JP2002259672A - ハイブリッド型需要および/または収益予測方法 - Google Patents

ハイブリッド型需要および/または収益予測方法

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JP2002259672A
JP2002259672A JP2001051016A JP2001051016A JP2002259672A JP 2002259672 A JP2002259672 A JP 2002259672A JP 2001051016 A JP2001051016 A JP 2001051016A JP 2001051016 A JP2001051016 A JP 2001051016A JP 2002259672 A JP2002259672 A JP 2002259672A
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JP2001051016A
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Akinari Inoue
明也 井上
Akiko Ishida
彰子 石田
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 提供されるサービスや商品の多様化、顧客の
意識や要求の多様化等を考慮し、複数のシナリオに基づ
く需要や収益の予測を可能にする。 【解決手段】 予測対象として、サービスまたは商品、
顧客などの予測シナリオの枠組を設定する(1)。選択
行動モデルを構築する(2)。選択肢と意思決定要因に
より顧客とその行動モデルをセグメント毎に分割する
(3)。各種収集データの分析に基づき選択行動モデル
のパラメータを決定する(4)。決定したパラメータで
表現される選択行動モデルを用いて選択行動を予測集計
することにより、対象サービスまたは商品の需要を予測
する(5)。対象サービスの需要の実績データに基づい
て将来の需要を予測する(6)。顧客行動ベースの予測
結果と実績ベースの予測結果を組合せ、補間や相互補正
を実施する(7)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の競合サービ
スや商品が複数の競合事業者によって提供されている状
況の下で、この状況が時間的に変化することを考慮し
て、対象とするサービスや商品の現在から将来に渡る需
要や収益を予測する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の予測方法は、予測対象に
よって大別することができ、 ● 独占状態にある単一サービスや商品などの需要を予
測する個別的予測法、 ● 経済現象や社会現象などの複合的な現象を考慮し、
ある地域の将来の経済構造を予測する総合的予測法、 ● 同一要求を満足するサービスや商品が複数存在する
競合状態を考慮して各々の需要を予測する選択行動モデ
ルによる予測法、 ● 仮説やシナリオを作成して将来の状況を予測する仮
説的予測法、 がある。
【0003】個別的予測法はこれまで最もよく利用され
てきた手法であり、 ● 時系列外挿法などの時系列データを用いる予測法や ● 複数の要因を考慮する重回帰分析法や数量化理論等
の多変量解析による予測法 が用いられてきた。
【0004】総合的予測法は計量経済学でよく用いられ
る手法であり、 ● 社会を取り巻く経済の各種要因の関係を表す方程式
により計量経済モデルを作成する予測法、 ● 確率事象を考慮し予測対象をモデル化してシミュレ
ーションするモンテカルロシミュレーションによる予測
法、 ● 予測対象の需要に関係する各種要因と要因間の関係
を分析し、要因間の関係として非線形な関係、フィード
バックを有する関係、時間遅れを有する関係などを考慮
したモデルを作成するシステムダイナミクスによる予測
法、 等がある。
【0005】選択行動モデルによる予測法は、個人がサ
ービスや商品を選択する行動をモデル化する手法であ
り、競合状態を考慮した予測が可能である。また、選択
行動の要因と結果の関係を明確にすることが可能であ
り、サービス料金や商品価格、各種のオプション・メニ
ューの変化による影響評価にも適した手法であり、まだ
提供されていない新サービスや新商品の需要予測をする
ことも可能である。
【0006】仮説的予測法は、ブレインストーミング
法、デルファイ法、シナリオ作成法など基本的には専門
家の仮説に基づく手法であるため、過去の実績データの
存在しない事象やどのような複雑な状況においても予測
が可能な手法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】個別的予測法は過去の
実績データに基づく手法であり、かつ予測対象を取り巻
く環境が安定していることが前提となっている。通信サ
ービスを予測対象とした場合、NTT独占時代の電話や
FAXなどの需要予測には非常に適した手法であり予測
精度も高かった。料金改定の影響などの評価にも十分適
用可能であった。しかし、個別的予測法は実績データが
全く存在しない新サービスの予測は不可能である。ま
た、実績データが存在したとしても、複数のサービスや
商品が幾万通りにも組み合わされたメニューで提供され
ている現在の状況では、このような競合状態を考慮した
予測ができない。さらには、新規事業者の参入、新規サ
ービス/商品の出現やメニュー変更が毎月、毎週のよう
に起きている。しかし、従来の個別的予測法ではこのよ
うな激しい変化を考慮することができない。
【0008】総合的予測法は、個別的予測法に比べ、非
常に適用対象が広く、かつ安定化できない複雑な社会現
象を考慮した予測が可能となるが、予測誤差の入る可能
性も高く精度を高めることが難しい。また、個別的予測
法と同様に、 ● 予測対象の需要を集計化されたマクロ値として取り
扱うことと、 ● モデルの構築や精度向上のためには実績データが必
要となること を特徴としており、競合状態とその状態の激しい変化に
追従した予測をすることは困難である。
【0009】選択行動モデルによる予測法では、選択肢
が安定した状態での予測を前提としており、競合状態
(選択肢とその特性)が激しく変化する状況での予測は
困難である。また、需要を求めるための集計化処理にお
いて予測誤差の入る可能性は高い。
【0010】仮説的予測法は専門家の主観的な要素にほ
とんどが依存するため、理論的、統計的根拠に乏しい予
測になる。このため、料金やメニュー等の変化による影
響評価を定量的に実施することは困難である。
【0011】本発明の目的は、 1)提供されるサービスや商品の多様化、 2)サービスや商品に対する顧客の意識や要求の多様
化、 3)流行サービスや商品需要の社会現象的急増や流行変
化による激減、 4)サービスや商品の提供状況や顧客の意識や要求構造
の変化の頻発、という最近のマーケット構造を考慮で
き、 5)サービス、顧客、社会・経済環境に関する各種要因
と需要の関係を明確にすることにより複数のシナリオに
基づく需要および/または収益の予測が可能となり、 6)実用に耐えうる精度が得られる 需要および/または収益予測方法を提供することにあ
る。
【0012】第1に、提供されるサービスや商品の多様
化を考慮して提供状態をモデル化する必要がある。ここ
で想定する提供状態とは、顧客の要求を満たすサービス
や商品が、 ● 複数の事業者により複数のタイプや複数のメニュー
(料金、その他オプションなど)で提供され、 ● これらの組み合わせにより実現されるサービスや商
品毎に提供開始時期が異なり、 ● 提供開始時期が地域によって異なる、または地域限
定で提供される ような状態を意味する。
【0013】第2に、サービスや商品に対する顧客の意
識や要求の多様化を考慮して、顧客の選択行動をモデル
化する必要がある。選択行動のモデル化で考慮すべきポ
イントは、 ● 想定する時期、居住地域によって選択可能なサービ
スや商品が異なることと、 ● 選択肢集合とその階層構造が顧客の認知度や意識に
よって異なること である。
【0014】例えば音楽を聴くという要求を満たそうと
する商品の選択行動を想定した場合、1.MDで音楽を
聴きたいという前提の下で、据え置きタイプ、ラジカセ
タイプ、ウォークマン(登録商標)タイプから選択する
顧客、 2.ウォークマンタイプで音楽を聴きたいという前提の
下で、MD、CD、カセットから選択する顧客 というように選択肢集合とその意思決定構造が異なる。
【0015】また、通信サービスの選択行動を想定した
場合、変化があまりにも頻繁に発生するため、新サービ
スの提供の有無やメニュー詳細など想定時点におけるす
べての情報を正確に把握している顧客は非常に少ない状
況にある。また、いくら安く性能が良くてもそもそも興
味がなく、選択の対象外になるものもある。このため、
顧客の選択肢集合は、 ● 想定時点において顧客の居住地域で提供されている
サービスの集合、 ● 顧客が存在を認識しているサービスの集合、 ● 顧客が使いたいと興味を持つサービスの集合、 の3つの集合を考慮してモデル化する必要がある。
【0016】第3に、流行サービスや商品の需要の社会
現象的急増や流行変化による激減などに代表されるよう
な社会的・経済的環境をモデル化する必要がある。
【0017】第4に、前述の1、2、3において構築す
るモデルが、顧客または顧客グループによって異なるこ
と、時間と共に頻繁に変化すること等を考慮する必要が
ある。
【0018】第5に、サービス、顧客、社会・経済環境
に関する各種要因を考慮して、顧客の選択行動をモデル
化する必要があること。さらに、予測対象エリアに居住
する顧客の特徴抽出によって決定されたセグメンテーシ
ョンに基づいて顧客の選択行動を予測し、その集計結果
として需要予測が可能となるような手法が必要である。
【0019】第6に、想定する対象に関する予測シナリ
オの作成、サービス、顧客、社会・経済環境に関するモ
デル化、セグメンテーション、選択行動の予測および集
計化といった各処理ステップ毎に結果の正当性や精度を
評価し、かつ不適当な場合はフィードバックを実施する
ことにより予測精度を向上できる機能が必要である。さ
らに、入手可能な実績データや調査データによって、各
処理ステップ毎に予測精度向上のための補正処理が可能
な機能が必要である。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の需要および/ま
たは収益予測方法は、予測対象として、想定するサービ
スまたは商品、顧客、関連する環境、時期の予測シナリ
オの枠組を決定する予測シナリオ設定段階と、予測シナ
リオの枠組に従い、選択肢であるサービスまたは商品、
顧客、および意思決定要因の3つの要素からなる選択行
動モデルを構築する選択行動モデル構築段階と、前記選
択肢と前記意思決定要因により顧客およびその選択行動
モデルをセグメント毎に構築するセグメンテーション段
階と、各種収集データの分析に基づき前記選択行動モデ
ルのパラメータを決定する選択行動モデル推定段階と、
前記選択行動モデル推定段階で確定したパラメータで表
される選択行動モデルを用いて選択行動を予測・集計す
ることにより、対象サービスまたは商品の需要および/
または収益を予測する顧客行動ベース予測段階と、対象
サービスおよび/または商品の需要および/または収益
の実績データに基づいて将来の需要および/または収益
を予測する実績ベースマクロ予測段階と、複数シナリオ
の下での顧客行動ベース予測段階と実績ベースマクロ予
測段階での予測結果に基づき、前記顧客行動ベースの予
測結果と前記実績ベース予測結果の組み合わせで評価
し、いずれか一方の結果しか得られない場合は、片方の
結果で補完し、両方の結果が得られた場合は、両方の結
果の差を評価・分析し、補正が必要と判断される前記の
処理段階まで処理を戻し、推定される原因に応じて再度
一連の処理を実行するハイブリッド予測段階を有する。
【0021】本発明は、前述の課題を解決するために、
従来手法である個別的予測法、総合的予測法、選択行動
モデルによる予測法、仮説的予測法を組み合わせたハイ
ブリッド型の需要および/または収益予測法である。
【0022】本発明の需要および/または収益予測方法
は、予測対象エリアに居住する顧客の特徴抽出によって
決定されたセグメンテーションに基づいて、顧客の選択
行動を予測し、その集計結果として需要や収益を予測す
ることを特徴とする。従来の選択行動モデルによる予測
法においても、選択肢集合とその階層構造が顧客毎に異
なるモデル化はすでに実施されていたが、顧客の認知度
や興味などの意識を考慮したモデル化は実施されていな
かった。本発明の需要および/または収益予測方法で
は、顧客の選択肢集合として ● 想定する時点において顧客の居住地域で提供されて
いるサービスや商品の集合、 ● 顧客が存在を認識しているサービスや商品の集合、 ● 顧客が使いたいと興味を持つサービスや商品の集
合、 の3つを考慮してモデル化をすることを主要な特徴とす
る。
【0023】さらに、選択行動の集計方法として、従来
から用いられている顧客セグメント毎の代表値や平均値
を用いて選択行動を予測し、対象エリアに存在する各セ
グメント毎の顧客数から集計する方法だけでなく、仮想
的に作成した全顧客の選択行動をシミュレーションして
集計する方法も取り入れる。
【0024】このように本発明における需要および/ま
たは収益予測方法の基本は、従来の選択行動モデルによ
る予測法を改善した手法である。この需要および/また
は収益予測方法においても、サービス、顧客、社会・経
済環境に関するモデル化、セグメンテーション、選択行
動の集計化といった一連の処理プロセスを定義するシナ
リオを決定する必要があり、従来の仮説的予測法を用い
て決定する。一般に、複雑かつ変化の激しいマーケット
構造を考慮すると、膨大な数のシナリオをすべて評価し
なければならない。本発明の需要および/または収益予
測方法では、従来手法である個別的予測法と総合的予測
法を利用して、関連するサービスや商品のトレンドや社
会的・経済的状況を分析し、膨大な数のシナリオを削減
し、有効なシナリオを抽出することを特徴とする。
【0025】さらに、前述の第6の課題を解決するた
め、入手可能な実績データや調査データに基づいて、各
処理ステップ毎に結果の正当性や精度を評価し、かつ不
適当な場合は予測精度向上のための補正処理を実施す
る。また、同様のデータを用いて、従来手法である個別
的予測法と総合的予測法を利用した予測結果に基づいた
補正処理も実施する。
【0026】本発明の需要および/または収益予測方法
は、従来手法である個別的予測法、総合的予測法、選択
行動モデルによる予測法、仮説的予測法を組み合わせる
ことにより、個々の予測法の欠点を補うと共に前述の6
つの課題を解決することができる。その結果、これまで
対応できなかった新たなシナリオにおける需要や収益の
予測も可能になる。また、一連のプロセスをシステム化
することにより、頻発する変化に対応して、いろいろな
観点でのシナリオの見直しによる需要や収益予測の再実
行が可能になる。
【0027】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0028】図1を参照すると、本発明の一実施形態の
需要および/または収益予測方法は、予測対象として、
想定するサービスまたは商品、顧客、関連する環境、時
期の予測シナリオの枠組を決定する予測シナリオ設定段
階1と、予測シナリオの枠組に従い、選択肢であるサー
ビスまたは商品、顧客、および意思決定要因の3つの要
素からなる選択行動モデルを構築する選択行動モデル構
築段階2と、前記選択肢と前記意思決定要因により顧客
およびその選択行動モデルをセグメント毎に分割するセ
グメンテーション段階3と、各種収集データの分析に基
づき前記選択行動モデルのパラメータを決定する選択行
動モデル推定段階4と、選択行動モデル推定段階4で確
定したパラメータで表現される選択行動モデルを用いて
選択行動を予測・集計することにより、対象サービスま
たは商品の需要を予測する顧客行動ベース予測段階5
と、対象サービスまたは商品の実績データに基づいて将
来の需要を予測する実績ベースマクロ予測段階6と、複
数シナリオの下での顧客行動ベース予測段階5と実績ベ
ースマクロ予測段階6での予測結果に基づき、顧客行動
ベース予測結果と実績ベース予測の結果の組み合わせで
評価いずれか一方の結果しか得られない場合は、片方の
結果で補完し、両方の結果が得られた場合は、両方の結
果の差を評価・分析し、補正が必要と判断される前記の
処理段階まで処理を戻し、推定される原因に応じて再度
一連の処理を実行するハイブリッド予測段階7からな
る。
【0029】予測シナリオ設定段階1は、予測シナリオ
の設定11のみからなる。選択行動モデル構築段階2
は、選択行動モデルの構築21のみからなる。セグメン
テーション段階3は、セグメンテーション31、セグメ
ンテーション結果の分析・評価32、セグメント確定の
判断33、フィードバック先の判断34からなる。選択
行動モデル推定段階4は、セグメント別の選択行動モデ
ルの推定41、推定モデルの分析・評価42、モデル確
定の判断43、フィードバック先の判断44からなる。
顧客行動ベース予測段階5は、顧客単位の選択行動予測
51、顧客行動予測結果の集計52からなる。実績ベー
スマクロ予測段階6は、従来の方法による需要および/
または収益予測61のみからなる。ハイブリッド予測段
階7は、集計結果の分析・評価71、集計結果確定の判
断72、フィードバック先確定の判断73、顧客行動ベ
ースの予測結果と実績ベースの予測結果の組み合わせ7
4からなる。
【0030】まず、予測シナリオ設定段階1、選択行動
モデル構築段階2、およびセグメンテーション段階3を
実行するが、この一連の処理段階は1回だけで完了する
ことはほとんどない。セグメンテーション結果の分析・
評価32の結果に基づき、セグメンテーションの見直し
のみでなく、選択行動モデルの見直し、さらには予測シ
ナリオの見直しまでを繰り返し実行することにより、精
度を上げる。
【0031】構築された選択行動モデルに基づき需要お
よび/または収益を推定するための前処理として、セグ
メント別選択行動モデル推定段階4を実行する。ここで
は推定モデルの分析・評価42の結果に基づき、必要と
あれば再度、セグメンテーションの見直し、選択行動モ
デルの見直し、あるいは予測シナリオの見直しを実行す
る。
【0032】セグメント別に推定された選択行動モデル
により、顧客行動の予測51、集計化52を実行し、さ
らにその集計結果の分析・評価71を実行する。予測対
象に関連する実績データや調査データが存在する場合
は、従来の個別的予測法や総合的予測法による需要およ
び/または収益予測も並行して実行する。この結果の利
用方法は予測シナリオによって異なる。従来手法による
予測結果を顧客行動ベースの予測結果の分析・評価のた
めだけに用いる場合(集計結果の分析・評価71)と、
顧客行動ベースの予測結果とその他の従来手法による予
測結果とを合せて最終的な需要および/または収益を予
測する場合(顧客行動ベースの予測結果と実績ベースの
予測結果の組合せ74)とがある。このように集計結果
の分析・評価71は、予測対象に関連する実績データや
調査データ、および個別的予測法や総合的予測法による
予測結果も用いて実行する。その結果、集計方法の見直
しのみでなく、セグメンテーション、選択行動モデル、
さらには予測シナリオまで見直し、再度実行する場合が
ある。
【0033】以下では、基本的な処理手順に従って通信
サービスの需要および/または収益予測を実施する例を
示す。
【0034】まず、第1の処理である予測シナリオ設定
段階1について述べる。予測シナリオは、選択行動モデ
ルの枠組みを決定する条件であり、以下の4つの要素で
構成される。 1.サービス(または商品)条件:予測対象とその特徴
などを表す条件である。 2.顧客条件:予測対象の需要層となる顧客に関する条
件である。 3.環境条件:予測対象とその顧客に関連する条件であ
る。想定する地域とその地域に関わる条件、政策的条
件、等である。 4.予測期間 本実施形態では、今後2年間における東京都在住の住宅
顧客のダイヤルアップ型インターネットアクセスサービ
スとしてのISDNに対する需要を予測対象と想定す
る。
【0035】予測シナリオの設定11では、はじめに大
枠の条件を整理すると共に、必要な情報やデータを整理
する。それから調査・収集された情報やデータに基づい
て、予測シナリオを詳細化していく。
【0036】まず、サービス条件として、想定する期間
および地域における予測対象サービスとその競合サービ
スの全集合を抽出する。今後2年間にISDNにその競
合となり得るダイヤルアップ型インターネットアクセス
サービスを加えた全集合は例えば{ISDN、アナロ
グ、ADSL、CATV、光、FWA、PDC、cdm
aOne、PHS、IMT−2000}と設定できる。
このとき、必要となる情報やデータとしては、各サービ
スの提供エリア、提供開始時期、インターネット接続機
器価格、通信速度、月額通信料、各種割引サービス、各
種付加サービス等に関する現在の情報および今後2年間
の予定情報である。
【0037】次に、顧客条件として、想定する顧客層の
枠組みを整理、明確化する。本実施形態で対象とする顧
客層の条件は、東京都在住者であり、業務用回線として
の利用ではない住宅用利用者である。この例では、この
2つの顧客属性のみを条件とするが、予測の目的によっ
ては、より細分化した地区別情報、年齢、年収、家族構
成、職業、現在の通信サービスの利用状況、等の属性情
報も条件として用いる場合がある。また、これらの属性
情報で入手可能なものは、セグメンテーション段階3や
選択行動モデル推定段階4において利用するため収集し
ておく。
【0038】環境条件は予測対象とその顧客に関連する
条件であるため、サービス条件や顧客条件と区別しにく
い場合がある。本実施形態では、例えば、ある特定の区
や町が光ファイバによるアクセスサービスのモデル地区
として何年何月から実験が開始されるという情報であ
る。または、ある特定の学校のみで、新サービスの実験
が行われる、といった情報等である。
【0039】予測期間は本実施形態では、現在から2年
間という条件になる。
【0040】次に、作成した予測シナリオの枠組みに従
って、選択行動モデル構築段階2を実行する。選択行動
モデルは 1.選択肢 2.意志決定者 3.意志決定要因 の3要素によって構成される(図2)。本実施形態で
は、選択肢はダイヤルアップ型インターネットアクセス
サービスであり、意思決定者はこのサービスの利用顧客
である。意志決定要因はサービス、顧客、その他の3つ
の分類により、それぞれサービス属性、顧客属性、環境
属性として分類・整理される。そして、抽出された要因
の中から、選択行動モデルに組み込む要因を決定する。
ここで扱う数学モデルは数量化II類モデルや非集計選択
行動モデルなどである。
【0041】本発明では前述の課題を解決するため、出
来る限り現実の選択行動を反映したモデルを構築するこ
とを特徴としている。このため、選択行動モデルの3要
素は順に確定されるものではなく、また、1セットのみ
のモデルが構築されることはほとんどない。選択肢と意
思決定要因によって分類されるセグメント毎に選択行動
モデルの構築21を実行することが本発明の需要および
/または収益予測方法の基本であり、モデル構築段階2
とセグメンテーション段階3を繰り返し実行することに
より、選択行動モデルが最終的に確定する。このため、
各セグメントの選択肢集合は全選択肢の部分集合であ
り、かつ意志決定プロセスが多階層になる場合は選択肢
も多階層の選択肢集合となる。
【0042】前述のサービス条件に基づいて、選択肢の
モデル化手順について述べる。想定するサービスの全体
集合は、{ISDN、アナログ、ADSL、CATV、
光、FWA、PDC、cdmaOne、PHS、IMT
−2000}であるが、これらすべてのサービスを同時
に比較して意思決定する顧客は少ない。例えば、後述す
るセグメンテーション処理により、g1、g2という2つ
の顧客グループが抽出されたとする。顧客グループg1
は{ISDN、アナログ、ADSL}を選択肢集合と
し、これら3つのサービスを並列に比較、つまり一層の
選択構造を持つ。顧客グループg2は{ISDN、アナ
ログ、ADSL、CATV、PDC、cdmaOne、
PHS、IMT−2000}を選択肢集合とし、まず固
定グループ{ISDN、アナログ、ADSL、CAT
V}と移動体グループ{PDC、cdmaOne、PH
S、IMT−2000}の比較をした上で各選択グルー
プに属するサービスを並列に比較、つまり二層の選択構
造を持つ(図3)。
【0043】本発明では、サービスや商品に対する顧客
の意識や要求の多様化を考慮して、顧客の選択行動をモ
デル化することを特徴としており、 ● 想定する時期、地域、居住環境によって選択可能な
サービスや商品が異なる、 ● 選択肢集合とその階層構造が顧客の認知度や興味に
よって異なる、 ことを考慮できるモデル化を実行する。さらに、時間変
化も考慮する。このため、選択肢集合は、顧客や顧客グ
ループ毎に1セットとは限らず、予測対象期間において
複数セットを有する場合もある。この観点から、選択肢
集合を抽出する例を以下に示す。
【0044】前述のように、 1.想定時点において居住環境で提供されているサービ
スの集合と、 2.顧客がその存在を認知しているサービスの集合と、 3.顧客が使いたいと興味を持つサービスの集合 の3つの集合により選択肢集合をモデル化する。
【0045】この顧客の意識まで考慮したモデル化の説
明のため、いくつかの記号を定義する。選択肢の全体集
合をS={si}とすると、各顧客セグメントの選択肢
集合は想定する時点t、地域a、顧客ujあるいは顧客
セグメントgjにより異なる部分集合となるため、S
(t,a,uj)(⊂S)あるいはS(t,a,gj
(⊂S)と表すことができる。ここではS(t,a,g
j)の方を用いることにする。
【0046】上記の3つのサービス集合をそれぞれ
ph、Sre、Sinとすると、モデル化に必要な選択肢集
合S(t,a,gj)は、
【0047】
【数1】
【0048】により求められる(図4)。
【0049】Sph(t,a,gj)は、対象時点t(対
象期間内のワンポイント)において顧客セグメントgj
の居住地域aでサービスが提供されているか否かという
「物理制約」により決定される。例えば顧客セグメント
jを東京都町田市民としよう。いま町田市で光の提供
開始されるのが2001年12月だとし、またFWAの
提供開始は目途すらたっていないとしたら、予測対象時
点2001年5月における顧客セグメントgjの選択肢
集合から光とFWAは除かれる。つまり選択肢集合Sph
(t,a,gj)は、
【0050】
【数2】
【0051】に絞り込まれる。
【0052】次に、Sre(t,a,gj)は「認知制
約」により絞り込まれる部分集合である。前述の物理的
に利用可能なサービスであっても、その存在自体を知ら
ない場合は選択の対象とはなりえない。特に最近の通信
サービスのように、サービスの種類や提供条件が頻繁に
変化する場合は、その影響が大きい。従来の手法ではこ
の影響を考慮しなかったために、選択行動モデルの精度
を悪化させる要因となっていた。例えば、2001年5
月に町田市で上記Sph(t,a,gj)の8サービスが
提供されていたとしても、顧客がそのサービスの存在自
体を知らないとしたら、選択肢集合から除く必要があ
る。例えばCATVが自宅地域で提供されていることを
知らず、またIMT−2000に至っては聞いたことも
ないとしたら、選択肢集合は、
【0053】
【数3】
【0054】に絞り込まれる。
【0055】最後に、Sin(t,a,gj)は「興味制
約」により絞り込まれる部分集合である。例えば、あま
り外出はしないので携帯電話は必要ないという顧客や携
帯電話自体が好きでないという顧客は、携帯電話の料金
がいくら安くなっても、どんなに性能が向上しても、選
択の対象とはならない。この場合の選択肢集合は、
【0056】
【数4】
【0057】に絞り込まれる。
【0058】このように、本発明では、出来る限り現実
の選択行動を反映したモデルを構築するため、従来手法
に比べて、 ● 提供されるサービスや商品の多様化、 ● サービスや商品に対する顧客の意識や要求の多様
化、 ● 流行となったサービスや商品の社会現象的急増や流
行変化による激減、 ● サービスや商品の提供状況や顧客の意識や要求構造
の変化の頻発、 という最近のマーケット構造を十分に反映した需要予測
が可能になる。
【0059】以上のような手順により、選択行動モデル
の第1の要素である選択肢が決定される。第2の要素で
ある意思決定者は、本実施形態では、東京在住者であ
り、業務用回線としての利用ではない住宅用利用者であ
る。
【0060】次に、第3の要素である意思決定要因を整
理・抽出する。前述のように、選択肢と意思決定要因に
よって分類されるセグメント毎に選択行動モデルを構築
することが本発明の需要および/または収益予測方法の
基本であり、モデル化とセグメンテーションは密接な関
係をもって実行される。さらに、選択行動モデル構築段
階2においても、選択肢の決定と意思決定要因の決定も
密接な関係をもって実行される。
【0061】選択行動モデルの意思決定要因は、予測シ
ナリオの構成要素と同様に、 1.サービス属性 2.顧客属性 3.環境属性 に分類される(図2)。
【0062】サービス属性は競合サービス間で有意な差
となって現れるサービスの特徴である。ここでは例えば
{インターネット接続機器価格、通信速度、月額通信
料、携帯可能性}等がサービス属性に分類される要因と
なる。サービス属性の決定において留意すべき点は、1
つのサービスとして独立な選択肢として捉えるか、サー
ビスの付加的な条件としてサービス属性として捉えるか
を判断することである。この判断は、社会における対象
サービスに対する認識や市場調査結果によって行う場合
と、予測シナリオの狙いに基づいて判断する場合があ
る。
【0063】予測シナリオの狙いがあるサービス属性を
もったサービス固有の需要予測にある場合、例えば今後
他のサービス属性は変化しないと考えられている定額制
サービスの需要および/または収益予測が狙いの場合
は、定額制を要因とはせずに、定額制サービスという選
択肢として捉えることが望ましい。しかし、将来、ある
サービス属性が変化した場合、例えば通信速度が100
倍になったサービスの需要を予測したいということが狙
いである場合は、サービス属性として捉えることが望ま
しい。
【0064】また、サービス属性に基づいて選択肢集合
が分類されている場合は、分類に用いたサービス属性は
意思決定要因から除外することとなる。例えば、選択肢
集合を固定サービスと移動体サービスとして分けてモデ
ル化する場合は、前述の例に示した携帯可能性というサ
ービス属性は、意思決定要因としては使用しない。
【0065】顧客属性としては個人属性に関するもの、
社会経済的なもの、サービスの利用形態に関するもの、
等が考えられる。本実施形態の場合、例えば、{性別、
年齢、住所、家族構成、年収、インターネット接続歴}
等が、顧客属性として考えられる。後述するセグメンテ
ーション段階3では、この顧客属性に基づいた分類を実
行することが多い。例えば、女性と男性では意志決定要
因が異なるとすると、女性顧客グループと男性顧客グル
ープの2つにセグメントを分類する。この場合、各顧客
グループの選択行動モデルにおいて、性別は意志決定要
因から除外する。
【0066】環境属性としては時間属性、地域属性、経
済属性などが考えられる。特定の通信サービス、例えば
NTTドコモ社の携帯電話サービスであるiモードサー
ビスの流行による増加効果特性、世の中全体の不景気に
よる減少効果特性、対象とするエリアが工業地域である
か/住宅地域であるか、住宅地域が新興住宅(または住
民の平均年齢が低い)であるか否か、学校でインターネ
ットを利用しているか否か、等である。本実施形態で
は、環境属性として{学校でのインターネット利用の有
無、居住地の平均年齢}を用いる場合を想定する。
【0067】以上のような観点から意思決定要因を抽出
し、選択行動モデル構築段階2の第1段階が完了する。
第1段階という意味は、次に行うセグメンテーション段
階3における分析・評価32の結果によって、再度、モ
デル化を見直す必要があるからである。
【0068】選択行動モデルの構築21では、 ・選択肢集合とその階層構造、 ・サービス属性、 ・顧客属性、 ・環境属性、 という4つの要素すべてが、時間、地域によって異なる
ことを想定することを特徴としている。このため、同一
のセグメントにおいても予測対象時点毎に異なる選択行
動モデルを構築することを許している。
【0069】例えば、杉並区の子供がいる家族というセ
グメントを想定した場合、同一のセグメントにおいて
も、サービスの導入地域が拡大されることにより、予測
対象期間において、複数の選択肢集合を有する場合があ
る。また、予測対象期間において、子供が大学に入学し
たといった選択行動に影響を与える顧客属性の変化が発
生した場合は、その時点の前後で選択行動モデルを個別
に構築することが望ましい。
【0070】セグメンテーション段階3は、選択行動モ
デルの構築要素に基づいて実行される。すでに選択行動
モデル構築段階2で述べたように、 ● 選択肢集合とその階層構造の違いによる分類、 ● サービス属性の違いによる分類、 ● 顧客属性の違いによる分類、 ● 環境属性の違いによる分類、 の以上4つの観点での分類において、1つまたは複数の
組み合わせによってセグメントが決定する。
【0071】選択肢集合の違いによる分類の例として
は、同一の選択肢集合を有する(居住地域が同じなど)
顧客別にセグメントを構成する場合などである。
【0072】サービス属性の違いによる分類の例として
は、固定グループ{ISDN、アナログ、ADSL、C
ATV、光、FWA}と移動体グループ{PDC、cd
maOne、PHS、IMT−2000}、低速グルー
プ{ISDN、アナログ、PDC、cdmaOne、P
HS}と高速グループ{ADSL、CATV、光、FW
A、IMT−2000}といったセグメント構成が考え
られる。
【0073】顧客属性の違いによる分類の例としては、
女性/男性グループ、高校生や大学生がいる家族、等の
ような個人属性によるセグメント構成と費用重視形/性
能重視形といった顧客の意識によるセグメント構成が考
えられる。
【0074】環境属性の違いによる分類の例としては、
住宅地域が新興住宅(または住民の平均年齢が低い)で
あるか否か、等によるセグメント構成が考えられる。
【0075】以上4つの要素のいくつかを組み合わせた
条件で、一般にセグメントは構成される。選択行動モデ
ルの構築21の場合と同様に、セグメンテーション31
でも、4つの要素すべてが、時間、地域によって異なる
ことを想定することを特徴としている。すなわち、 ・サービス属性の特性値やその分布構造の時間的変化
と、 ・顧客属性の特性値やその分布構造の時間的変化と、 ・環境属性の特性値やその分布構造の時間的変化と、 ・選択肢集合とその階層構造の時間的変化、 の1つまたは複数を考慮し、予測対象時間毎に異なるセ
グメント分割を許す。
【0076】セグメンテーション31では、 ・分類に用いた属性、およびその属性と強い相関のある
属性は、そのセグメントにおける選択行動モデルの属性
として利用しない、 ・選択行動モデルは各セグメント毎に構築し、モデルに
有効な属性(意思決定要因として取り込むことに統計的
意味のある属性)のみで構成する、 ことを基本とする。これらの条件は、従来からモデルの
精度を向上させるための手段として用いられてきた。こ
れらの条件を満足するために、選択行動結果のデータも
用いて、行動パターンや特性の似通ったグループを抽出
するという処理を実行し、セグメントの決定をするとい
う手法が一般的である。
【0077】しかし、前述のように、セグメンテーショ
ン31は選択行動モデル構築段階2および予測シナリオ
設定段階1と密接な関係がある。また、後述する顧客行
動ベース予測段階5とも密接な関係がある。すなわち、
本発明の需要および/または収益予測方法では、顧客行
動ベース予測段階5における顧客行動予測結果の集計5
2が実行できないセグメントを構築しても意味がないた
め、モデルの精度向上は必要条件として捉え、集計化が
可能なセグメントの構築を第一優先としてセグメンテー
ション31を行う。
【0078】このため、本発明の需要および/または収
益予測方法では、予測シナリオ設定段階1から最終的な
需要予測結果に至るハイブリッド処理段階7までの一連
の処理を、各処理間の関係を明確にして実行するため、
様々なマーケット構造を考慮することができるととも
に、サービス、顧客、社会・経済環境に関する各種要因
と需要の関係を明確にすることが可能であり、シナリオ
の見直し、選択行動モデルの見直し、集計の見直しを適
宜実行し、複数のシナリオに基づく需要および/または
収益予測が可能となる。さらに、選択行動モデルとその
セグメンテーション31の時間的変化を考慮しているた
め、現実に非常に近い状況で選択行動をシミュレーショ
ンすることができる。
【0079】セグメンテーション31が完了すると、セ
グメントおよびセグメント別の選択行動モデルの構造が
確定したことになるが、この段階で再度最初に戻って、
予測シナリオ設定段階1から順に全体を見直すセグメン
テーション結果の分析・評価32を実行する。
【0080】基本的な見直しポイントは、 ● セグメンテーションの実行に必要なデータが入手可
能か否か、 ● セグメント別に構築された選択行動モデルのパラメ
ータ推定に必要なデータが入手可能か否か、 ● 想定したセグメントにより、予測対象の需要および
/または収益を求めるための集計処理が可能か否か、 ● 各セグメント別選択行動モデルによる集計処理に必
要なデータが入手可能か否か、 ● 各セグメント別選択行動モデルによる集計処理によ
り、予測シナリオを満足する結果が得られるか否か、 である。これらのチェックポイントに関して問題が発生
した場合は、再度、必要な処理の見直しを実行する。
【0081】この見直し(セグメンテーション結果の分
析・評価32)が完了すると、次にセグメント別に構築
された選択行動モデルの推定段階4を実行する。本実施
形態では、選択行動モデルとして非集計行動モデルを利
用する場合について述べる。
【0082】推定に必要なデータは、セグメント別の選
択肢に対する選択履歴データと選好意識データ、そして
その際の意思決定要因データのセットである。選択履歴
データと選好意識データには、どのサービスまたは商品
を選択したか/したいかだけでなく、どのような頻度で
何回利用あるいは幾つ購入したか/したいかも含まれ
る。意思決定要因データは、サービス属性データ、顧客
属性データ、環境属性データにより構成される。データ
構造のイメージを表1に示す。データセットは、実績デ
ータに基づくものと市場調査等による選考意識データに
基づくものを、予測事例に応じて利用する。
【0083】
【表1】
【0084】選考意識データの収集方法は、従来から非
集計行動モデルのデータ収集方法として用いられている
方法を基本とする。必要なデータセットは推定したい選
択行動モデルの構造に依存する。例えば、想定するセグ
メントと選択行動モデルに応じて、様々な状況設定の中
で選択肢を提示してユーザに仮想的な選択を実施しても
らう。状況設定とは、「もしもあなたのお子さんの小学
校でインターネット教育が開始されたら〜?」といった
環境属性の設定や「もしも○○なサービスを××な月額
通信料で利用できるとしたら〜?」といったサービス属
性の設定を意味している。一般には、サービス属性の設
定はもっと複雑で、コンジョイント分析用のデータ収集
形態を取る。さらに、本発明では、前述のように顧客の
意識構造を考慮した選択肢抽出を実行するため、各選択
肢に対する認知度および興味の度合いを調査し、利用す
ることを特徴としている。
【0085】収集されたデータに基づき各選択行動モデ
ルのパラメータ推定41が実行される。推定方法は最尤
推定法等の従来手法を用いて実行する。パラメータの推
定結果により、各選択行動モデルで考慮した意思決定要
因が統計的に意味のある要因か否かが判定される(パラ
メータ確定の判断42)。この評価結果に基づいて、必
要な場合は再度、選択行動モデル構築段階2、セグメン
テーション段階3の見直しを実行する。
【0086】選択行動モデルのパラメータ推定41、お
よび結果の分析・評価42が完了すると、次に推定され
た各選択行動モデルに基づく顧客行動ベース予測段階5
が実行される。パラメータの確定した上記の選択行動モ
デルに基づき、対象サービスの需要および/または収益
予測を行う。この顧客行動ベース需要予測段階は2つの
プロセスにより実行される。
【0087】第1段階は顧客単位の選択行動予測51で
ある。各選択行動モデルの意思決定要因である各説明変
数に、予測シナリオで想定する状況に対応する値を入力
することにより、サービス選択結果が出力される。ま
た、実測により得た選択履歴データと市場調査により得
た選好意識データを用いて、各顧客が選択すると予測さ
れるサービスあるいは商品を、どのような頻度で何回利
用あるいは幾つ購入するか、そしてその結果として顧客
毎にどの程度の収益を見込めるかを予測する。収益予測
に当たって、各顧客の選択サービスあるいは商品を予測
する上で前提となった料金あるいは価格を、単位期間当
たりの利用回数あるいは購入個数に掛ける。
【0088】例えば2001年1月時点におけるセグメ
ントg1の顧客u1の顧客属性が{性別、年齢、年収、イ
ンターネット接続歴}={男性、20代、450万円、
3年}、環境属性が{学校でのインターネット利用の有
無、居住地住民の平均年齢}={社会人なので関係な
し、35}、選択肢集合{ISDN、アナログ、ADS
L}のサービス属性{インターネット接続機器価格、通
信速度、月額通信料、携帯可能性}がそれぞれ{2万
円、64Kbps、4,500円、不可}、{0円、5
6Kbps、8,000円、不可}、{0円、640K
bps、5,000円、不可}であったとしたら、これ
らの値をモデルに入力することにより顧客u 1のサービ
ス選択結果として例えば{ADSL}が得られる。顧客
u1がADSLをどれくらいの期間契約し続けるのか、
そしてサービス料金が固定ではなく利用ボリュームに比
例変動するような場合にはどの程度のボリュームで利用
するのかをも実測データあるいは調査データを用いて推
定する。これにより顧客u1に見込める単位期間当たり
の収益をも予測する。
【0089】一般に、この処理は、各セグメントにおけ
る顧客属性の平均値や代表値を用いることによって実行
される。本発明では、予測シナリオにおける必要性に応
じて、この処理を対象ユーザ一人一人について実行する
ことを特徴とする。全顧客の属性データが得られる場合
には、これを用いて実行するが、一般には全顧客のデー
タを入手することは困難である。このため、本発明で
は、各セグメントにおける顧客属性の平均値や代表値に
基づいて、その属性値の分布特性を仮定し、シミュレー
ションにより擬似的に全顧客の属性情報を作成する方法
も用いることを特徴とする。
【0090】第2段階は、顧客行動予測結果の集計52
による対象時点、対象地域における対象サービスの需要
および/または収益予測処理である。第1段階で予測し
た全対象顧客一人一人の選択サービスあるいは商品およ
びそれにより見込める単位期間当たりの収益に基づき、
サービス別に選択顧客および収益を集計することによっ
て、対象サービスの需要および収益を予測する。集計に
当たって、まずセグメント別に集計を行い、次にセグメ
ント間の集計を行う。
【0091】本実施形態での主要対象サービスはISD
Nであり、例えば、セグメントg1に属する顧客のうち
ISDNを選択すると予測された顧客数が120万人、
セグメントg2に属する顧客のうちISDNを選択する
と予測された顧客数が67万人とすると、合計して20
01年1月時点における東京都内のISDNユーザは1
87万人と予測される。また、このISDNを選択する
と予測される187万人の顧客について、フレッツIS
DNのような料金固定制のサービスを利用するのかそれ
とも従量制のサービスを利用するのか、そして従量制の
サービスを利用する顧客についてはどの程度のボリュー
ムで利用するのかをも推定することによって、顧客一人
一人に見込める単位期間当たりの収益と、それの集計に
よる187万人に見込める総収益を予測する。さらに、
2001年1月以降2年間の複数ポイントにおいても、
同じ手順を繰り返すことにより、予測対象シナリオにお
ける全期間の対象サービスISDNの需要予測が完了す
る。
【0092】顧客パターンの発生方法としては 1.全対象顧客の属性組合せを発生させ、 2.各顧客の選択サービスまたは商品、それにより見込
まれる収益をセグメント毎に異なるモデルを用いて予測
し、 3.各セグメント内で対象サービスまたは商品の選択顧
客数と各顧客の利用または購入ボリュームを集計するこ
とによりその需要と収益を求め、 4.さらにセグメント間で集計することにより総需要と
総収益を求め、 5.また、全対象顧客の属性組合せの発生に当たって、
全顧客の属性データを収集してそのまま使う、あるいは
サンプル顧客の属性データに基づき全顧客の属性分布を
推定してシミュレーションにより全顧客の人数分だけ発
生させる、あるいは全顧客の属性データの平均値あるい
は代表値に基づき全顧客の属性分布を仮定してシミュレ
ーションにより全顧客の人数分だけ発生させる。
【0093】本発明では、前述の顧客行動ベース予測段
階5と並行して、個別的予測法や総合的予測法等の従来
手法を用いたマクロ予測による需要および/または収益
予測段階6を実行する。この実績データに基づく予測手
法で十分の精度が得られる場合には、顧客行動ベース予
測段階5をあえて実行する必要はない。しかし、この処
理の本来の狙いは、 ● 顧客行動ベース予測段階5に必要なデータが得られ
ない場合はマクロ予測による処理を行い、顧客行動ベー
ス予測段階5が実行できるものと組み合わせ、予測シナ
リオにおける目的を達成する、 ● 顧客行動ベース予測段階5による結果と比較し、評
価をすることにより、両予測処理を見直し、相互に補正
をし、精度向上を図る、ことである。
【0094】この2つの狙いのために実行される、顧客
行動ベース予測段階5と従来手法を用いたマクロ予測に
よる予測段階6を組み合わせたハイブリッド予測段階7
が、本発明における需要および/または予測方法の特徴
である。これにより、頻繁に変化するマーケット構造を
考慮した需要予測が可能になるとともに、データ不足を
補う効果もある。
【0095】ハイブリッド予測段階7の処理の例を述べ
る。例えば、まずISDNの需要の時系列データを数量
化理論や外挿法等の従来手法により、今後2年間分を予
測する。この予測対象期間内にADSLの参入があり、
光の参入があり、IMT−2000の参入があるとする
と、このような新規イベント発生時点のポイント毎に、
顧客行動ベースの需要予測処理を実行し、ISDNユー
ザのうちADSL、光あるいはIMT−2000に流出
するユーザ数を予測する。そして従来手法による予測結
果から差し引きすることにより、補正した予測結果を求
める。
【0096】ハイブリッド予測段階7では、 1.顧客行動ベースの予測処理の結果と実績ベースの予
測処理の結果を比較・評価し、両処理の相互補正を行う
ことによって精度向上を図る、 2.あるいは前記の相互補正をしつつ、実績ベースの予
測処理の結果を土台としてこれに対して何らかのイベン
トにより誘引された需要および/または収益の変動分を
顧客行動ベースの予測処理により求め積み上げるあるい
は差し引きする、 3.あるいは予測対象期間が顧客行動ベースの予測処理
に必要なデータのみ存在する期間T1、実績ベースの予
測処理に必要なデータのみ存在する期間T2、および両
者が存在する期間T3から成るような場合、期間T3の
部分で前記の相互補正をしつつ相互補正する、さらに上
記3点を必要に応じて組み合わせる、 4.ハイブリッド予測段階7により需要予測を実行する
場合も、顧客行動ベース予測段階5の結果を検証し、予
測精度の向上を図る。
【0097】図5は図1のハイブリッド型需要および/
または収益予測方法を実施するハイブリッド型需要予測
システムの構成図である。
【0098】データ入力装置81は予測を行うための各
種データを処理装置82に入力するためのキーボード等
の入力装置である。処理装置82は図1に示した処理を
行う。記憶装置83は処理装置82が図1に示した処理
を行うにあたって、各種データを一時的に保存する。出
力装置84は予測結果を表示するディスプレイである。
なお、図5のシステムは、図1に示した処理をハイブリ
ッド型需要予測プログラムとしてフロッピィ・ディス
ク、CD−ROM、光磁気ディスク等の記録媒体に記録
しておき、CPUでこれを実行する、パソコン等のコン
ピュータで実現できる。
【0099】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、 ● 提供されるサービスや商品の多様化、 ● サービスや商品に対する顧客の意識や要求の多様
化、 ● 流行となったサービスや商品の社会現象的急増や流
行変化による激減、 ● サービスや商品の提供状況や顧客の意識や要求構造
の変化の頻発、という最近のマーケット構造を考慮でき
るとともに、 ● サービス、顧客、社会・経済環境に関する各種要因
と需要の関係を明確にすることが可能であり、複数のシ
ナリオに基づく需要や収益の予測が可能となる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のハイブリッド型需要予測
方法を示すフローチャートである。
【図2】選択行動モデルの構成を示す図である。
【図3】選択肢集合と選択の階層構造の例を示す図であ
る。
【図4】物理制約、認知制約および興味制約により絞り
込まれるセグメント別の選択肢集合の例を示す図であ
る。
【図5】本発明のハイブリッド型需要予測システムの構
成図である。
【符号の説明】
1 予測シナリオ設定段階 2 選択行動モデル構築段階 3 セグメンテーション段階 4 セグメント別選択行動モデル推定段階 5 顧客行動ベース予測段階 6 実績ベース予測段階 7 ハイブリッド予測段階 11 予測シナリオの設定 21 選択行動モデルの構築 31 セグメンテーション 32 セグメンテーション結果の分析・評価 33 セグメント確定判定 34 フィードバック先判定 41 セグメント別の選択行動モデルの推定 42 推定モデルの分析・評価 43 モデル確定判定 44 フィードバック先判定 51 顧客単位の選択行動予測 52 顧客行動予測結果の集計 61 従来の方法による需要および収益予測 71 集計結果の分析・結果 72 集計結果確定判定 73 フィードバック先判定 74 顧客行動ベースの予測結果と実績ベースの予測
結果の組合せ 81 入力装置 82 処理装置 83 記憶装置 84 出力装置

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の競合サービスおよび/または商品
    が複数の競合事業者によって提供されている状況の下
    で、対象とするサービスおよび/または商品の現在から
    将来に渡る需要および/または収益を予測する方法であ
    って、 予測対象として、想定するサービスまたは商品、顧客、
    関連する環境、時期の予測シナリオの枠組を決定する予
    測シナリオ設定段階と、 予測シナリオの枠組に従い、選択肢であるサービスまた
    は商品、顧客、および意思決定要因の3つの要素からな
    る選択行動モデルを構築する選択行動モデル構築段階
    と、 前記選択肢と前記意思決定要因により顧客およびその選
    択行動モデルをセグメント毎に構築するセグメンテーシ
    ョン段階と、 各種収集データの分析に基づき前記選択行動モデルのパ
    ラメータを決定する選択行動モデル推定段階と、 前記選択行動モデル推定段階で確定したパラメータで表
    現される選択行動モデルを用いて選択行動を予測・集計
    することにより、対象サービスまたは商品の需要および
    /または収益を予測する顧客行動ベース予測段階と、 対象サービスおよび/または商品の需要および/または
    収益の実績データに基づいて将来の需要および/または
    収益を予測する実績ベースマクロ予測段階と、 複数シナリオの下での顧客行動ベース予測段階と実績ベ
    ースマクロ予測段階での予測結果に基づき、予測モデル
    および/または予測結果を組み合わせ、補間および/ま
    たは相互補正を実行するハイブリッド予測段階を有する
    ハイブリッド型需要および/または収益予測方法。
  2. 【請求項2】 前記予測シナリオ設定段階では、サービ
    ス条件または商品の条件、顧客条件、環境条件、予測期
    間の4要素のセットを複数セット設定する予測シナリオ
    に基づいて、選択行動モデルの枠組を決定する、請求項
    1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 予測期間、地域における対象サービスま
    たは商品と、その競合サービスまたは商品の全体集合を
    抽出し、前記各サービスまたは商品の各種特徴に関する
    情報を予測対象期間に対して収集・整理し、予測対象時
    点毎に異なる条件設定を許すことで、前記サービスまた
    は商品の条件を決定する、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 多様な顧客を想定し、予測対象期間、地
    域における対象サービスまたは商品の需要層となる前記
    顧客または顧客グループに関する条件を明確にし、前記
    顧客または顧客グループに関する社会経済属性、サービ
    ス利用形態属性を含む個人属性に関する情報を予測対象
    期間に対して収集・整理し、予測対象時点毎に異なる条
    件設定を許すことで、前記顧客条件を決定する、請求項
    2に記載の方法。
  5. 【請求項5】 対象サービスまたは商品、その顧客を取
    り巻く環境の条件、すなわちサービス条件または商品条
    件と顧客条件以外の条件を明確化し、前記環境に関する
    情報を予測対象期間に対して収集・整理し、予測対象時
    点毎に異なる条件設定を許すことで、環境条件を決定す
    る、請求項2に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記選択行動モデル構築段階と前記セグ
    メンテーション段階において、 選択肢と意思決定要因によって分類される顧客セグメン
    ト毎に選択行動モデルを構築し、 選択行動モデル化とセグメンテーションを繰り返し実行
    することにより、予測シナリオに最も適した選択行動モ
    デルを各意思決定者セグメント毎に確定し、同一セグメ
    ントにおいても予測対象時点毎に異なる選択行動モデル
    の構築を許す、請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記意思決定者セグメント毎の選択行動
    モデルの構築において、 各セグメントの選択肢集合として、前記予測シナリオ設
    定段階で決定された予測期間、地域における全選択肢集
    合の中から、任意の部分集合を設定し、 各セグメントの意志決定プロセスが多階層になる場合
    は、その選択肢集合も多階層に配置し、 同一セグメントにおいても予測対象時点毎に異なる選択
    肢集合とその階層構造の設定を許す、請求項6に記載の
    方法。
  8. 【請求項8】 前記選択肢集合とその階層構造の設定に
    おいて、 予測対象時点、地域、居住環境によって選択可能なサー
    ビスおよび/または商品が異なり、 選択肢集合とその階層構造が顧客あるいは顧客セグメン
    トの認知度および/または興味によって異なる請求項7
    に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記選択肢集合の設定において、 予測対象時点において居住地域下で提供されているサー
    ビスおよび/または商品の集合と、顧客あるいは顧客セ
    グメントがその存在を認知しているサービスおよび/ま
    たは商品の集合と、顧客あるいは顧客セグメントが使い
    たいと興味を持つサービスおよび/または商品の集合の
    3つのサービスおよび/または商品集合が異なることを
    考慮して、各セグメントの選択肢集合を設定する、請求
    項7に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記選択行動モデル構築段階におい
    て、 意志決定要因として、予測シナリオの構成要素と同様に
    サービス属性、顧客属性、意思決定要因を想定し、 同一セグメントにおいても予測対象時点毎に前記属性が
    異なることを許し、 同一セグメントにおいても予測対象時点毎に異なる複数
    の選択行動モデルを有する、請求項1に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記顧客属性として、社会経済的な属
    性、対象サービスまたは商品を含む競合サービスまたは
    商品の利用形態に関する属性を選択行動モデルに組み込
    む、請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記環境属性として、時間属性、競合
    サービスまたは競合商品の提供状態、普及状態を含む地
    域属性、経済属性、関連するサービスまたは商品の流行
    度を含む属性を選択行動モデルに組み込む、請求項10
    に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記選択行動モデル構築段階におい
    て、意思決定要因として時間属性と地域属性を選択行動
    モデルに組み込む、請求項1に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記セグメンテーション段階におい
    て、選択肢集合およびその階層構造、サービスまたは商
    品の属性、顧客属性、環境属性における各構成要素の違
    いと、前記選択肢と前記3つの属性の組み合わせの違い
    によりセグメント毎に選択行動モデルを構築する、請求
    項1に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記セグメンテーション段階におい
    て、サービスまたは商品の属性の特性値および/または
    その分布構造の時間的変化と、顧客属性の特性値、およ
    び/または分布構造の時間的変化と、環境属性の特性値
    および/または分布構造の時間的変化と、選択肢集合と
    その階層構造の時間的変化、の1つまたは複数を考慮
    し、予測対象時間毎に異なるセグメント分割を許す、請
    求項1に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記セグメンテーション段階におい
    て、セグメンテーションに必要なデータの入手可能性
    と、セグメント別に構築された選択行動モデルのパラメ
    ータ推定に必要なデータの入手可能性と、セグメント別
    の選択結果の集計処理に必要なデータの入手可能性と、
    想定セグメント間の集計処理の実行可能性と、想定セグ
    メント間の集計処理による、予測シナリオを満足する結
    果の算出可能性をポイントとして、セグメンテーション
    処理までの一連の処理を繰り返し見直し、選択行動モデ
    ルとセグメントを確定していく、請求項1に記載の方
    法。
  17. 【請求項17】 前記選択行動モデル推定段階におい
    て、顧客の過去および現在のサービスまたは商品の選択
    履歴データと、顧客の将来のサービスまたは商品の選考
    意識データと、サービスまたは商品の属性データと、顧
    客属性データと、環境属性データを収集・分析して、各
    選択行動モデルを推定する、請求項1に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記サービスおよび/または商品の選
    択履歴データとして、実際に行われた選択行動につい
    て、選択肢集合の全要素の属性およびサービス利用の頻
    度、商品の購入数を含む選択結果の変遷を調査したデー
    タを利用する、請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記サービスまたは商品の選考意識デ
    ータとして、調査側が選択肢集合およびその要素サービ
    スまたは商品の特性を予測シナリオに基づいて設定し、
    これらの仮想的な選択肢モデルに対するユーザの反応を
    調査したデータを利用する、請求項17に記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記サービスまたは商品選考意識デー
    タとして、実際の選択行動にはまだ現れていない、しか
    し将来の選択行動につながり得る選考意識データをアン
    ケート調査により収集し、選考意識データに補正処理を
    施すことによって、選択履歴データのように実際の行動
    で裏づけられているデータと同等に扱うことができるよ
    うにする、請求項17に記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記顧客行動ベース予測段階におい
    て、 全対象顧客の属性組合せを発生させ、各顧客の選択サー
    ビスまたは商品、それにより見込まれる収益をセグメン
    ト毎に異なるモデルを用いて予測し、各セグメント内で
    対象サービスまたは商品の選択顧客数と各顧客の利用ま
    たは購入ボリュームを集計することによりその需要およ
    び/または収益を求め、さらにセグメント間で集計する
    ことにより総需要および/または総収益を求め、また全
    対象顧客の属性組合せの発生に当たって、全顧客の属性
    データを収集してそのまま使う、あるいはサンプル顧客
    の属性データに基づき全顧客の属性分布を推定してシミ
    ュレーションにより全顧客の人数分だけ発生させる、あ
    るいは全顧客の属性データの平均値あるいは代表値に基
    づき全顧客の属性分布を仮定してシミュレーションによ
    り全顧客の人数分だけ発生させる、請求項1に記載の方
    法。
  22. 【請求項22】 前記顧客行動ベース予測段階におい
    て、予測シナリオを様々に変えてその需要および/また
    は収益に及ぼす影響を見る、請求項1に記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記ハイブリッド予測段階において、
    顧客行動ベースの予測処理の結果と実績ベースの予測処
    理の結果を比較・評価し、両処理の相互補正を行うこと
    によって精度向上を図り、あるいは前記の相互補正をし
    つつ、実績ベースの予測処理の結果を土台としてこれに
    対して何らかのイベントにより誘引された需要および/
    または収益の変動分を顧客行動ベースの予測処理により
    求め積み上げるあるいは差し引き、 あるいは予測対象期間が顧客行動ベースの予測処理に必
    要なデータのみ存在する期間T1、実績ベースの予測処
    理に必要なデータのみ存在する期間T2、および両者が
    存在する期間T3から成るような場合、期間T3の部分
    で前記の相互補正をしつつ相互補完し、さらに上記3つ
    を必要に応じて組み合わせる、請求項1に記載の方法。
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