JP2002280689A - 支持体付き極薄銅箔とそれを用いた極薄銅箔基板 - Google Patents

支持体付き極薄銅箔とそれを用いた極薄銅箔基板

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JP2002280689A
JP2002280689A JP2001078391A JP2001078391A JP2002280689A JP 2002280689 A JP2002280689 A JP 2002280689A JP 2001078391 A JP2001078391 A JP 2001078391A JP 2001078391 A JP2001078391 A JP 2001078391A JP 2002280689 A JP2002280689 A JP 2002280689A
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ultra
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Kenichi Sakabe
健一 酒部
Takashi Fukuchi
崇史 福地
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 低価格で信頼性の高い、かつ、廃棄物の発生
の少ない極薄銅箔および極薄銅箔基板の提供。 【解決手段】 フィルム状樹脂1からなる支持体層、剥
離可能な粘着層2、厚さ20μm以下のアルミニウム、
電解メッキ4で得られる厚さ2μm以下の極薄銅箔3
が、この順序で積層されている支持体付き極薄銅箔およ
び該極薄銅箔が接着剤を介して絶縁基板に転写された極
薄銅箔基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプリント配線回路を
製造するための支持体付き極薄銅箔とそれを用いた極薄
銅箔基板に関する。さらに詳しくは携帯機器周辺などに
使用される極めて高密度なプリント配線回路を簡便に製
造するための極薄銅箔材料を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話に代表される各種携帯機
器の発展に伴い、プリント配線回路に要求される配線ピ
ッチ、信頼性は極めて高くなっている。特に液晶ディス
プレー関連ではその配線ピッチが50μm以下の信頼性
の高い配線回路を形成しなければならない。プリント配
線板の製造方法はサブトラクティブ法が一般的であり、
使用する銅箔の薄箔化も年々進行している。電解銅箔の
生産傾向から分かるように、現在、銅箔厚みは18μm
から12μmが主流になってきており、さらに9μmの
生産も開始されつつある。
【0003】高密度配線を達成するためには銅箔厚みの
薄箔化が必須であるが、9μm以下の厚み領域では、銅
箔の製造工程、特にカソードのドラムから銅箔を巻き取
る工程で銅箔の切断が起こりやすくなり、品質上また部
止まりの面で限界とされている。従って9μm以下の銅
箔を製造する場合、キャリアを使用する方法が一般的で
ある。電子材料(工業調査会)、2000年10月号に
は、キャリアとしてアルミニウム、銅を使用し、それぞ
れ9μm、3μm極薄銅箔の製造方法が開示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開昭48−3535
7号公報、特開昭54−14298号公報にはアルミニ
ウム箔上へ直接電解銅メッキを行い、絶縁基板に接着剤
を用いて貼り合わせた後、アルミニウム箔を除去する極
薄銅箔付き積層板の製造方法が開示されている。アルミ
ニウム箔は経済的にも安価であるが、絶縁基板と貼り合
わせた後、アルミニウムを除去する工程が必要になる。
【0005】一般的には塩酸などで化学的に溶解除去す
るが、この時、排出される廃液の処理に相当の工数を要
するため大幅なコストアップにつながり、また、膨大な
廃棄物は環境に対しても問題が多い。使用するアルミニ
ウム箔の厚みが大きい場合、除去工程での処理時間が長
くなるため、極薄銅箔のエッチング液による浸食が問題
となってくる。3μm以上の極薄銅箔では問題は顕著化
しないが2μm以下の極薄銅箔ではピンホールの増加な
どの不具合が発生する場合がある。また、極薄銅箔は絶
縁基板に熱プレスなどにより積層され使用されるが、銅
の膜厚に対しアルミニウムの膜厚が大きい場合、熱プレ
ス工程時にアルミニウム(0.237*10-4)と銅(0.162*10-4)
の線膨張率の差により発生する多大な応力のためクラッ
クが発生したり、また、しわ状模様が発生するなど好ま
しくない。
【0006】アルミニウム箔の厚さを低減することで廃
棄物の問題、またアルミニウム除去工程における極薄銅
箔の信頼性低下の問題、アルミニウム/銅の線膨張率の
差による極薄銅箔への残留応力の問題は解決できるが、
20μm以下のアルミニウムを支持体なしに取り扱うこ
とは現実的に不可能である。20μm以下のアルミニウ
ムをベース基材とした極薄銅箔および極薄銅箔基板を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決するため鋭意検討を行った結果、フィルム状樹脂
からなる支持体層、剥離可能な粘着層、厚さ20μm以
下のアルミニウム、電解メッキで得られる厚さ2μm以
下の銅箔がこの順序で積層されている支持体付き極薄銅
箔が、工業的に安価にかつ低廃棄物による環境への負荷
の小さい信頼性の高いプリント配線材料として使用でき
ることを見出し、本発明をなすに至った。
【0008】つまり、請求項1記載の支持体付き極薄銅
箔は、フィルム状樹脂からなる支持体層と、該支持体層
上に剥離可能な粘着剤と、該粘着剤上に厚さ20μm以
下のアルミニウムと、該アルミニウム上に電解メッキで
得られる厚さ2μm以下の銅箔とを備えることを特徴と
する。また、請求項2記載の支持体付き極薄銅箔は、請
求項1記載の支持体付き極薄銅箔であって、前記粘着剤
と前記アルミニウムとの剥離強度が0.1N/cm以上
0.6N/cm以下であることを特徴とする。
【0009】また、請求項3記載の支持体付き極薄銅箔
は、請求項1または2記載の支持体付き極薄銅箔であっ
て、前記フィルム状樹脂がPETであることを特徴とす
る。また、請求項4記載の支持体付き極薄銅箔の製造方
法は、フィルム状樹脂からなる支持体層、剥離可能な粘
着剤、厚さ20μm以下のアルミニウムをこの順序で積
層し、該アルミニウム表面に厚さ2μm以下のメッキ銅
を形成することを特徴とする。
【0010】また、請求項5記載の極薄銅箔基板は、フ
ィルム状樹脂からなる支持体層、剥離可能な粘着剤、厚
さ20μm以下のアルミニウムがこの順序で積層されて
いる基板に、厚さ2μm以下のメッキ銅箔を作成し、該
銅箔面を接着剤を介して絶縁基板に転写し、支持体層、
粘着樹脂を機械的に剥離した後、アルミニウムを溶解除
去して得られることを特徴とする。また、請求項6記載
の極薄銅箔基板は、請求項5記載の極薄銅箔であって、
前記粘着剤と前記アルミニウムとの剥離強度が0.1N
/cm以上0.6N/cm以下であることを特徴とする。
【0011】また、請求項7記載の極薄銅箔基板の製造
方法は、フィルム状樹脂からなる支持体層、剥離可能な
粘着層、厚さ20μm以下のアルミニウムをこの順序で
積層し、該アルミニウム表面に厚さ2μm以下のメッキ
銅箔を作成し、該メッキ銅箔面を接着剤を介して絶縁基
板に転写し、支持体層、粘着剤層を機械的に剥離した
後、アルミニウムを溶解除去することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】本願発明について、以下具体的に
説明する。本願発明の支持体付き極薄銅箔の断面を図1
に示す。本願発明の構造は、粘着剤2の付いた樹脂フィ
ルム基板1に厚み20μm以下のアルミニウム3が積層
され、このアルミニウムを電解メッキ時のカソードとし
てその表面に厚み2μm以下の極薄銅箔4がメッキされ
ている。
【0013】以下にそれぞれの特徴について述べる。ま
ず、フィルム状樹脂はメッキ液に対する耐食性があるこ
と、乾燥、プレス圧着時の耐熱性、耐圧性があることが
要求される。材料としてはポリイミド、フッ素樹脂、ポ
リフェニレンテレフタレート、ポリエーテルイミド、ポ
リエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエステル、アラミド、ポリエチレンなどの通常
のフィルム状樹脂が利用でき、コスト面から判断してポ
リエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
【0014】次に、粘着剤の接着強度は0.1N/cm
以上0.6N/cm以下であることが必要である。0.
1N/cm以下の場合、製造工程中にアルミニウムが樹
脂フィルムから剥がれる場合がある。逆に0.6N/c
m以上では絶縁基板に貼り合わせた後、樹脂フィルムの
剥離が困難であったり、剥離後、極薄銅箔基板のカール
が発生することがある。特に好ましい範囲は0.2N/
cm以上0.4N/cm以下である。また、機械的に樹
脂フィルムを剥離した場合、この粘着剤が樹脂フィルム
側に残存していることが好ましい。アルミニウム側に残
存した場合、アルミニウムを化学的に溶解除去する時に
溶解残りが発生し極薄銅箔を得ることが困難になる。
【0015】粘着剤の種類は特に限定されず、アクリル
系、ウレタン系、シリコン系、ゴム系など従来の粘着剤
が使用できる。絶縁樹脂との積層後に置いても粘着力の
変動が小さなこと、また、メッキ液に対して化学的に安
定であること等の点からアクリル系粘着剤が好ましい。
そして、アルミニウムについては、その厚みは20mμ
m以下、好ましくは10μm以下であり、アルミニウム
除去工程で発生する廃棄物量を大幅に削減することが可
能である。厚みは薄い程好ましいが、薄膜化した場合、
アルミニウムのピンホールが増大すること、電解メッキ
工程においてアルミニウムが浸食され消失すること等の
理由により、均一な極薄銅箔をメッキで得ることができ
なくなる。好ましくは0.1μm以上である。極薄銅箔
の厚みはアディティブ法のシード層として使用する場
合、均一な面内抵抗を得るために厚いことが好ましい
が、2μm以上の厚みでは極薄銅箔のクイックエッチン
グ時に時間を要すため導体回路のサイドエッチングの問
題から高密度な配線回路の作成が困難になる。
【0016】アルミニウムは圧延法で得られる箔や蒸着
など気相法で得られる薄膜など特に限定されるものでは
ない。また、アルミニウムの除去は極薄銅箔の応力残留
が少ない酸、アルカリによる溶解除去が好ましい。最後
に極薄銅箔はアルミニウムをカソードとして電解銅メッ
キにより造られる。銅メッキとしては通常の銅メッキ
浴、例えば、シアン化銅、ピロリン酸銅、硫酸銅、硼フ
ッ化銅などが用いられる。メッキ液組成は特に限定され
ないが、電流密度は均一なメッキ皮膜作成のためには低
電流密度で行う方が好ましく、0.5〜10A/dm2
である。また、メッキ皮膜の異常成長を抑制する添加剤
としてメッキ光沢剤(レベラ−)の使用も有効である。
基板表面のメッキ前処理として、クリーニングを目的と
した脱脂処理、脱スマット処理は安定したメッキのため
に必要であり、さらにジンケート処理を行うことにより
ピンホールの少ない緻密なメッキ皮膜が得られる。
【0017】本願発明の極薄銅箔基板の断面を図4に示
す。本願発明の構造は、接着剤5の付いた絶縁基板6に
厚み2μm以下の極薄銅箔が積層されている。以下にそ
れぞれの特徴について述べる。なお、極薄銅箔は本願発
明の請求項1,2,3に示す極薄銅箔である。絶縁基板
は一般的なプリント配線板で使用される、絶縁性、耐熱
性、寸法安定性に優れたものであり、例えば、フェノー
ル樹脂、キシレン樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂、BT樹脂、ポリイミド樹脂、アラミ
ド樹脂などがあり、これら単体のフレキシブル基板やガ
ラスクロスなどに含浸したリジッド基板が好適に使用さ
れる。特に、耐熱性、寸法安定性の面でポリイミド樹
脂、アラミド樹脂が好ましい。
【0018】また、本願極薄銅箔の製造方法について、
図1、図2、図3、図4に示す。まず、上述の本願発明
の支持体付き極薄銅箔の図1を、図2に示す接着剤5付
きの絶縁基板6にプレスなどにより加圧接着し、樹脂フ
ィルム、粘着剤を機械的に剥離する(図3)。この際、
支持体付き極薄銅箔の粘着剤の強度がポイントとなる。
つまり、粘着剤強度を0.1〜0.6N/cmに設定し
た場合、アルミニウム/銅基板にダメージを与えること
なく、また、工程中に剥がれることもない。
【0019】図3からアルミニウムの除去は、酸、アル
カリなどにより化学的に溶解除去する。この際、アルミ
ニウムには溶解し、電解銅メッキには溶解しないエッチ
ャントを用いる必要がある。例えば、酸では塩酸、アル
カリでは水酸化ナトリウ、水酸化カリウム、炭酸ナトリ
ウムなどである。かくして、図4に示す本願発明の極薄
銅箔付き樹脂基板が得られる。以下に本願発明の応用と
してのプリント配線板の製造例を、図5、図6、図7、
図8に示す。
【0020】この極薄銅箔基板は従来のサブトラクティ
ブ法による回路形成に使用することが可能であり、銅箔
厚みが極めて薄いためサイドエッチなどの現象も無視し
得る程度に小さい。また高密度配線を目的としたアディ
ティブ法のシード層として極薄銅箔を使用することが可
能である。市販のメッキ用感光性樹脂により極薄銅箔面
に所望のパターンを作成し(図5)、極薄銅箔面をカソ
ードとして電解メッキ法によって必要な導体高さまでメ
ッキを行い(図6)、感光性樹脂をアルカリなどにより
溶解除去する。
【0021】最後に回路において不必要な極薄銅箔部を
フラッシュエッチングにより溶解除去し、図8に示す高
密度配線回路が得られる。銅箔厚みが薄いためエッチン
グが極めて短時間で終了し、導体回路へのダメージも小
さい。本発明を実施例に基づいて説明する。
【0022】
【実施例1】パナック社製耐熱再剥離フィルムGN38
(ベース:ポリエステルフィルム38μm、粘着剤:ア
クリル系10μm)に東洋アルミ社製アルミ箔(純度:
1N3、厚み6μm)を旭化成社製ラミネーターにより
貼り付け出発基板を作成した。次に、アルミニウム箔表
面をエチルアルコールで拭き上げ、さらに奥野製薬社製
トップアルクリーン101、50℃、3分間脱脂を行
い、引き続いて同社サブスターAZを用いてジンケート
処理を実施した。ジンケート処理は25℃、1分間で2
回行い、1回目のジンケートの剥離は15%硝酸、25
℃、1分間で行った。得られた基板を上村工業社製ピロ
リン酸銅メッキ液ピロゾールに光沢剤PY−61(0.
5ml/l)、アンモニア(3ml/l)をそれぞれ添
加し、液温55℃、エアー攪拌、電流密度1A/dm
で72秒間メッキを行い、膜厚0.8μmの電解銅メッ
キを得た。なお、膜厚はSEMによる断面観察で求め
た。
【0023】次に、ニッカン工業社製ニカフレックス
(ポリイミドフィルム25μm、接着剤35μ)に銅面
と接着剤面を重ねて30kg/cm2、160℃、60分
間プレス接着し、得られた積層板からポリエステルフィ
ルムを機械的に剥離した。目視観察の結果、アクリル系
粘着剤はアルミ箔上には転写されず、すべてポリエステ
ルフィルム面に残存しており、銅メッキ付きアルミニウ
ム箔のカールも認められなかった。
【0024】アクリル系粘着剤とアルミニウム箔との剥
離強度は、積層した基板を25mm幅に切り出し、ポリ
イミドフィルム面を3M社製両面テープでSUS板に固
定し、ポリエステルフィルムの端部をチャックして、島
津製作所製オートグラフを用いて90°剥離試験法で測
定した。測定した結果、0.31N/cmであった。最
後に25℃、7%塩酸でアルミ箔を溶解除去し、ポリイ
ミドフィルム上に極薄銅箔が得られた。また、極薄銅箔
にクラック、しわ状模様の発生は認められなかった。
【0025】
【実施例2】所定の厚みの日本製箔社製アルミ箔を実施
例1と同一の条件で脱脂、ジンケート処理、メッキを行
いアルミ表面に約0.8μmの極薄銅箔を作成した。な
お、20μm以下のアルミ箔については実施例1と同様
の耐熱再剥離フィルムをラミネートした。得られた基板
をニッカン工業社製ニカフレックスに加熱圧着し、耐熱
再剥離フィルムを剥離した後、7%塩酸でアルミ箔を除
去した。基板は16cm×25cmで行い、基板表面の
目視観察、透過式ライトボックスによる欠陥数(クラッ
ク、ピンホール)の測定(4cm2×12ブロック/基
板)を行った。また、アルミ箔のエッチングに使用した
塩酸を苛性ソーダで中和し、固形物を濾過・分離後、廃
棄物量を直示天秤で秤量した。結果を表1に示す。
【0026】表1から分かるように20μm以下のアル
ミ箔を使用した場合、アルミ除去後の極薄銅箔に欠陥数
が極めて少なく、エッチング工程から排出される固形廃
棄物量も少ないことが明らかである。
【0027】
【実施例3】東洋アルミ社製6μmアルミ箔を実施例1
と同一の方法で耐熱再剥離フィルムをラミネーション
し、脱脂、ジンケート処理、メッキを行った。メッキ条
件は電流密度1A/dm2で所定時間通電した。得られ
た基板をニッカン工業社製ニカフレックスに加熱圧着
し、耐熱再剥離フィルムを剥離した後、7%塩酸でアル
ミ箔を除去した。かくして所定のメッキ厚みを有する極
薄銅箔基板を得た。この基板上に旭化成社製アルカリ現
像型ドライフィルムレジスト(SUNFORT AQ3036)をラミ
ネートし、マスク露光、1%炭酸ソーダによる現像を行
い、櫛型パターンおよび蛇行型パターンを作成した。こ
れらのパターンはそれぞれ配線ショート、配線の断線を
評価できるものであり、L/S=1/1、配線ピッチ4
0μm、5mm各/パターンの形状である。次に硫酸銅
メッキ液を用いて2A/dm2、35℃、エアー攪拌下
で30分間電解メッキを行い、約10μmの高さの導体
を形成し、3%苛性ソーダによりレジストを剥離した。
【0028】過硫酸アンモニウム(100g/l)、3
0℃、マグネチックスタラー攪拌下で極薄銅箔の不要部
分をエッチング除去し、配線ピッチ40μmの導体パタ
ーンを完成した。なお、エッチング時間については前記
条件下におけるジャストエッチング時間を求め、その
1.5倍をエッチング時間とした。ジャストエッチング
の決定はライトボックスによる目視観察で、極薄銅箔が
完全に消失するまでの時間とした。このパターンの導通
とショートをテスターにより評価し、結果を表2に示
す。表2より明らかなように極薄銅箔の厚みが2μm以
下の場合、安定したプリント配線回路が得られることが
分かる。
【0029】
【実施例4】東洋アルミ社製アルミ箔(純度:1N3、
厚み6μm)に表3に示す剥離強度を有する粘着剤付き
樹脂フィルムを5kg/cm2、30cm/min、90
℃の条件下、旭化成社製ラミネーターで貼り付けた。実
施例1に従い、脱脂、ジンケート、電解メッキを行い、
さらに、ニッカン工業社製ニカフレックスにプレス接着
後機械的に樹脂フィルムを剥離した。なお、剥離強度の
測定は実施例1に従い25mm幅、90°剥離試験で求
めた。
【0030】各工程において粘着剤とアルミニウムとの
剥離強度が0.1N/cm以下では電解銅メッキ中にメ
ッキ液が粘着剤とアルミニウムとの隙間にしみ込み、基
板がうねったり、また、アルミ箔と粘着層間で剥がれが
発生するものもあった。逆に0.6N/cm以上では樹
脂フィルムの剥離時にアルミ箔と極薄銅基板に応力が残
留し、基板が著しくカールした。また、粘着剤がアルミ
ニウム面に一部転写され、アルミニウムのエッチング除
去を完全に行うことが出来なかった。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【発明の効果】本願発明の支持体付き極薄銅箔は、アル
ミニウムの除去工程から発生する廃棄物量が極めて少な
いため、環境への負荷が小さく、廃棄物処理費用などの
点で製造コストの大幅な低減につながり、また、アルミ
ニウムの厚みが極めて薄いため信頼性の高い極薄銅箔を
得ることが可能で、樹脂フィルムで支持されていること
からロール処理が可能になり生産設備が簡便にかつ安価
に設計できる等の効果を有する。また、本願発明の極薄
銅箔基板は、20μm以下の薄いアルミニウムから作ら
れるため、残留応力が小さく、欠陥が少なく、信頼性が
高い等の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の支持体付き極薄銅箔の断面構成図で
ある。
【図2】本願発明の極薄銅箔基板の製造手順を示す図で
ある。
【図3】本願発明の極薄銅箔基板の製造手順を示す図で
ある。
【図4】本願発明の極薄銅箔基板の断面構成図である。
【図5】本願発明の極薄銅箔基板を用いたプリント配線
板の製造手順を示す図。
【図6】本願発明の極薄銅箔基板を用いたプリント配線
板の製造手順を示す図。
【図7】本願発明の極薄銅箔基板を用いたプリント配線
板の製造手順を示す図。
【図8】本願発明の極薄銅箔基板を用いたプリント配線
板。
【符号の説明】
1 樹脂フィルム 2 粘着剤 3 アルミニウム 4 電解銅メッキ 5 接着剤 6 絶縁基板 7 感光性樹脂 8 電解銅メッキ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4E351 AA01 BB01 BB24 BB30 CC06 CC17 CC18 CC40 DD04 GG01 4F100 AB10C AB17D AK01A AK42A AK49 AT00A BA04 BA07 BA10A BA10D EH71 EH712 EJ17 EJ172 EJ42 EJ422 GB41 JJ04A JL04 JL14B YY00C

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルム状樹脂からなる支持体層と、該
    支持体層上に剥離可能な粘着剤と、該粘着剤上に厚さ2
    0μm以下のアルミニウムと、該アルミニウム上に電解
    メッキで得られる厚さ2μm以下の銅箔とを備えること
    を特徴とする支持体付き極薄銅箔。
  2. 【請求項2】 前記粘着剤と前記アルミニウムとの剥離
    強度が0.1N/cm以上0.6N/cm以下であること
    を特徴とする請求項1記載の支持体付き極薄銅箔。
  3. 【請求項3】 前記フィルム状樹脂がPETであること
    を特徴とする請求項1または2記載の支持体付き極薄銅
    箔。
  4. 【請求項4】 フィルム状樹脂からなる支持体層、剥離
    可能な粘着剤、厚さ20μm以下のアルミニウムをこの
    順序で積層し、該アルミニウム表面に厚さ2μm以下の
    メッキ銅を形成することを特徴とする支持体付き極薄銅
    箔の製造方法。
  5. 【請求項5】 フィルム状樹脂からなる支持体層、剥離
    可能な粘着剤、厚さ20μm以下のアルミニウムがこの
    順序で積層されている基板に厚さ2μm以下のメッキ銅
    箔を作成し、該銅箔面を接着剤を介して絶縁基板に転写
    し、支持体層、粘着樹脂を機械的に剥離した後、アルミ
    ニウムを溶解除去して得られる極薄銅箔基板。
  6. 【請求項6】 前記粘着剤と前記アルミニウムとの剥離
    強度が0.1N/cm以上0.6N/cm以下であること
    を特徴とする請求項5記載の極薄銅箔基板。
  7. 【請求項7】 フィルム状樹脂からなる支持体層、剥離
    可能な粘着層、厚さ20μm以下のアルミニウムをこの
    順序で積層し、該アルミニウム表面に厚さ2μm以下の
    メッキ銅箔を作成し、該メッキ銅箔面を接着剤を介して
    絶縁基板に転写し、支持体層、粘着剤層を機械的に剥離
    した後、アルミニウムを溶解除去することを特徴とする
    極薄銅箔基板の製造方法。
JP2001078391A 2001-03-19 2001-03-19 支持体付き極薄銅箔とそれを用いた極薄銅箔基板 Withdrawn JP2002280689A (ja)

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