JP2002233881A - ホウ素含有水の処理方法 - Google Patents

ホウ素含有水の処理方法

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JP2002233881A JP2001029654A JP2001029654A JP2002233881A JP 2002233881 A JP2002233881 A JP 2002233881A JP 2001029654 A JP2001029654 A JP 2001029654A JP 2001029654 A JP2001029654 A JP 2001029654A JP 2002233881 A JP2002233881 A JP 2002233881A
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Masaharu Tano
正治 田野
Masaki Takahashi
正樹 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高濃度のホウ素含有水から効率的にホウ素を
除去することの可能なホウ素含有水の処理方法を提供す
る。 【解決手段】 ホウ素含有水を反応化合物であるアルミ
ニウムイオン、硫酸イオン、カルシウムイオンの存在下
にpH10〜12.5の範囲で調整して析出する澱物を
除去する。含有するホウ素1モルに対するアルミニウ
ム、硫酸、カルシウムのモル比をおよそ1:1.5:
4.5とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホウ素含有水から
ホウ素を除去するホウ素含有水の処理方法に関し、特に
高濃度のホウ素含有水から効率的にホウ素を除去するこ
との可能なホウ素含有水の処理方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】メッキ工場における排
液や三フッ化ホウ素製造過程における排ガス洗浄排液な
どの工場廃水、あるいはゴミ焼却場の洗煙廃水等にはホ
ウ素が含まれている。このホウ素は動植物の必須元素の
一つであるが、環境衛生、環境保全等の理由からこのホ
ウ素に対しても規制がされるようになってきた。
【0003】従来、このホウ素含有廃水を処理する方法
としては、ホウ素含有廃水をホウ素に対しモル比で5倍
から10倍以上の酸化マグネシウムを添加し、その後水
酸化アルカリでpH10以上に調整し不溶性沈殿物を形
成させこれを除去する方法、同様にホウ素に対し多量の
アルミニウム塩を添加し、その後消石灰でpH10以上
に調整し不溶性沈殿物を形成させ除去する方法、このホ
ウ素除去方法を改良したものとして特開平7−3232
92号公報及び特開2000−308890号公報に開
示されている方法、酸化ジルコニウムをホウ素に対し当
量添加しジルコニウムとの不溶性沈殿物を形成させこれ
を除去する方法、ホウ素含有廃水をホウ素選択性イオン
交換樹脂によりホウ素を吸着除去する方法などが行われ
ていた。
【0004】しかしながら、マグネシウムやカルシウム
などアルカリ土類金属を用いた従来技術においては、生
成する不溶性沈殿物の溶解度積からホウ素に対し圧倒的
なモル比のアルカリ土類金属を加えなければならず、さ
らにアルミニウム、鉄などの無機凝集剤や高分子凝集剤
を多量必要とし、含有するホウ素当たりの廃棄固形物生
成量が多量となるため経済的及び効率的に廃水処理を行
うことが困難となるという問題点がある。
【0005】酸化ジルコニウムを添加し処理する方法は
ホウ素に対する薬剤使用量、廃棄固形物の生成も少ない
という利点があるが、ジルコニウム自体が高価で、やは
り経済的に廃水処理を行うことが困難となるという問題
点がある。また、ホウ素選択性イオン交換樹脂を用いた
場合には、高価なホウ素選択性イオン交換樹脂を多量に
必要とし、吸着後のホウ素選択性イオン交換樹脂をその
まま廃棄固形物として廃棄するときには、やはり経済的
に廃水処理を行うことが困難となるという問題点があ
る。あるいは薬剤を用いてホウ素選択性イオン交換樹脂
を頻繁に再生する必要があり、再生後の樹脂溶離液はホ
ウ素を多量に含有し、新たなホウ素含有廃水が生じ、こ
のホウ素含有廃水を処理する必要があり、前記の不溶性
沈殿物を形成させこれを水中から除去する方法に戻ると
いう問題点がある。
【0006】本発明はかかる課題に鑑みてなされたもの
であり、高濃度のホウ素含有水から反応化合物薬剤の使
用量も少なく、廃棄固形物の生成も少量で効率的にホウ
素を除去することが可能なホウ素含有水の処理方法を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者らは、ホウ素はアルミニウムイオン、
硫酸イオン、カルシウムイオンの存在下でpH10以上
で生成析出するホウ酸アルミン酸硫酸カルシウム塩澱物
として除去されることを見出した。そして、ホウ素含有
水においてホウ素に対してアルミニウムイオン、硫酸イ
オン、カルシウムイオンのモル比を1:1.5:4.5
とする比率でそれぞれのイオン源を配合すれば薬剤使用
量も少なく、廃棄固形物の生成も少量で効率的にホウ素
を除去可能であることを見出した。また、析出するホウ
酸アルミン酸硫酸カルシウム塩澱物とホウ素含有水とを
接触させることによりホウ素含有水からホウ素が吸着除
去されることを見出した。これらに基づき本発明に想到
した。
【0008】本発明の請求項1記載のホウ素含有水の処
理方法は、ホウ素含有水を反応化合物であるアルミニウ
ムイオン、硫酸イオン、カルシウムイオンの存在下にp
H10〜12.5の範囲で調整して析出する澱物を除去
する処理方法であって、含有するホウ素1モルに対する
アルミニウム、硫酸、カルシウムのモル比がおよそ1:
1.5:4.5である方法である。
【0009】請求項2記載のホウ素含有水の処理方法
は、前記請求項1において、ホウ素含有水に前記反応化
合物を加え混合攪拌する工程、pH調整剤を加え混合攪
拌しpH調整する工程、及び析出した澱物を除去する工
程を含む方法である。
【0010】請求項3記載のホウ素含有水の処理方法
は、前記請求項1又は2において、前記アルミニウムイ
オン源及び硫酸イオン源のモル比が硫酸アルミニウム塩
の組成比であり、前記カルシウムイオン源が水酸化カル
シウム又は塩化カルシウムである方法である。
【0011】さらに、請求項4記載のホウ素含有水の処
理方法は、前記請求項1乃至3のいずれか1項におい
て、前記析出した澱物とホウ素含有水とを接触させるこ
とによりホウ素含有水からホウ素を吸着除去する方法で
ある。
【0012】
【発明の実施形態】以下、本発明のホウ素含有水の処理
方法について詳細に説明する。
【0013】まず、本発明において処理対象となるホウ
素含有水とは、水にホウ酸またはホウ酸塩として溶解し
ていればよく、鉱山、ガラス研磨、化学肥料製造、無機
化学薬品の製造及び使用、釉薬などの製造及び使用、電
気メッキなどの廃水のほか、原子力発電所における系統
水、ゴミ焼却場の洗煙廃水などホウ素を含有する水に適
用可能であり、他の不純物質を任意の濃度で含んでいて
よい。
【0014】このホウ素含有水中において、ホウ素はホ
ウ酸またはホウ酸塩として溶解していればよく、例えば
ホウフッ素イオン(BF4 -)は加水分解で、水素化ホウ
素イオン(BH4 -)は酸化でホウ酸またはホウ酸塩に形
態を変えたのち本発明を適用すればよい。
【0015】さらに、ホウ酸またはホウ酸塩はいかなる
形態で存在していてもよく、例えば、オルトホウ酸イオ
ン(BO3 3-)、二ホウ酸イオン([B25]4-)、メタ
ホウ酸イオン([B36]3-)、四ホウ酸イオン([B4
7]2-)、五ホウ酸イオン([B5410]-)、モノホウ
酸イオン(B(OH)4-)等のホウ酸イオンのイオン形
態で存在していてもよいし、オルトホウ酸(H3
3)、メタホウ酸(HBO 2)、四ホウ酸(H2
47)等の分子形態で存在していてもよいし、さらに
は、分子やイオンが会合した形態で存在していてもよ
い。
【0016】また、このようなホウ素含有水におけるホ
ウ素の濃度は特に制限されないが、本発明の方法は、ホ
ウ素換算で100ppm以上、好ましくは500ppm
以上からホウ酸またはホウ酸塩の水に対する飽和溶解濃
度までのホウ素含有水の処理に好適である。ホウ素濃度
が100ppm未満では、ホウ素を除去可能であるが、
後述するモル比以上のホウ素に対する反応化合物を必要
とし、生成する澱物も多量となるため、多量に生成する
澱物中にホウ素を閉じ込め除去する従来技術の方法との
間の有意差に乏しい一方、飽和溶解濃度を超えると水か
らホウ酸またはホウ酸塩結晶として析出し除去効率の低
下をきたす。さらにホウ素含有水からホウ酸アルミン酸
硫酸カルシウム塩澱物を析出するpHは10以上であれ
ばよく、特に10.5〜11.5が好ましい。
【0017】次に、上述したようなホウ素含有水を処理
する本発明の方法について説明する。本発明において
は、まず、ホウ素含有水にカルシウム化合物、アルミニ
ウム化合物及び硫酸化合物を添加してホウ素含有水中に
アルミニウムイオン、硫酸イオン及びカルシウムイオン
を存在させる。このアルミニウムイオン源としては、水
に溶解するとアルミニウムイオンを発生するアルミニウ
ム塩等を用いることができるが、特に硫酸アルミニウム
を用いるのが好ましい。また、硫酸イオン源としては、
水に溶解すると硫酸イオンを発生する硫酸塩等の硫酸化
合物を用いることができるが、硫酸アルミニウムを用い
れば、前述したアルミニウムイオン源と併用できるので
便利である。さらに、カルシウムイオン源としては、水
に溶解するとカルシウムイオンを発生するカルシウム
塩、水酸化物、酸化物等を用いることができ、例えば塩
化カルシウムや水酸化カルシウムを用いることができ
る。その他、pH調整剤として、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウムなどを配合することができる。特にカルシ
ウムイオン源として水酸化カルシウムを用いた場合に
は、pH調整剤としての機能も有するので好ましい。
【0018】前述したようなカルシウム化合物、アルミ
ニウム化合物、硫酸化合物の配合割合を最適化するため
には、本来、これら反応化合物とホウ素との反応に基づ
いて決定されるべきものである。アルカリ土類金属を利
用する従来技術のホウ素含有水からホウ素を除去する方
法は、ホウ酸アルカリ土類塩を生成させ、無機あるいは
高分子凝集剤で凝集処理する方法で、ホウ素除去率を高
く維持するためには、過剰のアルカリ土類金属及び凝集
剤を配合せざるをえなかったが、本発明者らは、ホウ素
含有水中のホウ素はアルミニウムイオン、硫酸イオン、
カルシウムイオンの存在下で高pH領域(pH10〜1
2.5)で生成されるホウ酸アルミン酸硫酸カルシウム
で反応除去されることを発見した。この場合、例えばア
ルミニウムイオン源及び硫酸イオン源として硫酸アルミ
ニウムを、カルシウムイオン源として水酸化カルシウム
を使用した場合には、下記化学反応式(1)で表される
ような反応で除去される。
【0019】
【化1】
【0020】また、カルシウムイオン源として水酸化カ
ルシウムに代えて塩化カルシウムを使用し、pH調整剤
として水酸化ナトリウムを使用した場合には、下記化学
反応式(2)で表されるような反応で除去される。
【0021】
【化2】
【0022】すなわち、上記いずれの場合にもホウ素に
対するアルミニウムイオン、硫酸イオン及びカルシウム
イオンのモル比は理論的にはB:Al3+:SO4 2-:C
2+=1:1:1.5:4.5となるので、この本発明
者の発見が正しければ、各イオンがこれに近似する比率
となるようにカルシウム化合物、アルミニウム化合物及
び硫酸化合物を配合してやればホウ素を効率よく除去す
ることが可能であるはずである。そして、鋭意研究の結
果、ほぼこの配合比率でホウ素を除去できることがわか
った。したがって、本発明においては、ホウ素1モルに
対してアルミニウムイオン、硫酸イオン及びカルシウム
イオンが0.7〜1.5:1〜2:3〜6以上となるよ
うにアルミニウム化合物、硫酸化合物、カルシウム化合
物を配合し、pHを10〜12.5の範囲内で調整す
る。ホウ素に対してアルミニウムイオンが0.7未満で
は、ホウ素の除去率が十分でない一方、1.5を超えて
加えても加えた量に見合うホウ素除去効率の向上が得ら
れないばかりか、配合するアルミニウム化合物が過剰と
なり廃棄固形物も過剰に生成し、経済的及び効率的にホ
ウ素を除去できない。また、ホウ素に対して硫酸イオン
が1未満では、ホウ素の除去率が十分でない一方、2を
超えて加えても加えた量に見合うホウ素除去効率の向上
が得られないばかりか、配合する硫酸化合物が過剰とな
り廃棄固形物も過剰に生成し、経済的及び効率的にホウ
素を除去できない。さらに、ホウ素に対してカルシウム
イオンが3未満では、ホウ素の除去率が十分でない一
方、6を超えて加えても加えた量に見合うホウ素除去効
率の向上が得られないばかりか、配合するカルシウム化
合物が過剰となり廃棄固形物も過剰に生成し、経済的及
び効率的にホウ素を除去できない。調整pHはpH10
未満では所定の澱物を生成せずホウ素の除去率が不十分
である一方、pH12.5を超えてもホウ素除去率の向
上が得られないばかりか、結合したホウ素が再溶解し、
逆にホウ素除去率が低下することがある。
【0023】具体的には、処理対象となるホウ素含有水
におけるホウ素濃度と含有水の総量とからホウ素の含有
モル数を計算し、このモル数から各種化合物の配合量を
計算カルシウム化合物、アルミニウム化合物及び硫酸化
合物を配合する。例えば、ホウ素濃度1000ppmの
ホウ素含有水10リットルを処理する場合、アルミニウ
ムイオンを20〜37g、硫酸イオンを110〜180
g及びカルシウムイオンを130〜220g添加し、p
Hが10〜12.5となるように溶液を調整すればよ
い。
【0024】上述したような本発明のホウ素含有水の処
理方法は、ホウ素含有水に各種イオン源となる物質を配
合して混合攪拌し、所定のpHに調整することにより反
応させ、生じた不溶性沈澱を分離除去すればよい。さら
にこの不溶性沈澱と新たなホウ素含有水とを混合攪拌
し、前記不溶性沈澱と新たなホウ素含有水とを接触させ
ホウ素を該不溶性沈澱に吸着除去させればよい。
【0025】以上、本発明のホウ素含有水の処理方法に
ついて説明してきたが、本発明は本発明の思想を逸脱し
ない範囲で、種々の変形実施が可能である。また、その
他必要に応じて他の添加剤、例えば適当な凝集剤などを
本発明の効果を損なわない範囲で添加することができ
る。
【0026】
【実施例】以下の具体的実施例により本発明をさらに詳
細に説明する。実施例1〜8 イオン交換樹脂溶離液及びメッキ廃液を用いてホウ素濃
度が2000mg/リットルでpHが7の溶液をそれぞ
れ調整し試験用の試料とした。この試料500mlに対
し、硫酸アルミニウム溶液をアルミニウムとして2.5
g(アルミニウムイオン2.5g、硫酸イオン13gに
相当)添加し、ホウ素に対するアルミニウムイオン及び
硫酸イオンのモル比を1:1:1.5に固定し1分間攪
拌した後、カルシウムイオン源として表1に示す種々の
割合で水酸化カルシウム乳濁液又は塩化カルシウム溶液
を添加し10分間攪拌した。さらにpHを測定し、所定
のpHに達していない場合は水酸化ナトリウムを攪拌添
加し、全体の容積が1000mlとなるように水を加え
て所定のpHに調整し、その後沈殿物を除去し、処理後
のホウ素濃度を測定した。結果を表1に示す。なお、表
1中、アルミニウムイオン、硫酸イオン、カルシウムイ
オンはホウ素1モルに対するモル数を示す。
【0027】
【表1】
【0028】表1から明らかなとおり、ホウ素1モルに
対してアルミニウムイオン1モル及び硫酸イオン1.5
モルに固定した状態では、カルシウムイオン4.5モル
に相当する量を添加した実施例1、7、8は、水中のホ
ウ素残存濃度が最低となっており、カルシウムイオン源
が水酸化カルシウムであるか塩化カルシウムであるか種
類を問わないことがわかる。また、実施例2〜実施例6
に示す通り、添加カルシウムイオンのモル比をホウ素に
対して4.5モル以下に低下させると水中のホウ素残存
濃度は高くなることがわかる。さらに、pH10.5の
実施例1、2、5、8とpH12.5の実施例3、4、
6、7との比較ではホウ素、アルミニウムイオン、硫酸
イオン、カルシウムイオンのモル比が同じであってもp
H12.5よりpH10.5のほうが水中のホウ素残存
濃度が低く、ホウ素除去能力が高いことがわかる。これ
は一旦pH10以上でホウ素が不溶性沈澱物として結合
するが、その後アルカリ性を強くしすぎるとホウ素が外
れて水中に再溶解するためと考えられる。実施例9、10 ホウ素に対する硫酸イオン及びカルシウムイオンのモル
比を1:1.5:4.5に固定し、アルミニウムイオン
のモル比を1未満とした以外は実施例1と同様にして処
理を行い、処理後のホウ素濃度を測定した。結果を各種
イオンの濃度、pHとともに表2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】表2から明らかなとおり、ホウ素1モルに
対して硫酸イオン1.5モル及びカルシウムイオン4.
5モルに固定した状態では、実施例9及び実施例10に
示す通り、添加アルミニウムイオンのモル比をホウ素に
対して1未満に低下させるとやはり水中のホウ素残存濃
度は高くなることがわかる。実施例11、12 ホウ素に対するアルミニウムイオン及びカルシウムイオ
ンのモル比を1:1:4.5に固定し、硫酸イオンのモ
ル比を1.5未満とした以外は実施例1と同様にして処
理を行い、処理後のホウ素濃度を測定した。結果を各種
イオンの濃度、pHとともに表3に示す。
【0031】
【表3】
【0032】表3から明らかなとおり、ホウ素1モルに
対してアルミニウムイオン1モル及びカルシウムイオン
4.5モルに固定した状態では、実施例11及び実施例
12に示す通り、添加硫酸イオンのモル比をホウ素に対
して1.5未満に低下させるとやはり水中のホウ素残存
濃度は高くなることがわかる。実施例13、14 ホウ素に対するアルミニウムイオン、硫酸イオン及びカ
ルシウムイオンのモル比を実施例1の2倍、すなわち
1:2:3:9、pH10.5に調整した以外は実施例
1と同様にして処理を行い、処理後のホウ素濃度を測定
した(実施例13)。結果を各種イオンの濃度、pHと
ともに表4に示す。また、この処理後の沈殿物の除去前
の処理液500mlに対し、新たにホウ素濃度が200
0mg/リットルでpHが7の溶液を500ml添加し
10分間攪拌し、その後沈殿物を除去した後の処理液の
ホウ素濃度を測定した(実施例14)。結果を表5に示
す。
【0033】
【表4】
【0034】
【表5】
【0035】実施例13、14に示すとおり、実施例1
3の処理で生成析出した澱物は新たにホウ素含有水と接
触させるだけでホウ素含有水からホウ素を吸着除去する
ことができることがわかる。
【0036】これらの実施例から本発明の方法はホウ素
のモル数に対してアルミニウム1倍、硫酸1.5倍及び
カルシウム4.5倍の場合に効率的のホウ素を除去でき
ることが明らかであり、前述した反応式(1)、(2)
の信頼性は極めて高いものといえる。また、ホウ素を含
む各種廃液にも適用可能であるといえる。さらにこのホ
ウ素処理で生成析出した澱物は新たにホウ素含有水を接
触させてもこのホウ素含有水からホウ素を吸着除去可能
であるといえる。
【0037】
【発明の効果】本発明の請求項1記載のホウ素含有水の
処理方法は、ホウ素含有水を反応化合物であるアルミニ
ウム、硫酸、カルシウムの存在下にpH10〜12.5
の範囲で調整して析出する澱物を除去する処理方法であ
って、含有するホウ素1モルに対するアルミニウム、硫
酸、カルシウムのモル比がおよそ1:1.5:4.5で
ある方法であるので、ホウ素含有水中のホウ素を不溶性
沈殿物として効率的に除去することができる。
【0038】請求項2記載のホウ素含有水の処理方法
は、前記請求項1において、ホウ素含有水に前記反応化
合物を加え混合攪拌する工程、pH調整剤を加え混合攪
拌しpH調整する工程、及び析出した澱物を除去する工
程を含む方法であるので、ホウ素含有水中のホウ素を不
溶性沈殿物として効率的に除去することができる。
【0039】請求項3記載のホウ素含有水の処理方法
は、前記請求項1又は2において、前記アルミニウムイ
オン源及び硫酸イオン源のモル比が硫酸アルミニウム塩
の組成比であり、前記カルシウムイオン源が水酸化カル
シウム又は塩化カルシウムである方法であるので、ホウ
素含有水中のホウ素を不溶性沈殿物として効率的に除去
することができる。
【0040】さらに、請求項4記載のホウ素含有水の処
理方法は、前記請求項1乃至3のいずれか1項におい
て、前記析出した澱物とホウ素含有水とを接触させるこ
とによりホウ素含有水からホウ素を吸着除去する方法で
あるので、ホウ素含有水中のホウ素を不溶性沈殿物とし
て効率的に除去することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホウ素含有水を反応化合物であるアルミ
    ニウムイオン、硫酸イオン、カルシウムイオンの存在下
    にpH10〜12.5の範囲で調整して析出する澱物を
    除去する処理方法であって、含有するホウ素1モルに対
    するアルミニウム、硫酸、カルシウムのモル比がおよそ
    1:1.5:4.5であること特徴とするホウ素含有水
    の処理方法。
  2. 【請求項2】 ホウ素含有水に前記反応化合物を加え混
    合攪拌する工程、pH調整剤を加え混合攪拌しpH調整
    する工程、及び析出した澱物を除去する工程を含むこと
    を特徴とする請求項1記載のホウ素含有水の処理方法。
  3. 【請求項3】 前記アルミニウムイオン源及び硫酸イオ
    ン源のモル比が硫酸アルミニウム塩の組成比であり、前
    記カルシウムイオン源が水酸化カルシウム又は塩化カル
    シウムであることを特徴とする請求項1又は2記載のホ
    ウ素含有水の処理方法。
  4. 【請求項4】 前記析出した澱物とホウ素含有水とを接
    触させることによりホウ素含有水からホウ素を吸着除去
    することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記
    載のホウ素含有水の処理方法。
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