JP2002202243A - すべり支承体の荷重試験方法及び装置 - Google Patents

すべり支承体の荷重試験方法及び装置

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JP2002202243A
JP2002202243A JP2001000422A JP2001000422A JP2002202243A JP 2002202243 A JP2002202243 A JP 2002202243A JP 2001000422 A JP2001000422 A JP 2001000422A JP 2001000422 A JP2001000422 A JP 2001000422A JP 2002202243 A JP2002202243 A JP 2002202243A
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JP2001000422A
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Keisuke Sekiguchi
桂介 関口
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】弾性体から成るすべり支承体に垂直荷重をかけ
て試験を行う際に支承体内にへたりが生じた場合でも、
急激な荷重低下を防止して試験の続行を可能にし、垂直
荷重試験の後にすべり面の摩擦摺動特性を試験するため
の水平方向摺動試験を容易にかつ高い精度で行うことを
可能にする。 【構成】平板状部材47を介してすべり支承体21と弾
性変位可能な蓄力構造50とを重ねて垂直荷重試験を行
い、所定期間経過後、すべり支承体21を連結手段70
で平板状部材47に固定してすべり面ユニット80を形
成し、すべり面ユニット80を垂直荷重試験機100か
ら水平方向摺動試験機200へ移し、垂直荷重をかけた
状態ですべり支承体21及び平板状部材47の少なくと
も一方に水平荷重をかけて横方向に相対的に移動させる
すべり試験を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物や試験設備等
の構造物を水平方向にすべり可能に支承するすべり支承
体の荷重試験方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】基礎上に構築される建物や据付け台上に
設置される精密機器等においては、地震や通行車両等に
よる外部からの振動の伝達を極力低減したり、伝達され
た振動を早期に減衰することが要求される。また、構築
物を地震から保護したり、さらには、原子力設備、コン
ピューター、半導体製造装置あるいは電子顕微鏡など、
高い安全性や精密さを要求される構造体を振動から保護
するに際しては、広い周波数にわたって、振動の大きい
地震を遮断する他、微振動までを遮断することも要請さ
れる。
【0003】このような要請に応じつつ各種の構造物を
免震又は除振可能に弾性支持するために、積層ゴム支承
体が使用されている。この免震支持用の積層ゴム支承体
は、ゴム層と補強板とを交互に積層して一体化した積層
ゴム部を有している。前記補強板としては、例えば金属
や硬質プラスチック板などが使用される。このような積
層ゴム支承体は、通常、交互に積層したゴム材料と補強
板、さらには取付けフランジをモールド内に組み込んで
加硫成形することにより一体化する方法で製造される。
前記積層ゴム支承体は、縦方向には高いばね定数を有
し、横方向には低いばね定数を有しており、縦横ばね定
数比が800以上という大きな値となることがある。
【0004】前述のような積層ゴム支承体においては、
ゴム層及び補強板を積層するだけの中実構造では、減衰
特性がゴム層のみの内部粘性減衰であるため、ゴム種や
使用条件によっては振動減衰能が過小になることがあ
る。そこで、振動減衰能を向上させるために、ゴム層及
び補強板を上下方向に貫通する孔(空洞)を形成し、そ
の内部に生ゴム、タール、金属鉛(柱状の鉛プラグ)な
どの粘弾性材の充填材を封入することにより、支承体の
自由表面積の増大を防いで変形を拘束し、縦ばね定数の
過度の低下を防止しながら、振動減衰能を増大させた積
層ゴム支承体が例えば特開昭63−293340号公
報、特開2000−110878号公報などで提案され
ている。
【0005】一方、建物や試験設備等の各種の構造物を
免震又は除振支持する際、以上のような免震支持体ある
いは減衰手段とともに水平方向に移動可能なすべり支承
体で支持することが行われている。そして、この種のす
べり支承体としても、ゴム層と補強板とを交互に積層し
て一体化した積層ゴムを用いる積層ゴム支承体が採用さ
れることがある。このような積層ゴム支承体を兼ねたす
べり支承体においては、垂直方向の荷重を加えて行う垂
直荷重試験の他にすべり面の特性変化の有無を調べるた
めの水平方向摺動試験を行うことが要請される。本発明
は、以上例示したような各種構造の積層ゴム支承体を含
め、種々の形態の支承体に広く適用可能な新規なすべり
支承体の荷重試験方法及び装置を提供するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述のようなすべり支
承体の耐久性、耐候性や荷重・撓み特性などを試験する
ために、該すべり支承体に垂直方向の荷重を加えるとと
もに該荷重を加えた状態に長期間保持する垂直荷重試験
を行うことが要請される。この種の垂直荷重試験を行う
方法及び装置として、パワージャッキによりすべり支承
体(積層ゴム支承体)を垂直方向に加圧して所定量だけ
圧縮変位させるとともに、この圧縮変位した状態に保持
すべく該すべり支承体の高さをこの圧縮変位した高さに
保持するように構成した別置型荷重装置(別置試験機)
を使用すること考えられる。しかし、このような垂直荷
重試験機においては、荷重状態が継続すると積層ゴム部
のゴム層に「へたり」と呼ばれる塑性変形(一種の永久
変形)が生じることがある。そして、積層ゴムにあって
は、前記「へたり」が生じることで加圧力が抜けてしま
うだけでなく、さらに、環境温度の変化によりゴムが膨
張したり収縮したりすることで加圧力が変動することが
ある。
【0007】しかしながら、従来のこの種の垂直荷重試
験機においては、すべり支承体の積層ゴム部のゴム層に
へたりや収縮が生じると、該積層ゴム部の垂直方向の弾
性係数が前述のように非常に高い値を示すことから、ゴ
ム層のへたり量又は収縮量がわずかであっても、荷重が
急激に大幅に低下してしまい、耐久性、耐候性やばね特
性変化などを調べるための加圧状態での各種試験の継続
が不可能になるという不都合があった。また、このよう
な不都合は、理屈上では、ゴム層のへたりを補償するた
めに再度パワージャッキで垂直荷重を加えるという初期
状態の再設定操作を繰り返すことにより解消できそうで
あるが、これでは、多大の手間を要する他に、試験の信
頼性維持が難しくなるという新たな問題が生じる。
【0008】さらに、垂直荷重試験においては、すべり
支承体のすべり面とすべり板側のすべり面とが長期間に
わたって接合圧接された状態に放置されることから、さ
びの発生や材質の物理的変化(表面粗度や吸湿性等の変
化)や化学的変化(合成樹脂の耐候性変化等を含む)な
どにより摩擦摺動特性が変化することがあり、一定期間
ごとに(例えば1年に1回など)水平方向荷重に対する
すべり特性を試験することが要請される。しかしなが
ら、従来のすべり支承体の荷重試験方法及び装置にあっ
ては、所定の垂直荷重をかけた状態で水平方向に変位さ
せる摺動試験を行うためにすべり支承体を水平方向摺動
試験機に移動させる場合、該すべり支承体を垂直荷重試
験機から取り外す作業が困難であり、多大の手間と時間
を要していた。また、すべり支承体を相手部材(すべり
板部材)から分離して単体で移動させることから、垂直
荷重試験機における圧接接合面(すべり材端面及びすべ
り板面から成る両すべり面)の状態を水平方向摺動試験
機で再現させることが困難であり、摩擦摺動特性の経時
変化の試験精度を確保することが困難であるという解決
すべき技術的課題があった。
【0009】本発明はこのような技術的課題に鑑みてな
されたものであり、本発明の目的は、すべり支承体に垂
直方向の荷重をかけて試験を行う際に支承体内にへたり
が生じた場合でも、荷重の急激な低下を防止することで
所定の試験を継続することができ、さらに、施工後の実
際の使用条件を反映した垂直荷重試験及びすべり試験を
行うことで、正確な荷重試験を高い精度で行うことがで
きるすべり支承体の荷重試験方法及び装置を提供するこ
とである。また、本発明の他の目的は、所定期間の垂直
荷重試験の後にすべり面とすべり板との摩擦摺動特性の
経時変化を試験するためのすべり試験としての水平方向
摺動試験を所望の条件で容易にかつ高い精度で行うこと
ができるすべり支承体の荷重試験方法及び装置を提供す
ることである。
【0010】
【課題解決のための手段】本発明(請求項1)は、上記
目的を達成するため、すべり支承体に垂直方向の荷重を
加えて荷重試験を行うためのすべり支承体の荷重試験方
法において、すべり支承体のすべり面と垂直荷重に応じ
て高さが弾性変位する蓄力構造との間に平板状部材を介
在させて垂直方向に重ねて配置するとともに垂直方向に
加圧して所定量だけ圧縮変位させた状態に保持する垂直
荷重試験機で垂直荷重試験を行い、圧縮変位させた状態
で所定期間経過したときに、前記すべり支承体を連結手
段で前記平板状部材に押し付け固定してすべり面ユニッ
トを形成し、このすべり面ユニットを前記垂直荷重試験
機から取り外すとともに、取り外したすべり面ユニット
を水平方向摺動試験機に装着し、前記水平方向摺動試験
機により、前記すべり面ユニットに所定の垂直荷重をか
けるとともに前記すべり支承体及び前記平板状部材の少
なくとも一方に水平方向の荷重を作用させることで、該
すべり支承体と該平板状部材とを水平方向に相対的に所
定量だけ移動させ、もって、所定期間にわたる垂直荷重
に対するすべり支承体又は平板状部材のすべり面の摩擦
特性の変化を調べることを特徴とする。
【0011】請求項9の発明は、上記目的を達成するた
め、すべり支承体に垂直方向の荷重を加えて荷重試験を
行うためのすべり支承体の荷重試験装置において、すべ
り支承体のすべり面と垂直荷重に応じて高さが弾性変位
する蓄力構造との間に平板状部材を介在させて垂直方向
に重ねて配置するとともに垂直方向に加圧して所定量だ
け圧縮変位させた状態に保持して垂直荷重試験を行う垂
直荷重試験機と、前記すべり支承体を前記平板状部材に
押し付け固定することによりすべり面ユニットを形成す
るための連結手段と、前記すべり面ユニットが装着され
る装着部を有し、装着されたすべり面ユニットに所定の
垂直荷重をかけるとともに前記すべり支承体及び前記平
板状部材の少なくとも一方に水平方向の荷重を作用させ
て該すべり支承体と該平板状部材とを水平方向に相対的
に移動させるための水平方向摺動試験機と、を備え、前
記垂直荷重試験機により前記すべり支承体及び前記蓄力
構造を圧縮変位させた状態で所定期間経過したときに、
前記すべり支承体を前記連結手段で前記平板状部材に押
し付け固定してすべり面ユニットを形成するとともに該
すべり面ユニットを垂直荷重試験機から取り外し、取り
外したすべり面ユニットを水平方向摺動試験機に装着す
るとともに前記連結手段を弛めて前記すべり支承体を前
記平板状部材から解放した後、前記水平方向摺動試験機
により、前記すべり面ユニットに所定の垂直荷重をかけ
るとともに前記すべり支承体及び前記平板状部材の少な
くとも一方に水平方向の荷重を作用させることで、該す
べり支承体と該平板状部材とを水平方向に相対的に所定
量だけ移動させ、もって、所定期間にわたる垂直荷重に
対するすべり支承体又は平板状部材のすべり面の摩擦特
性の変化を調べることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態を説明する。図1は本発明を適用したすべり支承
体を有するすべり支承装置を使用した建物を模式的に示
す立面図であり、図2は図1中の線2−2に沿って見た
断面平面図であり、図3は図1中のすべり支承装置を示
す縦断面図であり、図4は図3のすべり支承装置の組み
付け状態を一部破断して示す模式的斜視図であり、図5
は図3中のすべり支承体21の縦断面図であり、図6は
図5中の線6−6から見たすべり支承体の端面図であ
る。図1及び図2において、建物10は床下に設置され
た複数のすべり支承装置20及び複数の積層ゴム支承装
置(積層ゴム支承体)30によって免震支持されてい
る。図示の例では、床下は建物10の床面11と地中に
構築された基礎12の上面との間に形成されており、各
すべり支承装置20は建物の柱13の下端部と前記基礎
12との間に構成されている。なお、符号14は地面を
例示する。
【0013】前記積層ゴム支承体(積層ゴム支承装置)
30は円柱状の積層ゴム部31の上下端面にフランジ部
材32、33を一体的に固着接合して構成されており、
前記積層ゴム部31はゴム層と金属や硬質プラスチック
板などの補強板とを交互に一体的に積層した構造を有す
る。図示の例では、前記積層ゴム支承体30は、上下の
フランジ部材32、33を建物10の柱13及び基礎1
2に対してボルト・ナット等で締結することにより、建
物10を免震支持する状態で取り付けられている。この
ような積層ゴム支承装置30は、縦方向には高いばね定
数を有し、横方向(水平方向)には低いばね定数を有し
ており、通常、その縦横ばね定数比は800以上という
大きな値となる。このような積層ゴム支承装置は、例え
ば、特開昭60−261845号公報、特開昭61−1
4340号公報、特開昭64−48950号公報などに
開示されている。
【0014】図1及び図2において、各すべり支承装置
20は、建物10の柱13の下端部に固定された(ボル
ト等で締結された)すべり支承体21を基礎12上に設
けられたすべり面22上に水平方向にすべり(摺動)可
能に支持する構成を有している。図示の例では、基礎1
2の上面に平板状部材23を固定し、該平板状部材23
の上面によって前記基礎側のすべり面22が形成されて
いる。なお、このすべり面22は、前記平板状部材23
上に接合固着された別の平面部材によって形成してもよ
い。この平面部材の材質としては、例えば、ステンレス
鋼板、その他の適当な金属板、焼結合金やPTFE樹脂
などを使用することができ、平滑性に優れかつ耐磨耗性
を有する低摩擦係数の材料であれば各種材質のものを使
用することができる。
【0015】図示のすべり支承装置20における建物1
0側の前記すべり支承体21は、本発明の試験方法及び
装置における被試験体に当たるものであり、図5及び図
6に示すように、円柱状の積層ゴム部31の上端面にフ
ランジ部材32を一体的に固着接合するとともに、該積
層ゴム部31の下端面(すべり面)にテフロンシート等
の耐磨耗性に優れた低摩擦係数の面部材25を一体的に
接合してすべり面を形成する構造を有する。前記積層ゴ
ム部31は、前述の積層ゴム支承体30の場合と同様、
ゴム層34と金属や硬質プラスチック板などの補強板3
5とを交互に一体的に積層した円柱状(円筒状)構造を
有する。つまり、建物10側に固定される(図示の例で
は建物10の柱13の下端面にボルト等で取り付けられ
る前記すべり支承体21は、円筒状部材としての積層ゴ
ム部31に取付け用のフランジ32を固着するととも
に、すべり側端面にテフロンシート等の低摩擦係数の面
部材25を一体的に接合した構造をしている。なお、こ
の低摩擦係数の面部材25の材質としても、例えば、ス
テンレス鋼板、その他の適当な金属板、焼結合金やPT
FE樹脂などを使用することができ、平滑性に優れかつ
耐磨耗性を有する低摩擦係数の材料であれば各種材質の
ものを使用することができる。
【0016】なお、この種のすべり支承装置20におい
ては、すべり特性(免震特性)を一定に保つためには、
すべり面22に水分やほこりが付着して摩擦係数が変化
することを極力防止することが要請され、その目的のた
め、図3及び図4に示すように、すべり面22を覆うた
めのすべり支承用カバー24が装着されている。また、
前記すべり支承体21は前述のように略円筒形状をして
いるが、図示の例では、基礎12側のすべり面22を形
成する前記平板状部材23としては平面形状が八角形状
の部材が使用されており、該平板状部材23を覆うすべ
り支承用カバー24としては、前記すべり面22と略同
じ面積もしくはそれ以上の面積(十分に広い面積を含
む)を有する八角形状のカバー部材(略相似形のカバー
部材)が使用されている。
【0017】図7は本発明によるすべり支承体の荷重試
験方法を実施するのに用いられる別置型の垂直荷重試験
機の一実施例を一部破断して示す立面図であり、図8は
図7中の線8−8から見た平面断面図である。図7及び
図8の垂直荷重試験機100は、積層ゴム支承体から成
るすべり支承体21に垂直方向の荷重を加えて荷重試験
を行うための別置試験装置であり、上面板41と中間板
42と下面板43を複数本(図示の例では4本)の柱状
ボルト44及び該柱状ボルト44にねじ係合されたロッ
クナット45により垂直方向の間隔を調整可能に固定保
持するように構成された枠構造40と、前記上面板41
と前記中間板42との間に装着された加圧手段(例えば
パワージャッキ)60と、前記中間板42と前記下面板
43との間に重ねた状態で配設されたすべり支承体2
1、平板状部材47及び蓄力構造50と、で構成されて
いる。なお、図示の例では、垂直荷重試験機100は、
床面に設置されたベース部材48上に固定されている。
また、前記上面板41、前記中間板42及び前記下面板
43のそれぞれの4隅部には前記柱状ボルト44が貫通
する取付け孔が形成されており、各柱状ボルト44のそ
れぞれには前記上面板41、前記中間板42及び前記下
面板43のそれぞれの上面及び下面に締結可能なロック
ナット45がねじ係合(螺合)されている。
【0018】図9は図7中の蓄力構造50の中心を通る
(図10中の線9−9に沿った)縦断面図であり、図1
0は図9中の線10−10に沿って下方を見た平面断面
図である。図9及び図10において、蓄力構造50は、
垂直方向に互いに変位可能な上受け部材51と下受け部
材52との間に形成された空間内に皿ばね手段53を収
納する(介在させる)ことにより垂直荷重に応じて高さ
が弾性変位するように構成されている。前記上受け部材
51は下面開放の円筒容器状をしており、前記下受け部
材52は上面開放の円筒容器状をしており、両者は中心
部に配設された連結手段54により連結されるとともに
外周部で上下方向に相対移動可能に遊嵌され、両者によ
って形成される内部空間に前記皿ばね手段53が配設さ
れている。なお、図9は蓄力構造50に垂直荷重が作用
していない自由状態を示すものである。
【0019】図9の蓄力構造50で使用されている皿ば
ね手段53は2組の皿ばねユニット55、55で構成さ
れており、これらの皿ばねユニット55、55を互いに
向かい合わせて重ねた姿勢で(表裏反転させて上下方向
に対称に重ね合わせた状態で)配設されている。なお、
前記皿ばねユニット55の単体構造は、図示の例では、
3枚の皿ばね56を重ねてその表面全体に耐候性ゴムか
ら成るゴム被覆層57を形成した構造をしており、ま
た、該皿ばねユニット55の外周面の4等分の位置には
皿ばねガイド58が固着されている。
【0020】この皿ばねガイド58は、皿ばねユニット
55単体における各皿ばね56が同心配置からのずれを
防止するためのものであり、また、図9の蓄力構造50
のように複数(2組)の皿ばねユニット55を上下に重
ね合わせる場合には、対向する皿ばねユニット55の外
周部に当接して各皿ばねユニット55が互いに同心配置
からずれないように保持する機能を有するものである。
また、前記ゴム被覆層57は、一般にむくのばね鋼から
成る皿ばね56を保護することで皿ばねユニット55の
耐候性及び耐久性を向上させるためのものである。この
ゴム被覆層57に適したゴム材質としては、例えば耐候
性及び耐久性に優れたクロロプレーン系(CR系)のゴ
ムを挙げることができる。
【0021】図9において、前記下受け部材52の中央
部には底面から上方へ突出する円筒状突出部59が形成
されている。この円筒状突出部59は、前記皿ばね手段
53の内径部をガイドする機能を有するとともに、前記
連結手段54による前記上受け部材51との連結部を構
成するためのものである。すなわち、図示の例では、前
記連結手段54は、前記円筒状突出部59の中心部に形
成された開口61と、前記上受け部材51の下面から前
記開口61を貫通するように突設されたボス部62と、
該ボス部62に形成された雌ねじにねじ係合(螺合)さ
れるボルト63により前記ボス部の先端面(下端面)に
締結されたつば状の抜け止め部材64と、で構成されて
いる。
【0022】図7及び図8において、被試験体としての
前記積層ゴムから成るすべり支承体21の下端面(すべ
り面)と前記蓄力構造50の上面との間には、平板状部
材47から成るバックプレートが介在されている。ま
た、図示の例では、前記平板状部材47の上面には、前
記すべり支承体21を摺動可能に支持するためのすべり
面を形成する平面部材(すべり板)71が接合固着され
ている。このすべり板71の材質としては、例えばステ
ンレス鋼板等の金属板や、焼結合金の板、テフロン板等
のPTFE樹脂などの板など、平滑性に優れかつ耐磨耗
性を有する低摩擦係数の材料であれば各種材質のものを
使用することができる。
【0023】図7において、被試験体としての前記すべ
り支承体21を前記平板状部材47及び前記蓄力構造4
0と共に垂直方向に加圧する加圧力付与手段60として
は、例えば油圧ポンプで駆動されるパワージャッキが使
用され、付与される荷重は積層ゴム支承体から成るすべ
り支承体21の使用条件に応じて適宜選定され、例え
ば、すべり支承体21を約5×105 (N) 〜約10×1
5(N)程度(約50,000kg〜約100,000kg)
の荷重で圧縮変位させた状態に保持することで耐久性を
試験するように設定される。
【0024】次に、図7及び図8を参照して、以上説明
した垂直荷重試験機100の使用方法、つまり当該荷重
装置へすべり支承体21をセットしたり取り外したりす
る際の操作方法について説明する。図7及び図8におい
て、上面板41及び下面板43を4本の柱状ボルト44
の所定高さ位置に位置合わせした後ロックナット45に
より締結固定する。このとき中間板42は適当な位置に
固定されていればよい。次いで、中間板42上の加圧力
付与手段としてのパワージャッキ60を短縮するととも
に該中間板42のロックナット45を弛めて該中間板4
2を所定高さ位置まで持ち上げる。この状態で、下面板
43の上に図示のように蓄力構造50、平板状部材47
及びすべり支承体(積層ゴム支承体)21を重ねて装着
(載置)する。そして、中間板42のロックナット45
を弛めた状態で前記パワージャッキ60を駆動して(伸
長させて)該中間板42を降下させることにより、すべ
り支承体21及び蓄力構造50を同時に同じ荷重で圧縮
する。
【0025】この加圧操作によってすべり支承体21及
び蓄力構造50が弾性変位(圧縮変位)され、加圧力付
与手段(パワージャッキ)60による圧下力が設定値P
(例えばP=8×105(N)≒80,000kg)に達した
ところで圧下を停止し、中間板42の上下のロックナッ
ト45を締結することにより該中間板42をその位置に
固定する。そして、前記加圧力付与手段(パワージャッ
キ)60を短縮してその圧下力を解放する。すると、す
べり支承体21及び蓄力構造50はいずれも上下方向に
は所定の弾性係数を有する弾性体(ばね体)であること
から、前記加圧力付与手段60の圧下力を解放した後で
も、それらの変位量が一定に保持されることから、すべ
り支承体21及び蓄力構造50は上下方向に一定の加圧
力、すなわち前記設定値P(例えばP=8×105(N)≒
80,000kg)に等しい加圧力が作用したままの状態
に保持されることになる。なお、図7の垂直荷重試験機
100では、蓄力構造50を下側に配置し、その上にす
べり支承体21を配置する場合を例示したが、これは、
すべり支承体21を下側に配置してその上に蓄力構造5
0を配置しても同様であることは明らかである。
【0026】図11は積層ゴム支承体から成るすべり支
承体21及び蓄力構造50を上下方向に加圧するときの
ばね特性、つまり、荷重−撓み(変位)特性を例示する
グラフである。図11において、縦軸は上下方向の荷重
(ニュートン(N) )を示し、横軸は上下方向の撓み(変
位)を示し、曲線Aはすべり支承体21の上下方向のば
ね特性を示し、曲線Bは皿ばね式の蓄力構造50(皿ば
ね手段53)の上下方向のばね特性を示す。ここで、す
べり支承体(積層ゴム支承体)21に対する設定加圧力
をP(例えばP=8×105(N)≒80,000kg)と
し、当該試験機100における前記加圧力付与手段(パ
ワージャッキ)60による圧下力が設定値P(例えばP
=8×105(N))に達したとき、すべり支承体21の変
位量がTaであり、蓄力構造50の変位量がTbである
とする。
【0027】すると、積層ゴム支承体から成るすべり支
承体21は、前述のように、横方向には低いばね定数を
有していることから水平方向には大きく変位可能である
が、縦方向には高いばね定数(例えば縦横ばね定数比が
約800程度)を有することから、該すべり支承体21
の前記変位量Taはわずかである。これに対して、前記
蓄力構造50の前記変位量がTbは、すべり支承体21
の前記変位量Taに比べて格段に大きく、図示のように
Tb≫Taの関係がある。一方、前述のように、図7の
垂直荷重試験機によってすべり支承体21に荷重をかけ
た状態のまま時間が経過すると、積層ゴム部31のゴム
層34にゴムのへたりが生じることがある。このゴムの
へたり現象は、ゴム状弾性材の性質上、全く解消するこ
とは不可能(又は極めて困難)である。そこで、図11
のグラフにおいて、荷重状態が継続されてすべり支承体
21のゴム層34にへたりが発生したときの状態は以下
の通りである。
【0028】すなわち、図11において、前記蓄力構造
50を使用せずに、すべり支承体21のみを設定荷重P
で加圧した状態でゴム層34のへたりが発生し、当該ゴ
ムのへたりによってすべり支承体21の高さがΔtだけ
短縮(塑性変形)したとすると、加圧力は上記設定値P
から特性曲線Aに沿ってP1 へ急激に減少してしまうこ
とになる。これに対して、図7に示すように、すべり支
承体21及び蓄力構造50を設定荷重Pで加圧した状態
においてゴム層34にへたりが発生し、このゴムのへた
りによってすべり支承体21の高さがΔtだけ短縮(塑
性変形)した場合には、加圧力は上記設定値Pから特性
曲線Bに沿って緩やかに減少することになり、図11中
の荷重P2 までしか減少しないことになる。
【0029】つまり、図11において、設定荷重(初期
荷重)をPとし、蓄力構造50無しの荷重装置における
ゴムへたり発生後の荷重をP1 とし、本実施例の荷重装
置100におけるゴムへたり発生後の荷重をP2 とする
と、P1 ≫P2 、(P−P1)≪(P−P2 )あるいは
P≒P2 ≫P1 の関係を実現することが可能となる。こ
うして、図7の試験機100によれば、へたりを生じる
ことなくばね性を維持できる皿ばね56を有する蓄力構
造50を使用することによって、ゴムのへたりによる加
圧力の急激な減少を防止して当該加圧力を設定荷重Pに
近い値に維持する機能(蓄力機能)を実現することがで
きる。従って、積層ゴム部31を有するすべり支承体2
1に垂直方向の荷重をかけて各種の試験を行う際にその
ゴム層34にへたりが生じた場合でも、荷重の急激な低
下を防止することで所定の試験を継続することができる
積層ゴム荷重装置が提供される。
【0030】図7及び図8の垂直荷重試験機100にお
いては、前記すべり支承体21を前記平板状部材47に
対して位置決め固定するための連結手段70が設けられ
ている。図示の例では、前記連結手段70は、図8に示
すようにすべり支承体21の両側の2箇所の位置に設け
られている。この連結手段70は、垂直荷重試験機10
0において前記すべり支承体21を前記平板状部材47
に押し付け固定して一体化したすべり面ユニットを形成
するとともに、前記上面板41及び中間板42を取り外
すことにより、すべり面ユニットごと試験機100が取
り外すためのものである。この取り外したすべり面ユニ
ットは、別の荷重試験機(例えば後述する水平方向摺動
試験機200)にセットすることにより、すべり支承体
21とすべり板71との間の摺動摩擦特性などの他の目
的の試験を行うことが可能になる。
【0031】図12は前記連結手段70の解放状態(又
は不使用状態)を示す部分縦断面図であり、図13は前
記連結手段70の固定状態(又は使用状態)を示す部分
縦断面図である。図12及び図13において、連結手段
70は、六角外周面を有するタイロッド75の雌ねじ部
にボルト76をねじ係合させてロックナット77で両者
を錠止(ロック)することで長さ調整できるように構成
されている。すべり支承体21のフランジ部32には雌
ねじ78が形成されており、一方、平板状部材47の対
応位置には下側拡開の円形断面の段付き孔79が形成さ
れている。そこで、図示のように、前記ボルト76を下
側から前記段付き孔79を通して挿通してその頭部(円
形断面)を該段付き孔79に係合可能な状態にするとと
もに、該ボルト76の上半部の雄ねじ部にず図示のよう
にロックナット77及びタイロッド(その雌ねじ部)7
5をねじ係合する。そして、前記すべり支承体21のフ
ランジ部32の前記雌ねじ部78は、前記タイロッド7
5の上部雄ねじ部81とねじ係合可能である。
【0032】そこで、前記ロックナット77及び前記六
角外周面付きのタイロッド75を前記ボルト76の所定
位置までねじ込んで全体の長さを所定長さに調整したと
ころで該タイロッド75をロックする。図12は、前記
ボルト76を前記タイロッド75の雌ねじに十分深くね
じ込んで全長を短くすることにより、前記タイロッド7
5(その雄ねじ部81)を前記フランジ部32の雌ねじ
78から離脱させ、すべり支承体21を平板部材47か
ら解放した解放状態を示す。一方、図12の解放状態か
ら、前記ロックナット77を一旦ゆるめて、前記タイロ
ッド75を前記フランジ部32の雌ねじ78にねじ込む
とともに前記ボルト76から引き出す方向に回動するこ
とにより全長を所定長さ(図13の長さ)まで伸長させ
たところで前記ロックナット77で再度ロックする。そ
して、前記タイロッド75を更に前記フランジ部32の
雌ねじ78にねじ込んでいき、すべり支承体21を平板
部材47に対して押付け、両者のすべり面(面部材2
5、ふべり板71)を所定の圧接力で緊締することによ
り固定した状態が図13に示す固定状態である。この固
定状態にすることにより、前記一体化されたすべり面ユ
ニット80が構成される。
【0033】本実施例においては、前記ボルト76の頭
部にはねじ回し(レンチ)係合用の六角穴82が形成さ
れており、該ボルト76に前記タイロッド75及びロッ
クナット77をねじ係合する際に該タイロッド75の六
角外周面とともに該六角穴82を利用して容易に作業し
得るようになっている。また、本実施例の連結手段70
においては、その構造寸法及び使用時の長さは、図13
に示す固定状態で上端(タイロッド75の雄ねじ部8
1)がフランジ部32の上面から突出せず、かつ下端
(ボルト76の頭部)が平板状部材47の下面から突出
しないように調整できるように設定されている。その理
由は、すべり面ユニット80を後述する水平方向摺動試
験機200に装着する場合に、すべり支承体21のフラ
ンジ部32の上面が当該試験機の上面部材83(図1
4)に当接し、かつ、平板状部材47の下面が当該試験
機の下面部材84(図14)に当接したときに、これら
上面及び下面部材との干渉を避けるためである。
【0034】以上の構成を有する連結手段70は、本実
施例では図8に示すように2箇所に配設されているが、
その数及び位置は必要に応じて適宜選定できるものであ
る。そして、本発明の実施例においては、複数の連結手
段を用いる場合、いずれの連結手段70とも実質的に同
じ構成をしており、同様の取扱い方法で使用されるもの
である。
【0035】図7及び図8の垂直荷重試験機100はす
べり支承体21に所定の垂直荷重をかけて耐久試験や特
性変化試験を行うものであり、すべり支承体21のすべ
り面とすべり板71の耐久性や特性変化については別の
試験機を用いて行う必要がある。また、このすべり面の
状態を確認(調査)するための水平方向摺動試験は、重
力荷重を支持するすべり支承体21の環境条件等に基づ
く耐久性や特性変化を考慮すると、前記垂直荷重試験機
100で試験されるすべり支承体21に対して、例えば
数カ月又は1年あるいは数年ごとの所定期間ごとに実施
することが要請される。
【0036】図14はすべり支承体21のすべり面の試
験を行う水平方向摺動試験機の概略を一部破断して示す
模式的側面図であり、図15は図14中の線15−15
から見た断面平面図である。図14及び図15におい
て、水平方向摺動試験機200においては、前記すべり
面ユニット80に所定の垂直荷重Pをかけることにより
すべり支承体21(すべり端面25)と平板状部材47
(すべり板71)との間のすべり面に所定の圧下力(加
圧力)を作用させるとともに、その状態のもとで、前記
すべり支承体21及び前記平板状部材47の少なくとも
一方に水平方向の荷重を作用させることにより該すべり
支承体と該平板状部材とを水平方向に相対的に所定量だ
け移動させる試験、つまり、設置されたすべり支承体2
1の使用状態を想定した水平方向すべり試験が行われ
る。この水平方向すべり試験によって、所定期間にわた
る垂直荷重に対するすべり支承体21のすべり面及びす
べり板71(平板状部材47)のすべり面の摩擦特性の
変化を調べることができる。図14に示す水平方向摺動
試験機200においては、下面部材としての基盤84上
に前記すべり面ユニット80を載置し、加圧機構85に
よって上方から上面部材83を介して該すべり面ユニッ
ト80を垂直方向に加圧し、その状態で前記すべり支承
体21及び前記平板状部材47の少なくとも一方を例え
ばチャック等で掴んで水平方向に引っ張るように構成さ
れている。
【0037】次に、図7の垂直荷重試験機100で試験
中のすべり支承体21に対して図14及び図15の水平
方向摺動試験機200によるすべり試験を行うために、
該すべり支承体21及び前記平板状部材47の少なくと
も一方を移動させる際の手順について説明する。図7の
試験機100において垂直荷重試験を行っている間は、
通常では、前記連結手段70は図12の解放状態(不使
用状態)にされている。上記垂直荷重試験機100から
図14の水平方向摺動試験機200に移行させる場合
は、先ず図7中の中間板42の各ロックナット45をゆ
るめて垂直荷重を釈放する。この時、前記連結手段70
は図12の解放状態になっている。そこで、一旦ロック
ナット77をゆるめてタイロッド75をフランジ部32
の雌ねじ78にねじ込むとともにボルト76から引き出
す方向に回動することにより全長を所定長さ(図13の
長さ)まで伸長させ、その位置で前記ロックナット77
で再度ロックする。そして、前記タイロッド75を更に
前記フランジ部32の雌ねじ78にねじ込んでいき、す
べり支承体21を平板部材47に対して押付け、両者の
すべり面(面部材25、ふべり板71)を所定の圧接力
で緊締(固定)することにより図13の固定状態にす
る。このときのねじ込み緊締は、前記タイロッド75の
外周六角部をねじ回しで回動させて行う。こうして、す
べり支承体21を平板部材47と一体化したすべり面ユ
ニット80を構成する。
【0038】次いで、図7中の上面板41のロックナッ
ト45もゆるめた後、該上面板41及び前記中間板42
(図示の例ではパワージャッキ60も)を枠構造40か
ら一旦取り外し、すべり支承体21を固定した前記すべ
り面ユニット80を垂直荷重試験機100から取り外
す。次いで、垂直荷重試験機100から取り外したすべ
り面ユニット80を、図14に示すように、水平方向摺
動試験機200の上面板83と下面板84との間にセッ
トする。そして、各連結手段70のロックナット77及
びタイロッド75をゆるめ、該タイロッド75の雄ねじ
部81を前記フランジ部32の雌ねじ78から離脱させ
るとともに前記ボルト76にねじ込んでいく方向に回動
させることにより全体の長さを所定長さ(図12の長
さ)まで短縮する。この短縮した長さでは、図12に示
すようにタイロッド75の雄ねじ部81は前記フランジ
部32に対して所定隙間を有する位置まで移動し完全に
離脱している。そこで、タイロッド75をロックナット
77でロックする。こうして、図12に示す解放状態に
する。このように、すべり支承体21と平板状部材47
が水平方向に相対的に移動可能な装着状態にした後、水
平方向摺動試験(すべり試験)を行う。
【0039】なお、図示の連結手段70においては、タ
イロッド75をすべり支承体21のフランジ部32にね
じ係合するとともにボルト76を平板状部材47に抜け
止め掛止させるように構成したが、これは上下を逆にし
て、タイロッドを平板状部材47にねじ係合するととも
にボルトをすべり支承体21に抜け止め掛止させるよう
に構成しても良い。
【0040】前記水平方向摺動試験は、図14に示すよ
うに、前記加圧機構85を圧下して前記すべり面ユニッ
ト80に所定の垂直荷重P(例えば1平方センチ当たり
約800(N) 〜約1000(N) をかけるとともに前記す
べり支承体21及び前記平板状部材47の少なくとも一
方に水平方向の荷重Hを作用させることで、該すべり支
承体21と該平板状部材47とを水平方向に相対的に所
定量D(例えば±20センチ)だけ移動させような試験
で行う。このような試験によって、所定期間(例えば数
カ月〜数年)にわたる垂直荷重に対するすべり支承体2
1のすべり面(面部材25)又は/及びすべり板71
(平板状部材47)のすべり面の摩擦特性の変化を調べ
ることができる。図14及び図15に示すような水平方
向摺動試験を行った後、垂直荷重Pを釈放した後、前記
タイロッド75を利用して前記連結手段70を再び図1
3に示すような固定状態として該試験機200から取り
外す。そして、更にすべり支承体21の垂直荷重試験を
続行する場合は、前述の取り外しの場合と逆の手順で、
取り外したすべり面ユニット80を再び垂直荷重試験機
100に装着し図7及び図8に示す状態にセットすると
ともに連結手段70を図12の解放状態に戻し、前述の
垂直荷重試験を再開する。
【0041】以上説明した実施例に係る試験方法によれ
ば、すべり支承体21に垂直方向の荷重を加えて荷重試
験を行うためのすべり支承体の荷重試験方法において、
すべり支承体21のすべり面と垂直荷重に応じて高さが
弾性変位する蓄力構造50との間に平板状部材47を介
在させて垂直方向に重ねて配置するとともに垂直方向に
加圧して所定量だけ圧縮変位させた状態に保持する垂直
荷重試験機100で垂直荷重試験を行い、圧縮変位させ
た状態で所定期間経過したときに、前記すべり支承体2
1を連結手段70で前記平板状部材47に押し付け固定
してすべり面ユニット80を形成し、このすべり面ユニ
ット80を前記垂直荷重試験機から取り外すとともに、
取り外したすべり面ユニット80を水平方向摺動試験機
200に装着し、前記水平方向摺動試験機200によ
り、前記すべり面ユニット80に所定の垂直荷重Pをか
けるとともに前記すべり支承体及び前記平板状部材47
の少なくとも一方に水平方向の荷重Hを作用させること
で、該すべり支承体21と該平板状部材47とを水平方
向に相対的に所定量Dだけ移動させ、もって、所定期間
にわたる垂直荷重に対するすべり支承体21のすべり面
又は/及び平板状部材47のすべり面(すべり板71の
すべり面)の摩擦特性の変化を調べるように構成された
すべり支承体の荷重試験方法が提供されている。
【0042】また、以上説明した実施例に係る試験装置
によれば、すべり支承体21に垂直方向の荷重を加えて
荷重試験を行うためのすべり支承体の荷重試験装置にお
いて、すべり支承体21のすべり面と垂直荷重に応じて
高さが弾性変位する蓄力構造50との間に平板状部材4
7を介在させて垂直方向に重ねて配置するとともに垂直
方向に加圧して所定量だけ圧縮変位させた状態に保持し
て垂直荷重試験を行う垂直荷重試験機100と、前記す
べり支承体21を前記平板状部材47に押し付け固定す
ることによりすべり面ユニット80を形成するための連
結手段70と、前記すべり面ユニット80が装着される
装着部を有し、装着されたすべり面ユニット80に所定
の垂直荷重Pをかけるとともに前記すべり支承体21及
び前記平板状部材47の少なくとも一方に水平方向の荷
重Hを作用させて該すべり支承体21と該平板状部材4
7とを水平方向に相対的に移動させるための水平方向摺
動試験機200と、を備え、前記垂直荷重試験機100
により前記すべり支承体21及び前記蓄力構造50を圧
縮変位させた状態で所定期間経過したときに、前記すべ
り支承体21を前記連結手段70で前記平板状部材47
に押し付け固定してすべり面ユニット80を形成すると
ともに該すべり面ユニット80を垂直荷重試験機100
から取り外し、取り外したすべり面ユニット80を水平
方向摺動試験機200に装着するとともに前記連結手段
70を弛めて前記すべり支承体21を前記平板状部材4
7から解放した後、前記水平方向摺動試験機200によ
り、前記すべり面ユニット80に所定の垂直荷重Pをか
けるとともに前記すべり支承体21及び前記平板状部材
47の少なくとも一方に水平方向の荷重Hを作用させる
ことで、該すべり支承体21と該平板状部材47とを水
平方向に相対的に所定量Dだけ移動させ、もって、所定
期間にわたる垂直荷重に対するすべり支承体21のすべ
り面又は/及び平板状部材47のすべり面(すべり板7
1のすべり面)の摩擦特性の変化を調べるように構成さ
れたすべり支承体の荷重試験装置が提供されている。
【0043】また、上記実施例においては、前記すべり
支承体21は、ゴム層34と補強板35とを交互に積層
して一体化した積層ゴム部31を有する積層ゴム支承体
として構成されており、また、前記蓄力構造50として
は、垂直方向に互いに変位可能な上受け部材51と下受
け部材52との間に皿ばね手段53を介在させることに
より垂直荷重に応じて高さが弾性変位する構造のものが
使用され、また、前記垂直荷重試験機100としては、
前記平板状部材47を介在させて重ねられた前記畜力構
造50及び前記すべり支承体21を、垂直方向に加圧し
て所定量だけ圧縮変位させるとともに、前記中間板42
をロックナット45でその位置に固定することにより、
その高さを前記圧縮変位した高さに保持するように構成
されたものが使用されている。
【0044】さらに、前記水平方向摺動試験機200に
よるすべり試験が終了した後、前記すべり面ユニット8
0を再び前記垂直荷重試験機100に装着して垂直荷重
試験を続行するように構成されており、また、前記すべ
り支承体21のすべり面が摺動する相手面は前記平板状
部材47に接合されたステンレス鋼板等のすべり板71
で形成されており、また、前記すべり支承体21のすべ
り面はテフロン等の低摩擦係数の面部材25で形成され
ており、さらにまた、前記連結手段70は、前記すべり
支承体21のフランジ部32及び前記平板状部材47の
いずれか一方にねじ係合可能なタイロッド75と、他方
に抜け止め係合されかつ前記タイロッド75の雌ねじ部
にねじ係合されたボルト76と、前記タイロッド75を
前記ボルト76に固定するためのロックナット77と、
を具備する構成を有している。さらに、前記連結手段7
0の上下端は、前記すべり面ユニット80の上面及び下
面のいずれからも突出しないように調整可能な構造寸法
で構成されている。また、前記垂直荷重試験機100
は、図7及び図8に示すように、すべり支承体21を垂
直方向に圧縮変位させて荷重状態にセットした状態のま
ま長期間放置するような別置試験機で構成されている。
【0045】従って、前述の実施例によれば、すべり支
承体21に垂直方向の荷重をかけて試験を行う際に支承
体内にへたりが生じた場合でも、荷重の急激な低下を防
止することで所定の試験を継続することができ、さら
に、連結手段70によりすべり支承体21をすべり面ユ
ニット80として垂直荷重試験時の状態のまま水平方向
摺動試験機200に移行してすべり試験を行うことか
ら、施工後の実際の使用条件を反映した垂直荷重試験及
びすべり試験を行うことが可能となり、正確な荷重試験
を高い精度で行うことができるすべり支承体の荷重試験
方法及び装置が提供される。さらに、所定期間の垂直荷
重試験の後にすべり面の摩擦摺動特性の経時変化を試験
するためのすべり試験としての水平方向摺動試験を、所
望の条件で容易にかつ高い精度で行うことができるすべ
り支承体の荷重試験方法及び装置が提供される。
【0046】なお、以上説明した実施例では、被試験体
であるすべり支承体が積層ゴム支承体である場合を例に
挙げて説明したが、本発明による荷重試験方法及び装置
は、垂直荷重を担持しつつ横方向にすべり可能な支承体
であれば、ゴム状弾性体のみから成る支承体、内部に各
種の内蔵構造を具備する支承体、ばね式の弾性構造から
成る支承体など、その構造の如何に関わらず、種々の構
造の支承体に対して広く適用可能なものであり、同様の
効果が得られるものである。
【0047】
【発明の効果】以上の説明から明らかなごとく、請求項
1のすべり支承体の荷重試験方法に係る発明によれば、
すべり支承体に垂直方向の荷重を加えて荷重試験を行う
ためのすべり支承体の荷重試験方法において、すべり支
承体のすべり面と垂直荷重に応じて高さが弾性変位する
蓄力構造との間に平板状部材を介在させて垂直方向に重
ねて配置するとともに垂直方向に加圧して所定量だけ圧
縮変位させた状態に保持する垂直荷重試験機で垂直荷重
試験を行い、圧縮変位させた状態で所定期間経過したと
きに、前記すべり支承体を連結手段で前記平板状部材に
押し付け固定してすべり面ユニットを形成し、このすべ
り面ユニットを前記垂直荷重試験機から取り外すととも
に、取り外したすべり面ユニットを水平方向摺動試験機
に装着し、前記水平方向摺動試験機により、前記すべり
面ユニットに所定の垂直荷重をかけるとともに前記すべ
り支承体及び前記平板状部材の少なくとも一方に水平方
向の荷重を作用させることで、該すべり支承体と該平板
状部材とを水平方向に相対的に所定量だけ移動させ、も
って、所定期間にわたる垂直荷重に対するすべり支承体
又は平板状部材のすべり面の摩擦特性の変化を調べる構
成としたので、すべり支承体に垂直方向の荷重をかけて
試験を行う際に支承体内にへたりが生じた場合でも、荷
重の急激な低下を防止することで所定の試験を継続する
ことができ、さらに、連結手段によりすべり支承体をす
べり面ユニットとして垂直荷重試験時の状態のまま水平
方向摺動試験機に移行してすべり試験を行うことから、
施工後の実際の使用条件を反映した垂直荷重試験及びす
べり試験を行うことが可能となり、正確な荷重試験を高
い精度で行うことができるすべり支承体の荷重試験方法
が提供される。
【0048】請求項2〜4の発明によれば、上記構成に
加えて、前記すべり支承体は、ゴム層と補強板とを交互
に積層して一体化した積層ゴム部を有する積層ゴム支承
体である構成、前記蓄力構造として、垂直方向に互いに
変位可能な上受け部材と下受け部材との間に皿ばね手段
を介在させることにより垂直荷重に応じて高さが弾性変
位する構造のものを使用し、前記垂直荷重試験機では、
前記平板状部材を介在させて重ねられた前記畜力構造及
び前記すべり支承体を、垂直方向に加圧して所定量だけ
圧縮変位させるとともに、その高さを前記圧縮変位した
高さに保持する構成、あるいは、前記水平方向摺動試験
機による試験が終了した後、前記すべり面ユニットを再
び前記垂直荷重試験機に装着して垂直荷重試験を続行す
る構成としたので、一層効率よく上記効果を達成するこ
とができる。
【0049】請求項5〜8の発明によれば、上記構成に
加えて、前記すべり支承体のすべり面が摺動する相手面
は前記平板状部材に接合されたステンレス鋼板等のすべ
り板で形成されている構成、前記すべり支承体のすべり
面はテフロン等の低摩擦係数の面部材で形成されている
構成、前記連結手段は、前記すべり支承体のフランジ部
及び前記平板状部材のいずれか一方にねじ係合可能なタ
イロッドと、他方に抜け止め係合されかつ前記タイロッ
ドの雌ねじ部にねじ係合されたボルトと、前記タイロッ
ドを前記ボルトに固定するためのロックナットと、を具
備する構成、あるいは、前記連結手段の上下端は、前記
すべり面ユニットの上面及び下面のいずれからも突出し
ない構成としたので、一層効率よく上記効果を達成する
ことができる。
【0050】請求項9のすべり支承体の荷重試験装置に
係る発明によれば、すべり支承体に垂直方向の荷重を加
えて荷重試験を行うためのすべり支承体の荷重試験装置
において、すべり支承体のすべり面と垂直荷重に応じて
高さが弾性変位する蓄力構造との間に平板状部材を介在
させて垂直方向に重ねて配置するとともに垂直方向に加
圧して所定量だけ圧縮変位させた状態に保持して垂直荷
重試験を行う垂直荷重試験機と、前記すべり支承体を前
記平板状部材に押し付け固定することによりすべり面ユ
ニットを形成するための連結手段と、前記すべり面ユニ
ットが装着される装着部を有し、装着されたすべり面ユ
ニットに所定の垂直荷重をかけるとともに前記平板状部
材に水平方向の荷重を作用させて該平板部材を前記すべ
り支承体のすべり面に対して摺動させるための水平方向
摺動試験機と、を備え、前記垂直荷重試験機により前記
すべり支承体及び前記蓄力構造を圧縮変位させた状態で
所定期間経過したときに、前記すべり支承体を前記連結
手段で前記平板状部材に押し付け固定してすべり面ユニ
ットを形成するとともに該すべり面ユニットを垂直荷重
試験機から取り外し、取り外したすべり面ユニットを水
平方向摺動試験機に装着するとともに前記連結手段を弛
めて前記すべり支承体を前記平板状部材から解放した
後、前記水平方向摺動試験機により、前記すべり面ユニ
ットに所定の垂直荷重をかけるとともに前記すべり支承
体及び前記平板状部材の少なくとも一方に水平方向の荷
重を作用させることで、該すべり支承体と該平板状部材
とを水平方向に相対的に所定量だけ移動させ、もって、
所定期間にわたる垂直荷重に対するすべり支承体又は平
板状部材のすべり面の摩擦特性の変化を調べる構成とし
たので、すべり支承体に垂直方向の荷重をかけて試験を
行う際に支承体内にへたりが生じた場合でも、荷重の急
激な低下を防止することで所定の試験を継続することが
でき、さらに、連結手段によりすべり支承体をすべり面
ユニットとして垂直荷重試験時の状態のまま水平方向摺
動試験機に移行してすべり試験を行うことから、施工後
の実際の使用条件を反映した垂直荷重試験及びすべり試
験を行うことが可能となり、正確な荷重試験を高い精度
で行うことができるすべり支承体の荷重試験装置が提供
される。
【0051】請求項10〜12の発明によれば、上記請
求項9の構成に加えて、前記すべり支承体は、ゴム層と
補強板とを交互に積層して一体化した積層ゴム部を有す
る積層ゴム支承体である構成、前記蓄力構造は、垂直方
向に互いに変位可能な上受け部材と下受け部材との間に
皿ばね手段を介在させることにより垂直荷重に応じて高
さが弾性変位する構造を有し、前記垂直荷重試験機で
は、前記平板状部材を介在させて重ねられた前記畜力構
造及び前記すべり支承体を、垂直方向に加圧して所定量
だけ圧縮変位させるとともに、その高さを前記圧縮変位
した高さに保持する構成、あるいは、前記垂直荷重試験
機は別置試験機である構成としたので、一層効率よく上
記効果を達成できるすべり支承体の荷重試験装置が提供
される。
【0052】請求項13〜16の発明によれば、上記請
求項9の構成に加えて、前記すべり支承体のすべり面が
摺動する相手面は前記平板状部材に接合されたステンレ
ス鋼板等のすべり板で形成されている構成、前記すべり
支承体のすべり面はテフロン等の低摩擦係数の面部材で
形成されている構成、前記連結手段は、前記すべり支承
体のフランジ部及び前記平板状部材のいずれか一方にね
じ係合可能なタイロッドと、他方に抜け止め係合されか
つ前記タイロッドの雌ねじ部にねじ係合されたボルト
と、前記タイロッドを前記ボルトに固定するためのロッ
クナットと、を具備する構成、あるいは、前記連結手段
の上下端は、前記すべり面ユニットの上面及び下面のい
ずれからも突出しない構成としたので、一層効率よく上
記効果を達成できるすべり支承体の荷重試験装置が提供
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による荷重試験方法及び装置で試験する
のに好適なすべり支承体を使用した建物を模式的に示す
立面図である。
【図2】図1中の線2−2から見た模式的平面断面図で
ある。
【図3】図1中のすべり支承体を用いたすべり支承装置
を示す縦断面図である。
【図4】図3のすべり支承装置を一部破断して示す模式
的斜視図である。
【図5】本発明による荷重試験方法及び装置で試験する
のに好適なすべり支承体を示す模式的縦断面図である。
【図6】図5のすべり支承体を同図中の線6−6に沿っ
てすべり面側から見た端面図である。
【図7】本発明を適用したすべり支承体の荷重試験方法
及び装置を実施するのに使用される垂直荷重試験機の一
実施例を一部破断して示す立面図である。
【図8】図7中の線8−8から見た平面断面図である。
【図9】図7中の蓄力構造を図10中の線9−9に沿っ
て見た縦断面図である。
【図10】図9中の線10−10に沿って下方を見た平
面断面図である。
【図11】すべり支承体及び蓄力構造を上下方向に加圧
するときのばね特性を例示するグラフである。
【図12】本発明を適用したすべり支承体の荷重試験方
法及び装置を実施するのに使用される連結手段の一実施
例の解放時の状態を示す縦断面図である。
【図13】図12の連結手段の固定時の状態を示す縦断
面図である。
【図14】本発明を適用したすべり支承体の荷重試験方
法及び装置を実施するのに使用される水平方向摺動試験
機の一実施例を一部破断して示す模式的側面図である。
【図15】図14中の線15−15から見て水平方向の
荷重及び移動を示す模式的平面断面図である。
【符号の説明】
10 建物 11 床面 12 基礎 21 すべり支承体(積層ゴム支承体) 22 すべり面(基礎上) 25 面部材(すべり面形成用) 31 積層ゴム部 32 フランジ部 34 ゴム層 35 補強板 41 上面板 42 中間板 43 下面板 44 柱状ボルト 45 ロックナット 47 平板状部材(バックプレート) 50 蓄力構造 51 上受け部材 52 下受け部材 53 皿ばね手段 54 連結手段 55 皿ばねユニット 56 皿ばね 60 パワージャッキ 70 連結手段 71 すべり板(平面部材) 75 タイロッド 76 ボルト 77 ロックナット 78 雌ねじ部 79 段付き孔 80 すべり面ユニット 83 上面部材 84 下面部材 85 加圧機構 100 垂直荷重試験機 200 水平方向摺動試験機

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 すべり支承体に垂直方向の荷重を加え
    て荷重試験を行うためのすべり支承体の荷重試験方法に
    おいて、 すべり支承体のすべり面と垂直荷重に応じて高さが弾性
    変位する蓄力構造との間に平板状部材を介在させて垂直
    方向に重ねて配置するとともに垂直方向に加圧して所定
    量だけ圧縮変位させた状態に保持する垂直荷重試験機で
    垂直荷重試験を行い、 圧縮変位させた状態で所定期間経過したときに、前記す
    べり支承体を連結手段で前記平板状部材に押し付け固定
    してすべり面ユニットを形成し、 このすべり面ユニットを前記垂直荷重試験機から取り外
    すとともに、取り外したすべり面ユニットを水平方向摺
    動試験機に装着し、 前記水平方向摺動試験機により、前記すべり面ユニット
    に所定の垂直荷重をかけるとともに前記すべり支承体及
    び前記平板状部材の少なくとも一方に水平方向の荷重を
    作用させることで、該すべり支承体と該平板状部材とを
    水平方向に相対的に所定量だけ移動させ、 もって、所定期間にわたる垂直荷重に対するすべり支承
    体又は平板状部材のすべり面の摩擦特性の変化を調べる
    ことを特徴とするすべり支承体の荷重試験方法。
  2. 【請求項2】 前記すべり支承体は、ゴム層と補強板
    とを交互に積層して一体化した積層ゴム部を有する積層
    ゴム支承体であることを特徴とする請求項1に記載のす
    べり支承体の荷重試験方法。
  3. 【請求項3】 前記蓄力構造として、垂直方向に互い
    に変位可能な上受け部材と下受け部材との間に皿ばね手
    段を介在させることにより垂直荷重に応じて高さが弾性
    変位する構造のものを使用し、前記垂直荷重試験機で
    は、前記平板状部材を介在させて重ねられた前記畜力構
    造及び前記すべり支承体を、垂直方向に加圧して所定量
    だけ圧縮変位させるとともに、その高さを前記圧縮変位
    した高さに保持することを特徴とする請求項1又は2に
    記載のすべり支承体の荷重試験方法。
  4. 【請求項4】 前記水平方向摺動試験機による試験が
    終了した後、前記すべり面ユニットを再び前記垂直荷重
    試験機に装着して垂直荷重試験を続行することを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載のすべり支承体の荷
    重試験方法。
  5. 【請求項5】 前記すべり支承体のすべり面が相対的
    に摺動する相手面は前記平板状部材に接合されたステン
    レス鋼板等のすべり板で形成されていることを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれかに記載のすべり支承体の荷重
    試験方法。
  6. 【請求項6】 前記すべり支承体のすべり面はテフロ
    ン(登録商標)等の低摩擦係数の面部材で形成されてい
    ることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のす
    べり支承体の荷重試験方法。
  7. 【請求項7】 前記連結手段は、前記すべり支承体の
    フランジ部及び前記平板状部材のいずれか一方にねじ係
    合可能なタイロッドと、他方に抜け止め係合されかつ前
    記タイロッドの雌ねじ部にねじ係合されたボルトと、前
    記タイロッドを前記ボルトに固定するためのロックナッ
    トと、を具備することを特徴とする請求項1〜6のいず
    れかに記載のすべり支承体の荷重試験方法。
  8. 【請求項8】 前記連結手段の上下端は、前記すべり
    面ユニットの上面及び下面のいずれからも突出しないこ
    とを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のすべり
    支承体の荷重試験方法。
  9. 【請求項9】 すべり支承体に垂直方向の荷重を加え
    て荷重試験を行うためのすべり支承体の荷重試験装置に
    おいて、 すべり支承体のすべり面と垂直荷重に応じて高さが弾性
    変位する蓄力構造との間に平板状部材を介在させて垂直
    方向に重ねて配置するとともに垂直方向に加圧して所定
    量だけ圧縮変位させた状態に保持して垂直荷重試験を行
    う垂直荷重試験機と、 前記すべり支承体を前記平板状部材に押し付け固定する
    ことによりすべり面ユニットを形成するための連結手段
    と、 前記すべり面ユニットが装着される装着部を有し、装着
    されたすべり面ユニットに所定の垂直荷重をかけるとと
    もに前記すべり支承体及び前記平板状部材の少なくとも
    一方に水平方向の荷重を作用させて該すべり支承体と該
    平板状部材とを水平方向に相対的に移動させるための水
    平方向摺動試験機と、 を備え、 前記垂直荷重試験機により前記すべり支承体及び前記蓄
    力構造を圧縮変位させた状態で所定期間経過したとき
    に、前記すべり支承体を前記連結手段で前記平板状部材
    に押し付け固定してすべり面ユニットを形成するととも
    に該すべり面ユニットを垂直荷重試験機から取り外し、
    取り外したすべり面ユニットを水平方向摺動試験機に装
    着するとともに前記連結手段を弛めて前記すべり支承体
    を前記平板状部材から解放した後、前記水平方向摺動試
    験機により、前記すべり面ユニットに所定の垂直荷重を
    かけるとともに前記すべり支承体及び前記平板状部材の
    少なくとも一方に水平方向の荷重を作用させることで、
    該すべり支承体と該平板状部材とを水平方向に相対的に
    所定量だけ移動させ、もって、所定期間にわたる垂直荷
    重に対するすべり支承体又は平板状部材のすべり面の摩
    擦特性の変化を調べることを特徴とするすべり支承体の
    荷重試験装置。
  10. 【請求項10】 前記すべり支承体は、ゴム層と補強
    板とを交互に積層して一体化した積層ゴム部を有する積
    層ゴム支承体であることを特徴とする請求項9に記載の
    すべり支承体の荷重試験装置。
  11. 【請求項11】 前記蓄力構造は、垂直方向に互いに
    変位可能な上受け部材と下受け部材との間に皿ばね手段
    を介在させることにより垂直荷重に応じて高さが弾性変
    位する構造を有し、前記垂直荷重試験機では、前記平板
    状部材を介在させて重ねられた前記畜力構造及び前記す
    べり支承体を、垂直方向に加圧して所定量だけ圧縮変位
    させるとともに、その高さを前記圧縮変位した高さに保
    持することを特徴とする請求項9又は10に記載のすべ
    り支承体の荷重試験装置。
  12. 【請求項12】 前記垂直荷重試験機は別置試験機で
    あることを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載
    のすべり支承体の荷重試験装置。
  13. 【請求項13】 前記すべり支承体のすべり面が相対
    的に摺動する相手面は前記平板状部材に接合されたステ
    ンレス鋼板等のすべり板で形成されていることを特徴と
    する請求項9〜12のいずれかに記載のすべり支承体の
    荷重試験装置。
  14. 【請求項14】 前記すべり支承体のすべり面はテフ
    ロン等の低摩擦係数の面部材で形成されていることを特
    徴とする請求項9〜13のいずれかに記載のすべり支承
    体の荷重試験装置。
  15. 【請求項15】 前記連結手段は、前記すべり支承体
    のフランジ部及び前記平板状部材のいずれか一方にねじ
    係合可能なタイロッドと、他方に抜け止め係合されかつ
    前記タイロッドの雌ねじ部にねじ係合されたボルトと、
    前記タイロッドを前記ボルトに固定するためのロックナ
    ットと、を具備することを特徴とする請求項9〜14の
    いずれかに記載のすべり支承体の荷重試験装置。
  16. 【請求項16】 前記連結手段の上下端は、前記すべ
    り面ユニットの上面及び下面のいずれからも突出しない
    ことを特徴とする請求項9〜15のいずれかに記載のす
    べり支承体の荷重試験装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013215853A (ja) * 2012-04-10 2013-10-24 Sophia School Corp 結合構造体の静剛性を維持又は向上させつつ動剛性及び減衰能を向上させる方法
CN108824180A (zh) * 2018-09-03 2018-11-16 成都市新筑路桥机械股份有限公司 一种速度锁定摩擦摆减震支座

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