JP2002193076A - ワイパ装置及びワイパ装置のピボットホルダと中空フレームとの連結方法 - Google Patents

ワイパ装置及びワイパ装置のピボットホルダと中空フレームとの連結方法

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JP2002193076A
JP2002193076A JP2000395841A JP2000395841A JP2002193076A JP 2002193076 A JP2002193076 A JP 2002193076A JP 2000395841 A JP2000395841 A JP 2000395841A JP 2000395841 A JP2000395841 A JP 2000395841A JP 2002193076 A JP2002193076 A JP 2002193076A
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pivot
fitting
wiper device
pivot holder
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JP2000395841A
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Keisuke Kanazawa
啓介 金澤
Naoto Yamamoto
直人 山本
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Asmo Co Ltd
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Asmo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強度が低下したり連結後の部材にストレスが
残留することを防止でき、さらに長期に亘り連結固定精
度を確保することができ、しかも、簡単な位置合わせで
組付作業性を向上させたワイパ装置及びワイパ装置のピ
ボットホルダと中空フレームとの連結方法を得る。 【解決手段】 ワイパ装置10では、パイプフレーム4
2の接続部44、46にピボットホルダ12、14の嵌
合部36、38が嵌合すると共にパイプフレーム42の
接続部44、46先端面が段部37、39に当接して連
結されている。嵌合部36、38及び接続部44、46
は共に同一の樹脂材料によって形成されており、互いに
嵌合した状態で高周波振動を付与することで両部材表面
を溶融し、その後に当該溶融部分を硬化させて両部材を
連結固着した構成となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のウインド
シールドガラスを払拭するワイパ装置及びこのワイパ装
置のピボットホルダと中空フレームとの連結方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】自動車のウインドシールドガラスを払拭
するワイパ装置は、ピボットシャフトに取り付けられた
ワイパアームが、ピボットシャフトの回転により所定範
囲で往復回動することで、ウインドシールドガラス面の
雨滴等を払拭する。
【0003】ここで、このようなワイパ装置のうち、ピ
ボットシャフトを支持するピボットホルダをパイプフレ
ームにて連結した所謂パイプ式モジュールワイパ装置が
知られている(一例として、特開平8−156747号
公報、以下においては資料という)。
【0004】ここで、前記資料には、このようなパイ
プ式モジュールワイパ装置において、金属製のパイプフ
レームとアルミニウム合金製のピボットホルダとを「カ
シメ」により連結固定することが開示されている。この
資料に示された「カシメ」では、ピボットホルダの嵌
合部に凹所を形成し、この嵌合部を金属製パイプフレー
ム内に挿入した後に、このパイプフレームの外周面を凹
所に沿うようにプレス金型にて上下から加圧することで
(金型でカシメ加工して)凹所にパイプフレームの肉を
食込ませて、パイプフレームとピボットホルダとを連結
固定した構成のものである。
【0005】しかしながら、前記資料に開示されたパ
イプフレームとピボットホルダとを「カシメ」により連
結固定する構成では、この「カシメ」のためピボットホ
ルダに形成される凹所はパイプフレームの長手方向に所
定間隔を有して互いに外面状態で平行状に対向した一対
を成しているので、ピボットホルダの成形金型の型割方
向とこの凹所の平行方向とを一致させる必要があり、寸
法精度が要求されると共に設計自由度も制限されてしま
う。
【0006】すなわち、前述の如きカシメ加工では、予
め凹所と金型のカシメ用爪とをパイプフレームの外側か
ら位置合わせして圧接させる必要があるが、パイプフレ
ームにピボットホルダの嵌合部を挿入した状態では、嵌
合部に形成された凹所の位置の確認は困難であった。こ
の位置がずれると、金型のカシメ用爪の寿命が早期に到
来したり、ピボットホルダの嵌合部が損傷したりする恐
れがある。特に、ピボットホルダの嵌合部の損傷はパイ
プフレーム内に隠れてしまい発見が困難である。
【0007】一方、軽量化や成形性の観点からピボット
ホルダを樹脂製ホルダとしたものがある。しかし、この
樹脂製ホルダと金属製のパイプフレームとをカシメ固定
すると、上記問題とは別に、更に材料の違いにより互い
の線膨張係数が異なるため(一般に、金属材の方が樹脂
材より小さいため)、低温時は両部材間にガタが発生す
る可能性がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事実を考
慮し、強度が低下したり連結後の部材にストレスが残留
することを防止し、さらに長期に亘り連結固定精度を確
保することができ、しかも、簡単な位置合わせで組付作
業性を向上させたワイパ装置及びワイパ装置のピボット
ホルダと中空フレームとの連結方法を提供することが目
的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明のワ
イパ装置は、ワイパモータと、先端にワイパアームが固
定されるピボットシャフトを回動自在に支持する複数の
ピボットホルダと、前記各ピボットホルダを互いに連結
する樹脂材料製の中空フレームと、を備え、前記ワイパ
モータの駆動力によって前記ピボットシャフトが回転駆
動されるワイパ装置において、前記中空フレームは、両
端部が前記ピボットホルダに接続される接続部を有し、
前記ピボットホルダは、前記中空フレームの接続部と嵌
合する嵌合部を有し、少なくとも前記嵌合部は樹脂材料
にて形成されており、前記中空フレームの接続部または
前記ピボットホルダの嵌合部の何れか一方は、前記両者
の挿入方向に対して直接的または間接的に何れか他方に
当接する当接部を有し、前記中空フレームの接続部と前
記ピボットホルダの嵌合部とを前記当接部に当接させて
溶着によって連結固着した、ことを特徴としている。
【0010】請求項1記載のワイパ装置では、ピボット
シャフトを回転可能に支持するピボットホルダは嵌合部
を有しており、しかも少なくともこの嵌合部は樹脂材料
にて形成されている。また、中空フレームは、樹脂材料
から成る中空樹脂フレームであり、接続部を有してい
る。さらに、中空フレームの接続部またはピボットホル
ダの嵌合部の何れか一方は、これら両者の挿入方向に対
して直接的または間接的に何れか他方に当接する当接部
を有している。このピボットホルダの嵌合部と中空フレ
ームの接続部とが当接部に当接された状態で溶着によっ
て連結固着される。
【0011】したがって、このワイパ装置では、従来の
ワイパ装置の如くピボットホルダの嵌合部に凹所を形成
しなくてもよいので、この凹所がウィークポイントとな
って強度が低下するといったことがない。
【0012】また、「カシメ加工」のように加圧力を加
えて部材を塑性変形させて連結するものではなく、部材
の一部を溶融して、その溶融部分が硬化して互いの部材
(ピボットホルダの嵌合部と中空フレームの接続部)が
溶着して連結固着されるので、連結後の各部材に強度的
ストレスが残留し難い。
【0013】さらに、「カシメ加工」ではないので、従
来のワイパ装置の如く「予め凹所と金型のカシメ用爪と
をパイプフレームの外側から位置合わせする」といった
困難な位置合わせは必要が無い。すなわち、ピボットホ
ルダの嵌合部と中空フレームの接続部との連結強度を両
者の嵌合量(嵌合部の接続部への挿入代、すなわち溶着
面積)によって予め設定している場合に(換言すれば、
前記嵌合量で両部材間の連結強度(接合力)が決まるた
め)、単に当接部に当接するまで両者を挿入嵌合すれば
所定の嵌合量(溶着面積)すなわち連結強度が得られる
こととなり、しかも、当該嵌合状態を外部から確認でき
る。したがって、熟練を要することなくこのような簡単
な位置合わせで容易に組み付け作業が実施できる。
【0014】このように、請求項1記載のワイパ装置で
は、強度が低下したり連結後の部材にストレスが残留す
ることを防止でき、さらに長期に亘り連結固定精度を確
保することができ、しかも、困難な位置合わせが不要で
外部から確認できる簡単な位置合わせで容易に実施可能
で組付作業性も向上する。
【0015】請求項2に係る発明のワイパ装置は、請求
項1記載のワイパ装置において、前記中空フレームは、
前記接続部間の中空部にその長手方向に一体に形成され
て前記中空フレームの剛性を補強する補強部を有する、
ことを特徴としている。
【0016】請求項2記載のワイパ装置では、各ピボッ
トホルダを互いに連結する樹脂材料製の中空フレームに
は、ワイパモータの駆動力がリンク機構などを介して伝
達される。このため、この駆動力による反力が作用して
中空フレームが湾曲しようとされる。また、中空フレー
ムにはワイパモータなどの重量物が取り付けられること
があり、中空フレームは所定の強度及び曲げ剛性が必要
である。ここで、中空フレームの接続部間の中空部に
は、その長手方向に補強部が一体に形成されており、中
空フレームの剛性を補強しているため、所定の強度及び
曲げ剛性を確保することができる。
【0017】請求項3に係る発明のワイパ装置は、請求
項2記載のワイパ装置において、前記当接部は、前記補
強部の端面であることを特徴としている。
【0018】請求項3記載のワイパ装置では、ピボット
ホルダの嵌合部と中空フレームの接続部との嵌合量(嵌
合部の接続部への挿入代、すなわち溶着面積、すなわち
両者の連結強度)を決定する当接部を、中空フレームに
形成された補強部の端面としているため、ピボットホル
ダの嵌合部を何ら加工することなく前記嵌合量(嵌合部
の接続部への挿入代、すなわち溶着面積)すなわち両者
の連結強度を決定することができる。
【0019】請求項4に係る発明のワイパ装置は、ワイ
パモータと、先端にワイパアームが固定されるピボット
シャフトを回動自在に支持する複数のピボットホルダ
と、前記各ピボットホルダを互いに連結する樹脂材料製
の中空フレームと、を備え、前記ワイパモータの駆動力
によって前記ピボットシャフトが回転駆動されるワイパ
装置において、前記中空フレームは、両端部が前記ピボ
ットホルダに接続される接続部と、前記接続部間の中空
部にその長手方向に一体に形成されて前記中空フレーム
の剛性を補強する補強部と、を有し、前記ピボットホル
ダは、前記中空フレームの接続部と嵌合する嵌合部を有
し、少なくとも前記嵌合部は樹脂材料にて形成されてお
り、前記中空フレームの補強部の端面または前記ピボッ
トホルダの嵌合部の何れか一方は、前記両者の挿入方向
に対して直接的または間接的に何れか他方に当接する当
接部を有し、前記中空フレームの接続部と前記ピボット
ホルダの嵌合部とを前記当接部に当接させて溶着によっ
て連結固着した、ことを特徴としている。
【0020】請求項4記載のワイパ装置では、ピボット
シャフトを回転可能に支持するピボットホルダは嵌合部
を有しており、しかも少なくともこの嵌合部は樹脂材料
にて形成されている。また、中空フレームは、樹脂材料
から成る中空樹脂フレームであり、接続部を有してい
る。さらに、中空フレームの接続部またはピボットホル
ダの嵌合部の何れか一方は、これら両者の挿入方向に対
して直接的または間接的に何れか他方に当接する当接部
を有している。このピボットホルダの嵌合部と中空フレ
ームの接続部とが当接部に当接された状態で溶着によっ
て連結固着される。
【0021】したがって、このワイパ装置では、従来の
ワイパ装置の如くピボットホルダの嵌合部に凹所を形成
しなくてもよいので、この凹所がウィークポイントとな
って強度が低下するといったことがない。
【0022】また、「カシメ加工」のように加圧力を加
えて部材を塑性変形させて連結するものではなく、部材
の一部を溶融して、その溶融部分が硬化して互いの部材
(ピボットホルダの嵌合部と中空フレームの接続部)が
溶着して連結固着されるので、連結後の各部材に強度的
ストレスが残留し難い。
【0023】さらに、「カシメ加工」ではないので、従
来のワイパ装置の如く「予め凹所と金型のカシメ用爪と
をパイプフレームの外側から位置合わせする」といった
困難な位置合わせは必要が無い。すなわち、ピボットホ
ルダの嵌合部と中空フレームの接続部との連結強度を両
者の嵌合量(嵌合部の接続部への挿入代、すなわち溶着
面積)によって予め設定している場合に(換言すれば、
前記嵌合量で両部材間の連結強度(接合力)が決まるた
め)、単に当接部に当接するまで両者を挿入嵌合すれば
所定の嵌合量(溶着面積)すなわち連結強度が得られる
こととなり、しかも、当該嵌合状態を外部から確認でき
る。したがって、熟練を要することなくこのような簡単
な位置合わせで容易に組み付け作業が実施できる。
【0024】また、各ピボットホルダを互いに連結する
樹脂材料製の中空フレームには、ワイパモータの駆動力
がリンク機構などを介して伝達される。このため、この
駆動力による反力が作用して中空フレームが湾曲しよう
とされる。また、中空フレームにはワイパモータなどの
重量物が取り付けられることがあり、中空フレームは所
定の強度及び曲げ剛性が必要である。ここで、中空フレ
ームの接続部間の中空部には、その長手方向に補強部が
一体に形成されており、中空フレームの剛性を補強して
いるため、所定の強度及び曲げ剛性を確保することがで
きる。
【0025】このように、請求項4記載のワイパ装置で
は、強度が低下したり連結後の部材にストレスが残留す
ることを防止でき、さらに長期に亘り連結固定精度を確
保することができ、しかも、困難な位置合わせが不要で
外部から確認できる簡単な位置合わせで容易に実施可能
で組付作業性も向上する。
【0026】さらに、当接部を中空フレームに形成され
た補強部の端面とした場合には、ピボットホルダの嵌合
部と中空フレームの接続部との嵌合量(嵌合部の接続部
への挿入代、すなわち溶着面積、すなわち両者の連結強
度)がこの当接部によって決定されるため、ピボットホ
ルダの嵌合部を何ら加工することなく前記嵌合量(嵌合
部の接続部への挿入代、すなわち溶着面積)すなわち両
者の連結強度を決定することができる。
【0027】請求項5に係る発明のワイパ装置は、請求
項1、請求項2、または請求項4の何れかに記載のワイ
パ装置において、前記当接部は、前記ピボットホルダの
嵌合部の端部から所定の挿入代位置に形成した段部であ
って、前記中空フレームの接続部の端面が前記段部に当
接する、ことを特徴としている。
【0028】請求項5記載のワイパ装置では、段部はピ
ボットホルダの嵌合部の端部から所定の挿入代位置に形
成されている。すなわち、ピボットホルダの嵌合部を挿
入側が小径の段付き状態に形成すれば、前記段部が形成
されることとなり、この段部に中空フレームの接続部端
面を当接させることで、ピボットホルダの嵌合部と中空
フレームの接続部との嵌合量(嵌合部の接続部への挿入
代、すなわち溶着面積、すなわち両者の連結強度)を決
定することができる。さらに、中空フレームを何ら新た
な細工をすることなく単純な管形状とすることができ
る。
【0029】請求項6に係る発明のワイパ装置は、請求
項2乃至請求項5の何れかに記載のワイパ装置におい
て、前記補強部は、前記中空フレーム長手方向直交断面
形状が前記中空フレームの長手方向に沿って一様な形状
とされる、ことを特徴としている。
【0030】請求項6記載のワイパ装置では、中空フレ
ームを補強部と共に樹脂材料の押出し成形で一体に同時
に製造することができ、安価に製造できる。
【0031】請求項7に係る発明のワイパ装置は、請求
項6記載のワイパ装置において、前記補強部は、前記中
空フレーム長手方向直交断面形状が多角形の管形状でか
つ各頂部が前記中空フレームの内周面に一体に連続して
いる、ことを特徴としている。
【0032】請求項7記載のワイパ装置では、補強部に
よる中空フレームの剛性及び曲げ強度を多岐にわたり設
定することができ、しかも補強部は多角形の管形状であ
るためその形状を好適に設定することにより軽量であっ
ても高剛性・高強度とすることができる。
【0033】請求項8に係る発明のワイパ装置は、請求
項6記載のワイパ装置において、前記補強部は、前記中
空フレーム長手方向直交断面形状が前記中空フレームの
略中心部で交差するX字形状でかつ各頂部が前記中空フ
レームの内周面に一体に連続している、ことを特徴とし
ている。
【0034】請求項8記載のワイパ装置では、補強部に
よって中空フレームの剛性及び曲げ強度を確保できるの
みならず、この補強部が中空フレームの中空部分の径方
向(断面方向)の梁としても機能するため、中空フレー
ムの所謂「潰れ」をも防止することができる。
【0035】請求項9に係る発明のワイパ装置のピボッ
トホルダと中空フレームとの連結方法は、ワイパモータ
と、先端にワイパアームが固定されるピボットシャフト
を回動自在に支持する複数のピボットホルダと、前記各
ピボットホルダを互いに連結する接続部を有した樹脂材
料製の中空フレームと、を備え、前記ワイパモータの駆
動力によって前記ピボットシャフトが回転駆動されるワ
イパ装置における前記ピボットホルダと前記中空フレー
ムとの連結方法において、前記ピボットホルダに前記中
空フレームの接続部と嵌合する嵌合部を設けると共に少
なくとも前記嵌合部を樹脂材料にて形成し、前記中空フ
レームの接続部または前記ピボットホルダの嵌合部の何
れか一方に設けられた当接部に、前記両者の挿入方向に
対して直接的または間接的に何れか他方を当接させ、前
記当接部に当接させた状態で、前記中空フレームの接続
部と前記ピボットホルダの嵌合部の少なくとも何れか一
方に高周波振動を付与して両部材表面を溶融し、その後
に、前記溶融部分を硬化させて両部材を溶着により連結
固定する、ことを特徴としている。
【0036】請求項9記載のワイパ装置のピボットホル
ダと中空フレームとの連結方法では、ピボットホルダに
嵌合部が形成され、しかも少なくともこの嵌合部は樹脂
材料にて形成される。また、中空フレームは、樹脂材料
から成り接続部を有する中空樹脂フレームにて形成され
る。さらに、中空フレームの接続部またはピボットホル
ダの嵌合部の何れか一方は、これら両者の挿入方向に対
して直接的または間接的に何れか他方に当接する当接部
を有している。このピボットホルダの嵌合部と中空フレ
ームの接続部とが当接部に当接された状態で高周波振動
が付与されて両部材表面が溶融され、その後に、この溶
融部分が硬化して両部材が溶着により連結固定される。
【0037】したがって、このワイパ装置のピボットホ
ルダと中空フレームとの連結方法では、従来のワイパ装
置における「カシメ」による連結方法の如くピボットホ
ルダの嵌合部に凹所を形成しなくてもよいので、この凹
所がウィークポイントとなって強度が低下するといった
ことがない。
【0038】また、「カシメ加工」のように加圧力を加
えて部材を塑性変形させて連結するものではなく、部材
の一部を溶融して、その溶融部分が硬化して互いの部材
(ピボットホルダの嵌合部と中空フレームの接続部)が
溶着して連結固着されるので、連結後の各部材に強度的
ストレスが残留し難い。
【0039】またしかも、部材に高周波振動を付与して
両部材表面を溶融させる構成であるため、所望の部位以
外を溶かしてしまったり変形させてしまうことを防止す
ることができる。また、比較的一様に表面を溶融させる
ことができる。
【0040】さらに、「カシメ加工」ではないので、従
来のワイパ装置における「カシメ」による連結方法の如
く「予め凹所と金型のカシメ用爪とをパイプフレームの
外側から位置合わせする」といった困難な位置合わせは
必要が無い。すなわち、ピボットホルダの嵌合部と中空
フレームの接続部との連結強度を両者の嵌合量(嵌合部
の接続部への挿入代、すなわち溶着面積)によって予め
設定している場合に(換言すれば、前記嵌合量で両部材
間の連結強度(接合力)が決まるため)、単に当接部に
当接するまで両者を挿入嵌合すれば所定の嵌合量(溶着
面積)すなわち連結強度が得られることとなり、しか
も、当該嵌合状態を外部から確認できる。したがって、
熟練を要することなくこのような簡単な位置合わせで容
易に組み付け作業が実施できる。
【0041】このように、請求項9記載のワイパ装置の
ピボットホルダと中空フレームとの連結方法では、強度
が低下したり連結後の部材にストレスが残留することを
防止でき、さらに長期に亘り連結固定精度を確保するこ
とができ、しかも、困難な位置合わせが不要で外部から
確認できる簡単な位置合わせで容易に実施可能で組付作
業性も向上する。
【0042】請求項10に係る発明のワイパ装置のピボ
ットホルダと中空フレームとの連結方法は、請求項9記
載のワイパ装置のピボットホルダと中空フレームとの連
結方法において、前記高周波振動を付与して前記中空フ
レームの接続部と前記ピボットホルダの嵌合部の表面を
溶融しながら、前記接続部と前記嵌合部とを前記当接部
に当接するまで圧入嵌合する、ことを特徴としている。
【0043】請求項10記載のワイパ装置のピボットホ
ルダと中空フレームとの連結方法では、中空フレームの
接続部とピボットホルダの嵌合部の表面を溶融する際
に、接続部と嵌合部とを圧入嵌合状態としつつ溶融して
両部材を連結固着するので、両部材の連結後のガタツキ
やそのガタツキによる溶着部分の剥離を防止でき、強固
に連結することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)図1には本
発明の第1の実施の形態に係るワイパ装置10の全体構
成が平面図にて示されており、図2にはワイパ装置10
の全体構成が正面図にて示されている。
【0045】ワイパ装置10は、一対のピボットホルダ
12及びピボットホルダ14を備えている。ピボットホ
ルダ12とピボットホルダ14は概ね左右対称形に形成
されており、基本的構成は同じ構成である。これらのピ
ボットホルダ12及びピボットホルダ14は、共に樹脂
材料(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミ
ド、ポリアセタール)によって形成されており、さら
に、ピボットホルダ12には筒部16が一体に設けら
れ、ピボットホルダ14には筒部18が一体に設けられ
ている。これらの筒部16、18は円筒形に形成されて
おり、ピボットシャフト20、ピボットシャフト22が
ピボットホルダ12、14の軸孔17、軸孔19にそれ
ぞれ挿通されこれを回転可能に支持している。
【0046】ピボットシャフト20、22の下端にはピ
ボットレバー24、26がそれぞれ固定されており、ピ
ボットレバー24、26の揺動によってピボットシャフ
ト20、22が回動されるようになっている。また、ピ
ボットホルダ12、14の部材角部には、取付孔28、
30がそれぞれ形成されている。これらの取付孔28、
30に挿通された取付ボルトによって、ワイパ装置10
が車体に固定される構成である。
【0047】また、図3(A)にも示す如く、ピボット
ホルダ12、14には、取付孔28、30近傍の側壁部
分に、連結シャフト32、34が設けられている。連結
シャフト32、34は、ピボットホルダ12、14の本
体部分と同様に樹脂材料から成る断面円形の中実シャフ
ト(むく軸)とされており、その先端部は後述するパイ
プフレーム42に嵌合連結する嵌合部36、嵌合部38
とされている。
【0048】嵌合部36、嵌合部38は、それぞれ連結
シャフト32、34よりも小径に形成されており、この
ため、連結シャフト32、34との境界部位に当接部と
しての段部37、39が設けられた構成となっている。
この段部37、39は、それぞれ嵌合部36、38の突
端部から所定寸法の位置に設けられており、後述するパ
イプフレーム42との嵌合量(挿入代L)を決定してい
る。
【0049】前記ピボットホルダ12の嵌合部36とピ
ボットホルダ14の嵌合部38とは、中空フレームとし
てのパイプフレーム42によって互いに連結されてい
る。
【0050】パイプフレーム42は、前述したピボット
ホルダ12、14(嵌合部36、38)と同一の樹脂材
料から成る中空樹脂フレームであり、その長手方向両端
部は、前記連結シャフト32、34の嵌合部36、38
に対応する接続部44、接続部46となっている。図3
(B)にも示す如く、これらの接続部44、46は、ピ
ボットホルダ12、14の嵌合部36、38の外周に適
合する断面円環状に形成されており、接続部44の先端
面が段部37に当接するまでこの接続部44が連結シャ
フト32の嵌合部36に嵌合し、また、接続部46の先
端面が段部39に当接するまでこの接続部46が連結シ
ャフト34の嵌合部38に嵌合し、さらにこの状態で、
接続部44と嵌合部36、及び、接続部46と嵌合部3
8が、互いに溶着によって連結固着された構成となって
いる。
【0051】この場合、前記溶着に際しては、接続部4
4と嵌合部36、及び、接続部46と嵌合部38に高周
波振動(例えば、振動数は30kHz以下とし、好まし
くは20kHz)を付与して両部材表面に摩擦熱を発生
させて溶融し、その後に、当該溶融部分を硬化させて両
部材を連結固定した構成となっている。
【0052】またここで、図3(A)に示す如く、ピボ
ットホルダ12、14の嵌合部36、38とパイプフレ
ーム42の接続部44、46との嵌合量(嵌合部36、
38の接続部44、46への挿入代L)すなわち、嵌合
部36、38の直径をDとするときの溶着面積(πD
L)によって両部材間の連結強度(接合力)が決まるた
め、前述の如き段部37、39の形成位置は、ピボット
ホルダ12、14の嵌合部36、38とパイプフレーム
42の接続部44、46との必要連結強度に基づいて設
定されている。これにより、単に、接続部44、46の
先端面をそれぞれ段部37、39に当接するまで両者を
挿入嵌合すれば所定の嵌合量(溶着面積)すなわち連結
強度が得られ、しかも当該嵌合状態を外部から確認でき
るように構成されている。
【0053】さらにここで、前述の如く高周波振動を付
与してパイプフレーム42の接続部44、46とピボッ
トホルダ12、14(連結シャフト32、34)の嵌合
部36、38の表面を溶融してピボットホルダ12、1
4とパイプフレーム42とを連結固着するに当たって、
接続部44と嵌合部36、あるいは接続部46と嵌合部
38が互いに圧入嵌合するように寸法設定されており、
また、接続部44、接続部46はそれぞれ嵌合部36、
嵌合部38の全周に亘って溶着されている。
【0054】一方、パイプフレーム42の中間部には、
ブラケット56を介して駆動源としてのワイパモータ5
8が取り付けられている。ワイパモータ58は、モータ
部58A及びギヤ部58Bが一体に設けられた構成とな
っており、ギヤ部58Bのハウジング60がブラケット
56に固定されている。
【0055】ワイパモータ58の出力軸70は、ハウジ
ング60の裏面側(図1において紙面裏面側、図2にお
いて紙面下方側)へ向けて突出しており、その先端には
クランクアーム72が取り付けられている。クランクア
ーム72の先端には、ボールジョイント74を介してリ
ンクロッド76及びリンクロッド78が連結されてい
る。一方のリンクロッド76は、ピボットホルダ12に
支持されたピボットシャフト20のピボットレバー24
にボールジョイント80を介して連結されており、ま
た、他方のリンクロッド78は、ピボットホルダ14に
支持されたピボットシャフト22のピボットレバー26
にボールジョイント82を介して連結されている。これ
により、ワイパモータ58が作動しクランクアーム72
が回転することにより、リンクロッド76、78及びピ
ボットレバー24、26を介して駆動力が伝達されて、
ピボットシャフト20、22がそれぞれ回動する構成で
ある。
【0056】以上の如くワイパ装置10は、ピボットシ
ャフト20、22を支持する一対のピボットホルダ1
2、14を、パイプフレーム42にて連結した所謂パイ
プ式モジュールタイプ(所謂フレーム一体式)の構成と
なっている。
【0057】また、ピボットシャフト20、22の先端
にはそれぞれワイパアーム&ブレード(図示省略)が取
り付けられ、各ピボットシャフト20、22の回転によ
ってワイパアーム&ブレードが所定範囲で往復回動する
ようになっている。
【0058】次に本第1の実施の形態の作用を説明す
る。
【0059】上記構成のワイパ装置10では、ピボット
シャフト20、22を回転可能に支持するピボットホル
ダ12、14がパイプフレーム42によって互いに連結
固定され、また、パイプフレーム42の中間部にはワイ
パモータ58が固定され、全体としてアッセンブリ状態
とされている。この状態で、ピボットホルダ12、14
の取付孔28、30に挿通された取付ボルトによってウ
インドシールドガラス下方(通常はカウル部)の車体構
造部材に固定される。
【0060】さらに、ワイパモータ58の作動によって
ピボットシャフト20、22が回転して、ワイパアーム
&ブレードが所定範囲で往復回動してウインドシールド
ガラスの雨滴等を払拭する。
【0061】このワイパ装置10では、ピボットホルダ
12、14はパイプフレーム42に挿通して連結される
連結シャフト32、34の嵌合部36、38を有してお
り、しかもこの嵌合部36、38は樹脂材料にて形成さ
れている。また、パイプフレーム42は、ピボットホル
ダ12、14(嵌合部36、38)と同一の樹脂材料と
してポリアセタールを主材料とした樹脂材料から成る中
空樹脂フレームであり、接続部44、46を有してい
る。さらにこの嵌合部36、38にパイプフレーム42
の接続部44、46が圧入嵌合するが、このとき約20
kHzの高周波振動を付与しながら圧入嵌合されるの
で、両部材の接触面において摩擦熱が発生しその表面が
溶融され、その溶融した樹脂が硬化することによって、
所謂溶着によって連結固着される。
【0062】したがって、このワイパ装置10では、従
来のワイパ装置の如くピボットホルダ12、14の嵌合
部36、38(連結シャフト32、34)に連結用の凹
所を形成しなくてもよいので、この凹所がウィークポイ
ントとなって強度が低下するといったことがない。
【0063】また、「カシメ加工」のように加圧力を加
えて部材を塑性変形させて連結するものではなく、部材
の一部を溶融して、その溶融部分が硬化して互いの部材
の接触表面(ピボットホルダ12、14の嵌合部36、
38とパイプフレーム42の接続部44、46)が溶着
して連結固着されるので、連結後の各部材に強度的スト
レスが残留し難い。
【0064】さらに、「カシメ加工」ではないので、従
来のワイパ装置の如く「予め凹所と金型のカシメ用爪と
をパイプフレームの外側から位置合わせする」といった
困難な位置合わせは必要が無い。すなわち、ピボットホ
ルダ12、14の嵌合部36、38とパイプフレーム4
2の接続部44、46との連結強度を両者の嵌合量(図
3(A)に示す如く、嵌合部36、38の接続部44、
46への挿入代L、すなわち溶着面積πDL)によって
予め設定している場合に(換言すれば、前記嵌合量で両
部材間の連結強度(接合力)が決まるため)、単に接続
部44、46の先端面をそれぞれ段部37、39に当接
するまで両者を挿入嵌合すれば所定の嵌合量(溶着面積
πDL)すなわち連結強度が得られることとなり、しか
も、当該嵌合状態を外部から確認できる。したがって、
熟練を要することなくこのような簡単な位置合わせで容
易に組み付け作業が実施できる。
【0065】またこの場合、ピボットホルダ12、14
の嵌合部36、38はそれぞれ連結シャフト32、34
よりも小径に形成され、連結シャフト32、34との境
界部位に当接部としての段部37、39が設けられた構
成としたため、パイプフレーム42(その接続部44、
46)を何ら新たな細工をすることなく単純な管形状と
することができる。
【0066】また、パイプフレーム42とピボットホル
ダ12、14の嵌合部36、38とを同一の樹脂材料に
て形成することで、溶着の際の両部材の溶融時間や硬化
時間が同じとなり、作業工程管理が極めてし易く、両部
材の溶着部分の馴染みもよいのでムラの少ない接合状態
が得られる。
【0067】またしかも、パイプフレーム42の接続部
44、46とピボットホルダ12、14の嵌合部36、
38に高周波振動を付与して両部材表面を摩擦熱の発生
によって溶融させて溶着する構成であるため、所望の部
位以外を溶かしてしまったり変形させてしまうことを防
止することができる。また、比較的一様に表面を溶融さ
せることができる。
【0068】さらに、パイプフレーム42の接続部4
4、46とピボットホルダ12、14の嵌合部36、3
8の表面を溶融する際には、接続部44、46と嵌合部
36、38とを圧入嵌合状態としつつ溶融して両部材を
連結固着するので、両部材の連結後のガタツキやそのガ
タツキによる溶着部分の剥離を防止でき、強固に連結す
ることができる。
【0069】またさらに、このワイパ装置10では、パ
イプフレーム42の接続部44、46はピボットホルダ
12、14の嵌合部36、38の外周に適合する中空の
断面形状に形成されているため、すなわち、樹脂製のパ
イプフレーム42の接続部44、46(中空部分)の中
にピボットホルダ12、14の嵌合部36、38が挿入
されて嵌合部36、38の外周面で溶着されるようにし
たので、パイプフレーム42の外形が比較的大きな場合
であってもピボットホルダ12、14の嵌合部36、3
8を小径とでき、ピボットホルダ12、14の材料を少
なくすることができる。
【0070】また、ピボットホルダ12、14の嵌合部
36、38の挿入量(溶着面積)を増やして連結強度を
上げても、当該嵌合部分の外観に変化はない。すなわ
ち、従来の如く「カシメ」による連結では連結強度を上
げようとするとカシメた穴が多くなり、外観を損ねるこ
とになるが、当該ワイパ装置10では、連結強度を上げ
ても当該嵌合部分の外観に変化はないため、商品価値も
向上する。
【0071】またさらに、このワイパ装置10では、ピ
ボットホルダ12、14の嵌合部36、38とパイプフ
レーム42の接続部44、46が全周に亘って溶着され
た構成であるため、、ピボットホルダ12、14から伝
って来た雨滴が当該嵌合部分の隙間から浸入することが
なく、パイプフレーム42内に溜まることを防止するこ
とができる。特に、パイプフレーム42は樹脂製のため
所謂「錆」などは生じないが、浸入した水が腐敗して悪
臭を放つことを防止できる(一般にワイパ装置はカウル
部に配置されることが多く、ここには空調装置の空気導
入口が近くに配置されているが乗員には不快感を与えな
い)と共に、浸入した溜水が振動によって所謂「チャポ
チャポ」と異音を放つことも防止できる。
【0072】以上説明した如く、本第1の実施の形態に
係るワイパ装置10では、ピボットホルダ12、14と
パイプフレーム42とが溶着によって連結固着された構
成であり、強度が低下したり連結後の部材(ピボットホ
ルダ12、14の嵌合部36、38とパイプフレーム4
2の接続部44、46)にストレスが残留し難く、さら
に長期に亘り連結固定精度を確保することができ、しか
も、困難な位置合わせが不要で外部から確認できる簡単
な位置合わせで容易に実施可能で組付作業性も向上す
る。
【0073】なお、前述した第1の実施の形態において
は、ピボットホルダ12、14の嵌合部36、38のみ
ならずピボットホルダ12、14の本体部分も全て樹脂
材料によって形成される構成としたが、これに限らず、
少なくともこの嵌合部36、38が樹脂材料によって形
成される構成(換言すれば、筒部16、18等の他の部
位は例えば金属材料によって形成される構成)としても
何ら差し支えない。
【0074】また、前述した第1の実施の形態において
は、ピボットホルダ12、14の嵌合部36、38は断
面円形の柱状(所謂、むく軸)に形成された構成とした
が、これに限らず、パイプフレーム42の接続部44、
46に嵌合するような管状を成す構成としてもよい。
【0075】さらに、前述した第1の実施の形態におい
ては、ピボットホルダ12、14の嵌合部36、38の
輪郭形状を断面円形に形成すると共にパイプフレーム4
2の接続部44、46は、嵌合部36、38の輪郭形状
に適合する断面円形に形成された構成としたが、これら
の嵌合部36、38及び接続部44、46の断面形状は
円形とするに限らず他の形状であってもよい。
【0076】また、前述した第1の実施の形態では、溶
着に使用した高周波振動数は20kHzとしたが、振動
数は30kHz以下とすることが好ましく、30kHz
以上だと部材間に磨耗が発生する。
【0077】次ぎに、本発明の他の実施の形態を説明す
る。なお、前記第1の実施の形態と基本的に同一の部品
には前記第1の実施の形態と同一の符号を付与しその説
明を省略する。 (第2の実施の形態)図4(A)には本発明の第2の実
施の形態に係るワイパ装置100の主要部の構成が斜視
図にて示されている。
【0078】このワイパ装置100では、ピボットホル
ダ14に嵌合部102が設けられている。なお、図4
(A)においては、一方のピボットホルダ14のみを示
してあるが、ピボットホルダ12も基本的に同一構造で
あり、以下においては他方のピボットホルダ12につい
ての説明は省略する。
【0079】嵌合部102は連結シャフト34と同径で
しかもパイプフレーム42の接続部104の内周に適合
する断面形状に形成されている。このため、ピボットホ
ルダ14に嵌合部102がパイプフレーム42の接続部
104内に嵌合し、さらにこの状態で、嵌合部102と
接続部104が互いに溶着によって連結固着された構成
となっている。
【0080】またさらに、パイプフレーム42には、補
強部106が設けられている。この補強部106は、図
4(B)にも示す如く、パイプフレーム42長手方向直
交断面形状がこのパイプフレーム42の略中心部で交差
するX字形状でかつ各頂部がパイプフレーム42の内周
面に一体に連続して形成されており、しかも、このパイ
プフレーム42の接続部104間の中空部において長手
方向に沿って一様に連続して形成されている。これによ
り、補強部106は、パイプフレーム42の剛性を補強
する機能を有している。またここで、この補強部106
の端面は、当接部108となっている。この当接部10
8は、接続部104の突端部105から所定寸法の位置
に設けられており、前述と同様にピボットホルダ14に
嵌合部102との嵌合量(挿入代L)を決定している。
【0081】他の構成については、前述した第1の実施
の形態と同様である。
【0082】次に本第2の実施の形態の作用を説明す
る。
【0083】このワイパ装置100では、各ピボットホ
ルダ12、14を互いに連結する樹脂材料製のパイプフ
レーム42には、ワイパモータ58の駆動力がリンクロ
ッド76、78等から成るリンク機構などを介して伝達
される。このため、この駆動力による反力が作用してパ
イプフレーム42が湾曲しようとされる。また、パイプ
フレーム42にはワイパモータ58などの重量物が取り
付けられており、パイプフレーム42は所定の強度及び
曲げ剛性が必要である。ここで、パイプフレーム42の
接続部104間の中空部には、その長手方向に補強部1
06が一体に形成されており、パイプフレーム42の剛
性を補強しているため、所定の強度及び曲げ剛性を確保
することができる。
【0084】また、ワイパ装置100では、ピボットホ
ルダ14の嵌合部102とパイプフレーム42の接続部
104との嵌合量(嵌合部102の接続部104への挿
入代L、すなわち溶着面積、すなわち両者の連結強度)
を決定する当接部108を、パイプフレーム42に形成
された補強部106の端面としているため、ピボットホ
ルダ14の嵌合部102を何ら加工することなく前記嵌
合量(嵌合部102の接続部104への挿入代L、すな
わち溶着面積)すなわち両者の連結強度を決定すること
ができる。
【0085】さらに、パイプフレーム42に形成された
補強部106は、このパイプフレーム42長手方向直交
断面形状がパイプフレーム42の長手方向に沿って一様
な形状とされているため、パイプフレーム42を補強部
106と共に樹脂材料の押出し成形で一体に同時に製造
することができ、安価に製造できる。
【0086】またさらに、補強部106は、パイプフレ
ーム42長手方向直交断面形状がパイプフレーム42の
略中心部で交差するX字形状でかつ各頂部がパイプフレ
ーム42の内周面に一体に連続して形成されているた
め、補強部106によってパイプフレーム42の剛性及
び曲げ強度を確保できるのみならず、この補強部106
がパイプフレーム42の中空部分の径方向(断面方向)
の梁としても機能する。このため、パイプフレーム42
の所謂「潰れ」をも防止することができる。
【0087】さらに、本第2の実施の形態に係るワイパ
装置100においても、前述した第1の実施の形態に係
るワイパ装置10と同様の効果を奏する。
【0088】なお、前述した第2の実施の形態において
は、パイプフレーム42に設けられた補強部106は、
パイプフレーム42長手方向直交断面形状がこのパイプ
フレーム42の略中心部で交差するX字形状でかつ各頂
部がパイプフレーム42の内周面に一体に連続して形成
された構成としたが、この補強部106のパイプフレー
ム42長手方向直交断面形状はこれに限るものではな
い。
【0089】例えば、図5(A)に示すパイプフレーム
42に設けられた補強部110の如く、当該断面形状が
四角形の管形状でかつ各頂部がパイプフレーム42の内
周面に一体に連続して形成された構成としてもよく、あ
るいは、図5(B)に示すパイプフレーム42に設けら
れた補強部112の如く、当該断面形状が三角形の管形
状でかつ各頂部がパイプフレーム42の内周面に一体に
連続して形成された構成としてもよい。これらの場合に
は、補強部110や補強部112によるパイプフレーム
42の剛性及び曲げ強度を多岐にわたり設定することが
でき、しかも補強部110や補強部112は多角形の管
形状であるためその形状を好適に設定することにより軽
量であっても高剛性・高強度とすることができる。
【0090】また、前述した各実施の形態においては、
樹脂材料としてポリエチレンテレフタレート、ポリアミ
ド、ポリアセタールを例示したが、これら樹脂材料は主
材料として用いられるものであり、曲げ強度や延び、硬
度、色などワイパ装置の中空フレーム(パイプフレーム
42)として必要な特性、色、質感に応じてガラスやカ
ーボンなどを混ぜても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るワイパ装置の
全体構成を示す平面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るワイパ装置の
全体構成を示す正面図である。
【図3】(A)は本発明の第1の実施の形態に係るワイ
パ装置のピボットホルダの嵌合部及びパイプフレームの
接続部の詳細を示す斜視図であり、(B)は(A)に示
す嵌合部及び接続部の断面図である。
【図4】(A)は本発明の第2の実施の形態に係るワイ
パ装置のピボットホルダの嵌合部及びパイプフレームの
接続部の詳細を示す斜視図であり、(B)は(A)に示
す嵌合部及び接続部の断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るワイパ装置の
パイプフレームの補強部の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
10 ワイパ装置 12 ピボットホルダ 14 ピボットホルダ 20 ピボットシャフト 22 ピボットシャフト 32 連結シャフト 34 連結シャフト 36 嵌合部 37 段部(当接部) 38 嵌合部 39 段部(当接部) 40 凹所 42 パイプフレーム(中空フレーム) 44 接続部 46 接続部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワイパモータと、先端にワイパアームが
    固定されるピボットシャフトを回動自在に支持する複数
    のピボットホルダと、前記各ピボットホルダを互いに連
    結する樹脂材料製の中空フレームと、を備え、前記ワイ
    パモータの駆動力によって前記ピボットシャフトが回転
    駆動されるワイパ装置において、 前記中空フレームは、両端部が前記ピボットホルダに接
    続される接続部を有し、 前記ピボットホルダは、前記中空フレームの接続部と嵌
    合する嵌合部を有し、少なくとも前記嵌合部は樹脂材料
    にて形成されており、 前記中空フレームの接続部または前記ピボットホルダの
    嵌合部の何れか一方は、前記両者の挿入方向に対して直
    接的または間接的に何れか他方に当接する当接部を有
    し、 前記中空フレームの接続部と前記ピボットホルダの嵌合
    部とを前記当接部に当接させて溶着によって連結固着し
    た、 ことを特徴とするワイパ装置。
  2. 【請求項2】 前記中空フレームは、前記接続部間の中
    空部にその長手方向に一体に形成されて前記中空フレー
    ムの剛性を補強する補強部を有する、ことを特徴とする
    請求項1記載のワイパ装置。
  3. 【請求項3】 前記当接部は、前記補強部の端面である
    ことを特徴とする請求項2記載のワイパ装置。
  4. 【請求項4】 ワイパモータと、先端にワイパアームが
    固定されるピボットシャフトを回動自在に支持する複数
    のピボットホルダと、前記各ピボットホルダを互いに連
    結する樹脂材料製の中空フレームと、を備え、前記ワイ
    パモータの駆動力によって前記ピボットシャフトが回転
    駆動されるワイパ装置において、 前記中空フレームは、両端部が前記ピボットホルダに接
    続される接続部と、前記接続部間の中空部にその長手方
    向に一体に形成されて前記中空フレームの剛性を補強す
    る補強部と、を有し、 前記ピボットホルダは、前記中空フレームの接続部と嵌
    合する嵌合部を有し、少なくとも前記嵌合部は樹脂材料
    にて形成されており、 前記中空フレームの補強部の端面または前記ピボットホ
    ルダの嵌合部の何れか一方は、前記両者の挿入方向に対
    して直接的または間接的に何れか他方に当接する当接部
    を有し、 前記中空フレームの接続部と前記ピボットホルダの嵌合
    部とを前記当接部に当接させて溶着によって連結固着し
    た、 ことを特徴とするワイパ装置。
  5. 【請求項5】 前記当接部は、前記ピボットホルダの嵌
    合部の端部から所定の挿入代位置に形成した段部であっ
    て、前記中空フレームの接続部の端面が前記段部に当接
    する、ことを特徴とする請求項1、請求項2、または請
    求項4の何れかに記載のワイパ装置。
  6. 【請求項6】 前記補強部は、前記中空フレーム長手方
    向直交断面形状が前記中空フレームの長手方向に沿って
    一様な形状とされる、ことを特徴とする請求項2乃至請
    求項5の何れかに記載のワイパ装置。
  7. 【請求項7】 前記補強部は、前記中空フレーム長手方
    向直交断面形状が多角形の管形状でかつ各頂部が前記中
    空フレームの内周面に一体に連続している、ことを特徴
    とする請求項6記載のワイパ装置。
  8. 【請求項8】 前記補強部は、前記中空フレーム長手方
    向直交断面形状が前記中空フレームの略中心部で交差す
    るX字形状でかつ各頂部が前記中空フレームの内周面に
    一体に連続している、ことを特徴とする請求項6記載の
    ワイパ装置。
  9. 【請求項9】 ワイパモータと、先端にワイパアームが
    固定されるピボットシャフトを回動自在に支持する複数
    のピボットホルダと、前記各ピボットホルダを互いに連
    結する接続部を有した樹脂材料製の中空フレームと、を
    備え、前記ワイパモータの駆動力によって前記ピボット
    シャフトが回転駆動されるワイパ装置における前記ピボ
    ットホルダと前記中空フレームとの連結方法において、 前記ピボットホルダに前記中空フレームの接続部と嵌合
    する嵌合部を設けると共に少なくとも前記嵌合部を樹脂
    材料にて形成し、 前記中空フレームの接続部または前記ピボットホルダの
    嵌合部の何れか一方に設けられた当接部に、前記両者の
    挿入方向に対して直接的または間接的に何れか他方を当
    接させ、 前記当接部に当接させた状態で、前記中空フレームの接
    続部と前記ピボットホルダの嵌合部の少なくとも何れか
    一方に高周波振動を付与して両部材表面を溶融し、その
    後に、前記溶融部分を硬化させて両部材を溶着により連
    結固定する、 ことを特徴とするワイパ装置のピボットホルダと中空フ
    レームとの連結方法。
  10. 【請求項10】 前記高周波振動を付与して前記中空フ
    レームの接続部と前記ピボットホルダの嵌合部の表面を
    溶融しながら、前記接続部と前記嵌合部とを前記当接部
    に当接するまで圧入嵌合する、 ことを特徴とする請求項9記載のワイパ装置のピボット
    ホルダと中空フレームとの連結方法。
JP2000395841A 2000-12-26 2000-12-26 ワイパ装置及びワイパ装置のピボットホルダと中空フレームとの連結方法 Pending JP2002193076A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004039644A1 (de) * 2002-10-25 2004-05-13 Robert Bosch Gmbh Wischeranlage

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