JP2002275718A - 強度の改良されたミノ毛 - Google Patents

強度の改良されたミノ毛

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JP2002275718A
JP2002275718A JP2001078763A JP2001078763A JP2002275718A JP 2002275718 A JP2002275718 A JP 2002275718A JP 2001078763 A JP2001078763 A JP 2001078763A JP 2001078763 A JP2001078763 A JP 2001078763A JP 2002275718 A JP2002275718 A JP 2002275718A
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Takeshi Chiba
健 千葉
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油剤処理などを行なっても、糸抜けが生じ
ず、かつミシン部の触感も実用上違和感のない頭飾用ミ
ノ毛を提供する。 【解決手段】 ミノ毛のミシン縫いされた縫製部分を反
応性弾性接着剤で補強する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウィッグやウィー
ビングなどの頭飾製品として用いられるミノ毛に関す
る。
【0002】
【従来の技術】頭飾製品であるウィービングにおいて
は、繊維束をウィッグ用ミシンで縫製してミノ毛とした
ものであって、ストレートスタイルとカールスタイルが
あり、カールスタイルでは得られたミノ毛をパイプに巻
いて熱セットによりカールを付与する。さらにミノ毛を
ヘアキャップに縫い付け、スタイルを整えたものがウィ
ッグである。
【0003】このようにして得られた製品は、装着時に
スタイルを整えるために櫛通しやブラッシングなどを行
なう。この際にかかる力によって、ミシン部からの糸の
抜けが起きる場合があり、実用上の大きな問題となって
いる。これを抑制する目的で、通常は溶剤型接着剤でミ
シン目を補強するなどの対策を講じている。
【0004】ところが、ウィービングなどの頭飾製品で
は、スタイル調整、触感改良または輝きの付与などの目
的で、製造過程において油剤処理を行なう。油剤として
は、触感、風合い、滑り性などの特性を発現させる目的
で、シリコーン系またはポリエーテル系油剤を用いるこ
とが多い。油剤処理は通常、ミノ毛全体を所定濃度に調
整した油剤にディッピングなどによって行なわれ、ミシ
ン部も油剤に浸される。通常用いる溶剤型接着剤では、
油剤による膨潤、油剤への溶解などで、接着強度が著し
く低下し、糸抜けが生じていた。加えて、溶剤型接着剤
は用いる樹脂のガラス転移点が室温以上のものが多く、
接着剤塗布後は、ミシン部の触感が硬くなることも問題
であった。
【0005】反応性接着剤としては、エポキシ系接着
剤、シアノアクリレート系接着剤などがあり、高い剪断
強度と接着力を有するが、硬化後は一般的に硬くて脆い
材料である。したがって、櫛通しやブラッシングを着用
状態で行なうと、ミシン部が硬いため装着感が低下する
などの問題が生じる。また、櫛通しなどの衝撃により、
ミシン部が折り曲げなどの衝撃を受けると、接着剤の基
材が硬い場合、樹脂そのものの破壊が進行することがあ
る。破壊によって生じた樹脂片は、異物として装着者に
嫌われるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、油剤処理な
どを行なっても、糸抜けが生じず、かつミシン部の触感
も実用上違和感のない頭飾用ミノ毛を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、ミシ
ン縫いされた縫製部分を反応性弾性接着剤で補強したミ
ノ毛に関する。
【0008】前記ミノ毛は、人毛、再生コラーゲン繊
維、塩化ビニル繊維、塩化ビニリデン繊維、アクリル系
繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維およびポリプロ
ピレン繊維よりなる群から選択される少なくとも1種の
繊維からなることが好ましい。
【0009】前記ミノ毛において、反応性弾性接着剤
は、シラノール基、加水分解性ケイ素基、エポキシ基、
チオール基またはイソシアネート基よりなる群から選択
される少なくとも1種の反応性基を1分子中に平均1.
1〜10個有し、数平均分子量が500〜100000
の反応性高分子化合物を含有することが好ましい。
【0010】さらに、反応性弾性接着剤の粘度は、23
℃で0.01〜50Pa・sであることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の頭飾用ミノ毛は、ミシン
縫いされた部分で折り返され、その上からさらにミシン
掛けされた縫製部分を反応性弾性接着剤で補強した頭飾
用ミノ毛である。ミノ毛は通常、ミノ毛作製用三連結ミ
シンを用いて作製されるものであり、ミノ毛上部は2重
に折られており、加工時あるいは装着時の糸抜けが起き
にくいようにミシン部には数回のミシンがけがされてい
る。このミシン部を反応性接着剤で補強することによ
り、糸抜けを防ぐことができる。
【0012】通常のウィッグあるいはウィービングを作
製する行程では、三つ編みコンロー(自毛を頭部に沿っ
て三つ編みすることをいう)を行ない、ミノ毛を専用針
で縫着してミシン加工したのちカール形状付与などを行
ない、さらに触感、風合い、滑り性などの特性を発現さ
せる目的で、シリコーン系またはポリエーテル系油剤を
用いてミシン部も油剤に浸されるようにディッピングな
どによって油剤処理を行なう。本発明で使用する反応性
弾性接着剤は、硬化後、溶剤への溶解性はほとんどな
く、耐油剤性が高いことから、油剤処理後も充分な接着
強度を発現し、糸抜けを抑制することが可能となる。
【0013】本発明で使用する反応性弾性接着剤は、硬
化後も弾性を有する接着剤であり、櫛通しなどの衝撃を
受けた場合にも、接着基材の破壊が起きず、かつ、接着
剤を塗布した部分も硬くならないことを特徴とする。こ
のような接着剤としては、シリコーン系、変性シリコー
ン系、ウレタン系、エポキシ変性シリコーン系、ポリサ
ルファイド系、複合変性ポリマー系などがあげられる。
これらの反応性弾性接着剤は、主成分である反応性高分
子化合物が、分子間で架橋することで弾性体を形成する
ことを特徴とする。反応性高分子の反応性基としては、
反応性の制御のしやすさ、得られる接着剤の接着性能な
どの点で、シラノール基、加水分解性ケイ素基、エポキ
シ基、チオール基またはイソシアネート基などが好まし
い。反応性高分子中にこれらの反応性基が1種類のみで
存在してもよく、複数存在していてもよい。反応性基の
数は架橋時の接着強度および弾性の確保のうえで重要で
あり、1分子中に平均1.1〜10個であることが好ま
しく、1.2〜5であることがより好ましい。反応性基
数が1以下では安定な架橋構造がえれれず、1分子中の
反応性基数が過剰に存在する場合、硬化状態で硬く脆い
ものとなる傾向がある。
【0014】反応性高分子化合物は、数平均分子量が5
00〜100000であることが好ましく、1000〜
30000であることがより好ましい。本発明における
反応性弾性接着剤では、反応性高分子化合物が反応する
ことで架橋構造を構築するが、架橋点間の分子鎖長が短
い場合には得られた硬化物は硬く脆いものとなり、鎖長
が長すぎる場合には硬化物強度が弱く、糸抜けを抑制す
るだけの強度を発現できなくなる傾向がある。また、反
応性高分子化合物における反応性基の位置はとくに制限
されるものではないが、弾性構造が発現しやすいことか
ら、分子鎖末端に存在することが好ましい。
【0015】このような反応性高分子化合物の主鎖を形
成する化合物としては、たとえば日刊工業新聞社発行の
工業材料、第47巻、第13号に記載されている。具体
的にはポリジメチルシロキサン、ポリエチレンオキシ
ド、ポリプロピレンオキシド(たとえば鐘淵化学工業
(株)製、MSポリマーおよびカネカサイリル)、ポリ
ブチレンオキシド、ポリエチレンオキシド−ポリピロピ
レンオキシド共重合体などのポリエーテル類;ポリブタ
ジエン、ポリイソプレンおよびこの水素添加物さらには
ポリイソブチレン(たとえば鐘淵化学工業(株)製、エ
ピオン)などの炭化水素系重合体;ポリウレタン、アク
リル酸エステル系重合体(たとえば特開2001−11
321号公報などに記載)、ポリサルファイドなどがあ
げられる。
【0016】反応性弾性接着剤には、必要に応じて各種
成分を添加してもよい。たとえば、硬化促進のための硬
化触媒、被着体との粘接着性を確保のための粘着性付与
剤および接着性付与剤、架橋構造の緻密化を目的とした
架橋助剤、硬化した接着剤の基材硬度を調整するための
有機および/または無機のフィラー、耐候性を確保する
ための酸化防止剤、紫外線吸収剤などの老化防止剤、耐
候接着性を確保するための光重合性化合物、接着剤組成
物の粘度を調整するための可塑剤などがあげられる。前
記成分の配合比率は目的とするミノ毛からの糸抜けを抑
制するものであれば、とくに制限されるものではない。
【0017】可塑剤としては、たとえば、ジブチルフタ
レート、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレー
ト、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチルベン
ジルフタレートなどのフタル酸エステル類;ジオクチル
アジペート、ジオクチルセバケート、ジブチルセバケー
ト、コハク酸イソデシルなどの非芳香族二塩基酸エステ
ル類;オレイン酸ブチル、アセチルリシリノール酸メチ
ルなどの脂肪族エステル類;ジエチレングリコールジベ
ンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、
ペンタエリスリトールエステルなどのポリアルキレング
リコールのエステル類;トリクレジルホスフェート、ト
リブチルホスフェートなどのリン酸エステル類;トリメ
リット酸エステル類;ポリスチレンやポリ−α−メチル
スチレンなどのポリスチレン類;ポリブタジエン、ポリ
ブテン、ポリイソブチレン、ブタジエン−アクリロニト
リル、ポリクロロプレン;塩素化パラフィン類;アルキ
ルジフェニル、部分水添ターフェニルなどの炭化水素系
油;プロセスオイル類;ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール
などのポリエーテルポリオールとこれらポリエーテルポ
リオールの水酸基をエステル基、エーテル基などに変換
した誘導体などのポリエーテル類;エポキシ化大豆油、
エポキシステアリン酸ベンジルなどのエポキシ可塑剤
類;セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、フタル酸
などの2塩基酸とエチレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコールなどの2価アルコールから
得られるポリエステル系可塑剤類;アクリル系可塑剤を
始めとするビニル系モノマーを種々の方法で重合して得
られるビニル系重合体類などを単独、または2種以上混
合して使用することができるが、必ずしも必要とするも
のではない。なお、これら可塑剤は、重合体製造時に配
合することも可能である。
【0018】可塑剤としては、このほかに揮発性の低分
子化合物も用いることが可能である。たとえば、ブタ
ン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、
メチルシクロヘキサン、オクタン、エチルシクロヘキサ
ン、ノナン、オクタンなどの飽和炭化水素化合物;ベン
ゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロ
ピルベンゼンなどの芳香族炭化水素化合物;アセトン、
メチルエチルケトンなどのケトン化合物;酢酸メチル、
酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブ
チルなどのエステル化合物;メタノール、エタノール、
プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、t−ブ
タノールなどの水酸基含有化合物;メチルクロライド、
ジクロルメタン、クロロホルム、ジクロルエタンなどの
ハロゲン化炭化水素化合物;ジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシドなどがあげられる。
【0019】可塑剤を用いる場合の配合量はとくに限定
されるものではないが、反応性高分子化合物100重量
部に対して5〜1000重量部であることが好ましい。
1000重量部を越えた場合、硬化前の組成物粘度が低
いため、流動性が高くなり作業性に問題が生じ、5重量
部未満では可塑剤としての効果が発現しなくなる傾向が
ある。
【0020】シランカップリング剤としては、たとえ
ば、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、
γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−
イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−
イソシアネートプロピルメチルジメトキシシランなどの
イソシアネート基含有シラン類;γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−
アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ
−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルト
リエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプ
ロピルメチルジエトキシシラン、γ−ウレイドプロピル
トリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、N−ベンジル−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル−γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノ基含有シ
ラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、
γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルメチルジエトキシシランなどのメルカプト基
含有シラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキ
シル)エチルトリエトキシシランなどのエポキシ基含有
シラン類;β−カルボキシエチルトリエトキシシラン、
β−カルボキシエチルフェニルビス(2−メトキシエト
キシ)シラン、N−β−(カルボキシメチル)アミノエ
チル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのカ
ルボキシシラン類;ビニルトリメトキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピ
ルメチルジメトキシシラン、γ−アクロイルオキシプロ
ピルメチルトリエトキシシランなどのビニル型不飽和基
含有シラン類;γ−クロロプロピルトリメトキシシラン
などのハロゲン含有シラン類;トリス(トリメトキシシ
リル)イソシアヌレートなどのイソシアヌレートシラン
類などをあげることができる。また、これらを変性した
誘導体である、アミノ変性シリルポリマー、シリル化ア
ミノポリマー、不飽和アミノシラン錯体、フェニルアミ
ノ長鎖アルキルシラン、アミノシリル化シリコーン、シ
リル化ポリエステルなどもシランカップリング剤として
用いることができる。
【0021】シランカップリング剤の配合量は、反応性
高分子化合物100重量部に対し0.1〜20部である
ことが好ましい。20重量部を越えた場合、硬化性組成
物を硬化させた硬化物のゴム弾性がなくなり、弾性接着
剤としての機能を果たさなくなることがある。0.1重
量部よりも少ない場合、硬化時間が長いあるいは充分な
硬化物が得られず、必要な接着性能発現しなくなる傾向
にある。
【0022】硬化触媒とシては、たとえば、ジブチル錫
ジラウレート、ジブチル錫フタレート、ジブチル錫ジア
セテート、ジブチル錫ビスアセチルアセトナート、ジブ
チル錫ジエチルヘキサノエート、ジブチル錫ジオクテー
ト、ジブチル錫ジメチルマレート、ジブチル錫ジエチル
マレート、ジブチル錫ジブチルマレート、ジブチル錫ジ
イソオクチルマレート、ジブチル錫ジトリデシルマレー
ト、ジブチル錫ジベンジルマレート、ジブチル錫マレエ
ート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジステ
アレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジ
エチルマレート、ジオクチル錫ジイソオクチルマレー
ト、ジブチル錫ジメトキシド、ジブチル錫ビスノニルフ
ェノキシド、ジブテニル錫オキシドなどの4価のスズ化
合物類;オクチル酸錫、ナフテン酸錫、ステアリン酸錫
などの2価のスズ化合物類;テトラブチルチタネート、
テトラプロピルチタネートなどのチタン酸エステル類;
アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウ
ムトリスエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシア
ルミニウムエチルアセトアセテートなどの有機アルミニ
ウム化合物類;ジルコニウムテトラアセチルアセトナー
ト、チタンテトラアセチルアセトナートなどのキレート
化合物類;オクチル酸鉛;ブチルアミン、オクチルアミ
ン、ラウリルアミン、ジブチルアミン、モノエタノール
アミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、
ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、オレ
イルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、
ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、
トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニ
ジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フ
ェノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−エ
チル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシク
ロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)などのアミ
ン系化合物、あるいはこれらのアミン系化合物のカルボ
ン酸などとの塩;ラウリルアミンとオクチル酸錫の反応
物あるいは混合物のようなアミン系化合物と有機錫化合
物との反応物および混合物;過剰のポリアミンと多塩基
酸とから得られる低分子量ポリアミド樹脂;過剰のポリ
アミンとエポキシ化合物との反応生成物;γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)
アミノプロピルメチルジメトキシシランなどのアミノ基
を有するシランカップリング剤;などのシラノール縮合
触媒、さらには他の酸性触媒、塩基性触媒などの公知の
シラノール縮合触媒などが例示できる。
【0023】これらの触媒は、単独で使用してもよく、
2種以上併用してもよい。硬化触媒の配合量は、反応性
高分子化合物100重量部に対して0.1〜20重量部
であることが好ましい。硬化時に20重量部を越えた場
合、局部的な発熱や発泡が生じ、良好な化合物が得られ
難くなるほか、貯蔵時の安定性が低下することなどが生
じ、0.1重量部より少ない場合、硬化速度が遅くなる
ことがあり、また硬化反応が充分に進行し難くなる場合
が生じる傾向にある。
【0024】フィラーとしては、たとえば、木粉、パル
プ、木綿チップ、アスベスト、ガラス繊維、炭素繊維、
マイカ、クルミ殻粉、もみ殻粉、グラファイト、ケイソ
ウ土、白土、フュームドシリカ、沈降性シリカ、結晶性
シリカ、溶融シリカ、ドロマイト、無水ケイ酸、含水ケ
イ酸、カーボンブラックのような補強性充填材;重質炭
酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チ
タン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、
アルミニウム微粉末、フリント粉末、酸化亜鉛、活性亜
鉛華、亜鉛末およびシラスバルーンなどのような充填
材;石綿、ガラス繊維およびフィラメントのような繊維
状充填材などがあげられるが、必ずしも必要とするもの
ではない。
【0025】フィラーを用いる場合の配合量は、反応性
高分子化合物100重量部に対して5〜1000重量部
であることが好ましい。1000重量部を越えた場合、
接着剤組成物の流動性が著しく低下して作業性が低下
し、5重量部未満の場合には、硬化物の破断強度、破断
伸び、接着性と耐候接着性の改善効果が充分発現しない
傾向がある。充填材は単独で使用してもよいし、2種以
上併用してもよい。
【0026】老化防止剤としては、フェノール系酸化防
止剤、芳香族アミン系酸化防止剤、硫黄系ヒドロペルオ
キシド分解剤、リン系ヒドロペルオキシド分解剤、ベン
ゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線
吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ヒンダートア
ミン系光安定剤、ニッケル系光安定剤などがあげられ
る。
【0027】前記フェノール系酸化防止剤の具体例とし
ては、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジ
−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4
−メチルフェノール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキ
ノン、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタ
エリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチル
フェノール)、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル
−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス
(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)などが例示
できる。
【0028】前記芳香族アミン系酸化防止剤の具体例と
しては、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミ
ン、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−
ジヒドロキノリンなどが例示できる。
【0029】前記硫黄系ヒドロペルオキシド分解剤の具
体例としては、ジラウリル−3,3′−チオジプロピオ
ネート、ジトリデシル−3,3′−チオジプロピオネー
ト、ジステアリル−3,3′−チオジプロピオネートな
どが例示できる。
【0030】前記リン系ヒドロペルオキシド分解剤の具
体例としては、ジフェニルイソオクチルホスファイト、
トリフェニルホスファイトなどが例示できる。
【0031】前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の
具体例としては、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−
ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
ル、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキ
シフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)
ベンゾトリアゾール、2−(5−メチル−2−ヒドロキ
シフェニル)ベンゾトリアゾールなどが例示できる。
【0032】前記サリシレート系紫外線吸収剤の具体例
としては、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,
4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5’−ジ−t−ブチ
ル−4’−ヒドロキシベンゾエートなどが例示できる。
【0033】前記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の具体
例としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロ
キ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ
−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロ
キ−4−ベンジロキシベンゾフェノンなどが例示でき
る。
【0034】前記ヒンダートアミン系光安定剤の具体例
としては、ビス(2,2,6,6,−テトラメチル−4
−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,
6,−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1
−{2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}−4−
[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジンなどが例示できる。
【0035】前記ニッケル系光安定剤の具体例として
は、ニッケルジブチルジチオカルバメート、[2,2’
−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2−
エチルヘキシルアミンニッケル(II)、[2,2’−チ
オビス(4−t−オクチルフェノレート)]−n−ブチ
ルアミンニッケル(II)などが例示できる。これらの老
化防止剤は、単独で使用してもよく、2種以上併用して
もよい。単独で使用した場合と比較して、併用すること
によってより有効に機能することがある。
【0036】老化防止剤の配合量は、反応性高分子化合
物100重量部に対して0.1〜20重量部程度が好ま
しい。0.1重量部未満の場合には、耐候性の改善効果
が充分でないことがあり、20重量部をこえると組成物
の色調や、接着性低下を引き起こす傾向がある。
【0037】前記反応性弾性接着剤の粘度は、23℃で
0.01〜50Pa・sであることが好ましい。粘度の
下限は0.02Pa・s、上限は20Pa・sであるこ
とがより好ましい。反応性弾性接着剤を用いてミノ毛の
ミシン部を補強する場合、必要以上に高粘度であって充
分な流動性を示さないとミシン部全体に接着剤を行き渡
らせるためには大量に塗布することが必要となり、接着
剤を多量に使用することになる。これは、コスト高にな
るばかりでなく、仕上がり部に接着剤が多量に付着する
ことから外観もわるくなる。他方、反応性弾性接着剤の
粘度が低すぎる場合、ミシン部のみに接着剤を塗布しよ
うとしても、低粘度なために流動性が高く、ミシン部か
ら毛先方向に向かい、接着剤が浸透し、最終的に得られ
る製品はミシン部近傍の毛の束が接着剤により収束させ
られるため使用できない。
【0038】ミノ毛に用いる繊維は、通常頭飾用に使用
される繊維であればとくに制限されるものではないが、
風合い、糸抜けを押さえるための接着力確保のし易さか
ら、人毛、再生コラーゲン繊維、塩化ビニル繊維、塩化
ビニリデン繊維、アクリル系繊維、ポリエステル繊維、
ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維が好ましい。これら
を単独で用いてもよく、2種以上の繊維を混合した繊維
を用いてもよい。
【0039】前記人毛とは、通常ウィッグあるいはウィ
ービングに使用されるものであり、未処理人毛をはじ
め、殺菌、脱色、着色あるいは油剤処理などのいずれか
またはそのいくつかの行程を経た処理人毛も含まれる。
【0040】前記再生コラーゲン繊維とは、可溶化コラ
ーゲンを塩析条件下で紡糸し、これにホルムアルデヒド
などのアルデヒド化合物あるいはエピクロルヒドリンの
ようなエポキシ化合物などのアミノ基と反応する成分を
反応させ、必要に応じてクロム塩あるいはアルミニウム
塩を作用させることで、製造される繊維であり、たとえ
ば特開平4−50370号公報に記載されている。
【0041】
【実施例】つぎに本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定される
ものではない。
【0042】なお、実施例においてとくに断らない限
り、「部」は「重量部」を表す。
【0043】製造例1 牛の床皮を原料とし、アルカリで可溶化した皮片120
0g(コラーゲン分180g)に30重量%に希釈した
過酸化水素水溶液30gを投入後、乳酸水溶液で溶解
し、pH3.5、固形分7.5重量%に調整した原液を
調製した。原液を減圧下で撹拌脱泡機((株)ダルトン
製、8DMV型)により撹拌脱泡処理し、ピストン式紡
糸原液タンクに移送し、さらに減圧下で静置して脱泡を
行なった。かかる原液をピストンで押し出したのち、ギ
アポンプ定量送液し、孔径10μmの焼結フィルターで
濾過後、孔径0.275mm、孔長0.5mm、孔数3
00の紡糸ノズルを通し、硫酸ナトリウム20重量%を
含有してなる25℃の凝固浴(ホウ酸および水酸化ナト
リウムでpH11に調整)へ紡出速度5m/分で吐出
し、再生コラーゲン繊維を得た。
【0044】つぎに、得られた再生コラーゲン繊維(3
00本、20m)を、エピクロロヒドリン1.7重量
%、水酸化ナトリウム0.0246重量%、および硫酸
ナトリウム17重量%を含有した水溶液1.32kgに
25℃で4時間浸漬したのち、さらに反応液温度を43
℃に昇温して2時間含浸した。
【0045】反応終了後に反応液を除去後、流動型装置
にて1.32kgの25℃の水を用いて3回バッチ水洗
を行なった。こののち、硫酸アルミニウム5重量%、ク
エン酸三ナトリウム塩0.9重量%、水酸化ナトリウム
1.2重量%を含有した水溶液1.32kgに30℃で
含浸し、反応開始から2時間後、3時間後および4時間
後にそれぞれ5重量%水酸化ナトリウム水溶液13.2
gを反応液に添加した。反応終了後に反応液を除去後、
流動型装置にて1.32kgの25℃の水を用いて3回
バッチ水洗を行なった。
【0046】ついで、作製した繊維の一部をアミノ変性
シリコーンのエマルジョンおよびプルロニック型ポリエ
ーテル系静電防止剤からなる油剤を満たした浴槽に浸漬
して油剤を付着させた。50℃に設定した熱風対流式乾
燥機内部で繊維束の一方の端を固定し、他方の端に繊維
1本に対して2.8gの重りを吊り下げ2時間緊張下で
乾燥させ、繊維を得た。
【0047】製造例2 還流塔および攪拌機付きの50Lの反応釜に、アセトニ
トリル(2640g)中にCuBr(251.82g、
1.76モル)を分散させた懸濁液を仕込み、反応釜内
をチッ素シールしたのち65℃で30分間攪拌した。こ
れにアクリル酸ブチル(6.0kg)、2,5−ジブロ
モアジピン酸ジエチル(526.70g、1.46モ
ル)、アセトニトリル(695g)、ペンタメチルジエ
チレントリアミン(12.0mL、58.5ミリモル)
(以下、トリアミンと略す)を加え、反応を開始した。
80℃で加熱攪拌しながら、アクリル酸ブチル(24.
0kg)を連続的に滴下した。アクリル酸ブチルの滴下
途中にトリアミン(36.0mL、176ミリモル)を
追加した。引き続き80℃で加熱攪拌後、1,7−オク
タジエン(6.448kg)、トリアミン(120.0
mL、585ミリモル)を添加し、さらに80℃で4時
間加熱攪拌を続けた。そののち一時加熱攪拌を中断し、
トリアミン(80.0mL、390ミリモル)を追加し
て90℃で4時間加熱攪拌を行なうことにより、重合体
[1]を含有する反応混合物(重合反応混合物[1])
を得た。
【0048】重合体[1]はGPC測定(ポリスチレン
換算)により数平均分子量は23600、分子量分布は
1.21であり、重合体1分子当たりに導入された平均
のアルケニル基の数を1H NMR分析により求めたと
ころ、2.9個であった。
【0049】重合体[1](3.8kg)に酢酸カリウ
ム(87g)、ジメチルアセトアミド(3.8L)を加
え、チッ素気流下100℃で8時間撹拌した。混合物を
減圧加熱処理したのち、トルエンで希釈して、ろ過し、
ろ液を濃縮することで重合体[2]を得た。
【0050】重合体[2](3.8kg)にキョーワー
ド500SH(協和化学、380g)、キョーワード7
00SL(協和化学、190g)およびキシレン(76
0mL)を加え、チッ素気流下100℃で5時間15分
加熱撹拌した。これをトルエンで希釈して、ろ過し、ろ
液を濃縮して重合体[3]を得た。
【0051】2Lの耐圧反応容器に、重合体[3](1
300g)を仕込み、気相部をチッ素置換した。100
℃に加熱し、攪拌しながらチッ素気流下でオルトギ酸ジ
メチル(17mL、0.16モル)、ジメトキシメチル
ヒドロシラン(59mL、0.47モル)を添加した。
引き続き100℃に加熱攪拌しながらチッ素気流下で白
金触媒(0価白金の1,1,3,3−テトラメチル−
1,3−ジビニルジシロキサン錯体のキシレン溶液)を
添加して反応を開始した。ただし、白金触媒の使用量
は、白金として30ppmとした。100℃で2時間加
熱したのち、冷却し、反応混合物を払い出した。混合物
を濃縮し、末端にシリル基を有するポリ(アクリル酸−
n−ブチル)(重合体[4])を得た。重合体[4]は
GPC測定(ポリスチレン換算)により数平均分子量は
27000、分子量分布は1.41であり、重合体1分
子当たりに導入されたシリル基は、1H NMR分析よ
り、2.5個であった。
【0052】製造例3 製造例1で作製した再生コラーゲン繊維をよく開繊し
て、17100dtexに調整した繊維束(10g/5
8.4cm)を櫛入れすることで、繊維束の全体長を6
6.0cmになるようにずらした。ミノ毛作成用三連結
ミシン(MYUNG SUMG INDUSTRIAL
CO.LTD.製)を用いて、得られた繊維束からミ
ノ毛を作製した(ミノ幅20cm)。
【0053】実施例1 市販の架橋性シリル基を有するポリエーテル系重合体
(鐘淵化学工業(株)製、SAT200、ジメトキシメ
チルシリル末端ポリプロピレングリコール、数平均分子
量:9000、分子量分布:2.0、重合体1分子当た
りのシリル基数:約2)100部に、可塑剤(数平均分
子量3000のポリプロピレングリコール)100部、
さらにシランカップリング剤(日本ユニカー(株)製、
A−1122)を12部添加し、均一に攪拌を行なっ
た。均一に混合された時点で、さらに硬化触媒としてジ
ブチル錫ビスアセチルアセトナート(日東化成(株)
製、U−220)を5部添加し素早く混合して、湿分硬
化型弾性接着剤組成物を得た。得られた接着剤を製造例
3で得られたミノ毛のミシン部に、スポイトを用いてミ
シン部が完全に接着剤で覆われるように塗布した。この
のち、室温にて1時間放置し、ミシン部を補強したミノ
毛を得た。
【0054】実施例2 実施例1における可塑剤を除いた以外は、実施例1と同
様にしてミノ毛を得た。
【0055】実施例3 製造例2で得られた架橋性シリル基を有するアクリル系
重合体100部に、可塑剤(ジオクチルフタレート)を
50部およびシランカップリング剤(日本ユニカー
(株)製、A−1120)を5部添加し、均一に攪拌を
行なった。成分が均一に混合した時点で、さらに硬化触
媒としてジブチル錫ビスアセチルアセトナート(日東化
成(株)製、U−220)を10部添加し素早く混合し
て、湿分硬化型弾性接着剤組成物を得た。得られた接着
剤を製造例3で得られたミノ毛のミシン部に、スポイト
を用いてミシン部が完全に接着剤で覆われるように塗布
した。こののち、室温にて1時間放置し、ミシン部を補
強したミノ毛を得た。
【0056】実施例4 市販の架橋性シリル基を有するポリイソブチレン系重合
体(鐘淵化学工業(株)製、EP−505S、ジメトキ
シメチルシリル末端ポリイソブチレン、数平均分子量:
16000、分子量分布:1.2、重合体1分子当たり
のシリル基数:1.3)150部に、可塑剤(出光興産
(株)製、PS−32)90部、フィラーとして溶融シ
リカ(龍森、ヒューズレックスE1)100部および酸
化チタン(石原産業(株)、Tipaque#820)
10部、シランカップリング剤3種(日本ユニカー
(株)製、A−1310、A−187およびA−17
1)を各1部、および酸化防止剤(旭電化工業(株)
製、Mark AO−50)0.3部を添加し、均一に
攪拌した。成分が均一に混合された時点で、さらに硬化
触媒としてジブチル錫ビスアセチルアセトナート(日東
化成(株)製、U−220)を4部添加し素早く混合し
て、湿分硬化型弾性接着剤組成物を得た。得られた接着
剤を製造例3で得られたミノ毛のミシン部に、スポイト
を用いてミシン部が完全に接着剤で覆われるように塗布
した。こののち、室温にて1時間放置し、ミシン部を補
強したミノ毛を得た。
【0057】実施例5 実施例1における弾性接着剤の代わりに、市販の弾性接
着剤(セメダイン(株)製、スーパーX)を用いた以外
は、実施例1と同様にしてミノ毛を得た。
【0058】実施例6 実施例1における弾性接着剤の代わりに、市販の弾性接
着剤(セメダイン(株)製、スーパーX)100部にア
セトン100部を添加し、混合したものを用いた以外
は、実施例1と同様にしてミノ毛を得た。
【0059】実施例7 アセトンの添加量を300部とした以外は、実施例6と
同様にしてミノ毛を得た。
【0060】比較例1 実施例1における弾性接着剤の代わりに市販の溶剤型酢
酸ビニル系接着剤(コニシ(株)製、スチロール用、反
応性基なし)を用いた以外は、実施例1と同様にしてミ
ノ毛を得た。
【0061】比較例2 実施例1における弾性接着剤の代わりに市販のエマルジ
ョン型エチレン酢酸ビニル系接着剤(コニシ(株)製、
紙用、反応性基なし)を用いた以外は、実施例1と同様
にしてミノ毛を得た。
【0062】比較例3 実施例1における弾性接着剤の代わりに市販の溶剤型ポ
リウレタン系接着剤(コニシ(株)製、多用途、反応性
基なし)を用いた以外は、実施例1と同様にしてミノ毛
を得た。
【0063】比較例4 実施例1における弾性接着剤の代わりに市販のシアノア
クリレート系接着剤(セメダイン(株)製、ゼロタイ
ム、反応性基なし)を用いた以外は、実施例1と同様に
してミノ毛を得た。
【0064】比較例5 製造例3で得た状態(接着剤処理なし)のミノ毛を比較
品として用意した。
【0065】評価方法 (接着剤粘度)接着剤組成物(吸湿前)の粘度は東京理
科機械(株)製の粘度計を用いて、23℃にて測定を行
なった。
【0066】(糸抜け試験)ミノ毛のミシン部を上にし
た状態で固定した。ついで、1本の毛先を手でしっかり
とつかみ、真下に向かって力をかけた。接着力が充分な
場合には、繊維がミシン部近傍で切断した。同様の操作
を10回行ない、糸抜けと切れの割合から接着力の評価
を行なった。
【0067】(耐油剤試験)アミノシリコーン系油剤原
液(アミノシリコーンおよび乳化剤からなる成分)に固
形分濃度0.6%になるように水を添加して調整した油
剤に、得られたミノ毛を20分間浸析させ、50℃に設
定したオーブンにて乾燥させた(乾燥時間1時間)。こ
ののちに抜け試験を行ない、油剤処理による接着力の変
化を観察した。
【0068】(触感)接着剤塗布を行なったミノ毛のミ
シン部の触感を以下の3段階で評価した。
【0069】評価ランク1;ミシン仕上げ時と比較し、
違和感のない柔らかさであり、手でミシン部の折り曲げ
を30回行なっても、ミシン部には変化が感じられな
い。
【0070】評価ランク2;ミシン仕上げ時に比較し
て、やや硬く感じる。ただし、手でミシン部の折り曲げ
を30回行なっても、ミシン部には変化が感じられな
い。
【0071】評価ランク3;ミシン仕上げ時に比較し
て、硬いため、違和感があり、手でミシン部の折り曲げ
を30回行なうと、触感が柔らかくなり、接着剤の一部
が剥離するのが観察される。
【0072】(仕上がり)接着剤粘度に由来する仕上が
りに関しては得られたミノ毛の外観を観察し、以下の3
段階で評価した。 評価ランク1;ミシン部に接着剤が均一に行き渡り、か
つ、接着剤の厚塗りなども観察されない。 評価ランク2;ミシン部の接着剤の厚塗り、部分的な塗
りムラなどが観察される。 評価ランク3;ミシン部のほかに、接着剤がミシン部近
傍の毛束部への移動が観察される。
【0073】
【表1】
【0074】評価結果は表1にまとめた。
【0075】検討の結果、通常用いられる非反応性接着
剤においても油剤処理を行なう前では比較的良好な接着
性を示しているものの、油剤処理を行なうことで、接着
能力が低下し、糸抜けが大量に発生した。これに対し
て、反応性接着剤では油剤処理の有無にかかわらず、接
着能力の低下は観察されなかった。触感に関してはシア
ノアクリレート系接着剤のような硬化後に室温で弾性を
有していない接着剤を用いたものは、ミシン部が硬くな
り、加えて折り曲げなどの操作で接着剤の基材の破壊が
進行することも確認された。これに対して弾性接着剤を
用いた場合には、触感も柔らかく、折り曲げ時にも基材
の破壊が起きないことから、有効性が確認された。
【0076】接着剤の粘度に関しては実施例5、6およ
び7の結果から、接着剤組成物の粘度が高すぎる場合
は、流動性が確保できないため、ミシン部に均一に塗布
できずに、塗りムラや、厚塗りが生じてしまう。一方、
低粘度すぎる場合には、ミシン部には均一かつ薄く塗る
ことが可能であるが、ミシン部以外への液の移動も起き
てしまうことが観察された。
【0077】
【発明の効果】本発明のミノ毛は油剤処理などを行なっ
てもミシン部からの糸抜けがなく、接着部がしなやかで
あり、外観上も美しく仕上げることが可能である。この
ため、これまで頭飾用ミノ毛を用いた商品であるウィー
ビングおよびウィッグにおける糸抜けの問題が改善され
た商品が提要できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミシン縫いされた縫製部分を反応性弾性
    接着剤で補強したミノ毛。
  2. 【請求項2】 人毛、再生コラーゲン繊維、塩化ビニル
    繊維、塩化ビニリデン繊維、アクリル系繊維、ポリエス
    テル繊維、ナイロン繊維およびポリプロピレン繊維より
    なる群から選択される少なくとも1種の繊維からなる請
    求項1記載のミノ毛。
  3. 【請求項3】 前記反応性弾性接着剤が、シラノール
    基、加水分解性ケイ素基、エポキシ基、チオール基およ
    びイソシアネート基よりなる群から選択される少なくと
    も1種の反応性基を1分子中に平均1.1〜10個有
    し、数平均分子量が500〜100000の反応性高分
    子化合物を含有する請求項1または2記載のミノ毛。
  4. 【請求項4】 前記反応性弾性接着剤の粘度が、23℃
    で0.01〜50Pa・sである請求項1、2または3
    記載のミノ毛。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007032272A1 (ja) * 2005-09-13 2007-03-22 Kaneka Corporation 毛髪用繊維およびそれからなる頭飾製品
JP2007177370A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Kaneka Corp 再生コラーゲン繊維と人毛からなる頭髪用繊維束及び頭飾製品
CN107841807A (zh) * 2016-09-21 2018-03-27 天津工业大学 一种人发纤维纱及其制备方法以及以此纱线制作的假发

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