JP2002258836A - 固有振動周波数制御装置およびこれを用いた打楽器の自動演奏装置ならびに周波数制御方法 - Google Patents

固有振動周波数制御装置およびこれを用いた打楽器の自動演奏装置ならびに周波数制御方法

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JP2002258836A
JP2002258836A JP2001052167A JP2001052167A JP2002258836A JP 2002258836 A JP2002258836 A JP 2002258836A JP 2001052167 A JP2001052167 A JP 2001052167A JP 2001052167 A JP2001052167 A JP 2001052167A JP 2002258836 A JP2002258836 A JP 2002258836A
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一 森
Eiji Hayashi
英治 林
Masami Yamane
雅巳 山根
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回動軸を中心として振動する部材の振動周波
数を変化させて部材の制御特性を向上させることを目的
とする。 【解決手段】 スティックSが撃心SSを回動軸として
振動する際に、スティックSに上下方向から当接し、ス
ティックSの振動を規制するフィンガ28を備えたハン
ド部18がスライダ12およびボールねじ19によりス
ティックSの長さ方向に沿って、撃心SSに対して前進
または後退可能することで、フィンガ28とスティック
Sの当接箇所を制御することにより、スティックSの振
動周波数を制御する周波数制御装置とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動する部材の振
動周波数を制御する振動周波数制御装置、および、これ
を用いて打楽器を演奏する自動演奏装置、ならびに、振
動周波数制御装置を用いて部材の振動周波数を制御する
制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】回動軸を中心として振動する部材として
は、例えば、電子データに基づいてドラム等の打楽器を
自動演奏する自動演奏装置によりドラム等の膜面を叩く
ように振動するスティックや、荷物による荷重で振動す
るロボットアームのアーム部分等が挙げられる。ここ
で、部材が打楽器の自動演奏装置により振動するスティ
ックの場合について説明する。スティックは、撃心がD
Cモータの回転軸に連結されて回動軸となっており、D
Cモータの回転により撃心を中心として振動する。ま
た、このような自動演奏装置は、サンプリングした電子
データに基づいてDCモータの回転速度や回転角度を制
御する構成を有しており、DCモータの回転により、ス
ティックを真上からドラムの膜面に打ち下ろす動作と、
スティックが膜面を打った瞬間にスティックを跳ね上げ
る動作とが交互に行われることで打奏を再現している。
なお、このような方式をダイレクトドライブ方式と呼
ぶ。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなダイレクトドライブ方式による自動演奏では、人間
による実際の演奏には遠く及ばなかった。これは、人間
は、スティックを跳ね上げる動作と共に、瞬時にスティ
ックを握る指の固さを変えてスティックの跳ね返りの特
性を変化させて連続的な打奏を行う等、高度な技術を無
意識に行うためであり、これに対してダイレクトドライ
ブ方式におけるDCモータの駆動制御では、スティック
の跳ね返りの特性を柔軟に変化させることができないか
らである。したがって、本発明の解決しようとする課題
は、回動軸を中心に振動する部材の振動周波数を変化さ
せて部材の制御特性を向上させることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決する本
発明の請求項1に係る発明は、回動軸を中心として振動
する部材の振動周波数を制御する振動周波数制御装置で
あって、部材の振動方向において部材に当接可能なハン
ド部を二つ備え、各々のハンド部は、部材に当接するフ
ィンガと、フィンガを部材に向けて付勢する弾性部材を
含んで構成される振動周波数制御装置とした。このよう
な振動周波数制御装置は、部材の振動方向において二つ
のハンド部を部材に当接させて部材の振動する角度を規
制することで、部材の振動振幅を制御するものである。
なお、弾性部材は、部材とフィンガが当接位置にあると
き、部材の振動する振動周波数を一定に保ち、かつ、フ
ィンガを部材の振動に追従して運動させるために設けら
れている。
【0005】また、本発明の請求項2に係る発明は、請
求項1に記載の振動周波数制御装置において、ハンド部
は部材に沿って、かつ、回動軸に対して前進または後退
させるスライド機構を備える構成とした。このような振
動周波数制御装置は、スライド機構によりハンド部を前
進または後退させ、振動する部材の回動点からフィンガ
の当接位置までの距離を変化させることで、フィンガの
当接位置での部材の慣性質量を変化させる。つまり、フ
ィンガの当接位置を制御することにより、部材の振動す
る振動周波数を制御するものである。
【0006】さらに、本発明の請求項3に係る発明は、
請求項1また請求項2に記載の振動周波数制御装置と、
部材と、振動周波数制御装置および部材を回動可能に支
持する駆動部と、駆動部に制御信号を与える制御装置と
を有し、部材は打楽器を打奏するためのスティックであ
ることを特徴とする打楽器の自動演奏装置とした。この
ような打楽器の自動演奏装置は、打楽器の膜面を叩くス
ティックが振動する際の振動周波数を振動周波数制御装
置で制御することで、スティックの振動周波数を変化さ
せて、人間の打奏と同等な演奏特性を得るものである。
【0007】また、本発明の請求項4に係る発明は、回
動軸を中心として振動する部材の振動を停止させる振動
周波数制御方法であって、部材が振動する際に部材に当
接することで部材の振幅する際の角度を規制するハンド
部を備え、前記ハンド部を部材に沿って、かつ、角度を
減少させる方向に、回動軸とは独立に移動させることで
部材の振動を停止させる方法とした。このような振動周
波数制御方法によれば、部材が振動する際に、部材の振
動する角度を減少させる方向にハンド部が移動すること
で、部材の振動周波数を強制的に増加させることができ
る。このようにして振動周波数を強制的に増加させると
部材の振動振幅を減少させることができるので、ハンド
部の移動量を制御することにより部材の振動を停止させ
ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を参照
して詳細に説明する。図1は本実施の形態における自動
演奏装置の全体構成図、図2(a)は支持部の正面図で
あり、図2(b)は図2(a)のX−X線断面図であ
る。図1に示すように、自動演奏装置1は、ドラムDを
叩くスティックSの動作を制御することでデジタル信号
に変換された楽曲を演奏する装置であり、制御信号を生
成する制御装置2と、制御信号が入力されるDCモータ
からなる駆動部3と、駆動部3に重心が固定されると共
に、スティックSを回動可能に支持する支持部4とを含
んで構成される。以下に、これらの各構成要素について
説明する。
【0009】まず、制御装置2は、打奏する楽曲のデー
タを取り込み、打奏波形のデータを作成する第1の処理
装置5と、第1の処理装置5からのデータを取得し、こ
のデータに基づいて駆動部3等の駆動量の目標値を作成
する第2の処理装置6、ならびに前記の目標値に基づく
目標信号により駆動部3をフィードバック制御するため
の制御部7とから構成されている。なお、第1の処理装
置5と第2の処理装置6は、分散処理により処理速度を
高め、駆動部3の動作を安定して行うために分離されて
いるが、これらを単一の処理部としても良い。また、制
御部7には、フィードバック制御のためのエンコーダ
や、PWM制御用のアンプ等が含まれる。
【0010】また、駆動部3は、DCモータ等からな
り、DCモータの回転軸が支持部4の重心に固定されて
いる。従って、駆動部3のDCモータの回転軸を回転さ
せると、支持部4が回転し、回転軸を所定角度で回動さ
せることにより支持部4が振動し、これにより、支持部
4に回動可能に支持されているスティックSが振動す
る。なお、回転軸を支持部4の重心に固定したのは、D
Cモータが支持部4を回動させる際に必要なトルク量を
最小限に止めるためである。
【0011】次に、支持部4の構成について、図2
(a)、(b)、及び、図3を用いて説明する。支持部
4は、スティックSの撃心SSを回動自在に支持するフ
レーム11と、スティックSの長手方向に沿って進退自
在に移動するスライダ12を備えた固有振動周波数制御
装置13とから構成されている。なお、スティックSの
撃心SSは、特許請求の範囲に記載の回動軸に相当す
る。
【0012】図2(a)に示すようにフレーム11は、
スティックSの長手方向に沿い、かつ、上下に並行に配
置されるサイドフレーム11aと、上下のサイドフレー
ム11aを連結するエンドフレーム11bとを有し、さ
らに、図2(b)に示すように左右のサイドフレーム1
1bを連結する連結フレーム11cを備えている。ま
た、フレーム11は、ねじれの防止のために対角線上に
架け渡されたクロスフレーム11dを有し、クロスフレ
ーム11dの中心において、スティックSの撃心SSを
回動自在に支持している。図2(b)、および、その一
部拡大図である図3に示すように、スティックSの支持
構造は、スティックSを貫通させたボルト14をクロス
フレーム11dに固着したベアリング16に通し、カラ
ー15a、15bにより位置決めしながら、ボルト14
の先端のねじ部14aをナット17で締めた構造となっ
ている。
【0013】さらに、図2に示すように振動周波数制御
装置13は、スティックSを上下方向から押圧して挟持
するハンド部18を備えたスライダ12と、スティック
Sと並行に配置され、スライダ12をスティックSに対
して進退自在に移動させるボールねじ19を有してい
る。ボールねじ19は、その前端がエンドフレーム11
bに固定されたプレート20に軸支されると共に、後端
がカップリング21を介して、ステッピングモータ(D
Cモータ)22に連結されている。なお、符号23はス
テッピングモータ22をフレーム11の後側の二本のエ
ンドフレーム11bに固定するために架け渡された支持
用フレームである。また、ボールねじ19の上下位置に
は、スライダ12のボールねじ回りの回転を防止するた
めのシャフト24が一本ずつ設けられている。なお、ボ
ールねじ19、シャフト24はスライダ12を貫通する
ように挿通されており、スライダ12、ボールねじ1
9、カップリング21ならびにステッピングモータ22
が特許請求の範囲のスライダ機構に含まれる。
【0014】ハンド部18は、スライダ12の上下方向
の両端からスティックSの前方に向けて延びており、そ
の先端においてスティックSを上下方向から押圧するこ
とでスティックSの振動振幅を規制する押圧部25を有
している。押圧部25は、図4(a)、(b)に示すよ
うにハンド部18の先端に形成された凹部26に挿入さ
れた弾性部材である圧縮コイルバネ27と、圧縮コイル
バネ27によりスティックSに向けて付勢されるフィン
ガ28とからなり、さらにフィンガ28は凹部26に挿
入されるロッド28aとロッド28aの先端に固定され
ている蒲鉾形状の押圧部材28bから構成されている。
なお、凹部26の開口部に形成されたストッパによりフ
ィンガ28が凹部26から飛び出すことを防止してい
る。図4(b)に示すように押圧部材28bは、スティ
ックSの長軸と直交する方向に、その長軸が配置され、
両端部に近い部分のそれぞれにピン29が挿入されてい
る。このピン29は、ハンド部18の先端に形成された
貫通穴30を貫通しており、フィンガ28が上下方向に
移動する際の押圧部材28bのねじれを防止している。
【0015】また、圧縮コイルバネ27は、図4(a)
に示すようにスティックSが振動していない位置(原点
位置)にあるときに上側のフィンガ28と下側のフィン
ガ28がほぼ等しい力でスティックSを押圧する特性を
有すると共に、この位置においてすでに所定量だけ収縮
している。このような構成にすると、スティックSの振
動時に、上下のそれぞれのフィンガ28がスティックS
の上下方向への振動に追従して移動することが可能とな
り、スティックSがフィンガ28から離脱することを防
止できるので、スティックSの振動周波数の制御を確実
に行うことができる。なお、このような特性を有する部
材であれば、板バネ等の他の弾性部材を圧縮コイルバネ
27の替わりに用いることができる。
【0016】ここで、固有振動周波数制御装置13の作
用について図5(a)、(b)を用いて説明する。な
お、理解を容易にするために、図5(a)、(b)に
は、スティックSと、固有振動周波数制御装置13のス
ライダ12およびハンド部18のみを示してある。固有
振動周波数制御装置13のフィンガ28が、例えば、図
5(a)に示す位置にあるときは、スティックSの振動
は、フィンガ28により規制されるので、フィンガ28
の当接箇所におけるスティックSの振動の振幅は矢印A
で示す大きさになる。なお、このときの撃心SSからフ
ィンガ28の当接位置までの距離を回動半径R1とし、
スティックSが上下に振動できる角度(可動角度)をα
1とする。次に、図2に示すステップモータ22でボー
ルねじ19を回転させて、スライダ12を撃心SSより
もスティックの前端側に前進させ、フィンガ28が図5
(b)に示す位置でスティックSを押圧する。この状態
で、スティックSを振動させると、圧縮コイルバネ27
とフィンガ28の特性は変わらないので、フィンガ28
の当接箇所におけるスティックSの振動の振幅は前記と
同様に矢印Aで示す大きさになる。しかし、この場合
は、回動半径はR2で前記のR1より大きくなり、ステ
ィックSの可動角度α2は図5(a)の可動角度α1よ
りも小さくなる。
【0017】ここで、フィンガ28を前進させて回転半
径がR1からR2に大きくなると、撃心SS(回動点)
でのスティックSの慣性モーメントが一定である場合に
は、フィンガ28の当接位置における慣性質量が小さく
なる。そして、慣性質量が小さくなると、圧縮コイルバ
ネ27のバネ定数が一定であるため、振動周波数が大き
くなる。従って、フィンガ28を前進させると、スティ
ックSの振動周波数を大きくすることができる。
【0018】一方、図5(b)の位置から図5(a)の
位置にフィンガ28の押圧位置を後退させると、撃心S
Sからフィンガ28の押圧位置までの距離(回動半径)
がR2からR1に減少する。スティックSの振幅Aを変
化させずに回動半径のみがR1に減少し、スティックS
の可動角度はα2からα1に増大するが、回動半径がR
2からR1に減少することで慣性質量は増加するので、
スティックSの振動周波数は小さくなる。従って、フィ
ンガ28を後退させると、スティックSの振動周波数を
小さくすることができる。つまり、フィンガ28がステ
ィックSを押圧する位置を制御することで、スティック
Sの回動軸である撃心SSからフィンガ28までの距離
(回動半径)を制御し、これによりスティックSの可動
角度、慣性質量および振動周波数を制御することができ
る。ここで、スティックSの振動周波数制御の一例とし
て、フィンガ28の位置を変化させて回動半径を変化さ
せた場合のスティックSの振動周波数の変化を図6に示
す。スティックSの振動周波数は、フィンガ28が前
進、つまり、回動半径が大きくなると大きくなり、フィ
ンガ28が後退すると小さくなることが実証されてい
る。
【0019】さらに、振動周波数制御の他の例として、
スティックSの振動を強制的に停止させる場合について
説明する。まず、スティックSを自由振動させた場合の
スティックSの挙動は、図7(a)に示すようになって
いる。図7(a)に示す軌跡からスティックSの振動周
波数が約16Hzであり、自由振動開始から約0.8秒
後にスティックSの振動が停止することがわかる。な
お、スティックSの位置は先端部分から100mmの位
置の動きをレーザセンサにより測定している。これに対
して、図7(b)に示す時刻T1である1/2周期後に
制御装置2が振動周波数制御装置13にフィンガ28を
数mm前進させる制御信号を出力してフィンガ28とス
ティックSの当接位置を数mmだけ前側に移動させる
と、自由振動開始から約0.3秒、制御信号の出力から
約0.2秒後にスティックSの振動を停止させることが
できた。これは、フィンガ28の当接位置を前方に移動
させてスティックSの振動周波数を強制的に増加させた
際に、スティックSの振動振幅が減少し、スティックS
の振動が停止するためである。なお、このような効果
は、フィンガ28の移動量が大きい場合、および/また
は、フィンガ28の移動速度が大きい場合に得られる。
【0020】また、この場合、スティックSは自由振動
しているため、時間の経過とともにスティックSが振動
する際の振幅も小さくなるので、図7(c)の時刻T2
において振動周波数制御装置13にフィンガ28を前進
させる制御信号を出力しても、自由振動開始から約0.
4秒、制御信号の出力から約1.6秒でスティックSの
振動を停止させることができた。これは、スティックS
を強制振動させた場合でも同様であり、スティックSの
振動中にフィンガ28を前進させることで、スティック
Sの振動を停止させることができ、スティックSの振幅
に合せて、フィンガ28の移動量と移動開始のタイミン
グを制御することで、所望のタイミングでスティックS
を停止させることができることを示している。
【0021】また、図1に示す制御装置2の構成要素で
ある制御部7における制御処理について説明する。制御
部7による振動周波数制御装置13のステッピングモー
タ22の制御は、図8のブロック図に示すように、位置
ループPH、速度ループVHを構成し、第2の処理装置
5で作成した目標信号にフィードバック制御をかけるこ
とで高精度に位置決めされている。ステッピングモータ
22に取り付けた図示しないエンコーダからの信号は、
第1演算部31を構成するカウンタ回路、D/Aコンバ
ータ等により現在位置情報に変換され、加え合せ点32
にフィードバックされ、位置偏差演算部33において目
標位置と現在位置の位置偏差を演算するために用いられ
る。一方、エンコーダから取得した信号は第2演算部3
4にも入力され、第2演算部34を構成する位相分別回
路、F−Vコンバータ等により速度情報に変換され、加
え合せ点35にフィードバックされ、速度偏差演算部3
6において目標の速度と現在速度の速度偏差が演算され
る。位置偏差と速度偏差に基づく信号は増幅器37にお
いて増幅され、目標トルク量、目標速度、目標位置が得
られ、これに基づく制御信号によりステッピングモータ
22が駆動される。なお、駆動部3の制御には、位置ル
ープPHのみのフィードバック制御を行っている他は前
記と同様であるため詳細な説明は省略する。
【0022】次に、このような固有振動周波数制御装置
13を備えた自動演奏装置1を用いてドラムDを実際に
打奏する場合について説明する。なお、ここでは、ドラ
ム独特の演奏技法であるドラムロール打奏を行う場合を
想定し、駆動部3ならびに支持部4をそれぞれ備えたス
ティックSを二組用意し、二組の駆動部3ならびに支持
部4(振動周波数制御装置13)を一つの制御装置2で
制御するものとする。まず、打奏するに際して、あらか
じめ第1の処理装置5に楽曲データを入力しておき、第
2の処理装置6において目標信号を作成する。そして、
この目標信号に基づいて、制御部7で前記のような処理
を行い、駆動部3および振動周波数制御装置13のそれ
ぞれに対して制御信号を出力する。この場合の制御信号
は、例えば、一方の駆動部3に対しては支持部4を8H
zで振動させる信号であり、支持部4の振動周波数制御
装置13に対してスティックSを保持部4の倍の周波数
である16Hzで振動させるような信号である。なお、
このときのフィンガ28の位置は図6に示すように、撃
心SSから約55mmの位置となる。これにより駆動部
3は、8Hz、つまり、一秒間に8回、スティックSで
ドラムDの膜面を叩くように支持部4を振動させ、ステ
ィックSは、振動周波数制御装置13の作用により、一
秒間に16回振動することができるので、スティックS
は支持部4が一回振り下ろされるごとに、2回連続して
膜面を叩き、結果として一つのスティックSが16Hz
で膜面を叩くことになる。ここで、一本のスティックS
の振動周波数を16Hzとしたのは、プロの演奏者がド
ラムロール演奏をする際に片手でドラムDの膜面を叩く
回数が一秒間に16回程度であるため、自動演奏装置1
においても、一本のスティックSが一秒間に膜面を叩く
回数を16回、つまり、スティックの振動周波数を16
Hzとした。
【0023】一方、制御部7は、他方の駆動部3に対し
てはスティックSが振動する際の位相が一方の駆動部3
から半周期(1/32秒)ずれるタイミングで8Hzの
振動をさせ、他方の駆動部3に連結された振動周波数制
御装置13は、フィンガ28の位置を撃心から約55m
mにする制御信号を出力する。他方の駆動部3の駆動を
一方の駆動部3に対して半周期ずらしたのは、一方のス
ティックSが膜面を叩く間に他方のスティックSが膜面
を叩くことで、32Hzのドラムロール打奏を実現する
ためである。
【0024】さらに、このようなドラムロール打奏中
に、フィンガ28の位置を前記の位置から前進または後
退させることで、簡単にドラムDの膜面を叩く振動周波
数を変化させることができ、ドラムローム打奏にアクセ
ントを加えることが可能である。また、振動周波数制御
装置13によりスティックSが膜面を叩く振動周波数を
変化させた場合等において、駆動部3により支持部4が
膜面を叩くように下向きに運動するにも関らず、スティ
ックSが慣性により上向きに振動する可能性がある。こ
のような場合は、スティックSが膜面を正しく叩くこと
ができずに、演奏に抜けが発生してしまうので好ましく
ない。このような抜けを防止するために、振動周波数制
御装置13の作用により2回連続して膜面を叩いた後
に、支持部4が上方に移動する際には、振動周波数制御
装置13がフィンガ28の位置を前進させる。すると、
フィンガ28が前進することで、スティックSの振動周
波数が強制的に大きくなり、スティックSの振動が停止
する。そして、支持部4が上端位置に到達した際に、フ
ィンガ28の位置を元の位置、例えば撃心SSから55
mm、に戻すことにより、支持部4の下向きの運動に伴
い、正しくスティックSで膜面を叩くことが可能にな
る。ここにおいてフィンガ28の移動量は、前記の打奏
にアクセントつける際のフィンガ28の移動量よりも大
きいものとする。
【0025】なお、本発明は前記の実施の形態に限定さ
れずに、広く応用することが可能である。例えば、弾性
部材を備えずにフィンガ28をスティックSから所定距
離離間した位置に固定しても良い。このような構成によ
ってもフィンガ28がステックSの振動を規制するの
で、フィンガ28を前進または後退することによりステ
ィックSの振動周波数を変化させることができる。ま
た、弾性部材によるフィンガ28のスティックSに対す
る当接状態をさらに良好にするために、3本のフィンガ
28を備えた振動周波数制御装置13としても良い。こ
の場合は、3本のフィンガ28は、弾性部材によりステ
ィックSにかけられる押圧力の、スティックSが振動す
る方向の成分が等しくなるような配置にすることが望ま
しい。一方、フィンガ28を一箇所だけに備える構成と
することもできる。この場合は、フィンガ28の移動に
より規制できるスティックSの振動周波数は、フィンガ
28を複数備える場合に比べて小さくなるので、二本の
フィンガ28を備える場合に比べてフィンガ28の移動
量を増加させる必要がある。そして、このような振動周
波数制御装置13は、自動演奏装置1の他の用途に用い
ることもでき、例えばロボットアームが物体を掴んで、
持ち上げた際に発生するアームの揺れを防止するために
用いることができる。この場合は、ロボットアームのア
ーム部を部材として、アーム部に沿ってフィンガ28を
前進また後退させることにより、ロボットアームの先端
部分に負荷がかかった際に発生するロボットアームの振
動を防止し、外乱によるアーム部の位置制御の応答性を
高め、ロボットアームの動作を安定させることが可能と
なる。
【0026】
【発明の効果】本発明は、部材に当接可能なハンド部で
部材の振動する際の角度を規制し、ハンド部を部材に当
接するフィンガとフィンガを部材に向けて付勢する弾性
部材から構成したので、簡単な構成で、従来なしえなか
った部材の振動周波数の柔軟な制御を行うことが可能と
なった。また、ハンド部を部材に沿って前進または後退
させると、部材の振動する角度、慣性質量、および、振
動周波数を簡単に変化させることができる。これによ
り、振動周波数が増大する方向にハンド部を動かして、
部材の振動を停止させることも可能となり、部材の振動
周波数の制御を確実に行うことができる。そして、これ
らのような振動周波数制御装置をドラムの自動演奏装置
に適用することで、スティックの振動周波数を柔軟に変
化させて、人間の打奏と同等な演奏特性を実現すること
が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の振動周波数制御装置を備えた自動演奏
装置の全体構成図である。
【図2】振動周波数制御装置を含む支持部の(a)正面
図および(b)X−X線断面図である。
【図3】図2(b)に示す側面図の一部拡大断面図であ
る。
【図4】振動周波数制御装置のハンド部を一部拡大した
(a)一部破断正面図、(b)一部破断側面図である。
【図5】(a)、(b)振動周波数制御装置の動作を説
明するための図である。
【図6】振動周波数制御装置のフィンガの位置とスティ
ックの振動周波数の関係を示すグラフである。
【図7】(a)自由振動時のスティックの挙動を示す
図、(b)1/2周期後にフィンガの位置を前進させた
場合のスティックの挙動を示す図、(c)5/4周期後
にフィンガの位置を前進させた場合のスティックの挙動
を示す図である。
【図8】制御装置における振動周波数制御装置の制御を
説明するブロック図である。
【符号の説明】
1 自動演奏装置 2 制御装置 3 駆動部 4 支持部 7 制御部 12 スライダ 18 ハンド部 19 ボールねじ 22 ステッピングモータ 25 押圧部 27 圧縮コイルバネ (弾性部材) 28 フィンガ S スティック SS 撃心 (回動中心)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回動軸を中心として振動する部材の振動
    周波数を制御する振動周波数制御装置であって、 前記部材の振動方向において前記部材に当接可能なハン
    ド部を二つ備え、各々の前記ハンド部は、前記部材に当
    接するフィンガと、前記フィンガを前記部材に向けて付
    勢する弾性部材を含んで構成されることを特徴とする振
    動周波数制御装置。
  2. 【請求項2】 前記ハンド部を前記部材に沿って、か
    つ、前記回動軸に対して前進または後退させるスライド
    機構を備えることを特徴とする請求項1に記載の振動周
    波数制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の振動周
    波数制御装置と、前記部材と、前記振動周波数制御装置
    および前記部材を回動可能に支持する駆動部と、前記駆
    動部に制御信号を与える制御装置とを有し、前記部材は
    打楽器を打奏するためのスティックであることを特徴と
    する打楽器の自動演奏装置。
  4. 【請求項4】 回動軸を中心として振動する部材の振動
    を停止させる振動周波数制御方法であって、 前記部材が振動する際に前記部材に当接することで前記
    部材の振幅する際の角度を規制するハンド部を備え、前
    記ハンド部を前記部材の振動面に沿って、かつ、前記角
    度を減少させる方向に、前記回動軸に対して独立に移動
    させることで前記部材の振動を停止させることを特徴と
    する振動周波数制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112991870A (zh) * 2021-02-25 2021-06-18 聊城大学 一种音乐教学用打击乐敲打发音装置及其使用方法

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