JP2002251811A - 磁気ヘッド装置 - Google Patents

磁気ヘッド装置

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JP2002251811A
JP2002251811A JP2001045694A JP2001045694A JP2002251811A JP 2002251811 A JP2002251811 A JP 2002251811A JP 2001045694 A JP2001045694 A JP 2001045694A JP 2001045694 A JP2001045694 A JP 2001045694A JP 2002251811 A JP2002251811 A JP 2002251811A
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drum
magnetic tape
magnetic head
head device
fixed drum
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JP2001045694A
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English (en)
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Kentaro Shinkai
健太郎 新階
Tadashi Oami
正 大網
Mizuyoshi Mishiro
瑞美 三代
Shinko Kiko
真弘 喜古
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気テープの走行動作の遷移時等に磁気テー
プが固定部材側から脱落することを確実に防止する。 【解決手段】 回転ドラム12を支軸15を介して回転
可能に支持する上固定ドラム14の外周部に設けられ
て、上固定ドラム14、回転ドラム12及び下固定ドラ
ム13の各外周面に跨ってヘリカル状に走行される磁気
テープ10の位置を規制するために、走行する磁気テー
プ10に対してテープ幅方向に離間された位置に磁気テ
ープ10の厚さより大とされる突出量を以て上固定ドラ
ム14の外周面に略直交する方向に突出されて形成され
た第1の位置規制面51を有する位置規制突部50と、
上固定ドラム14の回転ドラム12に隣接する下端から
上端に向かって外径が次第に拡径されるテーパ状に形成
された第2の位置規制面52とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気テープに対し
て情報を記録再生する磁気ヘッド装置に関し、特に、磁
気テープに対してヘリカルスキャン方式で情報を記録再
生するための回転ドラムを有する回転ドラム型の磁気ヘ
ッド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気テープに対して情報を記録再生する
記録再生装置としては、走行する磁気テープに対して回
転される回転ドラムに設けられた磁気ヘッドによって情
報を記録再生する回転型の磁気ヘッド装置を備えるビデ
オテープレコーダが知られている。
【0003】この種のビデオテープレコーダは、回転ド
ラムの支軸に対して傾斜されてヘリカル状に走行される
磁気テープに所定のアジマス角を以て情報を記録再生す
る、いわゆるヘリカルスキャン方式を用いた回転ドラム
型の磁気ヘッド装置を備えている。
【0004】磁気テープにデジタル形式で情報を記録再
生するビデオテープレコーダに採用されたヘリカルスキ
ャン方式を用いた回転ドラム型の磁気ヘッド装置は、図
示しないが、磁気テープに対して情報を記録再生する磁
気ヘッドが設けられた回転ドラムと、この回転ドラムを
挟んで対向する位置にそれぞれ設けられて回転ドラムを
支軸を介して回転可能に支持する上下一組の上固定ドラ
ム及び下固定ドラムとを備えている。
【0005】回転ドラムには、円盤状に形成されてお
り、外周面に、複数の磁気ヘッドが先端部を僅かに突出
させて設けられている。回転ドラムには、支軸を回転可
能に支持する軸受部材が固定されて設けられている。こ
の軸受部材には、軸方向の両端に、支軸を回転可能に支
持するボールベアリングがそれぞれ設けられている。
【0006】下固定ドラムは、例えばアルミニウム等の
金属材料によって略円筒状に形成されており、支軸の下
端側が固定されて支持されている。下固定ドラムは、外
径が回転ドラムの外径よりやや小に形成されている。下
固定ドラムには、支軸の軸方向に直交する方向に対して
所定の傾斜角を以て回転ドラムに隣接する上端側から下
端側に向かって傾斜されて、磁気テープを外周面に沿っ
てヘリカル状に走行させるように案内するリード部が一
体に形成されている。リード部は、下固定ドラムの外周
面に略直交されて形成されて、走行する磁気テープの側
端が摺接する摺接面を有している。
【0007】また、下固定ドラムは、下端部に支軸の下
端側を支持する軸受部が一体に設けられており、この軸
受部の軸穴に支軸が圧入されて固定されている。また、
下固定ドラム及び回転ドラムが隣接する位置には、回転
ドラムを回転駆動するためのモータが配設されている。
モータは、回転ドラム側に固定されたロータと、コイル
が設けられて下固定ドラム側に固定されたステータと、
ロータに設けられたマグネットと、ロータと一体に設け
られたバックヨークとを有している。
【0008】上固定ドラムは、例えばアルミニウム等の
金属材料によって略円筒状に形成されており、回転ドラ
ムを挟んで下固定ドラムに対向する位置に配設されて、
支軸の上端側を支持している。また、上固定ドラムは、
上端部に支軸の上端側を支持する軸受部が一体に設けら
れており、この軸受部の軸穴に支軸が圧入されて固定さ
れている。また、上固定ドラムには、テープカートリッ
ジの内方に進入させた際にテープカートリッジとの衝突
を避けるために、テープカートリッジに臨まされる上端
側のコーナ部の一部が傾斜面によって切り欠かれた切り
欠き部が設けられている。
【0009】また、上固定ドラム及び回転ドラムが隣接
する位置には、磁気ヘッドに対する信号の授受を行う回
転トランスが配設されている。この回転トランスは、回
転ドラム側に固定されて設けられたロータ側トランス
と、このロータ側トランスに対して所定の間隙をあけて
対峙されて下固定ドラム側に固定されて設けられたステ
ータ側トランスとを有している。
【0010】以上のように構成された磁気ヘッド装置
は、磁気テープのローディング動作時に、テープカート
リッジのテープ引き出し口に進入されて、テープカート
リッジから引き出された磁気テープが、上固定ドラム、
回転ドラム及び下固定ドラムの各外周面に跨ってヘリカ
ル状に走行される。そして、磁気ヘッド装置は、走行す
る磁気テープに対して回転ドラムの磁気ヘッドにより情
報を記録再生する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の磁気ヘ
ッド装置は、テープカートリッジから引き出された磁気
テープを回転ドラムの外周部に沿わせるローディング動
作時に、磁気テープが回転ドラムの外周部に貼り付くこ
とを防止するために、回転ドラムを回転させた状態で行
われている。
【0012】ビデオテープレコーダは、磁気テープのロ
ーディング動作時に、磁気ヘッド装置をテープカートリ
ッジの内方に進入させるように構成された場合、磁気ヘ
ッド装置とテープカートリッジとの衝突を避けるため
に、リード部の支軸の軸方向に平行な位置であるリード
部の高さが、磁気テープが引き出されるテープカートリ
ッジの開口部の高さに対して制約を受けることによっ
て、テープカートリッジから引き出される磁気テープの
テープ幅方向の位置である磁気テープの高さに対してリ
ード部の高さが低く位置されている場合がある。
【0013】この場合、従来の磁気ヘッド装置は、ロー
ディング動作時に、テープカートリッジから引き出され
た磁気テープを上固定ドラム側から下固定ドラム側に向
かって下降させて、磁気テープの側端が下固定ドラムの
リード部の摺接面上に載置される。従来の磁気ヘッド装
置は、磁気テープが下固定ドラムのリード部の摺接面上
に載置されるときに、磁気テープが回転ドラムの外周面
に接触し易くなり、回転ドラムの外周面に接触した磁気
テープに対して回転ドラムの接線方向の力が作用するた
め、磁気テープが弾かれて上固定ドラムを乗り越えて脱
落してしまうという問題がある。磁気ヘッド装置から脱
落した磁気テープは、例えば折曲されて記録面を損傷し
たり、テープ走行経路内に巻き込まれることにより、ビ
デオテープレコーダ内からテープカートリッジを取り出
し不能にさせるという不都合があった。
【0014】また、従来の磁気ヘッド装置は、磁気テー
プを上固定ドラム側から下固定ドラム側に下降させない
ように、テープカートリッジから引き出される磁気テー
プの高さに対して下固定ドラムのリード部の高さをほぼ
等しく位置させて、磁気テープを平行移動させて引き出
して下固定ドラムのリード部に載置させる場合であって
も、磁気テープが回転ドラムに接触することにより、上
固定ドラムを乗り越えてしまう問題がある。
【0015】また、従来の磁気ヘッド装置が組み込まれ
るビデオテープレコーダは、装置内に発生する結露を検
出したときに磁気テープのローディング動作等が行われ
ないように規制する、いわゆる結露センサを備えてい
る。しかしながら、従来の磁気ヘッド装置は、例えばビ
デオテープレコーダが冷えた屋外から暖かい室内に移動
された直後に使用される場合等、結露センサが正常に動
作する前に、ローディング動作が行われてしまったと
き、磁気テープが回転ドラムや上固定ドラムの外周面に
貼り付き易く、磁気テープが上固定ドラムを乗り越えて
脱落してしまうという問題もある。
【0016】さらに、従来の磁気ヘッド装置は、ビデオ
テープレコーダが上下逆さ等の通常使用される向きと異
なる状態でローディング動作が行われた場合、磁気テー
プが重力のために自重で上固定ドラムの上端を乗り越え
てしまうことがある。
【0017】また、従来の磁気ヘッド装置は、通常の磁
気テープの走行状態から例えば早送りや巻戻し等に走行
動作が切り替わるモード遷移時やローディング動作時
に、回転ドラムの外周面と磁気テープとの間の空気層に
変化が起こり、磁気テープが回転ドラムの外周面に貼り
付くことによって、磁気テープが回転ドラムの外周部に
より弾かれて、上固定ドラムを乗り越えてしまうという
異常な動作が発生するという問題がある。
【0018】したがって、従来の磁気ヘッド装置は、回
転ドラムの外周面に沿って走行する磁気テープの異常な
動作の要因である磁気テープに作用するテープテンショ
ンを下げることが考えられる。そして、従来の磁気ヘッ
ド装置は、上固定ドラムの外径を回転ドラムの外径に比
して小さくすることによって、テープテンションを小さ
くすることが可能とされる。しかしながら、従来の磁気
ヘッド装置は、例えば、外周面が支軸の軸方向と平行と
される円筒状の上固定ドラムの外径を小さくすることに
よって、上固定ドラムから磁気テープが脱落し易くなっ
てしまうという問題があった。
【0019】このため、上固定ドラムは、磁気テープの
テープテンションを下げることと、上固定ドラムからの
脱落を防止することを両立することが可能とされる外径
の適用可能領域が設定されている。しかしながら、回転
ドラムの外径より小とされる上固定ドラムの外径として
適用できる適用可能領域が比較的狭いため、従来の磁気
ヘッド装置は、上固定ドラムの外径に比較的高い部品精
度が要求されるという不都合があった。
【0020】そこで、本発明は、磁気テープの走行状態
の遷移時等に磁気テープが固定部材側から脱落すること
を確実に防止することを可能とする磁気ヘッド装置を提
供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため、本発明に係る磁気ヘッド装置は、磁気ヘッドが外
周部に設けられた回転ドラムと、磁気テープの走行を案
内するリード部を有し回転ドラムを支軸を介して回転可
能に支持する固定ドラムと、支軸を支持するとともに回
転ドラムを挟んで固定ドラムに対向する位置に配設され
て外径が回転ドラムの外径より小とされた略円筒状の固
定部材とを備える。また、この磁気ヘッド装置は、固定
部材の外周部に設けられて、少なくとも回転ドラム及び
固定ドラムの各外周面に跨ってヘリカル状に走行される
磁気テープが固定部材側に変位したときに、磁気テープ
のテープ幅方向の側端に当接することにより、磁気テー
プの位置を規制する位置規制手段を備える。そして、位
置規制手段は、走行する磁気テープに対してテープ幅方
向に離間された位置に磁気テープの厚さより大とされる
突出量を以て固定部材の外周面に略直交する方向に突出
されて形成された第1の位置規制面と、固定部材の回転
ドラムに隣接する一端から他端に向かって外径が次第に
拡径されるテーパ状に形成された第2の位置規制面との
少なくともいずれか一方の位置規制面を有する。
【0022】以上のように構成した磁気ヘッド装置は、
固定ドラムのリード部に沿って走行する磁気テープが固
定部材側に変位した際、磁気テープの側端が位置規制手
段が有する第1の位置規制面及び第2の位置規制面の少
なくともいずれか一方に当接することにより、磁気テー
プが移動することが規制されて固定部材側から脱落する
ことが防止される。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施形態
について、磁気ヘッド装置を図面を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、磁気ヘッド装置1は、磁気
テープ10に対して情報を記録再生する磁気ヘッド11
が設けられた回転ドラム12と、この回転ドラム12を
支軸15を介して回転可能に支持する下固定ドラム13
と、回転ドラム12を挟んで下固定ドラム13に対向す
る位置に設けられた上固定ドラム14とを備えており、
いわゆる3層型をなしている。
【0024】回転ドラム12は、図1及び図2に示すよ
うに、例えばアルミニウム等の金属材料によって略円盤
状に形成されており、中央が支軸15に回転可能に支持
されている。回転ドラム12は、支軸の軸方向の厚さ
が、磁気テープ10のテープ幅の約1/2程度に形成さ
れている。回転ドラム12には、複数の磁気ヘッド11
が、先端を外周面に設けられた開口から外方に僅かに突
出させてそれぞれ配設されている。
【0025】図2に示すように、磁気ヘッド11は、ヘ
ッドベース17上に固定されて設けられており、このヘ
ッドベース17を介して回転ドラム12に設けられてい
る。ヘッドベース17は、回転ドラム12に対する磁気
ヘッド11の先端の位置を調整可能とする調整ネジ18
を介して回転ドラム12に固定されている。したがっ
て、ヘッドベース17は、調整ネジ18の押圧力によっ
て調動されて、磁気ヘッド11の先端部の位置が調整さ
れる。
【0026】また、回転ドラム12には、図2に示すよ
うに、支軸15を回転可能に支持する軸受部材20が固
定されて設けられている。軸受部材20には、軸方向の
両端に、支軸15を回転可能に支持するボールベアリン
グ21,21がそれぞれ設けられている。また、回転ド
ラム12には、図示しないが、弾性変位可能な板バネ状
の接触子を有するターミナルが取り付けられており、接
触子を介して磁気ヘッド11と後述する回転トランスの
ロータ側トランスが電気的に接続されている。
【0027】下固定ドラム13は、例えばアルミニウム
等の金属材料によって略円筒状に形成されており、支軸
15の下端側が固定されて支持されている。下固定ドラ
ム13は、外径が回転ドラム12の外径よりやや小に形
成されている。
【0028】下固定ドラム13には、支軸15の軸方向
に直交する方向に対して所定の傾斜角を以て回転ドラム
12に隣接する上端側から下端側に向かって傾斜され
て、磁気テープ10を外周面に沿ってヘリカル状に走行
させるように案内するリード部24が一体に形成されて
いる。リード部24は、下固定ドラム13の外周面に略
直交されて形成されて、走行する磁気テープ10の側端
が摺接する摺接面を有している。
【0029】また、下固定ドラム13は、下端部に支軸
15の下端側を支持する軸受部26が一体に設けられて
おり、この軸受部26の軸穴27に支軸が圧入されて固
定されている。また、下固定ドラム13及び回転ドラム
12が隣接する位置には、図2に示すように、回転ドラ
ム12を回転駆動するためのモータ30が配設されてい
る。モータ30は、回転ドラム12側に固定されたロー
タ31と、コイル33が設けられて下固定ドラム13側
に固定されたステータ32と、ロータ31に設けられた
マグネット34と、ロータ31と一体に設けられたバッ
クヨーク35とを有している。また、下固定ドラム13
には、外周部に、モータ30に電気的に接続された端子
部37が設けられており、この端子部37に駆動電力を
供給するフレキシブル回路板38の一端が電気的に接続
されて固定されている。
【0030】上固定ドラム14は、例えばポリカーボネ
イト等の樹脂材料によって射出成形されており、例えば
Cを30%を含有させることにより静電気の発生が防止
されている。上固定ドラム14は、図1及び図2に示す
ように、略円筒状に形成されており、回転ドラム12を
挟んで下固定ドラム13に対向する位置に配設されて、
支軸15の上端側を支持している。
【0031】上固定ドラム14は、図2に示すように、
上端部に支軸15の上端側を支持する軸受部39が一体
に設けられており、この軸受部39の軸穴40に支軸1
5が圧入されて固定されている。また、上固定ドラム1
4には、テープカートリッジの内方に進入させた際にテ
ープカートリッジとの衝突を避けるために、テープカー
トリッジに臨まされる上端側のコーナ部の一部が傾斜面
によって切り欠かれた切り欠き部41が設けられてい
る。
【0032】また、上固定ドラム14及び回転ドラム1
2が隣接する位置には、図2に示すように、磁気ヘッド
11に対する信号の授受を行う回転トランス45が配設
されている。この回転トランス45は、回転ドラム12
側に固定されて設けられたロータ側トランス46と、こ
のロータ側トランス46に対して所定の間隙をあけて対
峙されて下固定ドラム13側に固定されて設けられたス
テータ側トランス47とを有している。
【0033】そして、上固定ドラム14の上端側には、
図1及び図3に示すように、下固定ドラム13のリード
部24に沿って走行する磁気テープ10の側端から所定
距離だけ離間した位置に、磁気テープ10が上固定部ド
ラム14側に変位することを規制する位置規制突部50
が一体に形成されている。この位置規制突部50は、磁
気テープ10の走行方向の進入端側に位置して形成され
ており、上固定ドラム14の外周面に略直交する第1の
位置規制面51を有している。第1の位置規制面51
は、下固定ドラム13のリード部24と略平行に形成さ
れており、上固定ドラム14の外周面から磁気テープ1
0の厚さより大とされる例えば0.5mm程度の突出量
を以て突出されている。
【0034】なお、図示しないが、第1の位置規制面5
1は、磁気テープ10の側端が当接した際に磁気テープ
10を損傷させるような例えば鋭角をなす形状等でなけ
れば、磁気テープ10の側端に向かって突出された円弧
状に形成されてもよい。また、第1の位置規制面は、例
えば複数のピンを設けることによって、不連続な複数の
面で形成されてもよい。
【0035】また、上固定ドラム14の外周部には、図
4に示すように、回転ドラム12の隣接する下端から上
端に向かって外径が次第に大とされるテーパ状に傾斜さ
れて、磁気テープ10が上固定ドラム14側に変位する
ことを規制する第2の位置規制面52が形成されてい
る。すなわち、上固定ドラム14は、外径が下端から上
端に向かって次第に拡径されている。上固定ドラム14
は、上端の最大外径が、回転ドラム12に比して半径が
30μm程度小さく形成されており、第2の位置規制面
52が、支軸15の軸方向に対する傾斜角θが2度程度
に形成されている。
【0036】上固定ドラム14によれば、図4に示すよ
うに、外周面が第2の位置規制面52とされることによ
って、ローディング動作時や磁気テープ10の動作遷移
時に下固定ドラム13のリード部24に沿って走行する
磁気テープ10が上固定ドラム14側に変位したときで
あっても、磁気テープ10の側端が第2の位置規制面5
2に当接されて、磁気テープ10が移動することが規制
されるため、磁気テープ10が上固定ドラム14の上端
側を乗り越えて脱落することが防止される。
【0037】ここで、上述した上固定ドラム14は、外
径が下端から上端に向かって次第に拡径されて形成され
たことにより、磁気テープ10の脱落を防止することが
可能とされたが、上固定ドラムの外径が、下端から上端
に向かって次第に縮径された場合と、上固定ドラムの外
径が、下端から上端に亘って等しく支軸の軸方向と平行
に形成された場合とについて比較例を参照して簡単に説
明する。
【0038】例えば図5に示すように、比較例1の磁気
ヘッド装置201は、磁気ヘッドを有する回転ドラム2
12と、この回転ドラム212を支軸(図示せず)を介
して回転可能に支持する上下一組の上固定ドラム214
及び下固定ドラム213とを備えている。下固定ドラム
213の外周部には、リード部217が設けられてい
る。上固定ドラム214は、外径が、回転ドラム212
の外径より小とされるとともに、下端から上端に向かっ
て次第に縮径されたテーパ状の外周面218が形成され
ている。
【0039】以上のように構成された磁気ヘッド装置2
01によれば、磁気テープ205を下固定ドラム213
のリード部217に押さえる力が小さくなるため、ロー
ディング動作時や動作遷移時に磁気テープ205に緩み
が生じたときに、上固定ドラム214側に浮き上がる傾
向が大きくなる。このため、磁気ヘッド装置201は、
リード部217に沿って走行する磁気テープ205が上
固定ドラム214側に変位したとき、磁気テープ205
の側端が上固定ドラム214のテーパ状の外周面218
に沿って移動するため、上固定ドラム214の上端を容
易に乗り越えて脱落してしまう。また、この磁気ヘッド
装置201によれば、ローディング動作時等に磁気テー
プ205が回転ドラム212の外周面に接触して上固定
ドラム214側に弾かれたときに、上固定ドラム214
の外周面218に沿って容易に脱落してしまう。
【0040】また、例えば 図6に示すように、比較例
2の磁気ヘッド装置202は、磁気ヘッドを有する回転
ドラム222と、この回転ドラム222を支軸(図示せ
ず)を介して回転可能に支持する上下一組の上固定ドラ
ム224及び下固定ドラム223とを備えている。下固
定ドラム223の外周部には、リード部227が設けら
れている。上固定ドラム224は、外径が、回転ドラム
222の外径に比して直径で例えば50μm程度小とさ
れるとともに、下端から上端に亘って等しくされた外周
面228が形成されている。
【0041】以上のように構成された磁気ヘッド装置2
02によれば、回転ドラム222の外径に比して上固定
ドラム224の外径が直径で50μm以上小とされるこ
とにより、磁気テープ205を下固定ドラム223のリ
ード部227に押さえる力が小さくなるため、ローディ
ング動作時や動作遷移時に磁気テープ205に緩みが生
じたときに、上固定ドラム224側に浮き上がる傾向が
大きくなる。このため、この磁気ヘッド装置202によ
れば、磁気ヘッド装置201と同様に、リード部227
に沿って走行する磁気テープ205が上固定ドラム22
4側に変位したとき、磁気テープ205の側端が上固定
ドラム224の外周面228に沿って移動するため、上
固定ドラム224の上端を乗り越えて脱落してしまう。
【0042】したがって、磁気ヘッド装置1が備える上
固定ドラム14は、下端から上端に向かって次第に拡径
された第2の位置規制面52が形成されることにより、
ローディング動作時等に磁気テープ10が回転ドラム1
2の外周面に接触して上固定ドラム14側に弾かれたと
きであっても、磁気テープ10の側端が第2の位置規制
面52に当接されて移動が規制されるため、磁気テープ
10が上固定ドラム14の上端から脱落することが確実
に防止される。
【0043】つぎに、上固定ドラム14の最大外径とな
る上端の半径と回転ドラム12の半径との差と、上固定
ドラム14に対する磁気テープ10の状態との関係につ
いて図面を参照して説明する。
【0044】図7において、横軸は、回転ドラム12の
半径に対して小とされる上固定ドラム14の半径の差x
(μm)を示している。縦軸は、上固定ドラム14に対
する磁気テープ10の貼り付く傾向に対応する貼り付き
領域Sと、上固定ドラム14側に磁気テープ10の浮
き上がる傾向に対応する浮上領域Sと、これら貼り付
き領域Sと浮上領域Sとの間に位置して好適とされ
る適用可能領域Sとをそれぞれ示している。また、縦
軸において、各貼り付き領域S及び浮上領域Sは、
適用可能領域Sに近接する側に向かって各領域S
の傾向が小さくなり、適用可能領域Sから離間す
る側に向かって各領域S,Sの傾向が大きくなる。
【0045】上固定ドラム14は、図7に示すように、
回転ドラム12の半径に比して最大半径が小さくされる
ことに伴って、浮上傾向が徐々に大きくなる。したがっ
て、上固定ドラム14は、回転ドラム12の半径に対す
る最大半径の差xが、およそ10μm〜80μmとされ
ており、適用可能領域Sのほぼ中央に位置される80
μm程度小さく形成されることが好ましい。
【0046】しかしながら、上固定ドラム14は、磁気
テープ10の進入端側の位置規制突部50を設けること
によって、磁気テープ10の脱落を防止することが可能
とされるため、従来の適用可能領域に比して適用可能領
域Sが拡大されて、最大半径が例えば150μm程度
小さくされても、磁気テープ10が脱落することを充分
に防止することが可能とされる。すなわち、上固定ドラ
ム14は、第1の位置規制面51を有する位置規制突部
50と、第2の位置規制面52とがそれぞれ形成される
ことによって、従来の磁気ヘッド装置の上固定ドラムの
外径の適用可能領域を広げることが可能とされる。
【0047】したがって、上固定ドラム14に要求され
る部品精度を緩和することが可能とされる。このため、
上固定ドラム14は、部品精度を確保することが比較的
困難とされる樹脂材料を用いて形成することが可能とさ
れて、樹脂材料によって形成することによって、金属材
料によって形成する場合に比して製造コストを低減する
とともに、生産性を向上することができる。
【0048】以上のように構成された磁気ヘッド装置1
について、回転ドラム12の外周面に沿ってヘリカル状
に走行される磁気テープ10の動作を説明する。
【0049】磁気ヘッド装置1は、磁気テープ10のロ
ーディング動作時に、テープカートリッジ(図示せず)
のテープ引き出し口に進入されて、テープカートリッジ
から引き出された磁気テープ10が、上固定ドラム1
4、回転ドラム12及び下固定ドラム13の各外周面に
跨ってヘリカル状に走行される。
【0050】磁気ヘッド装置1は、磁気テープ10のロ
ーディング動作時や磁気テープ10の動作遷移時等に磁
気テープ10が上固定ドラム14側に変位したときに、
磁気テープ10の側端が位置規制突部50の第1の位置
規制面51及び第2の位置規制面52に当接されるた
め、磁気テープ10が上固定ドラム14の上端を乗り越
えて脱落することが確実に防止される。
【0051】また、磁気ヘッド装置1は、磁気テープ1
0が回転ドラム12の外周面に接触して弾かれた場合で
あっても、第1の位置規制面51に当接されるため、上
固定ドラム14の上端を乗り越えて脱落することが確実
に防止される。そして、磁気ヘッド装置1は、走行する
磁気テープ10に対して回転ドラム12の磁気ヘッド1
1により情報を記録再生する。
【0052】上述したように、磁気ヘッド装置1は、上
固定ドラム14に位置規制突部が設けられたことによっ
て、上固定ドラム14側に変位する磁気テープ10の側
端が位置規制突部50の第1の位置規制面51に当接さ
れて変位が規制されるため、磁気テープ10が上固定ド
ラム14の上端を乗り越えて脱落することが確実に防止
することができるとともに、回転ドラム12の外径に対
して小とされる上固定ドラム14の外径の適用可能領域
を広げることが可能とされて、上固定ドラム14に要求
される部品精度を緩和することができる。
【0053】このため、この磁気ヘッド装置1によれ
ば、部品精度を確保することが比較的困難とされる樹脂
材料によって上固定ドラム14を形成することが可能と
されて、製造コストを低減することができる。また、磁
気ヘッド装置1は、樹脂材料によって形成される上固定
ドラム14に位置規制突部50が一体成形されることに
より、製造コストの更なる低減が図られるとともに生産
性を向上することができる。
【0054】また、磁気ヘッド装置1によれば、上固定
ドラム14の外周部に第2の位置規制面52が設けられ
たことによって、上固定ドラム14側に変位する磁気テ
ープ10の側端が第2の位置規制面52に当接されて変
位が規制されるため、上固定ドラム14の上端から磁気
テープ10が脱落することを更に確実に防止することが
できる。
【0055】さらに、磁気ヘッド装置1によれば、例え
ばビデオテープレコーダが冷えた屋外から暖かい室内に
移動された直後に使用される場合等、結露センサが正常
に動作する前に、ローディング動作が行われてしまった
ときであっても、磁気テープ10が上固定ドラム14か
ら脱落することを確実に防止することができる。また、
磁気ヘッド装置1によれば、ビデオテープレコーダが上
下逆向き等の異常な状態でローディング動作が行われた
場合であっても、磁気テープ10が上固定ドラム14か
ら脱落することを確実に防止することができる。
【0056】また、上述した磁気ヘッド装置1は、上固
定ドラム14に、磁気テープ10の進入端側に位置して
位置規制突部50が設けられたが、磁気テープ10の退
出端側に位置して位置規制突部が設けられた他の磁気ヘ
ッド装置について図面を参照して説明する。なお、この
他の磁気ヘッド装置は、上述した磁気ヘッド装置1と上
固定部材を除く構成が同一とされるため、同一部材には
同一符号を付して説明を省略する。
【0057】図8及び図9に示すように、磁気ヘッド装
置2が備える上固定ドラム64は、例えばポリカーボネ
イト等の樹脂材料によって射出成形されて略円筒状に形
成されており、外周面に、磁気テープ10の走行方向の
退出端側に位置して、磁気テープ10が上固定ドラム6
4側に変位することを規制する位置規制突部65が一体
に形成されている。
【0058】この位置規制突部65は、上固定ドラム6
4の外周面に略直交する第1の位置規制面66を有して
おり、この第1の位置規制面66が下固定ドラム13の
リード部24と略平行に形成されている。
【0059】また、上固定ドラム64の外周部には、回
転ドラム12に隣接する下端から上端に向かって外径が
次第に拡径されることにより、磁気テープ10が上固定
ドラム64側に変位することを規制するテーパ状の第2
の位置規制面67が形成されている。この第2の位置規
制面67は、支軸15の軸方向に対する傾斜角が2度程
度に形成されている。
【0060】上述した磁気ヘッド装置2によれば、磁気
テープ10が上固定ドラム64側に変位したとき、磁気
テープ10の走行方向の退出端側に位置する第1の位置
規制面66に磁気テープ10の側端が当接されるため、
磁気テープ10が上固定ドラム64の上端を乗り越えて
脱落することを確実に防止することができる。
【0061】また、この磁気ヘッド装置2によれば、上
固定ドラム64の退出端側に位置規制突部が設けられる
ことによって、ローディング動作及びアンローディング
動作時に、磁気テープ10の位置より高い位置に設ける
ことが可能とされるため、ローディング動作及びアンロ
ーディング動作時に磁気テープ10が位置規制突部65
に接触することが避けられて、磁気テープ10の損傷を
防止することができる。さらに、磁気ヘッド装置2は、
上固定ドラム64の退出端側に位置規制突部65が設け
られたことによって、上固定ドラム64の厚みを小さく
することができるため、磁気ヘッド装置2全体の小型化
を図ることが可能とされる。
【0062】また、図示しないが、上固定ドラムには、
磁気テープ10の走行方向の進入端側及び退出端側に位
置規制突部がそれぞれ形成されるように構成されてもよ
い。さらに、上固定ドラムには、ローディング動作時に
上固定ドラムとテープカートリッジとの衝突が避けるこ
とが可能とされる場合等のテープカートリッジとの相対
位置に応じて、進入端側の位置規制突部と退出端側の位
置規制突部が連続されて形成されてもよい。
【0063】なお、上述した上固定ドラム14,64に
設けられた位置規制突部50,65は、上固定ドラム1
4,64に一体に形成されたが、上固定ドラム14,6
4に別部品として組み付けられるように構成されてもよ
く、例えば金属材料によって形成されて例えばMIM
(Metal Injection Molding)法によって一体に成形さ
れてもよいことは勿論である。また、上固定ドラムは、
必要に応じて金属材料によって形成されてもよい。
【0064】また、上述した磁気ヘッド装置1,2は、
上固定ドラム14,64の外周部に、下端から上端に向
かって次第に拡径されたテーパ状の第2の位置規制面5
2,67が形成されたが、第1の位置規制面51,66
を備えることによって、上固定ドラム14,64の外径
が下端から上端に向かって次第に縮径されたテーパ状の
外周面が形成されてもよい。
【0065】例えば図10に示すように、磁気ヘッド装
置3は、回転ドラム72を挟んで設けられた上下一組の
上固定ドラム74及び下固定ドラム73を備えている。
【0066】上固定ドラム74は、外径が、下端から上
端に向かって次第に縮径されたテーパ状の外周面76が
形成されている。また、上固定ドラム74の外周部に
は、磁気テープ10の走行方向の進入端側に、磁気テー
プ10が上固定ドラム74側に変位することを規制する
第1の位置規制面78を有する位置規制突部77が、磁
気テープ10の側端から所定距離だけ離間された位置に
一体に形成されている。
【0067】また同様に、例えば図11に示すように、
磁気ヘッド装置4は、回転ドラム82を挟んで設けられ
た上下一組の上固定ドラム84及び下固定ドラム83を
備えている。上固定ドラム84は、外径が、下端から上
端に向かって次第に縮径されたテーパ状の外周面が形成
されている。また、上固定ドラム84の外周部には、磁
気テープ10の走行方向の退出端側に、磁気テープ10
が上固定ドラム84側に変位することを規制する第1の
位置規制面88を有する位置規制突部87が、磁気テー
プ10の側端から所定距離だけ離間された位置に一体に
形成されている。
【0068】以上のように構成された磁気ヘッド装置
3,4は、第1の位置規制面88を有する位置規制突部
87が、磁気テープ10の走行方向の進入端側又は退出
端側に位置して設けられたことにより、上固定ドラム8
4側に変位する磁気テープ10の側端が、第1の位置規
制面88に当接されるため、上固定ドラム84の上端を
乗り越えて脱落することを確実に防止することができ
る。
【0069】すなわち、磁気ヘッド装置3,4によれ
ば、磁気テープ10が上固定ドラム84側に浮き上がる
傾向が大きくなり、上固定ドラム84の上端から磁気テ
ープ10が脱落し易くなるが、第1の位置規制面88に
よって磁気テープ10が脱落することを充分に防止する
ことができる。
【0070】また、図示しないが、上固定ドラムは、第
1の位置規制面を備えることにより、外径が下端側から
上端側に亘って等しくされたストレート形状に形成され
ても、磁気テープ10が脱落を防止する効果を維持する
ことができる。
【0071】また、上述した磁気ヘッド装置1,2,
3,4は、第1の位置規制面が設けられた上固定ドラム
を備える構成とされたが、上述した第2の位置規制面の
みが設けられた上固定ドラムを備える構成とされてもよ
い。例えば図12に示すように、磁気ヘッド装置5は、
回転ドラム92を挟んで設けられた上下一組の上固定ド
ラム94及び下固定ドラム93を備えている。
【0072】上固定ドラム94は、外径が、下端から上
端に向かって次第に拡径されたテーパ状とされて、磁気
テープ10が上固定ドラム94側に変位することを規制
する位置規制面96が形成されている。
【0073】以上のように構成された磁気ヘッド装置5
によれば、上固定ドラム94の外周部に、位置規制面9
8が形成されたことによって、上固定ドラム94側に変
位する磁気テープ10の側端が位置規制面98に当接さ
れるため、磁気テープ10が上固定ドラム94の上端か
ら脱落することを防止することができる。すなわち、磁
気ヘッド装置5は、上固定ドラム94の外周部に位置規
制面96が設けられることにより、例えば上述したよう
な位置規制突部50が設けられなくても、磁気テープ1
0が上固定ドラム94の上端から脱落することを防止す
ることができる。
【0074】したがって、磁気ヘッド装置としては、例
えば磁気ヘッド装置1のように第1及び第2の位置規制
面51,52をそれぞれ形成された上固定ドラム14を
備える構成が最も好ましいが、第1の位置規制面と第2
の位置規制面との少なくともいずれか一方の位置規制面
が上固定ドラムに設けられることによって、磁気テープ
10の脱落を防止することができる。
【0075】最後に、上述した例えば磁気ヘッド装置1
は、回転ドラム12を挟んで上固定ドラム14及び下固
定ドラム13が設けられる、いわゆる3層型に構成され
たが、回転ドラムを固定ドラムのみにより回転可能に支
持される、いわゆる2層型に構成されてもよい。
【0076】図13及び図14に示すように、2層型の
磁気ヘッド装置6は、磁気テープ10に対して情報を記
録再生する磁気ヘッド111を有する回転ドラム112
と、この回転ドラム112を支軸115を介して回転可
能に支持する固定ドラム113と、回転ドラム112の
上端を磁気テープ10が乗り越えて脱落することを防止
するために磁気テープ10の位置を規制する位置規制部
材114とを備えている。
【0077】回転ドラム112は、例えばアルミニウム
等の金属材料によって略円盤状に形成されており、中央
が支軸115に回転可能に支持されている。回転ドラム
112は、支軸115の軸方向の厚さが、磁気テープ1
0のテープ幅より大に形成されている。回転ドラム11
2には、複数の磁気ヘッド111が、先端を外周面に設
けられた開口から突出させてそれぞれ配設されている。
これら磁気ヘッド111は、ヘッドベース117上に固
定されて設けられており、このヘッドベース117を介
して回転ドラム112に設けられている。ヘッドベース
117は、回転ドラム112に対する磁気ヘッド111
の先端の位置を調整可能とする調整ネジ118を介して
回転ドラム112に固定されている。したがって、ヘッ
ドベース117は、調整ネジ118の押圧力によって調
動されて、磁気ヘッド111の先端の位置が調整され
る。また、回転ドラム112は、軸受部材120を介し
て支軸115を回転可能に支持している。軸受部材12
0には、軸方向の両端に、支軸115を回転可能に支持
するボールベアリング121,121がそれぞれ配設さ
れている。また、回転ドラム112には、図示しない
が、弾性変位可能な板バネ状の接触子を有するターミナ
ルが取り付けられており、接触子を介して磁気ヘッド1
11と後述する回転トランスのロータ側トランスが電気
的に接続されている。
【0078】固定ドラム113は、例えばアルミニウム
等の金属材料によって略円筒状に形成されており、支軸
115の下端側が固定されて支持されている。固定ドラ
ム113は、外径が回転ドラム112の外径よりやや小
に形成されている。
【0079】固定ドラム113には、支軸115の軸方
向に直交する方向に対して所定の傾斜角を以て回転ドラ
ム112に隣接する上端側から下端側に向かって傾斜さ
れて、磁気テープ10を外周面に沿ってヘリカル状に走
行させるように案内するリード部124が一体に形成さ
れている。リード部124は、固定ドラム113の外周
面に略直交されて形成されて、走行する磁気テープ10
の側端が摺接する摺接面を有している。
【0080】また、固定ドラム113は、下端部に支軸
115の下端側を支持する軸受部126が一体に設けら
れており、この軸受部126の軸穴127に支軸115
が圧入されて固定されている。また、位置規制部材11
4及び回転ドラム112が隣接する位置には、図14に
示すように、回転ドラム112を回転駆動するためのモ
ータ130が配設されている。モータ130は、回転ド
ラム112側に固定されたロータ131と、コイル13
3が設けられて位置規制部材114側に固定されたステ
ータ132と、ロータ131に設けられたマグネット1
34とを有している。
【0081】位置規制部材114は、例えばポリカーボ
ネイト等の樹脂材料によって射出成形されており、例え
ばCを30%を含有させることにより静電気の発生が防
止されている。位置規制部材114は、図13及び図1
4に示すように、略円筒状に形成されており、回転ドラ
ム112を挟んで固定ドラム113に対向する位置に配
設されて、支軸115の上端側を支持している。
【0082】位置規制部材114は、図14に示すよう
に、上端部に支軸115の上端側を支持する軸受部13
9が一体に設けられており、この軸受部139の軸穴1
40に支軸115が圧入されて固定されている。また、
位置規制部材114には、テープカートリッジの内方に
進入させた際にテープカートリッジとの衝突を避けるた
めに、テープカートリッジに臨まされる上端側のコーナ
部の一部が傾斜面によって切り欠かれた切り欠き部14
1が設けられている。
【0083】また、固定ドラム113及び回転ドラム1
12が隣接する位置には、図14に示すように、磁気ヘ
ッド111に対する信号の授受を行う回転トランス14
5が配設されている。この回転トランス145は、回転
ドラム112側に固定されて設けられたロータ側トラン
ス146と、このロータ側トランス146に対して所定
の間隙をあけて対峙されて固定ドラム113側に固定さ
れて設けられたステータ側トランス147とを有してい
る。
【0084】そして、位置規制部材114の上端側に
は、図13及び図14に示すように、固定ドラム113
のリード部124に沿って走行する磁気テープ10の側
端から所定距離だけ離間した位置に、磁気テープ10が
位置規制部材114側に変位することを規制する位置規
制突部150が一体に形成されている。この位置規制突
部150は、磁気テープ10の走行方向の進入端側に位
置して形成されており、位置規制部材114の外周面に
略直交する第1の位置規制面151を有している。第1
の位置規制面151は、固定ドラム113のリード部1
24と略平行に形成されており、位置規制部材114の
外周面から磁気テープ10の厚さより大とされる例えば
0.5mm程度の突出量を以て突出されている。
【0085】また、位置規制部材114の外周部には、
回転ドラム12の隣接する下端から上端に向かって外径
が次第に大とされるテーパ状に傾斜されて、磁気テープ
10が位置規制部材114側に変位することを規制する
第2の位置規制面152が形成されている。すなわち、
位置規制部材114は、外径が下端から上端に向かって
次第に拡径されている。位置規制部材114は、上端の
最大外径が、回転ドラム112に比して半径が30μm
程度小さく形成されており、第2の位置規制面152
が、支軸115の軸方向に対する傾斜角が2度程度に形
成されている。
【0086】位置規制部材114によれば、外周面が第
2の位置規制面152とされることによって、ローディ
ング動作時や磁気テープ10の動作遷移時に固定ドラム
113のリード部124に沿って走行する磁気テープ1
0が位置規制部材114側に変位したときであっても、
磁気テープ10の側端が第2の位置規制面152に当接
されて、磁気テープ10が移動することが規制されるた
め、磁気テープ10が位置規制部材114の上端側を乗
り越えて脱落することが防止される。
【0087】以上のように構成された磁気ヘッド装置6
は、磁気テープ10のローディング動作時に、テープカ
ートリッジのテープ引き出し口に進入されて、テープカ
ートリッジから引き出された磁気テープ10が、回転ド
ラム112及び固定ドラム113の各外周面に跨ってヘ
リカル状に走行される。
【0088】磁気ヘッド装置6は、磁気テープ10のロ
ーディング動作時や磁気テープ10の動作遷移時に磁気
テープ10が位置規制部材114側に変位したときに、
磁気テープ10の側端が位置規制突部150の第1の位
置規制面151及び第2の位置規制面152に当接され
るため、磁気テープ10が位置規制部材114の上端を
乗り越えて脱落することが確実に防止される。
【0089】また、磁気ヘッド装置6は、磁気テープ1
0が回転ドラム112の外周面に接触して弾かれた場合
であっても、第1の位置規制面151に当接されるた
め、位置規制部材114の上端を乗り越えて脱落するこ
とが確実に防止される。そして、磁気ヘッド装置6は、
走行する磁気テープ10に対して回転ドラム112の磁
気ヘッド111により情報を記録再生する。
【0090】上述した磁気ヘッド装置6によれば、位置
規制部材114側に変位する磁気テープ10が、位置規
制部材114に設けられた位置規制突部150の第1の
位置規制面151及び第2の位置規制面152に当接す
ることにより、磁気テープ10が位置規制部材114の
上端を乗り越えて脱落することを確実に防止することが
できる。
【0091】
【発明の効果】上述したように本発明に係る磁気ヘッド
装置によれば、固定部材側に変位した磁気テープの側端
が、位置規制手段の第1の位置規制面又は第2の位置規
制面に当接するため、磁気テープが固定部材側から脱落
することを確実に防止することができる。
【0092】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気ヘッド装置を示す側面図であ
る。
【図2】上記磁気ヘッド装置を示す縦断面図である。
【図3】上記磁気ヘッド装置を示す平面図である。
【図4】上記磁気ヘッド装置の上固定ドラムを説明する
ために示す模式図である。
【図5】比較例1の磁気ヘッド装置を説明するために示
す模式図である。
【図6】比較例2の磁気ヘッド装置を説明するために示
す模式図である。
【図7】回転ドラムに対する上固定ドラムの外径の差と
特性の関係を示す図である。
【図8】第1の位置規制面が磁気テープの退出端側に位
置された他の磁気ヘッド装置を示す側面図である。
【図9】上記他の磁気ヘッド装置を示す平面図である。
【図10】第2の位置規制面が異なる更に他の磁気ヘッ
ド装置を示す模式図である。
【図11】他の磁気ヘッド装置を示す模式図である。
【図12】また更に他の磁気ヘッド装置を示す側面図で
ある。
【図13】他の2層型の磁気ヘッド装置の一例を示す側
面図である。
【図14】上記2層型の磁気ヘッド装置を示す縦断面図
である。
【符号の説明】
1 磁気ヘッド装置、10 磁気テープ、11 磁気ヘ
ッド、12 回転ドラム、13 下固定ドラム、14
上固定ドラム、15 支軸、24 リード部、50 位
置規制突部、51 第1の位置規制面、52 第2の位
置規制面
フロントページの続き (72)発明者 三代 瑞美 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 喜古 真弘 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気ヘッドが外周部に設けられた回転ド
    ラムと、 磁気テープの走行を案内するリード部を有し、上記回転
    ドラムを支軸を介して回転可能に支持する固定ドラム
    と、 上記支軸を支持するとともに上記回転ドラムを挟んで上
    記固定ドラムに対向する位置に配設されて、外径が上記
    回転ドラムの外径より小とされた略円筒状の固定部材
    と、 上記固定部材の外周部に設けられて、少なくとも上記回
    転ドラム及び上記固定ドラムの各外周面に跨ってヘリカ
    ル状に走行される磁気テープが上記固定部材側に変位し
    たときに、磁気テープのテープ幅方向の側端に当接する
    ことにより、磁気テープの位置を規制する位置規制手段
    とを備え、 上記位置規制手段は、走行する磁気テープに対してテー
    プ幅方向に離間された位置に磁気テープの厚さより大と
    される突出量を以て上記固定部材の外周面に略直交する
    方向に突出されて形成された第1の位置規制面と、上記
    固定部材の上記回転ドラムに隣接する一端から他端に向
    かって外径が次第に拡径されるテーパ状に形成された第
    2の位置規制面との少なくともいずれか一方を有するこ
    とを特徴とする磁気ヘッド装置。
  2. 【請求項2】 上記回転ドラムは、上記支軸の軸方向の
    厚さが、磁気テープのテープ幅より小とされて、磁気テ
    ープが上記固定部材、上記回転ドラム及び上記固定ドラ
    ムの各外周面に跨って走行されることを特徴とする請求
    項1に記載の磁気ヘッド装置。
  3. 【請求項3】 上記回転ドラムは、上記支軸の軸方向の
    厚さが、磁気テープのテープ幅より大とされて、磁気テ
    ープが上記回転ドラム及び上記固定ドラムの各外周面に
    跨って走行されることを特徴とする請求項1に記載の磁
    気ヘッド装置。
  4. 【請求項4】 上記固定部材には、磁気テープの走行方
    向の進入端側及び退出端側の少なくともいずれか一方に
    位置して、上記第1の位置規制面を有する位置規制突部
    が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘ
    ッド装置。
  5. 【請求項5】 上記第1の位置規制面は、上記固定ドラ
    ムの上記リード部と略平行に形成されたことを特徴とす
    る請求項4に記載の磁気ヘッド装置。
  6. 【請求項6】 上記第1の位置規制面は、磁気テープの
    側端に向かって突出された円弧状に形成されたことを特
    徴とする請求項4に記載の磁気ヘッド装置。
  7. 【請求項7】 上記固定部材は、樹脂材料によって形成
    されたことを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘッド装
    置。
  8. 【請求項8】 上記第1の位置規制面は、不連続な複数
    の面によって形成されたことを特徴とする請求項1に記
    載の磁気ヘッド装置。
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