JP2002256548A - 建設排泥土の処理方法及び建設排土を充填した土留壁 - Google Patents

建設排泥土の処理方法及び建設排土を充填した土留壁

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建設現場で発生した排泥土を、土留壁等の芯
材としている鋼管を利用して処理できるようにする。 【解決手段】 ソイルセメントと鋼管とによる土留壁等
の施工において、ソイルセメント3の充満した掘削孔4
を形成した際、地上にオーバーフローして排出されたソ
イルセメント(排泥土)を、脱水処理して減量化させ、
この減量化した排泥土の脱水ケーキ5を、挿入した鋼管
パイル1内のソイルセメント3が未硬化のうちに鋼管パ
イル1内に投入することによって、埋め戻し処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建設現場で排出される
泥土、特に、土留めや仕切りとして構築される鋼管を芯
材とする土留壁や鋼管杭の施工等において発生するセメ
ント類を多く含んでいる排泥土を土留壁や鋼管杭の鋼管
を利用して処理する方法及びこの排泥土等を充填した土
留壁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】地下構造物の建設等の現場では、土留め
や仕切り等として、土留壁の構築が行われている。各種
ある土留壁のうち、鋼管柱列土留壁は、止水性に優れる
とともに、施工性がよくしかも高い施工精度が確保でき
るとして知られている。鋼管柱列土留壁は、例えば図5
に示すように、多数の鋼管パイル1,1を柱列状に連結
して埋設するもので、各鋼管パイル1の両外側長手方向
に継手2を設けておき、その鋼管パイル1より大径の掘
削孔4を連続させてソイルセメント3を造成し、その中
に鋼管パイル1,1を継手2で連結しながら沈設して形
成される。
【0003】ところで、上記鋼管柱列土留壁等鋼管を芯
材として構築される土留壁や鋼管杭の施工では、地盤の
掘削とともにソイルセメントが掘削孔からオーバーフロ
ーするため、この排泥土を廃棄処分する必要がある。従
来、この排泥土は、指定された場所に運んで埋立て等に
より処理するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、排泥土を廃棄
場所に運搬処理するには多額の経費を要するとともに、
廃棄場所を確保するのが年々難しくなってきているばか
りでなく、排泥土にはセメントが多く含まれ含水率も高
いことから、産業廃棄物として環境対策上からも厳しい
制約を受け、廃棄処理が増々困難化する状況である。
【0005】本発明は、上記従来の問題点を解決するた
めになされたもので、鋼管柱列土留壁の施工等において
発生した排泥土を脱水処理により減量化したソイルセメ
ントの固形物(脱水ケーキ)とし、これを、土留壁の鋼
管内に投入し、鋼管内のソイルセメントと置換して排泥
土を埋め戻し、建設排泥土の現場内処理を可能とし、排
泥土の運搬費や埋立処理費をなくし、施工費の低減が期
待できる新規な処理方法及びこの排泥土の脱水ケ−キを
鋼管パイルに充填した土留壁を提供しようとするもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するため、鋼管柱列土留壁における鋼管パイル
の利用を図ること及び、それら土留壁等の施工において
発生する排泥土は、これを処理脱水することにより大巾
な減量化が図れる可能性があることに着目し、鋭意研究
を重ねた結果、本発明を形成するに至った。
【0007】本発明の建設排泥土の処理方法は、ソイル
セメントを充填した掘削孔中に鋼管パイルを挿入して形
成する土留壁等の施工において、地上に排出された排泥
土を脱水処理して減量化し、この減量化した脱水ケーキ
を、鋼管パイルの挿入後、ソイルセメントが未硬化の状
態において、鋼管パイル中に投入し、それによって溢流
したソイルセメントを上記同様にして脱水ケーキとして
鋼管パイルへの埋め戻しに使用するようにして、排泥土
の脱水ケーキを鋼管パイル中に埋め戻して行くことを特
徴とする。
【0008】また、本発明の処理方法では、ソイルセメ
ントを充填した掘削孔中に鋼管パイルを挿入して形成す
る土留壁等の施工において、脱水ケーキを、鋼管パイル
に投入し、溢流したソイルセメントをまた脱水ケーキと
して同じ鋼管パイルに投入し、脱水ケーキの投入とソイ
ルセメントの溢流とを繰り返し行うようにすることがで
きる。
【0009】また、本発明の土留壁は、ソイルセメント
を充填した掘削孔中に鋼管パイルを挿入して形成した土
留壁において、建設埋泥土の脱水ケ−キを、土留壁の鋼
管パイル内に充填したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、鋼
管柱列土留壁の施工を例として、図面を参照して説明す
る。図1は本発明方法の施工サイクル・フローの説明
図、図2,図3,図4はそれぞれ脱水ケーキ投入の実施
態様を示し、図5(イ)、(ロ)はそれぞれ土留壁における
鋼管部分の実施態様を示したものである。
【0011】本発明実施態様の対象としている鋼管柱列
土留壁の施工は、従来の施工要領を踏襲して行われる。
すなわち、鋼管柱列土留壁は、図5に示すように、芯材
となる鋼管パイル1には、その外側に継手2が設けられ
ており、ソイルセメント3の充満する掘削孔4を順次形
成しながら、そのソイルセメント3の中に鋼管パイル
1,1を継手2を介して連結しつつ挿入して行き、鋼管
パイル1を芯材とするソイルセメントの土留壁が構築さ
れる。なお、本発明の対象とする土留壁は、上記のもの
に限らず、ソイルセメントと鋼管パイルとの複合による
土留壁であれば、他の構造のものも広く適用でき、また
ソイルセメントと鋼管パイルとによる鋼管杭の施工にも
適用できる。
【0012】上記の施工においては、図1に示すよう
に、掘削孔を形成するための掘削と、セメントミルクの
注入とによって、掘削土砂とセメントミルクとの混合に
よるソイルセメントが地上に大量に排出され、それが処
理を要する建設の排泥土となる。
【0013】本発明の方法は、上記土留壁造成の過程に
おいて実施される。土留壁の造成では、図2(イ)、図3
(イ)、にも示すように、まず、掘削機を用いてセメント
ミルクを注入しながら削孔が行われ、ソイルセメント3
の充満した掘削孔4が連続して形成させるが、その際、
大量のソイルセメント3が地上に排出される。この排出
されたソイルセメント3は回収して、その施工現場内に
おいて、脱水処理装置等を用い、脱水処理して減量化し
た脱水ケーキとする。この処理により排出された未硬化
のソイルセメントの体積は50%程度まで減量化された脱
水ケ−キになるものと想定している。
【0014】なお、排出されるソイルセメント3の回収
は、例えば、掘削孔4の上端部に導溝を設けてこれを回
収用の溜孔に連通しておき、この溜孔から適宜脱水処理
装置に送るようにすることができる。また、ソイルセメ
ントを脱水処理した際に生じた濾水は、セメントミルク
を作製するときの水として再利用できる。
【0015】形成された掘削孔4中に鋼管パイル1を挿
入した後は、図1、図2(ロ)に示すように、ソイルセメ
ント3の充満した鋼管パイル1内に、そのソイルセメン
ト3が硬化しないうちに、上記の脱水ケーキ5を投入す
る。この場合、回収した排泥土には相当量のセメント成
分が含まれているので、脱水処理により硬化状態の脱水
ケーキとなるため、これを未硬化状態にあるソイルセメ
ント中に投入しても、ソイルセメント中に溶け込むこと
は少ない。この脱水ケーキ5の投入によって、鋼管パイ
ル1内からは、再び、投入した脱水ケーキ5とほぼ同量
のソイルセメントが、図1及び図2(ロ)の点線矢印のよ
うに地上に溢流、排出されて、ソイルセメント3と脱水
ケーキ5との置換がなされる。溢流したソイルセメント
は、上記同様脱水処理して脱水ケーキ5とし、その後挿
入される鋼管パイル1等に投入される。
【0016】脱水ケーキ5の鋼管パイル1内への充填
は、鋼管パイル1内にあるソイルセメント3が未硬化の
状態で行うことが必要である。そのためには、掘削孔4
への鋼管パイル1の挿入毎に、脱水ケーキ5の充填を完
了させてから次の掘削孔の形成と鋼管パイル1の挿入へ
と施工を進めるのが得策であるが、これに限定されるも
のではない。
【0017】上記脱水ケーキ5の鋼管パイル1内への充
填可能な体積は、試算によれば60〜70%程度であること
から、土留壁造成現場で発生した排土量の中で、廃棄物
処理場まで運搬して処分する必要のある排土量は、従来
に比べて1/3程度に低減することが可能となり、排土処
理に要する経費はかなり節減できることになる。
【0018】図3は、脱水ケーキの投入工程の他の実施
態様を示したものである。この実施態様では、各鋼管毎
に排出されたソイルセメントの脱水ケーキの埋め戻しを
完了させる場合に適しており、鋼管毎に脱水ケーキの充
填を複数回繰り返して行うことが特徴である。すなわ
ち、図3(イ)のように、掘削孔4に鋼管パイル1を挿入
し、それまでに排出されたソイルセメント3の脱水ケー
キ5を同(ロ)のように鋼管パイル1内に投入する。その
際鋼管パイル1からは、投入した脱水ケーキとほぼ同量
のソイルセメントが点線矢印のように地上に溢流、排出
される。
【0019】そこでまた、このソイルセメントを回収し
て上記同様に脱水ケーキ5とし、図3(ハ)の実線矢印の
ように、これをさらに鋼管パイル中に投入する。それに
よって、また、未硬化のソイルセメントが地上に排出さ
れるので、これを回収して脱水ケーキ5として鋼管パイ
ル1中に投入する。このような地上で回収したソイルセ
メントの減量化(脱水ケーキ化)と、脱水ケーキ5の鋼
管パイル1中への投入、充填を複数回繰返して、図3
(ニ)のように、脱水ケーキ5の鋼管パイル1内への充填
を完了させるのである。
【0020】次に、本発明土留壁の実施態様について説
明する。この土留壁は、ソイルセメント3を充満した掘
削孔の中に鋼管パイル1を柱列状に挿入して形成されて
いる点では従来の土留壁と同様であるが、それら鋼管パ
イル1内には、土留壁の施工時に地上に排出された排泥
土の脱水ケ−キ5が充填される。なお、鋼管パイル1内
へはこの脱水ケ−キのほか、単なる掘削排土等を加えて
充填することができる。
【0021】図4(イ)に示す例は、掘削孔4とその中に
挿入された鋼管パイル1との間にはソイルセメント3が
満たされており、鋼管パイル1の中には、ソイルセメン
ト3を脱水処理して減量化した脱水ケーキ5が充填され
たものとなっている。脱水ケーキ5は、土留壁の施工等
において地上に排出されたソイルセメント3を脱水処理
して作成する。この脱水ケーキは、当該土留壁の施工の
際に排出されたソイルセメントを用いて作成したもので
もよく、あるいは、別の施工において排出されたソイル
セメントを脱水処理した脱水ケーキを用いるようにして
もよい。
【0022】脱水ケーキ5を充填した鋼管内ソイルセメ
ントの圧縮強度は、脱水ケ−キを充填しないときのソイ
ルセメントのそれと比べて2倍程度に向上することから
脱水ケ−キ5を鋼管パイル1内に充填することによっ
て、従来の土留壁における鋼管パイルに比べ、鋼管パイ
ル1の偏平防止効果が向上し、それに加えて、土留壁の
施工によって発生するソイルセメント等の排泥土の処理
が、その施工現場内で行えることになる。
【0023】図4(ロ)に示す例は、さきの例とは鋼管パ
イル1内への充填材料は脱水ケーキ5のみに限ることの
ない点が異なる。脱水ケーキ5以外の材料としては、掘
削等によって出る一般的な掘削排土等が適用される。ソ
イルセメント以外の材料を使用する場合は、それに適量
のセメントを混練し、脱水ケーキ5と同様の強度が得ら
れるようにしてもよい。この例では、図示のように、鋼
管パイル1内の下部に脱水ケーキ5を充填し、その上に
他の充填材料6を充填しているが、その充填順序は逆で
あってもよく、また、脱水ケーキと他の材料7とを混練
して充填することもできる。
【0024】なお、本発明の方法及び土留壁について、
鋼管パイルの使用を例として説明してきたが、この鋼管
パイルに代り中空のコンクリートパイルを使用してもよ
い。また、鋼管パイルに充填する脱水ケーキは、当該土
留壁が排出されたソイルセメントにより作成した脱水ケ
ーキに限ることはなく、別の土留壁等の施工において生
じたソイルセメントより作成した脱水ケーキを使用する
ことができる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の方法によ
れば、鋼管パイルとソイルセメントとによる土留壁等を
構築するにあたって、従来、埋め殺しにされて利用され
ることのなかった土留壁等の鋼管パイルを活用すること
とし、土留壁等の施工において発生した排泥土を脱水処
理によって減量化させ、その減量化された脱水ケーキ
を、鋼管パイル中にある未硬化のソイルセメントと置換
して鋼管パイル中に埋め戻すようにしたので、現今は産
業廃棄物としてその処理が困難化している建設排泥土
を、建設の現場内で容易に処理することが可能となり、
排泥土の運搬や他所への埋め立て処理に要する費用を大
巾に削減でき、建設コストの低減が図れる。
【0026】また、本発明の土留壁によれば、芯材であ
る鋼管パイル内に、ソイルセメントに代って脱水ケーキ
あるいはこれと他の排土等を充填したので、鋼管パイル
の偏平防止効果を向上させることができ、その結果、鋼
管パイルを薄肉管とする等してコストの低減を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の施工サイクル・フローの説明図で
ある。
【図2】脱水ケーキ投入の一実施態様を工程を追って示
した縦断面図である。
【図3】同他の実施態様を工程を追って示した縦断面図
である。
【図4】(イ)、(ロ)は、本発明土留壁の各実施態様
を示した縦断面図である。
【図5】施工の対象となる鋼管柱列土留壁の一例を示し
たもので、(イ)は平面図、(ロ)は側断面図である。
【符号の説明】
1 鋼管パイル 3 ソイルセメント 4 掘削孔 5 排泥土の脱水ケーキ 6 他の材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上原 隆 東京都中央区日本橋室町3−1−3 株式 会社クボタ東京本社内 (72)発明者 横山 陽一 東京都中央区日本橋室町3−1−3 株式 会社クボタ東京本社内 (72)発明者 金森 正誌 東京都中央区日本橋室町3−1−3 株式 会社クボタ東京本社内 (72)発明者 永見 晃一 千葉県市川市塩浜1−6 株式会社クボタ 市川工場内 (72)発明者 土谷 正幸 東京都中央区日本橋室町3−1−3 株式 会社クボタ東京本社内 Fターム(参考) 2D049 EA02 EA13 GC11 GD03 GE04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ソイルセメントを充填した掘削孔中に鋼
    管パイルを挿入して形成する土留壁等の施工において、
    地上に排出された泥土を脱水処理して減量化し、この減
    量化した脱水ケーキを、鋼管パイルの挿入後、ソイルセ
    メントが未硬化の状態において、鋼管パイル内に投入
    し、それによって鋼管パイル内にあるソイルセメントを
    溢流させ、鋼管パイル内への脱水ケーキの埋め戻しを行
    うことを特徴とする、建設排土の処理方法。
  2. 【請求項2】 ソイルセメントを充填した掘削孔中に鋼
    管パイルを挿入して形成する土留壁等の施工において、
    地上に排出された泥土を脱水処理して減量化し、この減
    量化した脱水ケーキを、鋼管パイルの挿入後、ソイルセ
    メントが未硬化の状態において、鋼管パイル内に投入
    し、それによって溢流したソイルセメントを上記同様に
    して脱水ケーキとして鋼管パイル内に投入し、このソイ
    ルセメントと脱水ケーキとの置換作業を反復することに
    より、排泥土の脱水ケーキを鋼管パイル内に埋め戻すこ
    とを特徴とする、建設排泥土の処理方法。
  3. 【請求項3】 ソイルセメントを充填した掘削孔中に鋼
    管パイルを挿入して形成される土留壁において、挿入後
    の各鋼管パイル内に、建設排泥土を脱水処理して減量化
    した脱水ケーキを、充填したことを特徴とする、建設排
    土を充填した土留壁。
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