JP2002119219A - 肉質改善剤 - Google Patents

肉質改善剤

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JP2002119219A
JP2002119219A JP2000312137A JP2000312137A JP2002119219A JP 2002119219 A JP2002119219 A JP 2002119219A JP 2000312137 A JP2000312137 A JP 2000312137A JP 2000312137 A JP2000312137 A JP 2000312137A JP 2002119219 A JP2002119219 A JP 2002119219A
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Noriyuki Ishihara
則幸 石原
Koichi Kitahata
幸一 北畑
Raju Juneja Reka
レカ・ラジュ・ジュネジャ
Nagahiro Yamazaki
長宏 山崎
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Taiyo Kagaku KK
Original Assignee
Taiyo Kagaku KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 家畜及び養殖魚の肉質を改善するために、家
畜及び養殖魚の飼育段階で給与できる肉質改善剤及び該
肉質改善剤を含有する飼料を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 平均粒径1.5μm以下の固体であるア
スコルビン酸、その塩類又はその誘導体、グリセリン脂
肪酸エステル及び融点が45℃以下の中性脂質を含有す
ることで上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、肉質改善剤ならび
にこれを含有する飼料に関する。
【0002】
【従来の技術】養殖魚及び畜産物の肉質を改善するため
には、給与飼料の組成を変化させる、飼育形態を変化さ
せるといった手段がこれまでになされてきた。その結
果、ある程度まで肉質を向上させることが可能となっ
た。しかしながら、購買者や消費者の立場からは、養殖
魚及び畜産物の肉質がさらに改善されることが要望され
ている。例えば特開平6−209720号ではタンニ
ン、カフェイン等を含有する材料を通常の飼料に配合
し、その家畜に給与することを特徴とする、家畜の肉質
を改良する方法に関する技術が開示されている。しかし
ながら、この技術では、カフェインによる副作用が懸念
されており、実用性に乏しいものがある。
【0003】これらのことから養殖魚及び畜産物の肉質
を実用的に、かつ効果的に向上させることができる肉質
改善剤が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、家畜及び養
殖魚の肉質を改善するために、家畜及び養殖魚の飼育段
階で給与できる肉質改善剤及び該肉質改善剤を含有する
飼料を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の目
的を達成するために鋭意検討を行った結果、平均粒径
1.5μm以下の固体であるアスコルビン酸、その塩類
又はその誘導体と、グリセリン脂肪酸エステル及び融点
が45℃以下の中性脂質を含有する添加物を家畜や養殖
魚の飼料に添加して給与するとこれらから生産される畜
産物または水産物の肉質が改善されることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明は物理的破砕によって平均
粒径1.5μm以下の固体であるアスコルビン酸、その
塩類又はその誘導体と、グリセリン脂肪酸エステル及び
融点が45℃以下の中性脂質を含有する肉質改善剤及び
該肉質改善剤を含有する飼料に関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明におけるアスコルビン酸の
塩類及び誘導体は特に限定するものではないが、好まし
くは、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カル
シウム、アスコルビン酸−2−リン酸エステル、アスコ
ルビン酸−3−リン酸エステル、アスコルビン酸−2−
リン酸エステルマグネシウム、アスコルビン酸−3−リ
ン酸エステルマグネシウム、アスコルビン酸−2−硫酸
エステル、アスコルビン酸−3−硫酸エステル、アスコ
ルビン酸−2−グルコシド類及びアスコルビン酸−3−
グルコシド類であり、さらに好ましくは、アスコルビン
酸カルシウム及びアスコルビン酸−2−リン酸エステル
マグネシウムである。また、これらの化合物単独あるい
は2種以上の混合物でも用いることができる。
【0008】本発明における平均粒径1.5μm以下と
は、物理的破砕によってレーザー回折型粒度分布測定で
平均粒径が1.5μm以下の超微粒子化されたものであ
り、かつ中性脂質に不溶なものを指す。また、その際の
物理的破砕方法に関しては、レディーミル、コボールミ
ル及びダイノミル等の湿式摩砕機やジェットミル等の乾
式破砕機、又は液体窒素を利用する凍結粉砕等の使用が
挙げられるが、レーザー回折型粒度分布測定により平均
粒径1.5μm以下の超微粒子化ができる性能のもので
あれば何れを使用することもできる。
【0009】本発明のアスコルビン酸、その塩類又はそ
の誘導体の含有量は特に限定するものではないが、好ま
しくは、該添加物中に1〜70重量%であり、さらに好
ましくは15〜50重量%である。アスコルビン酸、そ
の塩類又はその誘導体の含有量が1重量%より少ない場
合は、本発明の肉質改善の効果が弱い。また、アスコル
ビン酸、その塩類又はその誘導体の含有量が70重量%
より多い場合には、構造粘度が極度に高まり流動性を失
ってしまう為に後の加工特性及び応用範囲を著しく狭め
る事となる。
【0010】本発明に用いるグリセリン脂肪酸エステル
は特に限定するものではないが、HLB4以下の有機酸
モノグリセリド,ポリグリセリン脂肪酸エステル及びポ
リグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、好ましくは
クエン酸グリセリド、リンゴ酸グリセリド、酢酸グリセ
リド、コハク酸グリセリド、ジアセチル酒石酸グリセリ
ド、平均重合度2〜10のポリグリセリンと炭素数6〜
22の脂肪酸エステル及び平均重合度2〜10のポリグ
リセリンと縮合度4〜6のポリリシノレイン酸のエステ
ルから選ばれる1種または2種以上の混合物である。例
えばヘキサグリセリンヘキサステアレート、ヘキサグリ
セリンオクタステアレート及び縮合リシノレイン酸ヘキ
サグリセリン(縮合度5)等が挙げられる。尚、本発明
におけるHLBは、親水基及び親油基の分子量比より算
定され、例えば、戸田義郎・門田則昭・加藤友治編、
「食品用乳化剤 ―基礎と応用―(株式会社光琳、東
京、1997年)」第12頁〜第14頁の方法(門田則
昭著)で算定できる。
【0011】本発明にグリセリン脂肪酸エステルの含有
量は特に限定するものではないが、好ましくは、中性脂
質に対して1〜100重量%である。添加量が1重量%
未満の場合は本発明の肉質改善の効果が弱くなる。ま
た、100重量%より多い場合も同様に本発明の肉質改
善の効果が弱くなる。
【0012】本発明に用いる中性脂質は融点が45℃以
下であれば、特に限定するものではないが、中鎖脂肪酸
トリグリセリド等の合成油脂や大豆、米、菜種、カカ
オ、椰子等の油糧種子から得られる一般的な植物性油脂
及び牛脂、乳脂、豚脂、魚油等の動物性油脂の何れでも
使用でき、これらに本来含まれているリン脂質、ステロ
ール類、ワックス類及び油溶性ビタミン類等が共存して
も一向に差し支えないが、好ましくは融点が常温以下で
ある。本発明の中性脂質の含有量は特に限定するもので
はないが、好ましくは、該肉質改善剤中に10〜90重
量%であり、さらに好ましくは30〜70重量%であ
る。中性脂質の含有量が10重量%より少ない場合は、
本発明の生存率向上の効果が十分でない。また、中性脂
質が90重量%より多い場合には、加工特性及び応用範
囲を著しく狭める事となる。
【0013】本発明の肉質改善剤の飼料への添加量はア
スコルビン酸、その塩類又はその誘導体の添加量換算で
0.001〜0.8重量%、好ましくは0.005〜
0.5重量%、最も好ましくは0.01〜0.3重量%
となる様適宜調整すればよい。0.001重量%より少
ないと肉質改善が効果的でなく、0.8重量%より多い
と飼育コストの観点から利点が生じない。
【0014】本発明の肉質改善剤の飼料への添加期間
は、養殖魚及び畜産物の飼育終了の予定日からさかのぼ
って少なくとも60日以上、好ましくは40日以上であ
り、さらに好ましくは飼育全期間である。添加期間が6
0日より少ないと肉質改善が効果的でない。
【0015】本発明の家畜とは通常家庭の食卓に食肉と
して供する目的で飼育された動物を指し、例えば、牛、
豚、馬、鹿、羊及び山羊等のほ乳類動物や鶏、鴨、合
鴨、ダチョウ、アヒル、スズメ、七面鳥などの鳥類を例
示できる。また、本発明の養殖魚とは、通常家庭の食卓
に魚肉として供する目的で飼育された魚類及び甲殻類を
指し、例えば、ブリ、タイ、ヒラメ、カンパチ、ヒラマ
サ、スズキ、カツオ、シマアジ、フグ、アジ、マグロ、
カツオ、ウナギ、ニジマス、ヒメマス、シロザケ、ギン
ザケ、アユ、アマゴ、ヤマメ、コイ、テラピア、フナ、
クルマエビ、ウシエビ、テナガエヒ、ガザミ、イセエ
ビ、大正エビ、ウエスタンホワイトシュリンプ、ペナウ
スメルグイエンシス、ペナウスインディカス、メタペナ
ウスエンシス、ペナウススチリロストリス、アカエビ、
ハコエビ、ウチワエビ、アカザエビ、タラバエビ、サク
ラエビ、シャコ、プローン、ザリガニ、ロブスター、ズ
ワイガニ、タラバガニ、ワタリガニ、マッドクラブ、上
海カニ、ヤドカリ等を例示できる。好ましくは、ブリ、
カンパチ、ヒラマサ及びシマアジであり、最も好ましく
はブリである。
【0016】本発明の肉質改善剤とは、家畜及び養殖魚
の飼育段階に給与される飼料の安全性の確保及び品質の
改善に関する法律の範疇に含まれる配合飼料、混合飼
料、単体飼料及び飼料添加物の1種又は2種以上に添加
して給与されるものである。また、本発明品を単独で使
用しても問題はない。
【0017】さらに、添加される飼料の形態も特に限定
されない。添加時期も飼料製造時であればどの段階でも
問題はないが、エクストルーダー処理により製造される
EP飼料の場合は、エクストルーダー処理後の魚油添加
工程時に添加することが好ましい。
【0018】本発明の肉質改善とは、食肉及び魚肉の官
能評価の向上、及び屠体した家畜及び養殖魚の保存時に
おけるメト化率、TBA値及びPOV等の指標数値の経
時的上昇において、少なくとも1つの指標数値の上昇が
抑制されることである。
【0019】本発明の官能評価とは食肉及び魚肉の食味
試験をした際の光沢、色、歯ごたえ、おいしさ及び総合
評価からなる1種又は2種以上の項目を指す。
【0020】本発明のメト化率とは、養殖魚体又は家畜
の筋肉組織のミオグロビンからメトミオグロビンへの酸
化割合を指し、TBA値とは、養殖魚体又は家畜の遊離
脂肪酸の酸化割合を指し、POVとは、養殖魚体又は家
畜の油脂の酸化割合を指す。これらの測定法については
特に限定されるものではないが、例えば、高坂和久著、
「畜産物の鮮度保持(株式会社筑波書房、東京、199
1年)」第48頁〜第51頁及び第58頁〜第59頁に
記載の方法で測定できる。以下に実施例及び試験例によ
って本発明を説明するが、その内容に制限されるもので
はない。
【0021】
【実施例】実施例1 中鎖脂肪酸トリグリセリド50kg(融点−11℃,太
陽化学株式会社製)、縮合リシノレイン酸ヘキサグリセ
リン10kg(サンソフト818H;HLB1,縮合度
5,太陽化学株式会社製)を混合し、L−アスコルビン
酸結晶40kg(平均粒子径約100μm、日本ロシュ
株式会社製)を加えた油性懸濁液を調製し、これをコボ
ールミル(神鋼パンテック株式会社製)に掛け、レーザ
ー回折型粒度分布測定によりL−アスコルビン酸の平均
粒子径が1.2μmである本発明の肉質改善剤を得た
(本発明品1)。
【0022】実施例2 中鎖脂肪酸トリグリセリド50kg(融点−11℃,太
陽化学株式会社製)、縮合リシノレイン酸ヘキサグリセ
リン10kg(サンソフト818H;HLB1,縮合度
5,太陽化学株式会社製)を混合し、L−アスコルビン
酸カルシウム40kg(BASFジャパン株式会社製)
を加えた油性懸濁液を調製し、これをコボールミル(神
鋼パンテック株式会社製)に掛け、レーザー回折型粒度
分布測定によりL−アスコルビン酸カルシウムの平均粒
子径が0.8μmである本発明の肉質改善剤を得た(本
発明品2)。
【0023】実施例3 中鎖脂肪酸トリグリセリド50kg(融点−11℃,太
陽化学株式会社製)、縮合リシノレイン酸ヘキサグリセ
リン10kg(サンソフト818H;HLB1,縮合度
5,太陽化学株式会社製)を混合し、L−アスコルビン
酸−2−リン酸エステルマグネシウム5水和物40kg
(ホスピタン C、昭和電工株式会社製)を加えた油性
懸濁液を調製し、これをコボールミル(神鋼パンテック
株式会社製)に掛け、レーザー回折型粒度分布測定によ
りL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウ
ム5水和物の平均粒子径が0.77μmである本発明の
肉質改善剤を得た(本発明品3)。
【0024】実施例4 魚油50kg(融点−22℃,日本水産株式会社製)、
縮合リシノレイン酸ヘキサグリセリン10kg(サンソ
フト818H;HLB1,縮合度5,太陽化学株式会社
製)を混合し、L−アスコルビン酸結晶40kg(平均
粒子径約100μm、日本ロシュ株式会社製)を加えた
油性懸濁液を調製し、これをコボールミル(神鋼パンテ
ック株式会社製)に掛け、レーザー回折型粒度分布測定
によりL−アスコルビン酸の平均粒子径が1.0μmで
ある本発明の肉質改善剤を得た(本発明品4)。
【0025】実施例5 魚油50kg(融点−22℃,日本水産株式会社製)、
縮合リシノレイン酸ヘキサグリセリン10kg(サンソ
フト818H;HLB1,縮合度5,太陽化学株式会社
製)を混合し、L−アスコルビン酸カルシウム40kg
(BASFジャパン株式会社製)を加えた油性懸濁液を
調製し、これをコボールミル(神鋼パンテック株式会社
製)に掛け、レーザー回折型粒度分布測定によりL−ア
スコルビン酸カルシウムの平均粒子径が1.1μmであ
る本発明の肉質改善剤を得た(本発明品5)。
【0026】実施例6 魚油50kg(融点−22℃,日本水産株式会社製)、
縮合リシノレイン酸ヘキサグリセリン10kg(サンソ
フト818H;HLB1,縮合度5,太陽化学株式会社
製)を混合し、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステ
ルマグネシウム5水和物40kg(ホスピタン C、昭
和電工株式会社製)を加えた油性懸濁液を調製し、これ
をコボールミル(神鋼パンテック株式会社製)に掛け、
レーザー回折型粒度分布測定によりL−アスコルビン酸
−2−リン酸エステルマグネシウム5水和物の平均粒子
径が0.9μmである本発明の肉質改善剤を得た(本発
明品6)。
【0027】比較例1 中鎖脂肪酸トリグリセリド60kg(融点−11℃,太
陽化学株式会社製)にL−アスコルビン酸結晶40kg
(平均粒子径約100μm、日本ロシュ株式会社製)を
加えた油性懸濁液を調製し、これをコボールミル(神鋼
パンテック株式会社製)に掛け、レーザー回折型粒度分
布測定によりL−アスコルビン酸の平均粒子径が1.0
μmである比較品を得た(比較品1)。
【0028】試験例1 魚粉55kg、サケ白子5kg、クリルS.W.5k
g、イカ内臓5kg、イカ肝油5kg、大豆レシチン4
kg、バリン0.3kg、イソロイシン0.2kg、コ
ーンスターチ2.5kg、ミネラル混合物5kg、グル
テン8kg、ビタミン混合物5kgを粉砕後、ミキサー
で十分混合した。これをウエンガー社エクストルーダー
ペレットミルによりクッカー水分含量28%に調湿、蒸
煮しエクストルーション成型した。この成型物を2段式
ハンドドライヤーにより温度120℃で乾燥させ平均粒
径100mmのペレットを得た。このペレットに本発明
品1を0.5kg添加した魚油をペレットに対して10
kgになるようにオイルコーターで添加して、養殖魚用
EP餌料を調製した。また、本発明品2〜6を用いて同
様に養殖魚用EP餌料を調製した。さらに、対照として
比較品1を用いて同様の養殖魚用EP餌料を調製した。
【0029】これらの7種類のEP餌料を養殖ブリに給
与してフィールドでの効果試験を実施した。本発明品1
を添加したEP餌料を給与した区をA区、本発明品2を
添加したEP餌料を給与した区をB区、本発明品3を添
加したEP餌料を給与した区をC区、本発明品4を添加
したEP餌料を給与した区をD区、本発明品5を添加し
たEP餌料を給与した区をE区、本発明品6を添加した
EP餌料を給与した区をF区、比較品1を添加したEP
餌料を給与した区をG区として海面をA〜G区の7つの
生簀に分割し、それぞれの生簀で飼育開始時の平均体重
が3150gのブリ1500尾を飼育した。
【0030】試験例2 試験例1の条件で60日間飼育した。ブリ各30尾を屠
体し、刺身を調製して官能評価を行った。官能評価は7
人のパネラーを用いて、光沢、色調、歯ごたえ、おいし
さ及び総合評価の各項目を評価した。その評価基準は表
1に示した。
【0031】
【表1】
【0032】また、屠体直後と刺身を4℃で保存し、保
存後の1日目、3日目及び5日目に刺身のメト化率、T
BA値及びPOVを測定し、屠体直後のそれらの値と比
較し、上昇率を算出した。尚、屠体直後のこれらの値を
1とし、それに対する値で示した。
【0033】官能評価を表2、保存後のメト化率の上昇
率を表3、保存後のTBA値の上昇率を表4、保存後の
POVの上昇率を表5にそれぞれ示した。
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】
【表5】
【0038】表2に示したように、G区と比較して、A
〜F区のブリから調製した刺身の官能評価は優れてい
た。また、表3〜5に示したように、G区と比較してA
〜F区のブリから調製した刺身の保存中のメト化率、T
BA値及びPOVの上昇率が抑制された。
【0039】試験例3 試験例1の条件で90日間飼育した。ブリを各30尾屠
体し、刺身を調製して官能評価を行った。官能評価は試
験例2と同様の評価基準に従い実施した。また、屠体直
後と刺身を4℃で保存し、保存後の1日目、3日目及び
5日目に刺身のメト化率、TBA値及びPOVを測定
し、屠体直後のそれらの値と比較し、上昇率を算出し
た。尚、屠体直後のこれらの値を1とし、それに対する
値で示した。官能評価を表6、保存後のメト化率の上昇
率を表7、保存後のTBA値の上昇率を表8、保存後の
POVの上昇率を表9にそれぞれ示した。
【0040】
【表6】
【0041】
【表7】
【0042】
【表8】
【0043】
【表9】
【0044】表6に示したように、G区と比較して、A
〜F区のブリから調製した刺身の官能評価は優れてい
た。また、表7〜9に示したように、G区と比較してA
〜F区のブリから調製した刺身の保存中のメト化率、T
BA値及びPOVの上昇率が抑制された。本発明の実施
形態ならびに目的生成物を挙げれば以下の通りである。
【0045】(1)平均粒径1.5μm以下の固体であ
るアスコルビン酸、その塩類又はその誘導体、グリセリ
ン脂肪酸エステル及び融点が45℃以下の中性脂質を含
有することを特徴とする肉質改善剤。 (2)平均粒径1.5μm以下の固体であるアスコルビ
ン酸、グリセリン脂肪酸エステル及び融点が45℃以下
の中性脂質を含有することを特徴とする肉質改善剤。 (3)平均粒径1.5μm以下の固体であるアスコルビ
ン酸カルシウム、グリセリン脂肪酸エステル及び融点が
45℃以下の中性脂質を含有することを特徴とする肉質
改善剤。 (4)平均粒径1.5μm以下の固体であるアスコルビ
ン酸−2−リン酸エステルマグネシウム、グリセリン脂
肪酸エステル及び融点が45℃以下の中性脂質を含有す
ることを特徴とする肉質改善剤。 (5)平均粒径1.5μm以下の固体であるアスコルビ
ン酸、その塩類又はその誘導体の含有量が該肉質改善剤
に対して1〜70重量%であることを特徴とする前記
(1)〜(4)いずれか記載の肉質改善剤。
【0046】(6)平均粒径1.5μm以下の固体であ
るアスコルビン酸、その塩類又はその誘導体の含有量が
該肉質改善剤に対して1〜50重量%であることを特徴
とする前記(1)〜(4)いずれか記載の肉質改善剤。 (7)グリセリン脂肪酸エステルがHLB4以下である
事を特徴とする前記(1)〜(6)いずれか記載の肉質
改善剤。 (8)グリセリン脂肪酸エステルが有機酸モノグリセリ
ド,ポリグリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン
縮合リシノレイン酸エステルから選ばれる1種または2
種以上の混合物である事を特徴とする前記(1)〜
(7)いずれか記載の肉質改善剤。 (9)グリセリン脂肪酸エステルがクエン酸グリセリ
ド、リンゴ酸グリセリド、酢酸グリセリド、コハク酸グ
リセリド、ジアセチル酒石酸グリセリド、平均重合度2
〜10のポリグリセリンと炭素数6〜22の脂肪酸エス
テル及び平均重合度2〜10のポリグリセリンと縮合度
2〜4のポリリシノレイン酸のエステルから選ばれる1
種または2種以上の混合物である事を特徴とする前記
(1)〜(7)いずれか記載の肉質改善剤。 (10)グリセリン脂肪酸エステルがポリグリセリン縮
合リシノレイン酸エステルである事を特徴とする前記
(1)〜(7)いずれか記載の肉質改善剤。
【0047】(11)グリセリン脂肪酸エステルの含有
量が中性脂質に対して1〜100重量%であることを特
徴とする前記(1)〜(10)いずれか記載の肉質改善
剤。 (12)中性脂質が中鎖脂肪酸トリグリセリドであるこ
とを特徴とする前記(1)〜(11)いずれか記載の肉
質改善剤。 (13)中性脂質が魚油であることを特徴とする前記
(1)〜(11)いずれか記載の肉質改善剤。 (14)飼料への添加期間は、養殖魚及び畜産物の飼育
終了の予定日からさかのぼって60日以上であることを
特徴とする前記(1)〜(13)いずれか記載の肉質改
善剤。 (15)飼料への添加期間は、養殖魚及び畜産物の飼育
終了の予定日からさかのぼって90日以上であることを
特徴とする前記(1)〜(13)いずれか記載の肉質改
善剤。
【0048】(16)養殖魚用であることを特徴とする
前記(1)〜(15)いずれか記載の肉質改善剤。 (17)甲殻類用であることを特徴とする前記(1)〜
(15)いずれか記載の肉質改善剤。 (18)アジ科の養殖魚用であることを特徴とする前記
(1)〜(15)いずれか記載の肉質改善剤。 (19)ブリ用であることを特徴とする前記(1)〜
(15)いずれか記載の肉質改善剤。 (20)肉質改善が食肉及び魚肉の官能評価の向上、及
び屠体した家畜及び養殖魚の保存時におけるメト化率、
TBA値及びPOV等の指標数値の経時的上昇抑制の1
種又は2種以上であることを特徴とする前記(1)〜
(19)いずれか記載の肉質改善剤。
【0049】(21)肉質改善が食肉及び魚肉の官能評
価の向上であることを特徴とする前記(1)〜(19)
いずれか記載の肉質改善剤。 (22)肉質改善が屠体した家畜及び養殖魚の保存時に
おけるメト化率の経時的上昇抑制であることを特徴とす
る前記(1)〜(19)いずれか記載の肉質改善剤。 (23)肉質改善が屠体した家畜及び養殖魚の保存時に
おけるTBA値の経時的上昇抑制であることを特徴とす
る前記(1)〜(19)いずれか記載の肉質改善剤。 (24)肉質改善が屠体した家畜及び養殖魚の保存時に
おけるPOVの経時的上昇抑制であることを特徴とする
前記(1)〜(19)いずれか記載の肉質改善剤。 (25)前記(1)〜(24)いずれか記載の肉質改善
剤を含有することを特徴とする飼料。
【0050】(26)前記(1)〜(24)いずれか記
載の肉質改善剤を含有することを特徴とするEP飼料。 (27)EP飼料に添加する場合の添加時期がエクスト
ルーダー処理後であることを特徴とする含有することを
特徴とする前記(1)〜(24)いずれか記載の肉質改
善剤。
【0051】
【発明の効果】本発明の肉質改善剤を養殖魚、家畜ある
いは家禽に給与することで、優れた肉質の水産物及び畜
産物を提供することも可能となり、産業上の意義は非常
に大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 長宏 三重県四日市市赤堀新町9番5号 太陽化 学株式会社内 Fターム(参考) 2B150 AA01 AA07 AA08 AB05 DA55 DE13

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径1.5μm以下の固体であるア
    スコルビン酸、その塩類又はその誘導体と、グリセリン
    脂肪酸エステル及び融点が45℃以下の中性脂質を含有
    することを特徴とする肉質改善剤。
  2. 【請求項2】 グリセリン脂肪酸エステルがHLB4以
    下である事を特徴とする請求項1記載の肉質改善剤。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の肉質改善剤を含
    有することを特徴とする飼料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018078888A (ja) * 2016-11-05 2018-05-24 Fsk三昭株式会社 飼料、飼料生産方法及び飼料生産装置
JP2022069503A (ja) * 2015-08-07 2022-05-11 日本水産株式会社 ビタミンe富化養殖魚の飼育方法

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