JP2002191910A - 固液分離装置及びそれを用いた固液分離方法 - Google Patents

固液分離装置及びそれを用いた固液分離方法

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JP2002191910A
JP2002191910A JP2001214119A JP2001214119A JP2002191910A JP 2002191910 A JP2002191910 A JP 2002191910A JP 2001214119 A JP2001214119 A JP 2001214119A JP 2001214119 A JP2001214119 A JP 2001214119A JP 2002191910 A JP2002191910 A JP 2002191910A
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solid
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liquid separation
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Yuji Yamaoka
優二 山岡
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Iseki Kaihatsu Koki KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】固液分離の対象原液を、低コストで省力化され
たコンパクトな装置で連続して固液分離処理する。 【解決手段】水槽41内に濾過膜62を収納したフィル
タ42を配置し、フィルタ内側をフィルタ外部に対し密
閉可能にされた内部空間とし、フィルタ42の一方端に
フィルタ内に原液を加圧供給する原液供給口44を設
け、フィルタ42の他方端に原液から分離される分離物
57の排出口45を設け、水槽41にフィルタ42を介
して原液から分離される分離水66の排出口46を設け
て構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粒子の小さい土
砂、コンクリート粉末などのスラッジを含む濁水や、泥
水処理装置、即ち泥水加圧シールド工法、地中連続壁工
法、場所打ち杭工法等のような泥水を使用する工事中に
排出される泥水や、汚濁水域、とりわけ湖沼、ダム湖、
河川等の大規模な閉鎖自然界水系に発生するアオコ等の
有害藻類や、貯水槽の内底部に堆積した沈殿物などを固
液分離処理する固液分離装置及びそれを用いた固液分離
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】粒子の小さい土砂、コンクリート粉末な
どのスラッジを含む濁水の処理や、泥水加圧シールド工
法、地中連続壁工法、場所打ち杭工法等のような泥水を
使用する工事中に排出される泥水の処理や、汚濁水域、
とりわけ湖沼、ダム湖、河川等の大規模な閉鎖自然界水
系に発生するアオコ等の有害藻類が発生した汚濁水域の
処理や、貯水槽の内底部に堆積した沈殿物処理や、工場
などから排出される濁水処理など固液分離処理が実施さ
れている。
【0003】これらの固液分離処理の1事例として、例
えば、特公平6−32801号公報における泥水処理装
置が知られている。この泥水処理装置は、図9に示すよ
うに、符号21は掘進機、25は循環槽を示し、掘進工
事中に排出される泥水aから少なくとも礫rを分離して一
次処理水bを得、さらにその一次処理水bから少なくとも
砂sを分離して二次処理水cを得る際に湿式サイクロン2
6と振動篩32とを使用する装置で構成されている。
【0004】そしてこの装置は、ベントナイトを主成分
とする泥水を加圧シールド工法、地中連続壁工法、場所
打ち杭工法等による工事に使用すると、切羽や孔壁面の
崩壊を防止し、工事の能率および安全を向上できる。し
かし、この効果は、工事の進捗に伴なって発生するずり
によって変化する泥水の比重を所定の範囲に保たないと
期待できないことから、工事中、泥水を循環させ、常に
所定の比重範囲内に保つことが必要である。
【0005】他に固液分離処理の2事例として、例え
ば、特開2001−29910号公報における貯水槽内
の沈殿物除去装置が知られている。この装置は図10に
示すように、例えば電力会社には、余剰電力等を熱にし
て貯えるための蓄熱槽としての貯水槽1が設備されてい
る。この貯水槽1内の底部には、該貯水槽1に接続する
配管や水中に含まれる酸素の影響により、茶褐色の粒子
が沈殿物3となって堆積するので、これを取り除き清掃
する必要がある。
【0006】このため従来から、ロボットを用いて汚泥
を除去するようにした清掃ロボットAが用いられ、貯水
槽1内の汚泥等の沈殿物3を省エネルギー、省資源で効
率良く除去できる貯水槽1内の沈殿物除去装置が提案さ
れている。この貯水槽1内の沈殿物除去装置に使われる
沈殿物分離部Bは、図10に示すように、遠心分離器4
とフィルター7とをから構成され、遠心分離器4は、清
掃ロボットAの沈殿物吸引部5から吸引ホース6を通っ
て運ばれてきた沈殿物3混じりの水2を遠心分離するこ
とで、微粒子以外の沈殿物3を水2から分離するための
ものである。
【0007】またこのフィルター7は、排出ホース8に
接続されて配置され、遠心分離器4では分離できない微
粒子を分離するために組合わされるもので、目的や用途
の必要に応じて取り外して用いることも可能あり、例え
ば濾布式の濾過膜として、1ミクロン程度までの粒子を
取り除くようにしている。
【0008】このように、この装置は電力会社に設置さ
れる蓄熱用の貯水槽1において、十分に再使用が可能な
状態に浄化された水となる。従って、フィルター7を通
った浄化された水は、戻しホース9でマンホール10か
ら貯水槽1に戻され、貯水槽1内の汚泥など沈殿物3を
除去し、再生水として利用できるとしている。
【0009】他に固液分離処理の3事例として、図示し
ないが、従来より湖沼内湾閉鎖水系における環境悪化に
対する汚染除去・浄化装置が開発されている。例えば、
湖、池、沼や河川などの内湾閉鎖水系における水質汚濁
は、人の住環境を含む広範な生態系に影響を及ぼす極め
て重大な環境問題であるが、これらの水域を浄化するに
は、生物の優れた水質浄化作用を利用した装置、例えば
バクテリアや微少動物が担体に付着した生物処理槽が有
用である。
【0010】しかしながら、従来の生物処理槽は、主に
排水処理を目的として開発されてきたために、湖や池等
の汚濁水域での主たる汚濁有機物である藻類の分解を効
果的に行うことができないという問題点がある。即ち、
従来の生物処理槽が、効率よく藻類を処理できない理由
は、富栄養化水域で大きな問題となっているアオコの主
な構成藻類であるミクロキスティスには、有毒物質ミク
ロキスティン等を持つ種類(例えば、ミクロキスティス
・ビリディス)が多いために、微小動物に捕食分解され
にくいためである。このために、散気板を設けてアオコ
補食微少動物の捕食者を定着しないようにし、沈殿槽を
設けて担体から浮遊したアオコ補食微少動物やアオコの
残渣が沈殿除去されるようにしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記1
事例として挙げた泥水加圧式シールド掘削工法及び泥水
式推進工法における泥水処理装置は、ベントナイトを主
成分とする泥水を加圧シールド工法、地中連続壁工法、
場所打ち杭工法等による工事に使用する場合、掘削機前
方の切り羽面に掘削泥水を地上から加圧して送り、この
泥水圧で切り羽の安定を保ちながら土壌を軟化させて掘
削を行うもので、多くの余剰泥水の発生を避けることが
出来ない。
【0012】特にシルト、粘土地盤などの工事の場合に
は不適当であり、大量の余剰泥水が発生して、その分、
余計な凝集剤が必要になるとともに、凝集剤で調製され
た汚泥は、フィルタプレスやディカンターなどで加圧脱
水処理せざるを得ず、結局、そのための泥水処理設備も
大掛かりなものとなり、さらに泥水比重の維持のための
機器を加味すると、なおのこと設備機器費用やランニン
グコストが高くついてしまうという問題があった。
【0013】また上記2事例として挙げた貯水槽内の沈
殿物除去装置の場合は、もし沈殿物混じりの水を遠心分
離器40を通さずにフィルターに通すと、直ちに沈殿物
により目詰まりを生じてしまう。
【0014】このように沈殿物から微粒子を除去すると
なると遠心分離器は必須の機器であり、フィルターとの
組合せで装置がコストアップしてしまう。しかもこの装
置は、フィルタがその濾過能力の限界に達した段階で交
換しなければならないバッチ式のもので非効率であるな
ど問題があった。
【0015】さらに3事例として挙げた湖沼浄化装置で
は、上述したようにアオコの分解除去、増殖抑制による
湖沼内湾閉鎖水系の浄化を達成するために散気板や沈殿
槽など機器を必要とし、その分装置全体が大掛かりなも
のになってしまうという問題があった。
【0016】そこで本発明は上記従来装置の問題を解消
し、固液分離の対象原液として、例えば粒子の小さい土
砂、コンクリート粉末などのスラッジを含む濁水や、泥
水処理装置などで工事中に排出される泥水や、汚濁水
域、とりわけ湖沼、ダム湖、河川等の中小大規模な閉鎖
自然界水系に発生するアオコ等の有害藻類や、貯水槽の
内底部に堆積した沈殿物などを、低コストで省力化され
たコンパクトな装置で連続して固液分離処理できる固液
分離装置及びそれを用いた固液分離方法を提供すること
にある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の固液分離装置及びそれを用いた固液分離方
法は、原液中の固体成分と液体成分とを分離する装置で
あって、水槽内に濾過膜を収納したフィルタを配置し、
前記フィルタ内側をフィルタ外部に対し密閉可能にされ
た内部空間とし、前記フィルタの一方端にフィルタ内に
原液を加圧供給しフィルタ内を加圧する原液供給口を設
け、前記フィルタの他方端に原液から分離される分離物
の排出口を設け、前記水槽に前記フィルタを介して原液
から分離される分離水の排出口を設けたことによって、
コンパクト且つ省力化された設計のもと効率的な固液分
離を可能にしている。
【0018】例えば泥水推進工法において、特に、シル
ト・粘土地盤における余剰泥水などの泥水処理にあって
は、フィルタープレスやディカンターなどの機器を必要
とせずに泥水の固液分離出来るので、設備コストやラン
ニングコストなどを低減でき、しかも効率的な分離処理
が可能なので余剰泥水の大幅な減量ができ、さらに分離
して得られた再生水を調整処理水として調整槽に戻すこ
とで、送泥水の比重を下げて掘進機の推進速度を向上せ
しめ、掘進機の日進量(1日の掘進機の推進を延長)を
延ばすことができる。
【0019】またフィルタは、原液を固液分離するため
の濾過膜が、その立壁面に沿ってその内側に着脱可能に
配設されるので、固液分離における原液の効率的な分離
が可能である。
【0020】さらにフィルタは、その立壁面の内側上方
にあって、原液供給口下方に位置するバッフル部材を介
装しているので、加圧供給される原液の中でも大粒径の
ものからその立壁面に付着し、その後に小粒径のものが
その大粒径のものに重なるように付着させることがで
き、従来のように大粒径のものがフィルタ底部に溜ま
り、先に小粒径のものがフィルタ立壁面の濾過膜に付着
して、早期の内にフィルタを詰まらせ濾過効率を悪化さ
せるような不具合がない。また、濾過膜に付着した分離
物を剥離し易くしている。
【0021】さらにフィルタは、その底部にあって、分
離物排出口の受圧面が下方に向かって段状に縮径した小
径部を有するノズル形状をなすので、分離物がフィルタ
底部に詰まることがない。
【0022】さらにフィルタは、水槽内に適宜間隔を置
いて複数並設されるので、濾過面積を増加でき、濾過効
率を促進させる。
【0023】さらに、フィルタ内に原液を加圧供給する
ためにポンプを用いているので、フィルタ内の加圧濾過
を直接行うことが出来る。
【0024】さらに、ポンプによる原液の加圧供給によ
ってフィルタから水槽内に分離された分離水をその分離
水供給口に配設された再生水戻し管を介して排出し、そ
の分離水を再生水として再利用することで、例えば掘進
機における送泥水の比重を下げることが出来るので泥水
の交換頻度が減少し、さらには掘進速度が低下すること
なく掘進機の日進量を延長することが出来る。
【0025】さらに、フィルタの濾過膜に付着した分離
物を剥離するための振動を発生する振動手段を水槽に設
けたので、フィルタの分離物剥離の効率を高め、フィル
タの連続濾過使用を可能にしている。
【0026】さらに、フィルタ内の原液供給圧力を感知
して分離物排出口の開閉をなす隔膜式上下限設定付圧力
計及び又は圧力変換器をポンプの吐出管に設けたので、
フィルタの濾過機能性を高め、濾過作業を省力化してい
る。
【0027】さらに、ポンプの吐出管にラインミキサを
設けたので、フィルタへの原液供給過程で、原液中の分
離成分が均一に混合され、効率的な固液分離を可能にし
ている。
【0028】また、原液中の固体成分と液体成分とを分
離する装置を用いた固液分離方法であって、容器状に型
取られたフィルタ内を予め満水状態にするように水槽に
給水するとともに、水槽の分離水排出口を開放する一
方、フィルタ他端の分離物排出口を閉止し、そのフィル
タに原液を加圧供給してそのフィルタを加圧状態にし、
原液からそのフィルタを介して分離水を水槽内に濾過抽
出する濾過工程と、次いで抽出された分離水を分離水排
出口を介して排出しながら、分離物排出口を開放して固
液分離されたフィルタ内の分離物を加圧排出する工程
と、次いでフィルタへの原液の加圧供給を止めると同時
に、分離水排出口を閉じ、フィルタ内を大気圧にし、そ
のフィルタ内に堆積した分離物を分離物排出口を介して
自然排出する工程とからなり、以後、これら工程を繰り
返して分離水排出口から排出された分離水を再生水とし
て再利用することで、分離物排出口から排出される分離
物を減量することができるとともに、原液の連続した固
液分離処理を可能にしている。
【0029】さらに、原液中の固体成分と液体成分とを
分離する装置を用いた固液分離方法であって、水槽内に
貯留維持された貯留水を介してフィルタに振動を伝える
振動手段によってそのフィルタの濾過膜に付着した分離
物を剥離するので、フィルタの濾過効率を高め、固液分
離の連続稼働を可能にした。
【0030】さらに、原液中の固体成分と液体成分とを
分離する装置を用いた固液分離方法であって、フィルタ
に原液を加圧供給してそのフィルタを加圧状態するに際
し、原液は、フィルタの立壁面の内側上方にあって、そ
のフィルタの原液供給口下方に介装されたバッフル部材
によって半径方向に分流されながらそのフィルタの立壁
面に沿って加圧供給され濾過されるので、濾過膜に付着
した分離物の剥離を容易にし、特に振動手段による剥離
効果を促進させ、且つ目詰まりすることがなく分離物の
自然排出工程を促進させる。
【0031】さらに、原液中の固体成分と液体成分とを
分離する装置を用いた固液分離方法であって、ポンプの
吐出管に設けられた圧力変換器及び又は隔膜式上下限設
定付圧力計がフィルタ内の加圧状態を感知して分離物排
出口を開放するようにしたので、分離物の加圧排出工程
を促進し、固液分離工程の省力化ができ固液分離効率を
高めた。
【0032】さらに、原液中の固体成分と液体成分とを
分離する装置を用いた固液分離方法であって、分離物排
出口を開放して固液分離された分離物を加圧排出するに
際し、分離物はフィルタ内の流下速度より下方に向かっ
て段階的に縮径した小径部を有するノズル形状の分離物
排出口の方が流下速度が早くなるので、分離物が詰まる
ことなく、分離物の加圧排出工程を促進し、作業工程を
早めた。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を用いて説明する。
【0034】図1は本発明の固液分離装置の基本構造を
示す概略図、図2は本発明の固液分離装置を用いた実施
の形態1である泥水処理装置及びその泥水処理装置にお
ける固液分離方法の濾過工程を示す概略説明図、図3は
図2の泥水処理装置における固液分離方法の分離物加圧
排出工程を示す概略説明図、図4は図2の泥水処理装置
における固液分離方法の分離物自然排出工程を示す概略
説明図、図5は図2の泥水処理装置における固液分離方
法の分離物側壁落とし工程を示す概略説明図であり、図
6は図2から5に記載の流量可変ポンプ仕様に代えロー
タリーチューブポンプ仕様にした実施形態の固液分離装
置を示す概略説明図であり、図7は図6記載の固液分離
装置を用いた実施の形態2である貯水槽内の沈殿物除去
装置の構成及びその固液分離方法を示す概略説明図であ
り、図8は図6記載の固液分離装置を用いた実施の形態
3である湖沼浄化装置の構成及びその固液分離方法を示
す概略説明図であり、図9は従来の泥水処理装置におけ
る固液分離方法を示す概略説明図、図10は従来の貯水
槽内の沈殿物除去装置における固液分離方法を示す概略
説明図である。
【0035】図1は本発明の固液分離装置40の基本構
造を示し、この固液分離装置40は水槽41内に濾過膜
62を収納したフィルタ42を配置し、フィルタ42の
内側をフィルタ42の外部に対し密閉可能にされた内部
空間とし、フィルタ42の一方端にフィルタ42内に原
液を加圧供給してフィルタ42内を加圧する原液供給口
44を設け、フィルタ42の他方端に原液から分離され
る分離物57の排出口45を設け、水槽41にフィルタ
42を介して原液から分離される分離水66の排出口4
6を設けて構成されている。
【0036】また図中48は、原液供給口44に接続さ
れた、ポンプなどの圧送手段によって原液を圧送する吐
出管である。
【0037】図中71は、分離物排出口45に接続され
た、フィルタ42内に堆積された分離物57を外部に排
出する分離物排出管である。
【0038】図中75は、分離水排出口46に接続され
た、水槽41内に濾過分離された分離水66を含む貯留
水41aを再生水として外部装置に戻す再生水戻し管で
ある。(実施の形態1)図2から図5は本発明の固液分
離装置及び固液分離方法を用いた泥水処理装置の実施形
態を説明する。
【0039】尚、本図において、上記図のものと同じ構
成要素には同符号を付してその説明を簡略化する。
【0040】図2から5に示すように、この泥水処理装
置20は送泥水eを掘進機21の先端の切羽へ送り込ん
で、送泥水eで切羽を安定させながら掘削していく。
【0041】掘進機21は掘削した地盤の砂・土・シル
ト・粘土などの地盤成分と泥水aとが混在したヘドロ状
態で排泥する。この泥水処理装置20において、本発明
は、特にシルト・粘土地盤現場からヘドロ状態で排泥さ
れる泥水aを処理する際に使用される。
【0042】この泥水処理装置20の構成は、送泥水e
で切羽を安定させながら地盤を掘削する掘削機21と、
掘削工事で排出される泥水aを処理装置20へ送り出す
排泥ポンプ22と、切羽へ送泥水eを送り込む送泥ポン
プ23と、排泥ポンプ22から送給される泥水aを取り
入れる振動篩24と、その振動篩24に設けられ、泥水
aから礫、泥水を分離する2mm篩目のスクリーン24a
と、振動篩24を通して流下される一次処理水bを貯留
する循環槽25と、振動篩24の上方に設けられた湿式
サイクロン26と、循環槽25から一次処理水bを湿式
サイクロン26に送給する循環槽ポンプ27と、循環槽
ポンプ27からの一次処理水bを湿式サイクロン26の
遠心力によって二次処理水cと高比重の水を含む砂sとに
分離し、湿式サイクロン26下部から吐出された高比重
の水を含む砂sを脱水分離する0.074mm篩目のス
クリーン24bとから構成されている。
【0043】また、0.074mm篩目のスクリーン2
4bから分離された高比重の水は循環槽25に流下し貯
められ、湿式サイクロン26上部から吐出され砂sを分
離した二次処理水cは管29を通じて調整槽30に供給
される。
【0044】なお、符号31は調整槽30内に設けられ
たアジテーターを示し、このアジテーター31は湿式サ
イクロン26から分離され貯留された調整処理水c'の未
分離成分を攪拌混合するためのものである。
【0045】本発明の固液分離装置40は上記泥水処理
装置20に用いられるもので、図2から図5において実
線で示す。
【0046】即ち、本発明における固液分離装置40
は、水槽41と、その水槽41内にフィルタ42a、4
2bを配置し、それらフィルタ42a、42b内側をフィ
ルタ外部に対し密閉可能にされた内部空間とし、フィル
タ42a、42bの一方端にフィルタ42a、42b内に原
液、即ち調整処理水c'を加圧供給する調整処理水供給口
44を設け、それらフィルタ42a、42bの他方端に調
整処理水c'から分離される分離物排出口45を設け、水
槽41にフィルタ42a、42bを介して調整処理水c'か
ら分離された分離水排出口46を設けてなるものであ
る。
【0047】この本発明の固液分離装置40は、上記泥
水処理装置20の調整槽30に貯留された調整処理水c'
を、固液分離装置40を構成する容器状に型取られた濾
過器としてのフィルタ42a、42bに供給し、フィルタ
42a、42bにおいて固液分離処理する装置である。
【0048】以下、本実施形態における固液分離装置4
0の構成を具体的に示すと、この固液分離装置40は、
調整槽30から調整処理水c'を汲み上げるポンプ47
と、ポンプ47の吐出管48から分岐した分岐管48
a、48bを介して接続された一対のフィルタ42a、4
2bと、それらフィルタ42a、42bを互いに適宜間隔
を置いて縦設する水槽41と、それらフィルタ42a、
42bの下方にあってフィルタ42a、42bから排出さ
れる分離物を貯める沈殿槽50とから構成されている。
【0049】上記ポンプ47は流量可変ポンプから成
り、調整槽30に接続された吸引管49から調整処理水
c'を吸引し、吸引した調整処理水c'を吐出管48を通じ
て一対のフィルタ42a、42bに圧送するようにしてい
る。
【0050】吸引管49には継手51が接続され、必要
に応じて例えば凝集剤など添加剤が補給出来るようにな
っている。吐出管48には調整処理水c'が吐出される下
流側に向かって流量計52、ラインミキサー53、開閉
弁54、圧力変換器55、隔膜式上下限設定付圧力計5
6が介設されており、流量計52とラインミキサー53
間に流量可変ポンプ49の稼働を継続させるための開閉
弁85を介設した調整処理水戻し管48’が配設され、
さらに圧力変換器55と隔膜式上下限設定付圧力計56
間に一対のフィルタ42a、42bに接続される分岐管4
8a、48bが並列に接続されている。
【0051】ラインミキサー53は吐出管48内を通る
砂・土・シルト・粘土など未分離成分を有する調整処理
水c'がフィルタ42a、42bに到達するまでに効率良く
混合するようにしている。 また、圧力変換器55及び
又は隔膜式上下限設定付圧力計56は調整処理水c'が加
圧供給されたフィルタ42a、42b内の圧力を感知して
フィルタ42a、42bから分離物を排出する分離物排出
管71の電動弁70の開閉制御をしている。
【0052】また、これら分岐管48a、48bには、フ
ィルタ42a、42bに接続される間において開閉弁59
a、59bがそれぞれ介設され、さらにフィルタ42a、
42bとの接続部側に空気取入用開閉弁60a、60bが
それぞれ介設されている。
【0053】一対のフィルタ42a、42bは、濾過効率
の向上を目的として複数用いられた同一構成のもので、
その構成は、内側の立壁面61に沿って濾過膜62を収
納被着して水槽41に配設されている。
【0054】従って、フィルタ42a、42bの数は一槽
でも二槽以上であっても良い。
【0055】またフィルタ42a、42bは、上方が開口
し、本実施形態では有底円筒体からなるその立壁面61
の内側に配設された濾過膜62によってフィルタ外部に
対して密閉可能な内部空間を形成し、その立壁面61が
多数の透孔を配した多孔板或いは網目板によって形成さ
れ、さらに底部に分離物排出口45を有している。
【0056】フィルタ42a、42bの開口部上方には、
蓋体63a、63bがそれぞれ設けられ、蓋体が水槽41
に設けられたフランジ64と着脱可能に取り付けられ、
フィルタ42a、42b内の濾過膜62の取り出しを可能
にしている。
【0057】蓋体63a、63bには、分岐管48a、4
8bと接合分離可能な調整処理水供給口44がそれぞれ
設けられ、フィルタ42a、42b内に調整処理水c'を加
圧供給するように形成されている。
【0058】この蓋体63には、傘状のバッフル部材6
5が、立壁面61の内側上方、即ち濾過膜62上方の開
口部間にあって、蓋体63の調整処理水供給口44の真
下に吊着されている。フィルタ42a、42bの密閉空間
は、フィルタの内側にあって、これら蓋体63a、63b
と、蓋体63のフランジ64との取着部と、濾過膜62
とフィルタ底部61’とによって形成される。
【0059】フィルタ底部61’に設けられた分離物排
出口45は、その受圧面が下方に向かって段状に縮径し
た小径部45aを有したノズル形状をなし、その先端下
部にフィルタ42a、42b内の調整処理水供給圧力を感
知して開閉する電動弁70が接続された分離物排出管7
1が連結されている。
【0060】水槽41には、給水口72とオーバーフロ
ー口73と分離水排出口46とが設けられ、給水口72
はフィルタ42a、42b内が満水になるように水槽41
に水を供給するようになっており、オーバーフロー口7
3は水槽41に給水された水のオーバーフローをなし、
分離水排出口46はフィルタ42a、42bによって固液
分離された分離水66を再生水として調整槽30に戻す
ようになっている。
【0061】給水口72には図示しない給水管が配設さ
れ、オーバーフロー口73にはオーバーフロー管74が
配設され、分離水排出口46には再生水戻り管75が配
設されている。オーバーフロー管74は再生水戻り管7
5に接続されている。
【0062】また再生水戻り管75には分離水排出口4
6とオーバーフロー管74の接続部との間にフィルタ4
2a、42b内の水が減りすぎないように弁の開度を調整
可能な流量調整弁76と開閉弁77が接続されている。
【0063】また水槽41には、振動手段として例えば
振動モータ80a、80bが装着されており、水槽41内
に貯留維持された貯留水41aを介して2つのフィルタ
42a、42bに振動を伝え、それらフィルタ42a、4
2bの濾過膜62に付着した分離物57を剥離するよう
になっている。
【0064】このように構成された本発明の固液分離装
置40は汚泥処理装置20において、次の工程を経て調
整処理水c'の固液分離をなす。
【0065】先ず、フィルタ42a、42b内を予め満水
状態にするように水槽41に給水口72を介して給水す
るとともに、流量調整弁76と開閉弁77を開成して水
槽41の再生水戻し管46を開放する一方、蓋体63
a、63bのそれぞれの調整処理水供給口44に接続する
分岐管48a、48bに設けられた空気取入用開閉弁60
a、60bを閉じ、フィルタ42a、42bの分離物排出管
71における電動弁70を閉止する。また、調整処理水
戻し管48’の開閉弁85は閉止しておく。
【0066】次いで、吐出管48の開閉弁54と分岐管
48a、48bの開閉弁59a、59bを開成し、ポンプ4
7を始動して調整槽30内の調整処理水c'を吸引管49
を介して吸引する。吸引された調整処理水c'はポンプ4
7の吐出管48、分岐管48a、48bを介してフィルタ
42a、42bに圧送する。途中、吐出管48内を通るこ
の調整処理水c'の分離成分はラインミキサ53によって
効率よく混合される。
【0067】フィルタ42a、42bは加圧供給される調
整処理水c'によって加圧状態となり、フィルタ42a、
42b内にて加圧供給された調整処理水c'からフィルタ
42a、42bの濾過膜62を介して分離された分離水6
6を水槽41内に濾過抽出する濾過工程をなす。
【0068】この時、フィルタ42a、42bに加圧供給
される調整処理水c'は、フィルタ42a、42bの立壁面
61の内側上方にあって、フィルタ42a、42bの調整
処理水供給口44の真下に介装されたバッフル部材65
によって半径方向に分流されながらその立壁面61内側
に被覆された濾過膜62に沿って供給され、比較的粒子
径の大きな砂・土などの分離物から濾過膜62に捕獲さ
れ、その後、粒子径の小さなシルト・粘土など分離物5
7が砂・土などの分離物に付着して堆積される。
【0069】濾過膜62に付着したこれら分離物57は
濾過膜62においてマッドフィルム(泥膜)を形成して
分離物57の粒子間で目詰まり効果を発揮し、フィルタ
42a、42b内部を密閉昇圧して加圧効果をもたらして
ゆく。
【0070】一方、濾過膜62から水槽41内に濾過抽
出された分離水66は、再生水戻り管75とオーバーフ
ロー管74により排出され、流量調整弁76の弁開度に
よって流量調整されながら、調整槽30に再生水として
供給される。
【0071】次いで、ポンプ47の稼働によって調整処
理水c'のフィルタ42a、42bへの加圧供給が続き、濾
過膜62に分離物57が付着堆積するに従ってマッドフ
ィルム効果によってフィルタ42a、42b内の圧力が上
昇し、所定の圧力(上限点)に達すると、これを吐出管
48の圧力変換器55及び又は隔膜式上下限設定付圧力
計56が感知して信号を発し、分離物排出管71の電動
弁70を開成し、フィルタ42a、42b内部に堆積した
分離物57を外部に押し出すように排出する分離物の加
圧排出工程をなす。
【0072】分離物57を加圧排出する際、フィルタ底
部の分離物排出口45は、その受圧面が下方に向かって
段状に縮径した小径部45aを有するノズル形状をなす
ので、分離物57はフィルタ42a、42b内の流下速度
より分離物排出口45の方が流下速度が早く、従って分
離物57は分離物排出口45近傍で詰まることなくより
効率的に排出される。排出された分離物57は沈殿50
槽に溜まる。
【0073】次いで、吐出管48の開閉弁54を閉じ、
調整処理水戻し管48’の開閉弁85を開成し、調整槽
30から吸引管49を介して吸引した調整処理水c'を吐
出管48,調整処理水戻し管48’を介して調整槽30
に戻すことを繰り返すことでポンプ47の稼働状態を維
持しながら、フィルタ42a、42bへの調整処理水c'の
加圧供給を止めると同時に、再生水戻り排出管75の開
閉弁77を閉じて水槽41から調整処理水c'の排水を止
め、空気取入用開閉弁60a、60bを開成し、フィルタ
42a、42b内を大気圧にし、さらに分離物排出管71
の電動弁70を開成し続けてフィルタ42a、42b内に
堆積した分離物57を分離物排出管71を介して下方に
自然流下し、沈殿槽50に排出する分離物57の自然排
出工程をなす。
【0074】次いで、フィルタ42a、42b内の分離物
57を分離物排出管71を介して自然排出する中で、水
槽41に装着された振動モータ80a、80bによってフ
ィルタ42a、42bの濾過膜62に振動を伝えて濾過膜
62に付着した分離物57を剥離すると同時に、その振
動によるフィルタ42a、42bの振動によってフィルタ
底部などフィルタ内側壁に堆積する分離物57を分離物
排出口71に運び流下し、沈殿槽50に排出する分離物
の側壁落とし工程をなす。
【0075】なお、この側壁落とし工程は自然排水工程
時に限らず、自然排水工程の分離物57が薄くなったと
きは電動弁70を閉めて側壁落としを行っても良いし、
加圧排土工程時に行うも可能であり、濾過工程時に行う
も可能である。(実施の形態2)図7は本発明の固液分
離装置を用いた沈殿物除去装置における沈殿物分離の実
施形態を説明する。
【0076】尚、本図において、上記図のものと同じ構
成要素には同符号を付してその説明を簡略化する。
【0077】図7に示すように、この沈殿物除去装置
は、貯水槽1内に出し入れ自在に入れられる走行部11
と沈殿物吸引部5とからなる清掃ロボット部Aと、貯水
槽1の外に配置される本発明の固液分離装置Bと、同様
に貯水槽1の外に配置される運転部wとから構成されて
いる。
【0078】さらに詳述すると、上記貯水槽1は、その
内部に水2が貯えられ、その内底部に汚泥等の沈殿物3
が堆積され、さらに地上と連通するマンホール10が設
けられている。
【0079】上記清掃ロボット部Aは主に、走行部11
と、沈殿物吸引部5と、沈殿物吸引部5に繋がる吸引ホ
ース6と、運転部wに繋がる信号ケーブル12から構成
されている。
【0080】上記固液分離装置Bは、吸引ホース6、ポ
ンプ47を介して清掃ロボットAの吸引口部側から沈殿
物3混じりの水2を吸引し、吐出管48を通し、フィル
タ42に圧送する。フィルタに圧送された沈殿物3混じ
りの水2はフィルタ42で分離水66と分離物57とに
固液分離され、分離水66は再生水dとして貯水槽1に
戻され、分離物57は分離物排出管71を介して外部に
排出されるように構成されている。
【0081】なお、上記運転部wは清掃ロボット部Aを
操作するべく信号ケーブル12が接続されている。この
ように本発明の固液分離装置Bは上述した実施態様1と
同様な構成で同様な工程を経て同様な機能を有する。 (実施の形態3)図8は本発明の固液分離装置を用いた
湖沼浄化装置の実施形態を説明する。
【0082】尚、本図において、上記図のものと同じ構
成要素には同符号を付してその説明を簡略化する。
【0083】図8に示すように、この湖沼浄化装置に代
わる本発明の固液分離装置40は、例えば湖岸Gに設置
され、吸引管49,ポンプ47を介して湖面からアオコ
混じりの水2’を吸引し、吐出管48を通し、フィルタ
42に圧送する。フィルタに圧送されたアオコ混じりの
水2’はフィルタ42で分離水66と分離物57とに固
液分離され、分離水66は再生水dとして湖1’など自
然界水系に戻され、分離物57は分離物排出管71を介
して外部に排出される。
【0084】上記吸引管49はフレキシブルで且つ図示
しないフロートを配して水中に漂うアオコに対応するよ
うなものにすることが望ましい。また、分離物57とし
てのアオコは軽量なので吸引管49の継手51を介して
凝集剤を補給使用することが望ましい。
【0085】このように湖沼浄化装置に代わる本発明の
固液分離装置40は上述した実施態様1と同様な構成で
同様な工程を経て同様な機能を有する。
【0086】なお、本発明者によってなされた発明を実
施の形態に基づきそれぞれ説明したが、本発明は上述し
た実施態様に限定されるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもな
い。
【0087】例えば、分離物の側壁落とし工程におい
て、水槽41に振動モータ80a、80bを装着して、そ
の振動によりフィルタ42a、42bの濾過膜62やフィ
ルタ底部61’などフィルタ内側壁に付着した分離物5
7を剥離するようにしたが、この振動モータに代えて超
音波振動子を同部位に装着してその低周波振動によって
行っても良い。
【0088】また、各管48,48a、48b、75、4
8’に設けた開閉弁54,59a、59b、77及び開閉
弁85、空気取入用開閉弁60a、60bは適宜電磁弁に
代えても良い。
【0089】さらに、ポンプ47は流量可変ポンプと
し、ポンプ稼働状態の維持に際しては、吐出管48の開
閉弁54を閉じ、調整処理水戻し管48’の開閉弁85
を開成し、調整槽30から吸引管49を介して吸引した
調整処理水c'を吐出管48,調整処理水戻し管48’を
介して調整槽30に戻すことを繰り返すようにしたが、
この流量可変ポンプに代え、図8に示すように、ロータ
リーチューブポンプとし、ポンプ稼働状態の維持に際し
ては、吐出管48の開閉弁54を閉じ、ポンプ47の吸
引管49と吐出管48の間に設けられたバイパス弁85
を開成して吸引吐出を繰り返すようにしても良い。
【0090】またフィルター42a、42bの濾過膜62
は、固液分離する分離対象物に対応したメッシュのもの
に交換可能なように、立壁面61に沿ってその内側に着
脱自在に装着されるようにしても良い。
【0091】さらに本発明装置において、フィルタ42
の他方端に原液から分離される分離物57の排出口45
を設けたが、分離物排出口を設けないフィルタ構造でも
良く、この場合、フィルタ内に堆積した分離物はフィル
タの蓋体を開け、濾過膜をフィルタから取り出すことで
排出するバッチ式となる。
【0092】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち、代
表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、
以下の通りである。 (1)コンパクト且つ省力化された設計のもと効率的な
固液分離を可能にしている。例えば泥水推進工法におい
て、特に、シルト・粘土地盤における余剰泥水などの泥
水処理にあっては、フィルタープレスやディカンターな
どの機器を必要とせずに泥水の効率的な固液分離出来る
ので、設備コストやランニングコストなどを低減でき、
しかも効率的な分離処理が可能なので余剰泥水の大幅な
減量ができる。 (2)加圧供給される原液の中でも大粒径のものからそ
の立壁面に付着し、その後に小粒径のものがその大粒径
のものに重なるように付着させることができ、従来のよ
うに大粒径のものがフィルタ底部に溜まり、先に小粒径
のものがそのフィルタ立壁面の濾過膜に付着して、早期
の内に濾過膜を詰まらせ濾過効率を悪化させるような不
具合がない。 (3)水槽に振動手段を設けたので、濾過膜に付着した
分離物を剥離し易くするとともに、フィルタの連続濾過
使用を可能にした。 (4)分離物排出口を下方に向かって段状に縮径した小
径部を有するノズル形状にしたので、分離物がフィルタ
底部に詰まることがない。 (5)複数基のフィルタを水槽内に設けることによっ
て、濾過面積を増加でき、濾過効率を促進させる。 (6)固液分離された分離水を再生水として調整槽に戻
すことで、例えば掘進機における送泥水の比重を下げる
ことが出来るので送泥水の交換頻度を減少できるととも
に、掘進機の掘進速度を向上させて掘進機の日進量(1
日の掘進機の推進を延長)を延長することが出来る。 (7)吐出管中に隔膜式上下限設定付圧力計及びまたは
圧力変換器を設けたので、フィルタの濾過機能を高め、
濾過作業を省力化している。 (8)吐出管中にラインミキサを設けたので、フィルタ
への原液供給過程で、原液中の分離成分が均一に混合さ
れ、効率的な固液分離を可能にしている。 (9)分離水を濾過抽出する濾過工程と、分離物を加圧
する工程と、分離物を分離物排出口を介して自然排出す
る工程とを経ることを繰り返し、分離水排出口から排出
された分離水を再生水として再利用することで、分離物
排出口から排出される分離物を減量するができるととも
に、原液の連続した固液分離処理ができる。 (10)水槽内に貯留維持された貯留水を介してフィル
タに振動を伝える振動手段によってそのフィルタの濾過
膜に付着した分離物を剥離するので、分離物の排出を促
進するとともに、フィルタの濾過効率を高め、固液分離
の連続稼働を可能にした。 (11)バッフル部材によって半径方向に分流されなが
らそのフィルタの立壁面に沿って供給され濾過されるの
で、濾過膜に付着した分離物の剥離、特に振動手段によ
る剥離効果を促進させ、且つ目詰まりすることがなく分
離物の自然排出を促進させる。 (12)ポンプの吐出側に設けられた圧力変換器及び又
は隔膜式上下限設定付圧力計がフィルタ内の加圧状態を
感知して分離物排出口を開放するようにしたので、分離
物の加圧排出を促進し、固液分離工程の省力化ができ固
液分離効率を高めた。 (13)分離物はフィルタ内の流下速度より下方に向か
って段階的に縮径したノズル形状の分離物排出口の方が
流下速度が早くなるので、固液分離の加圧濾過工程を促
進させるとともに、分離物の加圧排出を円滑にし、作業
工程を早めた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固液分離装置の基本構造を示す概要図
である。
【図2】本発明の固液分離装置を用いた実施の形態1で
ある泥水処理装置及びその泥水処理装置における固液分
離方法の濾過工程を示す概略説明図である。
【図3】図2の泥水処理装置における固液分離方法の分
離物加圧排出工程を示す概略説明図である。
【図4】図2の泥水処理装置における固液分離方法の分
離物自然排出工程を示す概略説明図である。
【図5】図2の泥水処理装置における固液分離方法の分
離物側壁落とし工程を示す概略説明図である。
【図6】図2から図5に記載の流量可変ポンプ仕様に代
えロータリーチューブポンプ仕様にした実施形態の固液
分離装置を示す概略説明図である。
【図7】図6記載の固液分離装置を用いた実施の形態2
である貯水槽内の沈殿物除去装置の構成及びその固液分
離方法を示す概略説明図である。
【図8】図6記載の固液分離装置を用いた実施の形態3
である湖沼浄化装置の構成及びその固液分離方法を示す
概略説明図である。
【図9】従来の泥水処理装置における固液分離方法を示
す概略説明図である。
【図10】従来の貯水槽内の沈殿物除去装置における固
液分離方法を示す概略説明図である。
【符号の説明】
a 泥水 b 一次処理水 c 二次処理水 c' 調整処理水 d 再生水 e 送泥水 s 砂 20 泥水処理装置 21 掘削機 22 排泥ポンプ 23 送泥ポンプ 24 振動篩 24a 2mm篩目のスクリーン 24b 0.074mm篩目のスクリーン 25 循環槽 26 湿式サイクロン 27 循環槽ポンプ 29 管 30 調整槽 31 アジテーター 40 固液分離装置 41 水槽 41a貯留水 42a、42b フィルタ 44 調整処理水供給口(原液供給口) 45 分離物排出口 45a 小径部 46 分離水排出口 47 ポンプ 48 吐出管 48’調整処理水戻し管 48a、48b 分岐管 49 吸引管 50 沈殿槽 51 継手 52 流量計 53 ラインミキサ 54 開閉弁 55 圧力変換器 56 隔膜式上下限設定付圧力計 57 固液分離された分離物 59a、59b 開閉弁 60a、60b 空気取入用開閉弁 61 立壁面 61’フィルタ底面 62 濾過膜 63 蓋体 64 フランジ 65 バッフル部材 66 固液分離された分離水 70 電動弁 71 分離物排出管 72 給水口 73 オーバーフロー口 74 オーバーフロー管 75 再生水戻し管 76 流量調整弁 77 開閉弁 80a、80b 振動モータ 85 開閉弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E02F 7/00 B01D 29/10 520Z E21D 9/06 301 29/14 D 29/28 29/10 520D

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原液中の固体成分と液体成分とを分離す
    る装置であって、水槽内に濾過膜を収納したフィルタを
    配置し、前記フィルタ内側をフィルタ外部に対し密閉可
    能にされた内部空間とし、前記フィルタの一方端にフィ
    ルタ内に原液を加圧供給してフィルタ内を加圧する原液
    供給口を設け、前記フィルタの他方端に原液から分離さ
    れる分離物の排出口を設け、前記水槽に前記フィルタを
    介して原液から分離される分離水の排出口を設けてなる
    ことを特徴とする固液分離装置。
  2. 【請求項2】 前記濾過膜は、前記フィルタの立壁面に
    沿ってその内側に着脱可能に配設されてなることを特徴
    とする請求項1記載の固液分離装置。
  3. 【請求項3】 前記フィルタの立壁面は前記水槽内の水
    に接してなることを特徴とする請求項2記載の固液分離
    装置。
  4. 【請求項4】 前記フィルタは、その立壁面の内側上方
    にあって、前記原液供給口下方に位置するバッフル部材
    を介装してなることを特徴とする請求項3記載の固液分
    離装置。
  5. 【請求項5】 前記フィルタは、その底部にあって、前
    記分離物排出口の受圧面が下方に向かって段状に縮径し
    た小径部を有するノズル形状をなしてなることを特徴と
    する請求項4記載の固液分離装置。
  6. 【請求項6】 前記フィルタは、前記水槽内に適宜間隔
    を置いて複数並設されてなることを特徴とする請求項5
    記載の固液分離装置。
  7. 【請求項7】 前記フィルタ内に原液を加圧供給するた
    めにポンプを用いてなることを特徴とする請求項1から
    6の何れかに記載の固液分離装置。
  8. 【請求項8】 前記ポンプによる原液の加圧供給によっ
    て前記フィルタから前記水槽内に分離された分離水をそ
    の前記分離水排出口に配設された再生水戻し管を介して
    排出し、その分離水を再生水として再利用することを特
    徴とする請求項7に記載の固液分離装置。
  9. 【請求項9】 前記水槽にフィルタ内を予め満水状態に
    するために給水口とオーバーフロー管を配設し、且つそ
    のオーバーフロー管を前記再生水戻し管に接続してなる
    請求項8記載の固液分離装置。
  10. 【請求項10】 前記フィルタの濾過膜に付着した分離
    物を剥離するための振動を発生する振動手段を前記水槽
    に設けてなることを特徴とする請求項1から9の何れか
    に記載の固液分離装置。
  11. 【請求項11】 前記フィルタ内の原液供給圧力を感知
    して前記分離物排出口の開閉をなす圧力変換器及び又は
    隔膜式上下限設定付圧力計を前記ポンプの吐出管に設け
    たことを特徴とする請求項1から10の何れかに記載の
    固液分離装置。
  12. 【請求項12】 前記ポンプの吐出管にラインミキサを
    設けたことを特徴とする請求項1から11の何れかに記
    載の固液分離装置。
  13. 【請求項13】 原液中の固体成分と液体成分とを分離
    する装置を用いた固液分離方法であって、濾過膜を収納
    したフィルタ内を予め満水状態にするように水槽に給水
    するとともに、前記水槽の分離水排出口を開放する一
    方、前記フィルタ他端の分離物排出口を閉止し、前記フ
    ィルタに原液を加圧供給してそのフィルタを加圧状態に
    し、原液から前記フィルタを介して固液分離された分離
    水を前記水槽内に濾過抽出する濾過工程と、次いで抽出
    された前記分離水を前記分離水排出口を介して排出しな
    がら、前記分離物排出口を開放して前記フィルタから固
    液分離された前記フィルタ内の分離物を加圧排出する工
    程と、次いで前記フィルタへの原液の加圧供給を止める
    と同時に、前記分離水排出口を閉じ、前記フィルタ内を
    大気圧にし、そのフィルタ内に堆積した前記分離物を前
    記分離物排出口を介して自然排出する工程とからなり、
    以後、これら工程を繰り返して前記分離水排出口から排
    出された分離水を再生水として再利用し、前記分離物排
    出口から排出される分離物を減量することを特徴とする
    固液分離方法。
  14. 【請求項14】 原液中の固体成分と液体成分とを分離
    する装置を用いた固液分離方法であって、水槽内に貯留
    維持された貯留水を介して前記フィルタに振動を伝える
    振動手段によってそのフィルタの濾過膜に付着した分離
    物を剥離することを特徴とする請求項13に記載の固液
    分離方法。
  15. 【請求項15】 原液中の固体成分と液体成分とを分離
    する装置を用いた固液分離方法であって、前記フィルタ
    に原液を加圧供給してそのフィルタを加圧状態するに際
    し、原液は、前記フィルタの立壁面の内側上方にあっ
    て、そのフィルタの原液供給口下方に介装されたバッフ
    ル部材によって半径方向に分流されながらそのフィルタ
    の立壁面に沿って加圧供給され濾過されてなることを特
    徴とする請求項14に記載の固液分離方法。
  16. 【請求項16】 原液中の固体成分と液体成分とを分離
    する装置を用いた固液分離方法であって、前記ポンプの
    吐出管に設けられた圧力変換器及び又は隔膜式上下限設
    定付圧力計が前記フィルタ内の加圧状態を感知して前記
    分離物排出口を開放するようになすことを特徴とする請
    求項15に記載の固液分離方法。
  17. 【請求項17】 原液中の固体成分と液体成分とを分離
    する装置を用いた固液分離方法であって、前記分離物排
    出口を開放して固液分離された分離物を加圧排出するに
    際し、前記分離物はフィルタ内の流下速度より下方に向
    かって段階的に縮径した小径部を有するノズル形状の前
    記分離物排出口の方が流下速度が早くなることを特徴と
    する請求項13から16の何れかに記載の固液分離方
    法。
  18. 【請求項18】 原液中の固体成分と液体成分とを分離
    する装置であって、水槽内に濾過膜を収納したフィルタ
    を配置し、前記フィルタ内側をフィルタ外部に対し密閉
    可能にされた内部空間とし、前記フィルタの一方端にフ
    ィルタ内に原液を加圧供給してフィルタ内を加圧する原
    液供給口を設け、前記水槽に前記フィルタを介して原液
    から分離される分離水の排出口を設けてなることを特徴
    とする固液分離装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006035178A (ja) * 2004-07-30 2006-02-09 Victon Kogyo:Kk 汚泥回収装置、汚泥回収システム、及び汚泥回収処理方法
KR20200021296A (ko) * 2018-08-20 2020-02-28 금송테크(주) 관로 굴진용 이수 연속 처리시스템

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