JP2002179596A - 水溶性薬物と油剤とを含有する医薬製剤 - Google Patents

水溶性薬物と油剤とを含有する医薬製剤

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JP2002179596A
JP2002179596A JP2000382690A JP2000382690A JP2002179596A JP 2002179596 A JP2002179596 A JP 2002179596A JP 2000382690 A JP2000382690 A JP 2000382690A JP 2000382690 A JP2000382690 A JP 2000382690A JP 2002179596 A JP2002179596 A JP 2002179596A
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JP2000382690A
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Masaki Sunami
正記 角南
Fuyuki Arimoto
冬紀 有元
Takashi Kondo
隆 近藤
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Japan Tobacco Inc
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Japan Tobacco Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 本発明は、水溶性薬物のバイオアベイラ
ビリティ(bioavailability)を改善する医薬製剤を提供
することを目的とする。 【解決手段】 水溶性薬物と油剤を含有してなる医薬製
剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬製剤、より詳
しくは水溶性薬物と油剤を含有してなる医薬製剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】薬物と油剤を含有する医薬製剤は、従来
より知られている。例えば、特開昭57−70815に
は、水に難溶の固形薬剤をアブラ類に分散せしめ、これ
を粒径3mm以下のカプセルに充填してなる吸収改善製
剤が記載されている。また、特開昭57−42616お
よび特開昭57−142911には、水に難溶の固形薬
剤を、水に難溶性のユビキノンに限定した製剤が記載さ
れている。しかし、このような薬物と油剤を含有する従
来の医薬製剤においては、含有されている薬物が水に難
溶性のものであり、医薬製剤を経口投与したときに該薬
物の吸収を改善させる目的で、薬物と油剤を組み合わせ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、水溶性の薬
理作用を有する化合物(以下、「水溶性薬物」という)
のバイオアベイラビリティ(bioavailability)を改善す
る医薬製剤を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】水溶性薬物を経口投与す
ると、該薬物は消化管内で溶解した後、体内へと吸収さ
れる。したがって、薬物としての効果を発揮するために
は、優れた溶解性と吸収性が要求される。ところが、溶
解性が優れていても吸収性が優れているとは限らず、水
溶性薬物の吸収性が向上するよう改善された製剤が望ま
れていた。ここで、本発明者らが、水溶性薬物を油剤と
組み合わせて医薬製剤を作製したところ、該医薬製剤を
経口投与したとき、該水溶性薬物のバイオアベイラビリ
ティ(bioavailability)が向上するという思いがけない
知見を得た。本発明者らは、さらに検討を重ね、本発明
を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、(1)水溶性薬物と
油剤とを含有することを特徴とする医薬製剤、(2)水
溶性薬物が、一般式〔I〕
【化9】 〔式中、Rは
【化10】 [ここで、R4は水素原子、水酸基、低級アルキル基、
低級アルコキシ基又はハロゲン原子を表し、R5は水素
原子、シアノ基、カルボキシ基又は低級アルコキシカル
ボニル基を表し、R6は水素原子、シクロアルキル基、
水酸基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、
アラルキルオキシカルボニル基(該アラルキルオキシカ
ルボニル基は、ハロゲン原子、ニトロ基、アルキル基、
アルコキシ基又はトリフルオロメチル基で置換されてい
てもよい)、ニトロ基、アミノ基、低級アルキルアミノ
基、ジ低級アルキルアミノ基、アリール基、ヘテロアリ
ール基(該アリール基又はヘテロアリール基は、低級ア
ルキル基、水酸基、低級アルコキシ基、カルボキシ基、
低級アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボ
ニル基、ニトロ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミジ
ノ基又はヒドロキシアミジノ基から選ばれる置換基で1
乃至3置換されてもよい。)、5乃至7員からなり少な
くとも窒素原子を一個含んでなる飽和の複素環(該飽和
の複素環は低級アルキル基、アシル基、ジ低級アルキル
アミノ低級アルカノイル基又はイミドイル基で置換され
てもよい。)又は
【化11】 (ここで、Akは低級アルキル基を表し、Halはハロゲン
原子を表す。)を表し、X2は酸素原子、硫黄原子、−
SO2− 、 −SO2NH− 又は単結合を表し、X3
は−(CH2)m− (ここで、mは0又は1乃至3の整数
を表す。)を表し、X4は−CO− 、 −C(=N
H)− 、 −SO2− 、−CONH− 、−CSN
H− 、 −SO2NH− 、 −(CH2)rCONH−
、−(CH2)rCH(OH)− 、
【化12】 (ここで、rは0又は1乃至3の整数を表す。)又は単
結合を表し、X5は炭素数1乃至6のアルキレン基、炭
素数2乃至6のアルケニレン基又は単結合を表し、R7
は水素原子、低級アルキル基又は
【化13】 {ここで、R9は酸素原子、硫黄原子、NH基、 NR
11 〔ここで、R11は低級アルキル基、アラルキル基
(該アラルキル基は、ハロゲン原子、低級アルキル基、
水酸基、低級アルコキシ基、ハロアルキル基、シアノ
基、ニトロ基、アミノ基、アシルオキシ基から選ばれる
置換基で1乃至3置換されてもよい)、又は水酸基を表
す。〕を表し、R10は低級アルキル基、低級アルコキシ
基、アミノ基、低級アルキルアミノ基又はジ低級アルキ
ルアミノ基を表す。)を表す。}を表し、R8は水素原
子、低級アルキル基、シクロアルキル基(該シクロアル
キル基は低級アルキル基又はカルボキシ基で置換されて
もよい)、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル
基、アリール基、ヘテロアリール基{該アリール基又は
ヘテロアリール基は、ハロゲン原子、低級アルキル基
(該低級アルキル基はハロゲン原子で置換されてもよ
い。)、水酸基、低級アルコキシ基、カルボキシ基又は
低級アルコキシカルボニル基から選ばれる置換基で一乃
至三置換されてもよい}、アラルキル基(該アラルキル
基は、ハロゲン原子、低級アルキル基、水酸基、低級ア
ルコキシ基、ハロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、ア
ミノ基、アシルオキシ基から選ばれる置換基で1乃至3
置換されてもよい)、又は5乃至7員からなり少なくと
も窒素原子を一個含んでなる飽和の複素環を表し、Y1
は酸素原子、−NH− 、 −CONH− 、 −NR
12− 〈ここで、R12は低級アルキル基又は−Y6−R
13 {ここで、R13は水素原子、低級アルキル基又はア
リール基(該低級アルキル基又はアリール基は、カルボ
キシ基、低級アルコキシカルボニル基又はアラルキルオ
キシカルボニル基で置換されてもよい)を表し、Y6
−CO− 、 −CO2− 、 −COCO2− 、 −
SO2− 、−SO2(CH2)r− 又は −(CH2)r
(ここで、rは0又は1乃至3の整数を表す。)を表
す。}を表す。〉又は単結合を表し、Y2は酸素原子、
硫黄原子又は単結合を表し、Y3
【化14】 (ここで、s、tはそれぞれ同一又は異なって1乃至3
の整数を表す。)又は単結合を表し、Y4は酸素原子、
−CO− 、 −CO2− 、 −SO2− 、 −CO
NH− 、−CH=CH− 又は単結合を表し、Y5
−(CH2)p− 、 −(CH2)p'−CHAk−(CH2)p"
、−(CH2)p'−C(Ak・Ak’)−(CH2)p"− 、又は
【化15】 (ここで、Ak、Ak’はそれぞれ同一又は異なって低級ア
ルキル基を表し、pは0又は1乃至3の整数を表し、
p’、p”はそれぞれ同一又は異なって0又は1乃至2
の整数を表す。)を表し、環Aは
【化16】 {ここで、R14はカルボキシ基、低級アルコキシカルボ
ニル基又はアラルキルオキシカルボニル基(該アラルキ
ルオキシカルボニル基は、ハロゲン原子、ニトロ基、ア
ルキル基、アルコキシ基又はトリフルオロメチル基で置
換されてもよい)を表す。}を表し、jは1又は2を表
し、kは0又は1を表し、m、nはそれぞれ同一又は異
なって0又は1乃至3の整数を表す。]を表し、R1
2、R3は同一又は異なって水素原子、水酸基、低級ア
ルキル基又はアリール基を表す。〕で示されるアミジン
化合物又はその塩である前記(1)に記載の医薬製剤、
(3)水溶性薬物が、4−(2−アミジノ−1,2,
3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−イルオキシメ
チル)−1−(ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−
カルボン酸、その塩若しくはその溶媒和物である前記
(2)に記載の医薬製剤、(4)水溶性薬物と油剤との
分散液であることを特徴とする前記(1)〜(3)に記
載の医薬製剤、(5)分散液における水溶性薬物の粒子
の直径が10μm以下であることを特徴とする前記
(4)に記載の医薬製剤、(6)分散液における水溶性
薬物の粒子の直径が1μm以下であることを特徴とする
前記(5)に記載の医薬製剤、(7)油剤が、トリグリ
セリドであることを特徴とする前記(1)〜(6)に記
載の医薬製剤、(8)トリグリセリドの脂肪酸が、炭素
数6〜24であることを特徴とする前記(7)に記載の
医薬製剤、(9)トリグリセリドが中鎖脂肪酸トリグリ
セリドであることを特徴とする前記(8)に記載の医薬
製剤、および、(10)中鎖脂肪酸トリグリセリドの脂
肪酸が、炭素数8〜12であることを特徴とする前記
(9)に記載の医薬製剤、に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で用いる水溶性薬物として
は、水溶性を有するものであれば特に限定されるべきも
のではないが、薬理作用を有する化合物が好ましい。ま
た、本発明で用いる水溶性薬物は、いわゆるプロドラッ
グであってもよい。「プロドラッグ」としては、化学的
又は代謝的に分解し得る基を有し、加水分解や加溶媒分
解によって、又は生理的条件下で分解することによって
医薬的に活性を示す誘導体が挙げられる。本発明で用い
る水溶性薬物には、天然に由来する生薬等の抽出物(エ
キス、チンキなど)、抽出物等から単離した化合物や化
学合成した化合物等を含む。該水溶性薬物は単一成分で
もよいし、2種以上の混合物でもよい。また、該水溶性
薬物が化合物である場合には、該化合物の塩、該化合物
の医薬的に許容し得る各種溶媒和物(例えば、水和物
等)、該化合物の塩の溶媒和物を含み、また、これらの
結晶多形も含む。さらに、該化合物の構造中に不斉炭素
が存在し、それに基づく光学異性体あるいは立体異性体
が存在するときには、これらの光学異性体、立体異性体
又はこれら異性体の混合物のいずれも本発明における水
溶性薬物に含まれる。
【0007】上記本発明で用いる水溶性薬物が化合物で
ある場合の該化合物の塩としては、医薬的に許容しうる
塩であれば特に限定されるべきものではないが、具体的
には、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩又は硝
酸塩等の無機酸付加塩;酢酸塩、プロピオン酸塩、コハ
ク酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、シュウ
酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマール
酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p
−トルエンスルホン酸塩又はアスコルビン酸塩等の有機
酸付加塩;アスパラギン酸塩又はグルタミン酸塩等のア
ミノ酸付加塩;ナトリウム、カリウム、カルシウム又は
マグネシウム等との無機塩基塩;メチルアミン、ジメチ
ルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチル
アミン、トリエタノールアミン、トリスヒドロキシメチ
ルアミノメタン、ジシクロヘキシルアミン、エチレンジ
アミン、キニーネ、グアニジン等との有機塩基塩;アス
パラギン、グルタミン、アルギニン、ヒスチジン又はリ
ジン等のアミノ酸との塩基塩等を挙げることができる。
【0008】本発明において用いる水溶性薬物として、
アミノ基、アミジノ基などの塩基性基を有する塩基性薬
物を挙げることができるが、より具体的には、上記一般
式〔I〕で表されるアミジン化合物もしくはその塩が挙
げられる。化合物の「塩」としては、上記医薬的に許容
しうる塩が挙げられるが、中でもメタンスルホン酸塩を
用いるのが好ましい。該化合物は、血液凝固第Xa因子
阻害活性を有し、第Xa因子阻害剤、血液凝固又は血栓
によって引き起こされる疾患の治療剤として有用であ
る。好ましくは、特開2000−136190号公報
(WO99/52895)に記載されるごとき薬物が好
適に用いられる。
【0009】本発明において用いる水溶性薬物として
は、中でも、下記式
【化17】 で表される4−(2−アミジノ−1,2,3,4−テト
ラヒドロイソキノリン−7−イルオキシメチル)−1−
(ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸、
それらの塩若しくはそれらの溶媒和物を用いるのがより
好適である。
【0010】上記一般式〔I〕で表される化合物におい
て、使用する用語の定義は次の通りである。「低級アル
キル基」とは、炭素数1乃至6個の直鎖又は分枝鎖アル
キル基を表し、例えばメチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ter
t−ブチル基、ペンチル基、tert−ペンチル基又は
ヘキシル基等であり、好ましくは炭素数1乃至4個のメ
チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチ
ル基、イソブチル基又はtert−ブチル基等である。
13の低級アルキル基は、カルボキシ基、低級アルコキ
シカルボニル基又はアラルキルオキシカルボニル基で置
換されてもよい。
【0011】「シクロアルキル基」とは、炭素数3乃至
10個の環状アルキル部分を有するアルキル基を表し、
例えばシクロプロピル基、2,3−ジメチルシクロプロ
ピル基、シクロブチル基、3−メチルシクロブチル基、
シクロペンチル基、3,4−ジメチルシクロペンチル
基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、
シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル
基、アダマンチル基、ビシクロ[3.3.0]オクタン
−1−イル基又はビシクロ[3.3.1]ノナン−9−
イル基等である。好ましくはシクロプロピル基、シクロ
ブチル基、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基等の
炭素数3乃至7のシクロアルキル基である。R8のシク
ロアルキル基は低級アルキル基又はカルボキシ基で置換
されてもよい。
【0012】「炭素数1乃至6のアルキレン基」とは、
炭素数1乃至6個の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を表
し、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブ
チレン基、ペンチレン基又はヘキシレン基等であり、好
ましくは炭素数1乃至4個のメチレン基、エチレン基、
プロピレン基又はブチレン基等である。
【0013】「炭素数2乃至6のアルケニレン基」と
は、炭素数2乃至6個の直鎖又は分岐鎖のアルケニレン
基を表し、例えばエテニレン基、1−プロペニレン基、
1−ブテニレン基、2−ブテニレン基、3−ブテニレン
基、1−ペンテニレン基、2−ペンテニレン基、3−ペ
ンテニレン基、1−ヘキセニレン基、2−ヘキセニレン
基、3−ヘキセニレン基、4−ヘキセニレン基又は5−
ヘキセニレン基等である。好ましくは炭素数2乃至4個
のエテニレン基、1−プロペニレン基、1−ブテニレン
基、2−ブテニレン基又は3−ブテニレン基等である。
【0014】「アリール基」とは、炭素数6乃至12個
のフェニル基、ナフチル基又はビフェニル基を表し、好
ましくはフェニル基である。R6のアリール基は、低級
アルキル基、水酸基、低級アルコキシ基、カルボキシ
基、低級アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカ
ルボニル基、ニトロ基、アミノ基、アシルアミノ基、ア
ミジノ基又はヒドロキシアミジノ基から選ばれる置換基
で1乃至3置換されてもよい。R8のアリール基は、ハロ
ゲン原子、低級アルキル基(該低級アルキル基はハロゲ
ン原子で置換されてもよい。)、水酸基、低級アルコキ
シ基、カルボキシ基又は低級アルコキシカルボニル基か
ら選ばれる置換基で一乃至三置換されてもよい。R13
アリール基は、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニ
ル基又はアラルキルオキシカルボニル基で置換されても
よい。
【0015】「ヘテロアリール基」とは、窒素原子、酸
素原子又は硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を1個乃至
3個環内に含む5員乃至6員の芳香環を表し、一部飽和
されていてもよい他の環と縮合環を形成してもよい。例
えばイミダゾリル基、ピリジル基、ピリジン−1−オキ
シド基、ピリミジル基、チエニル基、チアゾリル基、イ
ソオキサゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアゾリル
基、インドリル基、キノリル基、フリル基、ベンゾフリ
ル基、1H−ベンズイミダゾリル基又は2−ベンゾチア
ゾリル基等が挙げられる。好ましくはピリジル基、ピリ
ジン−1−オキシド基、チエニル基、チアゾリル基、イ
ソオキサゾリル基、インドリル基等である。R6のヘテ
ロアリール基は、低級アルキル基、水酸基、低級アルコ
キシ基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、
アラルキルオキシカルボニル基、ニトロ基、アミノ基、
アシルアミノ基、アミジノ基又はヒドロキシアミジノ基
から選ばれる置換基で1乃至3置換されてもよい。R8
ヘテロアリール基は、ハロゲン原子、低級アルキル基
(該低級アルキル基はハロゲン原子で置換されてもよ
い。)、水酸基、低級アルコキシ基、カルボキシ基又は
低級アルコキシカルボニル基から選ばれる置換基で一乃
至三置換されてもよい。これらへテロアリ−ル基の結合
位置は、化学的に許容される限り特定されない。
【0016】「アラルキル基」とは、アリール部が前記
「アリール基」で示したものであり、アルキル部が前記
「低級アルキル基」で示したものからなるアリールアル
キル基を表し、例えばベンジル基、フェネチル基、フェ
ニルプロピル基、フェニルブチル基又はフェニルヘキシ
ル基等が挙げられ、アリール基上にはハロゲン原子、低
級アルキル基、水酸基、低級アルコキシ基、ハロアルキ
ル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アシルオキシ基
等から選ばれる1乃至3個の置換基を有してもよい。
又、同時に二種類以上で置換されてもよいが、好ましく
は一置換であり、置換位置については化学的に許容され
るならば特に制限されるものではない。
【0017】「低級アルコキシ基」とは、炭素数1乃至
6個の直鎖又は分枝鎖アルコキシ基を表し、例えばメト
キシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ
基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキ
シ基、tert−ペンチルオキシ基又はヘキシルオキシ
基等であり、好ましくは炭素数1乃至4個のメトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブ
トキシ基又はtert−ブトキシ基等である。
【0018】「低級アルコキシカルボニル基」とは、低
級アルコキシ部が前記「低級アルコキシ基」で示したも
のを表し、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカル
ボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカ
ルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカル
ボニル基又はtert−ブトキシカルボニル基等であ
る。好ましくはメトキシカルボニル基、エトキシカルボ
ニル基又はプロポキシカルボニル基等である。
【0019】「アラルキルオキシカルボニル基」とは、
アラルキル部が前記「アラルキル基」で示したものを表
し、ベンジルオキシカルボニル基、2−フェニルエトキ
シカルボニル基又は3−フェニルプロポキシカルボニル
基等であり、置換基としてハロゲン原子、ニトロ基、ア
ルキル基、アルコキシ基又はトリフルオロメチル基等を
有してもよい。好ましくは、ベンジルオキシカルボニル
基である。
【0020】「アシル基」とは、ホルミル基;アセチル
基、プロピオニル基、ブチリル基若しくはピバロイル基
等の炭素数2乃至6個のアルカノイル基;又は、アリー
ル基に1乃至3個の置換基を有してもよいベンゾイル基
等のアロイル基である。好ましくはホルミル基、アセチ
ル基、ピバロイル基又はベンゾイル基等である。
【0021】「イミドイル基」とは、炭素数1乃至6の
ホルムイミドイル基、アセトイミドイル基、プロパンイ
ミドイル基、ブタンイミドイル基、ペンタンイミドイル
基又はヘキサンイミドイル基等である。好ましくはアセ
トイミドイル基又はプロパンイミドイル基等である。
【0022】「低級アルキルアミノ基」とは、前記「低
級アルキル基」で示したもので一置換されたアミノ基を
表し、例えばメチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピ
ルアミノ基又はブチルアミノ基等である。好ましくはメ
チルアミノ基、エチルアミノ基又はプロピルアミノ基等
である。
【0023】「ジ低級アルキルアミノ基」とは、前記
「低級アルキル基」で示したもので二置換されたアミノ
基を表し、例えばジメチルアミノ基、ジエチルアミノ
基、ジプロピルアミノ基、メチルエチルアミノ基又はメ
チルプロピルアミノ基等である。好ましくはジメチルア
ミノ基又はジエチルアミノ基等である。
【0024】「ジ低級アルキルアミノ低級アルカノイル
基」とは、前記「ジ低級アルキルアミノ基」で示したも
ので置換されたアルカノイル基を表し、例えばジメチル
アミノアセチル基、ジエチルアミノアセチル基、ジプロ
ピルアミノアセチル基、メチルエチルアミノアセチル
基、メチルプロピルアミノアセチル基、ジメチルアミノ
プロパノイル基、ジエチルアミノプロパノイル基又はジ
プロピルアミノプロパノイル基等である。好ましくはジ
メチルアミノアセチル基又はジエチルアミノアセチル基
等である。
【0025】「アシルアミノ基」とは、前記「アシル
基」で示したもので置換されたアミノ基を表し、例えば
ホルミルアミノ基;アセチルアミノ基、プロピオニルア
ミノ基、ブチリルアミノ基若しくはピバロイルアミノ基
等の炭素数2乃至6個のアルカノイルアミノ基;又は、
アリール基に一乃至三個の置換基を有してもよいベンゾ
イルアミノ基等のアロイルアミノ基である。好ましくは
ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミ
ノ基又はベンゾイルアミノ基等である。
【0026】「ハロゲン原子」とは、塩素、臭素、フッ
素又はヨウ素であり、好ましくは塩素又は臭素である。
【0027】「5乃至7員からなり少なくとも窒素原子
を一個含んでなる飽和の複素環」とは、ピロリジン、ピ
ペリジン、ヘキサヒドロアゼピン、さらにヘテロ原子と
して酸素、硫黄及び/又は窒素原子を有するオキサゾリ
ジン、チアゾリジン、イミダゾリジン、モルホリン、チ
オモルホリン基、ピペラジン、テトラヒドロオキサゼピ
ン、テトラヒドロチアゼピン又はヘキサヒドロジアゼピ
ン等が挙げられる。R 6の5乃至7員からなり少なくと
も窒素原子を一個含んでなる飽和の複素環は、低級アル
キル基、アシル基、ジ低級アルキルアミノ低級アルカノ
イル基又はイミドイル基で置換されてもよい。
【0028】本発明の医薬製剤における水溶性薬物の配
合量(配合比率)は、薬物の種類等により異なるので、
一概には言えず、また、特に限定されるものでもない
が、医薬製剤全体に対して、好ましくは約1〜50重量
%程度、より好ましくは約1〜20重量%程度、さらに
好ましくは約1〜10重量%程度である。
【0029】本発明において用いる油剤としては、吸収
性および安全性に優れたものであれば特に限定されるも
のではなく、自体公知のものを用いてよい。例えば、油
脂、脂質、蝋、精油もしくは鉱油又はこれらの混合物な
どが挙げられる。これらは、例えば大豆油又はゴマ油等
の動植物から得られる天然物でも良いし、化学合成され
たものであってもよい。また、本発明において用いる油
剤として、上記油脂や脂質などに含まれている成分であ
ってもよい。好ましくは、例えば、高級アルコール、脂
肪酸、脂肪酸塩、脂肪酸とアルコール又は多価アルコー
ルとのエステル等を挙げることができる。これらは、単
独で油剤として用いてもよいし、2種以上の混合物を油
剤として用いてもよい。
【0030】本発明における油剤としての高級アルコー
ル、脂肪酸、脂肪酸塩、脂肪酸とアルコール又は多価ア
ルコールとのエステルについて、以下に詳細に説明す
る。高級アルコールとしては、好ましくは炭素数6以上
の直鎖状、分枝状又は環状のアルコールを挙げることが
でき、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコー
ル、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノ
ール又は2−ヘキシルデカノール等を挙げることができ
る。
【0031】脂肪酸としては、炭素数6〜24のものが
好ましく、より好ましくは、飽和もしくは不飽和の中鎖
脂肪酸、又は飽和もしくは不飽和の長鎖脂肪酸を挙げる
ことができる。またこれらは直鎖状であっても分枝状で
あってもよい。中鎖脂肪酸は、その炭素数が6〜13、
より好ましくは炭素数8〜12のものが好適であり、ま
た、長鎖脂肪酸は、その炭素数が14〜22のものが好
適である。具体的には、例えば、中鎖脂肪酸として、カ
プロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カ
プリン酸、ウンデシル酸、ウンデシレン酸又はラウリン
酸等を挙げることができる。また、長鎖脂肪酸として、
ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、パルミ
トレイン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、オレイン
酸、リノール酸、リノレン酸、ノナデカン酸、アラキン
酸、エイコセン酸、アラキドン酸又はベヘン酸等を挙げ
ることができる。
【0032】脂肪酸塩としては、上記脂肪酸のアルカリ
金属塩、アルカリ土類金属塩等を挙げることができる。
アルカリ金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩を
挙げることができ、アルカリ土類金属塩としては、マグ
ネシウム塩、カルシウム塩等を挙げることができる。具
体的には、カプロン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウ
ム、ミリスチン酸ナトリウム又はパルミチン酸ナトリウ
ム等を挙げることができる。
【0033】脂肪酸とアルコール又は多価アルコールの
エステルとしては、上記脂肪酸のアルコール又は多価ア
ルコールとのエステルを挙げることができる。ここでの
アルコールは、好ましくは炭素数1〜8の直鎖状、分枝
状又は環状の1価のアルコールであり、例えば、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノール又はブタノール等
を挙げることができる。また、多価アルコールとして
は、分子内に2個以上のアルコール性水酸基を有する化
合物であれば、特に限定されるべきものではなく、具体
的には、エチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、グリセリン、ポリグリセリン又はソルビタン等を挙
げることができる。これらのうち、本発明においては、
グリセリン又はポリグリセリンが好ましく、グリセリン
がより好ましい。脂肪酸とアルコールとのエステルの具
体例としては、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソ
プロピル、ステアリン酸メチル又はリノール酸エチル等
を挙げることができる。
【0034】脂肪酸と多価アルコールとのエステルとし
ては、例えば、脂肪酸エチレングリコールエステル、脂
肪酸プロピレングリコールエステル、脂肪酸ポリエチレ
ングリコールエステル、脂肪酸ポリプロピレングリコー
ルエステル、脂肪酸グリセリンエステル、脂肪酸グリセ
リン酢酸エステル、脂肪酸グリセリン乳酸エステル、脂
肪酸グリセリンクエン酸エステル、脂肪酸グリセリンコ
ハク酸エステル、脂肪酸グリセリンジアセチル酒石酸エ
ステル又は脂肪酸ポリグリセリンエステル等を挙げるこ
とができる。脂肪酸と多価アルコールとのエステルは、
多価アルコールが有する水酸基1つ以上と脂肪酸がエス
テル結合して形成され、複数個の水酸基が脂肪酸とエス
テル結合する場合には、脂肪酸は同一のものでもよい
し、異なったものでもよい。多価アルコールとエステル
を形成する脂肪酸としては、炭素数6〜24のものが好
ましく、より好ましくは、炭素数6〜13、好ましくは
炭素数8〜12の中鎖脂肪酸、又は炭素数14〜22の
長鎖脂肪酸が好適であり、中鎖脂肪酸がさらに好まし
い。
【0035】本発明で用いる油剤としては、脂肪酸と多
価アルコールとのエステルが好ましく、さらには脂肪酸
とグリセリン又はポリグリセリンとのグリセリルエステ
ルが好ましい。特に、好ましくは炭素数6〜24の脂肪
酸とグリセリンとのエステル(グリセリドという)、中
でもトリグリセリドがより好ましい。そのうち、好まし
くは炭素数6〜13、より好ましくは炭素数8〜12の
中鎖脂肪酸とグリセリンとのエステル(中鎖脂肪酸グリ
セリドという)、又は炭素数14〜22の長鎖脂肪酸と
グリセリンとのエステル(長鎖脂肪酸グリセリドとい
う)が好ましく、特に中鎖脂肪酸トリグリセリドが最も
好ましい。具体的には、例えば、トリカプリル酸グリセ
リド、トリカプリン酸グリセリド、トリカプリル酸グリ
セリド、トリカプロン酸グリセリド又はトリラウリン酸
グリセリドなどが挙げられ、本発明においては、これら
化合物が好適に用いられる。
【0036】本発明の医薬製剤においては、水溶性薬物
と油剤とが分散状態にあることが好ましい。分散液にお
ける水溶性薬物の粒子の直径は、粒子の表面積向上の観
点からすると可能な限り小さな粒径が好ましく、具体的
には約10μm程度以下、好ましくは約1μm程度以下
が好適である。また、かかる分散液の製造方法は、特に
限定されるものではなく、公知のいかなる手段をも採用
し得る。
【0037】本発明の医薬製剤のとり得る製剤の形態と
しては、水溶性薬物と油剤との分散状態を保つことがで
きる剤型が好ましく、具体的には、分散剤又は分散剤を
マイクロカプセル、ソフトカプセルもしくはハードカプ
セル等のカプセルに充填したカプセル剤が好適である。
【0038】製剤化にあたっては、通常知られた方法に
よって製造することができる。また、例えば、乳糖、ブ
ドウ糖、ショ糖もしくはマンニットなどの賦形剤;澱粉
もしくはアルギン酸ソーダなどの崩壊剤;ステアリン酸
マグネシウムもしくはタルクなどの滑沢剤;ポリビニー
ルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロースもしくは
ゼラチンなどの結合剤;脂肪酸エステルなどの界面活性
剤;p−ヒドロキシ安息香酸エステル類などの防腐剤;
その他、流動化剤、分散剤、懸濁化剤、乳化剤、安定化
剤、甘味剤、風味剤又は芳香剤等の医薬品添加物を所望
により加えることができる。
【0039】本発明にかかる医薬製剤は、経口投与した
とき該医薬製剤に含まれる水溶性薬物のバイオアベイラ
ビリティ(bioavailability)が向上することが特長であ
るので、本発明にかかる医薬製剤は経口投与することが
好ましい。また、投与量は、該医薬製剤に含まれる水溶
性薬物によって大きく異なり、さらに、年齢、体重、症
状等によっても異なるので、一概には言えない。例え
ば、上記一般式〔I〕で表される化合物、特に4−(2
−アミジノ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリ
ン−7−イルオキシメチル)−1−(ピリジン−4−イ
ル)ピペリジン−4−カルボン酸又はそれらの塩が水溶
性薬物として含まれている場合は、本発明に係る医薬製
剤は、該水溶性薬物の投与量が通常成人一人当たり0.
01mg乃至1gの範囲となるよう、一日一回から数回
投与するのが好ましい。
【0040】
【実施例】水溶性薬物として、4−(2−アミジノ−
1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−イル
オキシメチル)−1−(ピリジン−4−イル)ピペリジ
ン−4−カルボン酸のメタンスルホン酸塩を用い、該薬
物200mgを乳鉢にとり、中鎖脂肪酸トリグリセリド
(ミグリオール812 ミツバ貿易社)〔以下、「MC
T」と略称する〕を少量ずつ添加しながら、乳棒を用い
て分散させた。ついで、該分散液を20mLメスフラス
コに移した。MCTで乳鉢および乳棒を洗いこみなが
ら、全量を15mLとした。
【0041】このようにして得られた分散液に対し、超
音波処理を5分間行った。該分散液にMCTを添加し、
全量を20mLとした。これをさらに5分間の超音波処
理に付した。該分散液を褐色ビンに移し、これをさらに
5分間の超音波処理に付した。なお、超音波処理は、超
音波洗浄器(井内盛栄堂社製 VS−100III)を用
いて、周波数28kHzという条件で行った。また、最
終的な上記薬物の粒子径は平均7μmであった。このよ
うにして、本発明に係る医薬製剤としての分散剤を製造
した。
【0042】〔試験例1〕約3〜4歳、体重3kg前後
の雄性カニクイザル3体を試験前20時間以上絶食させ
た。但し、水は自由に摂取させた。上記本発明に係る医
薬製剤1をカテーテルを用いて胃内に1mL/kgの容
量でそれぞれに投与した。すなわち、上記水溶性薬物
は、10mg/kg投与されたことになる。投与後、カ
テーテル内を注射用蒸留水5mLで洗浄した。
【0043】投与前、投与後0.25,0.5,1,
2,3,4,6および8時間に、ヘパリンナトリウムを
充填したディスポーザブル注射筒を用いて、サフェナー
静脈又は前肢橈骨皮静脈より1.5mLを採血した。採
血した血液は、冷却遠心機で遠心処理(4℃、毎分30
00回転、10分間)を行い、血漿を採取し、測定に供
するまで−80℃で凍結保存した。血漿中の上記水溶性
薬物の濃度を、HPLCを用いて測定した。測定値か
ら、CmaxおよびAUC0−8hを算出した。
【0044】〔比較例1〕上記本発明に係る医薬製剤の
代わりに、4−(2−アミジノ−1,2,3,4−テト
ラヒドロイソキノリン−7−イルオキシメチル)−1−
(ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸の
メタンスルホン酸塩の濃度が10mg/mLである水溶
液を用いた以外は、上記と全く同様に試験を行った。そ
の結果を下記表に示す。なお、数値は、本発明に係る医
薬製剤については3体の平均値±標準偏差を表し、水溶
液については8体の平均値±標準偏差を表す。
【表1】
【0045】〔試験例2〕約6〜7週齢、体重190〜
210gの雄性Sprague-Dawleyラット3体を試験前16
時間以上絶食させた。但し、水は自由に摂取させた。上
記本発明に係る医薬製剤2を経口ゾンデを用いて胃内に
1mL/kgの容量でそれぞれに投与した。すなわち、
上記水溶性薬物は、10mg/kg投与されたことにな
る。
【0046】投与後0.25,0.5,1,2,4およ
び8時間に、ヘパリンリチウム処理された微量採血管
(テルモ株式会社製、商品名テルモキャピラリー VC
−C110HL)を用いて、眼窩静脈叢より血液300
μLを採取した。採取した血液は、冷却遠心機で遠心処
理(4℃、毎分3000回転、10分間)を行い、血漿
を採取し測定に供するまで−20℃で凍結保存した。血
漿中の上記水溶性薬物の濃度を、HPLCを用いて測定
した。測定値から、CmaxおよびAUC0−8hを算
出した。
【0047】〔比較例2〕上記本発明に係る医薬製剤の
代わりに、4−(2−アミジノ−1,2,3,4−テト
ラヒドロイソキノリン−7−イルオキシメチル)−1−
(ピリジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸の
メタンスルホン酸塩の濃度が2mg/mLである水溶液
を、経口ゾンデを用いて胃内に5mL/kgの容量で投
与(すなわち、上記水溶性薬物を10mg/kg投与)
した以外は、上記と全く同様に試験を行った。その結果
を下記表に示す。なお、数値は3体の平均値±標準偏差
を表す。
【表2】
【0048】
【発明の効果】本発明に係る医薬製剤は、該医薬製剤を
経口投与したとき、該医薬製剤に含まれる水溶性薬物の
バイオアベイラビリティ(bioavailability)が向上する
という効果がある。それゆえに、今まで吸収性が低く、
医薬として用いられていなかった化合物を、医薬として
用いることができるようになるという利点を有す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07D 401/14 C07D 401/14 (72)発明者 近藤 隆 大阪府高槻市紫町1番1号 日本たばこ産 業株式会社医薬総合研究所内 Fターム(参考) 4C063 AA03 BB08 CC15 DD10 EE01 4C076 AA16 BB01 CC11 CC14 DD46F FF34 4C086 AA02 BC30 GA07 GA08 MA02 MA05 MA52 NA11 ZA54 ZC02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性薬物と油剤とを含有することを特
    徴とする医薬製剤。
  2. 【請求項2】 水溶性薬物が、一般式〔I〕 【化1】 〔式中、Rは 【化2】 [ここで、R4は水素原子、水酸基、低級アルキル基、
    低級アルコキシ基又はハロゲン原子を表し、R5は水素
    原子、シアノ基、カルボキシ基又は低級アルコキシカル
    ボニル基を表し、R6は水素原子、シクロアルキル基、
    水酸基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、
    アラルキルオキシカルボニル基(該アラルキルオキシカ
    ルボニル基は、ハロゲン原子、ニトロ基、アルキル基、
    アルコキシ基又はトリフルオロメチル基で置換されてい
    てもよい)、ニトロ基、アミノ基、低級アルキルアミノ
    基、ジ低級アルキルアミノ基、アリール基、ヘテロアリ
    ール基(該アリール基又はヘテロアリール基は、低級ア
    ルキル基、水酸基、低級アルコキシ基、カルボキシ基、
    低級アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボ
    ニル基、ニトロ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミジ
    ノ基又はヒドロキシアミジノ基から選ばれる置換基で1
    乃至3置換されてもよい。)、5乃至7員からなり少な
    くとも窒素原子を一個含んでなる飽和の複素環(該飽和
    の複素環は低級アルキル基、アシル基、ジ低級アルキル
    アミノ低級アルカノイル基又はイミドイル基で置換され
    てもよい。)又は 【化3】 (ここで、Akは低級アルキル基を表し、Halはハロゲン
    原子を表す。)を表し、X2は酸素原子、硫黄原子、−
    SO2− 、 −SO2NH− 又は単結合を表し、X3
    は−(CH2)m− (ここで、mは0又は1乃至3の整数
    を表す。)を表し、X4は−CO− 、 −C(=N
    H)− 、 −SO2− 、−CONH− 、−CSN
    H− 、 −SO2NH− 、 −(CH2)rCONH−
    、−(CH2)rCH(OH)− 、 【化4】 (ここで、rは0又は1乃至3の整数を表す。)又は単
    結合を表し、X5は炭素数1乃至6のアルキレン基、炭
    素数2乃至6のアルケニレン基又は単結合を表し、R7
    は水素原子、低級アルキル基又は 【化5】 {ここで、R9は酸素原子、硫黄原子、NH基、 NR
    11 〔ここで、R11は低級アルキル基、アラルキル基
    (該アラルキル基は、ハロゲン原子、低級アルキル基、
    水酸基、低級アルコキシ基、ハロアルキル基、シアノ
    基、ニトロ基、アミノ基、アシルオキシ基から選ばれる
    置換基で1乃至3置換されてもよい)、又は水酸基を表
    す。〕を表し、R10は低級アルキル基、低級アルコキシ
    基、アミノ基、低級アルキルアミノ基又はジ低級アルキ
    ルアミノ基を表す。)を表す。}を表し、R8は水素原
    子、低級アルキル基、シクロアルキル基(該シクロアル
    キル基は低級アルキル基又はカルボキシ基で置換されて
    もよい)、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル
    基、アリール基、ヘテロアリール基{該アリール基又は
    ヘテロアリール基は、ハロゲン原子、低級アルキル基
    (該低級アルキル基はハロゲン原子で置換されてもよ
    い。)、水酸基、低級アルコキシ基、カルボキシ基又は
    低級アルコキシカルボニル基から選ばれる置換基で一乃
    至三置換されてもよい}、アラルキル基(該アラルキル
    基は、ハロゲン原子、低級アルキル基、水酸基、低級ア
    ルコキシ基、ハロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、ア
    ミノ基、アシルオキシ基から選ばれる置換基で1乃至3
    置換されてもよい)、又は5乃至7員からなり少なくと
    も窒素原子を一個含んでなる飽和の複素環を表し、Y1
    は酸素原子、−NH− 、 −CONH− 、 −NR
    12− 〈ここで、R12は低級アルキル基又は−Y6−R
    13 {ここで、R13は水素原子、低級アルキル基又はア
    リール基(該低級アルキル基又はアリール基は、カルボ
    キシ基、低級アルコキシカルボニル基又はアラルキルオ
    キシカルボニル基で置換されてもよい)を表し、Y6
    −CO− 、 −CO2− 、 −COCO2− 、 −
    SO2− 、−SO2(CH2)r− 又は −(CH2)r
    (ここで、rは0又は1乃至3の整数を表す。)を表
    す。}を表す。〉又は単結合を表し、Y2は酸素原子、
    硫黄原子又は単結合を表し、Y3は 【化6】 (ここで、s、tはそれぞれ同一又は異なって1乃至3
    の整数を表す。)又は単結合を表し、Y4は酸素原子、
    −CO− 、 −CO2− 、 −SO2− 、 −CO
    NH− 、−CH=CH− 又は単結合を表し、Y5
    −(CH2)p− 、 −(CH2)p'−CHAk−(CH2)p"
    、−(CH2)p'−C(Ak・Ak’)−(CH2)p"− 、又は 【化7】 (ここで、Ak、Ak’はそれぞれ同一又は異なって低級ア
    ルキル基を表し、pは0又は1乃至3の整数を表し、
    p’、p”はそれぞれ同一又は異なって0又は1乃至2
    の整数を表す。)を表し、環Aは 【化8】 {ここで、R14はカルボキシ基、低級アルコキシカルボ
    ニル基又はアラルキルオキシカルボニル基(該アラルキ
    ルオキシカルボニル基は、ハロゲン原子、ニトロ基、ア
    ルキル基、アルコキシ基又はトリフルオロメチル基で置
    換されてもよい)を表す。}を表し、jは1又は2を表
    し、kは0又は1を表し、m、nはそれぞれ同一又は異
    なって0又は1乃至3の整数を表す。]を表し、R1
    2、R3は同一又は異なって水素原子、水酸基、低級ア
    ルキル基又はアリール基を表す。〕で示されるアミジン
    化合物又はその塩である請求項1に記載の医薬製剤。
  3. 【請求項3】 水溶性薬物が、4−(2−アミジノ−
    1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−イル
    オキシメチル)−1−(ピリジン−4−イル)ピペリジ
    ン−4−カルボン酸、その塩若しくはその溶媒和物であ
    る請求項2に記載の医薬製剤。
  4. 【請求項4】 水溶性薬物と油剤との分散液であること
    を特徴とする請求項1〜3に記載の医薬製剤。
  5. 【請求項5】 分散液における水溶性薬物の粒子の直径
    が10μm以下であることを特徴とする請求項4に記載
    の医薬製剤。
  6. 【請求項6】 分散液における水溶性薬物の粒子の直径
    が1μm以下であることを特徴とする請求項5に記載の
    医薬製剤。
  7. 【請求項7】 油剤が、トリグリセリドであることを特
    徴とする請求項1〜6に記載の医薬製剤。
  8. 【請求項8】 トリグリセリドの脂肪酸が、炭素数6〜
    24であることを特徴とする請求項7に記載の医薬製
    剤。
  9. 【請求項9】 トリグリセリドが中鎖脂肪酸トリグリセ
    リドであることを特徴とする請求項8に記載の医薬製
    剤。
  10. 【請求項10】 中鎖脂肪酸トリグリセリドの脂肪酸
    が、炭素数8〜12であることを特徴とする請求項9に
    記載の医薬製剤。
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