JP2002119168A

JP2002119168A - 養鶏施設

Info

Publication number: JP2002119168A
Application number: JP2000317657A
Authority: JP
Inventors: Masao Tomosue; 誠夫友末
Original assignee: Kyowa Machinery Co Ltd
Current assignee: Kyowa Machinery Co Ltd
Priority date: 2000-10-18
Filing date: 2000-10-18
Publication date: 2002-04-23

Abstract

(57)【要約】【課題】ケージ飼育方式に換えて、健全な状態で採卵
鶏を飼育することのできる養鶏施設を提供すること。【解決手段】基台３と、基台３の上部に形成される下
側空間部と、下側空間部の上部に形成される床部と、床
部を構成するための通気性を有する多数の床面パネル５
と、多数の床面パネル５の上部に形成され、鶏Ｎが活動
する空間である上側空間部とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、新規な形態を有す
る養鶏施設に関する。

【０００２】

【従来の技術】採卵鶏（卵を産ませる専用の鶏）を飼育
するための養鶏施設においては、経済効率を最優先した
ケージ飼育方式を採用している。この方式においては、
ケージと呼ばれる飼育カゴの中に数羽（４羽〜５羽程度
が普通）の鶏を収容し、このケージを多数個並べたケー
ジ列を多段階構造とし、１つの養鶏施設にて３万〜６万
羽程度の超過密状態で鶏を収容して飼育している。この
ような構造のケージ群に対して、給餌、給水、吸気、排
気等のベンチレーション装置、鶏卵の搬出、鶏糞の搬
出、温度・湿度のコントロール装置等が設けられて、自
動鶏舎として機能する養鶏施設を構成している。

【０００３】かかる養鶏施設は、施設の立地条件（環
境）や鶏の産卵特性等によって、いろいろなタイプがあ
るが、いずれもケージを用いた方式により経済効率を最
大限に追求した形態を採用している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
ケージ飼育方式では、狭い空間に多くの鶏を過密状態で
収容しているため、鶏本来の特性を無視したり犠牲にし
たりしているものと考えられている。すなわち、狭い空
間にて飼育することにより、健康状態の良くない鶏を発
育させることになり、その結果産卵される卵の品質を低
下させる可能性があった。従来型のケージによる高密度
飼育では、卵殻や卵質が共に弱くなる傾向が多々見られ
た。このような品質低下の問題は、飼料の栄養配合率等
の改善では良好にはならないものである。

【０００５】さらに、非健康体の鶏から算出された多く
の卵は、病原菌に対する抵抗力も低く、また母体も同様
に弱くなり、種々の病気にもかかりやすくなる可能性が
高い。本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、
その課題は、ケージ飼育方式に換えて、健全な状態で採
卵鶏を飼育することのできる養鶏施設を提供することで
ある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明に係る養鶏施設は、基台と、前記基台の上部に形
成される下側空間部と、前記下側空間部の上部に形成さ
れる床部と、前記床部を構成するための通気性を有する
多数の床面パネルと、前記多数の床面パネルの上部に形
成され、鶏が活動する空間である上側空間部とを備えた
ことを特徴とするものである。

【０００７】この構成によると、多数の床面パネルの上
側空間部を鶏が活動する空間としている。この床面パネ
ルは通気性を有するために、鶏が活動する空間部を新鮮
な状態に維持することが可能になる。また、床面パネル
の多数により床部を構成することにより、鶏が活動する
空間を十分に確保することができる。したがって、ケー
ジで飼育する場合のように狭い空間に鶏を閉じ込めてお
くのではなく、広い空間で鶏を飼育することができる。
その結果、ケージ飼育方式に換えて、健全な状態で採卵
鶏を飼育することのできる養鶏施設を提供することがで
きる。

【０００８】本発明の好適な実施形態として、前記床面
パネルは、取り外し可能に構成されているものがあげら
れる。床面パネルが汚れた場合には、その床面パネルを
取り外して洗浄・清掃することができる。これにより、
鶏の活動する空間を清潔に保つことができる。

【０００９】本発明の別の好適な実施形態として、前記
床面パネルの上面には、木材チップが撒き敷かれている
ものがあげられる。これにより、自然の大地の感触を再
現することができる。本発明の更に別の好適な実施形態
として、前記床面パネルの上面に飼料を拡散させるため
の飼料拡散装置を備えているものがあげられる。

【００１０】かかる飼料拡散装置を設けることにより、
多数の床面パネルの上面に飼料をまんべんなく拡散させ
ることができる。また、人が飼料を拡散させる手間を省
くことができる。

【００１１】本発明の更に別の好適な実施形態として、
前記上側空間部に給水管を設けており、前記給水管は、
その上に鶏が乗ることができる高さに設けられているも
のがあげられる。

【００１２】この構成によると、給水管により鶏は水を
補給することができる。また、給水管の上に鶏が乗るこ
とができるので、鶏に適度な運動をさせることができ
る。

【００１３】

【発明の実施の形態】本発明に係る養鶏施設の好適な実
施形態を図面を用いて説明する。図１は、養鶏施設（鶏
舎とも呼ばれる）の構成を示す断面図、図２は床面パネ
ルの構成を示す斜視図、図３は、床面パネルの支持構造
を示す断面図、図４は飼料拡散装置の構成を示す斜視図
である。

【００１４】図１に示すように、本実施形態に係る養鶏
施設Ｙは、一階部分１と、二階部分２とを有した二階建
構造であるが、もちろんこれに限定されるものではな
い。一階部分１と二階部分２は、ほぼ同じ構成を有して
いる。同じ機能を有する部材には、同じ図番を付してい
る。養鶏施設Ｙの大きさとしては、例えば、幅２０ｍ×
奥行５０ｍ程度である。１フロアーに１２，０００〜１
５，０００羽の鶏を飼育することができる。

【００１５】基台３の上側の所定のピッチで支持レール
４が設けられており、この支持レール４の上側に多数の
床面パネル５が支持されている。図２に示すように、床
面パネル５は一辺が約１ｍの正方形の板状に形成されて
おり、多孔性繊維部５ａと網目部５ｂとから構成されて
いる。この床面パネル５は多孔性であることから、床面
上部から下部へ向けての通気性を良好に確保することが
できる。また、この床面パネル５は人が上に乗っても耐
えるだけの強度を有しており、取り外しも可能である。
また、床面パネル５の上面には木材チップを適当に散布
している。これにより、自然の大地の感触を再現するこ
とができる。木材チップは、抗菌作用のある松やヒノキ
を使うことが好ましい。その他、レンガを砕いたような
ものを用いても良い。また、床面パネル５の上面に人
工芝を用いても良い。人工芝は洗浄しやすいという利
点がある。図１に示すように、多数の床面パネル５が敷
き詰められており、これにより鶏Ｎが活動する空間を十
分に確保している。床面パネル５の上側空間部は、鶏Ｎ
が活動するための空間であり、床面パネル５の下側空間
部は、空気の流れを確保するための空間として確保して
いる。床面パネル５は仕切りのない状態で敷き詰められ
ており、鶏Ｎは、多数の床面パネル５により構成される
床部の上を隅から隅までを移動することができる。

【００１６】基台３は、コンクリート部３ａと鉄骨部３
ｂとを有しており、これにより十分な強度を確保してい
る。もちろん、基台３の構造としては、本実施形態のも
のに限定されるものではなく、種々の形態のものを採用
することができる。床面パネル５の大きさ・構造につい
ても、本実施形態のものに限定されるものではない。

【００１７】床面の上部には、飼料拡散装置６が設けら
れている。図４に示すように、飼料拡散装置６は、飼料
供給ダクト７と、羽根車８と、拡散プロペラ９とを備え
ている。飼料供給ダクト７は、その内部を飼料（とうも
ろこし等）が通過できるようになっており、飼料供給ダ
クト７の端部に設けられている羽根車８により、供給さ
れてきた飼料を拡散プロペラ９の羽に向けて落下させ
る。羽根車８は、不図示のモーターにより回転駆動さ
れ、その回転軸は飼料供給ダクト７に平行になるように
設定されている。

【００１８】拡散プロペラ９は、飼料供給ダクト７の下
部に取り付けられたモーター１０により回転駆動させら
れる。拡散プロペラ９の回転軸は、垂直方向に設定され
ており、床面に対して均一に飼料を撒き散らすようにし
ている。飼料拡散装置６は、図１では１フロアーに１つ
だけしか図示されていないが、複数個設けることが好ま
しい。床面に飼料を散布することにより、鶏Ｎは自由に
歩き回りながら飼料を食べることになるので、鶏Ｎの健
康にとっても好ましく、健康な状態の鶏を飼育すること
ができる。

【００１９】また、床面の上部には複数個の給水管１１
が設けられており、鶏Ｎは給水管１１により水分を補給
することができる。給水管１１の床面からの高さは、鶏
Ｎが飛び乗れる程度の高さに設定しているため、この給
水管１１は止まり木としても機能する。これにより、鶏
Ｎは適度に運動することができるので鶏Ｎの健康状態を
良好に保つことができる。

【００２０】以上のように、鶏Ｎは、自ら飼料を探して
食べることと、主翼を大きく動かして給水管１１に飛び
乗って休むことにより、ケージのような狭い空間で飼育
するよりも、羽の動作神経系や筋肉やバランス感覚が増
強され、健康的に体力を整えることができる。

【００２１】床面パネル５が設けられている床部（第１
床部）よりも少し高い位置に、第２床部１２が設けられ
ている。第２床部１２は、第１床部の両側に設けられて
おり、鶏Ｎが糞をするための場所と、産卵をするための
場所とを隣り合わせになるように確保している。糞をす
る場所の床面には、小さな穴１２ａが形成されており、
鶏糞はこの穴１２ａを通過して鶏糞回収コンベア１３に
より回収される。鶏糞回収コンベア１３は微速で駆動さ
れる。

【００２２】鶏Ｅが糞をする場所の隣には、卵回収コン
ベア１４が設けられており、この卵回収コンベア１４も
微速で駆動され、卵Ｅを所定の場所に搬送する。鶏Ｎ
は、この卵回収コンベア１４の上に乗っかって産卵をす
る。卵回収コンベア１４は、微速で駆動されているの
で、その上に鶏Ｎが乗っても問題はない。第２床部１２
よりも更に高い位置に、管理用通路１５が両側に設けら
れている。管理用通路１５は人が歩くための通路であ
る。

【００２３】二階部分２には屋根１７が設けられてお
り、その頂上部１５の内側には、フラップ１６が設けら
れ、給気用通路を構成している。屋根１７の両端部の内
側にもフラップ１８が設けられており、給気用通路を構
成している。これにより、外部の新鮮な空気を建物の内
部に送り込めるようにしている。

【００２４】養鶏施設Ｙの建物の両側には排気用通路１
９が設けられている。排気用通路１９の下端部は排気用
開口穴が形成されており、上端部にも排気穴１９ａ，１
９ｂが形成されている。上側の排気穴１９ａは、二階部
分２の鶏糞回収コンベア１３の空間の空気の排気を行
う。下側の排気穴１９ｂは、二階部分２の床面パネル５
と基台３の間の空間の空気の排気を行う。

【００２５】また、排気用通路１９の下端部にも排気穴
１９ｃ，１９ｄが形成されており、上側の上側の排気穴
１９ｃは、一階部分１の鶏糞回収コンベア１３の空間の
空気の排気を行う。下側の排気穴１９ｄは、一階部分１
の床面パネル５と基台３の間の空間の空気の排気を行
う。これにより、空気の流通を良くし、鶏Ｎが活動する
空間部の空気を常に新鮮に保持することができる。ま
た、一階部分１の天井部の両側には、給気用通路２０と
フラップ２１が設けられており、新鮮な空気を建物内部
に送り込めるようにしている。

【００２６】以上のような構成にすることにより、鶏が
活動する空間（特に，平面空間）を広く取ることができ
る（いわゆる、フリーレンジ）。これにより、鶏にスト
レスをかけることなく、鶏を健全な状態で飼育すること
ができる。さらに、鶏が産出する卵も品質の良いものと
することができる。

【００２７】＜別実施形態＞（１）鶏糞の排出を鶏糞回収コンベア１３を用いて行っ
ているが、コンベアではなく、傾斜面を設けて鶏糞が自
然に（重力により）排出されるように構成しても良い。
（２）室内に照明を設けて、産卵期間を調節することが
できる。（３）壁面には断熱材を用いることができる。（４）エアーの給排気を行うために、ファンやダンパー
を設けて、空気の流量をコントロールすることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】養鶏施設の構成を示す断面図

【図２】床面パネルの構成を示す斜視図

【図３】床面パネルの支持構造を示す断面図

【図４】飼料拡散装置の構成を示す斜視図

【符号の説明】

１一階部分２二階部分３基台５床面パネル６飼料拡散装置１１給水管Ｅ卵Ｎ鶏（採卵鶏）Ｙ養鶏施設（鶏舎）

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】基台と、前記基台の上部に形成される下側空間部と、前記下側空間部の上部に形成される床部と、前記床部を構成するための通気性を有する多数の床面パ
ネルと、前記多数の床面パネルの上部に形成され、鶏が活動する
空間である上側空間部とを備えたことを特徴とする養鶏
施設。
【請求項２】前記床面パネルは、取り外し可能に構成
されていることを特徴とする請求項１に記載の養鶏施
設。
【請求項３】前記床面パネルの上面には、木材チップ
が撒き敷かれていることを特徴とする請求項１又は２に
記載の養鶏施設。
【請求項４】前記床面パネルの上面に飼料を拡散させ
るための飼料拡散装置を備えていることを特徴とする請
求項１〜３のいずれか１項に記載の養鶏施設。
【請求項５】前記上側空間部に給水管を設けており、
前記給水管は、その上に鶏が乗ることができる高さに設
けられていることを特徴とする請求項１〜４のいずれか
１項に記載の養鶏施設。