JP2002194051A - 新規エポキシカルボキシレート化合物及びそれを用いた感光性樹脂組成物並びにその硬化物 - Google Patents

新規エポキシカルボキシレート化合物及びそれを用いた感光性樹脂組成物並びにその硬化物

Info

Publication number
JP2002194051A
JP2002194051A JP2000394819A JP2000394819A JP2002194051A JP 2002194051 A JP2002194051 A JP 2002194051A JP 2000394819 A JP2000394819 A JP 2000394819A JP 2000394819 A JP2000394819 A JP 2000394819A JP 2002194051 A JP2002194051 A JP 2002194051A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy
resin composition
photosensitive resin
compound
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000394819A
Other languages
English (en)
Inventor
Takao Koyanagi
敬夫 小柳
Katsuhiko Oshimi
克彦 押見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Kayaku Co Ltd filed Critical Nippon Kayaku Co Ltd
Priority to JP2000394819A priority Critical patent/JP2002194051A/ja
Publication of JP2002194051A publication Critical patent/JP2002194051A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Non-Metallic Protective Coatings For Printed Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】光感度に優れ、得られた硬化物は、密着性、鉛
筆硬度、耐溶剤性、耐酸性、耐熱性、耐金メッキ性等に
優れた感光性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】分子中に1個以上のエポキシ基を有しかつ
液晶性を示すエポキシ化合物(a)と分子中に1個以上
の不飽和二重結合を有するモノカルボン酸(b)とを反
応させて得られることを特徴とするエポキシカルボキシ
レート化合物(A)及びこの化合物(A)、光重合開始
剤(B)及び任意成分として架橋剤(C)を含有するこ
とを特徴とする感光性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なエポキシカ
ルボキシレート化合物及びそれを用いた感光性樹脂組成
物並びにその硬化物に関するものである。更に詳細に
は、プリント配線板用ソルダーレジスト、多層プリント
配線板用層間電気絶縁材料として有用で、その硬化皮膜
が、密着性、半田耐熱性、耐薬品性、耐金メッキ性、フ
レキシブル性等に優れた硬化物を与える感光性樹脂組成
物及びその硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】感光性を有するエポキシカルボキシレー
ト化合物は、環境的、熱的、力学的性質や基材に対する
接着性など種々特性のバランスに優れた化合物である。
このため古くから、塗料・コーティング、接着剤などの
分野で用いられてきた。最近では、電気・電子部品製造
用途やプリント基板製造用途等、広い工業分野で使用さ
れ、ますますその応用範囲が広がりつつあることは良く
知られている。この応用分野の拡大に伴って、エポキシ
カルボキシレート化合物にますます高い機能と新しい機
能の付加が要求されるようになり、電気・電子部品製造
用途やプリント基板製造用途を中心に種々の新たなエポ
キシカルボキシレート化合物の開発が積極的に進められ
ている。このような新たな高性能・高機能エポキシカル
ボキシレート化合物の開発を目的とした研究の一つとし
て、硬化物の網目構造へのメソゲン基の導入が試みられ
ている(なおここでいうメソゲンは液晶相を形成するた
めの中心となる原子団のことで剛直な棒状あるいは平面
状の構造を持ち、高い配列性を示す基のことである)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高性能・高
機能を有する新規エポキシカルボキシレート化合物、と
りわけ剛直性及び耐熱性とフレキシブル性を併せ持つエ
ポキシカルボキシレート化合物及びそれを用いた感光性
樹脂組成物並びにその硬化物を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記のよう
な特性を有するエポキシカルボキシレート化合物につい
て鋭意研究の結果、本発明を完成するに至った。即ち、
本発明は、(1)分子中に1個以上のエポキシ基を有し
かつ液晶性を示すエポキシ化合物(a)と分子中に1個
以上の不飽和二重結合を有するモノカルボン酸(b)と
を反応させて得られることを特徴とするエポキシカルボ
キシレート化合物(A)、(2)エポキシ化合物(a)
が、式(1)
【0005】
【化2】
【0006】(式中、Rはそれぞれ独立に、水素原子ま
たはメチル基を示す)で表されるエポキシ化合物である
上記(1)に記載のエポキシカルボキシレート化合物
(A)、(3)(b)が、(メタ)アクリル酸、(メ
タ)アクリル酸とε−カプロラクトンとの反応生成物お
よび桂皮酸からなる群から選択された1種以上である上
記(1)または(2)に記載のエポキシカルボキシレー
ト化合物(A)、(4)上記(1)ないし(3)のいず
れか1項に記載のエポキシカルボキシレート化合物
(A)、光重合開始剤(B)及び任意成分として架橋剤
(C)を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物、
(5)上記(4)に記載の感光性樹脂組成物の硬化物を
提供することにある。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のエポキシカルボキシレー
ト化合物(A)は、分子中に1個以上のエポキシ基を有
しかつ液晶性を示すエポキシ化合物(a)と分子中に1
個以上の不飽和二重結合を有するモノカルボン酸(b)
とを反応させて得られることを特徴とする。
【0008】エポキシ化合物(a)としては、分子中に
1個以上のエポキシ基を有しかつ液晶性を示す化合物で
あれば特に制限はないが、上記式(1)の化合物が特に
好ましい。上記式(1)の化合物を得る方法としては、
例えば、Macromol. Chem. Phys.195, 279-287 (1994)
に記載されているように、p−ヒドロキシベンズアルデ
ヒド誘導体、p−ヒドロキシアセトフェノン誘導体及び
ヒドラジンを反応させ得られた多価フェノール化合物を
エピハロヒドリン類と反応させるグリシジル化反応によ
り得ることができる。
【0009】得られた化合物は、結晶構造が崩れること
に起因する吸熱ピークとその後の液晶状態で維持されて
いた配列が乱れ等方状態転移することに起因する吸熱ピ
ークの2つが観察され、液晶性を有する化合物に特有の
性質を示す。
【0010】このようなエポキシ化合物(a)とモノカ
ルボン酸(b)との反応は、無溶剤もしくはアルコール
性水酸基を有しない溶媒、具体的には例えば、アセト
ン、エチルメチルケトン、シクロヘキサノンなどのケト
ン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラメチルベ
ンゼンなどの芳香族炭化水素類、エチレングリコールジ
メチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロ
ピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリ
コールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエ
チルエーテルなどのグリコールエーテル類、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、メチルセロソルブアセテート、エチル
セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、
カルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメ
チルエーテルアセテート、グルタル酸ジアルキル、コハ
ク酸ジアルキル、アジピン酸ジアルキルなどのエステル
類、γ−ブチロラクトンなどの環状エステル類、石油エ
ーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフ
サなどの石油系溶剤、更には後述する架橋剤(C)等の
単独または混合有機溶媒中で反応させることにより得る
ことができる。
【0011】反応時には、反応を促進させるために触媒
を使用することが好ましく、該触媒の使用量は、反応物
に対して0.1〜10重量%である。この反応で使用す
る触媒としては、例えばトリエチルアミン、ベンジルジ
メチルアミン、トリエチルアンモニウムクロライド、ベ
ンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルト
リメチルアンモニウムアイオダイド、トリフェニルフォ
スフィン、トリフェニルスチビン、メチルトリフェニル
スチビン、オクタン酸クロム、オクタン酸ジルコニウム
等が挙げられる。
【0012】モノカルボン酸(b)としては、例えばア
クリル酸類やクロトン酸、α−シアノ桂皮酸、桂皮酸、
或いは飽和または不飽和二塩基酸と不飽和基含有モノグ
リシジル化合物との反応物等が挙げられる。アクリル酸
類としては、例えば(メタ)アクリル酸、β−スチリル
アクリル酸、β−フルフリルアクリル酸、飽和または不
飽和二塩基酸無水物と1分子中に1個の水酸基を有する
(メタ)アクリレート誘導体と当モル反応物である半エ
ステル類、飽和または不飽和二塩基酸とモノグリシジル
(メタ)アクリレート誘導体類との当モル反応物である
半エステル類等が挙げられるが、感光性樹脂組成物とし
たときの感度の点で(メタ)アクリル酸、(メタ)アク
リル酸とε−カプロラクトンとの反応生成物または桂皮
酸が特に好ましい。
【0013】反応は、エポキシ化合物(a)およびモノ
カルボン酸(b)を必要により溶媒中で、好ましくは触
媒の存在下60〜150℃で5〜60時間かけて行う。
この際例えばハイドロキノンモノメチルエーテル等の熱
重合禁止剤を反応系中に添加してもよい。反応終了後、
必要により溶媒を除去して本発明のエポキシカルボキシ
レート化合物を得ることができるが、用途によっては溶
媒を除去せずに下記する重合開始剤(B)等を混合して
本発明の感光性樹脂組成物とすることができる。
【0014】本発明の感光性樹脂組成物は、前述のエポ
キシカルボキシレート化合物(A)、光重合開始剤
(B)及び任意成分として架橋剤(C)を含有すること
を特徴とする。
【0015】本発明の感光性樹脂組成物に用いられる光
重合開始剤(B)の具体例としては、ベンゾイン、ベン
ゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベ
ンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエー
テル等のベンゾイン類;アセトフェノン、2,2−ジエ
トキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエト
キシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロ
アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニ
ルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1
−ヒドロキシンクロヘキシルフェニルケトン、2−メチ
ル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホ
リノプロパン−1−オンなどのアセトフェノン類;2−
エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアント
ラキノン、2−クロロアントラキノン、2−アミルアン
トラキノンなどのアントラキノン類;2,4−ジエチル
チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2
−クロロチオキサントンなどのチオキサントン類;アセ
トフエノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケター
ルなどのケタール類;ベンゾフェノン、4−ベンゾイル
−4'−メチルジフェニルサルファイド、4,4'−ビス
メチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィ
ンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイ
ル)−フェニルホスフィンオキサイド等のホスフィンオ
キサイド類等が挙げられる。
【0016】これらは、単独または2種以上の混合物と
して使用でき、さらにはトリエタノールアミン、メチル
ジエタノールアミンなどの第3級アミン、N,N−ジメ
チルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチル
アミノ安息香酸イソアミルエステル等の安息香酸誘導体
等の促進剤などと組み合わせて使用することができる。
【0017】本発明の感光性樹脂組成物に用いられる任
意成分として架橋剤(C)の具体例としては、2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオール
モノ(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アク
リレート、アクリロイルモルホリン、水酸基含有(メ
タ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アク
リレート等)と多カルボン酸化合物の酸無水物(例え
ば、無コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、テト
ラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等)
の反応物であるハーフエステル,ポリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエ
トキシトリ(メタ)アクリレート、グリセンポリプロポ
キシトリ(メタ)アクリレート、ヒドロキシビバリン酸
ネオペングリコールのε−カプロラクトン付加物のジ
(メタ)アクリレート(例えば、日本化薬(株)製、K
AYARAD HX−220、HX−620、等)、ペ
ンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペ
ンタエリスリトールとε−カプロラクトンの反応物のポ
リ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ
(メタ)アクリレート、モノ又はポリグリシジル化合物
(例えば、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシ
ジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエ
ーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテ
ル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、
ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、グリセリ
ンポリグリシジルエーテル、グリセリンポリエトキシグ
リシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシ
ジルエーテル、トリメチロールプロパンポリエトキシポ
リグリシジルエーテル等と(メタ)アクリル酸の反応物
であるエポキシ(メタ)アクリレート等を挙げることが
できる。
【0018】本発明の感光性樹脂組成物に含まれる
(A)、(B)及び(C)成分の量は、感光性樹脂組成
物の不揮発分を100重量%とした場合、(A)成分
は、10〜80重量%、(B)成分は、0.5〜30重
量%が好ましく、(C)成分は、0〜60重量%の任意
の量が好ましい。
【0019】本発明の感光性樹脂組成物に用いられる、
その他の任意成分の具体例としては、フェノールノボラ
ック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ
樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹
脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型
エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールAノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格含
有エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂等が挙げられ
る。その使用量は、本発明の組成物の固形分を100重
量部としたとき、60重量部以下が好ましく、特に好ま
しくは40重量部以下である。
【0020】フェノールノボラック型エポキシ樹脂とし
ては、例えばエピクロンN−770(大日本インキ化学
工業(株)製)、D.E.N438(ダウ・ケミカル社
製)、エピコート154(油化シェルエポキシ(株)
製)、RE−306(日本化薬(株)製)等があげられ
る。クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、例
えばエピクロンN−695(大日本インキ化学工業
(株)製)、EOCN−102S、EOCN−103
S、EOCN−104S(日本化薬(株)製)、UVR
−6650(ユニオンカーバイド社製)、ESCN−1
95(住友化学工業(株)製)等があげられる。
【0021】トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキ
シ樹脂としては、例えばTACTICX−742(ダウ
・ケミカル社製)、エピコートE1032H60(油化
シェルエポキシ(株)製)等があげられる。ジシクロペ
ンタジエンフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば
エピクロンEXA−7200(大日本インキ化学工業
(株)製)、TACTIX−556(ダウ・ケミカル社
製)等があげられる。
【0022】ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、
例えばエピコート828、エピコート1001(油化シ
ェルエポキシ製)、UVR−6410(ユニオンカーバ
イド社製)、D.E.R−331(ダウ・ケミカル社
製)、YD−8125(東都化成社製)等のビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂、UVR−6490(ユニオンカ
ーバイド社製)、YDF−8170(東都化成社製)等
のビスフェノールF型エポキシ樹脂等があげられる。
【0023】ビフェノール型エポキシ樹脂としては、例
えばYX−4000(油化シェルエポキシ(株)製)の
ビキシレノール型エポキシ樹脂やYL−6121(油化
シェルエポキシ(株)製)等があげられる。ビスフェノ
ールAノボラック型エポキシ樹脂としては、例えばエピ
クロンN−880(大日本インキ化学工業(株)製)、
エピコートE157S75(油化シェルエポキシ(株)
製)等があげられる。
【0024】ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂として
は、例えばNC−7000(日本化薬(株)製)、EX
A−4750(大日本インキ化学工業(株)製)等があ
げられる。脂環式エポキシ樹脂としては、例えばEHP
E−3150(ダイセル化学工業(株)製)等があげら
れる。複素環式エポキシ樹脂としては、例えばTEPI
C,TEPIC−L,TEPIC−H、TEPIC−S
(いずれも日産化学工業(株)製)等が挙げられる。
【0025】本発明の感光性樹脂組成物には、更に、塗
布適性、耐熱性、密着性、硬度等の特性を向上する目的
で、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素粉、
微粉状酸化ケイ素、無定形シリカ、タルク、クレー、炭
酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、
水酸化アルミニウム、雲母粉、テフロン(登録商標)
粉、ポリアルキレンビーズ等の充填剤が使用できる。そ
の使用量は、本発明の組成物の固形分を100重量部と
したとき、60重量部以下が好ましく、特に好ましくは
40重量部以下である。
【0026】更に、必要に応じて、フタロシアニン・ブ
ルー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリー
ン、ジスアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化
チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラックなどの
着色剤、アスベスト、オルベン、ベントン、モンモリロ
ナイト等の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系
等の消泡剤および/または、レベリング剤のような添加
剤類を適量加えることができる。
【0027】本発明の感光性樹脂組成物は、電子部品の
層間の絶縁材として、またプリント基板用のソルダーレ
ジスト等のレジストインキ、スルーホールなどの永久穴
埋めインキとして有用である他、卦止剤、塗料、コーテ
ィング剤、接着剤等としても使用できる。
【0028】本発明の硬化物は、紫外線等のエネルギー
線照射により上記の本発明の感光性樹脂組成物を硬化さ
せたものである。紫外線等のエネルギー線照射による硬
化は常法により行うことができる。例えば紫外線を照射
する場合、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キ
セノン灯、紫外線発光レーザー(エキシマーレーザー
等)等の紫外線発生装置を用いればよい。本発明の感光
性樹脂組成物の硬化物は、例えばソルダーレジストやビ
ルドアップ工法用の層間絶縁材としてプリント基板のよ
うな電気・電子部品に利用される。
【0029】液状の樹脂組成物を使用する場合、プリン
ト配線用基板に、スクリーン印刷法、スプレー法、ロー
ルコート法、静電塗装法、カーテンコート法等の方法に
より5〜160μmの膜厚で本発明の組成物を塗布し、
塗膜を60〜110℃、好ましくは60〜100℃の温
度で乾燥させることにより、タックフリーの塗膜が形成
できる。その後、紫外線を10〜2000mJ/cm
程度の強さで照射し、更に必要に応じて、100〜20
0℃の温度で熱硬化させることにより、可撓性に優れ、
耐熱性、耐溶剤性、耐酸性、密着性、電気特性等の諸特
性を満足する永久保護膜を有する硬化物が得られる。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものでな
い。
【0031】合成例1 (液晶性を示すエポキシ化合物(a)の合成)攪拌機、
還流冷却管、攪拌装置を備えたフラスコに、p−ヒドロ
キシベンズアルデヒド305g、ヒドラジンヒドラート
(純度80%) 81g、エタノール800g、ジメチ
ルスルホキシド 500g、酢酸 8gを仕込み、攪拌
しながら 70℃まで昇温させ、原料を溶解させた後、
75℃の温度で4時間反応させた。冷却後析出物を濾取
しエタノールで洗浄後、乾燥させた。得られた化合物
240gにエピクロルヒドリン 1110g、ジメチル
スルホキシド 278gを加えて溶解後、45℃に加熱
しこの溶液にフレーク状水酸化ナトリウム(純度 99
%)85gを 90分かけて徐々に添加した。その後4
5℃で2時間、70℃で3時間反応させ冷却させた。析
出した結晶及び無機塩を濾取し、水洗後得られた結晶を
真空乾燥させた。熱示差分析の結果、162℃及び17
9℃の2つにおいて吸熱ピークが現れ、液晶性を示し
た。また、エポキシ当量は、177g/当量であった。
【0032】実施例1 分子中に1個以上のエポキシ基を有しかつ液晶性を示す
エポキシ化合物(a)として合成例1で得られた化合物
285g、分子中に1個以上の不飽和二重結合を有す
るモノカルボン酸(b)としてアクリル酸 115g、
を反応溶媒かつ架橋剤(C)として機能するトリメチロ
ールプロパントリアクリレート 171gに仕込んだ。
更に、熱重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエ
ーテルを1.43g、反応触媒としてトリフェニルフォ
スフィン 1.71gを添加し、100℃の温度で反応
液の酸価が、2mg・KOH/g以下になるまで反応さ
せ本発明のエポキシカルボキシレート化合物 70重量
%を含む樹脂液を得た。このときの反応時間は24時間
であった。この樹脂液をA−1とする。
【0033】実施例2 実施例1のトリメチロールプロパントリアクリレートを
ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート
(溶剤)に変えた以外は実施例1と同様の操作を行い、
本発明のエポキシカルボキシレート化合物を含む樹脂溶
液を得た。この樹脂溶液をA−2とする。
【0034】実施例3、4 実施例1、2で得られた(A−1)、(A−2)を表1
に示す配合割合で混合、必要に応じて3本ロールミルで
混練し、本発明の感光性樹脂組成物を得た。これをスク
リーン印刷法により、100メッシュのスクリーンを用
いて15〜25μmの厚さになるようにポリイミド基板
に塗布し、(A−2)を用いる場合は、塗膜を80℃の
熱風乾燥器で30分乾燥させた。次いで、紫外線露光装
置((株)オーク製作所、型式HMW−680GW)を
用いて、紫外線を照射した。得られた硬化物について、
後述のとおり、光感度、表面光沢、基板そり、密着性、
鉛筆硬度、耐溶剤性、耐酸性、耐熱性、耐金メッキ性の
試験を行なった。それらの結果を表2に示す。なお、試
験方法及び評価方法は次のとおりである。
【0035】(光感度)塗膜に紫外線を照射後、脱脂綿
をのせ、表面に脱脂綿が付着するか観察し、付着しない
照射量につき調べた。表2には下記の基準で試験結果を
示した。 ○・・・・照射量 1000mJ/cm2 未満 ×・・・・照射量 1000mJ/cm2 以上
【0036】(表面光沢)500mJ/cm2の紫外線
を照射した塗膜をエタノールに60秒間浸漬させ、乾燥
後の硬化膜を観察する。 表2には下記の基準で試験結
果を示した。 ○・・・・曇りが全く見られない ×・・・・若干の曇りが見られる
【0037】(基板そり)塗膜に、500mJ/cm 2
の紫外線を照射露光する。 表2には下記の基準で試験
結果を示した。 ○・・・・基板にそりは見られない ×・・・・基板のそりが見られる
【0038】(密着性)塗膜に、500mJ/cm2
紫外線を照射露光する。JIS K5400に準じて、
試験片に1mmのごばん目を100個作りセロテープ
(登録商標)によりピーリング試験を行った。ごばん目
の剥離状態を観察した。表2には下記の基準で試験結果
を示した。 ○・・・・剥れのないもの ×・・・・剥離するもの
【0039】(鉛筆硬度)塗膜に、500mJ/cm2
の紫外線を照射露光する。JISK5400に準じて評
価を行った。
【0040】(耐溶剤性)500mJ/cm2 の紫外線
を照射した塗膜をイソプロピルアルコールに室温で30
分間浸漬する。外観に異常がないか確認した後、セロテ
ープによるピーリング試験を行った。表2には下記の基
準で試験結果を示した。 ○・・・・曇りが全く見られない ×・・・・若干の曇りが見られる
【0041】(耐酸性)500mJ/cm2の紫外線を
照射した塗膜を10%塩酸水溶液に室温で30分浸漬す
る。外観に異常がないか確認した後、セロテープによる
ピーリング試験を行った。表2には下記の基準で試験結
果を示した。 ○・・・・塗膜外観に異常がなく、フクレや剥離のない
もの ×・・・・塗膜にフクレや剥離があるもの
【0042】(耐熱性)500mJ/cm2 の紫外線を
照射した塗膜にロジン系プラックスを塗布し260℃の
半田槽に5秒間浸漬した。これを1サイクルとし、3サ
イクル繰り返した。室温まで放冷した後、セロテープに
よるピーリング試験を行った。表2には下記の基準で試
験結果を示した。 〇・・・・塗膜外観に異常がなく、フクレや剥離のない
もの ×・・・・塗膜にフクレや剥離のあるもの
【0043】(耐金メッキ性)500mJ/cm2 の紫
外線を照射した塗膜を、30℃の酸性脱脂液(日本マク
ダーミット製、Metex L−5Bの20vol%水
溶液)に3分間浸漬した後、水洗し、次いで、14.4
wt%過硫酸アンモン水溶液に室温で3分間浸漬した
後、水洗し、更に10vol%硫酸水溶液に室温で試験
基板を1分間浸漬した後水洗した。次に、この基板を3
0℃の触媒液(メルテックス製、メタルプレートアクチ
ベーター350の10vol%水溶液)に7分間浸漬
し、水洗し、85℃のニッケルメッキ液(メルテックス
製、メルプレートNi−865Mの20vol%水溶
液、pH4.6)に20分間浸漬し、ニッケルメッキを
行った後、10vol%硫酸水溶液に室温で1分間浸漬
し、水洗した。次いで、試験基板を95℃の金メッキ液
(メルテックス製、オウロレクトロレスUP15vol
%とシアン化金カリウム3vol%の水溶液、pH6)
に10分間浸漬し、無電解金メッキを行った後、水洗
し、更に60℃の温水で3分間浸漬し、水洗し、乾燥し
た。得られた無電解金メッキ評価基板にセロハン粘着テ
ープを付着し、剥離したときの状態を観察した。 表2
には下記の基準で試験結果を示した。 ○:全く異常が無いもの。 ×:若干剥がれが観られたもの。
【0044】 表1 実施例 注 3 4 エポキシカルボキシレート液 A−1 77.92 A−2 53.17 架橋剤(C) DPCA−60 *1 13.64 9.31 TMPTA *2 1.62 光重合開始剤(B) イルガキュアー907 *3 4.55 4.34 DETX−S *4 0.45 0.34 添加剤 BYK−354 *5 0.91 0.74 KS−66 *6 0.91 0.74 フィラー 硫酸バリウム 12.41 シリカ 9.31 フタロシアニンブルー 0.50 溶剤 カルビトールアセテート 9.05
【0045】注 *1 日本化薬製 :ε−カプロラクトン変性ジペン
タエリスリトールヘキサアクリレート *2 日本化薬製 :トリメチロールプロパントリア
クリレート *3 Vantico製 :2−メチル−(4−(メチルチ
オ)フェニル)−2−モルホリノ−1−プロパン *4 日本化薬製 :2,4−ジエチルチオキサント
ン *5 ビックケミー製:レベリング剤 *6 信越化学製 :消泡剤
【0046】
【0047】表2の結果から明らかなように、本発明の
感光性樹脂組成物は高感度であり、その硬化膜も半田耐
熱性、耐薬品性、耐金メッキ性等に優れ、また硬化物表
面にクラックが発生せず、薄膜化された基板を用いた場
合でも基板にそりの無いプリント基板用感光性樹脂組成
物であることは明らかである。
【0048】
【発明の効果】本発明のエポキシカルボキシレート化合
物(A)及びそれを用いた感光性樹脂組成物は、紫外線
により露光硬化することによる塗膜の形成において、光
感度に優れ、得られた硬化物は、密着性、鉛筆硬度、耐
溶剤性、耐酸性、耐熱性、耐金メッキ性等も十分に満足
するものであり、特に、プリント配線板用感光性樹脂組
成物に適している。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子中に1個以上のエポキシ基を有しかつ
    液晶性を示すエポキシ化合物(a)と分子中に1個以上
    の不飽和二重結合を有するモノカルボン酸(b)とを反
    応させて得られることを特徴とするエポキシカルボキシ
    レート化合物(A)。
  2. 【請求項2】エポキシ化合物(a)が、式(1) 【化1】 (式中、Rはそれぞれ独立に、水素原子またはメチル基
    を示す。)で表されるエポキシ化合物である請求項1に
    記載のエポキシカルボキシレート化合物(A)。
  3. 【請求項3】モノカルボン酸(b)が、(メタ)アクリ
    ル酸、(メタ)アクリル酸とε−カプロラクトンとの反
    応生成物および桂皮酸からなる群から選択された1種以
    上である請求項1または請求項2に記載のエポキシカル
    ボキシレート化合物(A)。
  4. 【請求項4】請求項1ないし請求項3のいずれか1項に
    記載のエポキシカルボキシレート化合物(A)、光重合
    開始剤(B)及び任意成分として架橋剤(C)を含有す
    ることを特徴とする感光性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の感光性樹脂組成物の硬化
    物。
JP2000394819A 2000-12-26 2000-12-26 新規エポキシカルボキシレート化合物及びそれを用いた感光性樹脂組成物並びにその硬化物 Pending JP2002194051A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000394819A JP2002194051A (ja) 2000-12-26 2000-12-26 新規エポキシカルボキシレート化合物及びそれを用いた感光性樹脂組成物並びにその硬化物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000394819A JP2002194051A (ja) 2000-12-26 2000-12-26 新規エポキシカルボキシレート化合物及びそれを用いた感光性樹脂組成物並びにその硬化物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002194051A true JP2002194051A (ja) 2002-07-10

Family

ID=18860385

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000394819A Pending JP2002194051A (ja) 2000-12-26 2000-12-26 新規エポキシカルボキシレート化合物及びそれを用いた感光性樹脂組成物並びにその硬化物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002194051A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107879999A (zh) * 2017-10-19 2018-04-06 华晨汽车集团控股有限公司 一种液晶环氧树脂及其制备方法和应用

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107879999A (zh) * 2017-10-19 2018-04-06 华晨汽车集团控股有限公司 一种液晶环氧树脂及其制备方法和应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4878597B2 (ja) 感光性樹脂組成物、プリント配線板、および半導体パッケージ基板
US20070161100A1 (en) Photosensitive resin composition and cured product thereof
JP2001302871A (ja) 光硬化性・熱硬化性樹脂組成物とこれを用いて形成したソルダーレジスト皮膜や樹脂絶縁層を有するプリント配線板
JP2007161878A (ja) ポリカルボン酸樹脂、感光性樹脂組成物及びその硬化物
KR101900355B1 (ko) 드라이 필름 적층체
JP3953854B2 (ja) 光硬化性・熱硬化性樹脂組成物
JP2007177180A (ja) エポキシ樹脂ワニス、感光性樹脂組成物、並びにその硬化物
JP4400926B2 (ja) 感光性樹脂組成物並びにその硬化物
JP3953852B2 (ja) 光硬化性・熱硬化性樹脂組成物
JP4033455B2 (ja) 感光性樹脂組成物及びその硬化物
WO2001053375A1 (fr) Compose epoxyde polynucleaire, resine durcissable par rayon energetique actinique obtenue a partir de ce compose, et composition de resine photodurcissable/thermodurcissable contenant ladite resine
JP2004359729A (ja) カルボキシル基含有感光性樹脂を含有する硬化性組成物
JP2001278947A (ja) 活性エネルギー線硬化性樹脂及びこれを用いた光硬化性・熱硬化性樹脂組成物
JP3953851B2 (ja) 光硬化性・熱硬化性樹脂組成物
JP4738259B2 (ja) 感光性樹脂組成物、並びにその硬化物
JP4793815B2 (ja) 感光性樹脂組成物、並びにその硬化物
JP3953853B2 (ja) 光硬化性・熱硬化性樹脂組成物
JP3922415B2 (ja) エネルギー線感応性樹脂及びその組成物並びに硬化物
JP2002194051A (ja) 新規エポキシカルボキシレート化合物及びそれを用いた感光性樹脂組成物並びにその硬化物
JP2002249644A (ja) 樹脂組成物、ソルダーレジスト樹脂組成物及びこれらの硬化物
JP4577808B2 (ja) エポキシカルボキシレート化合物及びそれを用いた感光性樹脂組成物
JP2004061566A (ja) 光硬化性・熱硬化性樹脂組成物及びそれを用いて得られるプリント配線板
JP7153991B2 (ja) 不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂、それを含有する感光性樹脂組成物及びその硬化物
JP3935014B2 (ja) エポキシカルボキシレート化合物及びそれを用いた感光性樹脂組成物
JP2003277470A (ja) 難燃性の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物