JP2002151486A - 基体処理方法及び装置並びに基体処理装置の運転方法 - Google Patents

基体処理方法及び装置並びに基体処理装置の運転方法

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JP2002151486A
JP2002151486A JP2000331239A JP2000331239A JP2002151486A JP 2002151486 A JP2002151486 A JP 2002151486A JP 2000331239 A JP2000331239 A JP 2000331239A JP 2000331239 A JP2000331239 A JP 2000331239A JP 2002151486 A JP2002151486 A JP 2002151486A
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discharge
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Seiya Urushizaki
清也 漆崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基体処理時のファースト・ウェハ・エフェク
トを解消できる基体処理方法及び装置を提供する。 【解決手段】 本発明による基体処理方法では、まず、
RPN装置100に備わる活性種供給部30のマイクロ
波発生部36から、出力500Wのマイクロ波を発生さ
せる。これにより、アプリケータ31が言わば予備加熱
され得る。次に、チャンバ2内にSiウェハWaを収容
する。次いで、N2ガスを含む原料ガスGrをアプリケ
ータ31内に供給すると共に、マイクロ波発生部36か
ら出力3kWのマイクロ波を発生させる。このとき、ア
プリケータ31が既に予備加熱されているので、プラズ
マが確実に形成される。その結果、原料ガスGrから生
じる窒素活性種がチャンバ2内のSiウェハWa上に所
定時間供給され、窒化処理が有効に実施される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基体処理方法及び
装置並びに基体処理装置の運転方法に関し、詳しくは、
原料ガスをマイクロ波放電によって励起叉は電離させて
生成せしめた活性種を基体上に供給しその基体をその活
性種により処理する基体処理方法、基体処理装置、及
び、その基体処理装置の運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体ウェハ等の基体を処理する方法と
して、Siウェハ上に形成されたSiO2膜とい酸化膜
をRPN(Remote Plasma Nitrization)法等によって
窒化する方法が挙げられる。このようなRPNプロセス
を実施するための装置としては、例えば、枚葉式チャン
バ、例えば、単一のウェハが収容されるランプ加熱装置
のチャンバに、マイクロ波を用いた遠隔式のプラズマ発
生装置が接続されたシステムが用いられている。
【0003】このようなRPN装置を用いた場合、マイ
クロ波が導入されるプラズマ発生容器に窒素(N2)ガ
ス等の原料ガスが供給され、導波されたマイクロ波がこ
れに照射されて窒素ラジカル(N*)等の活性種が生じ
る。この活性種はランプ加熱装置のチャンバ内に収容さ
れたウェハ上に供給され、ウェハ上のSiO2等と反応
してSiO2膜の窒化処理が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、本発明者
は、上記の従来装置を用いたRPNプロセスについて詳
細に検討を行ったところ、以下のような不都合が生じ得
ることを見出した。すなわち、処理すべきウェハをチャ
ンバ内に設置し、チャンバ及び原料ガスが供給される容
器内を所定の圧力となるように減圧し、原料ガスの供給
を開始し、それと共に容器内にマイクロ波を導入すると
いった、所定のシーケンス(レシピ)で処理を行うと、
次のような現象が起ることがある。つまり;
【0005】(a)マイクロ波放電がなかなか起らず、
これによりプラズマが設定時刻に形成されない(いわゆ
る、原料ガスに“着火”しない)。通常、プラズマが所
定時間形成されないと、レシピ上はインターロックが働
いてプロセスが停止されることがある。こうなると、ウ
ェハの窒化処理を確実且つ円滑に行ない難い傾向にあ
る。
【0006】(b)また、上述のプロセスの停止が判断
される時間内に“着火”はするが、その時刻が設定時刻
よりも遅延する場合も認められた。こうなると、通常、
ウェハの処理時間としては、処理条件に応じた好適な値
(プロセス時間)が予め設定されているため、処理時間
が不都合な程に短縮されてしまい、十分な処理を実施で
きないおそれがある。さらに、これらの結果、最初のウ
ェハが無駄になってしまうことがあり、歩留まりの低
下、及び、コストの増大が懸念される。
【0007】そこで、本発明はかかる事情に鑑みてなさ
れたものであり、基体の処理を円滑且つ確実に実施で
き、歩留まりの低下やコストの増大を十分に回避できる
基体処理方法及び装置並びに基体処理装置の運転方法を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者は鋭意研究を重ねたところ、上述の不都合
な現象が生起される詳細な機構については未だ明らかで
はないものの、それらの現象が、プロセスを開始する際
の最初のウェハ(First Wafer)に対して顕著に発生す
ること、つまり、この現象はいわゆるファースト・ウェ
ハ・エフェクト(First Wafer effect)と呼べる性質の
現象であることを更に見出した。
【0009】そして、本発明者は、この知見に基づいて
更に研究を進め、本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明による基体処理方法は、原料ガスをマイクロ
波放電によって励起叉は電離させて生成せしめた活性種
を基体上に供給しその基体を活性種により処理する活性
種供給工程を備える方法であって、活性種供給工程を実
施する前に、任意の出力から選択される所定の出力値を
有する第1のマイクロ波を発生させ、その第1のマイク
ロ波を原料ガスのマイクロ放電が行われる場所に導入す
る予備マイクロ波導入工程を更に備えることを特徴とす
る。
【0010】このように構成された基体処理方法では、
予備マイクロ波導入工程を実行し、基体の処理に先立っ
て放電が行われる(べき)場所に第1のマイクロ波を導
入する。その後、基体をチャンバ等に収容し、活性種供
給工程において、原料ガスにマイクロ波を照射すると、
所望のタイミングでマイクロ波放電が起き、プラズマが
形成され且つこれが維持されることが確認された。そし
て、プラズマ中で原料ガスが励起叉は電離されて生じた
活性種を基体上に供給することにより、基体の処理を所
望のプロセス時間実施することができる。
【0011】このように、処理プロセスの開始時に確実
に放電を生起でき且つプラズマが形成される機構の詳細
は十分に解明されてはいないが、おそらく、予備マイク
ロ波導入工程の実施により、複数の基体を連続的に処理
する際の二枚目以降の基体に対する処理環境と同等の環
境が実現されるためと推定される。つまり、第1のマイ
クロ波のエネルギーの一部が、放電場所の空間や周囲の
部材等に付与され、これにより、装置の暖気叉は予備加
熱(プレ・ヒーティング)が行われ得る。そして、この
ような言わばマイクロ波放電の“空焚き”により、枚葉
式のような連続処理にしろ、或いはバッチ処理にしろ、
最初の基体処理が二枚目以降の基体処理と同等な条件で
実施され得る。
【0012】また、予備マイクロ波導入工程において
は、マイクロ波放電によってプラズマが生じても生じな
くても同等の効果が奏され得る。よって、第1のマイク
ロ波出力としては、極端に強大叉は弱小であることは必
ずしも必要ない。この場合、第1のマイクロ波出力がよ
り低出力であると、エネルギー消費量(電力消費量)を
抑えることができ、経済性を向上する観点から好まし
い。
【0013】そこで、具体的には、予備マイクロ波導入
工程においては、第1のマイクロ波として、マイクロ波
放電により活性種を生成せしめる際に用いる第2のマイ
クロ波が有する出力値よりも小さい出力値を有するマイ
クロ波を発生させると好適である。
【0014】また、予備マイクロ波発生工程及び活性種
供給工程においては、原料ガスが供給されその原料ガス
のマイクロ波放電が行われる放電部と、マイクロ波を発
生するマイクロ波発生部と、放電部とマイクロ波発生部
との間に設置されマイクロ波を導波する導波部と、導波
部に設けられ放電部から反射されたマイクロ波を受波す
る反射波受部とを有する活性種供給部を備える基体処理
装置を用い、予備マイクロ波発生工程においては、第1
のマイクロ波として、反射波受部の許容最大出力以下の
出力値を有するマイクロ波を発生させると好ましい。
【0015】通常、マイクロ波放電が行われてプラズマ
形成が行われると、マイクロ波はそのエネルギーの全部
が完全に消費されて消滅するわけではなく、不可避的に
その一部が反射されて低出力の反射マイクロ波が発生部
側へ戻入される。この傾向は、特にプラズマ形成の初期
に顕著となる。このような反射マイクロ波がマイクロ波
発生部に入射すると機器に悪影響を与えるおそれがあ
る。これを防止するために、通常のRPN装置等には、
一般にダミーロードと呼ばれる反射マイクロ波の受部
(上述の反射波受部)が設置される。
【0016】このような反射波受部の許容最大出力は、
上述のように、放電に寄与したマイクロ波の反射波出力
が低いことから、また、装置規模を可及的に縮小する観
点から、必要最小限に低く設定されることが多い。一
方、予備マイクロ波導入工程においても、エネルギーの
一部を失った第1のマイクロ波がその放電部からマイク
ロ波発生部側へ反射され得る。ただし、このときのエネ
ルギー損失は僅少であり、反射マイクロ波出力は、実質
的に第1のマイクロ波出力と略同等の出力値を有する。
【0017】よって、通常のダミーロード等の反射波受
部では、そのエネルギーの全部を受けきれず、機器が損
傷するおそれがある。こうなると、反射マイクロ波はマ
イクロ波発生部に入射し、そこの機器が損傷するおそれ
もある。これに対し、本発明によるように、予備マイク
ロ波発生工程において、第1のマイクロ波として、反射
波受部の許容最大出力以下の出力値を有するマイクロ波
を発生させれば、先述のような機器の損傷が十分に防止
される。
【0018】さらに、予備マイクロ波発生工程及び活性
種供給工程においては、基体処理装置として、活性種供
給部に接続され基体が収容されるチャンバを更に有する
ものを用い、且つ、原料ガスとして窒素原子を含有して
成るガス(窒素原子を含有して成る物質、単体、化合物
等、叉は、それらを含むガス)を用い、活性種供給工程
においては、活性種として窒素活性種を基体上に供給し
てその基体上の物質を窒化すると有用である。ここで、
原料ガスの具体例としては、窒素(N2)ガス、或い
は、アンモニア(NH3)ガス等の還元態窒素を含むガ
ス、アミノ化合物等の窒素を含む基を有する有機系窒素
化合物等が挙げられる。
【0019】この場合には、原料ガスとしての窒素原子
を含有して成るガスの励起叉は電離により、窒素ラジカ
ル(N*)、窒素イオン等の窒素活性種が生じる。これ
らの窒素活性種は、窒化因子として基体に作用し、基体
上の表層部等に窒化膜が形成される。先に述べたよう
に、このような窒化処理は、RPN法によって有効に実
施されるので、これに本発明の基体処理方法を適用すれ
ば、RPNプロセスにおけるファースト・ウェハ・エフ
ェクトを十分に抑制できる。
【0020】また、本発明による基体処理装置は、本発
明の処理方法を有効に実施するための装置であり、原料
ガスがマイクロ波放電によって励起叉は電離されて生成
された活性種が基体上に供給され、その基体がその活性
種により処理されるものであって、(1)基体が収容さ
れるチャンバと、(2)原料ガスを有する原料ガス源
と、(3)原料ガスに接続され原料ガスのマイクロ波放
電が行われる放電部、マイクロ波を発生するマイクロ波
発生部、放電部とマイクロ波発生部との間に設置されマ
イクロ波を導波する導波部、及び、導波部に設けられ放
電部から反射されたマイクロ波を受波する反射波受部を
有する活性種供給部と、(4)マイクロ波発生部に接続
されており、チャンバ内に基体が収容される前に、任意
の出力から選択される所定の出力値を有する第1のマイ
クロ波が発生するようにマイクロ波発生部を制御する制
御部とを備える。
【0021】さらに、マイクロ波発生部が、第1のマイ
クロ波として、マイクロ波放電により活性種が生成され
る際に用いられる第2のマイクロ波の出力値よりも小さ
い出力値を有するマイクロ波を発生するものであると好
ましい。またさらに、マイクロ波発生部が、第1のマイ
クロ波として、反射波受部の許容最大出力以下の出力値
を有するマイクロ波を発生するものであるとより好まし
い。さらにまた、原料ガス源が、原料ガスとして窒素原
子を含有して成るガスを有するものであるときに、本発
明は特に好適である。
【0022】また、本発明による基体処理装置の運転方
法は、本発明の基体処理装置を有効に運転する方法であ
って、(1)チャンバ内に基体を収容する前に、マイク
ロ波発生部において第1のマイクロ波を発生させ、
(2)その第1のマイクロ波を放電部に導入し、(3)
第1のマイクロ波の発生を停止した後、(4)チャンバ
内に基体を収容し、(5)チャンバ内に基体を収容した
後に、原料ガスを放電部に供給すると共に、マイクロ波
発生部において第2のマイクロ波を発生させ、その第2
のマイクロ波を放電部に導入し、その原料ガスをマイク
ロ波放電によって励起叉は電離させて活性種を生成せし
め、その活性種を基体上に供給することを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
添付図面を参照して詳細に説明する。なお、同一の要素
には同一の符号を用いることとし、重複する説明は省略
する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限
り、図面に示す位置関係に基づくものとする。また、図
面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
【0024】図1は、本発明による基体処理装置の好適
な一実施形態を示す構成図(一部断面図)である。RP
N装置100は、例えばSiO2膜が形成されたSiウ
ェハWaを温度制御しながら熱処理を行う枚葉式急速加
熱熱処理装置から成る熱処理部1に、マイクロ波放電に
よるRP(Remote Plasma)方式の活性種供給部30を
介して、N2ガス及びHeガスの各ガス源41,42
(原料ガス源)を有する原料ガス供給系40が接続され
たものである。
【0025】熱処理部1は、ベース部2a、側壁部2b
及び蓋部2cで構成されたチャンバ2を備えている。こ
のチャンバ2内には、SiウェハWaを支持するウェハ
支持部材3が設置されている。ウェハ支持部材3は、ベ
ース部2aにベアリング4を介して回転自在に取り付け
られた円筒フレーム5と、この円筒フレーム5の上端に
設けられたリングフレーム6とから成っている。また、
リングフレーム6の内側縁部には、SiウェハWaのエ
ッジ部が支持される支持用段部6aが形成されている。
ここで、図1に示す如くSiウェハWaがウェハ支持部
材3に支持された状態では、SiウェハWaの裏面側
に、ベース部2aとウェハ支持部材3とSiウェハWa
とで囲まれた空間Saが形成される。
【0026】また、ベース部2aの下部には、搬送ロボ
ット(図示せず)によりチャンバ2内に搬送されたSi
ウェハWaをウェハ支持部材3に支持させるためのリフ
ト部材7が設けられている。このリフト部材7は、ベー
ス部2aを貫通してSiウェハWaを持ち上げる複数本
の支持ピン8を有している。
【0027】さらに、チャンバ2の蓋部2cの上方に
は、ウェハ支持部材3に支持されたSiウェハWaを加
熱する複数の加熱ランプ9から成るランプ群9Gが配置
されている。蓋部2cには円形の窓部Lwが設けられて
おり、加熱ランプ9の輻射熱が窓部Lwを介してSiウ
ェハWaに伝えられる。また、ベース部2aには、Si
ウェハWaの温度を光学的に検出する温度センサ10が
設けられている。この温度センサ10は、ベース部2a
におけるウェハ支持部材3に囲まれた円形プレート11
において、その中心と周縁の一部を含み且つ所定の角度
(例えば90度)を有する略扇形のセンサ設置領域内に
複数組み込まれている。上述の空間Saは、光学的に完
全な閉空間となっており、光学式の温度センサ10によ
る空間Saを利用してのSiウェハWaの温度検出が支
障なく行える。
【0028】また、チャンバ2の側壁部2bには、ガス
供給口12とガス排出口13とが対向して設けられてい
る。ガス供給口12には、チャンバ2内におけるSiウ
ェハWa裏面側の空間Saの外部であるSiウェハWa
表面側の空間Sbに、後述する反応ガスXを供給する活
性種供給部30のアプリケータ31(後述)が接続され
ている。一方、ガス排出口13には、空間Sb内のガス
をチャンバ2の外部に排出するためのガス排出系50が
配管を介して接続されている。このガス排出系50は、
減圧ポンプ及びチャンバ2内の圧力を検出する圧力セン
サ(共に図示せず)を有している。
【0029】さらに、ベース部2aの円形プレート11
には、ガス供給口16及びガス排出口17が設けられて
いる。ガス供給口16には、空間Sa内に、所定のガス
Gk、例えば、酸素(O2)ガスとN2ガスとの混合ガ
ス、O2ガスとアルゴン(Ar)ガスとの混合ガス等を
供給するためのガス供給管18が接続され、ガス排出口
17には、空間Sa内のガスGkをチャンバ2の外部に
排出するためのガス排出管19が接続されている。
【0030】またさらに、円形プレート11の周縁部に
おけるセンサ設置領域を含む部位には、断面L字型の突
起片20が設けられ、この突起片20の内側にガス供給
口16が形成されている。また、円形プレート11にお
いてその中心からガス供給口16の反対側に僅かにずれ
た位置にガス排出口17が形成され、ガス供給口16と
ガス排出口17との間にセンサ設置領域が設けられた構
成となっている。これにより、ガス供給口16から導入
されたガスGkは、円形プレート11におけるセンサ設
置領域全範囲の上方を通ってガス排出口17から排出さ
れる。
【0031】また、活性種供給部30は、原料ガスGr
が導入されるガス供給口31aが設けられた空間Scを
有するアプリケータ31(放電部)を備えている。この
アプリケータ31は、ガス供給口31aに対向する位置
に活性種等を含む反応ガスXが流通可能なガス排出口3
1bが設けられており、配管を介して、空間Scとチャ
ンバ2の空間Sbとが連通するようにチャンバ2に結合
されている。さらに、アプリケータ31には、その外胴
を貫通するように、略中空管状のマイクロ波ガイド32
(導波部)が接続されており、その端部が空間Scの隔
壁に当設されている。
【0032】また、マイクロ波ガイド32の他端部に
は、マグネトロンを有するマイクロ波発生部36が設け
られている。このマイクロ波発生部36によって、所定
の周波数、及び、任意の出力から選択される所定の出力
値を有するマイクロ波が発生される。このマイクロ波
は、マイクロ波ガイド32内を導波してアプリケータ3
1の空間Sc内に導入される。これにより、空間Sc内
に導入された原料ガスGrにマイクロ波が照射され、マ
イクロ波放電によるプラズマが形成されて原料ガス由来
の活性種を含む反応ガスXが生成される。さらに、マイ
クロ波ガイド32の一部の周囲には、マイクロ波出力の
マッチングをとるチューナー33、マイクロ波の反射波
(反射マイクロ波)を受けるダミーロード34(反射波
受部)、及び、マイクロ波の出力検出を行う出力検出部
35が設置されている。
【0033】また、原料ガス供給系40は、上述の如
く、N2ガスが貯留されるガス源41と、不活性ガスと
してのHeガスが貯留されるガス源42とを備えてい
る。これらのガス源41,42は、それぞれMFC(マ
スフローコントローラ)43,44が設けられた配管を
介して、アプリケータ31のガス供給口31aに接続さ
れている。こうして、N2ガス及びHeガスを含む原料
ガスGrがアプリケータ31内へ供給されるようになっ
ている。
【0034】さらに、MFC43,44は、制御部38
に電線ケーブルを介して接続されている。制御部38
は、CPU38aとこれに接続され且つ双方向伝送が可
能な入出力インターフェイス38bを有している。これ
により、MFC43,44からの流量信号が入出力イン
ターフェイス38bを介してCPU38aに入力され、
CPU38aからの制御信号が入出力インターフェイス
38bを介してMFC43,44へ出力されるようにな
っている。
【0035】また、制御部38のCPU38aには、入
出力インターフェイス38bを介して、出力検出部35
及びマイクロ波発生部36も接続されている。これによ
り、CPU38aから、マイクロ波の出力設定信号がマ
イクロ波発生部36に伝送され、この出力設定信号(制
御信号)に基づいてマイクロ波の出力が設定されるよう
にされている。また、出力検出部35で検出されたマイ
クロ波の出力実測値が、制御部38に入力され、CPU
38aでは、この出力実測値と出力設定値との比較が行
われ、フィードバック制御によるマイクロ波出力の調整
が行われる。
【0036】このように構成されたRPN装置100を
用いた本発明による基体処理方法、すなわちRPN装置
100の運転方法の一例について、図1及び図2を参照
して説明する。図2は、本発明による基体処理方法叉は
基体処理装置の運転方法によってSiウェハWa上に形
成されたSiO2膜を窒化処理する手順の概略を示すフ
ロー図である。なお、以下に示す処理手順は、例えば、
制御部38を有する工程管理用計算機、シーケンサー等
によって、連続的に自動実施する。また、本実施形態で
は、例えば、25枚のSiウェハWaの処理を単位キャ
ンペーンとする。
【0037】まず、アプリケータ31の内部ガスを不活
性ガス等で置換する。次に、制御部38からマイクロ波
発生部36にマイクロ波発生信号を出力し、所定の出力
値を有するマイクロ波(第1のマイクロ波)を発生させ
る(ステップS1)。この第1のマイクロ波の出力値と
しては、ダミーロード34の耐性許容出力以下の出力値
とし、特に限定されないが、例えば、ダミーロード34
の耐性許容出力が500Wであるときに、500W以下
の値とする。また、第1のマイクロ波の周波数として
は、例えば略2.45GHz程度であると好ましい。
【0038】この第1のマイクロ波は、マイクロ波ガイ
ド32内を導波し、チューナー33によって出力及び周
波数の整合(マッチング)及び調整が施された後、空間
Scを画成する隔壁を介して空間Sc内へ導入される
(ステップS2)。このように、ステップS1,S2に
より予備マイクロ波導入工程が構成される。このとき、
第1のマイクロ波出力は出力検出部35で検出され、こ
の検出信号に基づいてその出力値が適正値(設定値)と
なるようにフィードバック制御される。
【0039】この第1のマイクロ波の発生を所定時間実
行し、空間Scへの導入を所定時間継続する。このと
き、空間Sc内の雰囲気及び圧力によっては、プラズマ
が形成される場合とプラズマが形成されない場合があ
る。いずれにしても、第1のマイクロ波のエネルギーの
一部(僅少量と考えられる)が、空間Scの周囲の部材
に付与され、アプリケータ31内が予備的に加熱される
等の処理が施される(ステップS3)。なお、本発明者
の知見によれば、アプリケータ31内の温度が上昇する
ことが必須な条件であるとは現在のところ必ずしも限定
できない。
【0040】また、空間Sc内に導入された第1のマイ
クロ波は、終端(ターミネーション)されず、初期の出
力と同程度の出力を有したままアプリケータ31で反射
される。この反射マイクロ波は、マイクロ波ガイド32
内を逆方向に導波し、ダミーロード34で受波される。
よって、この反射マイクロ波がマイクロ波発生部36へ
入射するおそれはない。また、反射マイクロ波の出力値
は、第1のマイクロ波の出力値よりも小さいので、ダミ
ーロード34が過負荷となることもない。
【0041】次いで、所定時間、第1のマイクロ波を発
生させた後、制御部38からマイクロ波停止信号をマイ
クロ波発生部36へ送出し、これにより第1のマイクロ
波を停止する(ステップS4)。この場合の所定時間と
しては、装置構造、規模、処理対象のSiウェハWaの
種類、性状等に依存するものの、好ましくは、5秒以
上、より好ましくは10秒以上が望ましい。この時間が
5秒未満であると、予備マイクロ波発生工程を実施する
効果が十分に得られない傾向にある。また、処理時間を
極力短縮する点を考慮すれば、この時間は10秒程度で
あると一層好適である。
【0042】続けて、熱処理部1のチャンバ2の内部を
不活性ガス等で置換し、搬送ロボット(図示せず)を用
いて最初のSiウェハWaをチャンバ2内に搬送し収容
する(ステップS5)。次に、チャンバ2内及びアプリ
ケータ31内を封止した状態でガス排出系50のポンプ
を運転し、チャンバ2内及びアプリケータ31内を減圧
する。なお、以降の処理プロセスにおいては、ガス排出
系50を常時運転して所定の減圧状態を維持する。チャ
ンバ2内が所定の圧力となった時点で、リフト部材7に
より複数の支持ピン8を上昇させてSiウェハWaを持
ち上げ、その後、支持ピン8を下降させてSiウェハW
aをウェハ支持部材3のリングフレーム6上に載置す
る。
【0043】次いで、制御部38からMFC43,44
に所定の流量設定信号を伝送し、ガス源41,42から
のN2ガス及びHeガスの供給を開始する。これによ
り、アプリケータ31内の空間Sc内に、N2ガス及び
Heガスが混合されて成る原料ガスGrを連続的に供給
する(ステップS6)。このとき、アプリケータ31内
の原料ガスGrの全圧としては、好ましくは0.1〜2
0Torr(0.013〜2.7kPa)、より好まし
くは0.1〜2Torr(0.013〜0.27kP
a)とする。
【0044】それと共に、制御部38からマイクロ波発
生部36に別のマイクロ波発生信号を出力し、所定の出
力値を有するマイクロ波(第2のマイクロ波)を発生さ
せる(ステップS7)。この第2のマイクロ波の周波数
としては、好ましくは略2.45GHz、その出力値
は、好ましくは2.5〜3.5kW、より具体的には略
3.0kWであると好適である。
【0045】発生した第2のマイクロ波は、マイクロ波
ガイド32内を導波し、チューナー33によって出力及
び周波数の整合(マッチング)及び調整が施された後、
空間Scを画成する隔壁を介して空間Sc内へ導入され
る(ステップS8)。このとき、第2のマイクロ波の出
力は出力検出部35で検出され、この検出信号に基づい
てその出力が適正値(設定値)となるようにフィードバ
ック制御される。
【0046】なお、アプリケータ31内に導入された第
2のマイクロ波の一部は、特にその導入初期に、アプリ
ケータ31内で反射されてマイクロ波ガイド32内を逆
流することがある。このような反射マイクロ波は、第2
のマイクロ波の初期出力に比して減弱されており、ダミ
ーロード34で十分に受波される。これにより、この反
射マイクロ波がマイクロ波発生部36へ流入することが
防止される。
【0047】こうして、空間Sc内に導入された第2の
マイクロ波は、原料ガスGrに照射され、これにより、
空間Sc内においてマイクロ波放電が生じ、プラズマが
形成される。このとき、プラズマは確実に且つ時間遅延
がなく良好に着火形成される。第2のマイクロ波が照射
されると、原料ガスGr中のN2ガスの少なくとも一部
が励起叉は解離され、N2ガス及び/叉はN2ガス由来の
窒素活性種が生じる(ステップS9)。この窒素活性種
としては、例えば、窒素イオン等のイオン性活性種、及
び、N*、N2 *ラジカル等の励起種叉は中性活性種等が
考えられる。ただし、作用はこれに特定されるものでは
ない。
【0048】そして、この窒素活性種を含む反応ガスX
が生成し、アプリケータ31からチャンバ2内のガス供
給口12を通して空間Sb内へ導入される(ステップS
10)。また、この反応ガスXは、SiウェハWa周辺
を流通し、一部がガス排出口13からガス排出系50へ
排気される。こうして、空間Sb内におけるSiウェハ
Wa上に反応ガスXひいては反応ガスXに含まれる窒素
活性種を供給する。これにより、SiウェハWaは、表
面全体が窒素活性種に曝されることとなる。
【0049】ここで、アプリケータ31の空間Sc内で
生成された反応ガスX中には、イオン性活性種成分や電
子等が含まれているが、それらは、アプリケータ31か
らチャンバ2に至る自由行程において再結合し、叉は、
エネルギーロスによって消費される。よって、空間Sb
に達した反応ガスX中の活性種は、励起種等の中性活性
種の含有割合が高められたものとなり得る。
【0050】一方、チャンバ2内の空間Sa内に、ガス
供給管18を通してガスGkを連続的に供給する。この
際には、制御部38によりガスGkのMFC(図示せ
ず)に流量設定信号を伝送し、所定の流量でガスGkを
供給してもよい。ガスGkは、ガス供給口16から空間
Sa内を流通し、ガス排出口17から排出される。この
とき、空間Sa内は、SiウェハWaの自重により実質
的に閉状態に維持されているため、空間Sa内のガスG
kが空間Sbに漏出するおそれは殆ど無い。
【0051】また、このとき、空間Sa内に供給される
ガスGkの流量が空間Saから排出されるガスGkの流
量よりも少なくなるように、空間SaからのガスGkの
排出流量を調整する。これにより、ウェハ支持部材3と
SiウェハWaとの間に形成された僅かな間隙を通っ
て、空間Sb内の反応ガスXが空間Sa内に流れ込み、
強制的な流体の閉空間が形成される。
【0052】次いで、上述の反応ガスX及びガスGkの
供給と略同時に、駆動手段(図示せず)によりウェハ支
持部材3を回転駆動させてSiウェハWaを回転させる
と共に、複数の加熱ランプ9を点灯させる(ステップS
11)。これにより、SiウェハWaの温度を室温から
徐々に且つ急速に上昇させる。
【0053】SiウェハWaの温度が所定温度に達する
と、SiウェハWa上において窒素活性種との相互作用
が生じる。具体的には、SiO2膜を構成するSi−O
結合が活性種からエネルギーを付与されて励起叉は解離
し、Si−N結合叉はO−N結合が生じる。その結果、
SiO2膜の主として表層部が窒化処理される(ステッ
プS12)。ただし、作用機構はこれに限定されるもの
ではない。なお、この場合の処理時間(成膜時間)とし
ては、処理条件によって所望の処理が行える最適なプロ
セス時間、例えば60〜120秒が予め設定されてい
る。以上のように、ステップS6〜S12から活性種供
給工程が構成されている。
【0054】一方、空間SaにおけるSiウェハWa表
面には、自然酸化膜であるシリコン亜酸化物(SiO)
の昇華を抑え得るSiO2膜が形成される。こうして、
その後の工程におけるSiウェハWaの裏面の保護が可
能となる。次いで、所定時間経過した後、SiウェハW
aの回転を停止し、複数の加熱ランプ9の熱出力を所定
のウェハ搬出温度となるように制御し、制御部38から
マイクロ波発生部36に第2のマイクロ波の停止信号を
伝送すると共に、MFC43,44に流量ゼロ信号を伝
送して原料ガスGrの供給を停止する(諸操作の停止;
ステップS13)。
【0055】さらに、SiウェハWaの温度が搬出可能
な温度まで下降した後、図示しない搬送ロボットにより
SiウェハWaをチャンバ2の外部に搬出し(ステップ
S14)、二枚目以降のSiウェハWaの窒化処理へ移
行する(ステップS15)。このとき、二枚目以降のS
iウェハWaの処理は、上述のステップS5から開始す
る。これは、既に実施した最初の(一枚目の)Siウェ
ハWaの処理自体が、予備マイクロ波発生工程を実施し
たのと同様の作用及び効果を奏するためである。そし
て、全SiウェハWaの処理が終了したら、処理キャン
ペーンを終了する。
【0056】ここで、以上説明したSiウェハWaの窒
化処理において、アプリケータ31内へ供給するN2
スとHeガスとの混合割合は、特に限定されるものでは
ないが、N2ガスが約30vol%以上含まれると窒化
処理速度(窒化膜の成膜速度)が十分に高められるので
好ましい。ただし、極く薄い窒化膜を形成させる場合に
は、成膜速度が大き過ぎて所望の膜厚を得難いおそれが
あるので、あえて成膜速度を抑えるために、N2ガスの
混合割合を好ましくは30vol%未満、より好ましく
は0.1〜20vol%、特に好ましくは0.5〜5v
ol%とすると好適である。こうすれば、膜厚の均一性
に優れた極薄の窒化膜を形成し易い利点がある。
【0057】N2ガス及びHeガスの混合比をこのよう
な好適な範囲内の値とするには、制御部38によりMF
C43,44を制御してガス源41,42からのN2
ス及びHeガスのアプリケータ31への供給流量を適宜
調整することにより達成できる。また、N2ガス及びH
eガスの混合比(割合)を調整することにより、Siウ
ェハWa上に供給される窒素活性種の量を任意に調節で
きる。これにより、窒化膜の膜質を制御することも可能
である。
【0058】また、ステップS12におけるSiウェハ
Waの温度(処理温度、窒化膜の成膜温度)としては、
反応ガスXの濃度等にもよるが、好ましくは、450〜
900℃、より好ましくは550〜750℃であると好
適である。
【0059】さらに、反応ガスXの空間Sb内の全圧
は、好ましくは0.1〜20Torr(0.013〜
2.7kPa)、より好ましくは0.1〜2Torr
(0.013〜0.27kPa)であることが望まし
い。この圧力が上記下限値未満であると、十分な成膜速
度(反応効率)が得られない程に反応ガスX中の活性種
濃度が低下する傾向にある。これに対し、上記圧力が上
記上限値を超えても、成膜速度の低下が顕著となる場合
がある。これは、活性種の相互作用による失活が一因で
あると推定される。
【0060】このように構成されたRPN装置100及
び本発明による基体処理方法(RPN装置100の運転
方法)によれば、複数のSiウェハWaをRPN装置1
00で連続的に枚葉処理するキャンペーンにおいて、最
初の(一枚目の)SiウェハWaの窒化処理に先立っ
て、第1のマイクロ波を用いた予備処理(ステップS
3)を実施するので、その最初のSiウェハWaに対
し、二枚目以降のSiウェハWaに対するのと同様な処
理環境を実現できる。よって、従来問題であったプラズ
マの遅延形成による窒化処理の未完、プラズマの未形成
によるプラズマ停止、といったファースト・ウェハ・エ
フェクトを十分に解消できる。その結果、キャンペーン
全体を通して、SiウェハWaの処理を円滑且つ確実に
実施でき、歩留まりの低下や処理コストの増大を十分に
回避できる。
【0061】また、第1のマイクロ波の出力値をダミー
ロード34の耐性許容出力以下としているので、ステッ
プS1〜S3において発生する反射マイクロ波をダミー
ロード34で受波しても、ダミーロード34が過負荷と
ならず、その損傷を防止できる。これにより、その反射
マイクロ波がマイクロ波発生部36へ入射することを十
分に抑制できるので、マイクロ波発生部36への影響及
び損傷をも防止できる。それらの結果、マイクロ波発生
部36の機器寿命を延長できると共に、機器の不具合に
よるプロセスの停止を十分に抑止できる。
【0062】さらに、第1のマイクロ波出力が、本来の
窒化処理で使用する第2のマイクロ波出力よりも小さい
ので、電力消費量の増大を軽減できる。よって、経済性
の悪化を抑制することが可能である。またさらに、アプ
リケータ31内において、マイクロ波放電によるプラズ
マ形成で窒素活性種を生成させるので、低圧でのプラズ
マ形成によって窒素活性種濃度を十分に高めることがで
きる。また、このように生じた窒素活性種をチャンバ2
内に導入するので、窒素活性種を高濃度でSiウェハW
a上に供給でき、成膜速度を向上することが可能とな
る。しかも、チャンバ2の空間Sb内では、中性活性種
の比率が高められるので、SiウェハWaやチャンバ2
の内壁等に与えるダメージを十分に軽減できる。
【0063】さらにまた、本発明による基体処理装置及
び方法は、RP機能を有する種々の装置に適用すること
が可能であり、或いは、そのような装置をベースに構成
することも簡易である。ここで、本発明者は、本発明の
優位性を確認すべく、Applied Materials社製の成膜装
置(RTP XE CENTURA(登録商標))を用いて、従来方法
と、図2に示す手順を用いた本発明の基体処理方法とに
よる処理キャンペーンを実施した。
【0064】まず、予備マイクロ波発生工程を実施しな
い従来の方法を用いた場合、最初のSiウェハの処理を
開始し、マイクロ波を約3kWの出力で発生させると、
以下のような現象が確認された。 (1)マイクロ波の発生から数秒〜10秒程度遅延して
プラズマが発生することがあった。なお、プラズマの有
無は、アプリケータ31内に設けた光学式センサにより
測定した。この場合、プロセス時間は予め設定されてい
るので、成膜時間が設定値よりも実質的に短くなり、所
望の窒化膜が得られなかった。 (2)インターロックによるプロセス停止を判断する時
間(例えば15秒)内にプラズマが形成されないことが
あった。この場合、最初のSiウェハWaに対する窒化
処理を実施できず、また、再立ち上げのための時間を要
した。 (3)上記(1)叉は(2)の場合に、活性種供給部3
0付近で、衝撃音のような異音が発生した。これは、高
出力の反射マイクロ波によるものと推定される。
【0065】次に、本発明の方法(出力値が500Wの
第1のマイクロ波、及び、出力値が3kWの第2のマイ
クロ波)により複数の処理キャンペーンを実施した。そ
の結果、最初のSiウェハWaに対して上記の従来方法
で認められた(1)〜(3)に示す現象は起らず、キャ
ンペーン中の全ウェハに対して略同等の処理を実施でる
ことが確認された。また、それらの膜特性にも有意なば
らつきは生じないことが判明した。
【0066】なお、上述した実施形態においては、制御
部38に、例えば、図示しないウェハ搬送用の搬送ロボ
ットの制御信号といったチャンバ2のロードロックに関
する信号等が入力されるようになっていてもよい。これ
により、CPU38aにおいて、チャンバ2内に最初の
SiウェハWaが収容されたか否かを判定し、その結果
に基づいて、第1のマイクロ波を出力させてもよい。ま
た、ダミーロード34の許容耐性出力によっては、第1
のマイクロ波の出力値を第2のマイクロ波の出力値より
も大きくしても構わない。また、出力検出部35からの
出力実測値に基づいたフィードバック制御、及び/叉
は、処理全体の自動制御は、必ずしも必要ない。
【0067】さらに、N2ガスとHeガスとをガス供給
口31aの直前で混合せずに、両ガスをガス供給口31
aから独立にアプリケータ31へ導入して空間Sc内で
混合するようにしてもよい。またさらに、チャンバ2内
に空間Saを形成すること、及び/又は、ガスGkを空
間Saに供給して流通させることは実施しなくてもよ
い。この場合、ウェハ支持部材3の代りに通常のサセプ
タを用いてSiウェハWaを支持してもよく、加熱ラン
プ9の代りにこのサセプタにヒーター等の加熱源を設け
ても構わない。さらにまた、空間SaにガスGkを供給
しない場合には、SiウェハWaをウェハ支持部材3に
載置してから、チャンバ2内を減圧してもよい。
【0068】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の成膜方法及
び装置によれば、基体の処理を円滑且つ確実に実施で
き、特に、複数の基体を同一装置で連続的に処理する際
に従来より問題であったファースト・ウェハ・エフェク
トを解消できる。また、これにより、基体の処理におけ
る歩留まりの低下やコストの増大を十分に回避すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による基体処理装置の好適な一実施形態
を示す構成図(一部断面図)である。
【図2】本発明による基体処理方法叉は基体処理装置の
運転方法によってSiウェハ上に形成されたSiO2
を窒化処理する手順の概略を示すフロー図である。
【符号の説明】
1…熱処理部、2…チャンバ、9…加熱ランプ、30…
活性種供給部、31…アプリケータ(放電部)、32…
マイクロ波ガイド(導波部)、34…ダミーロード(反
射波受部)、36…マイクロ波発生部、38…制御部、
40…原料ガス供給系、41,42…ガス源(原料ガス
供給源)、100…RPN装置(基体処理装置)、Gr
…原料ガス、Wa…Siウェハ(基体)、X…反応ガ
ス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 漆崎 清也 千葉県成田市新泉14−3野毛平工業団地内 アプライド マテリアルズ ジャパン 株式会社内 Fターム(参考) 4K030 AA13 AA14 AA18 BA44 CA04 CA12 FA01 KA30 5F045 AA20 AB33 AB34 AC11 AC15 AC16 AF08 BB08 DP04 EH18 EK12 EM10 GB05 5F058 BD01 BD04 BD15 BF74

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料ガスをマイクロ波放電によって励起
    叉は電離させて生成せしめた活性種を基体上に供給し該
    基体を該活性種により処理する活性種供給工程、を備え
    る基体処理方法であって、 前記活性種供給工程を実施する前に、任意の出力から選
    択される所定の出力値を有する第1のマイクロ波を発生
    させ、該第1のマイクロ波を前記原料ガスのマイクロ放
    電が行われる場所に導入する予備マイクロ波導入工程
    を、更に備えることを特徴とする基体処理方法。
  2. 【請求項2】 前記予備マイクロ波導入工程において
    は、前記第1のマイクロ波として、前記マイクロ波放電
    により前記活性種を生成せしめる際に用いる第2のマイ
    クロ波の出力値よりも小さい出力値を有するマイクロ波
    を発生させる、ことを特徴とする請求項1記載の基体処
    理方法。
  3. 【請求項3】 前記予備マイクロ波発生工程及び前記活
    性種供給工程においては、前記原料ガスが供給され該原
    料ガスのマイクロ波放電が行われる放電部と、マイクロ
    波を発生するマイクロ波発生部と、該放電部と該マイク
    ロ波発生部との間に設置され前記マイクロ波を導波する
    導波部と、該導波部に設けられ前記放電部から反射され
    たマイクロ波を受波する反射波受部とを有する活性種供
    給部を備える基体処理装置を用い、 前記予備マイクロ波発生工程においては、前記第1のマ
    イクロ波として、前記反射波受部の許容最大出力以下の
    出力値を有するマイクロ波を発生させる、ことを特徴と
    する請求項1叉は2に記載の基体処理方法。
  4. 【請求項4】 前記予備マイクロ波発生工程及び前記活
    性種供給工程においては、前記基体処理装置として、前
    記活性種供給部に接続され前記基体が収容されるチャン
    バを更に有するものを用い、且つ、前記原料ガスとして
    窒素原子を含有して成るガスを用い、 前記活性種供給工程においては、前記活性種として窒素
    活性種を前記基体上に供給して該基体上の物質を窒化す
    る、ことを特徴とする請求項3記載の基体処理方法。
  5. 【請求項5】 原料ガスがマイクロ波放電によって励起
    叉は電離されて生成された活性種が基体上に供給され、
    該基体が該活性種により処理される基体処理装置であっ
    て、 前記基体が収容されるチャンバと、 前記原料ガスを有する原料ガス源と、 前記原料ガス源に接続され前記原料ガスのマイクロ波放
    電が行われる放電部、マイクロ波を発生するマイクロ波
    発生部、該放電部と該マイクロ波発生部との間に設置さ
    れ前記マイクロ波を導波する導波部、及び、該導波部に
    設けられ前記放電部から反射されたマイクロ波を受波す
    る反射波受部、を有する活性種供給部と、 前記マイクロ波発生部に接続されており、前記チャンバ
    内に前記基体が収容される前に、任意の出力から選択さ
    れる所定の出力値を有する第1のマイクロ波が発生する
    ように前記マイクロ波発生部を制御する制御部と、を備
    えることを特徴とする基体処理装置。
  6. 【請求項6】 前記マイクロ波発生部は、前記第1のマ
    イクロ波として、前記マイクロ波放電により前記活性種
    が生成される際に用いられる第2のマイクロ波の出力値
    よりも小さい出力値を有するマイクロ波を発生するもの
    である、ことを特徴とする請求項5記載の基体処理装
    置。
  7. 【請求項7】 前記マイクロ波発生部は、前記第1のマ
    イクロ波として、前記反射波受部の許容最大出力以下の
    出力値を有するマイクロ波を発生するものである、こと
    を特徴とする請求項5叉は6に記載の基体処理装置。
  8. 【請求項8】 前記原料ガス源は、前記原料ガスとして
    窒素原子を含有して成るガスを有するものである、こと
    を特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載の基体
    処理方法。
  9. 【請求項9】 請求項5〜8のいずれか一項に記載の基
    体処理装置を運転する方法であって、 前記チャンバ内に前記基体を収容する前に、前記マイク
    ロ波発生部において前記第1のマイクロ波を発生させ、
    該第1のマイクロ波を前記放電部に導入し、 前記第1のマイクロ波の発生を停止した後、前記チャン
    バ内に前記基体を収容し、 前記チャンバ内に前記基体を収容した後に、前記原料ガ
    スを前記放電部に供給すると共に、前記マイクロ波発生
    部において前記第2のマイクロ波を発生させ、該第2の
    マイクロ波を前記放電部に導入し、該原料ガスをマイク
    ロ波放電によって励起叉は電離させて前記活性種を生成
    せしめ、該活性種を該基体上に供給する、ことを特徴と
    する基体処理装置の運転方法。
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