JP2002147271A - エンジンストール防止制御装置 - Google Patents

エンジンストール防止制御装置

Info

Publication number
JP2002147271A
JP2002147271A JP2000340170A JP2000340170A JP2002147271A JP 2002147271 A JP2002147271 A JP 2002147271A JP 2000340170 A JP2000340170 A JP 2000340170A JP 2000340170 A JP2000340170 A JP 2000340170A JP 2002147271 A JP2002147271 A JP 2002147271A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
engine
stall
control device
engine stall
predetermined
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000340170A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4947832B2 (ja
Inventor
Toshibumi Takaoka
俊文 高岡
Koichi Osawa
幸一 大澤
Toshio Inoue
敏夫 井上
Masakiyo Kojima
正清 小島
Takashi Kaji
恭士 梶
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Denso Corp
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp, Toyota Motor Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2000340170A priority Critical patent/JP4947832B2/ja
Publication of JP2002147271A publication Critical patent/JP2002147271A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4947832B2 publication Critical patent/JP4947832B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/62Hybrid vehicles

Landscapes

  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン回転速度を必要以上に高くすること
なくエンジンストールを防止する。 【解決手段】 予め定められたストール予想判断基準に
従ってエンジンストールを予想し(R1−3)、その予
想回数(カウンタsnestp)が判定値CNESTP
1に達した場合には、以後のエンジン作動時にエンジン
ストールが発生し難くなるように目標エンジン回転速度
netagを補正量neupだけ上昇させる(R1−
7)一方、所定の回復条件を満足する場合(R1−8の
判断がYES)には、上記補正された目標エンジン回転
速度netagを補正量neupずつ元に戻す(R1−
9)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のエンジンス
トールを防止する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】燃料の燃焼によって動力を発生するエン
ジンと回転機とを走行用駆動源として備えており、それ
等のエンジンおよび回転機のトルクを合成して駆動輪側
へ出力するとともに回転機のトルクの反力がエンジンの
回転速度を低下させる方向に作用するトルク合成モード
を有する車両が知られている。特開平10−23604
号公報に記載されている装置はその一例で、トルク合成
モードを機械的に達成するものであり、(a) エンジンに
連結された第1回転要素と、回転機に連結された第2回
転要素と、駆動輪側へ出力する第3回転要素と、を有す
る歯車式の合成分配装置を備えており、(b) 前記第1回
転要素、第2回転要素、および第3回転要素が相対回転
可能な状態で前記エンジンおよび前記回転機を共に作動
させ、第1回転要素および第2回転要素にトルクを加え
て第3回転要素を回転させることにより、前記トルク合
成モードが成立させられるようになっている。具体的に
は、第1クラッチCE1 を係合させるとともに第2クラ
ッチCE2 を解放し、エンジン12を作動させるととも
にモータジェネレータ14を回生制御するエンジン発進
モードが、トルク合成モードに相当する。
【0003】また、図1は未だ公知ではないが、合成分
配装置としてダブルピニオン型の遊星歯車装置18が用
いられている場合で、第1回転要素としてのサンギヤ1
8sにエンジン14が連結され、第2回転要素としての
キャリア18cにモータジェネレータ16が連結され、
第3回転要素としてのリングギヤ18rが第2クラッチ
C2を介して変速機12に連結されて駆動輪に出力する
ようになっている。そして、第1クラッチC1および第
1ブレーキB1が解放されるとともに第2クラッチC2
が係合させられたETCモード(トルク合成モードに相
当)では、例えば図5の(a) に示すようにエンジン14
を作動させてサンギヤ18s「S」に正方向のトルクを
加えるとともに、モータジェネレータ16が逆回転する
状態で回生制御してキャリア18c「C」に回生制動ト
ルクを加えることにより、リングギヤ18r「R」を正
方向へ回転させて走行することができる。
【0004】ところで、このような車両用駆動制御装置
においては、例えば上記図5(a) のETCモードで走行
中に障害物を乗り越えたり急ブレーキなどで大きな負荷
が作用し、車速更にはリングギヤ18r「R」の回転速
度が急激に低下すると、図17に破線で示すようにエン
ジン回転速度(サンギヤ18s「S」の回転速度)が低
下し、エンジンストール、すなわちエンジンが失速して
失火し、爆発による自力回転が不能になってトルクを発
生できなくなる、可能性がある。特に、モータジェネレ
ータ16を逆回転させて回生制御するために、モータ回
転速度が所定値(例えば−1000rpm)になるよう
に回転速度制御している場合には、車速の低下がエンジ
ン回転速度の低下で吸収される可能性が高く、エンジン
ストールの可能性が高くなる。また、前記図1のハイブ
リッド駆動制御装置のように、例えば第1クラッチC1
を係合させてモータジェネレータ16により走行するな
ど、エンジン14の作動が適宜停止させられる場合に
は、運転者がエンジンストールを判断し難いため、エン
ジンストールの発生を防止することが強く望まれる。
【0005】なお、エンジンストールの原因としては、
例えば図17において、リングギヤ18r「R」の回転
速度が低下する代わりに、モータジェネレータ16の回
生制動トルクが急激に増加してキャリア18c「C」の
回転速度が変化(0に近くなる)した場合も、サンギヤ
18s「S」の回転速度が低下してストールする可能性
があるなど、エンジンやモータジェネレータの連結状態
に応じて種々の形態が考えられる。
【0006】これに対し、前記特開平10−23604
号公報に記載の装置では、エンジンストールの可能性を
判断して、エンジンストールの可能性がある場合には、
電動モータによってエンジンの負荷を軽減することによ
り、エンジンストールを防止することが提案されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のエンジンストール防止方法は、エンジンスト
ールを一時的に回避するだけであるため、以後の走行で
もエンジンストールが発生する可能性があり、電動モー
タによるエンジンストールの防止制御を頻繁に行わなけ
ればならない場合も考えられる。このような制御時に
は、一時的に駆動力変動などを生じることが避けられな
いため、運転者に違和感を生じさせることがあり、好ま
しくない。
【0008】一方、エンジン回転速度を予め高く設定し
ておけば、エンジンストールの可能性が低くなるが、燃
費や排ガスが悪化する。また、各種部品のばらつきなど
の個体差によりエンジンストールの可能性は車両毎に異
なるため、エンジン回転速度を予め最適値に設定するこ
とは困難であるとともに、各部の経時変化などでエンジ
ンストールのし易さも経時的に変化する可能性がある。
【0009】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、エンジン回転速度を
必要以上に高くすることなく、エンジンストールが発生
する可能性を低下させることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1発明は、燃料の燃焼
によって動力を発生するエンジンを備えている車両にお
いて、前記エンジンがストールすることを防止するエン
ジンストール防止制御装置であって、予め定められたス
トール予想判断基準に従ってエンジンストールを予想
し、その予想回数が所定値に達した場合には、以後のエ
ンジン作動時にエンジンストールが発生し難くなるよう
に所定の制御要素を補正するストール防止手段を有する
ことを特徴とする。
【0011】第2発明は、(a) 燃料の燃焼によって動力
を発生するエンジンと回転機とを走行用駆動源として備
えており、(b) それ等のエンジンおよび回転機のトルク
を合成して駆動輪側へ出力するとともにその回転機のト
ルクの反力がそのエンジンの回転速度を低下させる方向
に作用するトルク合成モードを有する車両において、
(c) 前記エンジンがストールすることを防止するエンジ
ンストール防止制御装置であって、(d) 予め定められた
ストール予想判断基準に従ってエンジンストールを予想
し、その予想回数が所定値に達した場合には、以後のエ
ンジン作動時にエンジンストールが発生し難くなるよう
に所定の制御要素を補正するストール防止手段を有する
ことを特徴とする。この第2発明は、実質的に第1発明
の一実施態様に相当する。また、上記回転機は、電気エ
ネルギーで回転駆動される電動モータ、または回転駆動
されることによって発電するとともに制動トルクを発生
する発電機、或いはその両方として機能するモータジェ
ネレータである。
【0012】第3発明は、第2発明のエンジンストール
防止制御装置において、(a) 前記車両は、前記エンジン
に連結された第1回転要素と、前記回転機に連結された
第2回転要素と、駆動輪側へ出力する第3回転要素と、
を有する歯車式の合成分配装置を備えており、(b) 前記
第1回転要素、第2回転要素、および第3回転要素が相
対回転可能な状態で前記エンジンおよび前記回転機を共
に作動させ、その第1回転要素および第2回転要素にト
ルクを加えて第3回転要素を回転させることにより、前
記トルク合成モードが成立させられることを特徴とす
る。
【0013】第4発明は、第1発明〜第3発明の何れか
のエンジンストール防止制御装置において、(a) 前記エ
ンジンの回転速度が所定の目標エンジン回転速度と一致
するようにそのエンジンの出力を制御するエンジン回転
速度制御手段を有し、(b) 前記ストール防止手段は、前
記目標エンジン回転速度を所定量だけ上昇させるもので
あることを特徴とする。上記目標エンジン回転速度は、
第1発明、第2発明の所定の制御要素に相当する。
【0014】第5発明は、第1発明〜第3発明の何れか
のエンジンストール防止制御装置において、前記ストー
ル防止手段は、車両走行用の駆動トルクとは別に前記エ
ンジンに作用する負荷を所定量だけ低減するものである
ことを特徴とする。上記負荷は、第1発明、第2発明の
所定の制御要素に相当する。
【0015】第6発明は、第2発明または第3発明のエ
ンジンストール防止制御装置において、前記ストール防
止手段は、前記回転機のトルク変化速度を所定量だけ低
下させるものであることを特徴とする。上記トルク変化
速度は、第2発明の所定の制御要素に相当する。
【0016】第7発明は、第6発明のエンジンストール
防止制御装置において、(a) 前記車両は、前記エンジン
および前記回転機とは別に駆動輪を回転駆動する第3の
駆動源を備えており、(b) 前記ストール防止手段による
前記回転機のトルク変化速度の低下に伴う駆動力不足を
補うように前記第3の駆動源による駆動力を増加させる
補助駆動手段を有することを特徴とする。
【0017】第8発明は、第7発明のエンジンストール
防止制御装置において、前記エンジンおよび前記回転機
は、車両の前輪および後輪の何れか一方を回転駆動する
もので、前記第3の駆動源は、それ等の前輪および後輪
の他方を回転駆動するものであることを特徴とする。
【0018】第9発明は、第1発明〜第8発明の何れか
のエンジンストール防止制御装置において、前記ストー
ル防止手段は、(a) 前記エンジンの回転速度に関する所
定の物理量が予め定められたストール予想判定値を越え
たか否かによって前記エンジンストールを予想するスト
ール予想手段と、(b) 前記ストール予想判定値を越えた
回数が所定値に達した場合に前記所定の制御要素を補正
する補正手段と、を有するものであることを特徴とす
る。上記エンジンの回転速度に関する所定の物理量が予
め定められたストール予想判定値を越えることが、第1
発明、第2発明のストール予想判断基準に相当する。
【0019】第10発明は、第9発明のエンジンストー
ル防止制御装置において、前記ストール予想手段は、前
記エンジンの回転速度が予め定められた一定の下限値以
下になったか否かによって前記エンジンストールを予想
するものであることを特徴とする。上記エンジンの回転
速度は第9発明の所定の物理量に相当し、一定の下限値
は第9発明のストール予想判定値に相当する。
【0020】第11発明は、第9発明のエンジンストー
ル防止制御装置において、(a) 前記エンジンの回転速度
が所定の目標エンジン回転速度と一致するようにそのエ
ンジンの出力を制御しながら走行するエンジン回転速度
制御手段を有し、(b) 前記ストール予想手段は、前記目
標エンジン回転速度と実際のエンジン回転速度との偏差
が予め定められた所定値以上になったか否かによって前
記エンジンストールを予想するものであることを特徴と
する。上記目標エンジン回転速度と実際のエンジン回転
速度との偏差は第9発明の所定の物理量に相当し、予め
定められた所定値は第9発明のストール予想判定値に相
当する。
【0021】第12発明は、第9発明のエンジンストー
ル防止制御装置において、前記ストール予想手段は、前
記エンジンの回転速度の低下速度が予め定められた所定
値以上であるか否かによって前記エンジンストールを予
想するものであることを特徴とする。上記エンジンの回
転速度の低下速度は第9発明の所定の物理量に相当し、
予め定められた所定値は第9発明のストール予想判定値
に相当する。
【0022】第13発明は、第1発明〜第12発明の何
れかのエンジンストール防止制御装置において、予め定
められた所定の回復条件を満足する場合には、前記スト
ール防止手段による前記所定の制御要素の補正を戻す回
復手段を有することを特徴とする。
【0023】第14発明は、第1発明〜第12発明の何
れかのエンジンストール防止制御装置において、予め定
められた所定の回復条件を満足する場合には、前記スト
ール防止手段によって積算されたエンジンストールの予
想回数を減らす回数低減手段を有することを特徴とす
る。
【0024】
【発明の効果】このようなエンジンストール防止制御装
置においては、予め定められたストール予想判断基準に
従ってエンジンストールを予想し、その予想回数が所定
値に達した場合には、以後のエンジン作動時にエンジン
ストールが発生し難くなるように所定の制御要素を補正
するため、エンジン回転速度を必要以上に高くすること
なく、エンジンストールが発生する可能性を低くするこ
とができる。また、実際の運転状態の中でエンジンスト
ールを予想し、必要に応じてエンジン回転速度などの所
定の制御要素を補正するため、運転環境や運転者の運転
嗜好の相違、各種部品のばらつきなどによる車両毎の個
体差、などに拘らず、エンジン回転速度を必要以上に高
くすることなくエンジンストールの可能性を低減できる
とともに、経時変化によってエンジンストールし易くな
った場合にも対応できる。
【0025】第4発明では、目標エンジン回転速度を所
定量だけ上昇させるため、エンジンに作用する負荷が急
に増大してエンジン回転速度が多少低下しても、エンジ
ンストールを生じる回転速度まで低下することが抑制さ
れ、簡単な構成でエンジンストールを防止できる。
【0026】第5発明についても、走行用の駆動トルク
とは別にエンジンに作用する負荷、例えばエンジンによ
って駆動されるエアコンなどの補機類や発電機の発電な
どによる負荷を低減するだけで良いため、簡単な構成で
エンジンストールを防止できる。
【0027】第6発明では、回転機のトルク変化速度が
低下させられるため、そのトルク変化に起因してエンジ
ンに作用する負荷の変動が緩和され、エンジンストール
の可能性が低減される。
【0028】第7発明では、ストール防止手段による回
転機のトルク変化速度の低下に伴う駆動力不足を補うよ
うに、補助駆動手段によって第3の駆動源による駆動力
が増加させられるため、エンジンストールを防止しつつ
運転者の出力要求に対応する十分なレスポンスを確保で
きる。
【0029】第8発明では、エンジンおよび回転機によ
って回転駆動される駆動輪と、第3の駆動源によって回
転駆動される駆動輪とが異なるため、車両全体の駆動系
統の構築が容易である。
【0030】第9発明〜第12発明では、エンジン回転
速度に関する所定の物理量に基づいてエンジンストール
が予想されるため、エンジンストールの可能性を高い精
度で予想できる。
【0031】エンジン回転速度が予め定められた一定の
下限値以下になったか否かによってエンジンストールを
予想する第10発明では、エンジンストールに密接に関
係するため、エンジンストールの可能性をより高い精度
で予想でき、ストール防止手段によって必要以上に制御
要素が補正されることが回避される。
【0032】目標エンジン回転速度と実際のエンジン回
転速度との偏差が所定値以上になったか否かによってエ
ンジンストールを予想する第11発明や、エンジンの回
転速度の低下速度が所定値以上であるか否かによってエ
ンジンストールを予想する第12発明では、エンジンス
トールに至る前のエンジン回転速度が比較的高い段階で
エンジンストールを予想できるため、第10発明に比較
して、実際にエンジンストールが発生する可能性が低い
段階で、ストール防止手段によって制御要素を補正する
ことができる。
【0033】第13発明では、予め定められた所定の回
復条件を満足する場合に、ストール防止手段による所定
の制御要素の補正を戻す回復手段を備えているため、特
殊な運転状態などで過度に補正された場合や構成部品の
経時変化などでエンジンストールの可能性が低下した場
合などには、目標エンジン回転速度やエンジン負荷、回
転機のトルク変化速度などの制御要素の補正が戻され、
補正に起因する燃費や走行性能の低下などが防止されて
常に適切な状態に保持される。
【0034】第14発明では、予め定められた所定の回
復条件を満足する場合に、ストール防止手段によって積
算されたエンジンストールの予想回数を減らす回数低減
手段を備えているため、特殊な運転状態などで過度に予
想回数が積算された場合や構成部品の経時変化などでエ
ンジンストールの可能性が低下した場合などには、予想
回数が減らされ、目標エンジン回転速度やエンジン負
荷、回転機のトルク変化速度などの制御要素の補正が必
要以上に行われて燃費や走行性能などが低下することが
防止される。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明のストール防止手段は、エ
ンジンストールの予想回数が所定値に達した場合に、以
後のエンジン作動時にエンジンストールを発生し難くす
るもので、エンジンストールの可能性がある時に瞬時に
そのエンジンストールを防止するものではないが、前記
特開平10−23604号公報や本願出願人が先に出願
した特願2000−302419に記載のように、エン
ジンストールそのものの発生を防止する手段を併せて設
けることもできる。
【0036】第1発明は、必ずしも電動モータ等の回転
機を必要としないし、車両走行中のエンジンストールに
制限されるものでもない。第2発明のトルク合成モード
は、第3発明のように歯車式の合成分配装置によって成
立するものでも、複数の回転機を用いるなどして電気的
に成立するものでも良い。
【0037】歯車式の合成分配装置としては、ダブルピ
ニオン型或いはシングルピニオン型の遊星歯車装置が好
適に用いられるが、傘歯車式の差動歯車装置を用いるこ
とも可能である。その合成分配装置に対するエンジンお
よび回転機の接続形態は種々の態様が可能である。
【0038】上記合成分配装置は、例えば第2回転要素
の回転速度が略一定の状態で第3回転要素の回転速度が
低下すると第1回転要素の回転速度も低下するように構
成され、その場合は、障害物やブレーキ操作などで車速
が急激に低下した時にエンジンストールを生じる可能性
がある。また、第3回転要素の回転速度が略一定の状態
で回転機のトルク増加に伴う第2回転要素の回転速度変
化に起因して第1回転要素の回転速度が低下するように
構成され、その場合は、回転機トルクが急激に増加した
時にエンジンストールを生じる可能性がある。
【0039】具体的には、合成分配装置がダブルピニオ
ン型の遊星歯車装置の場合、例えば(a) サンギヤにエン
ジンが連結されるとともにキャリアに回転機が連結され
る一方、(b) その遊星歯車装置のリングギヤをケースに
連結する第1ブレーキと、(c) 前記キャリアを変速機に
連結する第1クラッチと、(d) 前記リングギヤを前記変
速機に連結する第2クラッチと、を有して構成され、第
1クラッチおよび第1ブレーキが解放されるとともに第
2クラッチが係合される走行モードでの走行時に本発明
は適用される。この場合は、障害物やブレーキ操作など
で車速が急激に低下した時にエンジンストールを生じる
可能性があるし、回転機トルク(逆回転の場合は回生制
動トルク、正回転の場合は力行トルク)が急激に増加し
た時にもエンジンストールを生じる可能性がある。
【0040】ストール予想判断基準は、実際にエンジン
ストールが発生する前に制御要素の補正が行われるよう
に設定することが望ましい。なお、このようなエンジン
ストールの予想とは別に、実際にエンジンストールが発
生したか否かを判断して、直ちに上記制御要素の補正な
どを行う手段を設けることも可能である。
【0041】また、エンジンストールが発生し難くなる
ように制御要素が補正された場合には、エンジンストー
ルの予想回数が少なくなるようにして、制御要素が過度
に補正されることを防止する必要があり、制御要素の補
正の内容を考慮してストール予想判断基準を設定するこ
とが望ましい。例えば、第11発明のように目標エンジ
ン回転速度と実際のエンジン回転速度との偏差に基づい
てエンジンストールを予想する場合に、制御要素の補正
として第4発明のように目標エンジン回転速度を上昇さ
せた場合、目標エンジン回転速度を上昇させても偏差は
必ずしも小さくならないため、エンジンストールの予想
回転は少なくならず、目標エンジン回転速度が過度に上
昇する可能性がある。すなわち、ストール予想判断基準
および所定の制御要素の補正は、その所定の制御要素の
補正により、ストール予想判断基準に従って予想される
エンジンストールの予想回数が少なくなるように設定す
る必要がある。
【0042】ストール防止手段が制御要素を補正する予
想回数の所定値は、ストール予想判断基準の内容などに
応じて適宜設定され、例えばエンジンストールが発生す
る可能性が比較的高い場合には、1回の予想で直ちに制
御要素を補正するようにしても良い。また、所定値は1
個の値であっても良いが、2n(nは自然数)回、3n
回など複数の値を設定し、予想回数が増えなくなるまで
制御要素が繰り返し補正されるようにしても良い。制御
要素を補正する毎に予想回数をクリアして、改めて予想
回数が所定値に達する毎に繰り返し制御要素を補正する
など、種々の態様が可能である。
【0043】エンジンストールを発生し難くする所定の
制御要素の補正は、エンジン回転速度がストールを生じ
る回転速度まで低下し難くなるようにするものであれば
良く、第4発明〜第6発明による補正の他、例えばエン
ジン回転速度の低下に伴う走行モードの切換え遅れでエ
ンジンストールが生じる場合には、その切換え条件をエ
ンジン高回転側へ補正するなど、エンジンストールの発
生原因などを考慮して種々の態様を採用できる。エンジ
ンストールの発生原因毎に、ストール予想判断基準およ
び制御要素の補正を複数種類設定することも可能であ
る。
【0044】本発明はエンジンストールの発生を未然に
防止することを目的としているが、万が一エンジンスト
ールした場合、自動で始動できる時には直ちにエンジン
を再始動するように構成することが望ましい。また、自
動で始動することができない場合は、直ちに運転者に再
始動の必要性やその方法を知らせるように構成すること
が望ましい。
【0045】第2発明、第3発明では、特にトルク合成
モードでの走行中にエンジンストールが発生する可能性
が高いため、少なくともそのトルク合成モードでの走行
中に本発明を適用することが望ましいが、車両停止中や
走行モードの切換過渡時、或いはその他の走行モードに
おいてもエンジンストールの可能性はあるため、エンジ
ン作動中の総ての状態で本発明を適用することが適当で
ある。
【0046】第4発明のエンジン回転速度制御手段によ
る目標エンジン回転速度は、例えばアイドル回転速度な
ど予め定められた一定の回転速度であっても良いし、ア
クセル操作量等の運転者の出力要求量に応じて、回転機
の目標モータ回転速度や車速、変速機の変速比などから
求められる回転速度など、運転状態に従って逐次変化す
るものでも良い。
【0047】第5発明でストール防止手段により低減す
るエンジン負荷は、例えばエンジンによって駆動される
エアコンなどの補機類や発電機の発電などによる負荷で
ある。第6発明のストール防止手段は、例えば回転機の
目標トルクをなまし処理するなまし定数を所定量だけ大
きくするように構成される。
【0048】第7発明で補助駆動手段により第3の駆動
源による駆動力を増加させる増加量は、ストール防止手
段による回転機のトルク変化速度の低下に伴う駆動力の
低下量と略一致させることが望ましいが、予め定められ
た一定量だけ増加させるなど、種々の態様が可能であ
る。第3の駆動源は、制御が容易で応答性に優れた電動
モータが適当で、発電機としても使用できるモータジェ
ネレータを採用することもできる。
【0049】第11発明、第12発明の予め定められた
所定値は、一定値であっても良いが、車速やエンジン回
転速度などをパラメータとして設定することもできる。
【0050】第13発明、第14発明の所定の回復条件
は、例えばストール予想判断基準に従って行われるエン
ジンストールの予想が途絶えた状態が、車両の始動スイ
ッチ(イグニッションスイッチなど)のON操作回数が
所定回数(例えば100〜200回程度)に達するまで
継続した場合、エンジンの始動回数が所定回数に達する
まで継続した場合、或いは車両の走行距離が所定距離に
達するまで継続した場合など、適宜定められる。
【0051】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ
詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例であるエン
ジンストール防止制御装置を備えている車両用駆動制御
装置としてのハイブリッド駆動制御装置10を説明する
概略構成図で、図2は変速機12を含む骨子図であり、
このハイブリッド駆動制御装置10は、燃料の燃焼で動
力を発生する内燃機関等のエンジン14、電動モータお
よび発電機として用いられるモータジェネレータ16、
およびダブルピニオン型の遊星歯車装置18を備えて構
成されており、FF(フロントエンジン・フロントドラ
イブ)車両などに横置きに搭載されて使用される。遊星
歯車装置18のサンギヤ18sにはエンジン14が連結
され、キャリア18cにはモータジェネレータ16が連
結され、リングギヤ18rは第1ブレーキB1を介して
ケース20に連結されるようになっている。また、キャ
リア18cは第1クラッチC1を介して変速機12の入
力軸22に連結され、リングギヤ18rは第2クラッチ
C2を介して入力軸22に連結されるようになってい
る。上記モータジェネレータ16は回転機に相当し、遊
星歯車装置18は歯車式の合成分配装置に相当し、サン
ギヤ18sは第1回転要素、キャリア18cは第2回転
要素、リングギヤ18rは第3回転要素に相当する。ま
た、エンジン14およびモータジェネレータ16は走行
用駆動源である。
【0052】上記クラッチC1、C2および第1ブレー
キB1は、何れも油圧アクチュエータによって摩擦係合
させられる湿式多板式の油圧式摩擦係合装置で、油圧制
御回路24から供給される作動油によって摩擦係合させ
られるようになっている。図3は、油圧制御回路24の
要部を示す図で、電動ポンプを含む電動式油圧発生装置
26で発生させられた元圧PCが、マニュアルバルブ2
8を介してシフトレバー30(図1参照)のシフトポジ
ションに応じて各クラッチC1、C2、ブレーキB1へ
供給されるようになっている。シフトレバー30は、運
転者によって操作されるシフト操作部材で、本実施例で
は「B」、「D」、「N」、「R」、「P」の5つのシ
フトポジションに選択操作されるようになっており、マ
ニュアルバルブ28はケーブルやリンク等を介してシフ
トレバー30に連結され、そのシフトレバー30の操作
に従って機械的に切り換えられるようになっている。
【0053】「B」ポジションは、前進走行時に変速機
12のダウンシフトなどにより比較的大きな動力源ブレ
ーキが発生させられるシフトポジションで、「D」ポジ
ションは前進走行するシフトポジションであり、これ等
のシフトポジションでは出力ポート28aからクラッチ
C1およびC2へ元圧PCが供給される。第1クラッチ
C1へは、シャトル弁31を介して元圧PCが供給され
るようになっている。「N」ポジションは動力源からの
動力伝達を遮断するシフトポジションで、「R」ポジシ
ョンは後進走行するシフトポジションで、「P」ポジシ
ョンは動力源からの動力伝達を遮断するとともに図示し
ないパーキングロック装置により機械的に駆動輪の回転
を阻止するシフトポジションであり、これ等のシフトポ
ジションでは出力ポート28bから第1ブレーキB1へ
元圧PCが供給される。出力ポート28bから出力され
た元圧PCは戻しポート28cへも入力され、上記
「R」ポジションでは、その戻しポート28cから出力
ポート28dを経てシャトル弁31から第1クラッチC
1へ元圧PCが供給されるようになっている。
【0054】クラッチC1、C2、およびブレーキB1
には、それぞれコントロール弁32、34、36が設け
られ、それ等の油圧PC1、PC2、PB1が制御されるよう
になっている。クラッチC1の油圧PC1についてはON
−OFF弁38によって調圧され、クラッチC2および
ブレーキB1についてはリニアソレノイド弁40によっ
て調圧されるようになっている。
【0055】そして、上記クラッチC1、C2、および
ブレーキB1の作動状態に応じて、図4に示す各走行モ
ードが成立させられる。すなわち、「B」ポジションま
たは「D」ポジションでは、「ETCモード」、「直結
モード」、「モータ走行モード(前進)」の何れかが成
立させられ、「ETCモード」では、第2クラッチC2
を係合するとともに第1クラッチC1および第1ブレー
キB1を開放した状態、言い換えればサンギヤ18s、
キャリア18c、およびリングギヤ18rが相対回転可
能な状態で、エンジン14およびモータジェネレータ1
6を共に作動させてサンギヤ18sおよびキャリア18
cにトルクを加え、リングギヤ18rを回転させて車両
を前進走行させる。「直結モード」では、クラッチC
1、C2を係合するとともに第1ブレーキB1を開放し
た状態で、エンジン14を作動させて車両を前進走行さ
せる。また、「モータ走行モード(前進)」では、第1
クラッチC1を係合するとともに第2クラッチC2およ
び第1ブレーキB1を開放した状態で、モータジェネレ
ータ16を作動させて車両を前進走行させる。「モータ
走行モード(前進)」ではまた、アクセルOFF時など
にモータジェネレータ16を回生制御することにより、
車両の運動エネルギーで発電してバッテリ42(図1参
照)を充電するとともに車両に制動力を発生させること
ができる。
【0056】図5は、上記前進モードにおける遊星歯車
装置18の作動状態を示す共線図で、「S」はサンギヤ
18s、「R」はリングギヤ18r、「C」はキャリア
18cを表しているとともに、それ等の間隔はギヤ比ρ
(=サンギヤ18sの歯数/リングギヤ18rの歯数)
によって定まる。具体的には、「S」と「C」の間隔を
1とすると、「R」と「C」の間隔がρになり、本実施
例ではρが0.6程度である。また、(a) のETCモー
ドにおけるトルク比は、エンジントルクTe:CVT入
力軸トルクTin:モータトルクTm=ρ:1:1−ρで
あり、モータトルクTmはエンジントルクTeより小さ
くて済むとともに、定常状態ではそれ等のモータトルク
TmおよびエンジントルクTeを加算したトルクがCV
T入力軸トルクTinになる。この「ETCモード」は、
エンジン14およびモータジェネレータ16のトルクを
合成して駆動輪52側へ出力するとともに、走行抵抗に
よるモータジェネレータ16のトルクの反力がエンジン
14の回転速度を低下させる方向に作用するトルク合成
モードに相当する。上記CVTは無段変速機の意味であ
り、本実施例では変速機12としてベルト式無段変速機
が設けられている。
【0057】図4に戻って、「N」ポジションまたは
「P」ポジションでは、「ニュートラル」または「充電
・Eng始動モード」の何れかが成立させられ、「ニュ
ートラル」ではクラッチC1、C2および第1ブレーキ
B1の何れも開放する。「充電・Eng始動モード」で
は、クラッチC1、C2を開放するとともに第1ブレー
キB1を係合し、モータジェネレータ16を逆回転させ
てエンジン14を始動したり、エンジン14により遊星
歯車装置18を介してモータジェネレータ16を回転駆
動するとともにモータジェネレータ16を回生制御して
発電し、バッテリ42(図1参照)を充電したりする。
【0058】「R」ポジションでは、「モータ走行モー
ド(後進)」または「フリクション走行モード」が成立
させられ、「モータ走行モード(後進)」では、第1ク
ラッチC1を係合するとともに第2クラッチC2および
第1ブレーキB1を開放した状態で、モータジェネレー
タ16を逆方向へ回転駆動してキャリア18c更には入
力軸22を逆回転させることにより車両を後進走行させ
る。「フリクション走行モード」は、上記「モータ走行
モード(後進)」での後進走行時にアシスト要求が出た
場合に実行されるもので、エンジン14を始動してサン
ギヤ18sを正方向へ回転させるとともに、そのサンギ
ヤ18sの回転に伴ってリングギヤ18rが正方向へ回
転させられている状態で、第1ブレーキB1をスリップ
係合させてそのリングギヤ18rの回転を制限すること
により、キャリア18cに逆方向の回転力を作用させて
後進走行をアシストするものである。
【0059】前記変速機12はベルト式無段変速機で、
その出力軸44からカウンタ歯車46を経て差動装置4
8のリングギヤ50に動力が伝達され、その差動装置4
8により左右の駆動輪(本実施例では前輪)52に動力
が分配される。
【0060】本実施例のハイブリッド駆動制御装置10
は、図1に示すHVECU60によって走行モードが切
り換えられるようになっている。HVECU60は、C
PU、RAM、ROM等を備えていて、RAMの一時記
憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラム
に従って信号処理を実行することにより、電子スロット
ルECU62、エンジンECU64、M/GECU6
6、T/MECU68、前記油圧制御回路24のON−
OFF弁38、リニアソレノイド弁40、エンジン14
のスタータ70などを制御する。電子スロットルECU
62はエンジン14の電子スロットル弁72を開閉制御
するもので、エンジンECU64はエンジン14の燃料
噴射量や可変バルブタイミング機構、点火時期などによ
りエンジン出力を制御するもので、M/GECU66は
インバータ74を介してモータジェネレータ16の力行
トルクや回生制動トルク等を制御するもので、T/ME
CU68は変速機12の変速比γ(=入力軸回転速度N
in/出力軸回転速度Nout )やベルト張力などを制御す
るものである。前記油圧制御回路24は、変速機12の
変速比γやベルト張力を制御するための回路を備えてい
る。スタータ70はモータジェネレータで、エンジン1
4の始動時にクランキングするだけでなく、エンジン1
4によって回転駆動される際に回生制御(発電制御)さ
れることにより電気エネルギーを発生し、エアコン等の
補機類の電力源やバッテリ42の充電などに用いられ
る。
【0061】上記HVECU60には、アクセル操作量
センサ76からアクセル操作部材としてのアクセルペダ
ル78の操作量θacを表す信号が供給されるとともに、
シフトポジションセンサ80からシフトレバー30の操
作ポジション(シフトポジション)を表す信号が供給さ
れる。また、エンジン回転速度センサ82、モータ回転
速度センサ84、入力軸回転速度センサ86、出力軸回
転速度センサ88から、それぞれエンジン回転速度(回
転数)Ne、モータ回転速度(回転数)Nm、入力軸回
転速度(入力軸22の回転速度)Nin、出力軸回転速度
(出力軸44の回転速度)Nout を表す信号がそれぞれ
供給される。出力軸回転速度Nout は車速Vに対応す
る。この他、バッテリ42の蓄電量SOCなど、運転状
態を表す種々の信号が供給されるようになっている。蓄
電量SOCは単にバッテリ電圧であっても良いが、充放
電量を逐次積算して求めるようにしても良い。上記アク
セル操作量θacは運転者の出力要求量を表している。
【0062】図6は、シフトレバー30が「D」ポジシ
ョンまたは「B」ポジションへ操作されている前進走行
時に、運転状態に応じて前記「ETCモード」、「直結
モード」、「モータ走行モード(前進)」を適宜切り換
える際の作動を説明するフローチャートで、HVECU
60の信号処理によって実行される。
【0063】図6のステップS1では、シフトレバー3
0のシフトポジションが「D」または「B」か否かを判
断し、「D」または「B」の場合はステップS2で車速
Vが判定車速V1以下か否かを判断する。判定車速V1
は、モータジェネレータ16およびエンジン14の出力
特性やエネルギー消費量等に基づいて例えば15km/
h程度等の一定値が定められており、V>V1であれば
ステップS7で「直結モード」を選択し、V≦V1の場
合は、ステップS3で運転者の出力要求量SPが判定値
SP1以下か否かを判断する。出力要求量SPは、アク
セル操作量θacや車速Vなどに基づいて予め定められた
演算式やマップなどから求められ、判定値SP1は、例
えばモータジェネレータ16だけでは必要な駆動力が得
られないような出力値で、変速比γなどをパラメータと
して設定される。そして、SP>SP1であれば、ステ
ップS6で「ETCモード」を選択し、SP≦SP1の
場合は、ステップS4で蓄電量SOCが判定値SOC1
以上が否かを判断する。判定値SOC1は、充放電効率
などに基づいて予め定められた下限値で、SOC≧SO
C1であればステップS5で「モータ走行モード(前
進)」を選択するが、SOC<SOC1の場合は前記ス
テップS6で「ETCモード」を選択する。
【0064】図7は、「ETCモード」による走行時に
おけるエンジン制御およびモータ制御の一例を説明する
フローチャートで、エンジンECU64、M/GECU
66などの信号処理によって実行される。
【0065】図7のステップSS1では、アクセルON
か否か、すなわちアクセルペダル78が踏込み操作され
ているか否かを、アクセル操作量θacに基づいて判断
し、アクセルONの場合は、ステップSS2でモータジ
ェネレータ16の回転速度Nmが目標モータ回転速度N
* になるように、モータジェネレータ16を回転速度
制御する。目標モータ回転速度Nm* は、基本的にはモ
ータジェネレータ16を回生制御して発電することによ
りバッテリ42を充電するために、逆回転方向の所定の
回転速度、例えば−1000rpm程度等の一定値、或
いは車速Vなどをパメラータとして設定される。また、
回転速度制御は、モータ回転速度Nmが目標モータ回転
速度Nm* と略一致するように、モータジェネレータ1
6の回生制動トルクをフィードバック制御するもので、
この時発生した電気エネルギーでバッテリ42を充電す
る。
【0066】次のステップSS3では、アクセル操作量
θacに応じてエンジン14の出力制御を行う。具体的に
は、本実施例ではモータジェネレータ16の目標モータ
回転速度Nm* から車速Vおよび変速機12の変速比γ
に応じて求められる目標エンジン回転速度Ne* になる
ように、アクセル操作量θacに応じて電子スロットル弁
72のスロットル弁開度等を制御する。
【0067】一方、ステップSS1の判断がNOの場
合、すなわちアクセルOFFのコースト走行時の場合
は、ステップSS4でエンジン回転速度Neが予め定め
られたアイドル回転速度Neidl になるようにエンジン
14の出力制御を行うとともに、ステップSS5では、
モータジェネレータ16の回転速度制御を中止して、モ
ータジェネレータ16の定トルク制御に移行する。アイ
ドル回転速度Neidl は、例えば1000〜1500r
pm程度の回転速度である。
【0068】ここで、このようなハイブリッド駆動制御
装置10においては、種々の条件下でエンジンストール
を生じる可能性がある。例えば、前記ステップSS2で
はモータジェネレータ16が回転速度制御されることか
ら、障害物の乗り越えや急ブレーキなどで車両に過大な
走行負荷が作用した場合に、図17に破線で示すように
遊星歯車装置18のリングギヤ18r「R」の回転速度
が低下するとともに、サンギヤ18s「S」の回転速度
すなわちエンジン回転速度Neが低下して、エンジンス
トールを生じる可能性がある。「ETCモード」でのコ
ースト走行時(アクセルOFF)においても、急ブレー
キなどで車速Vが急に低下すると、エンジン回転速度N
eが低下してエンジンストールを生じる可能性がある。
「ETCモード」での走行中にアクセルOFFからON
へ変化し、モータジェネレータ16を定トルク制御から
回転速度制御へ移行する場合など、モータジェネレータ
16の回生制動トルクが急に大きくなり、キャリア18
c「C」の回転速度が急に変化する(0に近くなる)
と、その反力でサンギヤ18s「S」の回転速度すなわ
ちがエンジン回転速度Neが低下してエンジンストール
する可能性がある。「ETCモード」から「直結モー
ド」への移行時には、モータ回転速度Nmが上昇させら
れるが、この時のモータジェネレータ16のトルク変化
速度が大き過ぎると、同じくその反力でエンジン回転速
度Neが低下してエンジンストールを生じる可能性があ
る。「直結モード」での走行中においても、障害物の乗
り越えや急ブレーキなどで車速Vが急に低下した時に、
モード切換えが遅れるなどしてエンジン回転速度Neが
低下し、エンジンストールを生じる可能性がある。Rポ
ジションでの「フリクション走行モード」での走行中に
おいても、障害物の乗り越えや急ブレーキなどで車速V
が急に低下した時に、モード切換えが遅れるなどしてエ
ンジン回転速度Neが低下し、エンジンストールを生じ
る可能性がある。
【0069】一方、本実施例のハイブリッド駆動制御装
置10は、上記エンジンストールを防止するためのエン
ジンストール防止制御を、図8のフローチャートに従っ
て実行するようになっている。この図8のフローチャー
トはHVECU60およびエンジンECU64の信号処
理により、所定のサイクルタイムで繰り返し実行される
もので、第1発明〜第4発明、第9発明、第10発明、
第13発明の一実施例に相当するものであり、ステップ
R1−3〜R1−7を実行する部分はストール防止手段
として機能しており、その内のステップR1−3はスト
ール予想手段に相当し、ステップR1−4〜R1−7は
補正手段に相当する。また、ステップR1−8およびR
1−9を実行する部分は、第13発明の回復手段として
機能している。
【0070】図8のステップR1−1では、予め定めら
れた所定の実行条件を満足するか否かを判断し、満足す
る場合はステップR1−2以下を実行するが、満足しな
い場合は直ちにステップR1−8以下を実行する。実行
条件は、エンジンストールを生じる可能性がある運転状
態であることで、例えば前記「ETCモード」または
「フリクション走行モード」か否か、エンジン14を動
力源とする走行モードか否か、或いは単純にエンジン1
4が作動状態か否か、などで判断すれば良い。ステップ
R1−2では、実際にエンジンストールが発生したか否
かをエンジン回転速度Neなどで判断し、エンジンスト
ールした場合は直ちにステップR1−6以下を実行する
が、エンジンストールでなければステップR1−3を実
行する。
【0071】ステップR1−3では、エンジン回転速度
Neが予め定められた下限値NESTP以下になったか
否かを判断する。下限値NESTPは、回転速度Neの
低下でエンジンストールが発生する可能性があることを
予想するためのもので、過大な走行負荷などによりエン
ジン回転速度Neが低下した場合に生じる値であり、エ
ンジン14のアイドル回転速度Neidl より低いととも
に、エンジン14が失火する回転速度よりも高い一定
値、例えば800rpm程度の値である。Ne>NES
TPであればステップR1−8以下を実行するが、Ne
≦NESTPになった場合にはステップR1−4を実行
し、カウンタcnestpに1を加算するとともに、ス
テップR1−5で、そのカウンタcnestpの値が予
め定められた判定値CNESTP1以上か否かを判断す
る。判定値CNESTP1は、実際にエンジンストール
が発生する可能性が高いか否かを判断するためのもの
で、上記下限値NESTPの値によっても異なるが、例
えば「3」程度の値が設定され、cnestp≧CNE
STP1になるとステップR1−6、R1−7を実行す
る。ステップR1−3の判断、すなわちNe≦NEST
Pであることが、ストール予想判断基準で、下限値NE
STPはストール予想判定値で、カウンタcnestp
の値はエンジンストールの予想回数である。
【0072】ステップR1−6では、カウンタcnes
tpをリセットして0にし、ステップR1−7では、目
標エンジン回転速度netagに予め定められた補正量
neupを加算してエンジン出力制御、すなわちスロッ
トル制御などを行うように学習補正する。すなわち、前
記ステップR1−3の判断がYESになるエンジンスト
ールの予想回数(カウンタcnestp)が、判定値C
NESTP1に達する毎に、目標エンジン回転速度ne
tagを補正量neupずつ上昇させるのである。目標
エンジン回転速度netagは、具体的には前記図7の
ステップSS3における目標エンジン回転速度Ne*
ステップSS4におけるアイドル回転速度Neidl など
で、補正量neupは、エンジンストールが少しずつ発
生し難くなるように例えば50rpm程度の値が設定さ
れる。エンジンECU64による一連の信号処理のう
ち、目標エンジン回転速度Ne* 、アイドル回転速度N
id l になるようにエンジン14を出力制御するステッ
プSS3、SS4を実行する部分は、エンジン回転速度
制御手段として機能している。また、目標エンジン回転
速度netag(Ne* 、Neidl )は、エンジンスト
ールが発生し難くなるように補正される所定の制御要素
に相当し、補正量neupは第4発明の所定量である。
【0073】なお、実際にエンジンストールが発生し、
ステップR1−2に続いてステップR1−6、R1−7
が実行される場合は、それ等のステップの前または後
で、自動で始動できる時には直ちにエンジン14を再始
動する一方、自動で始動することができない場合は、運
転席の表示パネルや音声などで運転者に再始動の必要性
やその方法を知らせるようになっている。
【0074】ステップR1−8では、予め定められた所
定の回復条件を満足するか否かを判断し、満足する場合
は、次のステップR1−9で目標エンジン回転速度ne
tagの補正を前記補正量neupずつ元へ戻す。所定
の回復条件は、例えばストール予想判断基準に従って行
われるエンジンストールの予想が途絶えた状態、具体的
にはステップR1−3の判断がNO(否定)の状態が、
車両の始動スイッチ(イグニッションスイッチなど)の
ON操作回数が所定回数(例えば100〜200回程
度)に達するまで継続した場合、エンジン14の始動回
数が所定回数に達するまで継続した場合、或いは車両の
走行距離が所定距離に達するまで継続した場合などで、
この回復についても、1回の回復毎に積算回数や距離な
どをリセットして繰り返し回復処理が行われるようにな
っている。
【0075】このような本実施例のハイブリッド駆動制
御装置10においては、ステップR1−3で予め定めら
れたストール予想判断基準に従ってエンジンストールを
予想し、その予想回数(カウンタsnestp)が判定
値CNESTP1に達した場合には、以後のエンジン作
動時にエンジンストールが発生し難くなるように目標エ
ンジン回転速度netagを補正量neupだけ上昇さ
せるため、エンジン回転速度Neを必要以上に高くする
ことなく、エンジンストールが発生する可能性を低くす
ることができる。
【0076】また、実際の運転状態の中でエンジンスト
ールを予想し、必要に応じて目標エンジン回転速度ne
tagを補正するため、運転環境や運転者の運転嗜好の
相違、各種部品のばらつきなどによる車両毎の個体差、
などに拘らず、エンジン回転速度Neを必要以上に高く
することなくエンジンストールの可能性を低減できると
ともに、経時変化によってエンジンストールし易くなっ
た場合にも対応できる。
【0077】また、本実施例では目標エンジン回転速度
netagを一定の補正量neupだけ上昇させるた
め、エンジン14に作用する負荷が急に増大してエンジ
ン回転速度Neが多少低下しても、エンジンストールを
生じる回転速度まで低下することが抑制され、簡単な構
成でエンジンストールを防止できる。
【0078】また、本実施例では、エンジン回転速度N
eが予め定められた一定の下限値NESTP以下になっ
たか否かによってエンジンストールを予想するようにな
っているが、エンジン回転速度Neはエンジンストール
に密接に関係するため、エンジンストールの可能性を高
い精度で予想でき、目標エンジン回転速度netagが
必要以上に補正されることが回避される。
【0079】また、本実施例では、予め定められた所定
の回復条件を満足する場合(ステップR1−8の判断が
YES)に、上記補正された目標エンジン回転速度ne
tagを補正量neupずつ元に戻すようになっている
ため、特殊な運転状態などで過度に補正された場合や構
成部品の経時変化などでエンジンストールの可能性が低
下した場合などには、目標エンジン回転速度netag
の補正が戻され、補正に起因する燃費や走行性能の低下
などが防止されて常に適切な状態に保持される。
【0080】次に、本発明の他の実施例を説明する。図
9は、前記図8に対応するフローチャートで、ステップ
R2−1〜R2−8は前記ステップR1−1〜R1−8
と同じであり、ステップR2−9のみが相違する。これ
は第14発明の一実施例に相当するもので、ステップR
2−9では、エンジンストールの予想回数を表すカウン
タcnestpの値を1だけ減算し、これにより目標エ
ンジン回転速度netagの補正を抑制する。ステップ
R2−8およびR2−9を実行する部分は回数低減手段
として機能しており、ステップR2−8の回復条件は、
前記ステップR1−8の回復条件と同じであっても良い
が、比較的緩い条件を設定するようにしても良い。
【0081】本実施例では、予め定められた所定の回復
条件を満足する場合(ステップR2−8の判断がYE
S)にカウンタcnestpの値が1だけ減算されるた
め、特殊な運転状態などで過度にカウンタcnestp
が積算された場合や構成部品の経時変化などでエンジン
ストールの可能性が低下した場合などには、カウンタc
nestpが値が減らされ、目標エンジン回転速度ne
tagの補正が必要以上に行われて燃費や走行性能など
が悪化することが防止される。
【0082】図10は、前記図8に対応するフローチャ
ートで、ステップR3−1〜R3−6、R3−8は前記
ステップR1−1〜R1−6、R1−8と同じであり、
ステップR3−7およびR3−9が相違する。これは第
5発明の一実施例に相当するもので、ステップR3−7
では、車両走行用の駆動トルクとは別にエンジン14に
作用する負荷、例えばエンジン14によって駆動される
エアコンなどの補機類やスタータ70の発電などによる
負荷、を所定量ずつ低減する一方、ステップR3−9で
は、その低減した負荷を所定量ずつ増やして元に戻す。
この場合も、ステップR3−3〜R3−7を実行する部
分はストール防止手段として機能しており、ステップR
3−8およびR3−9を実行する部分は回復手段として
機能している。また、補機類やスタータ70の発電によ
る負荷は、エンジンストールが発生し難くなるように補
正される所定の制御要素に相当する。なお、ステップR
3−9の代わりに図9のステップR2−9と同様のステ
ップを設けて、カウンタcnestpの値を1ずつ減算
するようにしても良い。
【0083】本実施例でも、ステップR3−7で補機類
やスタータ70の発電など、走行用の駆動トルクとは別
にエンジン14に作用する負荷が低減されるため、エン
ジン回転速度Neを必要以上に高くすることなくエンジ
ンストールの発生が抑制されるとともに、簡単な構成で
エンジンストールを防止できるなど、第1実施例と同様
の効果が得られる。
【0084】図11は、前記図8の代わりに実行される
フローチャートで、第1発明〜第3発明、第6発明、第
9発明、第10発明、第13発明の一実施例に相当する
ものであり、ステップQ1−4、Q1−5、Q1−8を
実行する部分はストール防止手段として機能しており、
その内のステップQ1−4はストール予想手段に相当
し、ステップQ1−5、Q1−8は補正手段に相当す
る。また、ステップQ1−6、Q1−7、Q1−8を実
行する部分は、第13発明の回復手段として機能してい
る。なお、ステップQ1−1、Q1−2、Q1−4、Q
1−6は、それぞれ前記ステップR1−1、R1−2、
R1−3、R1−8と実質的に同じである。
【0085】図11において、実際にエンジンストール
が発生してステップQ1−2に続いて実行するステップ
Q1−3では、カウンタcnestpの値に2を加算
し、ステップQ1−8では、そのカウンタcnestp
の値に応じてモータトルクのなまし定数stcを算出・
記憶する。モータトルクのなまし定数stcは、モータ
ジェネレータ16のトルク変化速度をなますためのもの
で、例えば図12に示すようにカウンタcnestpの
値が大きくなるに従って大きくなるように予め設定され
たマップや演算式などから求められる一方、モータジェ
ネレータ16のトルク指令値stmは、なまし定数st
cおよび前回のトルク指令値stmoldを用いて次式
(1) に従ってなまし処理され、そのなまし処理されたト
ルク指令値stmに応じてモータジェネレータ16のト
ルク(モータ電流)が制御される。このトルク指令値s
tmの算出や、そのトルク指令値stmに基づくモータ
ジェネレータ16のトルク制御は、前記M/GECU6
6によって行われる。stm=stmold+{(st
m−stmold)/stc}・・・(1)
【0086】ここで、カウンタcnestpの値が加算
される程なまし定数stcは大きくなり、それに伴って
トルク指令値stmの変化速度は小さくなるため、例え
ば前記「ETCモード」などモータジェネレータ16の
トルク反力がエンジン14に作用する運転モードでは、
モータトルクの変化に起因してエンジン14に作用する
負荷の変動が緩和され、エンジンストールの発生が抑制
される。なまし定数stcは、走行モードや加減速など
の運転状態に応じて複数設定されており、そのなまし定
数stcを求めるためのマップ(演算式)やカウンタc
nestpは、運転状態に応じて複数設けられている。
なお、本実施例においても、前記第1実施例と同様にし
てエンジン14が速やかに再始動させられるようになっ
ている。
【0087】ストール予想手段として機能するステップ
Q1−4の判断がYESの場合、すなわちエンジン回転
速度Neが下限値NESTP以下になった場合に実行す
るステップQ1−5では、エンジンストールの予想回数
を表すカウンタcnestpの値に1を加算し、ステッ
プQ1−8では、そのカウンタcnestpの値に応じ
てなまし定数stcを算出・記憶する。すなわち、本実
施例ではエンジンストールの発生が予想される毎に、カ
ウンタcnestpの値が1ずつ加算されるとともに、
そのカウンタcnstpの値に応じてなまし定数stc
が大きくなってトルク指令値stmの変化速度が小さく
なり、モータトルクの急な変化に起因するエンジンスト
ールの発生が抑制されるのである。なまし定数stc
は、エンジンストールが発生し難くなるように補正され
る所定の制御要素に相当する。
【0088】ステップQ1−6の判断がYESの場合、
すなわち所定の回復条件を満足する場合に実行するステ
ップQ1−7では、前記カウンタcnestpの値を1
だけ減算し、ステップQ1−8では、そのカウンタcn
estpの値に応じてなまし定数stcを算出・記憶す
る。このようにカウンタcnestpの値が減算される
ことにより、なまし定数stcが小さくなってトルク指
令値stmの変化速度が大きくなる。なお、ステップQ
1−6では、運転状態に拘らず前記第1実施例と同様に
して回復条件を判断するようになっており、ステップQ
1−7では、運転状態に応じて設けられた複数のカウン
タcnestpの値をそれぞれ1ずつ減らすようになっ
ている。
【0089】本実施例では、ステップQ1−4で予め定
められたストール予想判断基準に従ってエンジンストー
ルを予想するとともに、1回予想する毎にカウンタcn
estpの値が1ずつ加算されてなまし定数stcが大
きくなり、トルク指令値stmの変化速度が小さくされ
るため、エンジン回転速度Neを必要以上に高くするこ
となくモータトルクの急な変化に起因するエンジンスト
ールの発生が抑制される。
【0090】また、本実施例では、エンジンストールの
予想回数であるカウンタcnestpの値が1変化する
だけで、直ちになまし定数stcが変更されるため、エ
ンジンストールの発生を防止しつつなまし定数stcを
極め細かく制御することが可能で、モータトルクの変化
速度を適切に制御できる。
【0091】なお、前記各実施例においても、エンジン
ストールの予想回数であるカウンタcnestpの値が
1変化する毎に、目標エンジン回転速度netagやエ
ンジン14に作用する負荷を極め細かく切り換えるよう
にしても良い。
【0092】一方、実際の運転状態の中でエンジンスト
ールを予想してなまし定数stcを補正するため、運転
環境や運転者の運転嗜好の相違、各種部品のばらつきな
どによる車両毎の個体差、などに拘らず、エンジン回転
速度Neを必要以上に高くすることなくエンジンストー
ルの可能性を低減できるとともに、経時変化によってエ
ンジンストールし易くなった場合にも対応できる。ま
た、予め定められた所定の回復条件を満足する場合(ス
テップQ1−6の判断がYES)には、カウンタcne
stpの値を1ずつ減らしてなまし定数stcを元に戻
すようになっているため、特殊な運転状態などで過度に
補正された場合や構成部品の経時変化などでエンジンス
トールの可能性が低下した場合などには、なまし定数s
tcの補正が戻され、補正に起因する燃費や走行性能の
低下などが防止されて常に適切な状態に保持されるな
ど、前記実施例と同様の効果が得られる。
【0093】図13の車両用駆動制御装置は、前記ハイ
ブリッド駆動制御装置10の他に第3の駆動源としてリ
ヤ側モータジェネレータ90を備えており、インバータ
92を介して前記バッテリ42に電気的に接続され、力
行制御および回生制御されるようになっている。また、
差動装置94を介して左右の後輪96に機械的に連結さ
れ、力行制御されることにより後輪96を回転駆動する
とともに、回生制御により後輪96に回生制動力を作用
させる。このような車両用駆動制御装置においても、フ
ロント側のハイブリッド駆動制御装置10については基
本的に前記各実施例と同様な制御を行うことができる
が、前記図11のフローチャートに従ってモータトルク
のなまし定数stcを補正する場合には、そのなまし定
数stcの補正で運転者の加速要求に対するレスポンス
(応答性)が損なわれるため、例えば図14のフローチ
ャートに示すようにリヤ側モータジェネレータ90を用
いてアシスト制御することが望ましい。
【0094】すなわち、ステップQQ1では、なまし定
数stcに応じて前記(1) 式に従って求められるモータ
ジェネレータ16のトルク指令値stmを読み込み、ス
テップQQ2では、カウンタcnestp=0の時のな
まし定数stcに基づいて同じく(1) 式に従って基準ト
ルク指令値stm0 を求める。そして、次のステップQ
Q3では、その基準トルク指令値stm0 と実際のトル
ク指令値stmとの差や、前記変速機12の変速比γ、
遊星歯車装置18のギヤ比ρなどに基づいて不足量tm
* を算出し、ステップQQ4では、通常のリヤ側駆動ト
ルク(0の場合を含む)に不足量tm* 分のトルクを付
加してリヤ側モータジェネレータ90のトルク制御を行
う。リヤ側モータジェネレータ90に接続されたインバ
ータ92は前記M/GECU66によって制御されるよ
うになっており、図14のフローチャートはそのM/G
ECU66によって実行されるとともに、その図14の
各ステップQQ1〜QQ4を実行する部分は、第7発明
の補助駆動手段として機能している。
【0095】本実施例は、第7発明、第8発明の実施例
に相当するもので、ストール防止手段によるモータジェ
ネレータ16のトルク変化速度の低下、すなわちなまし
定数stcの増加、によるフロント側の駆動力不足を補
うように、リヤ側モータジェネレータ90による駆動力
が増加させられるため、エンジンストールを防止しつつ
運転者の出力要求に対応する十分なレスポンスを確保で
きる。特に、本実施例では不足量tm* だけリヤ側モー
タジェネレータ90で補うようになっているため、なま
し定数stcの変化に起因して車両全体の駆動トルクが
変動することがなく、常にアクセル操作量θacなどに応
じて所望の駆動トルクが得られる。その場合に、本実施
例では第3の駆動源としてモータジェネレータ90が用
いられているため、優れた応答性が得られ、車両全体の
駆動トルクが高い精度で制御される。
【0096】また、エンジン14およびモータジェネレ
ータ16によって回転駆動される駆動輪(前輪)52
と、第3の駆動源であるリヤ側モータジェネレータ90
によって回転駆動される駆動輪(後輪)96とが異なる
ため、車両全体の駆動系統の構築が容易である。
【0097】図15は、前記図11に対応するフローチ
ャートで、ステップQ2−1〜Q2−3、Q2−5〜Q
2−8は前記ステップQ1−1〜Q1−3、Q1−5〜
Q1−8と同じであり、ステップQ2−4のみが相違す
る。これは第11発明の一実施例に相当するもので、ス
テップQ2−4では、前記ステップSS3で求められる
目標エンジン回転速度Ne* などの目標エンジン回転速
度netagから実際のエンジン回転速度Neを引き算
した偏差(netag−Ne)が予め定められた所定値
α以上か否かを判断する。所定値αは、エンジン回転速
度Neの低下でエンジンストールが発生することを予想
するためのもので、モータトルクの急な変化による反力
などでエンジン回転速度Neが急激に低下した場合に発
生する比較的大きな値であり、予め一定値が定められて
も良いが、車速V或いはエンジン回転速度Neなどをパ
ラメータとして、例えば車速Vやエンジン回転速度Ne
が低い程小さい値が設定されるようにしても良い。この
ステップQ2−4は、エンジン14の回転速度に関する
所定の物理量すなわち偏差(netag−Ne)に基づ
いてエンジンストールを予想するストール予想手段とし
て機能しており、(netag−Ne)≧αであること
がストール予想判断基準で、所定値αはストール予想判
定値である。
【0098】そして、上記偏差(netag−Ne)が
所定値α以上の場合は、エンジンストールする可能性が
あると予想してステップQ2−5以下を実行し、カウン
タcnestpに1を加算するとともに、そのカウンタ
cnestpの値に応じてなまし定数stcを算出・記
憶する。ステップQ2−8でカウンタcnestpの値
からなまし定数stcを求めるためのマップや演算式
は、必ずしも前記実施例と同じである必要はなく、ステ
ップQ2−4のストール予想判断基準の相違に応じて異
なる特性で設定しても良い。
【0099】本実施例においても、ステップQ2−4で
予め定められたストール予想判断基準に従ってエンジン
ストールを予想するとともに、1回予想する毎にカウン
タcnestpの値が1ずつ加算されてなまし定数st
cが大きくなり、トルク指令値stmの変化速度が小さ
くされるため、エンジン回転速度Neを必要以上に高く
することなくモータトルクの急な変化に起因するエンジ
ンストールの発生が抑制されるなど、前記図11の実施
例と同様の効果が得られる。
【0100】また、ステップQ2−4では偏差(net
ag−Ne)に基づいてエンジンストールを予想するた
め、エンジンストールに至る前のエンジン回転速度Ne
が比較的高い段階でエンジンストールを予想でき、前記
実施例のようにエンジン回転速度Neが下限値NEST
P以下になったか否かによって予想する場合に比較し
て、実際にエンジンストールが発生する可能性が低い段
階でなまし定数stcを補正することが可能で、エンジ
ンストールの発生をより確実に防止することができる。
【0101】図16は、前記図11に対応するフローチ
ャートで、ステップQ3−1〜Q3−3、Q3−5〜Q
3−8は前記ステップQ1−1〜Q1−3、Q1−5〜
Q1−8と同じであり、ステップQ3−4のみが相違す
る。これは第12発明の一実施例に相当するもので、ス
テップQ3−4では、一定時間(例えば図16のフロー
チャートの1サイクル)当りのエンジン回転速度Neの
低下量ΔNeが予め定められた所定値β以上か否かを判
断する。所定値βは、エンジン回転速度Neの低下でエ
ンジンストールが発生することを予想するためのもの
で、モータトルクの急な変化による反力などでエンジン
回転速度Neが急激に低下した場合に生じる比較的大き
な値であり、予め一定値が定められても良いが、車速V
或いはエンジン回転速度Neなどをパラメータとして、
例えば車速Vやエンジン回転速度Neが低い程小さい値
が設定されるようにしても良い。このステップQ3−4
は、エンジン14の回転速度に関する所定の物理量すな
わち低下量ΔNeに基づいてエンジンストールを予想す
るストール予想手段として機能しており、ΔNe≧βで
あることがストール予想判断基準で、所定値βはストー
ル予想判定値であり、低下量ΔNeは低下速度に相当す
る。
【0102】そして、上記低下量ΔNeが所定値β以上
の場合は、エンジンストールする可能性があると予想し
てステップQ3−5以下を実行し、カウンタcnest
pに1を加算するとともに、そのカウンタcnestp
の値に応じてなまし定数stcを算出・記憶する。ステ
ップQ3−8でカウンタcnestpの値からなまし定
数stcを求めるためのマップや演算式は、必ずしも前
記実施例と同じである必要はなく、ステップQ3−4の
ストール予想判断基準の相違に応じて異なる特性で設定
しても良い。
【0103】本実施例においても、ステップQ3−4で
予め定められたストール予想判断基準に従ってエンジン
ストールを予想するとともに、1回予想する毎にカウン
タcnestpの値が1ずつ加算されてなまし定数st
cが大きくなり、トルク指令値stmの変化速度が小さ
くされるため、エンジン回転速度Neを必要以上に高く
することなくモータトルクの変化に起因するエンジンス
トールの発生が抑制されるなど、前記図11の実施例と
同様の効果が得られる。
【0104】また、ステップQ3−4では低下量ΔNe
に基づいてエンジンストールを予想するため、エンジン
ストールに至る前のエンジン回転速度Neが比較的高い
段階でエンジンストールを予想でき、エンジン回転速度
Neが下限値NESTP以下になったか否かによって予
想する場合に比較して、実際にエンジンストールが発生
する可能性が低い段階でなまし定数stcを補正するこ
とが可能であり、エンジンストールの発生をより確実に
防止することができる。
【0105】以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であ
り、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良
を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたハイブリッド駆動制御装置
を説明する概略構成図である。
【図2】図1のハイブリッド駆動制御装置の動力伝達系
を示す骨子図である。
【図3】図1の油圧制御回路の一部を示す回路図であ
る。
【図4】図1のハイブリッド駆動制御装置において成立
させられる幾つかの走行モードと、クラッチおよびブレ
ーキの作動状態との関係を説明する図である。
【図5】図4のETCモード、直結モード、およびモー
タ走行モード(前進)における遊星歯車装置の各回転要
素の回転速度の関係を示す共線図である。
【図6】図1のハイブリッド駆動制御装置において、前
進走行時に運転状態に応じて「モータ走行モード」、
「ETCモード」、或いは「直結モード」に切り換える
作動の一例を説明するフローチャートである。
【図7】図1のハイブリッド駆動制御装置においてET
Cモードで走行する際の作動を説明するフローチャート
である。
【図8】図1のハイブリッド駆動制御装置で実施される
エンジンストール防止制御の具体的内容を説明するフロ
ーチャートで、実際のエンジン回転速度Neに基づいて
エンジンストールを予想するとともに、目標エンジン回
転速度を上昇させてエンジンストールを防止する場合で
ある。
【図9】実際のエンジン回転速度Neに基づいてエンジ
ンストールを予想してエンジンストールを防止する別の
例を説明するフローチャートである。
【図10】実際のエンジン回転速度Neに基づいてエン
ジンストールを予想してエンジンストールを防止する更
に別の例を説明するフローチャートで、エンジン負荷を
低減してエンジンストールを防止する場合である。
【図11】実際のエンジン回転速度Neに基づいてエン
ジンストールを予想してエンジンストールを防止する更
に別の例を説明するフローチャートで、モータジェネレ
ータのトルクのなまし定数を変更してエンジンストール
を防止する場合である。
【図12】図11のステップQ1−8で求められるなま
し定数stcとカウンタcnestpとの関係を説明す
る図である。
【図13】本発明が適用された車両用駆動制御装置の別
の例を説明する概略構成図である。
【図14】図13の車両用駆動制御装置において、リヤ
側モータジェネレータを用いてアシスト制御を実施する
際の作動を説明するフローチャートである。
【図15】モータジェネレータのトルクのなまし定数を
変更してエンジンストールを防止する別の例を説明する
フローチャートで、目標エンジン回転速度と実際のエン
ジン回転速度との偏差(netag−NE)に基づいて
エンジンストールを予想する場合である。
【図16】モータジェネレータのトルクのなまし定数を
変更してエンジンストールを防止する更に別の例を説明
するフローチャートで、実際のエンジン回転速度の低下
速度ΔNeに基づいてエンジンストールを予想する場合
である。
【図17】図1のハイブリッド駆動制御装置において、
ETCモードでの走行時に過大な走行負荷が作用した場
合の遊星歯車装置の各回転要素の回転速度変化を説明す
る共線図である。
【符号の説明】
10:ハイブリッド駆動制御装置 14:エンジン
(走行用駆動源) 16:モータジェネレータ(回転
機、走行用駆動源) 18:遊星歯車装置(合成分配
装置) 18s:サンギヤ(第1回転要素) 18
c:キャリア(第2回転要素) 18r:リングギヤ
(第3回転要素) 52:駆動輪 60:HVEC
U 64:エンジンECU 66:M/GECU
90:リヤ側モータジェネレータ(第3の駆動源)
96:後輪 cnestp:カウンタ(予想回数)
netag:目標エンジン回転速度(制御要素)
stc:なまし定数(制御要素) netag−N
e:偏差 ΔNe:エンジン回転速度の低下量 ステップR1−3〜R1−7:ストール防止手段 ステップR1−3:ストール予想手段 ステップR1−4〜R1−7:補正手段 ステップR1−8、R1−9:回復手段 ステップR2−3〜R2−7:ストール防止手段 ステップR2−3:ストール予想手段 ステップR2−4〜R2−7:補正手段 ステップR2−8、R2−9:回数低減手段 ステップR3−3〜R3−7:ストール防止手段 ステップR3−3:ストール予想手段 ステップR3−4〜R3−7:補正手段 ステップR3−8、R3−9:回復手段 ステップQ1−4、Q1−5、Q1−8:ストール防止
手段 ステップQ1−4:ストール予想手段 ステップQ1−5、Q1−8:補正手段 ステップQ1−6、Q1−7、Q1−8:回復手段 ステップQQ1〜QQ4:補助駆動手段 ステップQ2−4、Q2−5、Q2−8:ストール防止
手段 ステップQ2−4:ストール予想手段 ステップQ2−5、Q2−8:補正手段 ステップQ2−6、Q2−7、Q2−8:回復手段 ステップQ3−4、Q3−5、Q3−8:ストール防止
手段 ステップQ3−4:ストール予想手段 ステップQ3−5、Q3−8:補正手段 ステップQ3−6、Q3−7、Q3−8:回復手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 29/06 F02D 41/16 D 41/16 45/00 345C 45/00 345 B60K 9/00 ZHVE (72)発明者 大澤 幸一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 井上 敏夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 小島 正清 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 梶 恭士 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3G084 AA00 BA05 BA34 CA03 DA34 FA03 FA06 FA10 FA33 3G093 AA06 AA07 CA04 DA01 DA06 DB11 DB24 EB02 EC02 FA07 3G301 HA00 HA01 HA19 JA31 KA01 KA07 KA10 MA11 ND01 PE01A PE01Z PF03Z PF07Z PF12Z PF13Z PG01Z 5H115 PA08 PG04 PI16 PI29 PI30 PO17 PU01 PU25 QA01 QI04 QI07 QN03 RB08 RE01 RE05 SE04 SE05 TB01 TE02 TI05 TO21

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料の燃焼によって動力を発生するエン
    ジンを備えている車両において、前記エンジンがストー
    ルすることを防止するエンジンストール防止制御装置で
    あって、 予め定められたストール予想判断基準に従ってエンジン
    ストールを予想し、その予想回数が所定値に達した場合
    には、以後のエンジン作動時にエンジンストールが発生
    し難くなるように所定の制御要素を補正するストール防
    止手段を有することを特徴とするエンジンストール防止
    制御装置。
  2. 【請求項2】 燃料の燃焼によって動力を発生するエン
    ジンと回転機とを走行用駆動源として備えており、それ
    等のエンジンおよび回転機のトルクを合成して駆動輪側
    へ出力するとともに該回転機のトルクの反力が該エンジ
    ンの回転速度を低下させる方向に作用するトルク合成モ
    ードを有する車両において、前記エンジンがストールす
    ることを防止するエンジンストール防止制御装置であっ
    て、 予め定められたストール予想判断基準に従ってエンジン
    ストールを予想し、その予想回数が所定値に達した場合
    には、以後のエンジン作動時にエンジンストールが発生
    し難くなるように所定の制御要素を補正するストール防
    止手段を有することを特徴とするエンジンストール防止
    制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のエンジンストール防止
    制御装置において、 前記車両は、前記エンジンに連結された第1回転要素
    と、前記回転機に連結された第2回転要素と、駆動輪側
    へ出力する第3回転要素と、を有する歯車式の合成分配
    装置を備えており、 前記第1回転要素、第2回転要素、および第3回転要素
    が相対回転可能な状態で前記エンジンおよび前記回転機
    を共に作動させ、該第1回転要素および該第2回転要素
    にトルクを加えて該第3回転要素を回転させることによ
    り、前記トルク合成モードが成立させられることを特徴
    とするエンジンストール防止制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れか1項に記載のエン
    ジンストール防止制御装置において、 前記エンジンの回転速度が所定の目標エンジン回転速度
    と一致するように該エンジンの出力を制御するエンジン
    回転速度制御手段を有し、 前記ストール防止手段は、前記目標エンジン回転速度を
    所定量だけ上昇させるものであることを特徴とするエン
    ジンストール防止制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3の何れか1項に記載のエン
    ジンストール防止制御装置において、 前記ストール防止手段は、車両走行用の駆動トルクとは
    別に前記エンジンに作用する負荷を所定量だけ低減する
    ものであることを特徴とするエンジンストール防止制御
    装置。
  6. 【請求項6】 請求項2または3に記載のエンジンスト
    ール防止制御装置において、 前記ストール防止手段は、前記回転機のトルク変化速度
    を所定量だけ低下させるものであることを特徴とするエ
    ンジンストール防止制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のエンジンストール防止
    制御装置において、 前記車両は、前記エンジンおよび前記回転機とは別に駆
    動輪を回転駆動する第3の駆動源を備えており、 前記ストール防止手段による前記回転機のトルク変化速
    度の低下に伴う駆動力不足を補うように前記第3の駆動
    源による駆動力を増加させる補助駆動手段を有すること
    を特徴とするエンジンストール防止制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のエンジンストール防止
    制御装置において、 前記エンジンおよび前記回転機は、車両の前輪および後
    輪の何れか一方を回転駆動するもので、前記第3の駆動
    源は、該前輪および後輪の他方を回転駆動するものであ
    ることを特徴とするエンジンストール防止制御装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8の何れか1項に記載のエン
    ジンストール防止制御装置において、 前記ストール防止手段は、 前記エンジンの回転速度に関する所定の物理量が予め定
    められたストール予想判定値を越えたか否かによって前
    記エンジンストールを予想するストール予想手段と、 前記ストール予想判定値を越えた回数が所定値に達した
    場合に前記所定の制御要素を補正する補正手段と、 を有するものであることを特徴とするエンジンストール
    防止制御装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載のエンジンストール防
    止制御装置において、 前記ストール予想手段は、前記エンジンの回転速度が予
    め定められた一定の下限値以下になったか否かによって
    前記エンジンストールを予想するものであることを特徴
    とするエンジンストール防止制御装置。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載のエンジンストール防
    止制御装置において、 前記エンジンの回転速度が所定の目標エンジン回転速度
    と一致するように該エンジンの出力を制御しながら走行
    するエンジン回転速度制御手段を有し、 前記ストール予想手段は、前記目標エンジン回転速度と
    実際のエンジン回転速度との偏差が予め定められた所定
    値以上になったか否かによって前記エンジンストールを
    予想するものであることを特徴とするエンジンストール
    防止制御装置。
  12. 【請求項12】 請求項9に記載のエンジンストール防
    止制御装置において、 前記ストール予想手段は、前記エンジンの回転速度の低
    下速度が予め定められた所定値以上であるか否かによっ
    て前記エンジンストールを予想するものであることを特
    徴とするエンジンストール防止制御装置。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12の何れか1項に記載の
    エンジンストール防止制御装置において、 予め定められた所定の回復条件を満足する場合には、前
    記ストール防止手段による前記所定の制御要素の補正を
    戻す回復手段を有することを特徴とするエンジンストー
    ル防止制御装置。
  14. 【請求項14】 請求項1〜12の何れか1項に記載の
    エンジンストール防止制御装置において、 予め定められた所定の回復条件を満足する場合には、前
    記ストール防止手段によって積算されたエンジンストー
    ルの予想回数を減らす回数低減手段を有することを特徴
    とするエンジンストール防止制御装置。
JP2000340170A 2000-11-08 2000-11-08 エンジンストール防止制御装置 Expired - Fee Related JP4947832B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000340170A JP4947832B2 (ja) 2000-11-08 2000-11-08 エンジンストール防止制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000340170A JP4947832B2 (ja) 2000-11-08 2000-11-08 エンジンストール防止制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002147271A true JP2002147271A (ja) 2002-05-22
JP4947832B2 JP4947832B2 (ja) 2012-06-06

Family

ID=18815128

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000340170A Expired - Fee Related JP4947832B2 (ja) 2000-11-08 2000-11-08 エンジンストール防止制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4947832B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007176321A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Toyota Motor Corp 車両の制御装置
JP2010163085A (ja) * 2009-01-16 2010-07-29 Honda Motor Co Ltd ハイブリッド車両
JP2010255637A (ja) * 2010-06-16 2010-11-11 Toyota Motor Corp 車両の制御装置
JP2013181475A (ja) * 2012-03-02 2013-09-12 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
JP2015175364A (ja) * 2014-03-18 2015-10-05 日立建機株式会社 建設機械のエンジン制御装置
JP2016065495A (ja) * 2014-09-25 2016-04-28 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の回転速度制御装置
CN109941271A (zh) * 2017-12-21 2019-06-28 丰田自动车株式会社 混合动力汽车
CN112061107A (zh) * 2019-05-24 2020-12-11 丰田自动车株式会社 混合动力车辆及用于混合动力车辆的控制方法
CN115750168A (zh) * 2022-10-31 2023-03-07 北京机械设备研究所 一种新能源汽车智能动力系统发动机启动控制方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1023604A (ja) * 1996-07-01 1998-01-23 Toyota Motor Corp ハイブリッド車両の制御装置
JPH10234105A (ja) * 1997-02-19 1998-09-02 Aisin Aw Co Ltd 車両用駆動装置の発進制御装置
JP2000274333A (ja) * 1999-03-19 2000-10-03 Mitsubishi Motors Corp 内燃機関のストール防止装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1023604A (ja) * 1996-07-01 1998-01-23 Toyota Motor Corp ハイブリッド車両の制御装置
JPH10234105A (ja) * 1997-02-19 1998-09-02 Aisin Aw Co Ltd 車両用駆動装置の発進制御装置
JP2000274333A (ja) * 1999-03-19 2000-10-03 Mitsubishi Motors Corp 内燃機関のストール防止装置

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007176321A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Toyota Motor Corp 車両の制御装置
JP2010163085A (ja) * 2009-01-16 2010-07-29 Honda Motor Co Ltd ハイブリッド車両
JP2010255637A (ja) * 2010-06-16 2010-11-11 Toyota Motor Corp 車両の制御装置
JP2013181475A (ja) * 2012-03-02 2013-09-12 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
US9121377B2 (en) 2012-03-02 2015-09-01 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control device and control method for internal combustion engine
JP2015175364A (ja) * 2014-03-18 2015-10-05 日立建機株式会社 建設機械のエンジン制御装置
JP2016065495A (ja) * 2014-09-25 2016-04-28 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の回転速度制御装置
CN109941271A (zh) * 2017-12-21 2019-06-28 丰田自动车株式会社 混合动力汽车
JP2019111855A (ja) * 2017-12-21 2019-07-11 トヨタ自動車株式会社 ハイブリッド自動車
JP7067053B2 (ja) 2017-12-21 2022-05-16 トヨタ自動車株式会社 ハイブリッド自動車
CN112061107A (zh) * 2019-05-24 2020-12-11 丰田自动车株式会社 混合动力车辆及用于混合动力车辆的控制方法
CN115750168A (zh) * 2022-10-31 2023-03-07 北京机械设备研究所 一种新能源汽车智能动力系统发动机启动控制方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4947832B2 (ja) 2012-06-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6602164B2 (en) Torque control system and torque control method for hybrid vehicle
EP2067646B1 (en) Generator power-based cold start strategy
US7465250B2 (en) On-board hybrid transmission auxiliary-pump priming control system
US6414401B1 (en) Regeneration control system and method of hybrid vehicle
JP4127310B2 (ja) 車両の制御装置、制御方法、その方法を実現するプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体
US6380641B2 (en) Engine stall prevention apparatus for a hybrid vehicle provided with a mechanism that changes the engine speed depending on clutch state detection
US8280570B2 (en) Power controller for hybrid vehicle
US20080119975A1 (en) Hybrid Electric Vehicle Powertrain with Engine Start and Transmission Shift Arbitration
US20040153231A1 (en) Automatic stop/start controller for engine
JP2007001403A (ja) ハイブリッド自動車及びその制御方法
JP2896951B2 (ja) ハイブリッド型車両
JP2011093474A (ja) 作業装置付きハイブリッド式車両の制御装置
US20130231816A1 (en) Vehicle control system for electrically driven vehicle
KR100886738B1 (ko) 하이브리드 구동 장치와 그의 조절 방법 및 그의 엔진 제어장치, 및 컴퓨터 프로그램 리코더
JP2009143263A (ja) 車両用駆動制御装置
US7231284B2 (en) Controller for hybrid vehicle
JP2002147271A (ja) エンジンストール防止制御装置
EP1323564B1 (en) Control system for hybrid vehicle
JP5471075B2 (ja) 車両用制御装置および車両用制御方法
JP2001286003A (ja) パラレルハイブリッド車両
JP2004215402A (ja) 車輌の制御装置
US20230339452A1 (en) Control Method for Series Hybrid Vehicle and Series Hybrid Vehicle
EP1491788B1 (en) Motor vehicle propulsion system with coasting mode
JP3409249B2 (ja) ハイブリッド車両
JP4680365B2 (ja) 車両用駆動制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071030

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090908

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091016

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100126

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100423

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20100615

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20100709

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120117

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120306

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150316

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150316

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees