JP2002223665A - 液循環装置及び魚介類の飼育装置 - Google Patents

液循環装置及び魚介類の飼育装置

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JP2002223665A
JP2002223665A JP2001024707A JP2001024707A JP2002223665A JP 2002223665 A JP2002223665 A JP 2002223665A JP 2001024707 A JP2001024707 A JP 2001024707A JP 2001024707 A JP2001024707 A JP 2001024707A JP 2002223665 A JP2002223665 A JP 2002223665A
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Japan
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water
breeding
pumping cylinder
air
fish
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JP2001024707A
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English (en)
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Atsushi Tsuji
敦志 辻
Harumori Kawagoe
治衞 川越
Shinya Nakamura
真也 中村
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SHINEI SUISAN SETSUBI KK
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
SHINEI SUISAN SETSUBI KK
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水循環用のポンプを不要にして設備コストを
低減できると共に省電力化を図ることができる液循環装
置を提供する。 【解決手段】 魚介類を飼育する飼育水槽内の水を循環
させる液循環装置に関する。下部が飼育水槽1の下部内
に連通する揚水筒2を設ける。揚水筒2の下部内に空気
を供給して、エアリフト作用で飼育水槽1内の水を揚水
筒2内に下部から吸引させると共に上部から放出させる
ことによって、飼育水槽1内の水をこのエアリフトで循
環させる給気手段3を具備する。飼育水槽1の水の循環
を揚水筒2によるエアリフトで行なうことができ、飼育
水槽1の水に酸素供給するために備えられているポンプ
を利用して揚水筒2に空気を供給することによって、水
循環用のポンプを別途設備するような必要がなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水を循環させた飼
育水槽内で魚介類の飼育を行なうようにした魚介類の飼
育装置及びこれに用いる循環装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ヒラメ、オコゼ、トラフグ等の海水魚
や、クルマエビ等の甲殻類など、魚介類を飼育水槽で高
密度に養殖したり、一時的に蓄養したりする場合、飼育
水槽の水を循環させて浄化することが行なわれている。
【0003】このような飼育水槽の水を循環させる方式
の飼育装置は一般に、飼育水槽の水をポンプで循環水路
に汲み出し、循環水路に接続したろ過装置にこの水を通
して浄化した後、循環水路から飼育水槽に水を戻す液循
環装置を備えた構成に形成されている。また魚介類を飼
育する飼育水槽には酸素供給をするためにエアーレーシ
ョンが必要であり、エアーレーションのための給気ポン
プが備えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の飼育
装置では一般に、水循環用のポンプ及びエアーレーショ
ン用のポンプが必要であり、装置が大掛かりになって、
設備コストや電力コストの面で問題を有するものであっ
た。
【0005】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、水循環用のポンプを不要にして設備コストを低減
できると共に省電力化を図ることができる液循環装置及
び魚介類の飼育装置を提供することを目的とするもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
液循環装置は、魚介類を飼育する飼育水槽1内の水を循
環させる液循環装置であって、下部が飼育水槽1の下部
内に連通する第一の揚水筒2を設け、第一の揚水筒2の
下部内に空気を供給して、エアリフト作用で飼育水槽1
内の水を第一の揚水筒2内に下部から吸引させると共に
上部から放出させることによって、飼育水槽1内の水を
このエアリフトで循環させる給気手段3を具備して成る
ことを特徴とするものである。
【0007】また請求項2の発明は、請求項1におい
て、第二の揚水筒4を設け、第二の揚水筒4の下部内に
空気を供給して、第一の揚水筒2の上部から放出された
水をエアリフト作用で第二の揚水筒4内に下部から吸引
させると共に上部から放出させる第二の給気手段5を具
備し、第一の揚水筒2と第二の揚水筒4の間に水をろ過
して浄化するろ過手段6を具備して成ることを特徴とす
るものである。
【0008】また請求項3の発明は、請求項2におい
て、第二の揚水筒4を第一の揚水筒2を囲むようにその
外周に配置し、第二の揚水筒4と第一の揚水筒2の間に
ろ過筒7を配置すると共に第一の揚水筒2とろ過筒7の
間にろ過材8を充填してろ過手段6を形成して成ること
を特徴とするものである。
【0009】また請求項4の発明は、請求項2又は3に
おいて、第一の揚水筒2と第二の揚水筒4のうち少なく
とも一方の上部にエアリフトされた水を飼育水槽1内に
放出する放出口9を設け、放出口9を飼育水槽1内の魚
介類を飼育する飼育水域10の外縁と略平行な方向に開
口させて形成して成ることを特徴とするものである。
【0010】本発明の請求項5に係る魚介類の飼育装置
は、飼育水槽1内で魚介類の飼育を行ない、飼育水槽1
内の水を循環させると共にこの循環の途中で水を浄化す
るようにした魚介類の飼育装置において、請求項1乃至
4のいずれかに記載の液循環装置を飼育水槽1内に配置
して設け、飼育水槽1内の水を循環させて成ることを特
徴とするものである。
【0011】また請求項6の発明は、請求項5におい
て、飼育水槽1の底部に樹脂ペレット11を敷いて成る
ことを特徴とするものである。
【0012】また請求項7の発明は、請求項5又は6に
おいて、飼育水槽1の底部に網状の底板12を設けて成
ることを特徴とするものである。
【0013】また請求項8の発明は、請求項5乃至7の
いずれかにおいて、飼育水槽1の底部に浮遊懸濁物質を
捕捉して回収する回収用凹部13を設けて成ることを特
徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0015】図1は本発明の実施の形態の一例を示すも
のであり、飼育水槽1は上面が開口する有底の略円筒形
状に形成してある。この飼育水槽1の底部には全面に亘
って底板12が張ってあり、この底板12と飼育水槽1
の底面との間に通水用間隙16が形成されるようにして
ある。底板12は周辺部の通水部12aと中央部の非通
水部12bとからなっており、通水部12aは全面に亘
って多数の小さい通水孔17を穿設することによって網
状に形成し、通水孔17を介して飼育水槽1の下部内と
通水用間隙16とが連通されるようにしてある。非通水
部12bにはこのような孔がなく、水は通過しない。
【0016】底板12の非通水部12bの中央には連通
孔18が設けてあり、円筒状の第一の揚水筒2の下端を
連通孔18に嵌合することによって、第一揚水筒2が飼
育水槽1の中央部内において底板12の上に立設してあ
る。第一揚水筒2は上下両端部が開口しており、第一揚
水筒2の下部を連通孔18、通水用間隙16、底板12
の通水孔17を通して飼育水槽1の下部内に連通させる
ようにしてある。
【0017】また底板12の非通水部12bの上面に
は、第一揚水筒2の外側方を囲むように、円筒状のろ過
筒7が第一揚水筒2と同心円の配置で立設してあり、さ
らに底板12の非通水部12bの上面には、ろ過筒7の
外側方を囲むように、円筒状の第二の揚水筒4が第一揚
水筒2及びろ過筒7と同心円の配置で立設してある。第
二揚水筒4の高さは第一揚水筒2より高く形成してあ
り、ろ過筒7の高さは第一揚水筒2や第二揚水筒4より
高く形成してある。
【0018】ろ過筒7の下端部には通水管を設けること
によって、ろ過筒7の内側と第二揚水筒4の内側とを連
通させる通水口19が形成してあり、また第二揚水筒4
の上端部にはその外側へ突出させて廻流発生管20が設
けてある。廻流発生管20は第二揚水筒4の周方向の複
数箇所に設けられるものであり、平面形状を略L字形に
形成して、その先端の放出口9を飼育水槽1の外縁と略
平行な方向に向けて開口させるようにしてある。
【0019】また、ろ過筒7の内周と第一揚水筒2の外
周の間にはろ過材8が充填してある。ろ過材8は残餌や
糞などの固形分を物理ろ過すると共に、ろ過材8に付着
させたバクテリアによって、魚介類に有害なアンモニア
や亜硝酸を分解する生物ろ過を行なうことができるよう
にしてある。このように第一揚水筒2とろ過筒7の間に
ろ過材8を充填することによって、ろ過手段6が形成さ
れるものである。
【0020】さらに、飼育水槽1の底面には、底板12
の下側において第一揚水筒2の下端の開口の直下位置に
リング状の第一の散気管22が配置してあり、同じく飼
育水槽1の底面に、底板12の通水部12aの下側位置
においてリング状の第三の散気管23が配置してある。
さらに底板12の非通水部12bの上において、第一揚
水筒2とろ過筒7の間に、ろ過筒7の内周に沿ってリン
グ状の第四の散気管24が配置してあり、同じく底板1
2の非通水部12bの上において、ろ過筒7と第二揚水
筒4の間に、第二揚水筒4の内周に沿ってリング状の第
二の散気管25が配置してある。これらの各散気管2
2,23,24,25にはエアポンプ26から導出され
たエアホース27がそれぞれ接続してあり、エアポンプ
26から空気が供給されると、各散気管22,23,2
4,25から空気が噴出されるようになっている。
【0021】上記のように形成される飼育装置にあっ
て、飼育水槽1内には海水など魚介類を飼育する水が投
入されるものであり、この水の水位は廻流発生管20の
放出口9より少し上になるようにしてある。飼育水槽1
の内周と第二揚水筒4の外周との間における、底板12
より上側のスペースが魚介類を放して飼育する飼育水域
10となるものである。
【0022】そして、エアポンプ26を作動させて各散
気管22,23,24,25から空気を噴出させなが
ら、魚介類の飼育を行なうものであり、第三の散気管2
3から散気された空気は底板12の通水孔17を通って
飼育水域10へと上昇し、飼育水域10に酸素供給をし
て魚介類の飼育に必要な溶存酸素量を増やすエアーレー
ションを行なうことができるものである。尚、第一の散
気管22や第二の散気管25から噴出する空気によっ
て、飼育に必要な酸素が供給できる場合には、第三の散
気管23から空気を噴出しないで飼育を行なうこともで
きる。
【0023】また第一散気管22は第一の揚水筒2内に
空気を供給する給気手段3となるものであり、第一の散
気管22から噴出される空気は下端の開口から第一揚水
筒2の下部内に入って、第一揚水筒2内を上昇する。こ
のように空気が第一揚水筒2内を上昇する際に、第一揚
水筒2内の水が図2のイ矢印のように押上げられるもの
であり、このエアリフト作用で飼育水槽1の飼育水域1
0から通水孔17を通して底板12の下側の通水用間隙
16に流入している水は、ホ矢印のように第一揚水筒2
内に下端の開口から吸引されると共に第一揚水筒2の上
端の開口から流出してロ矢印のように放出される。
【0024】さらに、第二の散気管25は第二揚水筒4
の下部内に空気を供給する吸気手段5となるのであり、
第二の散気管25から噴出される空気は第二揚水筒4の
内周とろ過筒7の外周の間のスペースを上昇する。この
ように空気が第二揚水筒4の内周部を上昇する際に、第
二揚水筒4の内周部の水が図2のハ矢印のように押上げ
られるものであり、このエアリフト作用による揚水に伴
って、第一揚水筒2とろ過筒7の間の水はろ過筒7の下
端部の通水口19を通って第二揚水筒4の内周部の下部
内に吸引される。このように第一揚水筒2とろ過筒7の
間の水が通水口19から吸引されることによって、上記
のように第一揚水筒2の上端から第一の揚水筒2とろ過
筒7の間に流入した水は、ロ矢印のように第一揚水筒2
とろ過筒7の間に充填したろ過材8を通過して下方へ流
れ、ろ過材8によって浄化される。ここで、第四の散気
管24から噴出される空気によってろ過材8に酸素供給
がなされており、ろ過材8に付着した好気性のバクテリ
アを活性化することができるようにしてある。
【0025】またエアリフト作用でハ矢印のように押上
げられた第二揚水筒4の内周部の水は、第二揚水筒4の
上端部に設けた廻流発生管20を通って放出口9からニ
矢印のように飼育水域10に放出される。飼育水域10
に放出される水はろ過材8で浄化されているので、飼育
水域10の水を常に清浄に保った状態で魚介類の飼育を
行なうことができるものである。
【0026】ここで、上記のように飼育水域10内の水
はニ方向に下流して通水孔17から底板12の下側の通
水用間隙16に流入し、第一揚水筒2へと吸引されて流
れるものであり、飼育水域10内の水は図2の矢印イ〜
ホ矢印の経路で循環し、この循環の途中にろ過手段6で
ろ過されて浄化されるものである。そしてこの水の循環
は第一揚水筒2や第二揚水筒4のエアリフトによってな
されているものであり、これらのエアリフトは飼育水域
10にエアーレーションするために具備されたエアポン
プ26を用いて行なうことができるものである。従っ
て、水を循環させるためのポンプを特別に設備すること
が不要になるものであり、設備コストを低減できると共
にこのポンプの作動に必要な電力を省力化することがで
きるものである。
【0027】また、上記のように第二揚水筒4の内周部
の水を廻流発生管20から飼育水域10に放出するにあ
たって、廻流発生管20の放出口9は飼育水槽1の外縁
と略平行な方向に開口しているので、水は飼育水槽1の
外縁と略平行な方向に放出され、この放出される水によ
って飼育水域10内には飼育水槽1の外縁と略平行な方
向の、図3の矢印のような廻流が発生することになる。
このように飼育水域10に廻流を発生させることによっ
て、飼育の際に廻流が必要な魚介類の飼育が可能になる
ものである。そしてこの廻流は、水を循環させるための
第二揚水筒4のエアリフトを利用して行なうことができ
るものであり、廻流を起こさせるための水中ポンプやプ
ロペラなどの駆動装置を設備することが不要になるもの
である。ここで、飼育水域10内の水は底板12の通水
孔17を通して通水用間隙16に流入するようになって
おり、飼育水域10には図2のニ矢印のような下向きの
流れがあるので、廻流はこの下向きの流れによって螺旋
状の流れとなるものであり、飼育水域10の上部から下
部に至る全域で廻流を生じさせることができるものであ
る。また、飼育する魚介類の種類に応じて廻流の流速を
変更することが必要な場合には、廻流発生管20にバル
ブを設けて流量調整したり、第二の散気管25にバルブ
を設けて空気の噴出量を調整したりすることによって、
容易に対処することができる。
【0028】ここで、図1に示すように、飼育水槽1の
水を循環させるための第一揚水筒2と第二揚水筒4は同
心状配置で飼育水槽1の中央部に設置してあり、また水
を循環させる際に浄化するろ過手段6は第一揚水筒2と
第二揚水筒4の間において飼育水槽1の中央部に設置し
てある。従って、水を循環させる手段や水をろ過する手
段を飼育水槽1の外部に設置する場合に比べて、装置全
体をまとめてコンパクトに形成することができるもので
ある。また第一の散気管22から第四の散気管25まで
総ての散気管22〜25を飼育水槽1の下部に配置する
ことができ、これらの散気管22〜25を一台のエアポ
ンプ26に接続することが容易になり、飼育水域10へ
の酸素供給、エアリフト、ろ過手段6への酸素供給を一
台のエアポンプ26で行なうことが可能になり、電気代
のランニングコストを低減することが容易になるもので
ある。
【0029】また、飼育水域10の底部において底板1
2の通水部12aの上には全面に亘って樹脂ペレット1
1が敷き詰めてある。このように樹脂ペレット11を敷
き詰めることによって、底が砂地であることが必要とさ
れるヒラメやクルマエビなどの魚介類に最適な飼育環境
が実現できるものである。樹脂ペレット11はプラスチ
ック成形材料として使用されるものであり、直径1〜2
mm程度の粒径が揃ったものを入手することが容易であ
る。樹脂ペレット11としてはポリプロピレンやPET
などのペレットを用いることができ、ペットボトルのリ
サイクル品を利用することもできる。特に比重が1.2
〜1.6のものが、魚介類が潜り易く、また飼育水域1
0内の廻流に流され難いために最適である。ここで、水
槽の底には一般には砂を敷き詰めることが行なわれる
が、砂は使用する前に選定や洗浄の手間が必要であり、
また砂は比重が大きいために砂重量に対応して飼育水槽
1の強度を確保することが必要になり、さらに砂は粒子
径のばらつきが大きく、かつ流水時の圧力損失が大きい
ので砂の中に均一に水流が起こり難く、嫌気性部分が生
じて病原菌が繁殖し易い。さらに砂は凝固し易く定期管
理が必要などの問題もある。そこで本発明では、砂の代
りに樹脂ペレット11を用いるようにしたものであり、
樹脂ペレット11では砂におけるこのような問題がなく
なるものである。特に、樹脂ペレット11が敷き詰めら
れた底板12の通水部12aには、樹脂ペレット11の
粒径より小さい直径の通水孔17が設けてあり、飼育水
域10の水は樹脂ペレット11の間を通って通水孔17
から通水用間隙16に流れ、樹脂ペレット11を敷き詰
めた層には上から下への水流ができている。従って、樹
脂ペレット11に病原菌が発生することを防止すること
ができると共に、樹脂ペレット11を定期的にメンテナ
ンスすることが不要になるものである。
【0030】図4は飼育水槽1の飼育水域10の底部
に、水中の浮遊懸濁物質を捕捉して回収する回収用凹部
13を形成するための回収ボックス29を示すものであ
る。回収ボックス29は回収用凹部13が上面に開口す
る断面コ字形の樋状に形成してあり、一方の側片29a
には略全面に開口部30を形成すると共に開口部30に
は網目板31が設けてある。この回収ボックス29は図
1(b)に示すように、飼育水域10の底部において樹
脂ペレット11の層の上に、飼育水域10を内外方向に
横切るように配置してある。このとき、回収ボックス2
9は網目板31を設けた開口部30が飼育水域10の水
の廻流に対向する方向を向くようにして(図4に廻流の
向きを矢印で示す)、回収用凹部13を上方に開口させ
た姿勢で配置されるものである。そして飼育水域10で
は魚介類の残餌や糞などの浮遊懸濁物質は廻流に乗って
流れながら飼育水域10の下部に集まってくるが、この
廻流を横切るように設置された回収ボックス29の開口
部30の網目板31を通して、廻流する水とともに浮遊
懸濁物質は回収用凹部13に流入し、回収用凹部13内
に浮遊懸濁物質を捕捉して回収することができるもので
ある。網目板31は樹脂ペレット11が回収用凹部13
に入り込むのを防ぐためのものであり、網目板31の網
目の大きさは樹脂ペレット11より小さく形成してあ
る。
【0031】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に係る液
循環装置は、魚介類を飼育する飼育水槽内の水を循環さ
せる液循環装置であって、下部が飼育水槽の下部内に連
通する第一の揚水筒を設け、第一の揚水筒の下部内に空
気を供給して、エアリフト作用で飼育水槽内の水を第一
の揚水筒内に下部から吸引させると共に上部から放出さ
せることによって、飼育水槽内の水をこのエアリフトで
循環させる給気手段を具備するようにしたので、飼育水
槽の水の循環を第一の揚水筒によるエアリフトで行なう
ことができ、飼育水槽の水に酸素供給するために備えら
れているポンプを利用して第一の揚水筒に空気を供給す
ることによって、水循環用のポンプを別途設備するよう
な必要がなくなるものであり、設備コストを低減できる
と共に省電力化を図ることができるものである。
【0032】また請求項2の発明は、第二の揚水筒を設
け、第二の揚水筒の下部内に空気を供給して、第一の揚
水筒の上部から放出された水をエアリフト作用で第二の
揚水筒内に下部から吸引させると共に上部から放出させ
る第二の給気手段を具備し、第一の揚水筒と第二の揚水
筒の間に水をろ過して浄化するろ過手段を具備するよう
にしたので、一対の揚水筒のエアリフトによって水を循
環させながら、一対の揚水筒の間で水をろ過手段に通し
て浄化することができるものであり、水循環用のポンプ
を別途設備するような必要なく、水の浄化を行なうこと
ができ設備コストを低減できると共に省電力化を図るこ
とができるものである。
【0033】また請求項3の発明は、第二の揚水筒を第
一の揚水筒を囲むようにその外周に配置し、第二の揚水
筒と第一の揚水筒の間にろ過筒を配置すると共に第一の
揚水筒とろ過筒の間にろ過材を充填してろ過手段を形成
するようにしたので、一対の揚水筒とろ過手段をコンパ
クトにまとめて配置することができ、装置の全体を小型
化することができるものである。
【0034】また請求項4の発明は、第一の揚水筒と第
二の揚水筒のうち少なくとも一方の上部にエアリフトさ
れた水を飼育水槽内に放出する放出口を設け、放出口を
飼育水槽内の魚介類を飼育する飼育水域の外縁と略平行
な方向に開口させて形成するようにしたので、飼育水域
内には飼育水槽の外縁と略平行な方向で廻流を発生させ
ることができ、廻流の環境が必要な魚介類の飼育が可能
になるものであり、しかもこの廻流は水を循環させるた
めの第二の揚水筒のエアリフトを利用して行なうことが
できるものであり、廻流を起させるための水中ポンプや
プロペラなどの駆動装置を設備することが不要になるも
のである。
【0035】本発明の請求項5に係る魚介類の飼育装置
は、飼育水槽内で魚介類の飼育を行ない、飼育水槽内の
水を循環させると共にこの循環の途中で水を浄化するよ
うにした魚介類の飼育装置において、請求項1乃至4の
いずれかに記載の液循環装置を飼育水槽内に配置して設
け、飼育水槽内の水を循環させるようにしたので、一対
の揚水筒をまとめて飼育水槽内に配置することができ、
飼育装置の全体を小型化することができるものである。
【0036】また請求項6の発明は、飼育水槽の底部に
樹脂ペレットを敷いてあるので、樹脂ペレットを砂の代
りにして、底が砂地であることが必要とされる魚介類に
最適な飼育環境にすることができるものである。
【0037】また請求項7の発明は、飼育水槽の底部に
網状の底板を設けてあるので、この底板の上に樹脂ペレ
ットを敷いて用いると、樹脂ペレットを敷き詰めた層に
は上から下への水流ができ、樹脂ペレットに病原菌が発
生することを防止することができるものである。
【0038】また請求項8の発明は、飼育水槽の底部に
浮遊懸濁物質を捕捉して回収する回収用凹部を設けるよ
うにしたので、飼育水槽の底部に集まる浮遊懸濁物質を
効率良く回収して、水の汚れを防止することができるも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、
(a)は正面断面図、(b)は平面図である。
【図2】同上の水の循環を示す正面断面図である。
【図3】同上の水の廻流を示す平面図である。
【図4】同上に用いる回収ボックスの一例の斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 飼育水槽 2 揚水筒 3 給気手段 4 揚水筒 5 給気手段 6 ろ過手段 7 ろ過筒 8 ろ過材 9 放出口 10 飼育水域 11 樹脂ペレット 12 底板 13 回収用凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川越 治衞 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 中村 真也 三重県尾鷲市小川東町2番地5号 株式会 社真栄水産設備内 Fターム(参考) 2B104 AA01 CA01 CB04 CB57 EA01 EA05 EB05 EB18 ED19 ED35

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 魚介類を飼育する飼育水槽内の水を循環
    させる液循環装置であって、下部が飼育水槽の下部内に
    連通する第一の揚水筒を設け、第一の揚水筒の下部内に
    空気を供給して、エアリフト作用で飼育水槽内の水を第
    一の揚水筒内に下部から吸引させると共に上部から放出
    させることによって、飼育水槽内の水をこのエアリフト
    で循環させる給気手段を具備して成ることを特徴とする
    液循環装置。
  2. 【請求項2】 第二の揚水筒を設け、第二の揚水筒の下
    部内に空気を供給して、第一の揚水筒の上部から放出さ
    れた水をエアリフト作用で第二の揚水筒内に下部から吸
    引させると共に上部から放出させる第二の給気手段を具
    備し、第一の揚水筒と第二の揚水筒の間に水をろ過して
    浄化するろ過手段を具備して成ることを特徴とする請求
    項1に記載の液循環装置。
  3. 【請求項3】 第二の揚水筒を第一の揚水筒を囲むよう
    にその外周に配置し、第二の揚水筒と第一の揚水筒の間
    にろ過筒を配置すると共に第一の揚水筒とろ過筒の間に
    ろ過材を充填してろ過手段を形成して成ることを特徴と
    する請求項2に記載の液循環装置。
  4. 【請求項4】 第一の揚水筒と第二の揚水筒のうち少な
    くとも一方の上部にエアリフトされた水を飼育水槽内に
    放出する放出口を設け、放出口を飼育水槽内の魚介類を
    飼育する飼育水域の外縁と略平行な方向に開口させて形
    成して成ることを特徴とする請求項2又は3に記載の液
    循環装置。
  5. 【請求項5】 飼育水槽内で魚介類の飼育を行ない、飼
    育水槽内の水を循環させると共にこの循環の途中で水を
    浄化するようにした魚介類の飼育装置において、請求項
    1乃至4のいずれかに記載の液循環装置を飼育水槽内に
    配置して設け、飼育水槽内の水を循環させて成ることを
    特徴とする魚介類の飼育装置。
  6. 【請求項6】 飼育水槽の底部に樹脂ペレットを敷いて
    成ることを特徴とする請求項5に記載の魚介類の飼育装
    置。
  7. 【請求項7】 飼育水槽の底部に網状の底板を設けて成
    ることを特徴とする請求項5又は6に記載の魚介類の飼
    育装置。
  8. 【請求項8】 飼育水槽の底部に浮遊懸濁物質を捕捉し
    て回収する回収用凹部を設けて成ることを特徴とする請
    求項5乃至7のいずれかに記載の魚介類の飼育装置。
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