JP2002129689A - 床構造と建物 - Google Patents
床構造と建物Info
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Abstract
ることのできる床構造を提供する。 【解決手段】 相対する床梁に複数本の床小梁26を略
平行に差し渡し、この略平行な複数本の床小梁26の中
の3本以上の床小梁26に横架材4を架け渡して取り付
け、この横架材4を取り付けた床小梁26の中の隣合う
2本の床小梁26の間にダンパー機構と錘とからなる液
封ダンパー5を配置し、この液封ダンパー5を横架材4
に吊り下げる。
Description
床構造と、この床構造を備えた建物に関する。
り、人が歩いたり、床の上に物を落としたりすると、床
が振動し、この振動によって発生する衝撃音が下階に響
いて、下階に居る人の迷惑になる。かかることを防ぐた
めに従来種々な床構造が知られている。例えば、特開昭
62−59745号公報(従来例1と称する)には、相
対する床梁に床小梁を差し渡した骨格を備えた床構造で
あって、防振パッドを介在させた板バネで、床梁に床小
梁を連結した床構造が記載されている。
称する)には、ウエッブとフランジとからなる鋼製の相
対する床梁と、この相対する床梁の間に差し渡された鋼
製の床小梁と、床梁と床小梁の端部とを連結する連結片
とからなる床構造であって、床梁のウエッブ面と連結片
との間にゴム等の防振材を挟んで床梁と連結片を、又、
床小梁と連結片との間にゴム等の防振材を挟んで床小梁
と連結片とを連結した床構造が記載されている。
来例3と称する)には、相対する床梁に複数本の床小梁
を略平行に差し渡し、この略平行な隣合う床小梁の間に
制振材を差し渡し、この制振材の両端部を床小梁に取り
付けた床構造が記載されている。尚、この制振材として
はパーチクルボードや、パーチクルボードの中央部に錘
を取り付けた例が記載されている。
例4と称する)には、略平行な複数本の床小梁の上に床
材を設け、この隣合う床小梁にブロッキング材を差し渡
して取り付け、この床小梁に下面に下階の天井材を取り
付け、この天井材の下面に防振補強材を、ブロッキング
材と補強材とで天井材を挟む状態に、取り付けた床構造
が記載されている。
〜4記載の床構造は床の振動を制御し、衝撃音を小さく
することができるが、建物の部屋の中は静かであるほど
好ましい。そして、JISで規定されている測定方法で
L−55レベルまで低下させた床構造が良好な防音性の
よい床の一応の目安とされている。そして、上記従来例
1〜4記載の床構造では、軽量床衝撃音(LL)をLL
=55レベルまで低減させることは、比較的簡単に達成
できるが、重量床衝撃音(LH)をLH−55レベルま
で低減させることは困難である。
例2では、床梁と床小梁を、この間に防振パットを介在
させた板バネや防振材を挟んで、連結している。従っ
て、床小梁の振動が、防振パットや板バネや防振材等に
より吸収されて床梁に伝播し難く、その結果、この床小
梁の振動が床梁を伝って下階まで達する固体伝播は少な
くなるが、床小梁を骨格にした床全体の振動は減少せ
ず、子供が飛び跳ねたり、床の上に物を落下させる等で
床小梁が振動したときに発生する重量衝撃音は余り低減
されないまま下階に響く。
制振材を取り付けているので、床小梁が振動し難く、重
量衝撃音の発生がある程度は改善されるが、パーチクル
ボードや、パーチクルボードに錘を取り付けた制振材で
は、LL=55まで低減させることは極めて困難であ
る。又、従来例4記載の床構造では、床小梁にブロッキ
ング材を取り付け、更に、天井材を挟んで補強材を取り
付けているので、床全体の剛性が増加していて床が細か
く振動する軽量衝撃音を低減することはできるが、床全
体が大きく振動する重量衝撃音の改善は少ないし、床小
梁に直接下階の天井材が取り付けられているので、上階
の床の振動が直接下階の天井に固体伝播で伝わり、下階
での騒音がLL=55まで減少させることは極めて困難
である。
H−55レベルまで低減させることのできる床構造を提
供することである。
するためになしたものであって、請求項1記載の発明
は、相対する床梁に複数本の床小梁が略平行に差し渡さ
れ、この略平行な複数本の中の3本以上の床小梁に横架
材が架け渡されて取り付けられ、横架材が取り付けられ
た床小梁の中の隣合う2本の床小梁の間にダンパー機構
と錘が配置され、このダンバー機構を介して錘が横架材
に吊り下げられている床構造を特徴とするものである。
ー機構とは、弾性体と粘性体とを組み合わせて、振動を
急速に低減するようにしたものであり、通常、ダンパー
が使用される。このダンパーとしては種々あるが、ゴム
製の上板と金属製の側壁と金属製の下板とからなる密封
容器と、この密封容器のゴム製の上板を貫通した状態に
して上板に取り付けた軸と、密封容器の中に充満した粘
稠な液体と、密封容器の側壁との間に小さな隙間を設け
た状態にして密封容器内の軸に取り付けたダンピングプ
レートとからなる液封ダンバーが背丈が低く、上階の床
と下階の天井との間の隙間の小さい建物等にも取り付け
ることができ、好ましい。尚、ダンピングプレートに小
さな通孔を設けてもよい。
ことであって、シリコーンオイル、潤滑油、植物油等が
好適であり、特にシリコーンオイルが好適である。本発
明に使用されるダンパー機構を介して横架材に吊り下げ
られる錘は、上記液封ダンパーと一体になったものでも
よいし、別のものでもよい。即ち、ゴム製の上板に連結
されている液封ダンパーの容器の一部(例えば、容器の
下板または横壁)を重くして錘としてもよいし、ダンパ
ーの容器の一部に錘を吊り下げたものでもよい。この
際、使用する錘としては、重量で10kg〜30kgが
好ましい。
けて使用する。すると、床小梁が振動したときには、ゴ
ム製の上板を介して取り付けられている密封容器の側壁
と底板は重く直ちに振動し難いので、先ず、横架材と軸
を通ってダンピングプレートのみが振動し、この振動に
よってダンピングプレートは、密封容器内に充満されて
いる粘稠な液体の中を上下運動しようとするが、この上
下運動しようとする力によって、ダンピングプレートと
密封容器の側壁との間の小さな隙間(又はこの隙間及び
ダンピングプレートに設けられた小さな通孔)を粘稠な
液体が移動するだけしかダンピングプレートは移動しな
い。しかも、この粘稠な液体は、粘度の高い粘稠な液体
が小さな隙間(又はこの隙間及びダンピングプレートに
設けられた小さな通孔)を通るために抵抗が大きく、少
しずつしか移動できない。
介して取り付けられているので、軸が振動すると、この
軸と側壁と底板の間の位置を一定に保とうとするゴム製
の上板の弾性によって、側壁と底板とが軸より遅れて移
動する。この位相の差によって、この軸の振動と異なる
振動をする側壁と底板とが床振動に従って振動する軸の
振動を阻止しようとする。このようにして、床小梁の振
動は、粘稠な液体による粘性とゴム製の上板の弾性によ
って大きく減衰される。即ち、上記液封ダンパーは、ゴ
ム製の上板の弾性と粘稠な液体の粘性とがダンパー機構
を構成し、重い側壁と下板とが錘を構成し、このダンパ
ー機構に錘が吊り下げられた構造になっている。
明に係り、前記横架材が床小梁より大きな剛性を有する
ものである。この請求項2記載の発明に使用する横架材
は床小梁より大きな剛性を有するが、この剛性として
は、横架材の撓み強度が床小梁の5倍以上が好ましく、
更に好ましくは10倍以上である。
なる複数階建ての建物であって、上記上階の床が請求項
1又は2記載の床構造であり、この上階の床と下階の天
井との間に吸音材が設けられている建物を特徴とするも
のである。
トと上階の建物ユニットとからなる複数階建ての建物で
あって、前記下階の建物ユニットと前記上階の建物ユニ
ットは、矩形状の四隅に立設された柱と、この柱の下端
部に設けられた床と、柱の上端部に設けられた天井とか
らなり、下階の建物ユニットの柱の上に上階の柱を載置
した状態にして、下階の建物ユニットの上に上階の建物
ユニットが据え付けられ、上階の建物ユニットの床が請
求項1又は2記載の床構造であり、上階の建物ユニット
の床と下階の建物ユニットの天井との間に吸音材が設け
られている建物を特徴とするものである。
発明に使用する吸音材とは、音を大きく吸収する性質を
有する物質のことであり、ガラスウール、岩綿板、綿等
の繊維を板状にしたものや、ポリスチレン発泡体やウレ
タン発泡体、天然ゴム発泡体等の発泡体が好適である。
請求項1又は2記載の床構造となっている。即ち、建物
ユニットの床小梁に横架材が架け渡され、この横架材に
ダンパー機構と錘が吊り下げられているが、このダンパ
ー機構と、ダンパー機構を介して吊り下げられる錘と
は、建物ユニットの床に略均等に取り付けることが好ま
しい。即ち、1個のダンパー機構を介して錘を吊り下げ
る場合には、床の振動をほぼ均等に低減するように、建
物ユニットの床の略中央の床小梁が好ましく、2個以上
の場合には、建物ユニットの床の中心点を中心にした対
称の位置の床小梁に取り付けることが好ましい。尚、こ
のダンパーと錘とからなる組の数は、建物ユニットの大
きさによって異なるが2個以上が好ましい。そして、こ
のダンパー機構と錘とからなる組を取り付ける床小梁の
位置は、床小梁が最も振動し易い略中央が好ましい。
る床梁に床小梁が略平行に差し渡され、この床小梁に横
架材が架け渡されて取り付けられ、この横架材が取り付
けられた床小梁の中の隣合う2本の床小梁の間にダンパ
ー機構と錘が配置され、このダンバー機構を介して錘が
横架材に吊り下げられているので、床の上を子供が飛び
跳ねたり、人が歩いたり、床の上に物を落したりして床
が振動して床小梁が振動すると、この床小梁に差し渡さ
れた横架材、ダンパー機構を経て錘が振動する。又、こ
の錘の振動は、反射して、反対方向、即ち、ダンパー機
構、横架材を経て床小梁を振動させる。この両方の振動
はダンパー機構を通過する間に大きく減衰する。特に、
このダンパー機構は、重量床衝撃を効果的に低減させる
ことができる。
取り付けられているし、錘は重く、しかも、ダンパー機
構を介して吊り下げられているので、両者の固有振動は
大きく異なる。そして、床小梁の振動が、この異なる固
有振動の両者を振動させるために大きなエネルギーを消
耗し、床小梁が振動し難くなっている。このように、床
振動がダンパー機構による減衰と、床小梁とダンパー機
構を介して吊り下げられている錘との異なる固有振動の
2つの相乗効果で、床振動は急激に低減し、床衝撃音が
小さくなる。
行に差し渡され、この複数本の床小梁の中の3本以上の
床小梁に横架材が架け渡されて取り付けられているの
で、この架け渡された3本以上という多くの床小梁の異
なる振動を相殺させると共に、この横架材に吊り下げら
れている1組のダンパー機構と錘で3本以上の床小梁を
振動し難くすることができる。
られた横架材とダンパー機構の作用によって広い範囲の
床の振動が効率よく減衰され、LH−55を達成するこ
とができる。又、横架材が取り付けられた床小梁の中の
隣合う2本の床小梁の間にダンパー機構と錘が配置され
ているので、床と下階の天井との間の隙間の狭い建物に
もダンパー機構と錘を取り付けることができる。
より大きな剛性を有するので、この剛性の大きな横架材
が3本以上の床小梁を強固に連結して別々に振動できな
くし、その結果、それぞれ異なった床小梁の振動を効率
よく相殺すると同時に、この床小梁の振動をストレート
にダンパー機構と錘に伝達し、このダンパー機構と錘の
作用で床小梁を振動し難くする。
らなる複数階建ての建物であって、上記上階の床が請求
項1又は2記載の床構造であり、この上階の床と下階の
天井との間に吸音材が設けられているので、上階の床の
上を子供が飛び跳ねたり、人が歩いたり、床の上に物を
落としたりして、床が振動しても、請求項1又は2記載
の作用の項で説明したように、床構造が振動し難くなっ
ている上に、床振動によって発生した衝撃音が床と天井
との間に設けられている吸音材に吸収され、下階に届き
難くなっている。従って、請求項1又は2記載の床構造
より下階に衝撃音が届き難く、下階の居住性が更によく
なる。
ットと上階の建物ユニットとからなる複数階建ての建物
であって、前記下階の建物ユニットと前記上階の建物ユ
ニットは、矩形状の四隅に立設された柱と、この柱の下
端部に設けられた床と、柱の上端部に設けられた天井と
からなり、下階の建物ユニットの柱の上に上階の柱を載
置した状態にして、下階の建物ユニットの上に上階の建
物ユニットが据え付けられ、上階の建物ユニットの床が
請求項1又は2記載の床構造であり、上階の建物ユニッ
トの床と下階の建物ユニットの天井との間に吸音材が設
けられているので、上階の床の上を子供が飛び跳ねた
り、人が歩いたり、床の上に物を落としたりして、床が
振動しても、請求項1又は2記載の作用の項で説明した
ように、床構造が振動し難くなっている上に、上階の床
が振動しても、この床の振動は、上階の柱から、この上
階の柱が載っている下階の柱を伝って天井に到達すると
いうように、上階の柱と下階の柱との間で一旦途切れる
ので、2階の柱から1階の柱に伝播される固体伝播によ
る振動が小さくなるし、この床の振動によって発生する
衝撃音は、床と天井との間に設けられている吸音材に吸
収され、下階に届き難くなっている。
到達し難くなる構造が幾重にも設けられているので、下
階の重量衝撃音をLH−55レベル迄低減させることが
できる。
例で説明する。図1〜図8は本発明の他の実施例を示す
もので、図1(イ)はユニット建物を示す斜視図、
(ロ)は(イ)のA部分(1階の天井と2階の床部分)
を各構成部材に分解して示す斜視図、図2は1階の建物
ユニットを示す一部切欠斜視図、図3は2階の建物ユニ
ットを示す一部切欠斜視図、図4は図3のB部分を拡大
して示す斜視図、図5は液封ダンパーの位置を示す床の
平面図、図6(イ)は液封ダンパーの取付状態を示す平
面図、(ロ)は(イ)の正面図、図7(イ)は液封ダン
パーの垂直断面図、(ロ)と(イ)のC−C線における
断面図、図8は液封ダンパーを取り付けている状態を示
す斜視図である。
あり、このユニット建物Uは、図1に示すように、基礎
9の上に9個の建物ユニット1が据え付けられて1階が
形成され、この1階の建物ユニット1の上に9個の建物
ユニット2が据え付けられて2階が形成され、この2階
の建物ユニット2の上に屋根パネル3が取り付けられた
ものである。
に、矩形の四隅に立設した4本の鋼製の四角筒体の柱1
1と、この4本の柱11の下端部を矩形の辺に沿って連
結した4本の鋼製の断面コ字形の長尺体の床梁12と、
この4本の柱11の上端部を矩形の辺に沿って連結した
4本の鋼製の断面コ字形の長尺体の天井梁13とからな
る骨格を備えている。
の相対する長辺の床梁12、12に10本の鋼製の四角
筒体の床小梁15が略平行に差し渡されて取り付けら
れ、この床小梁15の上に複数本の木製の床根太16が
取り付けられ、この上にパーチクルボードの床材14が
取り付けられて床が形成され、相対する長辺の天井梁1
3、13に複数本の木製の天井野縁17が略平行に差し
渡されて取り付けられ、この天井野縁17の下面に石膏
ボードの天井材18が取り付けられ、天井野縁17の上
に合板の補強板75が載せられ、この補強板75の上に
仕切り板76とロックウール板の吸音材7が取り付けら
れて天井が形成されたものである。
井梁13との間に間柱19が取り付けられ、この間柱1
9の屋外側と屋内側にそれぞれ外壁材と内壁材とが取り
付けられ、この外壁材と内壁材との間にガラスウールの
断熱材が設けられて壁が形成されている。
比較すると、図3に示されているように、略平行に差し
渡された4本の床小梁12に横架材4が架け渡され、こ
の横架材4の略中央の床小梁12間に2組の液封ダンパ
ー5と錘6が取り付けられていること、床根太26の上
にパーチクルボードの床材24が取り付けられ、この床
材24の上に炭酸カルシウム粉末を含有した合成ゴムの
制振シート8が設けられていること、天井野縁17の上
に補強板や吸音材がないことが異なる。即ち、建物ユニ
ット2は、建物ユニット1と同じように、矩形の四隅に
立設した4本の鋼製の四角筒体の柱21と、この4本の
柱21の下端部を矩形の辺に沿って連結した4本の鋼製
の断面コ字形の長尺体の床梁22と、この4本の柱21
の上端部を矩形の辺に沿って連結した4本の鋼製の断面
コ字形の長尺体の天井梁23とからなる骨格を備えてい
る。
の相対する長辺の床梁22、22に10本の鋼製の四角
筒体の10本の床小梁25が略平行に差し渡されて取り
付けられ、この床小梁25の上に複数本の木製の床根太
26が取り付けられ、この上にパーチクルボードの床材
14が取り付けられ、この略平行に差し渡された10本
の中の4本からなる2組に床小梁12に横架材4が架け
渡され、4本の組の略中央の隣合う2本の床小梁12の
間に液封ダンパー5が配置され、この液封ダンパー5が
横架材4に取り付けられ、床根太26の上に床材24が
取り付けられ、この床材24の上に制振シート8が取り
付けられて床が形成され、相対する長辺の天井梁23、
23に複数本の木製の天井野縁27が略平行に差し渡さ
れて取り付けられ、この天井野縁27の下面に石膏ボー
ドの天井材28が取り付けられて天井が形成されたもの
である。
井梁23との間に間柱29が取り付けられ、この間柱2
9の屋外側と屋内側にそれぞれ外壁材と内壁材とが取り
付けられ、この外壁材と内壁材との間にガラスウールの
断熱材が設けられて壁が形成されている。この建物ユニ
ット2に取り付けられる横架材4は、床小梁25の略1
0倍の撓み強度の有する板状体であり、図4及び図5に
示すように、4本の床小梁25に架け渡され、この4本
の床小梁25のそれぞれにビス45で固定されている。
る。液封ダンパー5は、図7に示すように、ゴム製の上
板511と金属製の円筒状の側壁512と金属製の下板
513とからなる密封容器51と、この密封容器51の
上板511を貫通した状態にして、上板511に取り付
けられた軸52と、密封容器51の中に充填されたシリ
コーンオイルの粘稠な液体53と、密封容器51の軸5
2に取り付けられたダンピングプレート54とからな
る。このダンピングプレート54と密封容器51の側壁
512との間には小さな隙間59が設けられているし、
ダンピングプレート54にも小さな4個の通孔541が
設けられている。又、軸52の上端部には雄ネジ521
が形成されている。
gで錘6を兼用する。そして、4本の床小梁25に架け
渡された横架材4の略中央に設けられた通孔42に液封
ダンパー5の軸52が挿入され、この軸52の先端に設
けられた雄ネジ521に螺着されたナット55で液封ダ
ンパー5が、床小梁25に吊りさげられた状態に、取り
付けられている。このようにして、図5に示す2箇所に
液封ダンパー5が取り付けられている。
ていると、床小梁25が振動したときには、ゴム製の上
板511を介して取り付けられている側壁512と下板
513は重く振動し難いので、先ず、横架材4と軸52
を通ってダンピングプレート54だけが振動し、この振
動によってダンピングプレート54は、密封容器51内
に充満されている粘稠な液体53の中を上下運動しよう
とするが、このダンピングプレート54の上下運動しよ
うとする力によって、ダンピングプレート54と密封容
器51の側壁512との間の小さな隙間58と、ダンピ
ングプレート54に設けられた小さな通孔59を粘稠な
液体53が移動するだけしか、ダンピングプレート54
は移動しない。しかも、粘度の高い粘稠な液体53が小
さな隙間58とダンピングプレート54に設けられた小
さな通孔59を通るときの抵抗が大きく、この粘稠な液
体53は少しずつしか移動できない。
及び底板513とは、ゴム製の上板511を介して取り
付けられているので、軸52が振動すると、この軸52
と側壁512と軸52との間の位置を絶えず一定に保と
うとする弾性によって、側壁512と底板513が軸5
2より遅れて移動する。この位相の差によって、この軸
52の振動と異なる振動する側壁512と底板513と
が床振動25に従って振動する軸52の振動を阻止しよ
うとする。
液体53と上板511の弾性からなるダンパー機構と、
密封容器51の側壁512および底板513からなる錘
6とによって大きく減衰される。即ち、異なる作用する
ゴム製の上板511の弾性と粘稠な液体53の粘性とが
ダンパー機構を構成し、重い密封容器51の側壁512
及び底板513が錘6を構成し、このダンパー機構に錘
6が吊り下げられた構造となっている。
めて小さくコンパクトな構造になっているので、建物ユ
ニット2の床小梁25間に配置し、床小梁25に取り付
けられている横架材4に取り付けることによって、建物
ユニット2をフォークリフトが運搬させたり保管する際
の邪魔になる程、床小梁25の下端から液封ダンパー5
を下方に突出させることなく液封ダンパー5を取り付け
ることができる。具体的には、床梁22より下方に突出
させることなく取り付けることができる。
の実施例では、床仕上げ材99にカーペットを使用して
いるが、この床仕上げ材99は、化粧合板であってもよ
いし畳であってもよいし、その他の床仕上げ材でもよ
い。
び作用について説明する。工場で、1階の建物ユニット
1、2階の建物ユニット2、屋根パネル3を製造する。
この際、ユニット建物2では、床小梁25に液封ダンパ
ー5(ダンパー機構と錘6)が取り付けられているか
ら、液封ダンパー5を工場等の設備の整った場所で速
く、しかも、寸法精度よく取り付けることができる。
ト1、2階の建物ユニット2、屋根パネル3を施工現場
に運搬する。施工現場では、予め設けられている基礎9
の上に、9個の建物ユニット1を据え付けて1階を形成
し、この1階の建物ユニット1の上に9個の建物ユニッ
ト2を据え付けて2階を形成し、この2階の建物ユニッ
ト2の上に屋根パネル3を取り付けたり、床仕上げ材9
9を敷いたり、種々な仕上げを行うと、ユニット建物U
が完成する。
では、2階の建物ユニット2には、平行な床小梁25の
上に床根太26が差し渡されて取り付けられ、この床根
太26の上に床材24が取り付けられ、この床材の上に
制振シート8が取り付けられているので、この制振シー
ト8の上に床仕上げ材99を取り付けて使用している
と、子供等が床仕上げ材99の上で飛び跳ねたり、人が
歩いたり、床仕上げ材99の上に物が落下したりして
も、この衝撃は、床材24と床仕上げ材99との間に設
けられている制振シート8によって緩和されて床材24
や、その下の床根太26、床小梁25の振動が小さくな
る。
の床小梁25に横架材4が差し渡され、この横架材4に
ダンパー機構と錘6とからなる液封ダンパー5が取り付
けられている。従って、この床で子供が飛び跳ねたり、
人が歩いたり、床の上に物を落下させたりして発生した
床小梁25の振動は、この床小梁25に差し渡された横
架材4、液封ダンパー5(ダンパー機構を介して吊り下
げられている錘6)を振動させる。又、この錘6の振動
は、反射して反対方向、即ち、液封ダンパー5、横架材
4を経て床小梁25を振動させる。この両方の振動は液
封ダンパー5を通過する間に大きく減衰する。
板511の上に突出している軸52が横架材4に取り付
けられ、この軸52にゴム製の上板511を介して密封
容器51の側壁512と下板513とからなる錘6が取
り付けられているから、床小梁25から横架材4を通っ
て軸52に伝わった振動と反射した振動は、ダンピング
プレート54と密封容器51の側壁512との間の小さ
な隙間59とダンピングプレート54に設けられた小さ
な通孔541を往復移動する粘稠な液体53の粘性と、
軸52と、側壁512及び下板513とからなる錘6の
位置を絶えず一定に保とうとするゴム製の上板511の
弾性とからなるダンパー機構と、錘6で大きく減衰す
る。
壁512と下板513であるから、長く、しかも、両端
が床梁に取り付けられている床小梁25とは、固有振動
が大きく異なり、この固有振動の大きく異なる両者を振
動させるために大きなエネルギーが消費される。又、剛
性の大きな横架材4が4本の床小梁25に架け渡されて
連結されているので、この横架材4が4本の床小梁25
を強固に連結して、別々に振動できなくし、その結果、
それぞれ異なった床小梁の振動を相殺すると同時に、床
振動をストレートに液封ダンパー5に伝達し、この液封
ダンパー5の作用で床小梁を振動し難くすることで、広
い面積の床を効率よく振動し難くする。
材7が設けられているので、2階の床振動によって発生
する衝撃音が、この吸音材7によって吸収されて、下階
に届き難くなっている。又、1階の建物ユニット1と2
階の建物ユニット2とは分離しているので、この間で固
体伝播が途切れて、2階の建物ユニット2の振動が1階
の建物ユニットに固体伝播によって伝わり難くなってい
る。
ト8、床小梁に取り付けられた横架材4、この横架材4
に吊り下げられた液封ダンパー5、1階の床と2階の天
井の間に設けられた吸音材7、1階の建物ユニット1と
2階の建物ユニット2との分離というように幾重にも振
動や衝撃音を低減させる構造が設けられているので、2
階の床振動によって発生する衝撃音が1階まで伝わり難
く、LH−55を達成することができる。実際に、この
ユニット建物Uの2階の建物ユニット2の床の上に錘を
落下させて重量衝撃音を発生させて、1階の建物ユニッ
ト1の部屋で衝撃音をJISに定めた測定方法で測定し
たところ、LH−53以下であった。
複数本の床小梁が略平行に差し渡され、この略平行な複
数本の中の3本以上の床小梁に横架材が架け渡されて取
り付けられ、横架材が取り付けられた床小梁の中の隣合
う2本の床小梁の間にダンパー機構と錘が配置され、こ
のダンバー機構を介して錘が横架材に吊り下げられてい
るから、床の上を子供が飛び跳ねたり、人が歩いたり、
床の上に物を落下させたりして床が振動して床小梁が振
動しても、この床振動は、ダンパー機構と錘による減衰
と、床小梁と錘の固有振動が異なり振動し難いこととの
相乗効果で、床振動は急激に低減し、床衝撃音が小さく
なるし、3本以上というように多くの床小梁の振動が1
組のダンパーと錘で振動し難くなり、効率よく広い面積
の床振動が低減され、LH−55を達成することができ
る。又、このダンバー機構は2本の床小梁の間に配置さ
れているので、床と下階の天井との間の隙間の小さい建
物等にもダンパーを取り付けることができる。
り大きな剛性を有するから、この剛性の大きな横架材が
3本以上の床小梁を強固に連結し別々に振動し難くし
て、3本以上の床小梁の異なった振動を効率よく相殺す
ると同時に、この床小梁の振動をストレートにダンパー
機構と錘に伝達し、このダンパー機構と錘の作用で床小
梁を振動し難くする。
なる複数階建ての建物であって、上記上階の床が請求項
1または2記載の床構造であり、この上階の床と下階の
天井との間に吸音材が設けられているから、上階の床の
上を子供が飛び跳ねたり、人が歩いたり、床の上に物を
落としたりして、床が振動しても、請求項1又は2記載
の効果と同様に、床が振動し難くなっている上に、床振
動によって発生した衝撃音が床と天井との間に設けられ
ている吸音材に吸収され、下階に届き難くなっている。
従って、請求項1又は2記載の床構造より下階に衝撃音
が届き難く、下階の居住性が更によくなる。
トと上階の建物ユニットとからなる複数階建ての建物で
あって、前記下階の建物ユニットと前記上階の建物ユニ
ットは、矩形状の四隅に立設された柱と、この柱の下端
部に設けられた床と、柱の上端部に設けられた天井とか
らなり、下階の建物ユニットの柱の上に上階の柱を載置
した状態にして、下階の建物ユニットの上に上階の建物
ユニットが据え付けられ、上階の建物ユニットの床が請
求項1又は2記載の床構造であり、上階の建物ユニット
の床と下階の建物ユニットの天井との間に吸音材が設け
られているから、上階の床の上を子供が飛び跳ねたり、
人が歩いたり、床の上に物を落としたりして、床が振動
しても、請求項1又は2記載の効果と同様に、床構造が
振動し難くなっている上に、2階の床構造が振動して
も、この床構造の振動は直接下階の天井に伝播せず、固
体伝播も1階の柱と2階の柱と1階の柱との間で一旦途
切れるし、この床の振動によって発生する衝撃音は、床
と天井との間に設けられている吸音材に吸収され、下階
に届き難くなっている。このように、上階の床振動が下
階の天井に到達し難くなる構造が幾重にも設けられてい
るので、下階の重量衝撃音をLH−55レベル迄低減さ
せることができるのである。
ニット建物を示す斜視図、(ロ)は(イ)のA部分(1
階の天井と2階の床部分)を各構成部材に分解して示す
斜視図である。
る。
る。
図、(ロ)は(イ)の正面図である。
(イ)のC−C線における断面図である。
図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 相対する床梁に複数本の床小梁が略平行
に差し渡され、この略平行な複数本の中の3本以上の床
小梁に横架材が架け渡されて取り付けられ、横架材が取
り付けられた床小梁の中の隣合う2本の床小梁の間にダ
ンパー機構と錘が配置され、このダンバー機構を介して
錘が横架材に吊り下げられていることを特徴とする床構
造。 - 【請求項2】 前記横架材が床小梁より大きな剛性を有
することを特徴する請求項1記載の床構造。 - 【請求項3】 上階と下階とからなる複数階建ての建物
であって、上記上階の床が請求項1又は2記載の床構造
であり、この上階の床と下階の天井との間に吸音材が設
けられていることを特徴とする建物。 - 【請求項4】 下階の建物ユニットと上階の建物ユニッ
トとからなる複数階建ての建物であって、前記下階の建
物ユニットと前記上階の建物ユニットは、矩形状の四隅
に立設された柱と、この柱の下端部に設けられた床と、
柱の上端部に設けられた天井とからなり、下階の建物ユ
ニットの柱の上に上階の柱を載置した状態にして、下階
の建物ユニットの上に上階の建物ユニットが据え付けら
れ、上階の建物ユニットの床が請求項1又は2記載の床
構造であり、上階の建物ユニットの床と下階の建物ユニ
ットの天井との間に吸音材が設けられていることを特徴
とする建物。
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CN113789904A (zh) * | 2021-10-08 | 2021-12-14 | 上海蓝天房屋装饰工程有限公司 | 一种机场用铝格栅装配式吊顶结构及其施工工艺 |
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