JP2002145171A - 摩擦抵抗低減型船舶 - Google Patents

摩擦抵抗低減型船舶

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JP2002145171A
JP2002145171A JP2000346851A JP2000346851A JP2002145171A JP 2002145171 A JP2002145171 A JP 2002145171A JP 2000346851 A JP2000346851 A JP 2000346851A JP 2000346851 A JP2000346851 A JP 2000346851A JP 2002145171 A JP2002145171 A JP 2002145171A
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frictional resistance
bubble blowing
blowing portion
outer plate
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JP2000346851A
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Chiharu Kawakita
千春 川北
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 航走中に船体に作用する水の摩擦抵抗を低減
し航走に必要なエネルギーを削減することで、低コスト
で運行可能な船舶を提供する。 【解決手段】 水面下に没する船体外板4に設けられた
気泡吹出部5と、船内に設置されて気泡吹出部5に接続
された圧縮空気供給源とを備える摩擦抵抗低減型船舶に
ついて、気泡吹出部5よりも船尾寄りに、船体外板4か
らさらに外方に張り出す膨出部7を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、航走中に船体に作
用する水の摩擦抵抗の低減を図る船舶に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、船舶が航走すると、水に没した
船体の表面に沿って乱流境界層が発達し、船体表面に摩
擦抵抗が作用する。この摩擦抵抗は、通常の船舶の場
合、船体に作用する全抵抗の多くを占めるため、船舶に
おいて摩擦抵抗の低減は重要な課題となっている。
【0003】この課題を解決するべく、船体の没水部表
面を微細な気泡または気液混合水で覆い、航走時に水か
ら受ける抵抗を低減しようという試みが従来からなされ
ている。例えば、船体外板に設けた小孔から船体外板に
対し垂直、または船体の斜め後方に向けて微細な気泡を
噴出する構造、あるいは小孔の部分に多孔質部材を配し
た構造を採用した例がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来構造では、小孔あるいは多孔質部材から噴出
した気泡が船体から遠ざかるように拡散してしまい、摩
擦抵抗低減に有効な船体外板近傍の領域に気泡群を集中
させることが困難である。また、摩擦抵抗低減には気泡
径をできるだけ小さくすることが有効であるが、従来構
造では、小孔あるいは多孔質部材から噴出される気泡の
大きさを制御が困難である。さらに、小孔あるいは多孔
質部材を設けられた気泡吹出部が水圧の影響を受け、水
深の浅いところから気泡が多く噴出し、深いところから
は気泡があまり噴出しないというように、水深によって
気泡が均一に噴出せず、船体を気泡で効果的に覆うこと
が困難である。
【0005】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、航走中に船体に作用する水の摩擦抵抗を低減し
航走に必要なエネルギーを削減することで、低コストで
運行可能な船舶を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの手段として、次のような構成の摩擦抵抗低減型船舶
を採用する。すなわち本発明に係る請求項1記載の摩擦
抵抗低減型船舶は、水面下に没する船体外板に設けられ
た気泡吹出部と、船内に設置されて前記気泡吹出部に接
続された圧縮空気供給源とを備える摩擦抵抗低減型船舶
であって、前記気泡吹出部よりも船尾寄りに、前記船体
外板からさらに外方に張り出す膨出部が設けられている
ことを特徴とする。
【0007】この摩擦抵抗低減型船舶においては、膨出
部が船体外板から張り出しているから、気泡吹出部から
噴出した気泡が船体から遠ざからずに流れるようにな
り、気泡の拡散が防止される。また、膨出部の後方では
圧力の上昇が起こって気泡の微細化が図られる。
【0008】請求項2記載の摩擦抵抗低減型船舶は、請
求項1記載の摩擦抵抗低減型船舶において、前記膨出部
の表面が、船首側で緩やかな弧を描き、船尾側では前記
船首側より急峻な弧を描いていることを特徴とする。
【0009】この摩擦抵抗低減型船舶においては、緩や
かな弧を描く船首側の膨出部の表面では流れに沿って圧
力が徐々に低下し、これによって気泡が膨出部の表面に
引き寄せられるように流れるため、気泡の拡散が防止さ
れる。船首側より急峻な弧を描く船尾側の膨出部の表面
では圧力が上昇するため、気泡の微細化が促進される。
【0010】請求項3記載の摩擦抵抗低減型船舶は、水
面下に没する船体外板に設けられた気泡吹出部と、船内
に設置されて前記気泡吹出部に接続された圧縮空気供給
源とを備える摩擦抵抗低減型船舶であって、前記気泡吹
出部には空気を噴出する小孔が複数形成され、該小孔の
単位面積当たりの個数が水深方向の甲板側より船底側で
多くなるように設定されていることを特徴とする。
【0011】この摩擦抵抗低減型船舶においては、小孔
の単位面積当たりの個数を水深方向の甲板側より船底側
で多くすることにより、甲板側では気泡の噴出量が抑え
られ、逆に船底側では気泡の噴出量が拡大される。これ
により、気泡の噴出量が水深(水圧の大小)に関係なく
均一化される。
【0012】請求項4記載の摩擦抵抗低減型船舶は、水
面下に没する船体外板に設けられた気泡吹出部と、船内
に設置されて前記気泡吹出部に接続された圧縮空気供給
源とを備える摩擦抵抗低減型船舶であって、前記船体外
板に隔てられた空間を空気充填室とし、該空気充填室を
隔てる前記船体外板に形成した小孔を形成することを特
徴とする。
【0013】この摩擦抵抗低減型船舶においては、船体
外板に隔てられた空間を空気充填室とし、該空気充填室
から船体外板に形成した小孔を通じて空気を噴出するこ
とにより、簡略に気泡発生の構造を構築できる。
【0014】請求項5記載の摩擦抵抗低減型船舶は、請
求項4記載の摩擦抵抗低減型船舶において、前記空気充
填室を水深方向に複数に区画してそれぞれを独立した空
気充填室とし、船底に近い空気充填室ほど高圧の空気を
充填することを特徴とする。
【0015】この摩擦抵抗低減型船舶においては、船底
に近い空気充填室ほど高圧であるから、船底に近い小孔
からの気泡の噴出圧も高くなる。したがって、船底側で
も気泡の噴出量が拡大される。これにより、気泡の噴出
量が水深に関係なく均一化される。
【0016】請求項6記載の摩擦抵抗低減型船舶は、水
面下に没する船体外板に設けられた気泡吹出部と、船内
に設置されて前記気泡吹出部に接続された圧縮空気供給
源とを備える摩擦抵抗低減型船舶であって、前記船体外
板の比較的浅い位置に船体の長手方向に延在して第2の
気泡吹出部が設けられ、該第2の気泡吹出部には空気を
噴出する小孔が複数形成され、該小孔の単位面積当たり
の個数が水深方向の甲板側より船底側で多くなるように
設定されていることを特徴とする。
【0017】この摩擦抵抗低減型船舶においては、水面
下の船体外板の比較的浅い位置、すなわち、水圧が小さ
く、気泡噴出のためのエネルギーが小さな位置に設置し
た第2の気泡吹出部から噴出した気泡が、船首水面付近
から船底方向へ向かう流れに沿って流れるため、気泡を
船底の外板表面に効果的に送り込むことが可能である。
しかも、小孔の単位面積当たりの個数を水深方向の甲板
側より船底側で多くすることにより、甲板側では気泡の
噴出量が抑えられ、逆に船底側では気泡の噴出量が拡大
される。これにより、気泡の噴出量が水深に関係なく均
一化される。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明に係る摩擦抵抗低減型船舶
の第1の実施形態を図1ないし図4に示して説明する。
図1に示すように、本実施形態の摩擦抵抗低減型船舶
は、船体1の後部にプロペラ2および舵3を有してい
る。そして船体1の前部(S.S.9 3/4より前方)
には、水面下に没する船体外板4に気泡吹出部5が設け
られており、船内に設置された圧縮空気供給源6から圧
縮空気の供給がなされるようになっている。気泡吹出部
5は水深方向に延在する領域に設けられており、この領
域には図2に示すように気泡を噴出する複数の小孔5a
が規則的に配列して設けられている。
【0019】また、船体1の前部には、気泡吹出部5よ
りも船尾寄りに、船体外板4からさらに外方に張り出す
膨出部7が設けられている。この膨出部7を平断面視す
ると、図3に示すように、船首側の表面7aは緩やかな
弧を描き、船尾側の表面7bは船首側の表面7aより急
峻な弧を描いて形成されている。
【0020】上記のように構成された摩擦抵抗低減型船
舶においては、膨出部7が船体外板4から張り出してい
るから、気泡吹出部5から噴出した気泡が船体1から遠
ざからずに流れるようになり、気泡の拡散が防止され
る。また、膨出部7の後方では圧力の上昇が起こり、こ
れによって気泡の微細化が図られる。
【0021】しかも、緩やかな弧を描く船首側の表面7
aでは流れに沿って圧力が徐々に低下し、これによって
気泡が表面7aに引き寄せられるように流れるため、気
泡の拡散が防止される。また、船首側より急峻な弧を描
く船尾側の表面7aでは圧力が上昇するため、気泡の微
細化が促進される。
【0022】図4には、平均ボイド率に対する摩擦抵抗
低減率を、膨出部7を設けた船舶と設けない船舶とに分
けて求めた結果を示す。これによると、ボイド率が低
い、すなわち気泡の噴出量が少ないうちは、膨出部7を
設けた船舶、設けない船舶いずれにおいても摩擦抵抗低
減率はほとんど同じ値を示す。ところが、気泡の噴出量
がある値を超えて増加すると、膨出部7を設けない船舶
が摩擦抵抗低減率に大きな変化を示さないのに対し、膨
出部7を設けた船舶が急激に摩擦抵抗低減率を低下させ
ることがわかる。
【0023】なお、気泡吹出部5は本実施形態のように
S.S.9 3/4より前方に設けることが望ましいが、
必ずしもこれに限定はされず、船体1の前部であって気
泡の噴出による摩擦低減が図れる位置であれば何処でも
よい。また、本実施形態においては、膨出部7を船体側
方から見て水深方向に長い楕円となるように形成した
が、例えばこれを図5に示すように水深方向に長い長円
となるように形成してもよい。
【0024】次に、本発明に係る摩擦抵抗低減型船舶の
第2の実施形態を図6に示して説明する。なお、上記第
1の実施形態において既に説明した構成要素には同一符
号を付して説明は省略する。図6に示すように、本実施
形態の摩擦抵抗低減型船舶では、気泡吹出部5に形成さ
れた小孔5aの単位面積当たりの個数が、水深方向の甲
板側より船底側で多くなるように設定されている。より
具体的には、水深の浅い甲板側では、等間隔に配列され
た小孔5aの列が縦に2列設けられているが、水深の深
い船底側では、小孔5aの列が縦に4列設けられてい
る。したがって、双方を比較すると、船底側に形成され
た小孔5aの単位面積当たりの個数は、甲板側に形成さ
れた小孔5aの単位面積当たりの個数の2倍に設定され
ている。
【0025】上記のように構成された摩擦抵抗低減型船
舶においては、小孔5aの単位面積当たりの個数を甲板
側より船底側で多くしたことにより、甲板側では気泡の
噴出量が抑えられ、逆に船底側では気泡の噴出量が拡大
されるため、気泡の噴出量が水深に関係なく均一化され
る。例えば、従来、小孔5aが縦に3列設けられていた
として本実施形態と比較すると、甲板側では小孔5aの
単位面積当たりの個数が2/3に減少し、船底側では小
孔5aの単位面積当たりの個数が4/3に増加すること
になり、甲板側と船底側とで気泡の噴出量の調整が図れ
る。
【0026】なお、本実施形態では、気泡吹出部5を甲
板側と船底側の2つのパートに分け、それぞれのパート
で小孔5aの単位面積当たりの個数を相違させて気泡の
噴出量を調整するようにしたが、気泡吹出部5をさらに
多くのパートに分け、甲板側のパートほど小孔5aの単
位面積当たりの個数を少なく、船底側のパートほど小孔
5aの単位面積当たりの個数を多くして気泡の噴出量を
調整してもよい。さらに、パート分けせず、甲板側から
船底側に向けて小孔5aの単位面積当たりの個数を漸次
多くしてもよい。但し、各パートごとの小孔5aの単位
面積当たりの個数は、各パートからの気泡の噴出量が均
一となるように適宜設定されることが望ましい。
【0027】次に、本発明に係る摩擦抵抗低減型船舶の
第3の実施形態を図7および図8に示して説明する。な
お、上記の各実施形態において既に説明した構成要素に
は同一符号を付して説明は省略する。図8に示すよう
に、本実施形態の摩擦抵抗低減型船舶では、船首下部の
球状船首を構成する船体外板4よって隔てられた船内の
空間10が、水深方向に複数区画されて独立した空気充
填室11,12,13となっており、それぞれに圧縮空
気供給源6から圧縮空気が供給されるようになってい
る。また、各空気充填室11,12,13と船外とを隔
てる船体外板4には、複数の小孔5aが形成されてい
る。小孔5aが形成された領域は水深方向に延在して気
泡吹出部5を構成している。なお、気泡吹出部5の位置
は図7に示すように上記第1の実施形態と同じである。
【0028】各空気充填室11,12,13に供給され
る圧縮空気には圧力差が与えられており、船底に近い空
気充填室13に最も高圧の空気が導入され、中段の空気
充填室12にそれに次いで高圧の空気が導入され、甲板
に近い空気充填室11には他の2つよりも低圧の空気が
導入される。
【0029】上記のように構成された摩擦抵抗低減型船
舶においては、船内の空間10を利用して気泡発生の構
造を構築している。空間10が設けられる船首下部の球
状船首は、当該船舶の造波抵抗を低減するために設けら
れたもので、特異な形状からその内部は空洞となってい
る場合が多い。本実施形態では、この部分を有効に利用
し、気泡発生の構造を簡略に構築することを可能にして
いる。
【0030】さらに、この摩擦抵抗低減型船舶において
は、船底に近い空気充填室ほど高圧であるから、船底に
近い小孔5aからの気泡の噴出圧も高くなり、船底側で
も気泡の噴出量が拡大される。なお、各空気充填室1
1,12,13の内圧はそれぞれの小孔5aからの気泡
の噴出量が均一になるよう適宜設定されることが望まし
い。
【0031】次に、本発明に係る摩擦抵抗低減型船舶の
第4の実施形態を図9および図10に示して説明する。
なお、上記の各実施形態において既に説明した構成要素
には同一符号を付して説明は省略する。図9に示すよう
に、本実施形態の摩擦抵抗低減型船舶では、水面下に没
する船体外板4の比較的浅い位置に、第2の気泡吹出部
15が設けられている。第2の気泡吹出部15は、船体
1の前部(F.P.〜S.S.8 1/2の間)にあって長
手方向に延在する領域に形成されている。
【0032】図10に示すように、第2の気泡吹出部1
5にも空気を噴出する小孔15aが複数形成されてお
り、これら小孔15aの単位面積当たりの個数は、水深
方向の甲板側より船底側で多くなるように設定されてい
る。より具体的には、小孔15aは船体1の長手方向に
沿って列を作り、この列が水深方向に4列設けられてい
るが、各列間の間隔は、甲板側ほど広く、船底側ほど狭
くなっている。
【0033】上記のように構成された摩擦抵抗低減型船
舶においては、水面下の船体外板の比較的浅い位置、す
なわち、水圧が小さく、気泡噴出のためのエネルギーが
小さな位置に設置した第2の気泡吹出部15から噴出し
た気泡が、船首水面付近から船底方向へ向かう流れに沿
って流れるため、気泡を船底の外板表面に効果的に送り
込むことが可能なので、気泡の噴出に要するエネルギー
を抑えつつ、摩擦抵抗の大幅な低減が図れる。
【0034】しかも、小孔15aの単位面積当たりの個
数が水深方向の甲板側より船底側で多くしたことによ
り、甲板側では気泡の噴出量が抑えられ、逆に船底側で
は気泡の噴出量が拡大されるため、気泡の噴出量が水深
に関係なく均一化される。これにより、摩擦抵抗の低減
が促されることとなる。
【0035】なお、第2の気泡吹出部15の配設位置は
F.P.〜S.S.8 1/2の間であることが望ましい
が、これに限定はされず、船体1の前部であって気泡の
噴出による摩擦低減が図れる位置であれば何処でもよ
い。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る請求
項1記載の摩擦抵抗低減型船舶によれば、気泡吹出部か
ら噴出した気泡が膨出部の表面に沿って流れるため、気
泡の拡散が防止される。また、膨出部の後方では圧力の
上昇が起こって気泡の微細化が起こる。これにより、航
走中に船体に作用する水の摩擦抵抗を低減することがで
きるので、航走に必要なエネルギーを削減して船舶の運
行に要するコストを引き下げることができる。
【0037】請求項2記載の摩擦抵抗低減型船舶によれ
ば、緩やかな弧を描く船首側の膨出部の表面では流れに
沿って圧力が徐々に低下し、これによって気泡が膨出部
の表面に引き寄せられるように流れるため、気泡の拡散
が防止される。船首側より急峻な弧を描く船尾側の膨出
部の表面では圧力が上昇するため、気泡の微細化が促進
される。これにより、摩擦抵抗のさらなる低減が可能と
なり、船舶の運行に要するコストを引き下げることがで
きる。
【0038】請求項3記載の摩擦抵抗低減型船舶によれ
ば、小孔の単位面積当たりの個数を水深方向の甲板側よ
り船底側で多くすることにより、甲板側では気泡の噴出
量が抑えられ、逆に船底側では気泡の噴出量が拡大され
るので、水深にかかわらず気泡の噴出量を均一化して水
面下の船体を全体的に疎密少なく気泡で覆うことができ
る。これにより、摩擦抵抗の低減が可能となり、船舶の
運行に要するコストを引き下げることができる。
【0039】請求項4記載の摩擦抵抗低減型船舶によれ
ば、船体外板に隔てられた空間を空気充填室とし、この
空気充填室から船体外板に形成した小孔を通じて空気を
噴出することにより、簡略に気泡発生の構造を構築でき
るので、摩擦抵抗低減型船舶の建造に要するコストを削
減することができる。
【0040】請求項5記載の摩擦抵抗低減型船舶によれ
ば、船底に近い空気充填室ほど高圧であるから、船底に
近い小孔からの気泡の噴出圧も高くなる。したがって、
船底側でも気泡の噴出量が拡大されるので、水深にかか
わらず気泡の噴出量を均一化して水面下の船体を全体的
に疎密少なく気泡で覆うことができる。これにより、摩
擦抵抗の低減が可能となり、船舶の運行に要するコスト
を引き下げることができる。
【0041】請求項6記載の摩擦抵抗低減型船舶によれ
ば、水面下の船体外板の比較的浅い位置、すなわち、水
圧が小さく、気泡噴出のためのエネルギーが小さな位置
に設置した第2の気泡吹出部から噴出した気泡が、船首
水面付近から船底方向へ向かう流れに沿って流れるた
め、気泡を船底の外板表面に効果的に送り込むことが可
能なので、気泡の噴出に要するエネルギーを抑えつつ、
摩擦抵抗の大幅な低減が図れる。しかも、小孔の単位面
積当たりの個数を水深方向の甲板側より船底側で多くす
ることにより、甲板側では気泡の噴出量が抑えられ、逆
に船底側では気泡の噴出量が拡大されるので、水深にか
かわらず気泡の噴出量を均一化して水面下の船体を全体
的に疎密少なく気泡で覆うことができる。これにより、
摩擦抵抗の大幅な低減が可能となり、船舶の運行に要す
るコストを引き下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1の実施形態を示す図であっ
て、摩擦抵抗低減型船舶の概略構成を示す側面図であ
る。
【図2】 同実施形態の船首近傍に設けられた気泡吹出
部および膨出部を示す側面図である。
【図3】 図2におけるIII-III線矢視断面図である。
【図4】 平均ボイド率に対する摩擦抵抗低減率を、膨
出部を設けた船舶と設けない船舶とに分けて求めた結果
を示すグラフである。
【図5】 膨出部の変形例を示す側面図である。
【図6】 本発明に係る第2の実施形態を示す図であっ
て、船首近傍に設けられた気泡吹出部を示す側面図であ
る。
【図7】 本発明に係る第3の実施形態を示す図であっ
て、摩擦抵抗低減型船舶、特に船体前部の概略構成を示
す側面図である。
【図8】 図7におけるVIII-VIII線矢視断面図であ
る。
【図9】 本発明に係る第4の実施形態を示す図であっ
て、摩擦抵抗低減型船舶、特に船体前部の概略構成を示
す側面図である。
【図10】 同実施形態の船首近傍に設けられた気泡吹
出部を示す側面図である。
【符号の説明】
1 船体 4 船体外板 5 気泡吹出部 6 圧縮空気供給源 5a 小孔 7 膨出部 11,12,13 空気充填室 15 第2の気泡吹出部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水面下に没する船体外板に設けられた気
    泡吹出部と、船内に設置されて前記気泡吹出部に接続さ
    れた圧縮空気供給源とを備える摩擦抵抗低減型船舶であ
    って、 前記気泡吹出部よりも船尾寄りに、前記船体外板からさ
    らに外方に張り出す膨出部が設けられていることを特徴
    とする摩擦抵抗低減型船舶。
  2. 【請求項2】 前記膨出部の表面が、船首側で緩やかな
    弧を描き、船尾側では前記船首側より急峻な弧を描いて
    いることを特徴とする請求項1記載の摩擦抵抗低減型船
    舶。
  3. 【請求項3】 水面下に没する船体外板に設けられた気
    泡吹出部と、船内に設置されて前記気泡吹出部に接続さ
    れた圧縮空気供給源とを備える摩擦抵抗低減型船舶であ
    って、 前記気泡吹出部には空気を噴出する小孔が複数形成さ
    れ、 該小孔の単位面積当たりの個数が水深方向の甲板側より
    船底側で多くなるように設定されていることを特徴とす
    る摩擦抵抗低減型船舶。
  4. 【請求項4】 水面下に没する船体外板に設けられた気
    泡吹出部と、船内に設置されて前記気泡吹出部に接続さ
    れた圧縮空気供給源とを備える摩擦抵抗低減型船舶であ
    って、 前記船体外板に隔てられた空間を空気充填室とし、 該空気充填室から前記船体外板に形成した小孔を通じて
    空気を噴出することを特徴とする摩擦抵抗低減型船舶。
  5. 【請求項5】 前記空気充填室を水深方向に複数に区画
    してそれぞれを独立した空気充填室とし、 船底に近い空気充填室ほど高圧の空気を充填することを
    特徴とする請求項4記載の摩擦抵抗低減型船舶。
  6. 【請求項6】 水面下に没する船体外板に設けられた気
    泡吹出部と、船内に設置されて前記気泡吹出部に接続さ
    れた圧縮空気供給源とを備える摩擦抵抗低減型船舶であ
    って、 前記船体外板の比較的浅い位置に船体の長手方向に延在
    して第2の気泡吹出部が設けられ、 該第2の気泡吹出部には空気を噴出する小孔が複数形成
    され、 該小孔の単位面積当たりの個数が水深方向の甲板側より
    船底側で多くなるように設定されていることを特徴とす
    る摩擦抵抗低減型船舶。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011110978A (ja) * 2009-11-24 2011-06-09 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 摩擦抵抗低減型船舶及び船体摩擦抵抗低減方法
JP2011201399A (ja) * 2010-03-25 2011-10-13 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 船舶の抵抗低減装置
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JP2014073812A (ja) * 2012-10-05 2014-04-24 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 船舶の摩擦抵抗低減装置、摩擦抵抗低減型船舶、及び船舶の摩擦抵抗低減方法

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