JP2002198862A - 対数尤度比に基づくレイク受信装置及び通信システム - Google Patents
対数尤度比に基づくレイク受信装置及び通信システムInfo
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Abstract
の小型化、省電力化をはかったレイク受信装置の提供。 【解決手段】 対数尤度比に基づくレイク受信装置に、
マルチパス受信信号を受信してチャネルの推定とフェー
ジングの歪み補償を行う複数個のレイクフィンガー回路
20lと、各レイクフィンガー回路20lから出力された
補償直後の受信信号がそれぞれ入力されて対数尤度比で
あるLLRを計算する複数個の循環LLR計算器25l
と、各循環LLR計算器25lからのLLRが入力され
て、パス毎の閾値とLLRとを比較してパスを選択する
パス選択部30と、パス選択部30で選択された各パス
のLLRの値を合成するLLR合成部31と、LLR合
成部31で出力された合成出力に基づきデータの判定を
行って情報として出力するデータ判定部32とを備え、
各循環LLR計算器25lは、後段の循環LLR計算器
に前段の循環LLR計算器のLLR出力を外部LLRと
して入力する。
Description
くレイク受信装置に関し、無線送受信装置の受信性能改
善、特に耐マルチパスフェージング手段としてのレイク
受信装置と、誤り訂正手段としてのターボ符号化復号化
回路を有する無線送受信装置に関する。
ている。このレイク受信装置1Aは、マルチパスに対応
するレイクフィンガー回路FG#i(i=0〜L)、レ
イク合成部1、信号電力決定部2、2段階パス選択部
3、パイロットシンボル除去部4、ターボ複合化兼用判
定部5を有している。
ネル推定部6、遅延回路7、乗算回路8を有する。レイ
クフィンガー回路FG#iはチャネルの推定とフェージ
ンクの歪の補償とを行う。
のフォーマットが図2に示すものであると仮定する。
中に一定周期毎に挿入されるパイロットシンボルブロッ
クを示している。パイロットシンボルブロック9は、送
信機側と受信機側とで既知の数個のパイロットシンボル
から構成されている。
パイロットシンボルブロック9との間に挟まれている情
報シンボル部(データシンボル部)10が存在し、先行
のパイロットシンボルブロック9の立ち上がりからその
情報シンボル部10を挟んで後行のパイロットシンボル
ブロック10の立ち上がり前までを1スロットという。
そのパイロットシンボルブロック9の立ち上がり前の複
数個のデータシンボルは閾値決定用シンボルブロック1
1として用いられる。そのシンボルはIチャンネルビッ
トとQチャンネルビットとからなっている。
ンボルをd(n;m)とし、l番目のパスを通って受信
装置に届いたベースバンド受信信号をyl(n;m)と
する。また、mが情報シンボルとなる部分のd(n;
m)に対応するターボ符号化される前の情報データをD
(n;m)とする。
ジング歪の補償部(チャネル推定部6)を通った信号
は、Yl(n;m)=yl(n;m)・ξl”*(n)…
(1)となる。ただし、ここの ξl”(n)*はn番目
のスロットのチャネルの推定値である。ここで“*”は
複素共役を示す。このチャネル推定とフェージング歪の
補償はパス毎に行う。
行われた各パスの信号に対して、2段階閾値判定、即
ち、信号Yl(n;m)のSINR(信号対雑音及び干
渉信号電力の比)を推定して、SINR(Signal-to-In
terference and Noise Ratio)の推定値に基づきレイク
合成するパスが選択される。
全検出信号のうち、受信信号電力S(l)が次式の条件
を満たす信号成分のみが選択される。
最小受信電力、Smaxは遅延プロファイルの信号成分に
おける最大受信電力である。Δ noise(dB)は
他チャンネル干渉や熱雑音のみのサンプル点に関する閾
値、ΔRake(dB)はレイク合成可能なパスが有効
に合成されるためのSlNRに関する閾値である。
m)は下記の式(3)に基づきレイク合成される: x(n;m)=ΣYl(n;m) …(3) ここで、「Σ」はl=0からl=L−1までの和をとる
ことを意味し、Lはレイク合成の総パス数を示す。
m)がD’(n;m)にターボ復号される。D’(n;
m)がD (n;m)と同じであれば、情報が正しく送
受信されたことを意味する。
Aでは、受信信号がまず最大比レイク合成され、その後
に、ターボデコード処理される。この2つの処理は独立
の処理である。しかし、最大比レイク合成が受信信号の
品質を改善できる条件の1つとして、合成しようとする
各パスに含まれている雑音の間に相互相関がないことが
必要である。しかし、以下に述べるような原因によっ
て、実際の通信環境のマルチパス受信信号に含まれてい
る雑音間に相互相関がないとは限らない。 (1)送信機1Bから送信された信号の建築物1C、山
岳1D、トンネルの壁などによる反射はマルチパスを生
成する原因となるが、パスの分離の程度は反射点と受信
装置1C間の距離で大体決まる。この距離が大きい場
合、信号を伝達する路径は大きく異なるのが普通であ
り、帯域フィルタを考えなければ、含まれる雑音及び千
渉の間に相関は殆ど無い。図3(a)はその反射点から
受信装置1Aまでの距離が大きい場合を示している。
する経路は一部で共有される場合があり、含まれる雑音
及び干渉の間に相関を持つ原因となる。実際の電波伝搬
環境で、受信装置1Aとの距離が十分小さな反射点しか
ない場合、相関の大きな雑音や千渉が含まれているパス
がほとんどと全てとなると考えられる。図3(b)はそ
の反射点から受信装置1Aまでの距離が小さい場合を示
している。
に示すように、含まれる雑音が互いに相関を持たないパ
スの場合にしか効果を発揮できない。しかるに、特に市
街地では、受信装置1Aの近くで反射する波が支配的な
場合が多く、従来の受信装置1Aではこれらのパスのう
ちの1つしか利用できない。 (2)受信装置1Aの帯域通過フィルタは、ある範囲で
各パスの雑音及び干渉に相関を与える。従来の受信装置
1Aの回路では、この範囲以外のパスでしか合成の効果
が得られない。
が5MHz、オーバーサンプリング(OverSamp
ling)が8倍、チップレート(Chip Rat
e)が4.096MHzとすると、理想的な帯域フィル
タを仮定した場合、任意の2つのパスに含まれている雑
音及び干渉の間に相関が生じるそれら2つのパス間の相
対遅延時間の範囲は、約2×10-7sである。2つのサ
ンプリング(Sampling)の間隔は3×10-8s
となるので、遅延時間差が3×10-8s以上のパスを分
離することができるが、従来の最大比合成のレイク受信
装置1Aでは、含まれる雑音及び干渉間の相関のため
に、遅延時間差2×10-7s以上のパスの合成でしか効
果は得られない。
問題もある。 (3)レイク合成部1とターボ複合化兼用判定部(誤り
訂正部)5とが個別の回路で処理を行うため、パフォー
マンスが悪くなるだけではなく、回路の小型化や省電力
化の点に障害がある。 (4)レイク合成するパスの選択方法が曖昧である。基
本的に、合成しようとするパスは、各パスの信号対雑音
および干渉信号電力比(SINR)を用いて決定する。
しかし、SINRを計算するためには、信号電力と雑音
及び干渉信号電力を分離する必要があり、実際の場合S
INRを計算することは不可能である。このため、従来
技術としては一定時間内に受信された信号のSampl
ingされた電力に対し、2段階パス選択法を用いる場
合もあるが、いずれにしても、SINRでの選択の近似
的な手段であるため、理想的な効果は得られない。
解消し、耐マルチパスフェージング特性を改善すると共
に、受信装置本体の小型化、省電力化にきわめて有効な
移動体通信装置としてのレイク受信装置を提供すること
にある。
信装置は、マルチパス受信信号を受信してチャネルの推
定とフェージングの歪み補償を行う複数個のレイクフィ
ンガー回路と、各レイクフィンガー回路から出力された
補償直後の受信信号がそれぞれ入力されて対数尤度比で
あるLLRを計算する複数個の循環LLR計算器と、各
循環LLR計算器からのLLRが入力されて、パス毎の
閾値とLLRとを比較してパスを選択するパス選択部
と、該パス選択部で選択された各パスのLLRの値を合
成するLLR合成部と、該LLR合成部で出力された合
成出力に基づきデータの判定を行って情報として出力す
るデータ判定部とを備え、前記各循環LLR計算器に
は、後段の循環LLR計算器に前段の循環LLR計算器
のLLR出力が外部LLRとして入力されることを特徴
とする。
電力を合成するのではなく、受信信号のパス毎に、その
パスの信号について求めた対数尤度比を合成するところ
に特徴がある。
ク受信装置は、ターボ符号化された情報を含む信号を送
受信する無線通信システムのレイク受信装置であって、
受信信号を複数のパスに分離して各パスの信号を処理し
て合成するものであり、各パス毎のチャネル推定とフェ
ージング歪み補償とを行うレイクフィンガー回路の出力
に基づき、各パス毎にそのパスの信号について対数尤度
比であるLLRを計算し、その後、各パスで求めた対数
尤度比を合成するLLR合成部が設けられていることを
特徴とする。
ク受信装置は、各パス毎に対数尤度比を計算する手段と
して、ターボ復号器からデータ判定部に対応する部分を
除去した構成を有する循環LLR計算器が用いられてい
ることを特徴とする。
ク受信装置は、各パス毎に設けられた循環LLR計算器
のLLR出力が他のパスに設けられている循環LLR計
算器の外部LLR入力として利用するように前記循環L
LR計算器が構成されていることを特徴とする。
ク受信装置は、各循環LLR計算器のLLR出力の値を
閾値と比較することによりパスを選択するパス選択部が
設けられていることを特徴とする。
ク受信装置は、前記パス選択部は、パス毎に得られたL
LR出力の値に対するパス毎の閾値を設定する閾値設定
手段と、前記閾値と前記各循環LLR計算器のLLR出
力の値とを比較してパスを選択するか否かを判定する判
定手段とを備えていることを特徴とする。
ク受信装置は、前記判定手段は、LLRの絶対値が閾値
以上の値のパスを選択することを特徴とする。
ク受信装置は、前記LLR合成部は、選択されたパスの
LLR出力の値を合成することを特徴とする。
ク受信装置は、前記LLR合成部は前記選択された各パ
スのLLR出力の値を単純加算することを特徴とする。
イク受信装置は、前記LLR合成部からの出力に基づき
データを復調するデータ判定部を有することを特徴とす
る。
イク受信装置は、送信信号の1スロットが受信装置側で
既知のパイロットシンボルと、ターボ符号化された情報
シンボルとが時系列順に並べられた構成であり、前記レ
イクフィンガー回路は、各スロットのパイロットシンボ
ルを検出して平均値を求めた後、更にその平均値に対し
て重みづけを平均をとることによってチャネル推定値を
求め、このチャネル推定値に基づいてフェージング補償
を行うことを特徴とする。
イク受信装置は、前記レイクフィンガー回路には、チャ
ネル推定補償後に、パイロット信号を除去するパイロッ
ト信号除去部が設けられていることを特徴とする。
イク受信装置は、前記データ判定部は、前記LLR合成
部からのLLRの出力の値の符号によって、データが
「1」であるか「0」であるかを判定することを特徴と
する。
説明する。ターボ復号化処理は、任意の受信信号xを用
いて、送信データdがd’であると仮定して、復調され
る場合のLLR(Log-Likelihood Ratio(対数尤度比))
を計算し、このLLRによってデータを判定することであ
る。LLRの定義は、以下の式(4)で表される。 L(d’)=log[{P(d=1│x)}/{P(d=0│x)}] …(4) ここで、P(d=1│x)は受信信号xを受信したこと
によって、送信データdが“1”と判定される確率、P
(d=0│x)は受信信号xを受信したことによって、
送信データdが“0”と判定される確率である。なお、
送信データdとは、送信側から送信される情報(デー
タ)を意味し、d’は受信側で判定されたデータを意味
する。復号化処理では、L(d’)の符号によってデータ
が判定される。
す。
によって次式のように分けて記述することもできる。
外部LLR、Lc(x)は通信路LLRである。即ち、L
(d’)には3種類のLLRが寄与すると考えることがで
きる。
(Additive White Gaussian Noise))しか含まれていな
い場合には、通信路LLRは次式(6)によって表され
る。
め、繰り返し計算が行われる。このとき、(5)式の中
の項L(d)は前回の計算によって得られたLLRの値
を指し、今回のL(d’)の計算には、独立したLLR
として加算される。また、Le(d’)は今回の繰り返
し計算の中で、ほかのデータのLLRから得られたLL
Rである。
LLRを用いて考える。伝搬路に白色加法性雑音しか含
まれていない場合、Yl(n;m)とx(n;m)に対す
る通信路LLRは式(6)から類推して次式(7)、
(8)で表される。
(n;m))に式(3)の関係を適用すると、 Lc(x(n;m))=ΣLc(Yl(n;m)) …(9) ここで、「Σ」はl=0からl=L−1までの和をとる
ことを意味し、Lはレイク合成の総パス数を示す。
通信路LLRが加算されることになる。
この出力に対する事前尤度と外部尤度は零とみなされる
ため、下記の(10)式が成り立つ。
定されたデータである。更に、式(9)の加算を積み重
ねの過程と見なして、i−1番目のパスまでのレイク合
成と次のi番目のパスまでのレイク合成について考え
る。ここで、パスの順番がマルチパスプロファイルの遅
延時間の順番と同じであるとして扱うことにする。
(d’)で表すことにすると、このLLR(i)(d’)
は、次式(11)により表すことができる。 L(i)(d’)=Lc(x(i))+ΣLc(x(k)) …(11) ここで、「Σ」はk=0からi−1までの和をとること
を意味する。
番目のパスのLLRを算出する際に寄与するi‐1番目
までのパスのLLRの合成結果であり、外部LLRとみ
なすことができる。即ち、i番目のパスに対する外部L
LRをLe (i)(d’)で表すことにすると、このLe (i)
(d’)は次式(12)で表される。
を意味する。
復号化処理の考え方を参考に説明した。
渉の間に相関がなければ、従来のレイク合成の効果は十
分である。しかし、lつのパスに含まれている雑音及び
干渉が、他のパスの雑音や干渉と相関性を持っている場
合、式(12)から期待される各Lc(x(k))からの互
いに独立的な寄与が少なくなる。この点を改めて解析的
に説明する。
d(n;m)に対して、i番目のパスを通って、このパ
スに含まれている雑音及び干渉n(i)(n;m)が加わ
った受信信号は、 x(i)(n;m)=d(n;m)+n(i)(n;m) と記述できる。
c(x(i)))と第2項(ΣLc(x(k))、即ち、L(i) e
(d’))はそれぞれ以下の式(13)、(14)のよ
うに表される。 Lc(x(i)(n;m))=(2/σ(i)2)・d(n;m)+Lc(n(i)(n;m))…(13) L(i) e(d'(n;m))=Σ{2/σ(k)2・d(n;m)}+L(i) e(n(i)(n;m))…(14) ここで、「Σ」はk=0からi−1までの和をとること
を意味する。
(i)(n;m))とは、それぞれ、Lc(x(i))、L(i) e
(d’)に含まれている雑音及び干渉の影響を表すもの
で、下記の(15)、(16)式によって表される。 Lc(n(i)(n;m))={2/σ(i)2}・n(i)(n;m)…(15) L(i) e(n(i)(n;m))=Σ[{2/σ(k)2}・n(k)(n;m)] …(16) ここで、「Σ」はk=0からi−1までの和をとること
を意味する。
1つのパスに含まれている雑音及び干渉が、他のパスの
雑音や干渉と相関性を持っている場合、Lc(n
(i)(n;m))とLe(n(i)(n;m))もまた相関
を持つことになる。つまり、Lc(x( i))とL
(i) e(d’)は互いに独立ではないということが明らか
になった。
いLLRを得るためには、Lc(x( i))とL
(i) e(d’)とが独立であることが必要である。そうで
なければ、式(12)の和は、次のパス(つまりi番目
のパス)に対する効果的な外部LLRとはならない。以
上説明したように、従来のレイク合成では相関性のある
雑音や干渉を含んでいるマルチパス環境では効果が少な
い。
ける循環過程と同様に、パス毎のLLRが加算されるこ
とによって全体としてのLLRが増加すると考えること
ができることを前述した。
イク合成とターボ復号化とを組み合わせることが可能で
あり、この考え方によって前述した従来回路の欠点を回
避することができる。
ボ復号化の繰り返し処埋をレイク受信装置のフィンガー
毎の処理の過程に組み込む」と言う具体的な構成によっ
て、耐マルチパス性能を改善したレイク受信装置を提供
するものである。
式(12)に従って、下記(17)式のように記述す
る。 L(i) e(D’)=ΣL(D’(l)) …(17) ここで、「Σ」はl=0からi−1までの和をとること
を意味する。
LRに基づき判定される情報データである。合成の対象
はL(D’(l))であり、L(D’(l))は普通のターボ
復号化の繰り返し処理と同様に計算される。D’(l)に
関してはパス毎に判定する必要はなく、データの判定
は、全てのパスのLLRが合成された後、下記(18)
式に基づき判定する。 L(D’)=L(L-1)(D’)+L(L-1) e(D’) …(18) D’は判定された情報データである。なお、以上の説明
において、情報データの添え字(n;m)は省略した。
レイク合成の対象となるパスを選択する方法は曖昧にな
る場合があった。例えば、2段階パス法と呼ばれる選択
方法ではSINRの大きいパスを正確に選択することは
難しい。
なるパスの選択を、各パスのLLRに基づく判定に従っ
て実行することにしたものである。
する受信信号のLLRであるL(l)(D’)の絶対値|
L(l)(D’)|は、このLLRによって送信側の情報デ
ータを判定する場合の信頼度を表すものである。従っ
て、|L(l)(D’)|は受信信号のSINRと密接に関
連してSINRの状態を定量的に反映し、かつ、正確に
把握できる指標である。従って、|L(l)(D’)|を用
いることによって従来の2段階パス選択法よりも精度の
高い選択が可能になると考えられる。
明する前の前提条件を説明する。 (1)送信機の側では、ターボ符号化を誤り訂正手段と
して取り込んでいる。即ち、送信された信号はターボ符
号化されているものとする。 (2)ターボ符号化された情報シンボルと受信側で既知
とするパイロットシンボルは図2に示すフォーマットで
送信される。即ち、送信機側の信号フォーマットは位相
既知のパイロットシンボルとしてのNp個のシンボルを
情報データシンボルとしてのNs個のシンボル毎に挿入
したフレームで構成するものとする。ここで、パイロッ
トシンボルとしてのNp個のシンボルが、1パイロット
シンボルブロック9である。 (3)受信装置において、パスの分離と各パスの位相同
期に関する処理は、事前の処理として済んでいるものと
する。
体的構成を図4を参照しつつ説明する。
イクフィンガー回路を示している。各レイクフィンガー
回路20lは、チャネル推定部21、遅延回路22、乗
算回路23、パイロットシンボル除去部24を有する。
号yl(n;m)がレイクフィンガー回路毎に入力さ
れ、各レイクフィンガー回路のチャネル推定部21によ
りチャネルの推定とフェージンクの歪の補償とが行われ
る。
ボルブロック9毎にパイロットシンボルの平均値ξ'
l(n)を下記(19)式に基づき計算する。 ξ'l(n)=(1/Np)Σyp(n;m) …(19) ここで、nはパイロットシンボルブロック9が所属する
スロットの番号、mはそのパイロットシンボルブロック
9に所属するパイロットシンボルの番号である。また、
「Σ」はm=0からNp-1個までの和をとることを意味
する。
に重み付け平均を行い、最終のチャネル推定値ξ”
l(n)を下記の式(20)に基づいて得る。 ξ”l(n)=Σ{α(i)・ξ'l(n+i)} …(20) 「Σ」はi=−K+1からKまでの和をとることを意味
する。
け平均を行うξ'l(n)の個数、α(i )は平均化の重み係
数である。α(i)及びKの値はシステムのパラメータと
して設定される。
l(n)を用いてn番目のスロットの情報シンボル区間の
チャネル変動を補償する。このフェージング補償をする
ときに、従来の式(1)を用いず、下記式(21)を用
いてフェージングを補償する。 Yl(n;m)=yl(n;m)・{ξ”l *(n)/│ξ”l(n)│}…(21) すなわち、乗算回路23は上記(21)式に基づきフェ
ージングを補償する。このフェージング補償された信号
Yl(n;m)はパイロット信号除去部24に入力さ
れ、このパイロット信号除去部24によりパイロットシ
ンボルが取り除かれ、情報シンボル部10の区間に対応
する部分の信号Yl(n;m)がパイロットシンボル除
去部24から出力される。
(n;m)はパス毎に循環LLR計算器25lに入力され
る。図4では、L=3として、3個の循環LLR計算器
251、252、253が示されている。
R計算器からのLLR出力も外部LLR(L
(i) e(d’))として入力される。例えば、後段の循環
LLR計算器252には前段の循環LLR計算器251の
LLR出力が外部LLRとして入力され、後段の循環L
LR計算器253には前段の循環LLR計算器252のL
LR出力が外部LLRとして入力される。
ターボ符号化されているので、このターボ符号を利用し
て繰り返しLLRを計算する。従来のターボ復号の繰り
返し計算の初期事前尤度L(i)(d)は「0」と設定され
るのに対して、この発明では、L(i) e(d’)と設定され
ることになる。
外部LLR出力の値は「0」、最終段の循環LLR計算
器253のLLR出力は他の循環LLR計算器には入力
されない。
循環LLR計算器には、対応するレイクフィンガー回路
からフェージング歪み補償がされかつパイロットシンボ
ルが除去された信号Yl(n;m)が入力されると共
に、前段の循環LLR計算器のLLR出力が外部LLR
出力として入力される。
ック回路図である。循環LLR計算器25lはソフトイ
ン・ソフトアウト復号器26、ソフトイン・ソフトアウ
ト復号器27を有する。ソフトイン・ソフトアウト復号
器26とソフトイン・ソフトアウト復号器27との間に
は並べ替えを行うインタリーバ回路28が設けられ、ソ
フトイン・ソフトアウト復号器26の外部LLR出力L
(1) e(d’)はインタリーバ28に入力され、インタリ
ーバ28を介して、送信データL(2)(d)としてソフ
トイン・ソフトアウト復号器27に入力される。
信データL(2)(d)と入力Lcxとに基づき外部LLR
出力L(2) e(d’)をデ・インタリーバ29に出力し、
デ・インタリーバ29は元の順序に戻してソフトイン・
ソフトアウト復号器26に判定された情報データL(1)
(d’)を出力する。
器とよく似ているが、循環LLR計算器25lではデー
タ判定部に対応する部分が無い点が異なる。
択部30に入力され、パスの選択が行なわれる。このパ
ス選択部30では、下記式(22)を満足するパスの選
択が行われるものである。
値であり、システムのパラメータとして設定される。
計算器の出力をこの閾値TLLRと比較してパス選択の
判断を行う。
り、式(2)に従う従来のレイク受信装置に比べ大幅な
パス選択手順の簡略化が図れる。
られたLLR出力の値に対するパス毎の閾値を設定する
閾値設定手段と、この閾値と各循環LLR計算器のLL
R計算器のLLR出力の値とを比較してパスを選択する
か否かを判定する判定手段とを備えている。
合成部31に入力されて合成される。レイク合成部31
での合成処理は、対応するパスのLLRの値の単純加算
である。
30で選択されたパスに対する各パスのLLRの値を加
算する。
32に入力され、データ判定が行なわれる。データ判定
はd’(n;m)=sgn[L(d(n;m))]によって行
う。このsgn[x]は、xの符号(+又は−)を表す。
d’(n;m)がd(n;m)と同じであれば、このビ
ットについて正しく通信ができたことを意味する。
部31からのLLRの出力の値の符号によってデータが
「1」であるのか、「0」であるかを判定する。
ミュレーションシステム図を示している。
調されて無線送信される。レイク受信装置1Aには伝搬
路の途中で各種のノイズ、干渉が加わったマルチパス信
号が受信される。レイク受信装置1Aはこのマルチパス
信号に基づきデータを復調する。
下に示す。 送信機1B: ・ビットレート:16kHz ・インターリーブ長:128bits(8ms)、方式:ランダム ・ターボ符号の成分符号器の構成:8進表示で(30、
23) ・トレリス終結方法:自己トレリス終結法 伝搬路: ・マルチパス環境 3パスモデルとした。この伝搬路の遅延プロファイルは
図7に示されている。
おいて等価的に扱い、また、LLRに基づくレイク受信
装置では、入力各パスが理想的に分離入力されるものと
仮定した。 ・パス中のフェージングはレィリーフェージング(Rayl
eighフェージング)とした。
数2GHzの場合、54km/hに相当) ・各パスに含まれる雑音及び干渉としては帯域制限され
た白色加法性雑音AWGNを設定し、3パス相互の雑音
間における相関は以下の係数による関係であると仮定し
た。
23) ・ターボ復号の繰り返し回数 レイク・ターボの場合:15回 LLRレイクの場合:5回/(レイクフィンガー)×3
レイクフィンガー ・LLRに基づくパス選択時の閾値:TLLR=0、即
ち、有効信号は全て選択とした。
こで、従来技術に対する本発明による効果をBER=10-3を
得るための所要SINRで比較すると、表2に示すように、
約4dBと見積もることが出来る。
イク合成回路では効果が得られない、相関を持つマルチ
パスに対しても、レイク合成の効果が得られることが明
らかになった。
能を組み合わせた効果を実現できる。 (2)レイクフィンガー間においては、1個の循環LL
R計算器のLLR出力を他の循環LLR計算器の外部L
LR出力の値として利用することにより、ターボ復号の
繰り返し演算処理と同様の誤り特性改善効果を実現でき
る。 (3)従来の最大比合成手段では、合成する2つパスの
時間的な間隔が相関関係が生じる相対遅延時間の範囲よ
り長い場合は効果があるが、短いときは効果が低い。
場合には、このような問題はなく、相関関係が生じる領
域でのマルチパスにおいても合成の効果が得られる。
以下の[1]−[3]に記載の文献を参照されたい。 [1]Claude Berrou,and Alain Glavieux,Near Optimu
m Error Correcting Coding andDecoding:Turbo-Codes,
IEEE Trans.on Commun.Vol.44,No10,1261-1271(199
6). [2]福元 暁、佐和橋 衛、安達 文幸、広帯域DS-CD
MA方式における2段階しきい値マルチパス選択法用いた
マッチトフィルタRAKE受信の特性、信学技報、A-P97-10
4、RCS97-119(1997-10)pp.43-48。 [3]井坂 元彦、ターボ符号復号の基礎概念とその拡
張性、DSP & Communications Conference 2000,Tokyo,J
apan,Jan2000.
の無線通信に際し、より厳密にパスの選択を行うことに
よる通信品質の向上が可能なレイク合成回路を提供でき
る。
る。
図である。
(a)は非相関雑音の場合を示し、(b)は相関雑音が
生じる場合を示す。
のブロック回路図である。
ロック図である。
る。
Claims (13)
- 【請求項1】 マルチパス受信信号を受信してチャネル
の推定とフェージングの歪み補償を行う複数個のレイク
フィンガー回路と、各レイクフィンガー回路から出力さ
れた補償直後の受信信号がそれぞれ入力されて対数尤度
比であるLLRを計算する複数個の循環LLR計算器
と、各循環LLR計算器からのLLRが入力されて、パ
ス毎の閾値とLLRとを比較してパスを選択するパス選
択部と、該パス選択部で選択された各パスのLLRの値
を合成するLLR合成部と、該LLR合成部で出力され
た合成出力に基づきデータの判定を行って情報として出
力するデータ判定部とを備え、前記各循環LLR計算器
には、後段の循環LLR計算器に前段の循環LLR計算
器のLLR出力が外部LLRとして入力されることを特
徴とする対数尤度比に基づくレイク受信装置。 - 【請求項2】 ターボ符号化された情報を含む信号を送
受信する無線通信システムのレイク受信装置であって、
受信信号を複数のパスに分離して各パスの信号を処理し
て合成するものであり、各パス毎のチャネル推定とフェ
ージング歪み補償とを行うレイクフィンガー回路の出力
に基づき、各パス毎にそのパスの信号について対数尤度
比であるLLRを計算し、その後、各パスで求めた対数
尤度比を合成するLLR合成部が設けられていることを
特徴とする対数尤度比に基づくレイク受信装置。 - 【請求項3】 各パス毎に対数尤度比を計算する手段と
して、ターボ復号器からデータ判定部に対応する部分を
除去した構成を有する循環LLR計算器が用いられてい
ることを特徴とする請求項2に記載の対数尤度比に基づ
くレイク受信装置。 - 【請求項4】 各パス毎に設けられた循環LLR計算器
のLLR出力が他のパスに設けられている循環LLR計
算器の外部LLR入力として利用するように前記循環L
LR計算器が構成されていることを特徴とする請求項3
に記載の対数尤度比に基づくレイク受信装置。 - 【請求項5】 各循環LLR計算器のLLR出力の値を
閾値と比較することによりパスを選択するパス選択部が
設けられていることを特徴とする請求項4に記載の対数
尤度比に基づくレイク受信装置。 - 【請求項6】 前記パス選択部は、パス毎に得られたL
LR出力の値に対するパス毎の閾値を設定する閾値設定
手段と、前記閾値と前記各循環LLR計算器のLLR出
力の値とを比較してパスを選択するか否かを判定する判
定手段とを備えていることを特徴とする請求項5に記載
の対数尤度比に基づくレイク受信装置。 - 【請求項7】 前記判定手段は、LLRの絶対値が閾値
以上の値のパスを選択することを特徴とする請求項6に
記載の対数尤度比に基づくレイク受信装置。 - 【請求項8】 前記LLR合成部は、選択されたパスの
LLR出力の値を合成することを特徴とする請求項5な
いし請求項7のいずれか1項に記載の対数尤度比に基づ
くレイク受信装置。 - 【請求項9】 前記LLR合成部は前記選択された各パ
スのLLR出力の値を単純加算することを特徴とする請
求項8に記載の対数尤度比に基づくレイク受信装置。 - 【請求項10】 前記LLR合成部からの出力に基づき
データを復調するデータ判定部を有することを特徴とす
る請求項8又は請求項9に記載の対数尤度比に基づくレ
イク受信装置。 - 【請求項11】 送信信号の1スロットが受信装置側で
既知のパイロットシンボルと、ターボ符号化された情報
シンボルとが時系列順に並べられた構成であり、前記レ
イクフィンガー回路は、各スロットのパイロットシンボ
ルを検出して平均値を求めた後、更にその平均値に対し
て重みづけの平均をとることによってチャネル推定値を
求め、このチャネル推定値に基づいてフェージング補償
を行うことを特徴とする請求項2に記載の対数尤度比に
基づくレイク受信装置。 - 【請求項12】 前記レイクフィンガー回路には、チャ
ネル推定補償後に、パイロット信号を除去するパイロッ
ト信号除去部が設けられていることを特徴とする請求項
11に記載の対数尤度比に基づくレイク受信装置。 - 【請求項13】 前記データ判定部は、前記LLR合成
部からのLLRの出力の値の符号によって、データが
「1」であるか「0」であるかを判定することを特徴と
する請求項10に記載の対数尤度比に基づくレイク受信
装置。
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JP2000394503A JP4588872B2 (ja) | 2000-12-26 | 2000-12-26 | 対数尤度比に基づくレイク受信装置及び通信システム |
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- 2000-12-26 JP JP2000394503A patent/JP4588872B2/ja not_active Expired - Fee Related
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