JP2002173876A - 皮革様シート及びその製造方法 - Google Patents

皮革様シート及びその製造方法

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JP2002173876A
JP2002173876A JP2000375570A JP2000375570A JP2002173876A JP 2002173876 A JP2002173876 A JP 2002173876A JP 2000375570 A JP2000375570 A JP 2000375570A JP 2000375570 A JP2000375570 A JP 2000375570A JP 2002173876 A JP2002173876 A JP 2002173876A
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JP2000375570A
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Taizo Kobayashi
泰三 小林
Masaru Makimura
勝 牧村
Naohiko Uchiumi
直彦 内海
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ソフトな風合い、自然なシュリンク皺のある高
級感ある外観と通気・透湿性を有し、衣料、手袋、靴、
鞄等に好適な皮革様シートを提供する。 【解決手段】0.3デシテックス以下の極細繊維を主体
とする繊維からなる三次元絡合不織布とその内部に含有
された高分子弾性体からなる基体層の表面を起毛した後
に、該起毛面に、該高分子弾性体を溶解するが該極細繊
維を溶解しない溶剤を塗布し、加熱ロールで圧着した後
に、温浴中に浸漬して皮革様シートを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自然な一体感のあるソ
フトな風合い、自然なシュリンク皺のある高級感ある外
観と通気・透湿性を有し、衣料、手袋、靴、鞄等に好適
な皮革様シートおよびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、ソフトかつ通気透湿性を有す
る皮革様シートに関する多くの技術が提案されている。
例えば特開平6−330474号公報には、極細繊維と
高分子弾性体からなる基体層の表面に水溶性樹脂粒子を
含有した高分子弾性体の皮膜を形成し、その後水溶性樹
脂を溶出除去することで多孔表皮層を形成する方法が提
案されている。また特公昭48−536号公報には、極
細繊維束と高分子弾性体よりなる基体の表層部を繊維束
と高分子弾性体の共通溶剤で両方同時に溶解し、一体化
させた表層部を形成すること方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】極細繊維と高分子弾性
体からなる基体層の表面に水溶性微粒子を溶出除去して
多孔質状の高分子弾性体皮膜を形成する方法では、ソフ
ト性と通気透湿性は得られるが、基体層と表皮層が異種
のものであるので、自然な一体感のあるソフトな風合
い、自然なシュリンク皺を有する高級感ある外観は得ら
れない。極細繊維束と高分子弾性体を両方とも溶解して
表層部を形成する方法では、本来柔軟性に劣る繊維成分
が溶解、接着することで硬い樹脂製のフィルムと同様の
ものとなり、高分子弾性体と一体化するとはいえ、ソフ
トな風合い、自然なシュリンク皺を有する高級感ある外
観を発現する表層部は得られない。
【0004】本発明の目的は、ソフトな風合い、自然な
シュリンク皺のある高級感ある外観と通気・透湿性を有
し、衣料、靴、鞄等に好適な皮革様シートおよびその製
造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するた
めに、本発明者らは鋭意研究を行い、ソフトな風合い、
自然なシュリンク皺のある高級感ある外観と通気・透湿
性を有し、衣料、靴、鞄等に好適な皮革様シートおよび
その製造方法を見出した。すなわち本発明は、0.3デ
シテックス以下の極細繊維を主体とする繊維からなる三
次元絡合不織布とその内部に含有された高分子弾性体か
らなる基体層、および該基体層より連なる高分子弾性体
と同じく該基体層より連なる極細繊維とが混在一体化し
た表皮層からなり、該表皮層表面には皺が存在している
ことを特徴とする皮革様シートである。また本発明は、
0.3デシテックス以下の極細繊維を主体とする繊維か
らなる三次元絡合不織布とその内部に含有された高分子
弾性体からなる基体層を起毛した後に、該起毛面に、該
高分子弾性体を溶解するが該極細繊維を溶解しない溶剤
を塗布し、加熱ロールで圧着した後、温浴中に浸漬ある
いは染色することを特徴とする皮革様シートの製造方法
である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明を構成する繊度0.3デシ
テックス以下の極細繊維(A)は、通常は同繊維を発生
させる極細繊維発生型繊維から形成される。極細繊維発
生型繊維は相溶性を有していない2種以上の熱可塑性ポ
リマーを複合紡糸または混合紡糸することにより得られ
る。その代表的な繊維の形態はいわゆる海島型断面繊維
と呼ばれるものである。
【0007】極細繊維発生型繊維を構成する島成分ポリ
マーとしては、溶融紡糸可能で、強度等の繊維物性を十
分に発揮するポリマーであって、紡糸条件下で海成分ポ
リマーより溶融粘度が大きく、かつ表面張力が大きいポ
リマーが好ましく、例えば6−ナイロン、66−ナイロ
ン等のポリアミド系ポリマー、およびこれを主体とする
共重合体、ポリエチレンテレフタート、ポリブチレンテ
レフタレート等のポリエステル系ポリマー、およびこれ
を主体とする共重合体等が好適に用いられる。また海成
分ポリマーとしては、島成分ポリマーよりも溶融粘度が
低く、島成分との溶解性、分解性を異にし、海成分の溶
解除去や分解除去に用いられる溶剤または分解剤等への
溶解性や分解性が大きく、島成分との相溶性の小さいポ
リマーが好ましい。例えばポリエチレン、変性ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリスチレン、変性ポリエステ
ルなどが好適に用いられる。
【0008】本発明における繊度0.3デシテックス以
下の極細繊維を発生させる極細繊維発生型繊維、すなわ
ち海島型断面繊維の好適な海島体積比率は海:島=3
0:70〜70:30の範囲である。海成分が30%未
満では溶剤または分解剤などで溶解または分解除去する
成分が少なすぎて柔軟性が十分発現できず、海成分が7
0%を越える比率では、溶解または分解除去後の島成分
からなる繊維の絶対量が少なく皮革様シートとしての充
分な物性が確保できず、また溶解または分解除去する成
分が多いことは生産性の観点からも不適切である。
【0009】本発明における海成分を溶解除去した後の
好適な島成分の平均繊維太さは0.3デシテックス以
下、好ましくは0.1デシテックス以下、より好ましく
は0.05デシテックス以下である。島の繊維デシテッ
クスが0.3デシテックスを超える場合には、基体の柔
軟性が損なわれゴワゴワとした触感となり、また基体層
の弾性体と一体化した表皮層を形成する際に表面がざら
ざらして風合いの硬いものしか得られない。特に0.0
5デシテックス以下の場合には、ソフトな風合いの基体
層とソフトかつ自然な一体感のある表皮層を有するもの
となる。極細繊維発生型繊維は、以下従来公知の方法に
よって、延伸、捲縮、熱固定、カット等の処理を経て、
ステープルとされる。
【0010】極細繊維発生型繊維のステープルには、例
えばシリコンなどの油剤を付与してもよい。その油剤の
種類としては、繊維間の摩擦を下げる効果のあるポリオ
ルガノシロキサンや各種の変性されたシリコン系の油
剤、および繊維間をまとめ対金属間の摩擦を下げる効果
のある鉱物油系の油剤、その他帯電防止剤等の公知の油
剤を繊維の特質を考慮しながらブレンドして付与する。
付与する工程としては、繊維の捲縮前、捲縮後、繊維の
混綿時いずれでもよい。また極細繊維発生型繊維に種類
の異なる油剤を付与してもよい。極細繊維発生型繊維の
場合には、カード、ニードル工程での巻き付きや繊維割
れなどのトラブルが起きやすく、したがって繊維に摩擦
係数を軽減する油剤を重点的に付与するのが好ましい。
続いて、極細繊維発生型繊維ステープルを公知の方法で
カード、ウェッバーを通してランダムウェッブまたはク
ロスラップウェッブとし、さらに必要によりこれらのウ
ェッブを積層する。
【0011】次いでウェッブをニードルパンチして絡合
不織布とするが、本発明に用いるニードルパンチのフェ
ルト針は公知の物が用いられるが、ウェッブの厚さ方向
への絡合を行うには繊維切れの起きにくい1バーブ針が
好適に用いられる。また不織布の表面の比重を上げるた
めには3バーブ、6バーブ、9バーブ等の多バーブの針
が使用できる。目的によってこれらの針を組み合わせて
も良い。
【0012】ニードルパンチ工程におけるパンチ数は使
用する針の形状や、ウェッブの厚みにより異なるが、2
00〜2500パンチ/cm2の範囲で設定される。一
般的に極細繊維発生型繊維のニードルパンチにおいて
は、ニードルパンチ条件が強すぎる場合には極細繊維発
生型繊維の切断や繊維割れが起り、絡合が向上せず、ま
たニードルパンチ条件が弱すぎる場合には厚み方向に並
ぶ繊維数の不足をまねき絡合が向上しないし、美しい毛
羽密度の高い高級感ある起毛面が得られにくい。
【0013】ニードルパンチされた不織布を、次に表面
を平滑化し、厚みを規制するため、厚さ方向にプレスす
る。プレスの方法としては、複数の加熱ロール間を通す
方法、予熱した不織布を冷却ロール間に通す方法等の公
知の方法が利用でき、その際に、極細繊維発生型繊維中
の海成分、すなわちポリエチレンなどの低溶融粘度成分
を溶融・圧着させることにより、より不織布の平滑化を
達成することが出来る。なおこの工程の際に、テンショ
ンやプレス等による工程の形態変化を抑制する目的でポ
リビニルアルコールやデンプン、樹脂エマルジョン等の
除去可能接着剤を付与することは差し支えない。これら
除去可能接着剤は高分子弾性体を付与した後に除去され
る。
【0014】面を平滑化した不織布に、次に高分子弾性
体の溶液または分散液を含浸し、そして高分子弾性体を
スポンジ状(多孔質状態)に凝固させる。高分子弾性体
としては、従来から皮革様シートの製造に用いられてい
る樹脂が好適に用いられる。すなわち、ポリウレタン系
樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、ポ
リアミノ酸系樹脂、シリコン系樹脂、およびこれらの共
重合、これらの混合物等が好適である。なかでもポリウ
レタン樹脂が天然皮革様の風合い、触感等が得られるこ
とから好ましい。これらの樹脂は、水系エマルジョンま
たは有機溶剤溶液として前記不織布に含浸された後、湿
式凝固等を行うことによりスポンジ状に凝固する。
【0015】高分子弾性体溶液または分散液を含浸凝固
した繊維質基体を、次に、極細繊維および高分子弾性体
の非溶剤であり、極細繊維発生型繊維の海成分の溶剤ま
たは分解剤である液により該海成分を溶解除去または分
解除去することにより、0.3デシテックス以下の極細
繊維を発生させ、極細繊維と高分子弾性体からなる皮革
様シートの基体が得られる。
【0016】皮革様シートの基体の厚みは、用途に応じ
て任意に選択でき、特に限定されるものではないが、好
ましくは0.3mm〜3mmの範囲である。また極細繊
維を主体とする繊維質材料と高分子弾性体との量比とし
ては、重量比で35/65〜65/35が好ましい。こ
の範囲を外れると繊維と弾性重合体とのバランスが悪く
なり、製品としての充実感や柔軟性が得られなくなる。
【0017】基体層の表面に立毛を存在させる方法とし
ては、特に限定されないが、好ましくはサンドペーパー
などの研磨材にて表面を擦り、繊維を掘り起こす方法、
針布で繊維を引き抜きながら起毛する方法などが用いら
れる。
【0018】次に基体層表面に繊維と樹脂が一体化した
表面層を形成する。その具体的方法として、基体層の起
毛面に基体層の樹脂を溶解する溶剤、あるいはその溶剤
に顔料やポリウレタンなどの樹脂を溶解した溶液を塗布
して基体層の弾性体を溶解し、立毛と一体化する。この
溶剤は、起毛繊維を溶解させるものであってはならな
い。起毛繊維を溶解させる場合には、柔軟性に劣る起毛
繊維成分が溶解、接着することで硬い樹脂製のフィルム
と同様のものとなり、高分子弾性体と一体化するとはい
え、ソフトな風合い、自然なシュリンク皺を有する表層
部は得られない。
【0019】ここで用いる溶剤は、基体層の弾性体を溶
解し、繊維を溶解しないものであれば使用でき、例え
ば、基体層の弾性体がポリウレタンで繊維がナイロンで
ある場合には、ジメチルホルムアミド(DMFと略
す)、テトラヒドロフラン(THFと略す)等が好適に
用いられる。またこの溶剤は、上記の弾性体可溶の溶剤
単独である必要はなく、非可溶の溶剤との混合溶剤であ
ってもよく、その場合の方がむしろ好ましい。それは、
基体層の弾性体を多量かつ完全に溶解すると表皮層が厚
く硬いものとなりすぎ、表皮層と基体層とのバランスが
くずれ、ソフトな風合い、自然なシュリンク皺、さらに
透気・透湿性も得られなくなる場合がある。そのため
に、基体に応じて可溶溶剤と非可溶溶剤との混合比率を
調節し、基体層の弾性体を適度に溶解して、ソフト性、
シュリンク皺、透気・透湿性を生み出す表皮層を好適に
得ることが出来る。ここで用いる非可溶溶剤としては、
可溶溶剤がDMFの場合、シクロヘキサノン、トルエ
ン、パークロロエチレン等が好適に用いられる。
【0020】この混合溶剤の場合、混合比は溶剤によ
り、また基体により一概には言えないが、可溶溶剤/非
可溶溶剤比(重量比)で90/10〜20/80が好適
に用いられ、さらに好ましくは70/30〜40/60
が用いられる。可溶溶剤/非可溶溶剤の比が80/20
を越えて可溶溶剤が多いと必要以上に基体層の弾性体を
溶解し、硬い表皮層を形成し、基体層とのバランスを崩
してソフト感、自然なシュリンク皺、さらに十分な透気
・透湿性も得られなくなる場合がある。
【0021】また溶剤の塗布量(可溶溶剤と非可溶溶剤
との混合液の場合には、可溶溶剤のみの量)は、5g/
2〜30g/m2が好適であり、5g/m2未満では弾
性体を必要なだけ溶解することが出来ず、30g/m2
を超すと溶剤の基体層への浸透が多くなり、溶解部分が
厚くなることで、表皮層と基体層とのバランスを崩し、
ソフト感、自然なシュリンク皺、さらに十分な透気・透
湿性も得られなくなる場合がある。また必要により、塗
布する溶剤液中には、顔料や弾性重合体等が、本発明の
効果を大きく損なわない範囲内で添加されていてもよ
い。
【0022】本発明において、基体層より連なる高分子
弾性体と同じく該基体層より連なる極細繊維とが混在一
体化した表皮層の厚さとしては5〜50μmの範囲が好
ましい。表皮層を構成する高分子弾性体は可溶溶剤によ
り溶解された部分であり、基体層の高分子弾性体が多孔
質状態(スポンジ状)となっているのに対して、表皮層
を構成する高分子弾性体は非多孔質状態となっており、
電子顕微鏡により皮革様シートの表面から裏面に至る断
面写真を撮ることにより基体層と表皮層との区別ができ
る。なお本発明で言う基体層より連なる高分子弾性体と
は、基体層とそれに連なる表皮層を構成する高分子弾性
体組成が同一であることを意味する。
【0023】また必要に応じて、酸化防止剤、耐光向上
剤、紫外線吸収剤、あるいはヌメリ感を付与する等の処
理剤を表面に塗布あるいは含浸することも実施可能であ
る。
【0024】次いで、加熱ロールに塗布面を圧着する。
好ましくは塗布した溶剤が表面層に残存している状態で
圧着する。加熱ロールの表面には、天然皮革の銀面に類
似した毛穴形状を有する凹凸を有するものが好ましい。
加熱温度としては、表面層の高分子弾性体または溶剤を
含有する高分子弾性体が軟化する温度以上が好ましい。
そしてその次に、温浴中に皮革様シートを浸漬すること
で、基体層が製造工程中で蓄積した緊張を解き、自然な
シュリンク皺とソフト性を発現させる。この温浴処理
は、染料液中に浸漬して染色する処理を兼ねていてもよ
い。温浴中の液としては、皮革様シートを構成している
極細繊維と高分子弾性体樹脂を溶解・分解することな
く、かつこれらと反応しない液体が用いられ、好ましく
は水である。
【0025】特に効果的なシュリンク皺、ソフト性を得
るために、柔軟化効果の高い染色機、例えば、サーキュ
ラー型、ダッシュライン型、ウィンス型等の染色機が好
適に用いられる。同時に着色する場合、繊維がナイロン
の場合には、ポリアミドの末端アミノ基を染着基とし得
る染料を用いて行うのが好ましい。このような染料とし
ては、酸性染料、金属錯塩染料、反応染料などが挙げら
れる。また繊維がポリエステルの場合には、分散染料が
一般的に用いられる。温浴処理は、温浴中で皮革様シー
トを攪拌するのが好ましい。もちろん皮革様シートを温
浴中で固定しておき、温浴中の温水を流動させる方法を
用いてもよい。
【0026】このように浸漬、好ましくは染色すること
で、ソフト感、自然なシュリンク皺、さらに十分な透気
・透湿性を有する高級感ある外観の製品が得られる。ま
た、もみ、柔軟化処理、ブラッシングなどの仕上げ処理
を追加することで、さらにソフト性、外観の自然さが生
まれ、高級感が増す。温浴の温度としては60〜100
℃が好ましく、浸漬時間としては30〜90分が好まし
い。
【0027】得られた皮革様シートは、表面にシュリン
ク皺を有している。そして、表皮層表面には、極めて短
い立毛繊維が存在することが原因と予想されるが、天然
皮革の銀ズリ調の外観、すなわち天然皮革の銀面層表面
が軽く研磨され、銀面表面がほぼ残った状態でかつ極め
て短い立毛繊維が無数に存在している表面を有してい
る。そして本発明の皮革様シートは、透気度0.3cc
/cm2・sec以上、透湿度1200mg/cm2・2
4hr以上を有する。なお、透気度は、透気度測定法
(JIS L−1096 8.27.2 通気性B法に
準拠)により測定され、また透湿度は、透湿度測定法
(JIS K−6549 革の透湿度試験方法に準拠)
により測定される。
【0028】
【実施例】次に本発明の実施態様を実施例で具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。なお、実施例中の部数及び%は特に断わりのな
い限り重量に基づくものである。また本発明で言う極細
繊維の繊度は、繊維断面を電子顕微鏡で撮り、その写真
から任意に選び出した50本の極細繊維の断面積の平均
値を求め、その平均値から繊度を求めた。
【0029】実施例1 ナイロンとポリエチレンを50/50の量率で混合し
て、押出機にて島成分が6−ナイロンであって、海成分
が高流動性低密度ポリエチレン(海成分/島成分比率=
50/50)からなる600島の海島型断面繊維を紡糸
した。得られた糸を延伸、クリンプ、カットして、3.
5デシテックス、カット長51mmのステープル繊維を
得た。該ステープル繊維をカードに通し、クロスラッパ
ー方式によりウエッブとし、積層した。次に針に1箇所
のバーブのついたフェルト針を用いて980パンチ/c
2の針刺し密度でニードルパンチして目付450g/
2の不織布を得た。この不織布を加熱後、プレスして
該ポリエチレン成分を溶融固着させて不織布表面を平滑
にした後に、13%のポリウレタンのDMF溶液を含浸
し、そしてDMF水溶液中に浸漬してポリウレタンをス
ポンジ状に凝固させ、さらに湯洗してDMFを完全に除
去した後、熱トルエンで繊維中の海成分であるポリエチ
レンを抽出除去し、単繊維0.6デシテックスの太さの
6−ナイロンの極細繊維束とポリウレタンからなる皮革
様シート基体を得た。
【0030】この皮革様シート基体を厚さの中間で2分
割し、分割面をサンドペーパーでバフィングして厚さを
0.5mmとした後、凝固時の表面をエメリーバフ機で
処理して立毛面を形成し、DMFとシクロヘキサノンか
らなる溶剤(DMF/シクロヘキサノン=50/50)
を200メッシュのグラビアロールで塗布し(DMF塗
布量:約5g/m2)、150℃に加熱した毛穴形状の
凹凸模様を有するロールで加圧型押した後、下記の2:
1型金属錯塩染料を用いてウィンスタイプの染色機にて
浸染染色した。 染料:ラニールブルーBW(住友化学)1.2% 均染剤:1% 染料液温度:90℃ 染色時間:60分
【0031】染色後、ソーピング、水洗し、乾燥して厚
さ0.5mm、目付210g/m2のソフトな風合いと
自然なシュリンク皺、さらに高い通気性(0.6cc/
cm 2・sec)と透湿性(1500mg/cm2・24
hr )を有する銀ズリ調の皮革様シートを得た。この
を皮革様シートを電子顕微鏡で観測したところ、基体層
より連なる高分子弾性体と同じく基体層より連なる極細
繊維とが混在一体化した厚さ10μmの表皮層が表面に
存在していた。
【0032】実施例2 カーボンブラック10%を含む6―ナイロンと6−ナイ
ロンとポリエチレンをチップで10/40/50の量率
で混合して、押出機にて島成分が6−ナイロンであっ
て、海成分が高流動性低密度ポリエチレン(海成分/島
成分比率=50/50)からなる600島の海島型繊維
を紡糸した。得られた糸を延伸、クリンプ、カットし
て、3.5デシテックス、カット長51mmのステープ
ル繊維を得た。該ステープル繊維をカードに通し、クロ
スラッパー方式によりウエッブとし、積層した。次に針
に1箇所のバーブのついたフェルト針を用いて980パ
ンチ/cm2の針刺し密度でニードルパンチして目付4
50g/m2の不織布を得た。この不織布を加熱後、プ
レスして表面を平滑にした後にカーボンブラックを0.
5%、ポリウレタンを13%溶解したDMF溶液を含浸
し、そしてDMF水溶液に浸漬して該ポリウレタンをス
ポンジ状に凝固させ、ついて湯洗してDMFを完全に除
去した後、熱トルエンで繊維中の海成分であるポリエチ
レンを抽出除去し、0.045デシテックスの太さの6
−ナイロンの極細繊維とポリウレタンからなる皮革様シ
ート基体を得た。
【0033】この皮革様シート基体を厚さの中間で2分
割し、分割面をサンドペーパーでバフィングして厚さを
0.5mmとした後、凝固時の表面をエメリーバフ機で
処理して立毛面を形成し、カーボンブラックを0.5
%、ポリエーテル系ポリウレタンを10%含むDMF/
シクロヘキサノン溶液(DMF/シクロヘキサノン=6
0/40)を150メッシュのグラビアロールで塗布し
(DMF塗布量:約9g/m2)、150℃に加熱した
毛穴形状の凹凸模様を有するロールで加圧型押した後、
下記の2:1型金属錯塩染料を用いてウィンスタイプの
染色機にて浸染染色した。 染料:イルガラン・ブラック 5% 均染剤:1% 染料液温度:90℃ 染色時間:60分
【0034】染色後、ソーピング、水洗し、乾燥して厚
さ0.5mm、目付210g/m2のソフトな風合いと
自然なシュリンク皺、さらに高い通気性(0.5cc/
cm 2・sec)と透湿性(1300mg/cm2・24
hr )を有する黒色の銀ズリ調皮革様シートを得た。
この皮革様シートを電子顕微鏡で観測したところ、基体
層より連なる高分子弾性体と同じく基体層より連なる極
細繊維とが混在一体化した厚さ20μmの表皮層が表面
に存在していた。
【0035】比較例1 0.6デシテックスのナイロン繊維をカードに通し、ク
ロスラッパー方式によりウエッブとし、積層した。次に
針に1箇所のバーブのついたフェルト針を用いて980
パンチ/cm2の針刺し密度でニードルパンチして目付
300g/m2の不織布を得た。この不織布を加熱後、
プレスして表面を平滑にした後に13%のポリウレタン
のジメチルホルムアミド(DMFと略す)溶液を含浸
し、DMF水溶液で凝固し、湯洗し、0.6デシテック
スの太さの6−ナイロンの繊維とポリウレタンからなる
皮革様シート基体を得た。この皮革様シート基体を厚さ
の中間で2分割し、分割面をサンドペーパーでバフィン
グして厚さを0.6mmとした後、凝固時の表面をエメ
リーバフ機で処理して立毛面を形成し、その立毛面に、
DMFとシクロヘキサノンからなる溶剤(DMF/シク
ロヘキサノン=50/50)を200メッシュのグラビ
アロールで塗布し(DMF塗布量:約5g/m2)、1
50度に加熱した毛穴形状の凹凸模様を有するロールで
加圧型押した後、下記の2:1型金属錯塩染料を用いて
ウィンスタイプの染色機にて浸染染色した。 染料:ラニールブルーBW(住友化学)1.2% 均染剤:1% 染料液温度:90℃ 染色時間:60分 染色後、ソーピング、水洗し、乾燥して厚さ0.6m
m、目付240g/m2の皮革様シートを得たが、ざら
ざらした表面でゴアゴアした風合いとボキボキした荒い
シュリンクを有するものであり、商品価値に劣る物であ
った。
【0036】比較例2 上記実施例1において、得られた皮革様シート基体の表
面を起毛すること無く、表面に0.2mmの厚みの多孔
性ポリウレタンフィルムをポリウレタン接着剤を使用し
て貼り合わせた後、サーキュラータイプの染色機に入
れ、90℃の温水中で30分間処理した後、乾燥して表
面シュリンクを有する人皮革様シートを得た。このもの
は、ソフトで高い透湿性を有するが、基体層と表面層と
のバランスが悪く、自然なシュリンクではなく、通気性
(0.2cc/cm2・sec)と透湿性(800mg
/cm2・24hr )も不十分なものであり、商品価
値に劣るものであった。
【0037】
【発明の効果】本発明により、自然な一体感のあるソフ
トな風合い、自然なシュリンク皺のある高級感ある外観
と通気・透湿性を有する皮革様シートが得られる。本発
明の皮革様シートは、ソフト性と高級な外観が要求され
る衣料、手袋、靴、鞄等の用途に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06M 15/564 D06M 15/564 3/38 Fターム(参考) 3B154 AA06 AA08 AB22 BA25 BA39 BB02 BB12 BB39 BB58 BB59 BC22 BD15 BF07 DA09 DA10 DA13 DA16 DA19 4F055 AA01 AA27 AA30 BA02 DA02 EA05 EA07 EA12 EA34 FA15 GA02 HA04 HA22 4L031 AA14 AA20 AB11 AB34 BA32 CA15 CA16 4L033 AA05 AA08 AB07 AC11 AC15 BA04 CA50

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】0.3デシテックス以下の極細繊維を主体
    とする繊維からなる三次元絡合不織布とその内部に含有
    された高分子弾性体からなる基体層、および該基体層よ
    り連なる高分子弾性体と同じく該基体層より連なる極細
    繊維とが混在一体化した表皮層からなり、該表皮層表面
    には皺が存在していることを特徴とする皮革様シート。
  2. 【請求項2】基体層を構成する高分子弾性体が多孔質状
    態であり、一方表皮層を構成する高分子弾性体が非多孔
    質状態である請求項1記載の皮革様シート。
  3. 【請求項3】0.3デシテックス以下の極細繊維を主体
    とする繊維からなる三次元絡合不織布とその内部に含有
    された高分子弾性体からなる基体層を起毛した後に、該
    起毛面に、該高分子弾性体を溶解するが該極細繊維を溶
    解しない溶剤を塗布し、加熱ロールで圧着した後、温浴
    中に浸漬することを特徴とする皮革様シートの製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102511947A (zh) * 2011-11-24 2012-06-27 常熟市福嘉丽织造有限公司 抗皱保暖面料

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