JP2002248516A - 極低炭素鋼の熱間圧延方法 - Google Patents

極低炭素鋼の熱間圧延方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極低炭素鋼の熱間圧延において、過加熱によ
るオシレーション待機・空冷時間の発生による生産能率
の低下や、バーニングスケール、エッジシームといった
表面品質不良の発生を防止する。 【解決手段】 粗圧延での脱スケールパターンを初期の
設定に対して変更し、過加熱の場合は脱スケール水を噴
射する箇所を、初期の設定の脱スケールパターンに対し
て増やし、加熱不足の場合は脱スケール水を噴射する箇
所を、初期の設定の脱スケールパターンに対して減ら
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、極低炭素鋼の熱間
圧延方法に関し、特に、被圧延材である極低炭素鋼の熱
間粗圧延における温度を、脱スケール装置を用いて調整
し、バーニングスケールやエッジシームのような品質不
良の発生を抑制する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱間圧延とは、金属材料を数100〜千
数100℃に加熱した後、熱間圧延ライン上に抽出し、
搬送しつつローラーで圧延することをいう。熱間圧延ラ
インには図5(a)に示す、ステッケルミルと呼ばれる
タイプ、同(b)に示す半連続と呼ばれるタイプであっ
て、粗圧延機14と仕上圧延機16が別々にあり、粗圧
延機では往復圧延し、仕上圧延機では一方向圧延するタ
イプ、同(c)に示す3/4連続と呼ばれるタイプであ
って、(b)のタイプのものの粗圧延機14を複数(多
くの場合4基)とし、そのうち一部(多くの場合1基)
を往復圧延するものとし、残りを一方向圧延するものと
するタイプ(4基中3基が一方向のタイプに限らず、例
えば3基中2基が一方向のタイプ等も含め、3/4連続
という)のものなどがある。
【0003】これら熱間圧延ラインは一般に、被圧延材
12を圧延中に被圧延材の自熱によってその表面に生成
しつづける酸化物スケールを除去する目的で脱スケール
装置13を設置してあるのが一般的である。この脱スケ
ール装置は被圧延材12の圧延進行に伴い次々生成して
くるスケールを除去するために適宜複数設置されること
が多く、さらにその原理は高圧の水ジェットである場合
が殆どである。
【0004】図において、10A、10B、10Cは加
熱炉、12は被圧延材、15はファーネスコイラ、R1
〜R4は粗圧延機スタンド、F1〜F7は仕上圧延機ス
タンド、18A、18Bはコイラである。
【0005】ここで、本発明の契機となった問題点につ
いての話に移るが、熱間圧延では、一般に、図6に示す
ように、複数の被圧延材12A、12B…12I…が、
加熱炉10内で連続的に加熱される。一方、各被圧延材
の加熱温度目標は、各被圧延材の伸び、強度などの機械
的な品質や表面性状として要求される品質を確保するた
めに、各被圧延材毎に個別に設定される。
【0006】そのため、同図に示すように、例えば抽出
時の加熱温度目標が1150℃の被圧延材12A〜12
Dに続いて、加熱温度目標が1100℃の被圧延材12
E〜12Iが加熱されるような場合が生じる。すると、
加熱温度目標が急激に変更になる被圧延材(例えば12
E、12F)において、炉温の設定が変更しても、すぐ
に被圧延材の加熱温度実績が追随せず、加熱温度目標を
上回る過加熱状態となる。
【0007】また、不慮のトラブルにより、熱間圧延ラ
イン全体が長時間操業中断してしまったような場合も、
やはり被圧延材は過加熱状態となる。
【0008】この加熱炉抽出時の過加熱は、粗圧延機を
出た後の仕上圧延機の入側における被圧延材の温度にお
いても高め外れとなる。このように、仕上圧延機の入側
における被圧延材の温度が、ある一定の温度を上回る
と、そのままでは予定より高い温度で仕上圧延され、仕
上圧延後製品の上記した機械的品質が確保できなくなる
場合があるほか、仕上圧延中の復熱により被圧延材表面
に酸化物スケールが発生してその状態で仕上圧延される
結果、該酸化物スケールが被圧延材中に押し込まれる、
バーニングスケールと呼ばれる表面品質不良が発生する
場合もある。
【0009】従って従来は、粗圧延機最終スタンドを通
過した後、仕上圧延機の入側において、粗圧延後の被圧
延材(以下、シートバーとも称する)を往復動作させる
オシレーションによって、被圧延材を待機させ、仕上圧
延後製品の良好な機械的品質が得られるような適正な温
度まで空冷した後、該被圧延材の仕上圧延を行ってい
た。それ故、前記のオシレーションに要する時間だけ、
被圧延材の搬送が遅延して、圧延能率が大幅に低下して
いた。
【0010】さて、次は逆のケースであるが、例えば加
熱温度目標が1100℃の被圧延材12A〜12Dに続
いて、加熱温度目標が1150℃の被圧延材12E〜1
2Iが加熱されるような場合も生じる。すると、加熱温
度目標が不連続となる部分の被圧延材(例えば12E、
12F)において、加熱温度目標変更後の加熱温度実績
が、すぐに追随せず、加熱温度目標を下回る加熱不足状
態となる。
【0011】この加熱炉抽出時の加熱不足により、粗圧
延中の被圧延材の温度が低くなる。このように、粗圧延
中の被圧延材の温度が低いと、次に述べるような作用に
より、エッジシームと呼ばれる表面品質不良が発生する
場合もある。
【0012】この不良は、特に極低炭素鋼の熱間圧延の
場合に顕著に現れやすい。低炭素鋼(軟鋼)と比べる
と、その差ははっきりとしている。エッジシームの発生
原因は、加熱温度実績が低い場合に、図7にイメージ的
に示す如く、被圧延材12のコーナー部12Zが粗圧延
初期段階で局部的に強く放冷し降温するのに加え、更に
脱スケール水により局部的に強く冷却されることによ
り、その部分が変態して結晶粒が粗大化し、続く粗圧延
でロール14Rにより被圧延材12が長手方向に伸ばさ
れる結果、他の部分の結晶と比較して伸び差が出てしま
い、筋状になるから、とされている。
【0013】極低炭素鋼の場合、低炭素鋼と比較すると
変態温度が高く、低炭素鋼(軟鋼)と同じ温度で粗圧延
してもコーナー部が局部変態しやすいこと、しかも変態
温度の直上と直下での変形抵抗の違いが大きく、コーナ
ー部とそうでない部分で被圧延材長手方向の伸び差が際
立つことに加え、大気中でのスケール成長速度が小さく
てエッジシームの発生した部分が剥離しにくいこと、が
手伝って、仕上圧延後の製品にまで粗圧延で発生したエ
ッジシームが残存しやすいもの、と推定されている。
【0014】このような問題に関する先行技術として
は、特開昭51−86050号がある。この特開昭51
−86050号では、粗圧延工程に設置されたスプレイ
冷却装置を用いて、50〜100℃の範囲で被圧延材を
冷却し、仕上圧延機入側における待機・空冷時間を大幅
に短縮することが提案されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この特
開昭51−86050号による方法は、高張力鋼板の製
造に限定されたものであり、冷却する条件も、例えば、
冷却水を噴射する、しないのフラグ設定や、被圧延材の
通過速度といった条件も予め設定され、固定されている
ため、図3において説明したような、加熱炉内の被圧延
材の接続の仕方によって発生する加熱温度目標の不連続
や、不慮のトラブルによる熱間圧延ライン全体の長時間
の操業中断などに伴い発生する過加熱などには対処でき
ないという問題点を有していた。
【0016】本発明は、従来技術の問題点を解決するべ
くなされたもので、1つは仕上圧延機入側におけるオシ
レーションによる待機・空冷によってロスしてしまう無
駄時間を削減することにより、高い能率で圧延操業でき
るようにすること、もう1つはバーニングスケールやエ
ッジシームのような表面品質不良の発生を抑制するこ
と、を課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、極低炭素鋼の
熱間圧延において、粗圧延での脱スケールパターンを初
期の設定に対して変更し、過加熱の場合は脱スケール水
を噴射する箇所を、本来の脱スケールパターンに対して
増やし、加熱不足の場合は脱スケール水を噴射する箇所
を、本来の脱スケールパターンに対して減らすことによ
り、前記課題を解決したものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施形態を詳細に説明する。
【0019】まず、極低炭素鋼とは、質量%でC:0.
01%未満、P:0.050%以下、S:0.050%
以下、残部Feおよび不可避的不純物から成る鋼であ
る。Cの質量%が軟鋼と呼ばれる一般用鋼材(低炭素鋼
ともいう)と比べ、1桁低い含有量であるほかは、JI
S G 3131に規定する熱間圧延軟鋼板及び鋼帯の
化学成分と同じと考えてよい。
【0020】熱間圧延ラインとしては、図1に示すよう
な、3/4連続のタイプの熱間圧延ライン(図5(c)
のタイプの派生形)を例に取り、以下、説明する。
【0021】図1において、30は、当事者間でミルペ
ーシングと呼ばれる搬送時間スケジュール予測装置3
2、仕上圧延機入側圧延材温度目標値や脱スケールパタ
ーンの初期設定を行うための設定装置38、温度分布計
算装置44、仕上圧延機入側温度予測装置46、脱スケ
ールパターン設定装置48を含む冷却制御装置である。
【0022】図1中に符号13で示すような、脱スケー
ル装置をどう使うか、が本発明のポイントである。
【0023】もしもいま、丁度適正温度に加熱されたな
らば、本来、表1(1)のような脱スケール装置の使用
パターン(初期の設定:図1中では設定装置38に記
憶)で脱スケールが行われる被圧延材12があるとす
る。これはまさに極低炭素鋼の例を示している。
【0024】
【表1】
【0025】ここで、HSBは、図2に示す如く、脱ス
ケール装置13の中でも、被圧延材の加熱炉抽出後の搬
送履歴からして、最初に設けられたホットスケールブレ
ーカ、R1−1、2、3は、それぞれ粗圧延機スタンド
R1の1、2、3回目、R2−1、2、3は、それぞれ
粗圧延機スタンドR2の1、2、3回目、R3は粗圧延
機スタンドR3(1回目のみ)をそれぞれ示す。
【0026】本来この脱スケール装置の使用パターン
(以下、脱スケールパターンと称する)は、該被圧延材
12の属性、主として材質、例えば金属中のC含有量が
質量%で0.01%未満の極低炭素鋼であるとか、同
0.01%以上0.1%未満の低炭素鋼であるとか、同
0.1%以上0.5%未満の中炭素鋼であるとか、同
0.5%以上の高炭素鋼であるとか、あるいはCrを含
有量にして質量%で5%以上含有するとか、Niを0.
5%以上含有するとかいった材質により、経験的に予め
被圧延材12の圧延前に適宜決定され、図1中に符号3
8で示される設定装置内に設定され、記憶されている。
そして該被圧延材12が熱間圧延ラインに抽出されるご
とに、個々の被圧延材12の属性設定データとして紐付
けされて、該被圧延材12の搬送、圧延処理の進行とと
もに該被圧延材12に伴って熱間圧延ライン上を仮想的
に進行していく。該被圧延材12が進行してくると、そ
れが到着した設備においては、図示しないホットメタル
ディテクタ等により、これを捉え、前述の紐付けされた
属性設定データに従って処理が行われる。脱スケール装
置における脱スケール水の噴射はこれに従う。
【0027】ここでもしいま、表1(1)のような脱ス
ケール装置の使用パターンで本来脱スケールが行われる
極低炭素鋼の被圧延材12が、加熱炉10内で過加熱に
なったとする。本発明の実施の形態とは、1つはこの過
加熱の程度に応じ、適宜、脱スケール水を噴射する箇所
を増やす、というものである。
【0028】例えば、脱スケール水を噴射する箇所を1
箇所増やすと、仕上圧延機の入側温度に換算して10℃
の被圧延材12の温度降下が得られることが経験的にわ
かっていた、とすると、もしも、加熱炉からの抽出時点
における被圧延材12の温度が、仕上圧延機の入側温度
に換算して、20℃高くなると予測された場合、例えば
表1(2)に示すように、脱スケール水を噴射する箇所
を、本来の脱スケールパターンに対し、2箇所増やせば
良い。逆に、加熱炉からの抽出時点における被圧延材1
2の温度が、仕上圧延機の入側温度に換算して、20℃
低くなると予測された場合、例えば表1(3)に示すよ
うに、脱スケール水を噴射する箇所を、本来の脱スケー
ルパターンに対し、2箇所減らせば良い。ここで1の位
未満の端数は切り捨てるなり切り上げるなり適宜決定し
てよい。また、どこの脱スケール水を噴射する箇所を増
やしたり減らしたりするか、は表1(2)や(3)の例
に示すものに限るものではなく、適宜決めれば良い。ま
た、ここでは3/4連続のタイプの熱間圧延ラインを例
に取り説明したが、熱間圧延ラインは図5(a)(b)
(c)のいずれによるものであっても、粗圧延のどの箇
所、あるいはどの段階、あるいはどのパスで脱スケール
水を噴射するしない、の脱スケールパターンの変更は適
宜行うことができるから、熱間圧延ラインは図5(a)
(b)(c)のいずれによるものであっても、各タイプ
に応じ、本発明の実施の形態は適宜修正して適用可能で
ある。この設定が図1中48で示される脱スケールパタ
ーン設定装置にて設定され、脱スケール装置の側は実際
にそれに従って、脱スケール水の噴射、非噴射を制御さ
れる。
【0029】このような要領で、過加熱や加熱不足の程
度に応じ、適宜、脱スケール水を噴射する箇所を増やし
たり減らしたりしていくように脱スケールパターンを設
定するのである。
【0030】ここで、加熱不足の際に脱スケール水を噴
射する箇所を減らし過ぎると、ついには1箇所も脱スケ
ール水を噴射する箇所がなくなって脱スケールが行われ
ない、という事態を回避するため、最低1箇所とかn箇
所とか、脱スケール水を噴射する箇所の最低数限度を設
けた方が賢明である。
【0031】仕上圧延機の入側温度に換算した値で決め
ることについては特に理由はなく、ここでは仕上圧延機
の入側温度が当業者間で慣用されている被圧延材12の
温度管理指標だから、これで決めているにすぎず、以上
の説明の例はあくまで一つの例である。よって、仕上圧
延機の入側温度に限らず、加熱炉抽出時の被圧延材12
の温度のほか、使用者の都合によりまたはその他の状況
に応じて適宜他の被圧延材12の温度指標を使っても良
い。いずれにせよ、バーニングスケールやエッジシーム
の発生の有無は、被圧延材12の加熱温度と相関がある
ことは過去の経験からわかっているため、何らかの被圧
延材12の粗圧延中温度に相関のある温度指標を使う。
【0032】ここでは、上記の説明の例に登場した被圧
延材12の仕上圧延機の入側温度を温度指標にするも
の、として以下に話を続けるが、加熱炉10からの抽出
時点における被圧延材12の温度が、仕上圧延機の入側
温度に換算して、どれだけになるか、も経験的な方法、
あるいは詳説しない前記搬送時間スケジュール予測装置
32により、予測する。
【0033】経験的な方法とは、例えば、加熱炉からの
抽出時点における被圧延材12の温度と、仕上圧延機の
入側温度と、の実績的な値が、2つのケースで既知であ
ったとすると、その中間の加熱炉からの抽出時点におけ
る被圧延材12の温度である被圧延材12がきた場合
に、仕上圧延機の入側温度を線形補完して予測する、と
いう方法である。例えば、 (1)加熱炉からの抽出時点における被圧延材12の温
度が1240℃である場合に仕上圧延機の入側温度が1
060℃ (2)加熱炉からの抽出時点における被圧延材12の温
度が1100℃である場合に仕上圧延機の入側温度が1
030℃ であることが、実績的な値として経験的にわかっていた
場合、もしも加熱炉からの抽出時点における被圧延材1
2の温度が上記(1)(2)の中間である1170℃の
被圧延材12がきた場合には、仕上圧延機の入側温度も
上記(1)(2)の中間である1045℃と予測するよ
うにすることである。このロジックは簡単に数式化でき
るので省略するが、機能的には図1中46で示される位
置にくる。
【0034】ここで、加熱炉からの抽出時点における被
圧延材12の温度は、従来から使用されている、次に述
べるような差分計算などの方法により求めるのが1つの
方法である。図3に模式的に示すように、被圧延材12
は複数のスキッドレール24上に該スキッドレール24
と直交する方向に配置され、被圧延材12の幅方向(図
1における炉内搬送方向を示す矢印方向)に、加熱炉入
口から出口に向かってステップ的に進行するようになっ
ている。そして、図示しない加熱炉内温度計は常時加熱
炉の炉壁温度を測定している。一方、温度分布計算装置
44においては、例えば、図3に示すような仮想的なメ
ッシュに被圧延材12を分割した場合における各格子点
26上の温度を差分計算によって求め、図3中、被圧延
材12の中央部における各格子点26の温度を全点で平
均するなどして、最初にいった加熱炉からの抽出時点に
おける被圧延材12の温度とすればよい。もちろん、本
発明の実施の形態に用いることのできる方法はこれに限
るものではなく、メッシュ中のある代表点の温度を以っ
て最初にいった加熱炉からの抽出時点における被圧延材
12の温度としてもよいし、あるいは考え方を変え、加
熱炉内の抽出口近くに図示しない被圧延材12の表面温
度を実測するための温度計を別途設置し、これによる被
圧延材12の表面温度実測値を以って最初にいった加熱
炉からの抽出時点における被圧延材12の温度とするな
どしてもよい。
【0035】尚、脱スケール水の圧力は、ポンプ圧で1
0〜30MPaが好適であり、脱スケール装置13の噴
射位置から、被圧延材表面までの距離は100〜300
mmが好適である。
【0036】10MPa未満あるいは300mm超で
は、脱スケール水の被圧延材表面への衝突圧が十分でな
く、脱スケール性が悪化し、仕上圧延後の被圧延材にま
でスケールが残存するため10MPa以上、300mm
以下がよい。
【0037】一方、30MPaを超えると、ポンプ電力
が嵩んで経済的でなく、100mmを下回ると、被圧延
材に反りが生じた場合に機械的に衝突し、脱スケール装
置を破損する問題がある。よって、30MPa以下、1
00mm以上がよい。
【0038】(実施例)以下の実施例では、いずれも、
質量%でC:0.005%、P:0.025%、S:
0.008%、残部Fe及び不可避的不純物から成る鋼
を被圧延材として使用した。
【0039】(実施例1)加熱炉からの抽出時点におけ
る被圧延材12の温度が、目標1100℃に対し実績1
193℃になって抽出された。仕上圧延機の入側温度に
換算して、目標1030℃に対し、1050℃と、20
℃高くなると予測された。
【0040】ここで、本発明の実施の形態の脱スケール
パターンである表1(2)を使用した。表1(2)に示
すように、脱スケール水を噴射する箇所を、本来の脱ス
ケールパターンである表1(1)に対し、2箇所増やし
た。
【0041】脱スケール水を噴射する箇所を1箇所増や
すと、仕上圧延機の入側温度に換算して10℃の被圧延
材12の温度降下が得られることが経験的にわかってい
たからである。
【0042】その結果は、図4に示す如く、従来なら2
7秒程度の待機・空冷時間が発生すべきところ、実際に
は待機・空冷時間は全く発生しなかった。また、従来
1.70%の割合で発生していたバーニングスケール
が、本発明の適用により、0.23%まで発生が抑制さ
れた。
【0043】(実施例2)加熱炉からの抽出時点におけ
る被圧延材12の温度が、目標1100℃に対し実績1
007℃になって抽出された。仕上圧延機の入側温度に
換算して、目標1030℃に対し、1010℃と、20
℃低くなると予測された。
【0044】ここで、本発明の実施の形態の脱スケール
パターンである表1(3)を使用した。表1(3)に示
すように、脱スケール水を噴射する箇所を、本来の脱ス
ケールパターンである表1(1)に対し、2箇所減らし
た。
【0045】脱スケール水を噴射する箇所を1箇所減ら
すと、仕上圧延機の入側温度に換算して10℃の被圧延
材12の温度上昇が得られることが経験的にわかってい
たからである。
【0046】その結果は、従来0.48%の割合で発生
していたエッジシームが、本発明の適用により、0.1
2%まで発生が抑制された。
【0047】なお、上記(実施例1)、(実施例2)に
おいては、加熱炉からの抽出時点における被圧延材12
の温度である加熱温度実績としては、先述の差分法を用
いたメッシュ格子の平均値や代表値を計算により求めて
使用してもよいし、あるいは加熱炉内の抽出口近くに、
図示しない被圧延材12の表面温度を実測するための温
度計を別途設置し、これによる被圧延材12の表面温度
実測値を使用してもよい。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、過加熱によるオシレー
ション待機・空冷時間の発生による生産能率の低下を抑
制し、また、バーニングスケール、エッジシームといっ
た表面品質不良が発生するのを抑制できる、という効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための装置構成の例を示す、
一部ブロック図を含む工程図
【図2】脱スケール装置の配置を示す図
【図3】加熱温度実績の計算法を説明するための斜視図
【図4】従来技術に対する本発明の効果を示すための線
【図5】熱間圧延ラインの概要を説明するための工程図
【図6】加熱炉において過加熱が発生する状態を説明す
るための線図
【図7】エッジシームの発生メカニズムをイメージ的に
示す斜視図
【符号の説明】
10、10A〜10C…加熱炉 12、12A〜12I…被圧延材 13…脱スケール装置 14…粗圧延機 R1〜R4…粗圧延機スタンド 15…ファーネスコイラ 16…仕上圧延機 F1〜F7…仕上圧延機スタンド 30…冷却制御装置 32…搬送時間スケジュール予測装置 38…設定装置 44…温度分布計算装置 46…仕上圧延機入側温度予測装置 48…脱スケールパターン設定装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 潮海 弘資 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 加地 孝行 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 Fターム(参考) 4E002 AD01 BA01 BA03 BC07 BC10 BD07 BD08 CB03

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】極低炭素鋼の熱間圧延において、粗圧延で
    の脱スケールパターンを初期の設定に対して変更し、過
    加熱の場合は脱スケール水を噴射する箇所を、本来の脱
    スケールパターンに対して増やし、加熱不足の場合は脱
    スケール水を噴射する箇所を、本来の脱スケールパター
    ンに対して減らすことを特徴とする、極低炭素鋼の熱間
    圧延方法。
JP2001050865A 2001-02-26 2001-02-26 極低炭素鋼の熱間圧延方法 Expired - Fee Related JP4710150B2 (ja)

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