JP2002124278A - 燃料電池システム - Google Patents

燃料電池システム

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JP2002124278A
JP2002124278A JP2000316680A JP2000316680A JP2002124278A JP 2002124278 A JP2002124278 A JP 2002124278A JP 2000316680 A JP2000316680 A JP 2000316680A JP 2000316680 A JP2000316680 A JP 2000316680A JP 2002124278 A JP2002124278 A JP 2002124278A
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Japan
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gas
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fuel
flow rate
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Application number
JP2000316680A
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English (en)
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Yasunori Kotani
保紀 小谷
Shoji Ando
章二 安藤
Nobutaka Nakajima
伸高 中島
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率よく運転できる運転領域が広く、しかも
燃料電池への要求負荷に対する発電に必要な空気量と燃
料電池からの排気ガスを触媒燃焼器で燃焼させるのに必
要な空気量とを1台の圧送手段で賄うことができる燃料
電池システムを提供すること。 【解決手段】 燃焼器・蒸発器・改質器を備えた燃料電池
システムにおいて、第1の反応ガスを燃料電池に導入す
るガス供給通路と、前記ガス供給通路から分岐し燃料電
池をバイパスしてカソード極の排気ガス通路に接続され
たバイパス通路と、前記ガス供給通路及び前記バイパス
通路に設けられ、所定の入力信号に応じて第1の反応ガ
スの流量を調整するガス流量調整手段とを備え、さらに
前記排気ガス通路から分岐し通流する第1の反応ガスを
液体原燃料の蒸発手段を通さずに排出する排出通路と、
前記排出通路に設けられ前記入力信号に応じて通流する
ガスの流量を調整する排出流量調整手段とを備えたこと
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、改質器を備えた燃
料電池の排気ガスを蒸発器の蒸発用熱源として利用する
燃料電池システムに関し、さらに詳しくは、燃料電池及
び蒸発器の触媒燃焼器に供給する空気量を制御できる燃
料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池システムは、水素を含有する燃
料ガスを燃料電池のアノード極(水素極)に供給すると
共に、酸素を含有する酸化ガスを燃料電池のカソード極
(酸素極)に供給して発電を行う燃料電池を中核とした
発電システムである。この燃料電池システムは、化学エ
ネルギーを直接電気エネルギーに変換するものであり、
高い発電効率を有することや有害物質の排出量が極めて
少ないこと等から最近注目されている。
【0003】従来の燃料電池システムとしては、これま
で図5に示すような燃料電池システムが知られている。
この燃料電池システムは、液体原燃料の貯蔵タンクT′
からポンプP′により供給された液体原燃料(例えば水
・メタノールの混合液)を、原燃料噴射装置102bに
より蒸発器本体102aの蒸発室内で噴射し、燃料電池
101から排出された排気ガス(発電に必要なくなった
未燃の水素を含む燃料ガス及び空気との混合ガス)を触
媒燃焼器102cで燃焼した燃焼ガスの保有熱を蒸発用
熱源として蒸発させる蒸発器102と、前記蒸発器10
2で蒸発させた液体原燃料の蒸気である原燃料ガスを改
質ガスとして改質する改質器103aと前記改質ガス中
のCO濃度を低減するCO除去器103bとから形成さ
れる反応器103と、前記反応器103から燃料電池1
01に供給される燃料ガス中に含まれる水素と空気圧縮
機104から供給される空気中の酸素とを反応させて発
電する固体高分子型の燃料電池101と、前記燃料電池
101のアノード極及びカソード極のそれぞれの出口配
管107L,107Rに設けられ、前記燃料電池101
内のアノード極及びカソード極のガス圧力を制御する圧
力制御バルブ101a,101cと、液体原燃料の貯蔵
タンクT′から燃料電池101までを連結する配管であ
る燃料ガス供給ライン105と、空気圧縮機104から
燃料電池101、蒸発器本体102a及びCO除去器1
03bへ空気を導入する配管である空気供給ライン10
6と、前記燃料電池101の出口配管107L,107
Rから蒸発器102の触媒燃焼器102cまでを結んだ
配管である排気ガスライン107と、を備えた燃料電池
システムである。
【0004】このように構成される燃料電池システム
は、最初に液体原燃料が液体原燃料の貯蔵タンクT′か
らポンプP′を介して蒸発器102の原燃料噴射装置1
02bに供給されて蒸発器本体102aの蒸発室内で噴
射される。液体原燃料の蒸発用熱源としては、燃料電池
101から排出された排気ガスを触媒燃焼器102aに
おいて燃焼した燃焼ガスが使用される。蒸発器102で
蒸発された液体原燃料は、原燃料ガスとして反応器10
3の改質器103aに供給される。改質器103aに供
給された原燃料ガスは、改質器103aの改質触媒によ
り改質ガスとして改質され、後段に設けられたCO除去
器103bにより改質ガス中のCOを選択酸化された
後、燃料ガスとして燃料電池101のアノード極に供給
される。一方、空気圧縮機104から送出される空気
は、燃料電池のカソード極に供給される。
【0005】燃料電池101では、前記反応器103か
ら燃料電池101のアノード極に供給される燃料ガス中
に含まれる水素と、空気圧縮機104からカソード極に
供給される空気中の酸素とを反応させ、化学エネルギー
を電気エネルギーとして取り出し発電する。このとき燃
料電池101内のアノード極及びカソード極のガス圧力
が、燃料電池101のアノード極及びカソード極のそれ
ぞれの出口配管107L,107Rに設けられた圧力制
御バルブ101a,101cにより制御されている。燃
料電池101から排出された排気ガスは、排気ガスライ
ン107を通って蒸発器102の触媒燃焼器102cに
おいて燃焼され、その燃焼ガスの熱が再び蒸発用熱源と
して利用される。
【0006】このような構成と作用を有する従来の燃料
電池システムは、通常の発電では、発電に必要な燃料ガ
ス量とカソード空気量とを燃料電池101に全量送り込
んでいる。また、蒸発器102では、燃料電池101か
らの排気ガスの燃焼熱を利用して液体原燃料を蒸発させ
ている。また、始動時は、蒸発器102の暖機に必要な
空気量を空気圧縮機104から燃料電池101を経由し
て触媒燃焼器102cに送り込んでいる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
技術では、 (1)図5に示すように、燃料電池101から出てくる
排気ガスの全量が触媒燃焼器102cを経由して蒸発器
本体102aに投入されるため、発電時の運転状態によ
って触媒燃焼器102cの温度が大きく変化してしま
い、強いては液体原燃料を蒸発させた原燃料ガスの温度
が変化してしまうので改質器103aを安定させた状態
で運転できなくなる恐れがあった。 (2)また、場合によっては触媒燃焼器102cの温度
が上がりすぎて破損する恐れもあった。
【0008】また、従来の燃料電池システムにおける燃
料電池に必要なカソード空気量及び触媒燃焼器102c
での排気ガスの燃焼に必要な空気量の算出方法は、図6
に示すように、 (A)燃料電池101で発電しなければならない出力値
が、燃料電池へ要求される(S100)。 (B)要求負荷に対する燃料電池101の要求電流がi
−V特性(電流-電圧特性)から決定される(S10
1)。 (C)前記燃料電池101の要求電流に対してカソード
利用率及びアノード利用率が決定する(S102,S1
04)。尚、ここで言うカソード利用率とは、カソード
極で消費された空気量をカソード極に供給した空気量で
割った値、アノード利用率とは、アノード極で消費され
た燃料ガス量をアノード極に供給した燃料ガス量で割っ
た値で定義される数値である。 (D)カソード利用率から燃料電池101に必要なカソ
ード空気量が求められる(S103)。 (E)一方、アノード利用率からFP要求負荷(燃料ガ
ス必要発生量)が決定され(S105)、FP要求負荷
から蒸発器102内で蒸発させる液体原燃料の燃料噴射
量が求められる(S106)。 (F)さらにFP要求負荷(燃料ガス必要発生量)とア
ノード利用率とから算出される触媒燃焼器102cへ投
入する水素量(S107)と、改質器103aへ供給す
る原燃料ガスの設定蒸気温度(S108)とから触媒燃
焼器102cの燃焼に必要な空気量を算出する(S10
9)。という手順で行われていた。
【0009】そこで、従来の燃料電池システムを実際に
運転する場合には、触媒燃焼器102cの燃焼温度と蒸
発器102から排出される原燃料ガスの温度とを安定化
させるように、燃料電池101のカソード極へ供給する
空気量を調整することで運転をしていた。しかし、運転
状態によっては、燃料電池101が要求する空気量に対
して、実際に燃料電池101に供給する空気量とが合わ
なくなる恐れがあるため、図7に示すように、燃料電池
101と蒸発器102の両方をある程度満足させること
ができる空気量の範囲でしか運転ができなかった。
【0010】(a)そのため、発電できるポイントが限
られてしまうので、負荷によっては運転できない領域が
出る恐れがあり、また、運転できたとしても燃料電池シ
ステム全体の効率が下がってしまうという問題があっ
た。 (b)また、始動時においては、充分に発電していない
燃料電池101の中に空気を流すため、燃料電池101
の膜を乾燥させてしまい、最悪の場合は燃料電池101
を壊してしまう可能性があった。 (c)さらに、蒸発器102用等に空気圧縮機104を
一台別に設けるという対策が考えられるが、燃料電池シ
ステム全体の効率が下がる他、コストアップに繋がって
しまうという問題があった。
【0011】本発明は、前記課題を解決するためになさ
れたものであって、燃料電池を効率よく運転できる運転
領域が広く、しかも燃料電池への要求負荷に対する発電
に必要な空気量と前記燃料電池から排出される排気ガス
を触媒燃焼器で燃焼させるのに必要な空気量とを1台の
圧送手段で賄うことができる燃料電池システムを提供す
ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の請求項1に係る燃料電池システムの発明は、第1の反
応ガスと第2の反応ガスが供給されて電気を発生させる
燃料電池と、前記第1の反応ガスを前記燃料電池に導入
するガス供給通路と、該ガス供給通路に設けられ前記第
1の反応ガスを送出する圧送手段と、前記燃料電池から
排出される排気ガスを燃焼させ、この燃焼熱を利用して
前記第2の反応ガスの原料となる液体原燃料を蒸発させ
る蒸発手段と、前記蒸発した原料を改質して前記第2の
反応ガスとする反応器と、前記排気ガスを前記燃料電池
から前記液体原燃料の前記蒸発手段に導入する排気ガス
通路と、前記ガス供給通路から分岐し前記燃料電池をバ
イパスして前記排気ガス通路に接続されたバイパス通路
と、前記ガス供給通路及び前記バイパス通路に設けら
れ、所定の入力信号に応じて前記第1の反応ガスの流量
を調整するガス流量調整手段とを備えることを特徴とす
るものである。
【0013】請求項1の発明によると、ガス供給通路か
ら分岐し燃料電池をバイパスして排気ガス通路に接続さ
れたバイパス通路と、前記ガス供給通路及び前記バイパ
ス通路に、所定の入力信号に応じて第1の反応ガスの流
量を調整するガス流量調整手段とを設けたことにより、
前記燃料電池への要求出力に応じて最適な空気量を前記
燃料電池に供給できる。また、燃料電池の始動時には、
前記ガス供給通路に設けた前記ガス流量調整手段を閉と
し、前記バイパス通路に設けた前記ガス流量調整手段を
開とすれば、発電していない前記燃料電池に第1の反応
ガスを流すことなく蒸発手段に第1の反応ガスが供給で
きるため、前記燃料電池の膜を乾燥させる又は壊すこと
なく始動ができる。
【0014】請求項2に係る燃料電池システムの発明
は、前記排気ガス通路から分岐し通流する第1の反応ガ
スを前記液体原燃料の前記蒸発手段を通さずに排出する
排出通路と、該排出通路に設けられ前記入力信号に応じ
て前記通流する第1の反応ガスの流量を調整する排出流
量調整手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載
の燃料電池システムである。
【0015】請求項2の発明によると、排気ガス通路か
ら分岐し通流する第1の反応ガスを蒸発手段を通さずに
排出する排出通路と、該排出通路に設けられ入力信号に
応じて前記通流する第1の反応ガスの流量を調整する排
出流量調整手段とを備えたことにより、前記蒸発手段の
蒸発用熱源となる排気ガスの燃焼ガスを発生させるのに
必要な第1の反応ガスの量を調整することができるの
で、前記蒸発手段で液体原燃料を蒸発させることで生成
する原燃料ガスの温度を好適に制御できる。さらに請求
項1の発明と組み合わせることにより、燃料電池の発電
に必要な第1の反応ガス量と前記燃料電池の前記排気ガ
スを前記蒸発手段で燃焼させるために必要な第1の反応
ガス量とを1台の圧送手段で賄いながらそれぞれ独立し
て調整することができる。したがって、燃料電池システ
ムを構成する各機器に負担をかけることなく、運転でき
る領域が広がり、発電効率を向上させることができる。
【0016】請求項3に係る燃料電池システムの発明で
は、前記入力信号は、前記燃料電池の出力に関する信号
であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の
燃料電池システムである。
【0017】請求項3の発明によると、燃料電池の出力
に関する信号に応じてガス流量調整手段及び排出流量調
整手段を制御することにより、燃料電池システム全体を
安定化させて好適に制御することができる。
【0018】請求項4に係る燃料電池システムの発明で
は、前記ガス流量調整手段及び前記排出流量調整手段
は、前記入力信号により算定される前記燃料電池への導
入ガス流量と前記液体原燃料の前記蒸発手段への導入ガ
ス流量との比較値に基づいて流量調整を行うことを特徴
とする請求項2又は請求項3に記載の燃料電池システム
である。
【0019】請求項4の発明によると、ガス流量調整手
段及び排出流量調整手段は、入力信号により算定される
燃料電池への導入ガス流量と蒸発手段への導入ガス流量
との比較値に基づいて流量調整を行うので、請求項3の
発明よりもさらに燃料電池システム全体を安定化させて
好適に制御することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明に係る実施の形態である車
両に搭載される燃料電池システムの構成について図面を
参照して説明する。図1は本発明に係る燃料電池システ
ムの第1実施形態を示す構成図、図2は本発明に係る燃
料電池システムの第2実施形態を示す構成図、図3は本
発明に係る燃料電池システムの第2実施形態におけるカ
ソード空気量及び燃焼器温度調整空気量を算出する方法
を示すフローチャート、図4は本発明に係る燃料電池シ
ステムの第3実施形態を示す構成図である。
【0021】本発明に係る第1実施形態の燃料電池シス
テムは、図1に示すように、第1の反応ガスと第2の反
応ガスが供給されて電気を発生させる燃料電池1と、前
記第1の反応ガスを前記燃料電池1に導入するガス供給
通路6と、該ガス供給通路6に設けられ、前記第1の反
応ガスを送出する圧送手段である空気圧縮機4と、前記
燃料電池1から排出される排気ガスを燃焼させ、この燃
焼ガスの熱を利用して前記第2の反応ガスの液体原燃料
である水・メタノール混合液を原燃料ガスとして蒸発さ
せる蒸発手段である蒸発器2と、前記蒸発器2で蒸発し
た原燃料ガスを改質して前記第2の反応ガスとする反応
器3と、前記排気ガスを前記燃料電池1の出口から前記
蒸発器2に導入する排気ガス通路7L,7R,7と、前
記排気ガス通路7L,7Rに設けられ、燃料電池1内の
アノード極及びカソード極のガス圧力をそれぞれ調整す
る圧力制御バルブ7a,7cと、前記ガス供給通路6か
ら分岐し前記燃料電池1をバイパスしてカソード極の前
記排気ガス通路7Rに接続されたバイパス通路8と、そ
れぞれ前記ガス供給通路6及び前記バイパス通路8に設
けられ、所定の入力信号に応じて前記第1の反応ガスの
流量を調整するガス流量調整手段である始動用ON/O
FFバルブ6a及びカソード空気量調整バルブ8aと、
から主要部が構成される。
【0022】燃料電池1は、固体高分子型の燃料電池1
であり、反応器3から供給される燃料ガス中の水素と圧
送手段である空気圧縮機4から供給される第1の反応ガ
スである空気中の酸素とを反応させて発電する。以下の
反応式で示すと、(1)式は、アノード極における反応
を、(2)式は、カソード極における反応を示し、電池
全体としては、(3)式に示す反応が進行する。このよ
うに、燃料電池1は、電池反応の進行に伴ってカソード
極で生成水が生じる。通常、生じた生成水は、カソード
極に供給されている空気中に気化し、未反応の空気と共
に燃料電池1から排出される。 H2→2H++2e- ------------------(1) 2H++(1/2)O2+2e-→H2O-------(2) H2+(1/2)O2→H2O----------------(3) 尚、固体高分子型の燃料電池1は、電解質層として、固
体高分子膜を用い、この固体高分子膜を挟持する一対の
ガス拡散電極と、ガス拡散電極をさらに外側から挟持し
て燃料ガスと空気とを分離するセパレータとを有する単
セルを複数積層した構造を備えている。
【0023】ガス供給通路6は、第1の反応ガスである
空気を送出する圧送手段である空気圧縮機4から燃料電
池1のカソード極までを連通した配管である。ガス供給
通路6には、空気の流量を調整するガス流量調整手段で
ある始動用ON/OFFバルブ6aが設けられている。
始動用ON/OFFバルブ6aは、燃料電池を始動する
とき専用に用いられる弁であり、ガス流路を開閉するだ
けの電磁弁を使用するのが好ましい。もしガス流量も調
整する必要がある場合には比例式電磁弁が使用できる。
ガス供給通路6と燃料電池1のカソード極の排気ガス通
路7Rとの間には、バイパス通路8が設けられている。
バイパス通路8は、一端が始動用ON/OFFバルブ6
aの上流側の配管に、他端が燃料電池1のカソード極の
排気ガス通路7Rに設けられた圧力制御弁7cの下流側
に連結されている。また、バイパス通路8にはガス流量
調整手段であるカソード空気量調整バルブ8aが設けら
れている。カソード空気量調整バルブ8aとしては、ニ
ードル弁やゲート弁等の流量制御性の良い弁を使用する
のが好ましい。
【0024】空気圧縮機4は、ガス供給通路6に設けら
れ、フィルターを介して第1の反応ガスである空気を大
気中から吸引・圧縮して燃料電池1のカソード極に送出
するS/C(スーパーチャージャ)である。S/C(ス
ーパーチャージャ)の駆動源としては、燃料電池1には
エンジンが設けられていないので、エンジンの代わりに
別途に設けた電動機を使用している。空気圧縮機4の代
わりにリショルム型の圧縮機(スクリュウ型コンプレッ
サ)を使用することもできる。リショルム型の圧縮機
は、ルーツ型又はヘリカル型どちらでも使用することが
できる。
【0025】蒸発器2は、蒸発器本体2aと原燃料噴射
装置2bと触媒燃焼器2cとから主要部が構成される。
蒸発器本体2aは、蒸発室と蒸発室内に設けられたUチ
ューブ式熱交換器とから形成される。原燃料噴射装置2
bは、インジェクタであり、蒸発室の上部に複数台設け
られる。蒸発器2では、水・メタノール混合液の貯蔵タ
ンクTからポンプPを介して原燃料噴射装置2bに供給
された水・メタノール混合液が、前記Uチューブ式熱交
換器のシェル側(配管の外表面)に噴射されて原燃料ガ
スとして蒸発・ガス化され、前記原燃料ガスは後段の改
質反応に適した所定の蒸気温度(例えば250℃)とな
って反応器3の改質器3aへと導入される。蒸発器2の
蒸発用熱源としては、燃料電池1から排出される排気ガ
スを、蒸発器本体2aの蒸発室の底部に隣接して設けら
れた触媒燃焼器2cで燃焼したときに得られる燃焼ガス
の保有熱が使用される。前記燃焼ガスは、前記Uチュー
ブ式熱交換器のチューブ側(配管の内側)に通流され
る。尚、蒸発器2では、後段の改質器3aで行われる部
分酸化反応に必要な空気が水・メタノール混合液を蒸発
室内で噴射するときの噴射用ガスとして添加され、原燃
料ガスと一緒に蒸発室内で混合される。部分酸化反応に
必要な空気は、蒸発器2以外の場所(例えば改質器3
a)から添加しても良い。
【0026】反応器3は、蒸発器2で蒸発した原燃料ガ
スを改質して燃料電池1のアノード極へ供給する第2の
反応ガスである燃料ガスを生成するためのものである。
反応器3は、改質部と変成部とから形成される改質器3
aとCO除去器(一酸化炭素除去器)3bとから構成さ
れる。尚、これ以後使用する「改質ガス」とは改質器3a
で改質反応により発生したガスを意味し、「燃料ガス」
とは、改質器3aの後段のCO除去器3bで「改質ガ
ス」中のCOを選択して酸化処理した後のガスであっ
て、CO濃度が低濃度で、かつ、水素濃度が高いガスを
意味するものとする。最初に改質器3aについて説明す
る。尚、改質器3aは、改質部と変成部とから形成され
る。改質器3aの改質部では、改質反応に必要な熱量
は、触媒層の入口部における水・メタノール混合液を蒸
発させた原燃料ガス中のメタノール蒸気の部分酸化熱に
より供給され(CH3OH+3/2O2→2H2O+C
2)、蒸発器2から導入された原燃料ガスが改質触媒
により水蒸気改質されて水素と二酸化炭素とからなる改
質ガスを生成する(CH3OH+H2O→3H2+C
2)。ここで使用される触媒としては、例えばCu/
Znからなる改質触媒が使用される。反応温度は、25
0℃〜300℃に保持される。
【0027】改質部において改質反応を受けて得られる
改質ガスには、熱分解反応(CH3OH→2H2+CO)
によって発生する1%近くの多量の一酸化炭素が含有さ
れており、燃料電池1のアノード極(水素極)に通気す
ると、電極成分に付着して被毒を引き起こす。そこで、
改質ガスは、次いで、改質部の後流側に隣接して設けら
れた変成部において変成触媒によるシフト反応(低温変
成)を受けて、改質ガス中の一酸化炭素と改質部におい
て生成される余剰水蒸気とから水素と二酸化炭素を生成
する(CO+H2O→H2+CO2)。変成触媒として
は、活性成分が銅系の触媒(例えばCu−Zn系やCu
−Zn−Cr系)が使用される。反応温度は150℃〜
200℃に保持される。
【0028】変成部でのシフト反応により改質ガス中の
一酸化炭素は相当量除去されるが、シフト反応は、水蒸
気と一酸化炭素のモル比を例えば3:1のように水蒸気
過剰の条件下で行っても、一酸化炭素濃度を100pp
m程度にまで低下させるのが限度である。
【0029】そこで、変成部を通過した改質ガスをさら
にCO除去器3bに導入し、選択酸化触媒の下で改質ガ
ス中の一酸化炭素を酸化除去し、燃料電池1のアノード
極(水素極)に導入する燃料ガス中の一酸化炭素濃度を
100ppm以下にまで低減することが行われる。ここ
で使用される触媒は、例えば、Au/α―Fe23/A
23が使用され、酸化反応(CO+1/2O2→C
2)により改質ガス中の一酸化炭素が二酸化炭素に酸
化される。反応温度は常に180℃以下に保持する必要
がある。図示しないが、CO除去器3bの反応は強い発
熱反応なので、CO除去器3bには、高温になったガス
を100℃以下に冷却するため、水冷式熱交換器が設け
られている。
【0030】100℃以下に冷却された改質ガスは、C
O除去器3bで一酸化炭素量を100ppm以下に低減
されて燃料電池用の第2の反応ガスである燃料ガスとな
り、水冷式熱交換器(不図示)で80℃前後に冷却され
た後、燃料電池1のアノード極(水素極)に導入され
る。尚、図1中の符号5は、水・メタノール貯蔵タンク
Tから燃料電池1のアノード極までを結ぶ燃料ガス供給
ラインである。一方、空気圧縮機4で圧縮された空気
は、燃料電池1のカソード極(酸素極)に導入される。
前記燃料ガス中の水素と前記空気中の酸素は燃料電池1
で電池反応を起こして発電を行う。
【0031】排気ガス通路7L,7R,7は、アノード
極の排気ガス通路7Lと、カソード極の排気ガス通路7
Rと、前記アノード極の排気ガス通路7Lと前記カソー
ド極の排気ガス通路7Rとの合流点から触媒燃焼器2c
までの配管である排気ガス通路7とから構成される。燃
料電池1のアノード極の排気ガス通路7L及びカソード
極の排気ガス通路7Rに排出されるガスは、混合された
後、排気ガス通路7により排気ガス(未燃の水素を含む
燃料ガス及び空気の混合ガス)として蒸発器2の触媒燃
焼器2cに導入される。
【0032】圧力制御バルブ7a,7cは、それぞれ燃
料電池1のアノード極の排気ガス通路7L,カソード極
の排気ガス通路7Rに設けられる。圧力制御バルブ7
a,7cは、それぞれ燃料電池1内のアノード極及びカ
ソード極のガス圧力を調整するために設けられた背圧制
御弁である。圧力制御バルブ7a,7cは、ニードル
弁、ゲート弁等流量制御性の良い制御弁を使用するのが
望ましい。燃料電池1内のアノード極及びカソード極の
ガスの圧力を調整することで極間差圧も制御できるの
で、耐圧性の低い固体高分子膜(プロトン導電性膜)の
寿命を長くすることができる。
【0033】バイパス通路8は、ガス供給通路6に設け
られた始動用ON/OFFバルブの上流側から分岐し、
燃料電池1のカソード極をバイパスするようにカソード
極の排気ガス通路7Rに接続された配管である。
【0034】始動用ON/OFFバルブ6a及びカソー
ド空気量調整バルブ8aは、それぞれガス供給通路6及
び前記バイパス通路8に設けられ、所定の入力信号に応
じて第1の反応ガスである空気の流量を調整する制御弁
である。
【0035】このように構成される第1実施形態の燃料
電池システムは、最初に水・メタノール混合液が貯蔵タ
ンクTからポンプPを介して蒸発器2の原燃料噴射装置
2bに供給されて蒸発器本体2aの蒸発室内で噴射され
る。水・メタノールの蒸発用熱源としては、燃料電池1
から排出された排気ガス(未燃の水素を含有する燃料ガ
ス及び空気との混合ガス)を触媒燃焼器2aにおいて燃
焼した燃焼ガスが使用される。蒸発器2で蒸発された水
・メタノール混合液は、次工程の改質反応に適した所定
の温度を有する原燃料ガスとして改質器3aに供給され
る。改質器3aに供給された原燃料ガスは、改質器3a
の改質触媒により改質ガスとして改質され、後段に設け
られたCO除去器3bによりガス中のCOを選択酸化さ
れた後、燃料ガスとして燃料電池1のアノード極に供給
される。一方、空気圧縮機4から送出される空気は、後
記する第1実施形態の燃料電池システムのカソード空気
量の制御方法により好適に空気量を制御され、ガス供給
通路6から燃料電池1のカソード極に供給される。
【0036】燃料電池1では、前記反応器3から燃料電
池1のアノード極に供給される燃料ガス中に含まれる水
素と、空気圧縮機4からカソード極に供給される空気中
の酸素とが反応し、化学エネルギーを電気エネルギーと
して取り出し発電する。燃料電池1から排出される未反
応の水素を含有する燃料ガス及び空気は、燃料電池1の
アノード極の排気ガス通路7L及びカソード極の排気ガ
ス通路7Rにそれぞれ設けられた圧力制御バルブ7a,
7cにより燃料電池1内のアノード極及びカソード極の
ガス圧力を調整されながら排気ガス通路7L,7Rの下
流で合流・混合され、排気ガスとして排気ガス通路7に
排出される。排気ガスは、蒸発器2の蒸発用熱源となる
燃焼ガスを発生させるため、蒸発器本体2aの蒸発室の
底部に隣接して設けられた触媒燃焼器2cへと導入され
る。触媒燃焼器2cで触媒燃焼して発生した燃焼ガス
は、再び蒸発器2で水・メタノール混合液を蒸発させて
原燃料ガスとし、原燃料ガスは、蒸発室内で改質用空気
と混合されて改質器3aへと供給される。
【0037】次に、このような構成と作用を有する第1
実施形態の燃料電池システムのカソード極に供給される
カソード空気量の制御方法について説明する。ガス供給
通路6から分岐し、燃料電池1のカソード極をバイパス
してカソード極の出口に設けられた排気ガス通路7Rに
接続されたバイパス通路8と、ガス供給通路6及びバイ
パス通路8に所定の入力信号に応じて第1の反応ガスの
流量を調整するガス流量調整手段である始動用ON/O
FFバルブ6a及びカソード空気量調整バルブ8aを設
けた構成を用いて以下の制御を行なう。通常運転時は、
所定の入力信号を処理する後述の制御装置が弁信号を発
して始動用ON/OFFバルブ6aを開、カソード空気
量調整バルブ8aを作動状態にし、さらにカソード空気
量調整バルブ8aの弁開度を調整することにより燃料電
池1に最適な空気量を供給できる。また、始動時は、弁
信号によりガス供給通路6に設けた始動用ON/OFF
バルブ6aを閉とし、所定の入力信号によりバイパス通
路8に設けたカソード空気量調整バルブ8aを作動状態
にして開とすれば、発電していない燃料電池1内に空気
を流すことがなくなる。その結果、燃料電池1の膜を乾
燥させる又は壊すことなく始動ができる。
【0038】第1実施形態の燃料電池システムにおける
カソード極の空気量を制御する機器類及びバルブ類は、
図1に示すように、燃料電池システムに対する制御装置
(例えば電子制御ユニット)を介して弁信号により制御
される。また、所定の入力信号は、燃料電池システムの
外部から入力されるアクセルペダル踏込量や補機類の要
求出力、あるいは同システムの内部から送られる改質器
3aの改質ガス出力や触媒燃焼器2cの温度等いずれで
も良い。しかしながら、燃料電池1の出力(現在の運転
出力又は要求出力)に関する信号を使用するのが望まし
い。すなわち、他の構成機器である、例えば蒸発器2に
対する原燃料ガスの出力に関する信号を所定の入力信号
として用いる場合には、蒸発器2からの原燃料ガスを安
定的に供給したり、所定量に抑制するには適切な制御と
なる一方で、燃料電池1に供給される燃料ガス量が急激
に変動することによって、本来システムの主要部であり
発電維持が最前提である燃料電池の運転状態が悪化し、
その程度によっては発電が停止してしまうおそれがあ
る。これに対し、燃料電池1の出力(現在の運転出力又
は図1に示したアクセルペダル踏込量、補機類の要求出
力に代表される要求出力)に関する信号を用いれば、常
に燃料電池1を主としながらその運転状態を直接考慮し
て制御することが可能となり、他の機器を従として必要
な範囲で各熱量やガス量等を調整して稼働させ健全な発
電を維持することができる。よって、燃料電池システム
は全体として安定的に制御されることとなる。
【0039】次に、第2実施形態の燃料電池システムに
ついて図2を参照して説明する。尚、第1実施形態の燃
料電池システムと同じ機器・部材については同符合を付
して説明する。第2実施形態の燃料電池システムは、第
1実施形態の燃料電池システムに、燃料電池1と圧力制
御弁7cの間の排気ガス通路7Rから分岐して、その中
を通流するガスを蒸発手段である蒸発器2を通さずに排
出する排出通路9と、該排出通路9に設けられて所定の
入力信号に応じて前記通流するガスの流量を調整する排
出流量調整手段である燃焼器温度調整バルブ9aとを備
えた燃料電池システムである。前記のように構成したこ
とにより、燃料電池1から排出される排気ガスを触媒燃
焼器2cで燃焼させて蒸発器2の蒸発用熱源となる燃焼
ガスを発生させるときに、最適な空気量を触媒燃焼器2
cに供給することができるので、触媒燃焼器2cの温度
及び原燃料ガスの温度を好適に制御できる。さらに、第
1実施形態の燃料電池システムのカソード極に供給され
る空気量の制御方法と組み合わせることにより、燃料電
池1の発電に必要な空気量と燃料電池1の排気ガスを蒸
発器2の触媒燃焼器2cで燃焼させるために必要な空気
量とを1台の空気圧縮機で賄いながらそれぞれ独立して
調整することができる。したがって、燃料電池システム
を構成する各機器に負担をかけることなく、運転できる
領域が広がり、発電効率を向上させることができる。
【0040】このように構成される第2実施形態の燃料
電池システムにおけるカソード極に供給する空気量及び
蒸発器の触媒燃焼器に供給する空気量を制御する制御方
法について図2及び図3を参照して説明する。 (A)燃料電池1で発電しなければならない出力値(要
求出力)が、外部からの電気信号により燃料電池へ要求
される(S1)。燃料電池1への要求出力としては、例
えばアクセルペダルの開度に見合った出力や補機類を駆
動するための出力等がある。 (B)要求出力に応じて燃料電池1のi−V特性(電流
-電圧特性)から燃料電池1への要求電流が決まる(S
2)。 (C)燃料電池1への要求電流に応じてカソード極の空
気利用率が計算され(S3)、カソード極の空気利用率
からカソード極へ供給するカソード空気量が算定される
(S4)。 (D)また、燃料電池1への要求電流に応じてアノード
極の水素利用率が計算され(S5)、アノード極の水素
利用率から反応器3における水素を含有した燃料ガスの
必要発生量であるFP要求負荷が求まる(S6)。さら
にFP要求負荷から蒸発器2における水・メタノール混
合液の燃料噴射量が計算できる(S7)。 (E)燃料電池1の要求出力とアノード極の水素利用率
から求められる蒸発器2の触媒燃焼器2cに投入される
排気ガス中の水素量から排気ガスを燃焼するのに必要な
空気量を算定する(S8,S9)。 (F)次に、カソード極に供給する空気量と触媒燃焼器
2cに供給する空気量との差の値ΔQを求める(S1
0)。 (G)ΔQの値が0かどうかを判断する(S11)。 (H)ΔQ=0の場合、すなわち、カソード極に供給す
る空気量と触媒燃焼器2cに供給する空気量が同じ場合
は、カソード空気量調整バルブ8a及び燃焼器温度調整
バルブ9aどちらも閉とする(S14)。 (I)ΔQ=0ではなくΔQ>0の場合、すなわち、カ
ソード極に供給する空気量を触媒燃焼器2cに供給する
空気量よりも多くして運転する場合は、カソード空気量
調整バルブ8aを閉、燃焼器温度調整バルブ9aを開と
して作動させ(S13)、触媒燃焼器2cで必要な空気
量よりもカソード極から過剰に供給される空気量を蒸発
器2の前後でバイパスさせて流すようにする。 (J)一方、ΔQ=0ではなくΔQ<0場合(S1
5)、すなわち、触媒燃焼器2cに供給する空気量をカ
ソード極に供給する空気量よりも多くして運転する場合
は、カソード空気量調整バルブ8aを閉から開、燃焼器
温度調整バルブ9aを閉として作動させ(S15)、燃
料電池1のカソード極をバイパスさせて空気を流すよう
にする。このようにバイパス通路8及び排出通路9を設
け、それぞれの通路に設けられたカソード空気量調整バ
ルブ8a及び燃焼器温度調整バルブ9aを、カソード極
に供給する空気流量と触媒燃焼器2cに供給する空気流
量との差の値に応じて作動させることにより、いかなる
運転条件でもカソード極に供給する空気量と触媒燃焼器
2cに供給する空気量を独立してそれぞれ好適に制御す
ることができる。したがって、燃料電池システムを構成
する各機器に負担をかけることなく、運転できる領域が
広がり、発電効率を向上させることができる。また、燃
料電池1を運転している時に、要求負荷に対する発電に
必要な空気量及び燃料電池1から排出される排気ガスを
触媒燃焼器2cで燃焼させるのに必要な空気量とを1台
の空気圧縮機4で賄うことができる。尚、第2実施形態
の燃料電池システムにおけるカソード極の空気量及び蒸
発器の触媒燃焼器の空気量を制御する機器類及びバルブ
類は、図2に示すように、制御装置(例えば電子制御ユ
ニット)を介して制御される。また、バルブ類を制御す
る所定の入力信号は、燃料電池1の出力(現在の運転出
力又は要求出力)に関する信号を使用するが、第2実施
形態で説明したカソード極に供給する空気量と触媒燃焼
器2cに供給する空気量との差に基づいた信号で制御す
れば上述のように更に制御性が良くなる。
【0041】次に、第3実施形態の燃料電池システムに
ついて図4を参照して説明する。尚、第2実施形態の燃
料電池システムと同じ機器・部材については同符合を付
して説明する。第3実施形態の燃料電池システムは、第
2実施形態の燃料電池システムと比較して構成が大きく
異なる点は、図4に示すように、バイパス通路8′の出
口通路の取り付け位置が異なることである。すなわち第
3実施形態のガス供給通路6には、始動用ON/OFF
バルブ6aの空気圧縮機4側の通路に一端が、燃料電池
1のカソード極の排気ガス通路7Rに設けられた圧力制
御弁7cの上流側の通路に他端が連結されたバイパス通
路8′が設けられている。また、バイパス通路8′には
ガス流量調整手段であるカソード空気量調整バルブ8′
aが設けられている。尚、カソード空気量調整バルブ
8′aとしては、ニードル弁やゲート弁等の流量制御性
の良い弁を使用するのが好ましい。
【0042】このように構成することにより、空気圧縮
機4から送出される全空気量が圧力制御バルブ7cを通
過して流れるようになるため、圧力制御バルブ7cによ
るカソード極の背圧の制御性は従来と同等の応答性能を
確保できる。これに対し、図2に示す第2実施形態の燃
料電池システムは、圧力制御バルブ7cの下流にバイパ
ス通路8の出口通路が設けられているためカソード空気
量調整バルブ8aの前後の差圧が大きく取れるので、燃
料電池1をバイパスさせる空気量を多く流すことができ
る。尚、第3実施形態の燃料電池システムにおけるカソ
ード極の空気量及び蒸発器の触媒燃焼器の空気量を制御
する機器類及びバルブ類は、図4に示すように、制御装
置(例えば電子制御ユニット)を介して制御される。ま
た、バルブ類を制御する所定の入力信号は、燃料電池1
の出力(現在の運転出力又は要求出力)に関する信号を
使用するが、第2実施形態で説明したカソード極に供給
する空気量と触媒燃焼器2cに供給する空気量との差に
基づいた信号で制御すれば更に制御性が良くなる。
【0043】このようにカソード空気量調整バルブ8′
aと燃焼器温度調整バルブ9aを用いることで、運転時
の要求出力に対する燃料電池1の発電に必要なカソード
空気量と、燃料電池1から排出される排気ガスを触媒燃
焼器2cで燃焼させて燃焼ガスにするために必要な空気
量とをそれぞれ独立して制御できるため、燃料電池シス
テムを構成する各機器に負担をかけることなく、発電で
きる運転領域が拡大し、発電効率を向上させることがで
きる。
【0044】
【発明の効果】以上の構成と作用からなる本発明によれ
ば、以下の効果を奏する。 (1)請求項1の発明によれば、ガス供給通路から分岐
し燃料電池をバイパスして排気ガス通路に接続されたバ
イパス通路と、前記ガス供給通路及び前記バイパス通路
に、所定の入力信号に応じて第1の反応ガスの流量を調
整するガス流量調整手段とを設けたことにより、前記燃
料電池への要求出力に応じて最適な空気量を前記燃料電
池に供給できる。また、燃料電池の始動時には、前記ガ
ス供給通路に設けた前記ガス流量調整手段を閉とし、前
記バイパス通路に設けた前記ガス流量調整手段を開とす
れば、発電していない前記燃料電池に第1の反応ガスを
流すことなく蒸発手段に第1の反応ガスを供給できるた
め、前記燃料電池の膜を乾燥させる又は壊すことなく始
動ができる。 (2)請求項2の発明によれば、排気ガス通路から分岐
し通流する第1の反応ガスを蒸発手段を通さずに排出す
る排出通路と、該排出通路に設けられ入力信号に応じて
前記通流する第1の反応ガスの流量を調整する排出流量
調整手段とを備えたことにより、前記蒸発手段の蒸発用
熱源となる排気ガスの燃焼ガスを発生させるのに必要な
第1の反応ガスの量を調整することができるので、前記
蒸発手段で液体原燃料を蒸発させることで生成する原燃
料ガスの温度を好適に制御できる。さらに請求項1の発
明と組み合わせることにより、燃料電池の発電に必要な
第1の反応ガス量と前記燃料電池の前記排気ガスを前記
蒸発手段で燃焼させるために必要な第1の反応ガス量と
を1台の圧送手段で賄いながらそれぞれ独立して調整す
ることができる。したがって、燃料電池システムを構成
する各機器に負担をかけることなく、運転できる領域が
広がり、発電効率を向上させることができる。 (3)請求項3の発明によれば、燃料電池の出力に関す
る信号に応じてガス流量調整手段及び排出流量調整手段
を制御することにより、燃料電池システム全体を安定化
させて好適に制御することができる。 (4)請求項4の発明によれば、ガス流量調整手段及び
排出流量調整手段は、入力信号により算定される燃料電
池への導入ガス流量と蒸発手段への導入ガス流量との比
較値に基づいて流量調整を行うので、請求項3の発明よ
りもさらに燃料電池システム全体を安定化させて好適に
制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料電池システムの第1実施形態
を示す構成図である。
【図2】本発明に係る燃料電池システムの第2実施形態
を示す構成図である。
【図3】本発明に係る燃料電池システムの第2実施形態
におけるカソード空気量及び燃焼器温度調整空気量を算
出する算出方法を示すフローチャートである。
【図4】本発明に係る燃料電池システムの第3実施形態
を示す構成図である。
【図5】従来の燃料電池システムの構成図である。
【図6】従来の燃料電池システムのカソード空気量及び
燃焼器温度調整空気量を算出する算出方法を示すフロー
チャートである。
【図7】従来の燃料電池へ供給される燃料ガス量が一定
時のアノード利用率に対する燃料電池の必要空気量及び
燃焼器必要空気量との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1 燃料電池 2 蒸発器(蒸発手段) 3 反応器 3a 改質器 3b CO除去器 4 空気圧縮機(圧送手段) 5 燃料ガス供給ライン 6 ガス供給通路 6a 始動用ON/OFFバルブ(ガス流量調整手
段) 7,7R,7L 排気ガス通路 7a,7c 圧力制御バルブ 8 バイパス通路 8a カソード空気量調整バルブ(ガス流量調整手
段) 9 排出通路 9a 燃焼器温度調整バルブ(排出流量調整手段)
フロントページの続き (72)発明者 中島 伸高 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 5H026 AA06 5H027 AA06 BA09 BA10 BA17 KK52 MM03 MM04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の反応ガスと第2の反応ガスが供給
    されて電気を発生させる燃料電池と、 前記第1の反応ガスを前記燃料電池に導入するガス供給
    通路と、 該ガス供給通路に設けられ前記第1の反応ガスを送出す
    る圧送手段と、 前記燃料電池から排出される排気ガスを燃焼させ、この
    燃焼熱を利用して前記第2の反応ガスの原料となる液体
    原燃料を蒸発させる蒸発手段と、 前記蒸発した原料を改質して前記第2の反応ガスとする
    反応器と、 前記排気ガスを前記燃料電池から前記液体原燃料の前記
    蒸発手段に導入する排気ガス通路と、 前記ガス供給通路から分岐し前記燃料電池をバイパスし
    て前記排気ガス通路に接続されたバイパス通路と、 前記ガス供給通路及び前記バイパス通路に設けられ、所
    定の入力信号に応じて前記第1の反応ガスの流量を調整
    するガス流量調整手段と、 を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 【請求項2】 前記排気ガス通路から分岐し通流する第
    1の反応ガスを前記液体原燃料の前記蒸発手段を通さず
    に排出する排出通路と、該排出通路に設けられ前記入力
    信号に応じて前記通流する第1の反応ガスの流量を調整
    する排出流量調整手段とを備えたことを特徴とする請求
    項1に記載の燃料電池システム。
  3. 【請求項3】 前記入力信号は、前記燃料電池の出力に
    関する信号であることを特徴とする請求項1又は請求項
    2に記載の燃料電池システム。
  4. 【請求項4】 前記ガス流量調整手段及び前記排出流量
    調整手段は、前記入力信号により算定される前記燃料電
    池への導入ガス流量と前記液体原燃料の前記蒸発手段へ
    の導入ガス流量との比較値に基づいて流量調整を行うこ
    とを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の燃料電池
    システム。
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