JP2002265222A - 酸化物超電導体およびその製造方法 - Google Patents

酸化物超電導体およびその製造方法

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JP2002265222A JP2001066558A JP2001066558A JP2002265222A JP 2002265222 A JP2002265222 A JP 2002265222A JP 2001066558 A JP2001066558 A JP 2001066558A JP 2001066558 A JP2001066558 A JP 2001066558A JP 2002265222 A JP2002265222 A JP 2002265222A
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正和 川原
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重夫 長屋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気特性、磁気特性、機械強度に優れた均質
で大型の酸化物超電導体およびこのような酸化物超電導
体を低コストで製造できる酸化物超電導体の製造方法を
提供する。 【解決手段】 RE化合物(REはYを含む1種または
2種以上の希土類金属元素)とBa化合物とCu化合物
とを含む原料混合体を、この原料混合体の融点より高い
温度で加熱溶融した後に、徐冷して結晶を成長させるこ
とによりRE−Ba−Cu−O系酸化物超電導体を製造
する方法において、原料混合体から穴または溝が形成さ
れた前駆体を作製し、この前駆体の下部に隙間ができる
ように中間層を敷いてその上に前駆体を載置し、前駆体
を加熱溶融した後に、徐冷して結晶成長させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化物超電導体お
よびその製造方法に関し、特に、バルクマグネット、磁
気軸受け、電流リード、磁気シールド、限流機などに用
いられるRE系の酸化物超電導体およびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、RE元素(希土類元素)とBa元
素の固溶体を作る元素(La、Nd、Pm、Sm、E
u、Gd、Tb、Dy、Hoまたはこれらの混合物)を
選択して、RE化合物、Ba化合物およびCu化合物を
含む原料混合体を、この原料混合体の融点以上の温度で
加熱溶融した後に、温度勾配を加えながら徐冷工程を行
って結晶を成長させることにより、RE−Ba−Cu−
O系酸化物超電導体を製造する方法として、前駆体を板
状に成形し、この前駆体を溶融した後、結晶化直前の温
度で種結晶を前駆体の上部に設置して、その後、温度を
保持または徐冷することによって、種結晶を反映した大
きな配向結晶を作製する方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の従来の
方法では、前駆体を例えば直径60mm以上に大型化し
て溶融結晶化を行うと、結晶化後の徐冷工程で熱収縮に
よる応力が大きくなり、材料端部にマイクロクラックの
発生が起こってしまうという問題点があった。
【0004】したがって、本発明は、このような従来の
問題点に鑑み、電気特性、磁気特性、機械強度に優れた
大型の酸化物超電導体およびこのような酸化物超電導体
を再現性良く低コストで製造できる酸化物超電導体の製
造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成するために鋭意研究した結果、RE化合物(RE
はYを含む1種または2種以上の希土類金属元素)とB
a化合物とCu化合物とを含む原料混合体を、この原料
混合体の融点より高い温度で加熱溶融した後に、徐冷し
て結晶を成長させることによりRE−Ba−Cu−O系
酸化物超電導体を製造する方法において、原料混合体か
ら穴または溝を有する前駆体を作製し、この前駆体の下
部に隙間ができるように中間層を敷いてその上に前駆体
を載置し、前駆体を加熱溶融した後に、徐冷して結晶成
長させることにより、電気特性、磁気特性、機械強度に
優れた大型のRE−Ba−Cu−O系酸化物超電導体を
再現性良く低コストで製造できることを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明による酸化物超電導体の
製造方法は、RE化合物(REはYを含む1種または2
種以上の希土類金属元素)とBa化合物とCu化合物と
を含む原料混合体を、この原料混合体の融点より高い温
度で加熱溶融した後に、徐冷して結晶を成長させること
によりRE−Ba−Cu−O系の酸化物超電導体を製造
する方法において、原料混合体から穴または溝を有する
前駆体を作製し、前駆体の下部に隙間ができるように中
間層を敷いてその上に前駆体を載置し、前駆体を加熱溶
融した後に、徐冷して結晶成長させることを特徴とす
る。
【0007】この酸化物超電導体の製造方法において、
前駆体の片面の面積に対する穴または溝の面積率が0.
3%以上であることが好ましい。
【0008】また、上記の酸化物超電導体の製造方法に
おいて、加熱溶融工程の後に、RE 1+pBa
2+q(Cu1−bAg7−x相が晶出する温
度Tmよりも0℃から20℃高い温度まで徐冷し、その
際の徐冷速度R(℃/min)が、前駆体の体積をV
(cm)として−0.5+19.4×V-0.8から+
0.5+19.4×V-0.8までの範囲であるのが好まし
い。
【0009】また、上記の酸化物超電導体の製造方法に
おいて、徐冷工程の後に、種結晶を設置して、その後、
前駆体を徐冷して結晶成長させるようにしてもよい。あ
るいは、加熱溶融工程の後に、前駆体の上部が低温側に
なるように前駆体の上下に1乃至30℃/cmの温度勾
配を加えた後、種結晶を設置して、その後、前駆体を徐
冷して結晶成長させるようにしてもよい。
【0010】さらに、上記の酸化物超電導体の製造方法
において、加熱溶融する温度を、前駆体がRE2+r
1+s(Cu1−dAg)O5−y相およびRE
4+rBa2+s( Cu1−dAg10−y
相(−0.2≦r≦0.2、−0.2≦s≦0.2、0
≦d≦0.05、−0.2≦y≦0.2)の少なくとも
一方の相と液相になる温度とするのが好ましい。
【0011】また、本発明による酸化物超電導体は、R
1+pBa2+q(Cu1−bAg
7−x(REは1種または2種以上の希土類金属元素、
−0.2≦p≦0.2、−0.2≦q≦0.2、0≦b
≦0.05、−0.2≦x≦0.6)相中に、RE
2+rBa1+s(Cu1−dAg)O5−y相およ
びRE4+ Ba2+s( Cu1−dAg
10−y相(−0.2≦r≦0.2、−0.2≦s≦
0.2、0≦d≦0.05、−0.2≦y≦0.2)の
少なくとも一方の相が微細に分散した酸化物超電導体に
おいて、穴または溝を有し、中心部と周縁部の密度差が
理論密度の3%以下であることを特徴とする。
【0012】この酸化物超電導体において、酸化物超電
導体が、8wt%乃至60wt%のAgを含むのが好ま
しい。また、酸化物超電導体が、Pt、Pd、Ru、R
h、Ir、Os、Re、Ceの金属およびこれらの金属
の化合物から選ばれる1種以上を0.05wt%乃至5
wt%(化合物の場合はその金属のみの元素重量で示
す)含むのが好ましい。また、前駆体の片面の面積に対
する穴または溝の面積率が0.3%以上であることが好
ましい。さらに、REがNd、Sm、Gd、Dyから選
ばれる1種または2種以上の元素を少なくとも50%以
上含むのが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明による酸化物超電導体の製
造方法の実施の形態では、RE化合物(REはYを含む
1種または2種以上の希土類金属元素)とBa化合物と
Cu化合物とを含む原料混合体を、この原料混合体の融
点より高い温度で加熱溶融した後に、徐冷して結晶を成
長させることによりRE−Ba−Cu−O系の酸化物超
電導体を製造する方法において、原料混合体から穴また
は溝を有する前駆体を作製し、前駆体の下部に隙間がで
きるように中間層を敷いてその上に前駆体を載置し、前
駆体がRE2+rBa1+s(Cu1−dAg)O
5−y相およびRE4+rBa2+s( Cu1−d
10−y相(−0.2≦r≦0.2、−
0.2≦s≦0.2、0≦d≦0.05、−0.2≦y
≦0.2)の少なくとも一方の相と液相になる温度Tm
以上(好ましくはTm+50℃からTm+200℃の範
囲)で前駆体を溶融し、その後、これらの相の包晶反応
によりRE1+pBa2+q(Cu1−bAg
7−x相が晶出する温度Tmの直前(好ましくはTm+
20℃からTm+0℃)まで徐冷し(前駆体の体積をV
(cm)として、徐冷速度R(℃/min)を−0.
5+19.4×V-0.8〜0.5+19.4×V-0.8で計
算される範囲(但し、最下限は0.1℃/minであり
最上限は2.5℃/min)にすれば、各形状に対して
コストおよび特性面で最適にすることができる)、前駆
体の上部が低温側になるように前駆体の上下に温度勾配
を加えた後、前駆体の上部に種結晶を設置して、その
後、RE1+pBa2+ (Cu1−bAg
7−x相が晶出する温度よりやや低い温度(好ましくは
Tm−2℃からTm−20℃)まで降温して温度保持す
ることにより前駆体を水平方向に結晶成長させ、その
後、徐冷することにより前駆体を上から下に結晶成長さ
せる。
【0014】徐冷段階で発生する成形体内部と外部との
温度差を抑制してクラックを抑えるために、穴または溝
の深さが板状成形体の厚さ方向の少なくとも半分以上の
深さであり、板状成形体の平面に対する穴または溝の面
積率が0.3%以上でなければ効果が低くなる。しかし
ながら、面積率を80%以上にすると溶融段階における
形状維持が難しくなる。また、穴または溝の形状は、円
筒が加工し易いが、角柱状や同心円の堀状、その他小さ
な円筒を複数同心円上に間隔を開けて形成しても良い。
また、形成する穴または溝の位置を板状成形体の中心か
ら周縁までの距離の1/2以内の位置にすると、磁気特
性の効率が高くなる。
【0015】また、前駆体がRE2+rBa1+s(C
1−dAg)O5−y相およびRE4+rBa
2+s( Cu1−dAg10−y相の少なく
とも一方の相と液相になる温度Tm(溶融状態から降温
した場合のRE1+pBa2+q(Cu1−bAg
7−x相の結晶化温度と同じ)は、各希土類元素を
用いた場合には、図1に示すような温度であり、さらに
Agを添加した場合には、各温度を基準にして、Agの
添加量とともに図2に示すように変化する。なお、希土
類元素を複数混合した場合には、図1に示す温度に各希
土類元素のモル比率を掛けて加えた値になる。
【0016】このような手法によると、冷却段階におい
て前駆体の中心部と周縁部との温度差を低く抑えること
が可能になり、大型試料の場合に中心付近に発生し易い
微細な空孔や「す」の発生を抑制し、クラック等の結晶
欠陥の発生を抑制し、厚さ方向の特性が均質となること
から、電磁気特性に優れた大型の酸化物超電導体の薄い
板を複数枚切り出すことが可能となり、大幅な低コスト
が可能となる。
【0017】一般的にRE−Ba−Cu−O系の酸化物
超電導体において、REがNd、Sm、Gd、Dyから
選ばれる1種または2種以上の元素を少なくとも50%
以上含む場合や、RE1+pBa2+q(Cu1−b
7−x相中に分散するRE2+rBa1+s
(Cu1−dAg)O5−y相およびRE4+rBa
2+s( Cu1−dAg10−y相のRE
1+pBa2+q(Cu 1−bAg7−x相に
対するモル比率が0.3より少ない場合には、高磁場に
おける臨界電流密度特性を高め、厚さ方向の結晶性も均
一にすることができる。
【0018】さらに、8wt%以上のAgを含有させる
と、AgがRE1+pBa2+q(Cu1−bAg
7−x相中に微細に分散して機械強度が向上すると
ともに、上下方向の組成ズレが抑制されて、より大型で
結晶欠陥の少ない酸化物超電導体を製造することができ
る。一方、60wt%以上のAgを含むようにすると、
超電導体の体積分率が低すぎて、臨界電流密度などの特
性が低くなる。
【0019】さらに、上記の酸化物超電導体が、Pt、
Pd、Ru、Rh、Ir、Os、Re、Ceの金属およ
びこれらの金属の化合物から選ばれる1種以上を0.0
5〜5wt%(化合物の場合はその金属のみの元素重量
で示す)含むようにすると、RE2+rBa1+s(C
1−dAg)O5−y相やRE4+rBa
2+s( Cu1−dAg10−y相を微細に
する効果がある。
【0020】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明による酸化物
超電導体およびその製造方法について詳細に説明する。
【0021】[実施例1]Sm、BaCO、C
uOの各原料粉末をSm:Ba:Cu=1.4:2.
2:3.2になるように秤量した後、BaCOとCu
Oのみを880℃で30時間焼成して、BaCuO
CuOの仮焼粉を得た(モル比でBaCuO :CuO
=2.2:1.0)。次に、この仮焼粉に、予め秤量し
ておいたSm とPt粉末(平均粒径0.01μ
m)およびAgO粉末(平均粒径13.8μm)を、
Pt含有量が0.42wt%、Ag含有量が15wt%
になるように加えて混合して、大気中900℃で10時
間焼成した。この仮焼粉をライカイ機で粉砕して、平均
粒径約2μmとした。
【0022】得られた仮焼粉の組成分析を行ったとこ
ろ、図3に示すような値であった。また、得られた仮焼
粉を粉末X線回折により分析したところ、Sm1+p
2+ (Cu1−bAg7−x相およびSm
2+rBa1+s(Cu1−dAg)O5−r相が確
認された。ここで、Tmは、図1および図2から計算す
ると、1060−40=1020℃である。
【0023】このようにして作製された合成粉を外径8
0mm、厚さ26mmの円板状にプレス成形し、片面の
中心に直径8mm、深さ16mmの穴13aを開けて前
駆体13を作製した(前駆体13の片面の面積に対する
穴13aの面積率1%、穴13aを開けた後の前駆体1
3の体積130cm)。次に、図4および図5に示す
ように、アルミナ基板12上に、予め溶融法により作製
しておいた前駆体13と同一組成の厚さ4mm程度の複
数のペレット片11を、前駆体13の中心の穴13aの
直径8mmに対応する部分を除き、互いに1〜20mm
程度の隙間を開けて敷いた。その上に、穴13aの開口
部が下になるように前駆体13を載置し、2ゾーン型の
炉体内に設置して以下の工程を行った。
【0024】まず、室温から70時間で1100℃まで
昇温させ、この温度で20分間保持して半溶融状態にし
た後、前駆体13の上部が低温側になるように前駆体1
3の上下に10℃/cmの温度勾配を加えて、前駆体1
3の上部の温度が1025℃になるまで0.4℃/mi
n(徐冷速度R=19.4×130-0.8(℃/mi
n))で降温させた。次いで、予め溶融法で作製してお
いたPtを0.5wt%含み且つAgを含まない縦横2
mm、厚さ1mmのNd1.8Ba2.4Cu3.
組成の種結晶を、成長方向がc軸と平行になるように
前駆体13の上部の中心に接触させ、1025℃から1
℃/hrの速度で1015℃まで降温させた。この温度
で80時間保持した後、945℃まで70時間かけて徐
冷し、その後、上下の温度勾配が0℃/cmになるよう
に前駆体13の下部を20時間で945℃になるように
冷却し、その後、室温まで100時間かけて徐冷して結
晶化を行った。
【0025】このようにして結晶化した材料をガス置換
可能な別の炉の中に設置し、以下のようにアニール処理
を行った。まず、ロータリーポンプで0.1Torrま
で炉内を排気した後、炉内に酸素ガスを流し込んで、酸
素分圧が99%以上である大気圧の雰囲気にした。その
後も0.5L/minの流量で酸素ガスを炉内に流しな
がら、室温から450℃まで10時間で昇温させ、45
0℃から250℃まで200時間かけて徐冷し、250
℃から室温まで10時間で降温させた。その後、同様の
アニール処理をもう一回行った。
【0026】このアニール処理の後、焼き縮みのため、
前駆体13は外径67mm、厚さ22mmになり、穴1
3aは直径7mm,深さ13mmになっていた。この前
駆体13を上下方向の中心付近で切断して断面をEPM
Aで観察したところ、Sm +pBa2+q(Cu
1−bAg7−x相中に0.1〜30μm程度
のSm2+rBa1+s(Cu1−dAg)O5−y
相が微細に分散していた。ここで、p、q、r、s、y
はそれぞれ−0.2〜0.2の値であり、xは−0.2
〜0.6の値であった。また、b、dは0.0〜0.0
5の値であり、平均的には0.008程度であった。さ
らに、試料全体にわたって0.1〜100μm程度のA
gが微細に分散していた。また、粒径5〜200μm程
度の空孔が分散して存在していた。また、材料全体が種
結晶を反映して材料の軸方向がc軸と平行であるように
均一に配向し、隣接する結晶間の方位のずれが3°以下
であり、実質的に単結晶状の超電導材料が得られた。ま
た、この材料の下部6mmをスライス切断した後、図6
に示すように、この材料の中心付近(中心から半径の1
/4以内の所)と周縁部付近(中心から半径の3/4以
上の所)から、それぞれ2×4×20mmの試料21を
切り出し、密度を測定したところ、中心付近の密度は
7.10g/cm(理論密度7.47g/cmの9
5.0%)、周縁部付近の密度は7.20g/cm
(理論密度7.47g/cmの96.4%)であ
り、穴13aを形成することにより空孔が減り、中心付
近と周縁部付近の密度差が0.1g/cm(理論密度
の1.3%)と少なく、且つ高密度の材料を得ることが
できた。
【0027】次に、この超電導体の上部から外径66m
m、厚さ7mmの2枚のディスク状試料をスライス加工
により切り出して、各々のディスク状試料の軸方向に外
部磁場2T(テスラ)を加えながら室温から温度77K
まで冷却した後、磁場を取り去って超電導体中に捕捉さ
れる磁束密度を測定した。この測定は、ホール素子をX
Yステージに取り付けて超電導体表面から約1mmの距
離で超電導体表面に沿って移動させ、材料の軸方向の磁
束密度分布を測定することによって行った。その結果、
図7および図8に示すように、試料表面の最大捕捉磁場
は、1段目の試料の表面では1.1T、2段目の試料の
表面では0.8Tであり、特性がほぼ均質で薄い試料で
も高い捕捉磁束密度特性を示す超電導体を2枚切り出す
ことができた。
【0028】次に、この材料から2.5×2.5×2m
mの試料を切り出して、振動試料型磁力計により磁化率
を測定した。得られた磁化率曲線よりBeanモデルを
適用して、温度77Kにおける臨界電流密度Jcを見積
もったところ、図9に示すように高い臨界電流密度を示
していた。
【0029】[実施例2]Gd、BaCO、C
uOの各原料粉末をGd:Ba:Cu=1:2:3にな
るように秤量した後、混合し、920℃で30時間焼成
した。次いで、この焼成した粉をポットミルを用いて平
均粒径3μmに粉砕し、再び930℃で30時間焼成し
た後、ライカイ機で平均粒径10μmに粉砕して、Gd
BaCu7−xの粉末を作製した。また、上記
の各原料粉末をGd:Ba:Cu=2:1:1になるよ
うに秤量した後、混合し、890℃で20時間焼成し
た。次いで、この焼成した粉をポットミルを用いて平均
粒径0.7μmに粉砕し、再び890℃で20時間焼成
した後、この焼成した粉をポットミルを用いて平均粒径
0.5μmに粉砕して、GdBaCuOの粉末を作
製した。次に、これらの仮焼粉をGdBaCu
7−x:GdBaCuO=1:0.4になるように
秤量し、さらにPt粉末(平均粒径0.01μm)およ
びAgO粉末(平均粒径13.8μm)をPt含有量
が0.42wt%、Ag含有量が15wt%になるよう
に加えて混合した。ここで、Tmは、図1および図2か
ら計算すると、1030−40=990℃である。
【0030】このようにして作製された合成粉を外径8
0mm、厚さ26mmの円板状にプレス成形し、図10
に示すように、片面の中心およびその中心のまわりで互
いに90°ずれた4箇所(図10に示す数値の単位はm
m)に、直径6mm、深さ16mmの穴131aを開け
て前駆体131を作製した(前駆体131の片面の面積
に対する穴131aの面積率2.8%、穴131aを開
けた後の前駆体131の体積128cm)。次に、実
施例1と同様に、アルミナ基板上に、予め溶融法により
作製しておいた前駆体131と同一組成の厚さ4mm程
度の複数のペレット片を、穴131aに対応する部分を
除いて敷き、その上に、穴131aの開口部が下になる
ように前駆体131を載置し、2ゾーン型の炉体内に設
置して以下の工程を行った。
【0031】まず、室温から70時間で1100℃まで
昇温させ、この温度で20分間保持して半溶融状態にし
た後、前駆体131の上部が低温側になるように前駆体
131の上下に10℃/cmの温度勾配を加えて、前駆
体131の上部の温度が995℃になるまで0.4℃/
min(徐冷速度R=19.4×128-0.8(℃/mi
n))で降温させた。次いで、予め溶融法で作製してお
いたPtを0.5wt%含み且つAgを含まないNd
1.8Ba2.4Cu3.4組成の種結晶を、成長
方向がc軸と平行になるように前駆体131の上部に接
触させ、995℃から1℃/hrの速度で985℃まで
降温させた。この温度で100時間保持した後、915
℃まで70時間かけて徐冷し、その後、上下の温度勾配
が0℃/cmになるように前駆体131の下部を20時
間で915℃になるように冷却し、その後、室温まで1
00時間かけて徐冷して結晶化を行った。
【0032】このようにして結晶化した材料をガス置換
可能な別の炉の中に設置し、以下のようにアニール処理
を行った。まず、ロータリーポンプで0.1Torrま
で炉内を排気した後、炉内に酸素ガスを流し込んで、酸
素分圧が99%以上である大気圧の雰囲気にした。その
後も0.5L/minの流量で酸素ガスを炉内に流しな
がら、室温から450℃まで10時間で昇温させ、45
0℃から250℃まで200時間かけて徐冷し、250
℃から室温まで10時間で降温させた。その後、同様の
アニール処理をもう一回行った。
【0033】このアニール処理の後、焼き縮みのため、
前駆体131は外径67mm、厚さ22mmになり、各
々の穴131aは直径5mm、深さ13mmになってい
た。この前駆体131を上下方向の中心付近で切断して
断面をEPMAで観察したところ、Gd1+pBa
2+q(Cu1−bAg7−x相中に0.1〜
30μm程度のGd2+rBa1+s(Cu1−dAg
)O5−y相が微細に分散していた。ここで、p、
q、r、s、yはそれぞれ−0.2〜0.2の値であ
り、xは−0.2〜0.6の値であった。また、b、d
は0.0〜0.05の値であり、平均的には0.008
程度であった。さらに、試料全体にわたって0.1〜1
00μm程度のAgが微細に分散していた。また、粒径
5〜200μm程度の空孔が分散して存在していた。ま
た、材料全体が種結晶を反映してディスク状材料の軸方
向がc軸と平行であるように材料全体が均一に配向し、
隣接する結晶間の方位のずれが3°以下であり、実質的
に単結晶状の超電導材料が得られた。また、この材料の
下部6mmをスライス切断した後、実施例1と同様にこ
の材料の中心付近(中心から半径の1/4以内の所)と
周縁部付近(中心から半径の3/4以上の所)から、そ
れぞれ2×4×20mmの試料を切り出し、密度を測定
したところ、中心付近の密度は7.20g/cm(理
論密度7.68g/cmの93.8%)、周縁部付近
の密度は7.31g/cm(理論密度7.68g/c
の95.2%)であり、穴131aを形成すること
により空孔が減り、中心付近と周縁部付近の密度差が
0.11g/cmと少なく、高密度で高強度の材料を
得ることができた。
【0034】次に、この超電導体を上部から外径66m
m、厚さ7mmの2枚のディスク状試料をスライス加工
により切り出して、各々のディスク状試料の軸方向に外
部磁場2T(テスラ)を加えながら室温から温度77K
まで冷却した後、磁場を取り去って超電導体中に捕捉さ
れる磁束密度を実施例1と同様に測定した。この測定
は、ホール素子をXYステージに取り付けて超電導体表
面から約1mmの距離で超電導体表面に沿って移動さ
せ、材料の軸方向の磁束密度分布を測定することによっ
て行った。その結果、試料表面の最大捕捉磁場は、1段
目の試料の表面では1.1T、2段目の試料の表面では
0.9Tであり、特性がほぼ均質で薄い試料でも高い捕
捉磁束密度特性を示す超電導体を2枚切り出すことがで
きた。
【0035】次に、実施例1と同様に温度77Kにおけ
る臨界電流密度Jcを見積もったところ、図11に示す
ように高い臨界電流密度が得られた。
【0036】[実施例3]RE(REはモル比で
Sm50%、Gd50%)、BaCO、CuOの各原
料粉末をRE:Ba:Cu=1.6:2.3:3.3に
なるように秤量した後、BaCOとCuOのみを88
0℃で30時間焼成して、BaCuOとCuOの仮焼
粉を得た(モル比でBaCuO:CuO=2.3:
1.0)。次に、この仮焼粉に、予め秤量しておいたR
および0.45wt%のPt粉末を加えるとと
もに、Ag元素量で10wt%になるようにAgO粉
末を加えて混合して、大気中900℃で10時間焼成し
た。得られた仮焼粉をライカイ機で粉砕して、平均粒径
約2μmとした。
【0037】得られた仮焼粉を粉末X線回折により分析
したところ、RE1+pBa2+q(Cu1−b
7−x相およびRE2+rBa1+s(Cu
1−dAg)O5−r相が確認された。ここで、Tm
は、図1および図2から計算すると、(1060×1/
2+1030×1/2)−40=1005℃である。
【0038】このようにして作製された合成粉を縦77
mm、横62mm、厚さ26mmの略矩形の板状にプレ
ス成形し、片面の中心に直径8mm、深さ16mmの穴
132aを開けて前駆体132を作製した(前駆体13
2の片面の面積に対する穴132aの面積率1%、穴1
32aを開けた後の前駆体132の体積123c
)。次に、実施例1と同様に、アルミナ基板上に、
予め溶融法により作製しておいた前駆体132と同一組
成の厚さ4mm程度の複数のペレット片を、穴132a
に対応する部分を除いて敷き、その上に、穴132aの
開口部が下になるように前駆体132を載置し、2ゾー
ン型の炉体内に設置して以下の工程を行った。
【0039】まず、室温から70時間で1100℃まで
昇温させ、この温度で20分間保持して半溶融状態にし
た後、前駆体132の上部が低温側になるように前駆体
132の上下に10℃/cmの温度勾配を加えて、前駆
体132の上部の温度が1010℃になるまで0.4℃
/min(徐冷速度R=19.4×123-0.8(℃/m
in))で降温させた。次いで、予め溶融法で作製して
おいたPtを0.5wt%含み且つAgを含まないSm
1.8Ba2.4Cu3.4組成の種結晶を、成長
方向がc軸と平行になるように前駆体132の上部に接
触させ、1010℃から1℃/hrの速度で1000℃
まで降温させた。この温度で90時間保持した後、93
0℃まで70時間かけて徐冷し、その後、上下の温度勾
配が0℃/cmになるように前駆体132の下部を20
時間で930℃になるように冷却し、その後、室温まで
100時間かけて徐冷して結晶化を行った。
【0040】このようにして結晶化した材料をガス置換
可能な別の炉の中に設置し、以下のようにアニール処理
を行った。まず、ロータリーポンプで0.1Torrま
で炉内を排気した後、炉内に酸素ガスを流し込んで、酸
素分圧が99%以上である大気圧の雰囲気にした。その
後も0.5L/minの流量で酸素ガスを炉内に流しな
がら、室温から450℃まで10時間で昇温させ、45
0℃から250℃まで200時間かけて徐冷し、250
℃から室温まで10時間で降温させた。その後、同様の
アニール処理をもう一回行った。
【0041】このアニール処理の後、焼き縮みのため、
前駆体132は縦52mm、横63mm、厚さ22mm
になり、穴132aは直径7mm、深さ13mmになっ
ていた。この前駆体132を上下方向の中心付近で切断
して断面をEPMAで観察したところ、RE1+pBa
2+q(Cu1−bAg7−x相中に0.1〜
30μm程度のRE2+rBa1+s(Cu1−dAg
)O5−y相が微細に分散していた。ここで、p、
q、r、s、yはそれぞれ−0.2〜0.2の値であ
り、xは−0.2〜0.6の値であった。また、b、d
は0.0〜0.05の値であり、平均的には0.008
程度であった。さらに、試料全体にわたって0.1〜1
00μm程度のAgが微細に分散していた。また、粒径
5〜200μm程度の空孔が分散して存在していた。ま
た、材料全体が種結晶を反映してディスク状材料の軸方
向がc軸と平行であるように均一に配向し、隣接する結
晶間の方位のずれが3°以下であり、実質的に単結晶状
の超電導材料が得られた。また、この板状材料の下部6
mmをスライス切断した後、図12のように、この材料
の中心付近(中心から短辺の長さの1/4以内の所)と
周縁部付近(中心から短辺の長さの3/4以上の所)か
ら、それぞれ2×4×20mmの試料212を切り出
し、密度を測定したところ、中心付近の密度は7.0g
/cm(理論密度7.40g/cmの94.6
%)、周縁部付近の密度は7.1g/cm(理論密度
7.40g/cmの95.9%)であり、穴132a
を形成することにより空孔が減り、中心付近と周縁部付
近の密度差が0.1g/cmと少なく、高密度で高強
度の材料を得ることができた。
【0042】次に、この超電導体を上部から外径66m
m、厚さ7mmの2枚のディスク状試料をスライス加工
により切り出して、各々のディスク状試料の軸方向に外
部磁場2T(テスラ)を加えながら室温から温度77K
まで冷却した後、磁場を取り去って超電導体中に捕捉さ
れる磁束密度を実施例1と同様に測定した。この測定
は、ホール素子をXYステージに取り付けて超電導体表
面から約1mmの距離で超電導体表面に沿って移動さ
せ、材料の軸方向の磁束密度分布を測定することによっ
て行った。その結果、試料表面の最大捕捉磁場は、1段
目の試料の表面では1.1T、2段目の試料の表面では
0.9Tであり、特性がほぼ均質で薄い試料でも高い捕
捉磁束密度特性を示す超電導体を2枚切り出すことがで
きた。
【0043】次に、実施例1と同様に温度77Kにおけ
る臨界電流密度Jcを見積もったところ、図13に示す
ように高い臨界電流密度が得られた。
【0044】[比較例]実施例1と同様の方法により作
製された合成粉を外径80mm、厚さ26mmの円板状
にプレス成形して前駆体を2個作製した。これらのうち
一方の前駆体の片面の中心に直径4mm、深さ16mm
の穴を開けた(前駆体の片面の面積に対する穴の面積率
0.25%、穴を開けた後の前駆体の体積130c
)。次に、これらの前駆体をアルミナ基板上に直接
載置して、2ゾーン型の炉体内に設置して以下の工程を
行った。
【0045】まず、室温から70時間で1100℃まで
昇温させ、この温度で20分間保持して半溶融状態にし
た後、前駆体の上部が低温側になるように前駆体の上下
に10℃/cmの温度勾配を加えて、前駆体の上部の温
度が1025℃になるまで1℃/minで降温させた。
次いで、予め溶融法で作製しておいたPtを0.5wt
%含み且つAgを含まない縦横2mm、厚さ1mmのN
1.8Ba2.4Cu3.4組成の種結晶を、成
長方向がc軸と平行になるように前駆体の上部の中心に
接触させ、1025℃から1℃/hrの速度で1015
℃まで降温させた。この温度で80時間保持した後、9
45℃まで70時間かけて徐冷し、その後、上下の温度
勾配が0℃/cmになるように前駆体の下部を20時間
で945℃になるように冷却し、その後、室温まで10
0時間かけて徐冷して結晶化を行った。
【0046】このようにして結晶化した材料をガス置換
可能な別の炉の中に設置し、以下のようにアニール処理
を行った。まず、ロータリーポンプで0.1Torrま
で炉内を排気した後、炉内に酸素ガスを流し込んで、酸
素分圧が99%以上である大気圧の雰囲気にした。その
後も0.5L/minの流量で酸素ガスを炉内に流しな
がら、室温から450℃まで10時間で昇温させ、45
0℃から250℃まで200時間かけて徐冷し、250
℃から室温まで10時間で降温させた。その後、同様の
アニール処理をもう一回行った。
【0047】このアニール処理の後、焼き縮みのため、
前駆体は外径67mm、厚さ22mmになり、穴を開け
た試料の穴の直径は3.5mm、深さは13mmになっ
ていた。これらの前駆体を上下方向の中心付近で切断し
て断面をEPMAで観察したところ、どちらも実施例1
とほぼ同様な組織が得られた。しかしながら、どちらの
試料においても中心付近においてa軸とb軸に沿ったマ
イクロクラックが発生していた。また、このディスク状
材料の下部6mmをスライス切断した後、実施例1と同
様に2×4×20mmの試料を切り出し、密度を測定し
たところ、穴を開けていない試料は、中心付近の密度が
6.82g/cm(理論密度7.47g/cmの9
1.3%)、周縁部付近の密度が7.20g/cm
(理論密度7.47g/cmの96.4%)であ
り、穴を開けた試料は、中心付近の密度が6.90g/
cm(理論密度7.47g/cmの92.3%)、
周縁部付近の密度が7.20g/cm(理論密度7.
47g/cmの96.4%)であり、穴を開けていな
い試料では、冷却の際に内外の温度差が発生し、内部に
空孔が集中して、大きな密度差0.38g/cm(理
論密度の5.1%)が発生し、穴を開けた試料において
も、穴の面積率が小さく、基板に密着させて結晶化させ
たために、穴の内部への熱の対流が十分に起こらず、や
や大きな密度差0.30g/cm(理論密度の4.0
%)が発生していた。
【0048】次に、この超電導体を上部から外径66m
m、厚さ7mmの2枚のディスク状試料をスライス加工
により切り出して、各々のディスク状試料の軸方向に外
部磁場2T(テスラ)を加えながら室温から温度77K
まで冷却した後、磁場を取り去って超電導体中に捕捉さ
れる磁束密度を測定した。この測定は、ホール素子をX
Yステージに取り付けて超電導体表面から約1mmの距
離で超電導体表面に沿って移動させ、材料の軸方向の磁
束密度分布を測定することによって行った。その結果、
試料表面の最大捕捉磁場は、穴を開けていない試料で
は、1段目の試料の表面で0.3T、2段目の試料の表
面で0.3Tであり、穴を開けた試料では、1段目の試
料の表面で0.4T、2段目の試料の表面で0.3Tで
あり、マイクロクラックのために捕捉磁束密度特性が低
かった。
【0049】次に、実施例1と同様に温度77Kにおけ
る臨界電流密度Jcを見積もったところ、ほぼ実施例と
同程度の値であった。
【0050】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
前駆体の中心付近に穴または溝を形成するとともに、前
駆体の下部に隙間ができるように中間層を敷いてその上
に前駆体を載置し、前駆体を加熱溶融した後に、適切な
速度で徐冷して結晶成長させることにより、電気特性、
磁気特性、機械強度に優れた大型で厚さ方向に均質な酸
化物超電導体を低コストで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】REとして各希土類金属元素を用いた場合のR
1+pBa2+q(Cu1− Ag7−x
の融点(結晶化温度)Tmを示す図。
【図2】Agの添加量とRE1+pBa2+q(Cu
1−bAg7−x相の融点(結晶化温度)Tm
の補正値との関係を示す図。
【図3】実施例1で製造した前駆体の組成を示す図。
【図4】実施例1の前駆体を載置する手法を示す斜視
図。
【図5】実施例1の前駆体を載置する手法を示す側面
図。
【図6】実施例1で製造した酸化物超電導体の密度分布
を測定した場所を示す斜視図。
【図7】実施例1で製造した酸化物超電導体の上部の1
段目の7mmの捕捉磁束密度を測定した結果を示す図。
【図8】実施例1で製造した酸化物超電導体の上部から
2段目の7mmの捕捉磁束密度を測定した結果を示す
図。
【図9】実施例1で製造した酸化物超電導体の臨界電流
密度の磁場依存性を示す図。
【図10】実施例2の前駆体に形成する穴の位置を示す
平面図。
【図11】実施例2で製造した酸化物超電導体の臨界電
流密度の磁場依存性を示す図。
【図12】実施例3で製造した酸化物超電導体の密度分
布を測定した場所を示す斜視図。
【図13】実施例3で製造した酸化物超電導体の臨界電
流密度の磁場依存性を示す図。
【符号の説明】
11 ペレット片 12 アルミナ基板 13、131、132 前駆体 13a、131a、132a 穴 21、212 密度測定用切り出し試料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川原 正和 東京都千代田区丸の内一丁目8番2号 同 和鉱業株式会社内 (72)発明者 長屋 重夫 愛知県名古屋市緑区大高町字北関山20番地 の1 中部電力株式会社電力技術研究所内 Fターム(参考) 4G047 JB03 JC03 KB05 KC04 LA01 LB01 LB04 4M113 AD36 BA21 BA29 CA34 5G321 AA02 AA04 AA07 CA03 DB28 DB47 DB48

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 RE1+pBa2+q(Cu1−bAg
    7−x(REは1種または2種以上の希土類金
    属元素、−0.2≦p≦0.2、−0.2≦q≦0.
    2、0≦b≦0.05、−0.2≦x≦0.6)相中
    に、RE2+rBa1+s(Cu1−dAg)O
    5−y相およびRE4+rBa2+s( Cu1−d
    10−y相(−0.2≦r≦0.2、−
    0.2≦s≦0.2、0≦d≦0.05、−0.2≦y
    ≦0.2)の少なくとも一方の相が微細に分散した酸化
    物超電導体において、穴または溝を有し、中心部と周縁
    部の密度差が理論密度の3%以下であることを特徴とす
    る酸化物超電導体。
  2. 【請求項2】 前記酸化物超電導体が、8wt%乃至6
    0wt%のAgを含むことを特徴とする、請求項1に記
    載の酸化物超電導体。
  3. 【請求項3】 前記酸化物超電導体が、Pt、Pd、R
    u、Rh、Ir、Os、Re、Ceの金属およびこれら
    の金属の化合物から選ばれる1種以上を0.05wt%
    乃至5wt%(化合物の場合はその金属のみの元素重量
    で示す)含むことを特徴とする、請求項1または2に記
    載の酸化物超電導体。
  4. 【請求項4】 前記前駆体の片面の面積に対する前記穴
    または溝の面積率が0.3%以上であることを特徴とす
    る、請求項1乃至3のいずれかに記載の酸化物超電導
    体。
  5. 【請求項5】 前記REがNd、Sm、Gd、Dyから
    選ばれる1種または2種以上の元素を少なくとも50%
    以上含むことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか
    に記載の酸化物超電導体。
  6. 【請求項6】 RE化合物(REはYを含む1種または
    2種以上の希土類金属元素)とBa化合物とCu化合物
    とを含む原料混合体を、この原料混合体の融点より高い
    温度で加熱溶融した後に、徐冷して結晶を成長させるこ
    とによりRE−Ba−Cu−O系の酸化物超電導体を製
    造する方法において、前記原料混合体から穴または溝を
    有する前駆体を作製し、この前駆体の下部に隙間ができ
    るように中間層を敷いてその上に前駆体を載置し、前記
    前駆体を加熱溶融した後に、徐冷して結晶成長させるこ
    とを特徴とする酸化物超電導体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記前駆体の片面の面積に対する前記穴
    または溝の面積率が0.3%以上であることを特徴とす
    る、請求項6に記載の酸化物超電導体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記加熱溶融工程の後に、RE1+p
    2+q(Cu −bAg7−x相が晶出する
    温度Tmよりも0℃から20℃高い温度まで徐冷し、そ
    の際の徐冷速度R(℃/min)が、前記前駆体の体積
    をV(cm )として−0.5+19.4×V-0.8から
    +0.5+19.4×V-0.8までの範囲であることを特
    徴とする、請求項6または7に記載の酸化物超電導体の
    製造方法。
  9. 【請求項9】 前記徐冷工程の後に、前記前駆体に種結
    晶を設置して、その後、前記前駆体を徐冷して結晶成長
    させることを特徴とする、請求項8に記載の酸化物超電
    導体の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記加熱溶融工程の後に、前記前駆体
    の上部が低温側になるように前記前駆体の上下に1乃至
    30℃/cmの温度勾配を加えた後、種結晶を設置し
    て、その後、前記前駆体を徐冷して結晶成長させること
    を特徴とする、請求項6または7に記載の酸化物超電導
    体の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記加熱溶融する温度が、前記前駆体
    がRE2+rBa 1+s(Cu1−dAg)O5−y
    相およびRE4+rBa2+s( Cu −dAg
    10−y相(−0.2≦r≦0.2、−0.2≦s
    ≦0.2、0≦d≦0.05、−0.2≦y≦0.2)
    の少なくとも一方の相と液相になる温度であることを特
    徴とする、請求項6乃至10のいずれかに記載の酸化物
    超電導体の製造方法。
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