JP2002126462A - 溶媒除去方法 - Google Patents

溶媒除去方法

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JP2002126462A
JP2002126462A JP2000332515A JP2000332515A JP2002126462A JP 2002126462 A JP2002126462 A JP 2002126462A JP 2000332515 A JP2000332515 A JP 2000332515A JP 2000332515 A JP2000332515 A JP 2000332515A JP 2002126462 A JP2002126462 A JP 2002126462A
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volatile
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Hideyuki Murata
秀之 村田
Makoto Miyashita
真 宮下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明が解決しようとする課題は、反応性も
しくは重合性を有する、溶媒除去温度で液状である不揮
発性もしくは難揮発性の目的物質を含む処理液から、こ
れらの目的物質を反応もしくは重合させることなく、効
率的かつ経済的に溶媒を除去する方法を提供することに
ある。 【解決手段】 溶媒除去温度で液状である不揮発性又は
難揮発性の物質と揮発性溶媒とを含有する処理液から、
揮発性溶媒を透過させる分離膜を用いて、揮発性溶媒を
除去する溶媒除去方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は不揮発性又は難揮発
性の物質と揮発性溶媒とを含む処理液から揮発性溶媒を
効率よく除去する方法に関し、特に反応性もしくは重合
性を有する、溶媒除去温度で液状である不揮発性又は難
揮発性の物質を含む処理液から、これらの物質を反応も
しくは重合させることなく、揮発性溶媒を除去する優れ
た溶媒除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に有機合成により製造される物質
は、反応制御等の目的から、希釈溶媒、例えばトルエン
などの揮発性の溶媒中で合成されることが多い。従っ
て、目的物質の合成後は、この希釈溶媒を反応溶液から
除去する脱溶媒工程が必要となる。
【0003】このような脱溶媒法として、従来は凝縮器
付きの槽型容器を用いて、回分式にて反応及び重合を起
こさせない程度の高温に反応液を加熱し、真空ポンプを
用いて槽内を減圧し、反応液から溶媒のみを留去させ
る、いわゆる減圧脱溶剤法が用いられてきた。
【0004】この減圧脱溶剤法は除去すべき溶媒濃度が
高いときには、比較的効率的に脱溶媒できるものの、脱
溶媒が進み、反応液中の溶媒濃度が5%程度になると単
なる加熱と減圧では効果的に溶媒除去ができず、目的と
する溶媒濃度に達するまで長時間を要することが多い。
また、途中、局部的な加熱により副反応、重合を引き起
こし、品質の劣化につながることも多い。
【0005】加えて、脱溶媒すべき目的物質の不揮発
性、又は難揮発性物質が少量多品種である場合、連続化
による生産性向上が困難である場合が多い。また近年の
環境重視の観点から、製品中の溶媒を100ppm程度
まで低減させることが求められているが、上述のように
残留溶媒が低濃度になると、脱溶媒に要する時間が極端
に長くなり、生産性が著しく阻害される。
【0006】一方、膜分離装置を用いて二液成分を分離
する従来技術としては、浸透気化法と膜蒸留法が知られ
ている。両手法ともに水とアルコール類の分離や炭化水
素など揮発性液状物質の分離を対象としている。浸透気
化法はポリビニルアルコールなどの非対称膜やシリコン
ゴム等を分離膜素材として用い、揮発性二成分の分離膜
に対する溶解度、及び分離膜内の拡散係数の差を利用し
て、二液成分を分離するものであり、揮発性液状二成分
の膜に対する分離係数により、使用できる分離膜が制限
される。
【0007】これに対して膜蒸留法はポリプロピレンや
四フッ化エチレン等の疎水性微多孔膜を用い、通常の蒸
留と同様に二成分の気液平衡関係に従って、両成分を分
離する手法である。この際、膜からの液漏れを防止する
ため、膜面に無数に存在する孔の孔径制御が重要である
が、一般に液漏れを防止することは困難なので、浸透気
化法のように気相側を高減圧にできず、窒素等の分離場
に影響を及ぼさない気体を気相側に通気し、気相中の揮
発性物質の分圧を低下させ、液相と気相の分圧差を利用
して分離することが多い。
【0008】但し、膜蒸留法では、分離はあくまで揮発
性液状二成分の気液平衡関係に従って行われるので、共
沸点を有する場合や沸点差が小さい二成分の分離には不
向きであり、実際は液液分離より、水の脱気などに利用
されることが多い。しかしながら、これら膜分離装置を
用いた二液成分分離の従来技術には、完全な液液二成分
の分離例は多く報告されているものの、溶媒除去温度で
液状である不揮発性もしくは難揮発性の目的物質を含む
処理液から、これらの目的物質を反応もしくは重合させ
ることなく、効率的かつ経済的に溶媒を除去する為に分
離膜を使用した例は報告されていなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、反応性もしくは重合性を有する、溶媒除去
温度で液状である不揮発性もしくは難揮発性の目的物質
を含む処理液から、これらの目的物質を反応もしくは重
合させることなく、効率的かつ経済的に溶媒を除去する
方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、鋭意研究した結果、揮発性溶媒を透
過させる分離膜を用いて、揮発性溶媒を除去する溶媒除
去方法により、上記課題が解決できることを見出し、本
発明を完成するに到った。
【0011】即ち、本発明は、(1)溶媒除去温度で液
状である不揮発性又は難揮発性の物質と揮発性溶媒とを
含有する処理液から、揮発性溶媒を透過させる分離膜を
用いて、揮発性溶媒を除去する溶媒除去方法と、
【0012】(2)一方の分離膜面を減圧状態に保ちな
がら、他方の分離膜面に処理液を接触させながら流すこ
とを特徴とする(1)に記載の溶媒除去方法と、
【0013】(3)パージガスを一方の分離膜面に接触
させながら流し、分離膜の他方の分離膜面に処理液を接
触させながら流すことを特徴とする(1)に記載の溶媒
除去方法と、
【0014】(4)一方の分離膜面を減圧状態に保ちな
がら、膜を透過した溶媒の該分離膜面への凝縮を防ぐ為
に、適宜、パージガスをリークしつつ、他方の分離膜面
に処理液を接触させながら流すことを特徴とする(1)
に記載の溶媒除去方法と、
【0015】(5)分離膜として、四フッ化エチレン、
ポリイミド及びシリコンゴムからなる群から選ばれる材
料からなる膜を用いる(1)〜(4)のいずれか1つに
記載の溶媒除去方法と、
【0016】(6)分離膜が中空糸膜である(1)〜
(5)のいずれか1つに記載の溶媒除去方法と、
【0017】(7)溶媒除去温度で液状である不揮発性
又は難揮発性の物質が、反応性もしくは重合性物質であ
る(1)〜(6)のいずれか1つに記載の溶媒除去方法
と、
【0018】(8)処理液中の揮発性溶媒の含有量が5
重量%以下である(1)〜(7)のいずれか1つに記載
の溶媒除去方法と、
【0019】(9)処理液を同一の分離膜で2回以上循
環処理する(1)〜(8)のいずれか1つに記載の溶媒
除去方法と、
【0020】(10)溶媒除去温度で液状である不揮発
性又は難揮発性の化合物が、重合性モノマー及び/又は
重合性オリゴマーである(1)〜(9)のいずれか1つ
に記載の溶媒除去方法とを含むものである。
【0021】
【実施の形態】本発明でいう溶媒除去温度で液状である
不揮発性の物質とは、少なくとも溶媒除去温度で液状で
あって、明確な沸点を持たず、所定温度以上に達すると
熱分解を起こす物質をいい、溶媒除去温度で液状である
難揮発性物質とは、少なくとも溶媒除去温度で液状であ
って、且つ極めて蒸気圧が低い物質をいう。また揮発性
溶媒とは、水もしくは炭化水素、アルコール、エーテ
ル、ケトン、芳香族化合物などの有機物質のうち、明確
な沸点を有し、加熱により揮発する性質を有する物質を
いう。
【0022】本発明で言う処理液とは、不揮発性又は難
揮発性の物質と揮発性溶媒とを含有する液を言い、これ
らの成分が全て溶解した溶液であることが好ましいが、
必ずしも溶液に限らず、エマルジョン状態の分散液でも
二層に分離したものであっても良いし、溶媒除去温度で
液状である不揮発性又は難揮発性の物質が液状になって
溶媒と混合しているものであっても良い。
【0023】ここで、溶媒除去温度で液状であるとは、
不揮発性又は難揮発性の物質と揮発性溶媒とを含有する
処理液から、分離膜を用いて揮発性溶媒を除去する際
に、分離膜での処理温度条件で、該不揮発性又は難揮発
性の物質が液状であれば良く、溶媒の除去温度以下、即
ち、例えば常温で固体であっても良い。分離膜を用いて
揮発性溶媒を除去する際に、不揮発性又は難揮発性の物
質が固体として析出すると、分離膜を傷つけたり、送液
装置を詰まらせる恐れがある為、好ましくない。
【0024】本発明の揮発性溶媒を透過させる分離膜を
用いた溶媒除去方法は、反応終了後、反応触媒や中和処
理での副生沈殿物を濾過除去した反応液や、反応物を溶
媒で抽出した抽出液等にそのまま適用して溶媒を除去し
て良いが、本発明の分離膜を用いた溶媒除去方法の利点
は、濃縮物中に残存溶媒が少なくなった後に、特にその
効力を発揮する為、本発明の分離膜を用いた溶媒除去方
法の実施に先だって、これらの処理液を凝縮器のついた
反応器で、減圧下、もしくは常圧で撹拌しながら溶剤を
流去して濃縮したり、又はこれら処理液を貯蔵槽などの
供給槽から移送ポンプを用いて、一般の加熱脱溶剤装置
に供給して予め予備濃縮を行うことが、経済的、及び効
率的観点からより好ましい。
【0025】一般の加熱脱溶媒装置の例としては、回分
式蒸発缶、ロータリーエバポレーター、遠心式薄膜蒸発
機などが挙げられる。この予備濃縮工程により、通常、
溶媒濃度が10〜90重量%(以後、単に%と称する)
である処理液の溶媒濃度を10%未満、好ましくは5%
程度に低減させる。一般的に、残存溶媒濃度が5%程度
までは、これらの一般的な加熱脱溶媒装置により、容易
に処理液中の溶媒を除去することができる。従って、予
備濃縮され処理液中の揮発性溶媒の含有量が5重量%以
下となった処理液を本発明の分離膜を用いた溶剤除去方
法で処理することが好ましい。
【0026】従来の技術である液液分離を目的とした浸
透気化法及び膜蒸留法は、揮発性を有する二成分もしく
は多成分の液状物質の分離に利用される技術であり、用
いられる分離膜の素材や構造は、その分離膜素材の分離
係数や気液平衡関係によって選択される必要がある。
【0027】しかしながら、本発明の溶剤除去方法に用
いられる、揮発性溶媒を透過させる分離膜は、膜自身が
揮発性溶媒を透過させ、耐溶剤性及び耐熱性を有してい
れば、膜の素材及び構造は特に限定されない。耐溶剤性
及び耐熱性に優れる膜素材の例としては、主にガス分離
に利用されているポリイミド微多孔膜や、浸透気化法や
ガス分離に利用されているシリコンゴム膜、固液精密分
離に利用されている四フッ化エチレンの微多孔膜などが
挙げられる。
【0028】これらの分離膜には、中空糸、平膜、スパ
イラル型など種々の型があり、本発明にはいずれの型の
分離膜も使用可能であるが、単位体積あたりの膜面積を
大きくとれる中空糸膜が特に好ましい。これら分離膜の
膜厚は特に限定されないが、通常30μm〜300μm
である。また中空糸膜の外径も特に限定されないが、実
用上100μmから2mmが好ましい。
【0029】本発明の溶媒除去方法は、分離膜の一方の
分離膜面を減圧状態に保ちながら、他方の分離膜面に処
理液を接触させながら流す溶媒除去方法、パージガスを
一方の分離膜面に接触させながら流し、分離膜の他方の
分離膜面に処理液を接触させながら流す溶媒除去方法、
又は一方の分離膜面を減圧状態に保ちながら、膜を透過
した溶媒の該分離膜面への凝縮を防ぐ為に、適宜、パー
ジガスをリークし減圧状態を更新しつつ、他方の分離膜
面に処理液を接触させながら流す溶媒除去方法のいずれ
でもあっても良い。
【0030】ここで言うパージガスとは、気化除去され
る溶媒のキャリアガスとなるものであり、目的とする溶
媒除去温度で液状である不揮発性又は難揮発性の物質に
質的変化をもたらさないガスであればいかなるものでも
良く、一般に除塵空気、や不活性ガスである窒素等が用
いられ、目的とする不揮発性又は難揮発性の物質の性質
に応じて、例えば、酸化されやすい物質である場合は不
活性ガスを用いる等のように、使い分ければ良い。
【0031】中空糸膜を用いた膜分離装置では中空糸の
外側に処理液を供給し、中空糸内部を減圧もしくは空気
などのパージガスを通気する外部灌流型と、中空糸内部
に処理液を供給し、外側を減圧もしくはパージガスを通
気する内部灌流型がある。
【0032】分離膜の一方の分離膜面を減圧状態に保ち
ながらとは、分離膜の一方の分離膜面に接する減圧状態
が、常に水流ポンプや真空ポンプで減圧状態に更新、維
持されていることを意味し、いったん分離膜面を減圧に
した後し、徐々に揮発性溶媒の蒸気で真空度が低下して
いくことは好ましくない。この保持すべき減圧状態の減
圧度は特に限定されないが、60kPa以下、好ましくは
10kPa以下である。
【0033】またパージガスを通気する場合もその流速
は特に限定されないが、中空糸膜を用いた外部灌流型膜
分離装置においては、毎秒10cm以上、内部灌流型に
おいては毎秒1cm以上が好ましい。更に、実用上は減
圧操作を行いつつパージガスをリークさせる方法が、分
離膜を透過した溶媒が該分離膜面に凝縮するのを防ぐ意
味で特に好ましい。
【0034】分離膜の能力は主に処理液が膜に接する領
域に形成される液相境膜と膜内の物質移動抵抗によって
支配される。この内、液相境膜抵抗は境膜厚みを薄くす
ることにより、低減させることができる。液相境膜厚み
を薄くする技法としては、処理液の流速を速くする、処
理液を乱流化するなどが挙げられる。特に外部灌流型膜
分離装置では処理液を中空糸群に直角に接触させること
により、大幅に境膜厚みを低減させることができる。
【0035】外部灌流型膜分離装置は中空糸群の外側の
隙間を流れるため、比較的圧力損失が小さい上、流れが
乱流化しやすいので、液相の境膜抵抗が小さくなり、揮
発性物質の透過速度が大きくなる利点があるが、装置が
大型化すると、滞留部ができやすく、能力が低下する傾
向にある。また内部灌流型は比較的細い中空繊維の内側
を流れるので圧力損失が高くなる傾向にある上、中空糸
内の流れが層流であり乱流化による透過速度の増大を見
込めない。しかしながら滞留部ができにくい利点があ
る。
【0036】分離膜を複数使用する場合は、その配列は
直列接続と並列接続が考えられる。一般に、分離膜単体
の単位時間の処理量が同じであれば、直列接続の方が並
列接続に比して装置能力が高い。これは膜分離装置内の
処理液の流速が前者の方が速いので、液相境膜がより薄
くなり、その結果境膜抵抗が小さくなるためである。
【0037】これに対して、並列接続の場合は各膜分離
装置の処理量が少なくなるため、装置内の流速が遅くな
り、その結果圧力損失を小さく抑えることができるの
で、処理液の粘度が高い場合に有用である。従って、こ
れらは用いる処理液中の溶媒除去温度で液状である不揮
発性又は難揮発性の物質に応じて、適宜、選択すること
が好ましい。
【0038】本発明は溶媒除去温度で液状である不揮発
性又は難揮発性の化合物が、反応性もしくは重合性の物
質である場合に特に有用であり、具体的には、反応性も
しくは重合性の官能基を有し、熱、光、機械的摩擦(シ
エア)等により、反応もしくは重合を引き起こして品質
劣化を招きやすい物質の処理に適している。これらのよ
り具体的な例としては、重合性モノマー及び/又は重合
性オリゴマーである。
【0039】更に、これら重合性モノマー及び/又は重
合性オリゴマーの具体例を挙げれば、アクリレート基、
ビニル基、イソシアネート基、エポキシ基、マレイミド
基、シリル基等の反応性もしくは、重合性官能基を有す
る重合性モノマー及び/又は重合性オリゴマーであり、
特にこれらの反応性もしくは重合性の官能基を1分子中
に1つ以上有する多官能重合性モノマー及び/又は重合
性オリゴマーが挙げられる。
【0040】これらの具体例としては、例えば、多官能
(メタ)アクリレート類が挙げられ、更に具体的には、ネ
オペンチルグリコールジアクリレート、ジペンタエリス
リトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパン
エトキシトリアクリレート、トリメチロールプロパント
リメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラア
クリレートなどが挙げられる。
【0041】本発明の溶媒除去方法を用いた連続式の脱
溶媒プロセスの例を図1に示す。不揮発性又は難揮発性
の物質中に揮発性溶媒が10%〜90%含まれている処
理液を反応器や貯蔵槽などの供給槽から、移送ポンプ
を用いて加熱脱溶媒装置に供給し、膨張弁を介し
て脱溶媒槽にフラッシュさせ、揮発性溶媒の濃度を5
%以下に予備濃縮する。なお脱溶媒槽は真空ポンプを用
いて所定圧力の減圧状態の維持されている。
【0042】濃縮された処理液をさらに移送ポンプにて
分離膜装置に供給する。処理液は分離膜面の一方に接
触しつつ流れ、他方の分離膜の透過側は減圧に維持する
か、もしくはパージガスを供給する。または減圧状態を
保ちながら、時々、パージガスを供給する。この際、透
過した揮発性溶媒の凝縮を防止するため、ガス加熱器を
を用いて透過側の温度を所定温度に維持する。所定濃
度にまで揮発性溶媒の濃度を下げた処理液は膜分離装置
から連続的に排出される。
【0043】次に本発明の溶媒除去方法を用いた循環式
の脱溶媒プロセスの例を図2に示す。不揮発性又は難揮
発性物質中に揮発性溶媒が10%〜90%含まれている
処理液を脱溶媒槽内で揮発性溶媒の濃度が5%以下に
なるまで予備濃縮する。続いて濃縮された処理液をポン
プにて膜分離装置に供給する。処理液は分離膜面の一方
に接触しつつ流れ、他方の分離膜の透過側は減圧に維持
するかもしくはパージガスを供給する。
【0044】または減圧状態を保ちながら、時々、パー
ジガスを供給する。この際、透過した揮発性溶媒の凝縮
を防止するため、ガス加熱器をを用いて透過側の温度
を所定温度に維持する。膜分離装置から排出される処理
液を再び脱溶媒槽に戻し、処理液中の揮発性溶媒濃度が
所定濃度に達するまで循環操作を続ける。これらの溶媒
除去方法は、処理液量や残存溶媒値等の目的や用途に応
じて、これらの溶媒除去装置を適宜、直列もしくは並列
に複数つないで用いることもできる。
【0045】本発明の溶媒除去方法は、処理液を複数の
分離膜を直列に通して溶媒除去することや、複数に分割
した処理液を複数の分離膜を用いて並列的に処理するこ
と、更に処理液を複数回循環させて分離膜を通すこと等
により、長時間を要していた不揮発性もしくは難揮発性
物質の脱溶媒を連続的にかつ効率的に達成することがで
き、従来法では困難であった残存溶媒濃度にまで、製品
中の残存溶媒濃度を効率的に低減させることができる。
【0046】また本発明の膜分離装置は従来のごとく長
時間の加熱を必要としないので、省エネルギー的である
ばかりでなく、重合による変色や増粘等の変質劣化を防
ぐことができ、特に反応性もしくは重合性物質の脱溶媒
方法として特に有用である。その上、処理液と気相が膜
により仕切られているため、従来問題とされてきた高減
圧に伴う不揮発性もしくは難揮発性物質のミスト飛散に
よる凝縮器の閉塞を防げことができ、長期的に安定に操
作できる利点を有する。
【0047】
【実施例】(実施例1)シリコンゴム製の中空糸分離膜
をSUS304製の容器内に納め、中空糸の両端がふさ
がらないよう封止した内部灌流型膜分離装置を用いて、
揮発性物質として1%のトルエンを含有するトリメチロ
ールプロパンエトキシトリアクリレートからのトルエン
の除去試験を行った。使用した中空糸分離膜モジュール
の仕様を表1に示す。
【0048】処理温度は膜分離装置の入口でほぼ85℃
になるようにコントロールした。処理液の流量は20〜
100g/分の範囲で設定した。操作圧力は真空コント
ローラを用いて行い、必要に応じて外気をリークさせ
た。リークさせた空気量はマスフローメーターを用いて
測定した。また処理液は膜分離装置で処理後、回収しガ
スクロマトグラフィーを用いて残留するトルエン濃度を
測定した。試験結果を表2に示す。尚、処理前の処理液
中のトルエン濃度は1%であった。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】(実施例2)同様に表1に記載した内部灌
流型膜分離装置を用いて揮発性物質として1%のヘプタ
ンを含有するトリメチロールプロパンエトキシトリアク
リレートからのヘプタンの除去試験を行った。処理温度
は膜分離装置の入口でほぼ85℃になるようにコントロ
ールした。処理液の流量は20〜100g/分の範囲で
設定した。
【0052】操作圧力は真空コントローラを用いて行
い、必要に応じて外気をリークさせた。リークさせた空
気量はマスフローメーターを用いて測定した。また処理
液は膜分離装置で処理後、回収しガスクロマトグラフィ
ーを用いて残留するヘプタン濃度を測定した。試験結果
を表3に示す。尚、処理前の処理液中のヘプタン濃度は
1%であった。
【0053】
【表3】
【0054】(実施例3)表4に記載した外部灌流型膜
分離装置を用いて、揮発性物質として1%のトルエンを
含有するトリメチロールプロパンエトキシトリアクリレ
ートからのトルエンの除去試験を行った。処理温度は膜
分離装置の入口でほぼ85℃になるようにコントロール
した。
【0055】処理液の流量は20〜100g/分の範囲
で設定した。操作圧力は真空コントローラを用いて行
い、必要に応じて外気をリークさせた。リークさせた空
気量はマスフローメーターを用いて測定した。また処理
液は膜分離装置で処理後、回収してガスクロマトグラフ
ィーを用いて残留するトルエン濃度を測定した。試験結
果を表5に示す。尚、処理前の処理液中のトルエン濃度
は1%であった。
【0056】
【表4】
【0057】
【表5】
【0058】(実施例4)表4に記載した外部灌流型膜
分離装置を用いて、揮発性物質として1%のトルエンを
含有するトリメチロールプロパンエトキシトリアクリレ
ートからのトルエンの除去試験を行った。処理温度は膜
分離装置の入口でほぼ85℃になるようにコントロール
した。
【0059】処理液の流量は20〜100g/分の範囲
で設定した。操作圧力は常圧とし、エアコンプレッサを
用いて中空糸内部に所定温度に加熱した空気をパージし
た。パージエア量はマスフローメーターを用いて測定し
た。また処理液は膜分離装置で処理後、回収してガスク
ロマトグラフィーを用いて残留するトルエン濃度を測定
した。試験結果を表6に示す。尚、処理前の処理液中の
トルエン濃度は1%であった。
【0060】
【表6】
【0061】揮発性溶媒としてヘプタンを含有するトリ
メチロールプロパンエトキシトリアクリレートのヘプタ
ン溶液からのヘプタン除去に要する時間に関して、従来
の減圧脱溶媒法と分離膜法とを比較した。
【0062】(比較例1)内容積が10Lのスチームジ
ャッケット付ステンレス槽にヘプタン濃度が1%のトリ
メチロールプロパンエトキシトリアクリレートのヘプタ
ン溶液6.5kgを投入し、アンカー型攪拌翼の回転数
を150rpmに設定して撹拌しつつ、昇温した。液温
が85℃に達した後、真空ポンプにて槽内を減圧にし、
真空コントローラを用いて槽内圧力を4.7kPaに維
持した。減圧脱溶媒開始後、30分おきに処理液をサン
プリングし、残留するヘプタン濃度をガスクロマトグラ
フィーにて測定した。減圧開始後、2時間でヘプタン濃
度が0.05%(500ppm)となった。
【0063】(実施例5)同様にヘプタン濃度が1%の
トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレートのヘ
プタン溶液を表7に示す仕様の内部灌流型膜分離装置に
供給し、連続脱溶媒試験を行った。処理温度は膜分離装
置の入口でほぼ85℃になるようにコントロールした。
処理液の流量は340〜360g/分の範囲でコントロ
ールした。操作圧力は真空コントローラを用いて行い、
26.7kPaに維持した。この際、膜の減圧側にガス
加熱器を用いて85℃に昇温した外気をリークさせた。
この膜分離装置で脱溶媒した後に、処理液を回収してガ
スクロマトグラフィーを用いて残留するヘプタン濃度を
測定したところ、ヘプタン濃度は0.04%であった。
また6.5kgの処理液全量を処理するのに要した時間
は約26分であった。
【0064】回分式の減圧脱溶媒法を用いた比較試験で
は、ヘプタン濃度を1%から0.05%まで低減させる
のに2時間を要したが、本発明の分離膜を用いた連続脱
溶媒法では、その所要時間は僅か約26分であった。
【0065】
【表7】
【0066】(比較例2)揮発性溶媒としてトルエンを
含有するトリメチロールプロパンエトキシトリアクリレ
ートを遠心式薄膜蒸発装置で処理する脱溶媒試験を行っ
た。処理液中のトルエン濃度は62.0%であった。本
試験で用いる薄膜蒸発装置の伝熱面積は0.3m2であ
った。この薄膜蒸発装置の加熱面に供給する熱媒の温度
を90℃とし、装置内の圧力を真空ポンプにより6kP
aに維持した。処理液を薄膜状にするための攪拌機の回
転数は1820rpmに設定し、処理液の供給量は毎分
1.7kgに維持した。脱溶媒した処理液を回収したと
ころ、重合によるものと思われる増粘が見られる上、白
色不透明な固形物が混入しており、明らかな品質の劣化
が確認された。
【0067】
【発明の効果】本発明は、反応性もしくは重合性を有す
る、溶媒除去温度で液状である不揮発性もしくは難揮発
性の目的物質を含む処理液から、これらの目的物質を反
応もしくは重合させることなく、効率的かつ経済的に溶
媒を除去する方法を提供することができる。
【0068】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の分離膜を用いた連続式溶媒除去方法
の1例を示す模式図である。
【図2】 本発明の分離膜を用いた循環式溶媒除去方法
の1例を示す模式図である。
【符号の説明】 供給槽 移送ポンプ 加熱脱溶媒装置 膨張弁 脱溶媒槽 凝縮器 真空ポンプ ガス加熱器 膜分離装置
フロントページの続き Fターム(参考) 4D006 GA25 GA27 HA01 HA41 HA61 HA93 KA01 KA12 KA64 KB18 KD29 MA01 MA03 MA04 MA21 MA31 MB10 MB13 MB15 MC30 MC58 MC65 MC65X MC68 MC68X PB70 PC80

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶媒除去温度で液状である不揮発性又は
    難揮発性の物質と揮発性溶媒とを含有する処理液から、
    揮発性溶媒を透過させる分離膜を用いて、揮発性溶媒を
    除去する溶媒除去方法。
  2. 【請求項2】 一方の分離膜面を減圧状態に保ちなが
    ら、他方の分離膜面に処理液を接触させながら流すこと
    を特徴とする請求項1に記載の溶媒除去方法。
  3. 【請求項3】 パージガスを一方の分離膜面に接触させ
    ながら流し、分離膜の他方の分離膜面に処理液を接触さ
    せながら流すことを特徴とする請求項1に記載の溶媒除
    去方法。
  4. 【請求項4】 一方の分離膜面を減圧状態に保ちなが
    ら、膜を透過した溶媒の該分離膜面への凝縮を防ぐ為
    に、適宜、パージガスをリークしつつ、他方の分離膜面
    に処理液を接触させながら流すことを特徴とする請求項
    1に記載の溶媒除去方法。
  5. 【請求項5】 分離膜として、四フッ化エチレン、ポリ
    イミド及びシリコンゴムからなる群から選ばれる材料か
    らなる膜を用いる請求項1〜4のいずれか1つに記載の
    溶媒除去方法。
  6. 【請求項6】 分離膜が中空糸膜である請求項1〜5の
    いずれか1つに記載の溶媒除去方法。
  7. 【請求項7】 溶媒除去温度で液状である不揮発性又は
    難揮発性の物質が、反応性もしくは重合性物質である請
    求項1〜6のいずれか1つに記載の溶媒除去方法。
  8. 【請求項8】 処理液中の揮発性溶媒の含有量が5重量
    %以下である請求項1〜7のいずれか1つに記載の溶媒
    除去方法。
  9. 【請求項9】 処理液を同一の分離膜で2回以上循環処
    理する請求項1〜8のいずれか1つに記載の溶媒除去方
    法。
  10. 【請求項10】 溶媒除去温度で液状である不揮発性又
    は難揮発性の化合物が重合性モノマー及び/又は重合性
    オリゴマーである請求項1〜9のいずれか1つに記載の
    溶媒除去方法。
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