JP2002205217A - 高温硬さおよび耐熱塑性変形性のすぐれた超硬合金製小径エンドミル - Google Patents

高温硬さおよび耐熱塑性変形性のすぐれた超硬合金製小径エンドミル

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JP2002205217A
JP2002205217A JP2001001212A JP2001001212A JP2002205217A JP 2002205217 A JP2002205217 A JP 2002205217A JP 2001001212 A JP2001001212 A JP 2001001212A JP 2001001212 A JP2001001212 A JP 2001001212A JP 2002205217 A JP2002205217 A JP 2002205217A
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JP
Japan
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cemented carbide
end mill
temperature hardness
plastic deformation
small end
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JP2001001212A
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English (en)
Inventor
Kazuki Okada
一樹 岡田
Toshiyuki Yanai
俊之 谷内
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温硬さおよび耐熱塑性変形性のすぐれ
た超硬合金製小径エンドミルを提供する。 【解決手段】 超硬合金製小径エンドミルを、以下いず
れも質量%で、硬質相として炭化タングステンを80〜
92%含有し、残りが結合相からなり、前記結合相が、
結合相に占める割合で、Ni:19〜28%、Ti:1
〜3%、Al:0.1〜1%、を含有し、残りがCoと
不可避不純物からなる組成、並びにCo−Ni系合金の
素地に微細な金属間化合物が分散析出した組織を有する
炭化タングステン基超硬合金で構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、すぐれた高温硬
さと耐熱塑性変形性を有し、したがって高熱発生を伴な
う高速切削加工でも、すぐれた耐摩耗性を発揮する超硬
合金製小径エンドミル(以下、小径エンドミルという)
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に、先端切刃部の直径が3m
m以下の小径エンドミルとして、炭化タングステン基超
硬合金(以下、単に超硬合金という)製のものが多く提
案されており、かつこれが例えば金型加工などにおける
面削加工や溝加工、さらに肩加工などに用いられること
は良く知られるところである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の切削加工
に対する省力化および省エネ化、さらに低コスト化の要
求は強く、これに伴い、切削加工は切削機械の高性能化
とも相俟って高速化の傾向にあるが、従来提案されてい
る各種の小径エンドミルは、いずれもこれを鋼などの通
常の条件での切削加工に用いた場合には問題はないが、
これを高速切削条件で用いると、切削加工時に発生する
高熱によって、特に先端切刃部におけるすくい面と逃げ
面の交わる切刃稜線部に偏摩耗の原因となる熱塑性変形
を起し易く、さらに前記切刃稜線部の高温硬さの著しい
低下とも相俟って切刃の摩耗進行が促進し、この結果比
較的短時間で使用寿命に至るのが現状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、すぐれた高温硬さと耐熱塑性変
形性を有する小径エンドミルを開発すべく研究を行った
結果、原料粉末として、炭化タングステン(以下、WC
で示す)粉末と、質量%で(以下、%は質量%を示
す)、Ni:19〜28%、Ti:1〜3%、Ai:
0.1〜1%、を含有し、残りがCoと不可避不純物か
らなる組成を有するCo−Ni系合金粉末を用いて、配
合組成を、WC:80〜92%、Co−Ni系合金:残
り、としてなる圧粉体の焼結体からなる超硬合金は、走
査型電子顕微鏡による組織観察で、これを構成する結合
相がCo−Ni系合金の素地に微細な金属間化合物が分
散析出した組織をもち、前記微細な金属間化合物は高い
高温硬さを有し、一方前記Co−Ni系合金はすぐれた
耐熱塑性変形性を有することから、この超硬合金で構成
された小径エンドミルは、WCの硬質相の作用と相俟っ
て、すぐれた高温硬さと耐熱塑性変形性を具備するよう
になり、したがって高熱発生を伴なう高速切削加工に用
いても偏摩耗が抑制され、長期に亘ってすぐれた耐摩耗
性を発揮するようになる、という研究結果を得たのであ
る。
【0005】この発明は、上記の研究結果に基づいてな
されたものであって、硬質相としてWCを80〜92%
含有し、残りが結合相からなり、前記結合相が、結合相
に占める割合で、Ni:19〜28%、Ti:1〜3
%、Ai:0.1〜1%、を含有し、残りがCoと不可
避不純物からなる組成、並びにCo−Ni系合金の素地
に微細な金属間化合物が分散析出した組織を有する超硬
合金で構成してなる、高温硬さおよび耐熱塑性変形性の
すぐれた小径エンドミルに特徴を有するものである。
【0006】なお、この発明の小径エンドミルにおい
て、これを構成する超硬合金(焼結体)の結合相の組成
を上記の通りに限定したのは、Ni、Ti、およびAl
のうちのいずれの成分でも、その含有量がNiでは19
%未満、Tiでは1%未満、そしてAlでは0.1%未
満になると、素地に所望のすぐれた耐熱塑性変形性を確
保するのが困難になると共に、金属間化合物の析出も不
十分となって所望の高温硬さの向上を図ることができ
ず、一方これらの成分のうちのいずれかでもNiでは2
8%、Tiでは3%、そしてAlでは1%を越えると、
結合相の靭性が急激に低下するようになって、切刃にチ
ッピング(微小欠け)が発生し易くなるという理由によ
るものであり、望ましくはNi:21〜25%、Ti:
1.5〜2%、Al:0.1〜0.5%の含有がよい。
また、硬質相を形成するWCの割合を80〜92%とし
たのは、その割合が80%未満では、相対的に結合相の
割合が多くなり過ぎて、所望のすぐれた耐摩耗性を確保
することができず、一方その含有割合が92%を越える
と、相対的に結合相の割合が少なくなりすぎて、切刃に
チッピングが発生し易くなるという理由からであり、望
ましくは82〜88%の含有がよい。
【0007】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の小径エンドミ
ルを実施例により具体的に説明する。原料粉末として、
0.8μmの平均粒径を有するWC粉末、およびそれぞ
れ表1、2に示される平均粒径、並びに成分組成を有す
るガスアトマイズCo−Ni系合金粉末を用意し、これ
ら原料粉末をそれぞれ表1に示される配合組成に配合
し、ボールミルにて72時間湿式混合し、減圧乾燥した
後、150MPaの圧力でプレス成形して、直径:8m
m×長さ:65mmの寸法をもった丸棒圧粉体とし、こ
の丸棒圧粉体を、1.3Paの真空雰囲気中、1350
〜1450℃の範囲内の所定の温度に昇温し、この温度
に1時間保持後、炉冷の条件で焼結し、さらに圧力:1
00MPa、温度:1350℃、保持時間:2時間の条
件でHIP処理を施し、この結果得られた丸棒焼結体に
研削加工を施して、先端切刃部の外径:1mm、切刃部
の長さ:1.5mm、シャンク部径:6mm、全長:5
0mmの寸法をもった超硬合金製の小径エンドミルとし
ての本発明ボールエンドミル(以下、本発明エンドミル
という)1〜9、および比較ボールエンドミル(以下、
比較エンドミルという)1〜6をそれぞれ製造した。な
お、比較エンドミル1〜6は、これを構成する超硬合金
の結合相の構成成分のうちのいずれかの含有割合がこの
発明の範囲から外れた組成を有するものである。
【0008】なお、本発明エンドミル1〜9および比較
エンドミル1〜8について、走査型電子顕微鏡を用い
て、その組織を観察したところ、いずれもWC相と結合
相からなり、前記結合相がCo−Ni系合金の素地に微
細な金属間化合物が分散析出した組織を示した。
【0009】つぎに、上記本発明エンドミル1〜9およ
び比較エンドミル1〜8について、 被削材:平面寸法が100mm×250mm、厚さが4
00mmのJIS・SKD11の角材、 回転速度:50000min-1、 切り込み:軸方向0.1mm、径方向0.2mm、 送り:2000mm/min、 の条件で合金鋼の乾式高速溝切削加工試験を行ない、先
端切刃部の逃げ面摩耗幅が0.1mmに至るまでの切削
長を測定し、この測定結果を表1、2にそれぞれ5本の
平均値として示した。
【0010】
【表1】
【0011】
【表2】
【0012】
【発明の効果】表1、2に示される結果から、本発明エ
ンドミル1〜9は、いずれもすぐれた高温硬さおよび耐
熱塑性変形性を有することから、高硬度鋼である合金鋼
の切削加工を高い発熱を伴う高速で行っても、切刃に偏
摩耗やチッピングの発生なく、すぐれた耐摩耗性を発揮
するのに対して、比較エンドミル1〜8に見られるよう
に、これを構成する超硬合金の結合相の構成成分のうち
のいずれかでも、この発明の範囲から外れると、高温硬
さや耐熱塑性変形性が不充分となったり、切刃にチッピ
ングが発生したりするようになって、摩耗進行が加速さ
れることから、比較的短時間で使用寿命に至ることが明
らかである。上述のように、この発明の小径エンドミル
は、各種の鋼などの通常の条件での切削加工は勿論のこ
と、特に高速切削加工においてもすぐれた耐摩耗性を発
揮し、使用寿命の延命化を可能にするものであるから、
切削加工の省力化および省エネ化、さらに低コスト化に
十分満足に対応できるものである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年1月15日(2001.1.1
5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、すぐれた高温硬さと耐熱塑性変
形性を有する小径エンドミルを開発すべく研究を行った
結果、原料粉末として、炭化タングステン(以下、WC
で示す)粉末と、質量%で(以下、%は質量%を示
す)、Ni:19〜28%、Ti:1〜3%、Al
0.1〜1%、を含有し、残りがCoと不可避不純物か
らなる組成を有するCo−Ni系合金粉末を用いて、配
合組成を、WC:80〜92%、Co−Ni系合金:残
り、としてなる圧粉体の焼結体からなる超硬合金は、走
査型電子顕微鏡による組織観察で、これを構成する結合
相がCo−Ni系合金の素地に微細な金属間化合物が分
散析出した組織をもち、前記微細な金属間化合物は高い
高温硬さを有し、一方前記Co−Ni系合金はすぐれた
耐熱塑性変形性を有することから、この超硬合金で構成
された小径エンドミルは、WCの硬質相の作用と相俟っ
て、すぐれた高温硬さと耐熱塑性変形性を具備するよう
になり、したがって高熱発生を伴なう高速切削加工に用
いても偏摩耗が抑制され、長期に亘ってすぐれた耐摩耗
性を発揮するようになる、という研究結果を得たのであ
る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】この発明は、上記の研究結果に基づいてな
されたものであって、硬質相としてWCを80〜92%
含有し、残りが結合相からなり、前記結合相が、結合相
に占める割合で、Ni:19〜28%、Ti:1〜3
%、Al:0.1〜1%、を含有し、残りがCoと不可
避不純物からなる組成、並びにCo−Ni系合金の素地
に微細な金属間化合物が分散析出した組織を有する超硬
合金で構成してなる、高温硬さおよび耐熱塑性変形性の
すぐれた小径エンドミルに特徴を有するものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下いずれも質量%で、硬質相として炭
    化タングステンを80〜92%含有し、残りが結合相か
    らなり、前記結合相が、結合相に占める割合で、 Ni:19〜28%、 Ti:1〜3%、 Ai:0.1〜1%、 を含有し、残りがCoと不可避不純物からなる組成、並
    びにCo−Ni系合金の素地に微細な金属間化合物が分
    散析出した組織を有する炭化タングステン基超硬合金で
    構成したことを特徴とする高温硬さおよび耐熱塑性変形
    性のすぐれた超硬合金製小径エンドミル。
JP2001001212A 2001-01-09 2001-01-09 高温硬さおよび耐熱塑性変形性のすぐれた超硬合金製小径エンドミル Withdrawn JP2002205217A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108715986A (zh) * 2018-06-26 2018-10-30 哈尔滨工程大学 一种通过调节织构来提高奥氏体镍钛基形状记忆合金室温塑性的方法

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Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080401