JP2002145798A - 虚血関連ニューロン損傷を処置するための組成物 - Google Patents

虚血関連ニューロン損傷を処置するための組成物

Info

Publication number
JP2002145798A
JP2002145798A JP2001269591A JP2001269591A JP2002145798A JP 2002145798 A JP2002145798 A JP 2002145798A JP 2001269591 A JP2001269591 A JP 2001269591A JP 2001269591 A JP2001269591 A JP 2001269591A JP 2002145798 A JP2002145798 A JP 2002145798A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oct
peptide
binding
mviia
activity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001269591A
Other languages
English (en)
Inventor
George P Miljanich
ミルジャニチ・ジョージ・ピー
Robert S Bitner
ビットナー・ロバート・エス
Stephen S Bowersox
バワーサックス・スティーブン・エス
James A Fox
フォックス・ジェィムス・エィ
Karen L Valentino
ヴァレンチノ・カレン・エル
Donald H Yamashiro
ヤマシロ・ドナルド・エィチ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Elan Pharmaceuticals LLC
Original Assignee
Elan Pharmaceuticals LLC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Elan Pharmaceuticals LLC filed Critical Elan Pharmaceuticals LLC
Publication of JP2002145798A publication Critical patent/JP2002145798A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 脳内の虚血損傷に関連したニューロン損傷を
処置するために有効な組成物、および、このようなニュ
ーロン損傷を処置するための新規ペプチドを提供するこ
と。 【解決手段】 哺乳動物中枢神経系ニューロン細胞にお
けるノルエピネフリン放出を遮断する活性、および、ニ
ューロン膜ω−コノトキシンMVIIA結合部位に結合
する活性を有するニューロンカルシウムチャンネルアン
タゴニストωコノトキシンペプチドであって、該遮断活
性および該結合活性が、ω−コノトキシンMVIIA、
GVIA、またはTVIAの遮断活性および結合活性の
範囲内にあるペプチドを含む、哺乳動物種における虚血
状態に関連するニューロン損傷を減ずるための薬学的組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、虚血状態、例え
ば、発作(stroke)に関連したニューロン損傷を
減ずる際に使用するための組成物に、および、当該組成
物に含まれている新規ペプチドに関する。
【0002】
【従来の技術】中枢神経系(CNS)に対する虚血損傷
は、全体的なまたは局部的な虚血状態から生じ得る。全
体的な虚血は、脳全体への血流がある時間止まる状態下
に起こり、例えば、心拍停止から生じ得る。局部的な虚
血は、脳の一部に、その通常の血液供給がない状態下に
起こり、例えば、大脳血管の血栓塞栓症による閉塞(o
cclusion)、外傷性頭部損傷、水腫、および脳
腫瘍から生じ得る。
【0003】全体的および局部的な虚血状態は共に、た
とえ虚血状態が一時的であっても、広範囲にわたるニュ
ーロン損傷を引き起こす可能性を有する。永久的なニュ
ーロン損傷は、脳への血流の停止に続く最初の1分間に
生じ得、全体的および局部的な虚血における損傷の大部
分は、虚血の発症に続く数時間あるいは数日すらにわた
って起こる。このニューロン損傷の多くは、組織の再灌
流の二次的な結果、例えば、損傷した内皮による血管に
作用する生成物の放出および損傷した組織による細胞に
有毒な生成物(フリーラジカル、ロイコトリエンなど)
の放出に帰せられる。
【0004】いくつかの薬物方法が、虚血に関連した発
作および別のニューロン状態の処置のために提案され、
そしてこれらは最近の論説(例えば、Wauquie
r)中で精査されている。抗凝血剤、例えば、ヘパリン
が検討されているが、雑多な結果である。
【0005】同様に、抗血管収縮剤、例えば、フルナラ
ジン(flunarazine)、興奮性神経伝達物質
アンタゴニスト、例えば、MK−801およびAP7、
ならびに抗水腫化合物は、神経毒神経病または感染に対
する高められた感受性を含む種々の副作用よりまさる明
らかな利点なしで、雑多な結果を示す。
【0006】血管拡張剤の2つの一般的な類が、ニュー
ロン虚血損傷の可能な処置のために研究されている。パ
パべリン、プロスタサイクリン、ペントキシフィリン
(pentoxifylline)、およびニトロプル
シド(nitroprusside)を含む非特異的な
血管拡張剤は、虚血損傷を減ずる際にいかなる明らかな
利点をも証明することはできなかった。血管拡張剤の第
二の一般的な類は、種々のカルシウム−アンタゴニスト
血管拡張薬物を含む。ベラパミルならびに、平滑筋およ
び横紋筋へのカルシウムの流入を妨げる関連化合物は、
重大な心臓毒性が続き得る高い薬物濃度でのみ有効であ
ると思われる。ジヒドロピリジン、例えば、ニモジピン
は、雑多な結果を生じる−−いくつかの神経学的改善が
見られ得るが、増加した大脳水腫も観察されている。ジ
ルチアゼムによって例示されるような、ベンゾチアゼピ
ンは、適度な保護作用を示すが、これらの薬物も、処置
に不利であり得る低血圧のような望ましくない副作用を
引き起こすと思われる。
【0007】要約すると、今日までのところ発作および
脳の別の虚血関連状態の処置のために提案されている薬
物は、(i)比較的有効でない、(ii)望ましくない
副作用が観察される用量レベルでのみ有効である、およ
び/または(iii)薬物の潜在的有効性を傷つける、
全身性の作用、例えば、低血圧を生じる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】それ故、本発明の一般
的目的は、脳内の虚血損傷に関連したニューロン損傷を
処置するために有効な組成物を提供することである。
【0009】本発明の別の目的は、このようなニューロ
ン損傷を処置するための新規ペプチドを提供することで
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の薬学的組成物
は、哺乳動物の中枢神経系(CNS)ニューロン細胞中
のノルエピネフリン放出を遮断する、およびニューロン
膜ω−コノトキシン(OCT)MVIIA結合部位に結
合する活性−それらは、OCTのMVIIA,GVIA
およびTVIAに関するこのような活性の範囲内にある
−を有するニューロン細胞カルシウムチャンネルアンタ
ゴニズトω−コノトキシンペプチドを包含する。当該ペ
プチドは、注射に適当なビヒクル中に保持される。
【0011】1つの好ましいOCTペプチドは、形:C
KGKGAX1CX2RX34YDCCTGSCX5RX6
GKC−t〔但し、X1=KまたはS;X2=Sまたは
H;X3=LまたはT;X4=MまたはS;X5=Nまた
は欠落;X6=Sまたは欠落;そしてtはカルボキシま
たはアミド化カルボキシ末端基である。〕を有してい
る。
【0012】もう1つの好ましいOCTペプチドは、
形:CX1SXGSSCSXTSYNCCRSCNXY
234CX5−t〔但し、X1=KまたはL;X2=T
またはS;X3=KまたはR;X4=RまたはK;X5
YまたはR;そしてt=カルボキシまたはアミド化カル
ボキシ末端基である。〕を有している。
【0013】より一般的に、当該組成物は、哺乳動物の
CNSニューロン細胞からのノルエプネフリンの放出を
阻害する、およびニューロン膜ω−コノトキシンMVI
IA結合部位に結合する活性を、OCTのMVIIA,
GVIAおよびTVIAに関するこのような活性の範囲
内にある活性で、有するニューロン細胞カルシウムチャ
ンネルアンタゴニスト化合物を含む。当該化合物は、適
当な薬学的ビヒクル中に保持される。
【0014】1つの実施態様において、MVIIA部位
に対する当該化合物の結合活性は、当該化合物によるニ
ューロン膜からのOCT MVIIAの競合的置換によ
って求められる結合定数によって特徴づけられる。
【0015】第二の実施態様において、結合活性は、ニ
ューロン細胞OCT SVIB部位およびニューロン細
胞OCT MVIIA部位に結合する化合物に関する結
合定数の比によって特徴づけられる。
【0016】本発明はさらに、X1=K,X2=S,X3
=L,X4=M,X5=欠落、そしてX6=S、およびX1
=S,X2=H,X3=T,X4=S,X5=N、そしてX
6=欠落のペプチドを除く、形:CKGKGAX1CX2
RX34YDCCTGSCX5RX6GKC−t〔但し、
1=KまたはS;X2=SまたはH;X3=Lまたは
T;X4=MまたはS;X5=Nまたは欠落;X6=Sま
たは欠落;そしてt=カルボキシまたはアミド化カルボ
キシ末端基〕、または、X1=K,X2=T,X3 =K,
4=R、そしてX5=Y;およびX1=L,X2=S,X
3=R,X4=K、そしてX5=Rのペプチドを除く、
形:CX1SXGSSCSXTSYNCCRSCNXY
234CX5−t〔但し、X1=KまたはL;X2=T
またはS;X3 =KまたはR;X4=RまたはK;X5
YまたはR;そしてt=カルボキシまたはアミド化カル
ボキシ末端基〕を有するOCTペプチドを含む。
【0017】未だ別の面で、本発明は、哺乳動物種にお
ける、例えば、発作により生ずるような、虚血関連ニュ
ーロン損傷を減ずるのに有効なカルシウムチャンネルア
ンタゴニスト化合物を選択する方法を含む。当該化合物
は、ニューロン細胞OCTMVIIA結合部位に対する
その親和性について、および、哺乳動物のCNSニュー
ロン細胞中のノルエピネフリン放出を阻害するその能力
についてアッセイされる。アッセイした化合物は、も
し、CNSニューロン細胞からのノルエピネフリン放出
に関する、およびニューロン膜ω−コノトキシンMVI
IA結合部位への結合に関するその活性が、OCTのM
VIIA,GVIA,およびTVIAに関するこのよう
な活性の範囲内にあるならば、このような処置において
使用するために選択される。
【0018】本発明のこれらのおよび別の目的および特
徴は、本発明の以下の詳細な説明が、添付した図面と関
連して読まれるとき、より完全に明らかになるであろ
う。
【0019】
【発明の実施の形態】1.OCTペプチド ω−コノトキシン(OCT)ペプチドは、イモガイ(C
onus)属の海生巻貝により生産されるペプチド毒素
であり、そしてそれは、カルシウムチャンネル遮断薬と
して作用する。イモガイ属中の、約500種の円錐状の
巻貝は確認されており、そして、これらの種のいくつか
から種々のOCTペプチドが単離されている。いくつか
の天然のOCTペプチドの一次配列が、図1に示されて
いる。慣用の文字イニシアルが、アミノ酸残基について
使用され、そしてXは、4−ヒドロキシプロリンを表
し、4Hypとも略書される。図中に示されている全て
のペプチドは、それらのC末端でアミド化されている。
【0020】ペプチドの同定する名称は、図中に同様に
示されており、そしてこれらの名称は本明細書において
特定のOCTペプチドに関連して使用されるであろう。
例えば、配列がMVIIAと称されるペプチドは、本明
細書においてOCT MVIIAと呼ばれる。OCT
MVIIAおよびOCT GVIAペプチドは、それぞ
れ、一般の名称CmTxおよびCgTxをも有する。O
CTペプチドの全ては、MVIIAペプチドについて示
されているように、システイン残基1および4、2およ
び5、そして3および6をつなぐ3つのジスルフィド結
合を有する。
【0021】図2は、本発明により合成されそして試験
された、天然のOCT MVIIA、OCT GVI
A、およびSVIBペプチドの類似体を示している。標
準の単一アミノ酸コード文字が図中で使用されている;
X=ヒドロキシプロリン;Nle=ノルロイシン;C末
端のNH2基は、ペプチドが、C末端アミノ化されてい
ることを示している;G−OHは、未変性グリシン残基
中の末端を示している。
【0022】OCTペプチド、例えば、図1および2に
示されているようなものは、開示されているような(R
ivier)慣用の固体相方法によって合成され得る。
手短に言えば、N−α−保護アミノ酸無水物を、結晶形
で調製しそしてN末端への連続するアミノ酸付加に使用
する。各残基の付加で、成長するペプチド(固体保持体
上)を酸処理してN−α−保護基を除去し、数回洗浄し
て残った酸を除去する、そして反応媒体へのペプチド末
端の接近性を増進する。次いで当該ペプチドを、活性化
したN−保護アミノ酸対称無水物と反応させ、そして固
体保持体を洗浄する。各残基付加工程で、アミノ酸付加
反応は、2または3の個々の付加反応の全てについて繰
り返され得、反応される、成長するペプチド分子の割合
を高める。一般に、1〜2の反応サイクルが、第一の1
2の残基付加に、そして2〜3の反応サイクルが、残り
の残基のために使用される。
【0023】成長するペプチド鎖を完全なものにした
後、保護したペプチド樹脂を液体フッ化水素酸で処理し
て保持体からペプチドを脱ブロック化し(debloc
k)そして遊離する。アミド化ペプチドの調製のため
に、環からのペプチド開裂後、合成の際に使用される樹
脂保持体を選択してC末端アミンを供給する。
【0024】ペプチド中の3つのジスルフィド結合は、
ジチオトレイトール(DTT)存在下に室温でまたは4
℃で延長された反応期間にわたって空気酸化により形成
され得る。代わりに、正しいまたは所望の架橋がランダ
ム酸化によって達成され得ない場合、ブリッジが連続的
に、1度に1つのブリッジが形成される化学的直接方法
が使用され得る。以下の側鎖保護基が、システイン残基
の各対のために使用され得る:4−メチルベンジル、エ
チルカルバモイル、およびアセトアミドメチル。これら
の保護基は、保護基のどの1つの種類もが他の2つに影
響を与えない条件下で除去され得る、直交するセットを
構成する。方法は、ここでは、保護基の1つの種類をシ
ステイン残基の対から除去し、次いで酸化して第一のジ
スルフィドブリッジを形成することを包含している。保
護基の第二の種類を次いで除去し、再度酸化して第二の
ブリッジを形成する。第三ブリッジは同様の方法で形成
される。
【0025】当該ペプチドは、ゲル濾過による最初の分
離により単離され得、ペプチド二量体およびより高度な
ポリマーを除去し、そして同様に、酸化反応において使
用される、望ましくない塩、例えば、グアニジン塩酸塩
を除去する。
【0026】不十分に精製したペプチドをさらに、分取
HPLCクロマトグラフィーにより精製し、そして当該
ペプチドの純度をアミノ酸組成物分析により確認する。
【0027】II.神経保護化合物 このセクションは、本発明による、OCTペプチドによ
って例示されるような、虚血関連ニューロン損傷を減ず
るのに有効である化合物の試験管内阻害および結合特性
を記載している。以下のセクションVに記載されている
ように、試験管内阻害および結合特性は、神経保護化合
物の選択の際に使用できる。
【0028】A.カルシウムチャンネルアンタゴニスト
活性 本発明の神経保護化合物は、ニューロン細胞中の電圧ゲ
ートイオン電流を阻害するそれらの活性によって定義さ
れるような、ニューロン細胞カルシウムチャンネルアン
タゴニストである。
【0029】電圧ゲートカルシウムチャンネルは、ニュ
ーロン中、そして、心筋、平滑筋、および骨格筋ならび
に別の興奮性細胞中に存在し、そして膜興奮、筋収縮、
および細胞分泌中、例えば、シナプス伝達中で種々の役
割を果たすことが知られている(McCleske
y)。ニューロン細胞中で、電圧ゲートカルシウムチャ
ンネルは、それぞれ、神経化学により、特徴的なゲート
電圧(gatingvoltage)、不活性化速度、
および選択的変調を有するL、T、およびNチャンネル
に分類されている(Nowvcky)。
【0030】電圧ゲートニューロンカルシウムチャンネ
ルの阻害(遮断)を試験する1つの適当なシステムは、
マウス神経芽細胞腫細胞系,N1E115系である。膜
電流は、通常、実施例1に詳述されている方法に従っ
て、パッチクランプ法の全細胞形状(configur
ation)を用いて測定される。
【0031】手短に言えば、細胞電位が約−100mV
の保持電圧から−60mV〜+20mVの範囲にある試
験電位まで進められる電圧クランププロトコールが行わ
れ、そして細胞は、当該保持電位でパルスの間5秒間保
持された。
【0032】図3は、−80mV〜−20mVの電位段
階によって引き出される典型的な内向きのカルシウム電
流を示している。これ、および記録の大部分において、
シグナルを増加するために、Caに代わってBaが、カ
ルシウムチャンネルを通じて、電荷キャリヤーとなった
(McCleskey)。実施例1に記載した手順によ
れば、N1E115神経芽細胞腫細胞は、ナトリウムに
代えてN−メチル−D−グルカミン(NMDG)、およ
び2mM Caの代わりに10mM Baを有する塩類
溶液中に浸された。これらの置換は、どちらかといえば
カルシウム電流記録を汚染するであろうナトリウム電流
を減じ、そして浴中2mM Caのみの場合より高くカ
ルシウム電流を高めた。カリウム電流は、浴中のTEA
およびピペット溶液中のCsによって遮断された。
【0033】図3,曲線Aから明らかなように、カルシ
ウム電流は素早く(約20ms内に)活性化しそして3
0〜40msの時間定数で不活性化する。カルシウム電
流は、脱分極ピークによって引き出されたピークの内向
きの電流の振幅によって測定され、そして約−1200
pAの測定値を有する。図3(曲線A)中の細胞は、神
経芽細胞腫細胞中のL型カルシウムチャンネルを有効に
遮断することを予期される1μMニフェジピン,ジヒド
ロピリジンにもさらされ、そして測定されたカルシウム
電流に対する影響は全く観察されなかった。観察された
カルシウム電流は従って主としてN型カルシウムチャン
ネル電流であることが予期される。
【0034】OCTのMVIIAおよびGVIAの増加
する用量に対する、電圧ゲートカルシウム電流の応答が
図4に示されている。カルシウム電流の50%阻害が引
き起こされるED50濃度は、電圧ゲート電流振幅から決
定され、OCTペプチド濃度の関数としてプロットされ
る。計算されたED50は、高い阻害ペプチド活性を示
し、GVIAについて12nMそしてMVIIAについ
て116nMである。これらならびにOCTペプチドS
VIAおよびSVIBに関するED50濃度は以下の表1
に示されている。以下のセクションIIIにおいて理解
されるであろうように、比較的低いIC50値(1μM以
下)を有する2つの化合物は、両方とも、神経保護剤と
して活性であり、他方、この閾値より高いIC50を有す
るOCTSVIAおよびSVIBはない。より一般的に
は、本発明の化合物は例1に詳述されたアッセイ中約1
μMより低いED50値で電圧ゲートカルシウムチャンネ
ル電流を阻害するそれらの能力により、電圧ゲートカル
シウムチャンネルのアンタゴニストとして分類される。
【0035】
【表1】 神経細胞カルシウム電流について抑制する試験ペプエチ
ドはさらにカルシウム電流を遮断する際のペプチド活性
がニューロン細胞に特異的であることを確認するため
に、非ニューロン細胞中で試験され得る。OCTによる
カルシウム電流阻害に無反応性である種々の筋細胞、例
えば、脊椎動物胎児心筋および骨格筋細胞が適してい
る。細胞電流測定は、実質的に、上に概説されそして実
施例1に詳述されているようになされる。例えば、OC
T MVIIAは、後根ガングリオン(dorsal
root ganglion)(DRG)ニューロンを
含む、種々のニューロン細胞中の電圧ゲートカルシウム
チャンネルを遮断することが報告されている(McCl
eskey)。カルシウムチャンネル電流のこの遮断ま
たは阻害は、ペプチドによるカルシウム電流阻害は、心
筋、平滑筋、および骨格筋において観察されなかったの
で、ニューロン特異的であることが報告されている。
【0036】B.ノルエピネフリン放出の選択的阻害 本発明による、神経保護化合物の第二の必要な特性な、
脳(CNS)ニューロン細胞中の脱分極誘発およびカル
シウム依存ノルエピネフリン放出を特異的に阻害する
が、しかし骨格筋の哺乳動物神経筋接合部での神経伝達
物質放出を阻害しない能力である。ニューロン細胞中の
ノルエピネフリン放出の阻害は、実施例2に詳述されて
いるように、標準方法により哺乳動物脳海馬スライスに
おいてアッセイされ得る。手短に言えば、海馬スライス
をミクロ力価プレート(microtitre pla
te)の個々のウエルに分布しそして細胞接種に好都合
である条件下に放射能標識化ノルエピネフリンと共にイ
ンキュベーションする。細胞を低カリウム媒体で洗浄
し、次いで、15分間刺激媒体中に、試験化合物の選択
された濃度の存在下に浸す。興奮緩衝液の除去後、各ス
ライス中に残っている放射能を測定する。
【0037】図5は、先ず、通常の洗浄溶液(白地
棒)、次いで、興奮媒体(黒地棒)に浸したラット脳海
馬スライスからのノルエピネフリン放出に関する、OC
T MVIIAペプチドの増加する濃度の効果を示して
いる。理解されるように、当該化合物は、興奮媒体の存
在下にノルエピネフリン放出の強い用量依存阻害を引き
起こすが、興奮媒体の不存在下には引き起こさない。用
量依存阻害データから、エピネフリン放出の50%阻害
を引き起こすのに有効な化合物濃度が計算される。
【0038】この方法により試験された種々のOCTペ
プチドに関する表2中に示されたIC50値は、薄い(2
00μ)および厚い(400μ)海馬スライスから計算
された平均IC50値を表している。0.8〜2.4nMの
間の、3つの最も低いIC50 値は、著しい神経保護活性
を示すOCTペプチドに対応している(以下のセクショ
ンIII)。OCTペプチドMVIIA(195)およ
びMVIIA(201)は、以下のセクションIVにお
いて検討されているように、キー残基部位(図2)にア
ミノ酸置換または変性を有するMVIIAである。この
変性ペプチドについて測定された、より高いIC50
は、神経保護活性の実質的減少または損失に反映され
る。SVIAおよびSVIB OCTペプチドは、神経
保護活性を示さないOCT化合物を代表しており、そし
てこれは、ノルエピネフリン放出に関する高いIC50
によって反映されている。SVIB(202)ペプチド
は、MVIIA OCT中位置9〜12のSer−Ar
g−Leu−Met残基をSVIB OCT中の同一位
置のArg−Leu−Thr−Ser残基の代わりに用
いる、SVIBペプチドの変性である。この変性は、ノ
ルエピネフリン放出の阻害に関するIC50値を著しく減
じ、そして弱い神経保護活性しか観察されなかった。
【0039】
【表2】 要約すると、著しい神経保護活性は、0.8〜2.4nM
範囲中のIC50で、そしてより一般的には、活性なOC
TのMVIIA,GVIA,およびTVIAについて測
定されたIC50値の範囲内にあるIC50値;即ち、これ
らの活性なOCTペプチドについて測定された最も大き
いIC50値未満で、ノルエピネフリン放出を阻害する能
力に関連している。この範囲のわずかに外側のIC50
を持つ化合物は、中位〜低い神経保護活性を有し得、そ
して、高いIC50値を持つ化合物は神経保護しない。
【0040】C.OCT受容体への、特異的な、高い親
和性結合 本発明による、神経保護化合物の別の特性は、ニューロ
ン細胞中のOCT MVIIA結合部位に関する高い親
和性結合である。以下で理解されるであろうように、結
合親和性は、MVIIA結合部位に関する化合物の結合
定数により、または、ニューロン細胞MVIIA結合部
位およびSVIB結合部位への結合について測定された
結合定数の比により、特徴づけられ得る。
【0041】ニューロン組織中のOCT MVIIA結
合部位への結合は、種々の細胞型およびシナプトソーム
細胞フラクションで論証され得る。1つの好ましいニュ
ーロン膜は、哺乳動物脳シナプトソーム調製物、例え
ば、実施例3に記載されたラット脳シナプトソーム調製
物である。MVIIA結合部位に関する化合物の結合定
数は一般に、次のように、シナプトソーム調製物から放
射能標識化OCT MVIIAの競合的置換によって決
定される。
【0042】シナプトソーム膜に関するMVIIAペプ
チドの結合定数Kdは、放射能標識化ペプチドの増加す
る量をシナプトソーム膜に添加する飽和結合方法によっ
て決定され、そして各濃度で結合された標識化材料の量
を求める。次に、濃度の関数としての結合したペプチド
のプロットを使用して、Bmax,シナプトソーム上の結合
部位の濃度、およびKdを、標準方法に従って計算す
る。特に、Kd値は、シナプトソーム特異的結合部位を
半分飽和するのに必要とされるペプチドの計算された濃
度である。図6Aは、ラット脳シナプトソームヘのOC
T MVIIAの特異的結合を示し、OCTペプチド濃
度の関数としてプロットされ、そして図6Bは、Sca
tchardプロット形にある同一データを示してい
る。Scatchardプロット線の傾斜から、8.8
pMのKd結合値が得られる。
【0043】MVIIA結合部位に関する試験化合物の
結合定数を決定するために、試験化合物を、nM範囲中
の増加する濃度で、結合した、放射能標識化OCT M
VIIAを有するシナプトソーム調製物に添加する。次
いで、シナプトソーム材料を素早く濾過し、洗浄しそし
て結合した放射能標識についてアッセイする。試験化合
物の結合定数(Ki)は、GVIAペプチドについて図
7に示されているように、コンピューター適合競合的結
合曲線を用いて求め、先ず、化合物のIC50値、即ち、
標識化MVIIAペプチドの50%置換を与える濃度を
求め、次に、例3に詳述されているように、OCT M
VIIAのKd値および当該化合物のIC50値からKi
計算する。試験した多数のOCTペプチドに関する、計
算されたIC50およびKi値を表3に示す。当該化合物
は、増加するIC50およびKi値の順序で配列されてい
る。
【0044】
【表3】 MVIIA(198)化合物は、OCT MVIIA中
の位置2にAla置換を含み、そして、OCT MVI
IA(200)はOCT MVIIAの7位にAla置
換を含む。他の化合物は図2中に同定されている。
【0045】既知の神経保護活性を有する化合物、OC
T MVIIA、GVIA、およびTVIAは、約15
〜300pMの間のIC50値ならびに約1および100
pMの間のK1値を有している。逆に、神経保護でない
OCTペプチド、例えば、OCT SVIAおよびSV
IBは十分により大きいIC50およびKi値を有してい
る。
【0046】試験された多数のOCTペプチド化合物
は、OCTペプチドMVIIA,GVIA,および/ま
たはTVIAのそれらの範囲内のIC50およびKi値を
示し、従ってこれらの化合物は神経保護化合物として重
きをなす候補者であるべきである。しかしながら、これ
らの化合物のいくつか、例えば、MVIIA(20
1)、MVIIA(195)、およびSVIB(20
2)は、神経保護化合物の範囲外にあるノルエピネフリ
ン放出の阻害に関するIC50値を有しており(表2)、
従って、これらの化合物は、神経保護化合物についての
全ての基準を満たすわけではない。
【0047】ニューロン細胞膜細胞中のMVIIA結合
タンパク質の同定は、実施例5に詳述されているよう
に、放射能標識化OCT MVIIAをシナプトソーム
に結合し、そしてペプチドを標識化するニューロン膜に
架橋することによって、試験された。標識化した膜を、
ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)で可溶化し、ポリア
クリルアミドゲル電気泳動(PAGE)によって分別
し、そして標識化バンドについてオートラジオグラフィ
ーによって試験した。1つの場合において、当該膜を、
過剰の未標識化OCT MVIIAの存在下に標識化ペ
プチドと共にインキュベーションした。同様の結合研究
が、標識化OCT GVIAで行われた。
【0048】ゲルのオートラジオグラフィーは、図8に
示され、そこでは、レーンaおよびbは、未標識化OC
T MVIIAの不存在(レーンa)および存在(レー
ンb)下でのシナプトソーム膜へのMVIIA結合パタ
ーンを示しており、そして、レーンcおよびdは、未標
識化OCT GVIAの不存在(レーンc)および存在
(レーンd)の存在下でのシナプトソーム膜へのGVI
A結合パターンを示している。ゲルパターンは、標識化
MVIIAペプチドの大部分が200〜210キロダル
トンのタンパク質バンドに結合すること、および、当該
結合は、未標識化OCT MVIIAでの置換による証
拠として、特異的であることを示している(レーン
b)。この結合は、レーンcおよびdにおける放射能標
識化パターンから判断されるように、OCT GVIA
の主要な特異的結合部位であると同様に思われる。
【0049】本発明によれば、最も高い神経保護活性を
有する化合物が、ニューロン膜上のSVIB結合部位に
関する比較的低い結合親和性を示し、他方、この部位に
関する高い結合親和性は、不活性化合物で観察されるこ
とが、同様に発見された。ニューロン細胞SVIA結合
部位に結合する化合物に関するIC50およびKi値は、
上述したように、シナプトソーム調製物に結合するOC
T SVIBのKdを決定し、次いで、試験化合物によ
る標識化OCT SVIBの競合的置換を用いて試験化
合物のIC50およびKi値を求めることによって計算さ
れ得る。図9は、SVIB結合部位への結合が試験され
たいくつかのOCTペプチドに関するコンピューター適
合競合的結合曲線を示している。これらの曲線から、上
述したように、IC50およびKi値が決定された。
【0050】表4は、試験した化合物に関するKi値を
示している。理解されるように、最も低い親和性結合
(最も高い結合定数値)が、神経保護化合物(OCT
MVIIA,GVIAおよびTVIA)について観察さ
れ、そして最も高い親和性が、非保護性化合物、例え
ば、SVIAおよびSVIBについて観察された。神経
保護活性およびSVIB結合の間の一般的逆相関が、い
くつかの変性化合物、例えば、MVIIA(201)で
観察されるが、別のもの、例えば、MVIIA(19
5)では見られない。表4は同様に、表3からの、MV
IIA結合部位に関するOCT化合物のKi、そして対
応するKi比すなわちKi(SVIB)/Ki(MVII
A)を列挙している。これらの比は、神経保護化合物お
よび神経保護活性を示さないものの間の結合特性の相違
を強調する。
【0051】
【表4】 前述から、本発明による神経保護化合物は、ニューロン
膜上のMVIIA結合部位に関する高い結合親和性によ
って特徴づけられることが理解される。この部位に関す
る結合親和性は、2つの方法うちの1っによって特徴づ
けられ得る。第一のアプローチにおいて、MVIIA部
位に関する当該化合物の結合親和性は、OCT MVI
IA,GVIA,またはTVIAのものと直接比較され
る。神経保護化合物は、結合親和性がOCTのMVII
A,GVIA,およびTVIAについて測定された結合
親和性の範囲内にあるものである、すなわち、結合定数
がこれら3つのOCTペプチドの中で最も高い結合定数
より大きくない。
【0052】代わりに、MVIIA部位に関する結合親
和性は、ちょうど今記載したように、MVIIAおよび
SVIB部位に関する結合定数の比によって特徴づけら
れ得る。ここで、神経保護化合物は、結合比が、OCT
のMVIIA,GVIA,およびTVIAについて測定
されたこのような結合比の範囲内にあるものである、す
なわち、結合比はこれら3つのOCTペプチドの中で最
も大きい比よりも大きくない。
【0053】III.神経保護組成物 本発明は、ヒト患者の虚血状態に関連したニューロン損
傷を減ずるのに有効な組成物を提供する。虚血状態は、
例えば、心不全によって引き起こされるような、大脳循
環における中断、または、脳への血液供給の全体的損失
に導かれる別の状態に、あるいは血流における局部的中
断による、例えば、大脳出血、あるいは局部的血栓また
は塞栓事象、あるいは頭部外傷により得る。
【0054】当該組成物で処置され得る虚血状態は、一
般に、脳内の血管の閉塞(obstruction)ま
たは破壊により引き起こされる神経学的機能の突然の減
少または損失として定義されるような、発作に関連して
いる。発作および別のタイプの大脳虚血状態において、
ペプチド処置は、最初の虚血事象から生じる二次的な脳
損傷を妨げるかまたは減ずることを目指している。二次
的な損傷は、一般に、病巣の虚血の場合、虚血損傷を取
り囲む領域中の、そして同様に、全体的虚血の場合、海
馬または基底核のような、病変における選択的な傷をう
けやすい領域中の、大脳細胞破壊、または、病変を包含
する。二次的な損傷は、しばしば、機能性障害、例え
ば、短期または長期の記憶の損失により明らかにされ得
る。以下に見られるように、本発明の処置方法は、虚血
に関連した解剖学上のおよび機能性の二次的損傷を減ず
るかまたは妨げるのに有効である。
【0055】本発明の組成物は、哺乳動物ニューロン細
胞中のノルエピネフリン放出を選択的に遮断する、およ
びニューロン膜ω−コノトキシンMVIIA結合部位に
結合する活性−それらは、OCTペプチドMVIIA,
GVIA,またはTVIAに関するこのような活性の範
囲内にある−を有しているニューロン細胞カルシウムチ
ャンネルアンタゴニスト化合物を包含している。結合活
性は、上記セクションIIに検討されているように、ニ
ューロン膜上のMVIIA部位に関する結合定数とし
て、または、MVIIAおよびSVIB結合部位に関す
る結合定数の比として表され得る。当該化合物は、適当
な薬学的キャリヤー、例えば、無菌注射溶液中に保持さ
れる。
【0056】ニューロン細胞カルシウムチャンネルアン
タゴニストの1つの典型的な類は、必要な阻害および結
合活性を有するOCTペプチドである。当該ペプチド
は、非経口的投与のために適当な不活性キャリヤー、例
えば、無菌生理学的食塩溶液中に配合される。キャリヤ
ー溶液中のペプチドの濃度は、一般に、約0.1〜10
mg/mlの間にある。投与される用量は、投与経路に
よって決められるであろう。1つの適当な経路は、ペプ
チドの結合および阻害値により、約0.1〜50μgペ
プチド/kg体重の用量レベルで、大脳室内(intr
acerebroventricular)(ICV)
である。当該ペプチド化合物は、以下に論証されている
ように、代わりに、静脈内(IV)に投与され得る。被
検者をH1およびH2ヒスタミン受容体に特異的な抗ヒ
スタミンで前もって処置してペプチド投与後に起こり得
る血圧の低下を減ずることが、IV投与に所望され得
る。
【0057】以下に報告されているように、そして本発
明の重要な特徴によれば、虚血事象後に十分、例えば、
一時的閉塞期間に続いて1時間、投与されると、神経保
護化合物の保護効果の損失はほとんどまたは全ぐないと
いうことが見出された。遅延した投与保護事象は、ペプ
チドが、虚血損傷から二次的な大脳損傷に導く事象を遮
断するのに有効であることを示唆する、なぜならば、こ
れらの事象は損傷後かなりの時間にわたって、または数
日間にわたってすら生じ得るからである。従って、遅延
した投与は、虚血の発病に続いて、数時間にわたって、
または1日またはそれ以上にわたってすら、二次的な大
脳損傷を減ずるのに有効であり得る。
【0058】虚血損傷に関連した神経損傷を減ずる際の
当該組成物の有効性は、全体的虚血および二次的発作損
傷のためのモデルシステムとして広範に使用される、3
種の動物系において試験された。第一の系は、首の頸動
脈の一時的閉塞によって引き起こされる全体的虚血のア
レチネズミの2血管閉塞モデルである。臨床的比較のた
めに、このモデルにおいて生じる虚血は、心停止によっ
て引き起こされる虚血に連結している、なぜならば、脳
への全ての血流が、決まった期間、一般には5〜10分
間止められるからである。
【0059】個々な後遺症におけるいくつかの相違が、
種の間で認められるが、アレチネズミは、人を含む別の
哺乳動物において見出されるのと同一種類の、虚血に対
する選択的局部的損傷を示す。特に、海馬CA1領域に
おいて観察される特徴的な二次的損傷は、人を含む別の
哺乳動物において見られるものに類似している(Kir
ino;Yamaguchi)。この領域のニューロ
ン、そして特に錐体ニューロンは、虚血損傷の4日後ま
での期間にわたって、遅延したニューロン死を示す。
【0060】第二のモデルは、ラットの4血管閉塞モデ
ルである。一次的閉塞を引き起こすための実験手順は、
次の類似点を含む心停止に続くヒト脳中の状態によく似
た虚血を引き起こす:虚血事象は、一時的、一般に5〜
30分である;それは麻酔していない状態で生じる;た
いていのラットにおいて、虚血事象は、全身性発作(s
eizure)を伴わず、そして発作を有する動物は研
究から除外され得る。さらに、当該閉塞手順は、当該動
物を容易に監視し、維持しそして分析することを可能に
する(Pulsinelli)。
【0061】第三モデルは、局部的虚血のラット大脳動
脈閉塞モデルである。このモデルにおいて、左大脳動脈
は、電気凝固により永久的に閉塞される。閉塞の24時
間後、当該動物を麻酔にかけ、そした、損傷領域を磁気
共鳴画像によって調べる。
【0062】A.解剖学的損傷の減少 アレチネズミモデルシステム中の虚血を、実施例7に詳
述されているように、8分間、2つの頸動脈を閉塞する
ことによって、麻酔をかけた動物中に引き起こした。O
CTペプチドを閉塞期間の間、あるいは閉塞に続いて1
時間ICV投与した。閉塞およびペプチド処置の4日
後、当該動物を、例7に詳述されているように、海馬C
A1領域中の解剖学的損傷について組織学的に調べた。
【0063】図10Aおよび10Bは、虚血、およびM
VIIA OCT(10A)または薬物ビヒクル(10
B)の注入後の動物中のアレチネズミ海馬CA1領域の
低倍率顕微鏡写真である。図中の矢印は、CA1領域の
おおよその境界を示している。より高い倍率で、薬物処
置した虚血動物中の細胞は正常であるように見え(図1
1A)、他方、損傷は、ビヒクルのみを受け取った虚血
動物中で明白である。完全な薬物保護のもう1つの例
は、図11C中に見られ、そして、部分的保護の例は、
図11D中に見られ、そこには、少数の損傷細胞があ
る。
【0064】解剖学的切片、例えば、図10および11
において見られるものは、実施例7に述べれている基準
に従って採点された。上記採点システムを基準とした、
OCT MVIIAまたはOCT GVIAで処置し
た、あるいは、ビヒクルのみを受け取った虚血動物中の
解剖学的損傷の程度を、以下の表5に示す。当該ペプチ
ドは、以下の表中に示されてた全用量で、虚血の8分間
にICV注入によって投与された。理解されるように、
より高い用量のOCT MVIIAで処置した動物中の
損傷の程度は、未処理動物中のそれの25%しかなかっ
た。GVIAペプチドは、損傷に関して50%より多い
減少をも引き起こしそしてより低い用量は、ほぼ最高の
有効性であった。
【0065】
【表5】 同様の処置方法が、アレチネズミ全体的虚血モデルにお
いて適用されたが、そこでは、神経保護剤が、虚血の1
時間後に投与された。解剖学的損傷において観察された
減少は、以下の表6に要約されている。表5中のデータ
の比較は、当該薬物が虚血事象(8分の閉塞)の1時間
後に投与された時に、比較できる用量(0.1μg)で
保護効果のほとんどの損失を示す。
【0066】
【表6】 ラットモデルシステム中の虚血は、脊椎動脈をまず外科
的に遮断し、外科的回復後、15分間頸動脈を一時的に
遮断する(従って、脳への血流を完全に遮断する)こと
によって引き起こされた。閉塞の間、動物に、0.3μ
gOCT MVIIAペプチドをICVで与えた。閉塞
の4日後、上述したように、当該動物を組織学的に調べ
て、一海馬CA1領域中の損傷の程度を求めた。平均ス
コアを、塩類溶液およびMVIA OCT処置の比較の
ために、表7に示す。理解されるように、処置した動物
中の損傷の程度は、未処置動物のそれの約1/3に過ぎ
なかった。
【0067】
【表7】 個々の研究において、一連の付加的なOCTペプチド
は、同一動物系において試験された。これらの研究の結
果を図12に要約する。データは、この比較のためにい
くつかの実験から持ち寄った。データを、Z−スコア変
換して種々の平均対照(塩類溶液処置)損傷値を有する
試料間の比較を促進した。この分析において、対照群の
平均はゼロの値を仮定し、そして対照からの偏差を正
(対照と比較して損傷の増加を示す)および負(対照と
比較して損傷の減少を示す)の値として示す。OCT
MVIIAおよびOCT TVIAは各々、それらの負
のZ−スコアから示されるように、研究において著しい
神経保護を示した。MVIIA(195)は、対照とは
あまり異ならないが、両方の用量でその負のZ−スコア
によって示されるように、試験された2つの用量で神経
保護に対する傾向を示した。対照的に、OCT SVI
B、OTC SVIB(202)、OCT MVIIA
(201)、およびOCT SVIAは全て、それらの
正のZ−スコアによって示されるように、神経保護活性
を示さなかった。
【0068】第二の処置方法で、OCTペプチドを、実
施例8Bに詳述したように、静脈内投与した。OCT
MVIIAによって引き起こされた全体的虚血における
神経保護の程度が表8に示されている。表中の「NS
D」は、「統計学的に異ならない」ことを示している。
【0069】
【表8】 第三の虚血モデルシステムにおいて、実施例9に詳述さ
れているように、OCTペプチドが、左中央の大脳動脈
の閉塞の10分前にICV注入により投与された。24
時間後、対照および処置動物中の解剖学的損傷の程度
を、磁気共鳴画像によって調べた。8つの対照画像を記
録し、そして、各画像中の梗塞領域が、絵素を数えるこ
とによって決定された。表9中に示されているのが、ラ
ットごとの8つの冠状切片からの絵素の平均総数であ
る。1.7μgのOCT MVIIA(ICV)を用い
た処置により、中央大脳動脈閉塞によって引き起こされ
た平均梗塞サイズの面積が24%減少した。この減少
は、Mann−WhitneyU試験により評価される
ように、統計学的に重要であった。
【0070】
【表9】 B.機能的活性保護:機能冗進 動物中の大脳虚血の1つの共通する結果は、機能亢進で
あり、それは、数時間の閉塞の間の歩く(探索)行動と
して見られ得、そして、数日後まで観察され得る。虚血
アレチネズミにおける機能亢進は、例10に記載された
ように監視された。手短に言えば、アレチネズミを、個
々に、60分間、統計学的分析のために15分ごとに記
録した累積活性カウントを用いて試験した。ベースライ
ン活性は、この測定に関する種々の処置群の比較可能性
を確実にするために、外科的処置の前に測定し、そして
活性測定は、閉塞の1日および3日後になされた。
【0071】試験の結果を図13にプロットする。各試
験曲線中の下向きの傾斜は、当該動物が試験環境に、よ
り馴れるにつれて、試験の、4回の15分間隔(1〜4
はベースラインについて、5〜8は1日目について、そ
して9〜12は3日目について)にわたり活動が減少す
るためである。閉塞のみ(△)は、閉塞の1日後、ベー
スラインレベルを越えて活性レベルに著しい上昇を生
じ、そして、高められた活性レベルが、3日間にわたっ
て観察され、永久的な行動損傷を示す。ビヒクルのIC
T投与を受け取った非閉塞対照動物(○)は、試験期間
を通じてベースライン活性レベルを維持した。虚血不存
在下のOCTペプチド自体(▲)は活動を減じた、そし
て、この効果は3日目ですらわずかに持続する。OCT
MVIIAで処置した閉塞動物(▲)は、1日目でベ
ースラインより低い値を示し、明らかに、ペプチドだけ
により生ずる減ぜられた活性を反映している。3日目
で、処置動物は、活性のほぼ正常なレベルを示し、OC
Tペプチド処置が虚血誘発機能亢進に対して保護を与え
ることを示している。
【0072】B.機能活性保護:自発的交互(Spon
taneous Alternation) 脳の海馬領域に対する損傷は、場所的学習および記憶に
おける欠損を生ずることが知られており、それ故、海馬
細胞に対する虚血損傷は、上に文献で証明されているよ
うに、短期記憶に関連する機能活性の損失をも伴い得る
ことが予期され得る。
【0073】実験動物中の短期記憶の測定として広く適
用されている1つの試験は、Y迷路であり、そこでは、
動物は、Y「迷路」のステムの出発点に置かれそして2
つのYアームのいずれかに入るのを許される。当該動物
が1つのアームに入ると、ドアはその背後で閉じられ
る。5秒後、当該動物を2〜12分の試験間間隔(in
tertrial interval)(ITI)でそ
のホームケージに戻す。その間隔の終わりに、当該動物
を同一方法で再度迷路中で走らせる。たいていの正常な
動物は交互になるであろう、すなわち、最初の試験で入
らなかったアームに入るであろう。試験は、交互につい
て「Y」および同一Yアームの反復選択について「N」
により採点される。
【0074】試験手順において、アナネズミ中の虚血
は、ビヒクル(対照)あるいは、0.1または0.3μg
のOCT MVIIAまたはGVIAペプチド(全ての
薬物処置からの結果は、実施例10に記載されたように
合わされた)の同時のICT投与と共に、上述したよう
に誘発された。閉塞の3日後、当該動物をY迷路中で試
験した。自発的な交互試験の結果は、少なくとも0.1
μgのいずれか一方の化合物の用量からの解剖学的保護
が存在する動物について表10に要約されている。
【0075】
【表10】 表中のデータから理解されるように、対照動物(閉塞な
し、ビヒクルのICV投与)に関する正常なY/N比は
約2:1であった。虚血損傷は、この比を、Y試験にお
いて実質的にランダム行動を示す、1未満までの低下を
引き起こした。虚血動物において見られる短期記憶の損
失は、ペプチド処置により完全に妨げられ、約2:1の
Y/N比が得られた、虚血損傷の不存在下でのペプチド
のみは、Y/N比を高めるように見えた、そしてこの増
強は処置された、虚血動物の改善された行動に寄与し得
る。
【0076】要約すると、OCTペプチド処置が解剖学
的損傷を著しく減ずることを示した虚血動物は、虚血誘
発機能亢進および短期記憶の損失に対するペプチド保護
によって立証されるように、統計学的に改善された機能
活性をも示した。
【0077】IV.神経保護OCTペプチド化合物 A.OCTペプチドの選択 完全な配列が知られているペプチド(図1)の配列相同
性分析に基づいて、天然に生じる神経保護OCTペプチ
ドを、図14から認識され得るように、別個のグループ
IおよびIIに、それぞれ、そのグループに対する異な
る内部相同性を用いて、分類された。グループIは、神
経保護活性を有する化合物の範囲内のMVIIA部位に
対する結合定数を有する活性OCTペプチドMVIIA
およびMVIIBを含んでいる。グループIIは、神経
保護ペプチドGVIAおよびTVIAを含んでいる。第
三のグループは、不活性ペプチドSVIAおよびSVI
Bならびに、ニューロン膜上のMVIIA部位に関する
結合活性および/またはノルエピネフリン阻害における
活性が活性化合物の範囲外にあるOCTペプチドを含ん
でいる。
【0078】OCTペプチドの3つのグループは、一直
線にされたそれらの6つのCys残基と共に、図14中
に配列され、それは、位置1,8,15,16,20お
よび28にこれらの残基を置いている。この直線を作る
ために、ギャップが、3つのグループの中に示された位
置に導入された。以下の分析において、これらのギャッ
プは、たとえ、それらが、活性OCTペプチドのそれぞ
れのグループ中のアミノ酸の欠落を表していても、図1
4中に示された割り当てられた数を保持する。
【0079】ペプチド中の配列変化は、一次構造のみに
基づいて、次の制約を採用することによって分析され
た: 1.両方のグループ中のペプチドは、位置1,8,1
5,16,20,および28にCys残基を含んでい
る。他のCys残基は、それらがペプチドの酸化の際に
選択的に保護されて3つのジスルフィド結合を形成する
場合にのみ、以下に示す位置で置換され得た。
【0080】2.両方のグループ中のペプチドは、位置
1および16、8および20、そして15および30で
Cys残基に連結している3つのジスルフィド結合を含
んでいる。上述したように、ジスルフィドブリッヂは、
DTTの存在下に完全配列ペプチドの空気酸化により形
成される。ペプチドが3つの所望のジスルフィド結合を
形成できることは、それ故、ペプチドが、ジスルフィド
架橋の前に、3つの選択された結合を許す構造を、上で
検討されたCys保護基方法を用いてまたは用いずに、
取り入れることができることを必要とするであろう。こ
の制約は、従って、3つの選択したブリッジの形成を妨
げるかまたは別の方法でじゃまするアミノ酸変化を除外
するであろう。
【0081】制約1および2は、3つのジスルフィドブ
リッジにより課されたOCTペプチドの基本的構造を保
つ。
【0082】3.第一グループ内で、6つの非保存残基
で生じるアミノ酸変化が許され、カルボキシ末端がアミ
ド化されるかまたは遊離酸の形を有するペプチドを含
む。すなわち、第一グループの化合物は、形: CKGKGAX1CX2RX34YDCCTGSCX5
6GKC−t 〔但し、X1=KまたはS;X2=SまたはH;X3=L
またはT;X4=MまたはS;X5=Nまたは欠落;X6
=Sまたは欠落;そしてtはカルボキシまたはアミド化
カルボキシ末端基である。〕を有するペプチド構造を含
んでいる。
【0083】4.第二グループ内で、5つの非保存残基
で生じるアミノ酸変化が許され、カルボキシ末端がアミ
ド化されるかまたは遊離酸の形を有するペプチドを含
む。従って、第二グループの化合物は、形: CX1SXGSSCSXTSYNCCRSCNXYX2
34CX5−t 〔但し、X1=KまたはL;X2=TまたはS;X3=K
またはR;X4=RまたはK;X5=YまたはR;そして
t=カルボキシまたはアミド化カルボキシ末端基〕を有
するペプチド構造を含んでいる。
【0084】5.両方の活性グループを共に考慮する
と、全ての活性種中で保存されているアミノ酸位置が維
持される。従って、例えば、Cys残基、5位グリシ
ン、13位チロシン、19位セリン、そして26位リシ
ンは全て維持される。
【0085】6.両方の活性グループを共に考慮する
と、活性種の範囲内で変わりそうなアミノ酸位置があ
る。例えば、位置2のアミノ酸は、リシンまたはロイシ
ンであり得、そして位置3のアミノ酸はグリシンまたは
セリンであり得る。さらに、もし異なる位置の2つまた
はそれ以上のアミノ酸が共通の置換クラス中にあるなら
ば、そのクラス中の置換が好都合であり得る。標準的置
換クラスは、例えば、標準Dayhoff頻度交換マト
リックス(Dayhoff)により決定されるように、
実際に、相同タンパク質中の共通の側鎖特性および最も
高い置換頻度に基づいて6つのクラスがある。これらの
クラスは、クラスI:Cys;クラスII:Ser,T
hr,Pro,4Hyp,Ala,およびGly,小さ
い脂肪族側鎖およびOH基側鎖を表している;クラスI
II:Asn,Asp,Glu,およびGln,水素結
合を形成できる、中性および負電荷側鎖を表している;
クラスIV:His,Arg,およびLys,塩基性極
性側鎖を表している;クラスV:Ile,Val,およ
びLeu,分枝脂肪族側鎖を表している、ならびにMe
t;ならびにクラスVI:Phe,Tyr,およびTr
p,芳香族側鎖を表している、である。さらに、各グル
ープは、関連したアミノ酸類似体、例えば、クラスIV
中に、オルニチン、ホモアルギニン、N‐メチルリシ
ン、ジメチルリシン、またはトリメチルリシン、およ
び、クラスVI中にシクロヘキシルアラニンまたはハロ
ゲン化チロシンを含み得る。さらに、当該クラスは、L
‐アミノ酸が置換に好ましいにもかかわらず、Lおよび
D立体異性体を含み得る。
【0086】7.既知の不活性種を考慮すると、不活性
種中に存在するが活性種に存在しないアミノ酸に、任意
の選択された残基位置で置換することは、活性化合物中
の活性を維持するのに好ましくない。従って、例えば、
3位のセリンは、活性および不活性化合物の両方の中に
存在するが、4位のセリンは不活性種のみの中に存在
し、従って好ましくない。
【0087】上記アミノ酸選択ルール6〜7は、神経保
護OCTペプチド中の許されたアミノ酸置換のための基
準として意図される。いったんアミノ酸置換または変性
がなされると、上述したように、ペプチドはさらに必要
なカルシウムチャンネルアンタゴニスト活性、および、
ノルエピネフリン放出の阻害およびニューロン膜のMV
IIA結合部位への結合に関する、必要な活性について
スクリーニングされる。
【0088】OCTペプチドヘのアミノ酸置換または変
性のいくつかは、上で概説された原理を説明している。
例えば、図2と関連して、MVIIA(195)化合物
は、図14中に示されたMVIIA構造中の位置26に
対応する位置にLys〜Ala置換を含む。この置換
は、保存した配列位置にあるので、神経保護活性が失わ
れるか減ぜられるであろうことが予測される。上に見ら
れるように(図12)、MVIIA(195)ペプチド
は、MVIIA結合活性の保持を示すが、置換されてい
ないMVIIA OCTと比べて、減ぜられたノルエピ
ネフリン活性、および、弱い神経保護活性を示す。
【0089】別の例として、MVIIA(201)化合
物は、位置9〜12に、Ser−Arg−Leu−Me
tからArg−Lys−Thr−Ser,不活性SVI
BOCTペプチド中の位置9〜12の配列への置換を含
む。位置9の置換は、Argが、非神経保護化合物中の
この位置に存在しているが、神経保護OCTペプチドの
1つの中に存在していないので、好ましくない。位置1
0の置換は、同じ理由で好ましくない。しかしながら、
LeuからThrへの置換は神経保護ペプチド内で起こ
るので、位置11の置換は好ましい。位置12でのMe
tからSerへの置換は同一の理由で好ましい。ペプチ
ド変性は2つの好ましくない置換を含むので、神経保護
活性が失われるか減ぜられるであろうことが予期され
る。上に見られるように、MVIIA(201)ペプチ
ドは、MVIIA結合活性の保持を示す(表3)が、置
換されていないMVIIA OCTと比較して、減ぜら
れたノルエピネフリン阻害活性(表2)および弱い神経
保護活性を示す(図12)。
【0090】B.COTペプチド 本発明はさらに、天然のC末端アミド化OCTペプチド
MVIIA,MVIIB,GVIA,およびTVIAを
除いて、上記アミノ酸選択規則3および4に従って形成
された活性OCTペプチドを含む。
【0091】さらに特に、本発明のペプチド化合物は、
1=K、X2=S、X3=L、X4=M、X5=欠落、そ
してX6=SおよびX1=S、X2=H、X3=T、X4
S、X5=欠落、そしてX6=欠落のペプチドを除く、
形: CKGKGAX1CX2RX34YDCCTGSCX5
6GKC−t(グループ1) 〔但し、X1=KまたはS;X2=SまたはH;X3=L
またはT;X4=MまたはS;X5=Nまたは欠落;X6
=Sまたは欠落、そしてt=カルボキシまたはアミド化
カルボキシ末端基〕;および、X1=K、X2=T、X3
=K、X4=R、そしてX5=Y;およびX1=L、X2
S、X3=R、X4=K、そしてX5=Rのペプチドを除
く: CX1SXGSSCSXTSYNCCRSCNXYX2
34CX5−t(グループ2) 〔但し、X1=KまたはL;X2=TまたはS;X3=K
またはR;X4=RまたはK;そしてX5=YまたはR〕
を有する。
【0092】これらのペプチドは、本発明の組成物中
に、適当な薬学的キャリヤーと共に配合のために意図さ
れる。
【0093】V.神経保護化合物を選択する セクションII中で検討された化合物試験方法が、本発
明に従って同様に使用されて、神経保護活性を有するカ
ルシウムチャンネルアンタゴニスト化合物を同定するこ
とができる。スクリーニング方法において、カルシウム
チャンネルアンタゴニスト化合物が、哺乳動物CNSニ
ューロン細胞中のノルエピネフリン放出を阻害するその
能力について、および、神経細胞ω−コノトキシンMV
IIA結合部位へのその親和性について、スクリーニン
グされる。試験化合物のカルシウムチャンネルアンタゴ
ニスト活性は既知であり得、または、実施例1に記載さ
れているように、ニューロン細胞中の脱分極誘発カルシ
ウムチャンネル電流を阻害するその能力により、示され
得る。
【0094】試験化合物は、当該化合物が: (i)OCTペプチドMVIIA,GVIA,およびT
VIAがこのようなノルエピネフリン放出を有効に阻害
する、濃度範囲中で、哺乳動物CNS神経細胞中のノル
エピネフリン放出を阻害するのに有効であり、そして (ii)OCTペプチドMVIIA,GVIA,および
TVIAの結合部位に関する結合親和性の範囲内にある
OCT MVIIA結合部位に関する結合親和性を有す
るならばこのような神経損傷を処置する際に使用するた
めに選択される。
【0095】スクリーニングされ得る化合物は、OCT
ペプチド、ならびにその類似体およびフラグメントに加
えて、別のペプチドおよびペプチドフラグメントならび
に有機分子を含む。好ましいスクリーニング方法は上に
記載され、そして実施例2、4、および5に詳述されて
いる。
【0096】次の実施例で、本発明の組成物の種々の特
徴、および虚血関連損傷(injury)中のニューロ
ン損傷(damage)を減ずる際のそれらの使用を説
明するつもりであるが、本発明の範囲を限定することは
決して意図されていない。
【0097】
【実施例】(実施例1) カルシウム−チャンネルアンタゴニスト活性:イオン電
流の阻害 カルシウムチャンネルを通るイオン電流を、単一のパッ
チ−クランプ電極により電圧固定された細胞中で調べ
た。これらの完全な細胞のパッチ−クランプ研究は、種
々の細胞型が調べられているが、主としてN1E115
マウス神経芽細胞腫細胞に関してなされた。
【0098】A.電流測定方法 たいていの測定値は、カルシウム電流の調査を他のイオ
ン電流の不存在下に可能にする浴塩類溶液を用いて得ら
れた。これらの溶液は、80mM NMDG(ナトリウ
ム置換として)、30mM TEACl(カリウム電流
を遮断する)、10mM BaCl2(カルシウムチャ
ンネルを通る電荷キャリヤーとして)、および10mM
HEPESを、pH7.3で含んでいた。いくつかの
溶液は、2mMキニジン(カリウム電流を遮断する)お
よび3μMテトロドトキシン(ナトリウム電流を遮断す
る)をも含む。通常の浴塩類溶液は(mM):140
NaCl、10 ブドウ糖、3 KCl、2 CaCl
2、1 MgCl2、10mM HEPES pH7.3
であった。細胞間溶液は、150mM CsCl、0.
5mM CaCl2、5mM EGTA、5mM Mg
Cl2、2mM K2ATPをpH7.3〜7.4で含んで
いた。浴塩類溶液および全ての内部溶液は、使用する前
に濾過された。
【0099】ピペットは、Corning 7052ガ
ラス(Garner GlassCompany,Cl
aremont,カリフォルニア州 91711)から
作られ、Sylgard(Dow Corning,M
idland,ミシガン州48640)で被覆されそし
て使用前に火仕上げされた。泡数は、ピペット抵抗一般
に2〜5MOhmで、一般に5〜6であった。Corn
ing 8161、Kimble、および別のガラス
も、観察されたカルシウム電流に関する顕著な影響なし
に使用された。
【0100】記録は、室温で、Axopatch 1−
C増幅器(Axon Instruments,Fos
ter City,カリフォルニア州 94404)を
用いて行われそして、pCLAMPソフトウェア(Ax
on Instruments)を用いて分析された。
データは、1kHzの典型的なサンプリング率として1
000Hzでフィルターにかけた;全ての場合におい
て、データは、ほとんどサンプリング率の1/5の振動
数でフィルターにかけた。データは、当該ソフトウェア
によりオンラインで集められた。分析は、Hewlet
t−Packard LaserJet Printe
r(Hewlett−Packard,Palo Al
to,カリフォルニア州 94306)を介してプリン
トアウトしてスクリーン上で行われた。
【0101】典型的な実験は次のようにして行われた:
シール形成に続いて直列抵抗補正および容量性一時的相
殺の後、10mVずつの増加で、細胞電位を、保持電位
(一般に−100mV)から、−60mVから+20m
Vに変動する試験電位まで上げる電圧クランププロトコ
ールを行った。細胞を、パルスの間5秒間保持電位で保
持した。別の保持電位から出発するプロトコールは通
常、試験電位の同一範囲をカバーした。
【0102】B.電流阻害測定 図3は、N1E−115マウス神経芽細胞腫細胞からの
カルシウム電流トレースを示す。この図は、時間に関し
て、左から右へ読み、トレースの下向きの振れば、細胞
中への正の電流を示している。電流は、100mVから
−10mVへの電圧段階によって引き出された。細胞
は、ナトリウムをNMDGによって置き換えそして2m
M Caの代わりに10mM Baを含む塩類溶液中に
浸した。カリウム電流は、浴中のTEAおよびピペット
溶液中のCsによって遮断された。
【0103】図3中,B〜Dを付けた3つのトレース
は、10nM(3B),50nM(3C)、そして20
0nM(3D)の増加するMVIIA OCTペプチド
濃度で、減少するカルシウム電流を示している。
【0104】電圧ゲートカルシウム電流の、OCTs
MVIIAおよびGVIAの増加する用量に対する応答
が図4中に示されている。計算したIC50は、GVIA
について12nMそしてMVIIAについて116nM
である。これらの値は、それらの作用部位に関する当該
ペプチドの極めて高い特異性を示している。
【0105】表1は、GVIA,MVIIA,SVIB
およびSVIA OCTに関するIC50値を比較してい
る。OCT GVIAおよびOCT MVIIAはナノ
モル濃度範囲で、測定されたカルシウム電流の50%阻
害を示すのに、OCT SVIBおよびOCT SVI
Aに関するIC50値は、試験した濃度範囲内で測定でき
なかった、それ故、示されたマイクロモル濃度より上の
IC50値を有するように列挙されている。OCT SV
IBおよびOCT SVIAは、このアッセイ中で不活
性であると考察される。
【0106】(実施例2) 神経伝達物質放出の阻害 A.ラット海馬スライスからの[3H]ノルエピネフリ
ン放出 雄のSprague−Dawleyラットを、エーテル
で軽く麻酔をかけ、首を切り、そして脳を取り除いた。
次いで海馬を解剖して大脳皮質を取り除きそして室温の
酸素化した捕集緩衝液(0.1%子ウシ血清アルブミン
(BSA)およびmMにおいて:NaCl,123、K
Cl,4.8;CaCl2,1.2;MgSO4,1.2;
KH2PO4,1.2;ブドウ糖,11;NaHCO3,2
5)ですすいだ。スライス(厚さ200または400μ
M)を、TcIlwain Tissue Chopp
erを用いて作りそして直ちに室温の捕集緩衝液に移し
た。次いで、スライスを、ウエルごとに、0.1ml捕
集緩衝液を含む96−ウエルプレート(Dynatec
h)のそれぞれのウエルに分配した。次いで、1mMア
スコルビン酸塩(ascorbate)および試験化合
物を含む捕集緩衝液中に稀釈された[3H]ノルエピネ
フリン(3μCi/ml)を各ウエルに添加した。イン
キュベーションは37度で30分間、加湿した、5%C
2インキュベーター中であった。次いで、浸している
緩衝液を取り除きそしてスライスを2回それぞれ11分
間、適当な試験化合物を含む基本緩衝液(基本緩衝液:
0.1%BSAおよびmMにおいて:NaCl,12
3、KCl,5.0;CaCl2,0.4;MgSO4
1.2;KH2PO4,1.2;ブドウ糖,11;NaHO
3,25)で洗浄した。次いで各スライスを15分間基
本緩衝液0.1ml中でインキュベーションした。次い
でこの緩衝液を測定のために取り除きそして15分間
0.1ml興奮緩衝液(0.1%BSA mMにおいて:
NaCl,97、KCl,30;CaCl2,0.4;M
gSO4,1.2;KH2PO4,1.2;ブドウ糖,1
1、NaHCO3,25)によって置き換えた。次い
で、興奮緩衝液を、放射能測定のために取り除いた。各
スライス中に残っている放射能を測定した。データを、
スライスごとの放射能の総cpmに正規化した:総放射
能=S+B+スライス〔但し、Sは興奮緩衝液中に存在
する放射能の量であり、そしてBは、基本緩衝液中に存
在する放射能の量である。〕。総放射能の割合としての
興奮された放出=100(S/(S+B+スライ
ス))、および総放射能の割合としての基本放出=10
0(B/(S+B+スライス))。濃度効果グラフは、
図5中のようにプロットされた。コンピューターを用い
た曲線適合を用いて、このようなデータからIC50値を
決定した。これらの値を図2に示す。
【0107】(実施例3) シナプトソーム膜調製物 A.哺乳動物−脳シナプトソームおよびシナプトソーム
膜 シナプトソームを、ラット全脳または脳の海馬領域から
調製した。ラットを犠牲にし、そして前脳を取り除き、
次のプロテアーゼ阻害剤(PI)を含む10mlの氷冷
した0.32M蔗糖に移した:1mM EGTA;1m
M EDTA;1μM ペプスタチン;2μMロイペプ
チン。脳を、モーターで動かされるTeflon−ガラ
スホモジナイザーを用いて均一化した(400rpmで
約8パス)。4個の脳からのホモジネートをプールしそ
して900×gで10分間4度で遠心分離した。上清を
次いで8,500×gで15分間遠心分離した。結果と
して得られるペレットをそれぞれ10mlの氷冷した
0.32M蔗糖+PI中で渦状混合で再懸濁した。サス
ペンションを、次いで、8,500×gで15分間遠心
分離した。ペレットを20mlの氷冷した0.32M蔗
糖+PI中に再懸濁した。サスペンション(5ml/
管)を四段階蔗糖密度勾配で層にした(それぞれ7m
l:1.2M蔗糖,1.0M蔗糖,0.8M蔗糖,0.6M
蔗糖;全ての蔗糖溶液はPIを含んでいる)。勾配管
を、振動バケットローター中で160,000×gで6
0分間4度で遠心分離した。1.0M蔗糖層+1.0およ
び1.2M蔗糖層の間の境界面を集めそして氷冷した脱
イオン水+PIで稀釈して0.32Mの最終蔗糖濃度に
した。結果として得られるサスペンションを、20,0
00×gで15分間遠心分離した。ペレットを次いで5
ml氷冷リン酸緩衝塩類溶液+PI中に再懸濁した。結
果として生じるラット脳シナプトソームを次いで分割し
(aliquote)そして液体窒素封入システム中に
貯蔵した。
【0108】結合アッセイで使用する前に、シナプトソ
ームを解かしそして3容積の氷冷した脱イオン水+PI
で稀釈した。このサスペンションをPT10−35Po
lytron(6に合わせる)を用いて2回の10秒バ
ーストで均一化した。ホモジネートを、40,000×
gで20分間4度で遠心分離した。結果として得られる
ペレットを約5mlの氷冷したリン酸緩衝塩類溶液+P
I中に再懸濁した。結果として得られる脳シナプトソー
ム膜調製物を分割しそして使用するまで−80℃で貯蔵
した。膜調製物のタンパク質濃度を、Bradford
試薬(BioRad)を用いて、標準として子ウシ血清
アルブミンを用いて求めた。
【0109】(実施例4) シナプトソーム膜中のMVIIA結合部位へのOCTペ
プチド結合 A.飽和結合アッセイ MVIIA OCTを、本質的にAhmadらの方法に
従って、125I−ヨウ素を用いて、IodogenTM
の反応により放射能標識化した。Iodogen反応に
続いて、ペプチド溶液を、HPLCによってC−8逆相
カラムを介してクロマトグラフィーで分離しそして0.
1%トリフルオロ酢酸から0.1%トリフルオロ酢酸中
60%アセトニトリルまでの勾配で溶出した。誘導され
てないMVIIA OCTに続く放射活性のきわだった
ピークを集めた。
【0110】ラット脳シナプトソーム膜への[125I]
−MVIIA OCTに関する結合 定数(Kd)を、[125I]MVIIA OCTの増加す
る量をシナプトソーム膜調製物(10μg膜タンパク
質,全容積0.5ml中、20mM HEPES,pH
7.0、75mM NaCl、0.1mM EGTA、
0.1mM EDTA、2μMロイペプチン,0.035
μg/mlアプロチニン、および0.1%子ウシ血清ア
ルブミン(BSA)からなる結合緩衝液中に懸濁され
た)のアリコートに添加する飽和結合法によって決定さ
れた。標識化化合物の各濃度での結合を、1nMの標識
化していないMVIIA OCTの不存在または存在下
に決定して特異的結合を求めた。各濃度で特異的に結合
した標識化ペプチドの量を用いてBmax、シナプトソー
ム上の特異的結合部位の濃度、および標準結合分析方法
(Bennett)の後で、Kdを求めた。図6Aは、
ラットシナプトソーム膜への[125I]MVIIAの飽
和結合曲線を示している。図6Bは、データのScat
chard変換を示し、そこから、約10pMの計算さ
れたKdが求められる。
【0111】B.競合的置換結合アッセイ 実施例3に記載されたように調製したラット脳シナプト
ソーム膜を、20mMHEPES,pH7.0、75m
M NaCl、0.1mM EGTA、0.1mM ED
TA、2μMロイペプチン、0.035μg/mlアプ
ロチニン、および0.1%子ウシ血清アルブミン(BS
A)からなる結合緩衝液中に懸濁した。[125I]−M
VIIA OCT(25−30,000cpm,約15
00〜2000Ci/mmol)および試験化合物をポ
リプロピレン管に1nM MVIIA OCTの不存在
下または存在下に分割して非特異的結合を求めた。膜サ
スペンションを稀釈しそして、各アッセイ管が10μg
の膜タンパク質を含みそして全容積が0.5mlになる
ように、最後に試験管に分割した。1時間室温でインキ
ュベーションした後、管を氷浴中に置き、次いで、GF
/Cフィルター(Whatman)を通して濾過し、そ
れを0.6%ポリエチレンイミン中で前もって浸しそし
て洗浄緩衝液(20mM HEPES,pH7.0、1
25mM NaCl、0.1%BSA)で、Milli
pore濾過システムを用いて予備洗浄した。濾過のほ
んの前に、各アッセイ管は3mlの氷冷した洗浄緩衝液
を受け取った。濾過した膜を2回3ml容積の氷冷した
洗浄緩衝液で洗浄し、乾燥し、そして、フィルターに結
合した放射能を、Beckman γ計数管中で測定し
た(75%計数効率)。
【0112】ラット脳シナプトソーム膜に関する代表的
置換結合曲線を図7に示した。IC50値は、4−パラメ
ーターロジスティファンクションによって作成されたラ
イン適合曲線から算定された。これらの値は、ラット脳
シナプトソーム膜への、[12 5I]MVIIA OCT
の全特異的結合を50まで阻害するのに必要な試験化合
物の濃度を表しており、そこでは、特異的結合は、過剰
の(1nM)未標識化[125I]MVIIA OCTの
不存在および存在下での[125I]MVIIAOCTの
結合の間の相違として定義される。このような値は、特
異的結合部位に関する一連の化合物の相対的親和性の近
似値として役に立つ。
【0113】各試験物質に関する結合定数(Ki)は、
別々の機会に二重に行われた2つのアッセイからの競合
的結合データの、非線形の、最小自乗法の回帰分析を用
いて計算された。KiおよびIC50(標識化化合物の5
0%が試験化合物によって置換される濃度)の間の関係
は、Cheng−Prusoff方程式: Ki=IC50/(1十[L]/Kd) 〔但し、IC50は、標識化リガンドの特異的結合を50
%まで減ずるのに必要な試験物質の濃度である;[L]
は、実験に使用した[125I]−MVIIA OCTの
濃度である;そしてKdは、飽和結合実験のラット脳シ
ナプトソーム膜への[125I]−MVII OCTの結
合について求められた結合定数である。〕によって表さ
れる。表3は、ラット脳シナプトソームのMVIIA結
合部位に関する種々のOCTペプチドについての、算定
されたIC50およびKi値をまとめている。
【0114】(実施例5) OCTMVIIA結合タンパク質の同定 ラット脳海馬領域(RHM)からのシナプトソーム膜
は、実施例3に記載されたように調製された。40μg
タンパク質を含むシナプトソーム調製物のアリコート
を、架橋結合緩衝液(20mM HEPES,pH7.
1、75mM NaCl、0.1mM EDTA、0.1
mM EGTA、0.002mMロイペプチン、0.5T
IU/mlアプロチニン)中で稀釈した。このサスペン
ションを次いでペレット化した(13,000×g、1
5分)。ペレットを次いで架橋結合緩衝液中に再懸濁
し、再度ペレット化しくそして結果として得られるペレ
ットを、架橋結合緩衝液中に懸濁して約1mg/mlの
最終的タンパク質濃度を有する洗浄されたシナプトソー
ム調製物を得た。
【0115】結合は、0.4mlの適当な架橋結合緩衝
液、0.05mlの洗浄したシナプトソーム調製物(結
合部位の濃度:(最終濃度:0.05μM)、0.05m
lの[125I]−MVII OCT(最終濃度:0.1n
M)を含む、全容積0.5mlの中で行われた。分けた
アリコートにおいて、0.005mlの未標識化MVI
IA OCTを添加して、非特異的結合を評価した(最
終濃度:0.05μM)。インキュベーションは、試料
をくるくると回転して、20〜24°で25分間であっ
た。
【0116】インキュベーション期間の終わりで、その
受容体に対する、結合した[125I]−MVIIA O
CTの架橋は、0.01mlの25mM 1−エチル−
3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドH
CL(EDC)をサスペンション(使用の直前に、25
mM PIPES,pH6.1に溶解されたEDC)に
添加することによって行われた。この混合物を10分間
氷温度で、断続的に混合しながら、インキュベーション
した。反応を、20mM酢酸アンモニウムの添加によっ
て抑えた。この混合物を次いで13,000×gで15
分間遠心分離することによってペレット化し、続いて1
〜2回、25mM HEPES緩衝液pH7.5中で再
懸濁しそしてペレット化することによって洗浄した。最
終的なぺレットを、20μlの新しい試料緩衝液(20
0mM Tris−HCl,10mMジチオトレイトー
ル、4M尿素、8%SDS、10%グリセロール、0.
1%ブロモフェノールブルー)中に溶解し、次いで、試
料の前加熱なしに、SDSPAGE(4〜15%アクリ
ルアミド勾配ゲル)にかけた。類似の実験を、
125I]GVIA OCTを架橋リガンドとして用い
て行った。
【0117】図8は、ラット脳シナプトソーム膜調製物
への[125I]MVIIA OCTおよび[125I]MV
IIB OCTの架橋結合を証明するオートラジオグラ
フを示す。多数のタンパク質バンドが、当該手順によっ
て標識化されるが、200〜230キロダルトンタンパ
ク質として移動するタンパク質バンドでの結合は、上述
したような過剰の未標識化リガンドの含有物によって特
に置換された。
【0118】これらの結果は、ラットシナプトソーム膜
への高い親和性特異的結合が少なくとも部分的には、ゲ
ル上の200〜230Kd領域中で移動するタンパク質
バンドでの結合に帰することを示唆している。他のバン
ドの標識化は、より低い親和性または非特異的結合のい
ずれかのためであり得る、なぜならば、これらのバンド
ヘの標識化は、未標識化リガンドによって置き換えられ
なかったからである。
【0119】(実施例6) シナプトソーム膜中のSVIB結合部位へのOCTペプ
チド結合 ラット脳シナプトソーム膜を、実施例3に記載したよう
に調製した。OCTSVIBを、実施例4に記載した、
Iodogen反応により125I−ヨウ素でヨウ素化す
ることにより放射能標識化した。ラット脳シナプトソー
ム膜上の放射能標識化SVIBの置換結合は、実施例4
Bと同様に行った。アッセイした、いくつかのOCTペ
プチドに関するSVIB置換曲線を図9に示す。IC50
値およびKi値は、実施例4に記載したように計算し
た。表4は、試験したOCTペプチドに関する計算した
i値、および、OCT MVIIA部位へのKi結合定
数とSVIB結合部位へのKi結合定数との比を示して
いる。
【0120】(実施例7) 解剖学的損傷の減少:全体的虚血モデル1 全体的虚血損傷を、標準手順(Kirino)に従っ
て、アレチネズミモデルにおいて調べた。体重50〜8
0gの雄のモンゴリアンアレチネズミ(Merione
s unguiculatus,Tumblebroo
k Farm,West Brookfield,マサ
チューセッツ州)を、70%亜酸化窒素(0.44L/
分)および30%酸素(0.19L/分)によって保持
される4%ハロセンで、小室中で麻酔した。それらを次
いで、2%ハロセンを用いた外科的処置の間ずっと、そ
れらの鼻を、ガス発射管上のゴム製のダム中の穴を通し
て置くことによって保った。無菌技術を用いて、両方の
共通の頸動脈を露出し、解剖して取り囲んでいる領域を
除き、そして、鎖骨の約3〜4mm上で微小血管クラン
プを用いて閉塞した。両方の動脈を閉塞する間、時間を
計って閉塞を8分間継続した。一般に、2つの動脈の各
々を締める間は、約1分間であり、そして、それらを締
めていない間は、約4秒であった。クランプを除いた
後、皮膚を縫合して閉じそして麻酔を中止した。
【0121】閉塞の間または後、側脳室をねらった大脳
室内(ICV)注射を行った。これをなし遂げるため
に、27ゲージ針を伴う10マイクロリットル Ham
ilton注射器を、この系内の空気の不存在を保証す
るためにバック充填により注射液(injectate
e)で満たした。堅いプラスチックスリーブを、針の
3.5mmがスリーブ通って突き出すように、針にはめ
た。ブレブマの周囲の頭蓋を露出し、真ん中の1.1m
m左の距離をコンパスで測定し、そしてブレグマの0.
4mm後ろの距離を目によって見積もった。針の先端を
頭蓋に垂直に保持しそしてそれを通して回転させながら
一般的圧力を適用することによってその点に挿入した。
それは、スリーブが頭蓋に接するまで進められ、そして
5マイクロリットルの注射液を約3秒間にわたって注入
した。次いで皮膚を縫合して閉じた。閉塞した動物は、
薬物またはそのビヒクルのいずれかを受け取った。注射
した、閉塞されていない対照は麻酔され、そしてICT
注射のみを受け取った。
【0122】動物をCO2で麻酔した。胸腔を開きそし
て頭蓋動物を心臓を通して、ヘパリン(10単位/m
l)を含む約3ミリリットルのリン酸緩衝塩類溶液(P
BS;0.10Mリン酸ナトリウム;0.15M塩化ナト
リウム)、その後約10mlのZamboni’s f
ix(0.1Mリン酸緩衝液pH7.4または10%リン
酸緩衝ホルマリン中15%(容積/容積)ピクリン酸4
%(重量/容積)パラホルムアルデヒド)で灌流した。
脳を取り除きそして同一の固定液に数時間浸しておい
た。
【0123】脳を視交叉のすぐ後でおよび乳頭体の後ろ
でブロックにした。次いでそれらを10%(重量/容
積)蔗糖中にPBS中で一晩4度で置いた。海馬を含む
ブロックを液体フレオン中でクリオスタットチャック上
に凍結組織検体のためのTissue−Tek(登録商
標)O.C.T.包埋媒体(Miles Inc.,E
lkhart,アイオワ州)を用いて液体フレオンで凍
結した。厚さ10ミクロンの切片を切った。海馬の適切
な部分が得られるまで(脳ごとに40〜50切片)、約
100ミクロン離れた各シリーズに関して5切片のシリ
ーズを集めた。脳ごとに少なくとも8切片を、実質的
に、報告された手順により、ヘマトキシリンおよびエオ
シンで染色した。
【0124】次いでカバーガラスを、接着剤としてPe
rmountTMを用いて、切片上に置いた。図10Aお
よび10Bは、虚血後くMVIIA OCT(10A)
の注入後または薬物ビヒクル後(10B)の動物中のア
ナネズミ海馬(CA1領域)の低倍率顕微鏡写真であ
る。図中の矢印は、海馬のCA1領域のおおよその境界
を示している。より高い倍率で、薬物処置虚血動物中の
細胞は、正常であると思われ(図11A)、他方、損傷
は、ビヒクルのみを受け取うた虚血動物中ではっきりし
ている(図11B)。完全な薬物保護の別の例は、図1
1Cに見られ、そして、部分的保護の例は、図11Dに
見られ、そこには、少数の損傷細胞が存在している。
【0125】切片、例えば、図10および11に見られ
るようなものは、個々の試料の処置を知らない調査者に
よって検査されそして採点された。虚血損傷は、海馬の
CA1領域中で採点された。損傷は一般にピンク色(エ
オシン好性)細胞質および収縮した、暗青色の核として
見られた。採点は以下に記載されたようなものであっ
た。
【0126】
【表11】 上記採点システムに基づいた、MVIIAまたはGVI
A OCTで処置した、あるいは、ビヒクルのみを受け
取った(対照)虚血動物中の解剖学的損傷の程度は、表
5中に示されている。8分間の閉塞の間、表5に示した
全用量で、当該ペプチドをICV注入により投与した。
理解されるように、より高い用量のMVIIA OCT
で処置した動物中の損傷の程度は、未処置動物中のそれ
の25%に過ぎなかった。GVIAペプチドは同様に、
50%より高い、損傷の減少を引起し、そしてより低い
用量は、ほぼ最高の有効性であった。
【0127】第二の処置方法において、OCTペプチド
を、上記と同一の薬物用量レベルで、8分の閉塞後1時
間、ICV注入によって投与した。薬物の存在および不
存在下での解剖学的損傷は、表6に示されている。
【0128】(実施例8) 解剖学的損傷の減少:アナネズミ虚血モデル2 全体的虚血損傷を、ラット中の一時的全体的虚血を誘導
するためのPulsinelliおよびBrierly
(Pulsinelli)の4容器閉塞方法を用いて、
ラット脳モデル中で調べた。2つの頸動脈は全脳に血液
を供給するが、それらの閉塞のみでは、前脳血流に対す
る中位の効果を有するに過ぎない、なぜならば、後部の
連絡動脈が、2つの脊椎動脈によって供給される脳幹血
液供給から血液の短絡を作ることを可能にするからであ
る。それ故、苛酷な前脳虚血を行うために、4つ全ての
血管を閉塞しなければならない。使用される手順は、虚
血を、外科的に移植されたクランプを閉じることによっ
て、意識のある動物中に引き起こし、それ故薬物処理と
の起こりうる相互作用を避けることを可能にする。手順
は、意識のある動物中の皮膚の傷を再び開く必要なしに
頸動脈閉塞を可能にするように修正された。
【0129】外科的処置は、両方の脊椎動脈を永久的に
閉塞するそして動脈クラスプを移植してより遅い時間で
の頸動脈の一時的閉塞を可能にするように行った。ベン
トバルビタールナトリウム麻酔(60mg/kg)の
下、雄のFisher344ラットを、定位的容器中に
置きそして第一頸部脊椎を解剖用顕微鏡を用いて露出し
た。脊椎動脈を、翼状の孔を通じて焼灼装置を用いて閉
塞しそして皮膚を傷クリップで閉じた。当該動物を、あ
お向けに置きそして頸動脈を注意深く解剖して取り囲む
神経および管を顕微鏡下に取り除いた。クラスプのSi
lasticループのくくりつけていない端を、動脈の
後ろに通しそしてクラスプのじゃまもののない側を経て
置きそして他方の末端について固定した。次いでこのこ
とを別の頸動脈について繰り返した。ループの末端を外
に向けさせるように皮膚を閉じる時、クラスプを、皮膚
に3−0縫合線で結紮した。
【0130】虚血を、手術の2日後に引き起こした。頸
動脈を閉塞するために、当該動物を、皮膚を、首の後ろ
で軽くつまむことによって保持しそして各ループの末端
を引出しそして、強力なクランプで固定した。15分閉
塞の終わりに、クランプを取り除いて再灌流した。有効
な閉塞は、当該動物に、閉塞の約1分内に、その直立応
答(righting response)を失わせ
る。当該動物が、閉塞の間に直立応答を失わないか、ま
たは、それを回復する時、ループをよりしっかり引いて
完全な頸動脈閉塞を確実にした。それらの直立応答を失
わない動物は、研究から除いた、なぜならば、これは、
未だかなりの大脳血流が存在することを示唆していたか
らである。
【0131】このような動物の神経病理学的分析(以下
参照)が、この観察を確かにしている、なぜならば、当
該損傷は、それらの直立応答を失う動物中よりも少ない
ことが発見されているからである。いくつかの動物は閉
塞の間に1回または2回自ら直立したが、直ちに直立応
答を再度失い、そして研究から除かれなかった。自ら直
立しそしてそのままの動物は除外された。
【0132】A.OCTペプチドの大脳室内投与 大脳室内(ICV)化合物を受け取ったラットを、ハロ
タンを用いて麻酔し、直ぐ後に再灌流し、そして5μL
塩類溶液中に含まれた化合物または塩類溶液のみを、ア
レチネズミについて側脳室に注射した。注射の座標は、
真ん中の1.2mm左そしてブレグマの後ろ0.5mm
で、深さ3〜4mmであった。直腸温度を、閉塞のちょ
うど前から、そして閉塞後4〜6時間監視した。ラット
は、閉塞に続く4〜6時間平常体温で維持された(直腸
温度約37度で)。神経保護の程度は表7に示されてい
る。
【0133】B.OCTペプチドの静脈内投与 大脳虚血のラット4−VOモデルに関する化合物の静脈
内(IV)投与について、ラットを上述したように手術
し次いで閉塞した。閉塞クランプを取り除いた後、ラッ
トを、Rodent Restraint Cones
(Harvard Bioscience)中に置い
た。可逆止血帯を尾静脈に適用し、そしてOCT MV
IIAを全容積0.25mlで、表8に示した用量で注
入した。ICV投与について、加熱装置を用いた閉塞の
後、ラットは4〜6時間平常温度で維持された(直腸温
度約37度で)。神経保護の程度は表8に示されてい
る。
【0134】(実施例9) 解剖学的損傷の減少:局部的虚血モデル 大脳虚血のラットの中央大脳動脈閉塞モデルを、SHR
系ラットで行った。ラットを、Evipan(150m
g/kg腹腔内)を用いて麻酔した。OCTMVIIA
を、例8に記載したように、5μlの容積で大脳室内に
左の側脳室へ注射した。10分以内に、左中央の大脳動
脈は、電気凝固によって永久的に閉塞された。閉塞が行
われた24時間後、ラットを再度Evipanで磁気共
鳴画像のために麻酔した。8つの冠状像が記録された。
各像中の梗塞像は、絵素を数えることによって決定され
た。表9には、ラットごとの、8つの冠状切片からの絵
素の平均総数が示されている。1.7μgのMVIIA
OCTでの処置(i.v.c.)は、中央大脳動脈閉
塞により引き起こされる平均梗塞サイズ面積を24%減
少する。この減少は、Mann−Whitney U試
験によってアッセイされるように、統計学的に重要であ
る。
【0135】(実施例10) 機能活性の損失に対する保護 A.機能亢進 大脳虚血の1つの共通する後遺症は、機能亢進であり、
それは、閉塞の数時間内の歩き回る行動として見られ
得、そして、その後数時間まで測定され得る。機能冗進
は、Automex活性モニター(Columbia
Instruments,Columbus,オハイオ
州)で量的に表され、それは、ラジオ周波数電界の摂動
を記録する。アレチネズミをそれぞれ17×27cmの
プラスチック製かご中で60分間、統計学的分析のため
に15分間ごとに記録した累積活性計数を用いて、試験
した。ベースライン活性を手術前に測定してこの測定に
関する異なる処置群の比較可能性を確実にした。
【0136】試験の結果は図13にプロットされてい
る。各試験曲線の下向きの傾斜は、当該動物は、試験環
境に、より馴れるにつれて、試験の、4つの15分間隔
(1〜4はベースラインについて、5〜8は1日目につ
いて、そして9〜12は3日目について)にわたり活性
が減少するためである。閉塞のみ(△)は、閉塞の1日
後にベースラインレベルを越えた活性レベルの著しい上
昇を引き起こし、そして、高められた活性レベルが3日
間にわたって、永久的な行動損傷を示して、観察され
た。ビヒクルのICT投与を受け取った、非閉塞対照動
物(○)は、試験期間を通じてベースライン活性レベル
のままであった。OCTペプチドそれ自体(9)は、虚
血の不存在下に、活性を下げ、そしてこの効果は3日目
ですらわずかに持続した。OCT MVIIAで処置し
た閉塞動物(▲)は、ペプチドのみによって引き起こさ
れる減ぜられた活性を明らかに反映して、1日目にベー
スラインより低い値を示した。3日目で、処置動物は、
ほぼ正常レベルの活性を示し、OCTペプチド処置が、
虚血誘発機能元進に対して保護を与えることを示した。
【0137】B.自発的交互 ここで使用されたタイプの虚血の、卓越した神経病理学
的結果が、場所的学習および記憶の欠落を引き起こすこ
とが知られている海馬損傷であるので、迷路行動におけ
る新しい(作動)記憶の試験を用いた。この試験はY迷
路を使用する。
【0138】アレチネズミを、Y迷路中で試験した、そ
こでは、当該動物は、迷路のステムの出発点に置かれ、
そして当該動物がアームに入った時に、ドアがその後ろ
で閉じられる。5秒後に、アレチネズミを、2〜12分
の試験間間隔(ITI)でそのホームケージに戻す。そ
の間隔の終わりに、アレチネズミを再度同一の方法で迷
路中で走らせる。たいていの正常のネズミは交互である
であろう、即ち、最初の試験で入ったアームに入るであ
ろう。場合により、動物は約1分以内にアームに入らな
かった、なぜならば、それは発作(seizure)を
有しており、それ故この試験から除外された。
【0139】個々の実験は、データの有意味な統計学的
評価を可能するには、グループごとに少なすぎる動物を
含んでいたので、結果を、海馬損傷に対する薬物処置に
よる保護の良好な証拠が存在する全ての実験について合
わせた(実施例7)。正の結果を有する実験のみが合わ
され、解剖学的保護が行動保護と関連しているかを決定
した。
【0140】自発的交互試験の結果を、少なくとも0.
1μgの用量の各化合物からの解剖学的保護が存在する
実験について表10に要約した。合わせたデータに関す
るカイ二乗検定法は、p<0.01で重要であった。各
ファクターを別々に調べるために合わせた処置群(例え
ば、閉塞された全て対未閉塞の全て、薬物処置にかかわ
らず)は、そぞれ、カイ二乗検定法によりp<0.05
で重要であることを示した;すなわち、(a)虚血は、
一層悪い行動を引き起こした、そして(b)行動のレベ
ルは、処置動物中で大部分再度蓄積された。
【0141】本発明が特別な実施態様に関して記載され
ているにもかかわず、当業者にとって、種々の変化およ
び修正は、本発明から離れることなくなし得ることは明
らかである。
【0142】参考文献 Ahmad,S.ら,Brain Research,
453:247−256(1988) Aitkenhead,A.(1986),Briti
sh Journalof Hospital Med
icine,:290−296 BaethmannおよびJansen (198
6),EuropeanNeurology,25,S
upplement 1:102−114 Bennett,J.P.ら,Neurotransm
itter Receptor Binding,p
p.61−89,Raven Press,ニューヨー
ク(1983) Berger,L.およびHakim,A.(198
8)Stroke,19:1257−1261 Brandt,L.,Ljunggrenm B.,S
aveland,H,,およびHyman,T.(19
88),Acta Neurochirurgica,
Supplement 45:11−20 Brint,S.ら,J.Cerebral Bloo
d Flow Metab.8:474−485(19
88) Gelmers,H.,Gorter,K.,Weer
dt,C.,Weizer,H.(1988),New
England Journal of Medic
ine 318:203−207 Goldberg,M.,Weiss,J.,Pha
m,P.およびChoi,D.(1987),The
Journal of Pharmacology a
nd Experimental Therapeut
ics 243:784−791 Gray,W.,Olivera,B.およびCru
z,L,(1988)Annual Review o
f Biochemistry 57:665−700 Hartley,D.およびChoi,D.(198
9)The Journal of Pharmaco
logy and ExperimentalTher
apeutics 250:752−758 Kirino,T.(1982)Brain Rese
arch,239:57−69 Langley,M.およびSorkin,E.(19
89),Drugs37:669−699 McCleskey,E.W.ら,Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA 84:4327−31
(1987) Newberg,L.,Steen,P.,Mild
e,J.およびMichenfelder,J.(19
84)Stroke 15:666およびその次の頁 Nowycky,M.C.,Fox,A.P.およびT
sien,R,W.,Nature(London),
316:440−443(1985) Pulsinelli,W.A.ら,(1979)St
roke,10:267−272 Olivera,B.,Mcintosh,J.,Cr
uz,L.,Luque,F.およびGray,W.
(1984)Biochemistry 23:508
7−5090 Olney,J.,Labruyere,J.およびP
rice,M.(1989)Science244:1
360−1362 Rivier,J.ら,J.Biol.Chem.26
2:1194−1198 Rothman,S.(1984)Journal o
f Neuroscience 7:1884−189
1 Sano,K.ら(1987)Eur J Pharm
acol,141:235−241 Simon,R.,Zwan,J.,Griffith
s,T.,Meldrum,B.(1984)Scie
nce 226:850−852 Tateishi,A.,Fleischer,J.,
Drumond,J.,Scheller,M.,Zo
rnow,M.,Grafe,M.およびSchapi
ro,H.,(1989)Stroke 20:104
4−1050 Van Reempts,J.およびBorgers,
M.(1984)Acad.Anaesthesiol
ica Belge 35,Supplement,2
09−218 Van Reempts,J.およびBorgers,
M.(1985)Annals of Emergen
cy Medicine 14:8およびその次の頁 Vibulsreth,S.,Dietrich,
W.,Bustro,R.,およびGinsberg,
M.(1987)Stroke 18:210−216 Wauquier,A.,Edmonds,H.,Cl
incke,G.(1987)Neuroscienc
e and Biobehavioral Revie
ws 11:287−306
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、いくつかの天然に生じるOCTペプチ
ドの一次配列を示す。
【図2】図2は、類似のOCTペプチドを示す。
【図3】図3は、未処置の神経芽細胞腫の細胞(3A)
中およびOCT MVIIAの、増加する濃度にさらさ
れた神経芽細胞腫の細胞(3B−3D)中の−100ま
たは−80mV〜−20mVの電圧ステップによって引
き起こされる電圧ゲートカルシウム電流(voltag
e−gated calcium current)ト
レースを示す。
【図4】図4は、OCT MVIIA(●)およびOC
TGVIA(▲)の関数として神経芽細胞腫細胞中の最
高の内向きのカルシウム電流の阻害パーセントをプロッ
トしている。
【図5】図5は、OCT MVIIA活性の関数とし
て、カリウム興奮(黒地棒)によるまたは基本の状態
(白地棒)におけるニューロン細胞からのノルエピネフ
リン放出の阻害を示す。
【図6】図6(AおよびB)は、OCT MVIIA濃
度の関数として、ラットシナプトソーム膜に結合したO
CT MVIIAの量(6A)、および、Scatch
ard プロットとしてプロットされた同一のデータ
(6B)を示す結合曲線である。
【図7】図7は、ラット脳シナプトソーム中のOCT
MVIIA結合部位に結合するOCTペプチドに関す
る、コンピューター適合競合的結合曲線を示す(ゼロの
非放射能標識リガンドで結合した[125I]の割合とし
ての、結合[125I]MVIIAが示されている)。
【図8】図8は、非放射能標識化OCTの存在(レーン
bおよびd)または不存在(レーンaおよびc)下で膜
に添加した共有結合した放射能標識化OCT MVII
A(レーンaおよびb)または共有結合したOCT G
VIA(レーンcおよびd)を有するラットシナプトソ
ーム膜の★のSDS−PAGEオートラジオグラムを示
す。
【図9】図9は、ラット脳シナプトソーム中のOCT
SVIB結合部位に結合するOCTに関するコンピュー
ター適合競合的結合曲線を示す。
【図10】図10A〜10Bは、虚血後の動物中のアレ
チネズミ海馬CA1領域の低倍率顕微鏡写真である。
【図11】図11A〜11Dは、薬物で処置した虚血動
物(11A,11C,11D)中、ビヒクルのみを受け
取った動物(11B)中、虚血細胞損傷に対するOCT
による完全な保護を示す動物(11C)中;および虚血
細胞損傷に対するOCTによる部分的保護を示す動物
(11D)中の細胞のより高い倍率の顕微鏡写真であ
る。
【図12】図12は、神経保護の全体的虚血モデル中の
種々のOCTペプチドで観察される海馬CA1細胞中の
神経保護の程度を示す。
【図13】図13は、(a)未閉塞および未処置の
(○)、(b)未閉塞およびMVIIAペプチドで処置
した(●)、(c)閉塞したが未処置の(△)および閉
塞しかつMVIIAペプチドで処置した(▲)動物中の
自発運動活性における変化をプロットしている。
【図14】図14は、OCTペプチドの神経保護および
不活性群のアミノ酸配列を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ビットナー・ロバート・エス アメリカ合衆国、インディアナ州、47906 ウエスト・ラファィエット、サミット・ ドライヴ、1520 (72)発明者 バワーサックス・スティーブン・エス アメリカ合衆国、カリフォルニア州、 94025 メンロー・パーク、ダンスムイア ー・ウエィ、148 (72)発明者 フォックス・ジェィムス・エィ アメリカ合衆国、カリフォルニア州、 94306 パロ・アルト、カールソン・サー クル、3708 (72)発明者 ヴァレンチノ・カレン・エル アメリカ合衆国、カリフォルニア州、 94070 サン・カルロス、トゥ・エルム・ ストリート、ナンバー202 (72)発明者 ヤマシロ・ドナルド・エィチ アメリカ合衆国、オハイオ州、44118 ク リーブランド・ハイツ・セブレンス・サー クル、30 アパートメント 407 Fターム(参考) 4C084 AA02 BA01 BA08 BA19 BA23 CA47 DA35 NA14 ZA011 ZA012 ZA021 ZA022 ZA361 ZA362 ZC022 4H045 AA10 AA30 BA18 CA50 DA83 EA23

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 哺乳動物中枢神経系ニューロン細胞にお
    けるノルエピネフリン放出を遮断する活性、および、ニ
    ューロン膜ω−コノトキシンMVIIA結合部位に結合
    する活性を有するニューロンカルシウムチャンネルアン
    タゴニストωコノトキシンペプチドであって、該遮断活
    性および該結合活性が、ω−コノトキシンMVIIA、
    GVIA、またはTVIAの遮断活性および結合活性の
    範囲内にあるペプチドを含む、哺乳動物種における虚血
    状態に関連するニューロン損傷を減ずるための薬学的組
    成物。
JP2001269591A 1989-11-22 2001-09-05 虚血関連ニューロン損傷を処置するための組成物 Withdrawn JP2002145798A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US44004989A 1989-11-22 1989-11-22
US440,049 1989-11-22

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP50152291A Division JP3809184B2 (ja) 1989-11-22 1990-11-21 虚血関連ニューロン損傷を処置するための組成物

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004028643A Division JP2004196814A (ja) 1989-11-22 2004-02-04 虚血関連ニューロン損傷を処置するための組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002145798A true JP2002145798A (ja) 2002-05-22

Family

ID=23747212

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001269591A Withdrawn JP2002145798A (ja) 1989-11-22 2001-09-05 虚血関連ニューロン損傷を処置するための組成物
JP2004028643A Withdrawn JP2004196814A (ja) 1989-11-22 2004-02-04 虚血関連ニューロン損傷を処置するための組成物

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004028643A Withdrawn JP2004196814A (ja) 1989-11-22 2004-02-04 虚血関連ニューロン損傷を処置するための組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (2) JP2002145798A (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004196814A (ja) 2004-07-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3809184B2 (ja) 虚血関連ニューロン損傷を処置するための組成物
US5424218A (en) Screening method for neuroprotective compounds
US5189020A (en) Method of reducing neuronal damage using omega conotoxin peptides
US5891849A (en) Methods and formulations for preventing progression of neuropathic pain
US6054429A (en) Epidural method of producing analgesia
CA2151741C (en) Methods of producing analgesia and enhancing opiate analgesia
JP3868494B2 (ja) オピオイドアンタゴニストおよびそれらの使用方法
US6136786A (en) Method for enhancing analgesia
KR101726893B1 (ko) 멜라노코르틴 수용체-특이적 펩티드
JP6279626B2 (ja) エンドモルフィンのμオピオイド受容体アゴニスト類似体
CA2224795C (en) Compositions and formulations for producing analgesia and for inhibiting progression of neuropathic pain disorders
JP2001509515A (ja) インテグリン結合ペプチド及びその使用
JP2010046088A (ja) 新規なぺプチド類
US5559095A (en) Delayed treatment method of reducing ischemia-related neuronal damage
JP6000245B2 (ja) 鎮痛作用とasicチャンネルを阻害する新規ペプチド
WO1993010145A1 (en) Compositions for delayed treatment of ischemia-related neuronal damage
US7049287B2 (en) Nociceptin-based analgesics
JP2009517376A (ja) 神経変性疾患の治療
US20030114399A1 (en) Human and mouse choline transporter cDNA
JP2002145798A (ja) 虚血関連ニューロン損傷を処置するための組成物
JP4512273B2 (ja) 新規なぺプチド類
JP2004512025A (ja) オメガ−コノペプチド
AU772915B2 (en) Neuropeptide Y agonists
JPH1121298A (ja) 知覚過敏抑制ペプチド

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20031002

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20041129