコニウムの
割合が多くなり、安定化が不足であって、固体酸性が発
現しない。800℃よりも高すぎると、含有させた硫酸
根が揮発してしまい、固体酸性を示さない触媒となって
しまう。
【0037】[触媒中のイオウ分]最終的な触媒中のイ
オウ濃度は、焼成の温度や時間により若干変化するが、
0.1〜5質量%の範囲にあることが必要である。0.
5〜4質量%の範囲にあることが好ましい。イオウ濃度
が0.1質量%より少ないと、触媒が固体酸触媒として
十分機能せず、活性が不足である。5質量%を超える
と、ジルコニアの表面を硫酸根が過剰に覆い、表面に積
層して活性点をつぶしてしまうため、この場合もかえっ
て活性が低下する。
【0038】触媒中のイオウ分の測定には、試料を酸素
気流中で燃焼させ、試料中に含まれているイオウ(S)
を酸化させて亜硫酸ガス(SO)に変え、水分とダス
トを除去した後、赤外線検出器たとえばソリッド・ステ
ート型の検出器を用いて、SOを検出することにより
行なう。この分析方法によれば、試料中のイオウ分量
を、0.001〜99.99%の濃度範囲で求めること
ができる。
【0039】[触媒の物性]本発明の製造方法により得
られた触媒は、焼成安定化させた後、比表面積が50〜
200m/g、とりわけ60〜180m/gの範囲
にあることが好ましい。比表面積が50m/gより小
さいものは、一般に第VIII族金属の分散性が低く、反応
物と接触する面積が狭いため、固体酸触媒として活用す
ることができない。200m/gより大きい触媒は、
固体酸性を有するが、通常、高い強度を期待することが
できない。
【0040】本発明の製造方法により得られた触媒は、
焼成安定化させた後、全細孔容積が0.05〜0.5cc
/gであることが好ましい。より好ましい全細孔容積
は、0.1〜0.4cc/gである。全細孔容積が0.
05cc/gより小さいものは、触媒の内部にまで反応物
が拡散することができず、結果として反応物の接触効率
が悪く、触媒活性が低い。全細孔容積が0.5cc/gよ
り大きいものは、触媒の圧縮強度が低く、実用上の問題
がある。
【0041】上記の比表面積と全細孔容積は、常用の表
面積および細孔容積測定装置を使用して、窒素吸着法に
より測定・算出することができる。
【0042】本発明の製造方法により得られた触媒は、
焼成安定化させた後、0.3kg/2mm以上の圧縮強度を
示すことを要する。圧縮強度が0.3kg/2mmより小さ
いと、実装置に触媒を充填したときに自重で破壊してし
まい、事実上使用することができない。圧縮強度は、通
常、0.5kg/2mm以上あることが望ましい。圧縮強度
が5.0kg/2mmより大きい触媒は、比表面積や細孔容
積が小さく、反応に必要な活性点の数が少ないものにな
りがちで、結果として活性の低い触媒であることが多
い。
【0043】[水素化脱硫異性化の方法]本発明の触媒
を使用して、炭化水素の脱硫と同時に異性化を行なう方
法の対象とする原料油としては、原油の常圧蒸留装置か
ら留出したライトナフサ、同じく原油の常圧蒸留装置か
ら留出したホールナフサから分離したライトナフサ、ま
たはライトナフサにマーロックス処理を施したマーロッ
クスナフサなどの、有機イオウを含有する軽質炭化水素
油が好適である。とくに好適な原料油は、ASTM蒸留
温度が25〜130℃、好ましくは25〜110℃のラ
イトナフサである。
【0044】有機イオウの含有量についていえば、70
0質量ppm以下、好ましくは10〜500質量ppm、
さらに好ましくは10〜200質量ppm程度のライト
ナフサが、有利に使用できる。イオウ分が数ppmまたは
それ以下の軽質炭化水素油も原料として使用できること
は、いうまでもない。
【0045】[有機イオウ化合物の例]ライトナフサに
含まれている有機イオウ化合物の代表例を挙げれば、チ
オール化合物(R−SH)として、2−プロパンチオー
ル(CHCH−SH、エタンチオールC
SH、スルフィド化合物(R−S−R)としてメチルエ
チルスルフィドCH−S−C、ジスルフィド化
合物(R−SS−R)としてエチルイソプロピルジスル
フィドC−SS−CH(CHなどである。
本発明の触媒を用いれば、これらの有機イオウ化合物
を、原料油の異性化と同時に水素化脱硫することがで
き、脱硫が実現する。
【0046】[原料油中の他の成分]触媒活性をより長
期にわたり維持するためには、原料とするライトナフサ
中の芳香族、不飽和炭化水素および高級炭化水素の量
は、少ない方がよい。ベンゼン量は5容量%以下、でき
れば3容量%以下に、ナフテン量は12容量%以下、で
きれば9容量%以下に、C7化合物は15容量%以下、
できれば10容量%以下に、それぞれ抑えたい。
【0047】[反応条件]本発明の水素化脱硫異性化反
応の条件は、つぎのとおりであって、 反応温度:160〜240℃、好ましくは180〜22
0℃ 反応圧力:1.0〜4.5MPa、好ましくは1.4〜
3.5MPa LHSV:1.0〜10h−1、好ましくは1.0〜5
−1 水素/油比:100〜1000NL/L、好ましくは1
50〜800NL/L 反応温度が160℃より低いと触媒の寿命が短くなり、
一方、240℃以上では軽質炭化水素油の分解が進ん
で、生成油の収率が低下する。そのほかの条件すなわち
反応圧力、LHSV、水素/油比は、従来行なわれてい
る軽質炭化水素油の異性化反応条件と、ほぼ同様であ
る。
【0048】本発明の触媒は、従来の異性化反応の触媒
と置き換えて使用することができ、それによって、単な
る異性化でなく、水素化脱硫と異性化とが同時に行なえ
る。すなわち、軽質炭化水素油中の有機イオウ化合物を
水素化脱硫して硫化水素に変換し、イオウ分を数ppm
以下にすると同時に直接異性化することができ、イオウ
分を含まない、オクタン価が向上した生成油を得ること
ができる。
【0049】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0050】[実施例1] 触媒Aの製造 (1)SO/Zr(OH)の製造 水酸化ジルコニウムZr(OH)4400gを1N−硫酸
4000g中に投入し、30分間攪拌した。攪拌後、濾
過して得た固体分を110℃で一昼夜乾燥し、硫酸根を
含有する水酸化ジルコニウムSO/Zr(OH)45
2gを得た。 (2)触媒の成形 上記の硫酸根含有水酸化ジルコニウム357gと市販の
擬ベーマイト(触媒化成(株)製、以下同じ)47.5g
をよく混合した後、混合物に、テトラアンミンジクロロ
パラジウム[Pd(NH3)4]Cl2・H2O4.74gを溶
解した水溶液200gを添加して、混練した。混練物を
直径1.8mmの孔から押し出し、110℃で2時間乾
燥して、Pd/SO/Zr(OH)4−Al23の成形
体420gを得た。 (3)成形体の焼成安定化 このようにして得た成形体をマッフル炉で、600℃に
3時間焼成し、最終生成物である触媒A、すなわち、P
d/SO/ZrO−Al23335gを得た。
【0051】[実施例2] (1)SO/Zr(OH)の製造 水酸化ジルコニウムZr(OH)400gを1N−硫酸
4000gに投入して、30分間攪拌した。攪拌後、濾
過して得た固体分を110℃で一昼夜乾燥し、硫酸根含
有水酸化ジルコニウムSO/Zr(OH)452gを
得た。 (2)Pd/SO/Zr(OH)の製造 塩化パラジウム3.8gを塩酸に溶かした溶液に、上記
の硫酸根含有水酸化ジルコニウム380gを入れ、Pd
塩を含浸させた。その後、110℃で一昼夜乾燥し、パ
ラジウム担持硫酸根含有水酸化ジルコニウムPd/SO
/Zr(OH) 382gを得た。 (3)触媒の成形 上記のパラジウム担持硫酸根含有水酸化ジルコニウム3
57gと市販の擬ベーマイト47.5gとをよく混合し
た後、混合物に水200gを添加して、混練した。混練
物を直径1.8mmの孔から押し出し、110℃で2時
間乾燥して、Pd/SO/Zr(OH)−Al
の成型体420gを得た。 (4)成形体の焼成安定化 このようにして得た成形体を、マッフル炉で、600℃
に3時間焼成し、最終生成物である触媒B、すなわちP
d/SO/ZrO−Al23335gを得た。
【0052】[実施例3] (1)Pd・Pt/SO/Zr(OH)4の製造 テトラアンミンジクロロパラジウム[Pd(NH3)4]Cl
2・H2Oの7.11g、テトラアンミンジクロロ白金[P
t(NH3)4]Cl2・H2Oの2.04gおよび硫酸アンモ
ニウム(NH4)SOの60.2gを溶解した水溶液
に、水酸化ジルコニウム450gを入れ、Pd塩とPt
塩とイオウ分を含浸させた。その後、110℃で一昼夜
乾燥し、パラジウム−白金担持硫酸根含有水酸化ジルコ
ニウムPd・Pt/SO/Zr(OH)469gを得
た。 (2)触媒の成形 上記のパラジウム−白金担持硫酸根含有水酸化ジルコニ
ウムPd・Pt/SO /Zr(OH)の357gと市
販の擬ベーマイト47.5gとをよく混合した後、水2
00gを添加して混練し、直径1.8mmの孔から押し
出し、110℃で2時間乾燥することにより、Pd・P
t/SO/Zr(OH) −Al の成型体42
0gを得た。 (3)成形体の焼成安定化 このようにして得た成型体を、マッフル炉で600℃に
3時間焼成し、最終生成物である触媒Cすなわち、Pd
・Pt/SO/ZrO−Al23336gを得た。
【0053】[実施例4]実施例1の操作を繰り返し
た。ただし、触媒の成形工程において硫酸根含有水酸化
ジルコニウムを377gとし、市販の擬ベーマイトの量
を23.5gとし、成形体の焼成安定化工程において焼
成温度を550℃にした。最終生成物である触媒Dすな
わち、Pd/SO/ZrO−Al23335gを得
た。
【0054】[実施例5]実施例1の操作を繰り返し
た。ただし、触媒の成形工程において硫酸根含有水酸化
ジルコニウムを319gに、市販の擬ベーマイト94.
0gに、成形体の焼成安定化工程において焼成温度を8
00℃に変更した。最終生成物である触媒Eすなわち、
Pd/SO/ZrO−Al23337gを得た。
【0055】[実施例6] (1)SO/ZrO (OH)の製造 部分酸化水酸化ジルコニウムZrO(OH) の400
gを1N−硫酸4000gに投入し、30分間攪拌し
た。攪拌後、濾過し、得られた固体分を110℃で一昼
夜乾燥し、硫酸根含有部分酸化水酸化ジルコニウムSO
/ZrO (OH)を435g得た。 (2)触媒の成形 上記の硫酸含有部分酸化水酸化ジルコニウム347gと
市販の擬ベーマイト47.5gをよく混合した後、これ
にテトラアンミンジクロロパラジウム4.74gを溶解
した水溶液200gを添加して混練し、混練物を直径
1.8mmの孔から押し出して、110℃で2時間乾燥
し、Pd/SO/ZrO (OH)−Alの成
形体415gを得た。 (3)成形体の焼成安定化 このようにして得た成形体を、マッフル炉で600℃に
3時間焼成し、最終生成物である触媒F、すなわち、P
d/SO/ZrO−Al23333gを得た。
【0056】[比較例1]硫酸根含有水酸化ジルコニウ
ムを600℃で焼成し、硫酸根含有酸化ジルコニウムS
/ZrOとしたほかは、実施例1と同様にして触
媒の成形工程を行ない、成形体の焼成安定化も600℃
で3時間行なって、触媒Gすなわち、Pd/SO/Z
rO−Al23350gを得た。
【0057】[比較例2]パラジウム担持硫酸根含有水
酸化ジルコニウムを600℃で焼成し、パラジウム担持
硫酸根含有酸化ジルコニウムPd/SO/ZrO
した以外は、実施例2と同様にして触媒の成形工程を行
ない、成形体の焼成安定化も600℃で3時間行なっ
て、触媒Hすなわち、Pd/SO/ZrO−Al2
3349gを得た。
【0058】[比較例3] (1)触媒の成形 酸化ジルコニウム310gと市販の擬ベーマイト47.
5gとをよく混合した後、これにテトラアンミンジクロ
ロパラジウム4.74gと硫酸アンモニウム(NH)
SO40.1gとを溶解した水溶液を添加して混練し
た。混練物を直径1.8mmの孔から押し出して成形
し、110℃で2時間乾燥することによって、Pd/S
/ZrO−Al23の成形体380gを得た。 (2)成形体の焼成安定化 このようにして得た成形体を、マッフル炉で600℃に
3時間焼成し、最終生成物である触媒I、すなわち、P
d/SO/ZrO−Al23336gを得た。
【0059】[比較例4]成形体の焼成安定化工程にお
いて焼成温度を500℃としたほかは、実施例1と同様
の方法で触媒を製造した。触媒Jすなわち、Pd/SO
/ZrO−Al23の350gを得た。
【0060】[比較例5]成形体の焼成安定化工程にお
いて焼成温度を900℃としたほかは、実施例1と同様
の方法で触媒を製造した。触媒Kすなわち、Pd/SO
/ZrO−Al23の320gを得た。
【0061】[比較例6]触媒の成形工程において、擬
ベーマイトに代えてγ−アルミナの微粉末33.3gを
使用したほかは、実施例1と同様の方法で触媒を製造し
た。触媒Lすなわち、Pd/SO/ZrO−Al2
3333gを得た。
【0062】[比較例7]触媒の成形工程において擬ベ
ーマイトに代えて市販のシリカゾル「SI−350」
(触媒化成製)100gを使用したほかは、実施例1と
同様の方法で触媒を製造した。触媒M、すなわち、Pd
/SO/ZrO−SiO333gを得た。
【0063】[触媒物性の試験]上記の実施例1〜6お
よび比較例1〜7で製造した触媒について、比表面積、
細孔容積、イオウ含有量および圧縮強度を測定した。比
表面積および細孔容積の測定には、日本ベル(株)製の
高精度全自動ガス吸着装置「BELSORP 28」を
使用した。イオウ分の含有量は、LECO社のイオウ分
分析計「SC−132」を用いて測定した。触媒の圧縮
強度は、木屋製作所製の木屋式硬度計で測定した。サン
プルとして、2mm程度の長さを有する円柱状の成形触媒
を20個選び、触媒の横方向の強度を測定し、その平均
値を圧縮強度とした。
【0064】実施例1〜6および比較例1〜7で製造し
た触媒の製造条件および物性を、表1(実施例)および
表2(比較例)にまとめて示す。
【0065】表 1
【0066】表 1 (続き)
【0067】表 2
【0068】表 2 (続き)
【0069】上記した触媒物性値のデータから、本発明
から逸脱した製造方法で製造した触媒、すなわち比較例
3,6および7の触媒は、圧縮強度が0.1kg/2mm
程度と低く、実用上不適格であることがわかる。
【0070】[触媒使用例]触媒充填量が7mlの固定
床流通式反応器に触媒を充填し、そこへ、原料炭化水素
油として簡易脱硫装置(マーロックス)からのライトナ
フサを供給し、異性化反応を行なった。反応条件はつぎ
のとおりである。 ライトナフサ中のイオウ分:160質量ppm ライトナフサ中のi−C5分:41% 反応温度:200℃ 反応水素圧力:3.0MPa LHSV:1.5/h−1 水素/油比:350NL/L。
【0071】通油開始150時間後に、反応管出口組成
をガスクロマトグラフィーにより分析した。結果を表3
に示す。表3における「C5異性体率」は、つぎの式で
定義される: C5異性体率(%)=(反応生成油に占めるi−C5成
分の質量%/反応生成油に占めるC5成分全量の質量
%)×100
【0072】表 3
【0073】表3のデータは、本発明の製造方法に従っ
て製造した触媒、すなわち実施例1〜6の触媒を用いて
固体酸触媒の代表的反応である異性化反応を行なえば、
反応生成油中のC5異性体率が56%以上に達すること
を示しており、これらがすぐれた固体酸触媒であること
がわかる。本発明の条件を逸脱した硫酸含有酸化ジルコ
ニウムを用いた比較例1および2や、焼成条件を満たさ
ない比較例4および5は、いすれもC5異性体率が50
%以下であって、実施例に及ばない。
【0074】実施例1〜6の触媒A〜Fを用いた反応に
おいては、原料油中の有機イオウ化合物は、すべて水素
化され硫化水素に変換された。生成した硫化水素は、生
成油中に飽和量だけ溶け込んでいるが、反応生成油の成
分中の有機イオウ化合物は、濃度0ppmであった。
【0075】
【発明の効果】本発明に従う方法により製造した触媒
は、結合材の配合量が少なくても、高い圧縮強度を有す
る。そのため、触媒が取り扱いやすく、固定床の反応器
に充填しても自重で破壊する心配がなく、工業上の利用
価値が高い。固体酸触媒として高い触媒活性を有すると
ともに、上記実施例で挙げたイオウを含有するナフサの
異性化反応にも使用することができ、実使用上きわめて
有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10G 69/10 C10G 69/10 (72)発明者 川上 敬士 埼玉県幸手市権現堂1134−2 コスモ石油 株式会社中央研究所内 (72)発明者 馬場 浩二 埼玉県幸手市権現堂1134−2 コスモ石油 株式会社中央研究所内 (72)発明者 木村 孝夫 埼玉県幸手市権現堂1134−2 コスモ石油 株式会社中央研究所内 Fターム(参考) 4G069 AA03 AA08 AA12 BA01A BA01B BA05A BA05B BA45A BB02A BB02B BB05C BB10A BB10B BC51C BC65A BC67A BC68A BC69A BC70A BC72B BC74A BC75B CC02 CC14 EA02Y EB18Y EC02X EC02Y EC03X EC03Y EC06X EC06Y ED03 FA01 FA02 FB07 FB14 FB30 FB65 FC02 FC07 4H029 CA00 DA00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の諸工程からなる固体酸触媒の製造
    方法: (A)ジルコニウム水酸化物に硫酸根含有物質を添加し
    硫酸化処理をすること、(B)硫酸化処理されたジル
    コニウム水酸化物に結合材として擬ベーマイトを加え、
    第VIII族金属の1種または2種以上を含む水溶液で混練
    すること、(C)混練物を触媒の形状に成形すること、
    および(D)得られた成形物を550〜800℃の温度
    で焼成すること。
  2. 【請求項2】 下記の諸工程からなる固体酸触媒の製造
    方法: (A)ジルコニウム水酸化物に硫酸根含有物質を添加し
    硫酸化処理をすること、(B)硫酸化処理されたジル
    コニウム水酸化物に第VIII族金属の1種または2種以上
    を担持させた後、結合材として擬ベーマイトを加え、水
    で混練すること、(C)混練物を触媒の形状に成形する
    こと、および、(D)得られた成形物を550〜800
    ℃の温度で焼成すること。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の方法によって
    製造された触媒であって、比表面積が50〜200m
    /g、全細孔容積が0.05〜0.5cc/g、圧縮強
    度が0.3kg/2mm以上である固体酸触媒。
  4. 【請求項4】 比表面積が60〜180m/g、全細
    孔容積が0.1〜0.4cc/g、圧縮強度が0.5kg/
    2mm以上である請求項3の固体酸触媒。
  5. 【請求項5】 請求項3または4に記載の触媒に、イオ
    ウ分含有量700質量ppm以下の軽質炭化水素および水
    素を、温度:160〜240℃、圧力:1.0〜4.5
    MPa、LHSV:1.0〜10h−1、水素/油比:
    100〜1000NL/Lの反応条件下に接触させるこ
    とを特徴とする軽質炭化水素油の水素化脱硫異性化方
    法。
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