JP2002115150A - タオル等の織物の製造方法 - Google Patents

タオル等の織物の製造方法

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JP2002115150A
JP2002115150A JP2000314155A JP2000314155A JP2002115150A JP 2002115150 A JP2002115150 A JP 2002115150A JP 2000314155 A JP2000314155 A JP 2000314155A JP 2000314155 A JP2000314155 A JP 2000314155A JP 2002115150 A JP2002115150 A JP 2002115150A
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pile
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yarn
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Masako Nakagawa
中川政子
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MIYABI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本願発明の課題は、製造過程において欠陥品
の発生が少なく、強度にも優れたタオル等の織物の製造
方法を提供することにある。また、触感等において優れ
ているタオルを提供することも課題とする。 【解決手段】 本願発明は、複数本のパイル用経糸2及
び下地用経糸1を供給しつつ、この経糸1,2間に下地
用緯糸3a,…を供給する緯糸供給工程と、この緯糸供
給工程により供給された下地用緯糸3a,…を筬打ちし
てパイル用経糸2をパイル状に形成するパイル形成工程
とが繰り返し行われるタオル等の織物の製造方法におい
て、パイル形成工程後に、経糸1,2間に補強用緯糸4
を供給して、この補強用緯糸4を筬打ちする補強用緯糸
工程を具備することを特徴としている。なお、パイル用
経糸2としてシルク糸を用いることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばタオル
等、パイルを有するパイル織物を製造する方法に関する
ものであり、例えば、乳児や幼児用の生地(例えば乳幼
児用パジャマの生地)として最適に用いられるものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種タオルは、図8に示すよう
に構成されてなるものであり、複数本のパイル用経糸
2’及び下地用経糸1’を供給しつつ、この経糸1’,
2’間に三本の下地用緯糸3a’,…を供給する緯糸供
給工程と、この緯糸供給工程により供給された下地用緯
糸3a’,を筬打ちしてパイル用経糸2’をパイル状に
形成するパイル形成工程とを順次繰り返し行って製造さ
れるものである。
【0003】具体的には、第一本目の緯糸3a’を下地
用経糸1’の間に交差するように通し、次にパイル用経
糸2’のみ上下位置を変更せしめた後にこのパイル用経
糸2’の間に第二本目の緯糸3b’を通し、次に下地用
経糸1’及びパイル用経糸2’双方の上下位置を変更せ
しめた後にこれらの経糸間に第三本目の緯糸3c’を通
した後に(緯糸供給工程後に)、かかる三本の緯糸を筬
打ちすることによりパイルを形成する。そして、次に下
地用経糸1’のみ上下位置を変更せしめた後に、上述の
ように第一本目の緯糸3a’を下地用経糸1’の間に通
して、以下上述と同様に二本目、第三本目の緯糸3c’
を通し、その後に筬打ちしてパイルを形成する。以上の
ような動作が繰り返されることによってタオル地から複
数のパイルが立ち上がったタオルが製造されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の方法により製造されたタオルは、タオル地部分の強
度にかけるため、強く左右から引っ張る等によって穴が
できる等の問題を有していた。
【0005】また、製造工程中においてパイル用経糸
2’が原反側(上流側)に引っ張られる方向の力がかか
ると、形成されていたパイルが容易に潰れてしまい、そ
の部分は製品化できないという問題を有していた。
【0006】さらに、タオル地としては通常綿等が用い
られているが、触感等が十分でない。かかる問題を解決
するためには、タオルを織る際にシルク糸で全てを織る
ことも考えられるが、シルク糸は高価なためタオル一枚
のコストが高くなるという問題を有する。
【0007】そこで、上記問題点に鑑み本願発明はなさ
れたものであって、本願発明の第一の課題は、製造過程
において欠陥品の発生が少なく、強度にも優れたタオル
等の織物及びその製造方法を提供することにある。ま
た、本願発明の第二の課題は、上記第一の課題を達成し
つつ、触感等において優れているタオルを提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記第一の課題を解決す
べく、本願請求項1記載の発明に係る製造方法は、複数
本のパイル用経糸2及び下地用経糸1を供給しつつ、こ
の経糸1,2間に下地用緯糸3a,…を供給する緯糸供
給工程と、この緯糸供給工程により供給された下地用緯
糸3a,…を筬打ちしてパイル用経糸2をパイル状に形
成するパイル形成工程とが繰り返し行われるタオル等の
織物の製造方法において、パイル形成工程後に、経糸
1,2間に補強用緯糸4を供給して、この補強用緯糸4
を筬打ちする補強用緯糸工程を具備することを特徴とし
ている。
【0009】上記構成からなる製造方法にあっては、緯
糸供給工程とパイル形成工程とが繰り返され行われるこ
とにより、タオル地等の下地部分と、これから立ち上が
ったパイル部分とからなる織物が製造できるとともに、
前記パイル形成工程の後に補強用緯糸工程を具備するも
のゆえ、パイル形成後においてパイルを形成するパイル
用経糸2に上流側(未だ編み込まれていない部分側・原
反側)へ張力が働いても、パイルの上流側には補強用緯
糸4が位置しているので、パイルが潰れ難い。このた
め、製造工程において欠陥品が発生し難い。また、同様
の理由により、このようにして補強用緯糸4も編み込ま
れた織物のパイル部分も潰れ難く、さらには下地自身も
補強用緯糸4の存在のためにその強度に優れており、織
物自体の強度にも優れている。
【0010】また、本願請求項5記載の織物も、第一の
課題を解決すべくなされており、パイル状に立ち上がっ
た複数本のパイル用経糸2と、複数本の下地用経糸1
と、これらの経糸1,2の間に供給され筬打ちがされて
編まれてなる下地用緯糸3a,…とを備えたタオル等の
織物であって、筬打ちされた下地用緯糸3a,…と、そ
の次に供給される下地用緯糸3a,…との間には、補強
用緯糸4が介在されていることを特徴としている。
【0011】上記構成からなる本願請求項5記載の織物
は、上記請求項1記載の発明と同様に、製造工程におい
て欠陥品が発生しにくく、また織物自体の強度にも優れ
ている。
【0012】また、上記請求項1記載の製造方法にあっ
ては、補強用緯糸工程において補強用緯糸4を、下地用
経糸1及びパイル用経糸2の夫々の間に供給する方法を
採用することも可能であるが、この補強用緯糸4を筬打
ちした際にパイル用経糸2が不用意に立ち上がる(パイ
ルが形成される)ことがある。このため、請求項2記載
のように、補強用緯糸工程において、筬打ちの際にパイ
ルが形成されないように、補強用緯糸4を下地用経糸1
間にのみ供給する構成を採用することが好ましい。
【0013】同様に、上記請求項5記載の織物にあって
は、請求項6記載のように、補強用緯糸4が、パイル用
経糸2には編み込まれずに下地用経糸1には編みこまれ
てなる構成を採用することが好ましい。
【0014】上記構成を採用することにより、製造工程
において補強用緯糸4を筬打ちした際に、パイル用経糸
2が立ち上がることを的確に防止でき、欠陥品の発生を
防止できるという利点を有する。
【0015】また、上記第二の課題を解決すべく、請求
項1又は2記載の製造方法にあっては、請求項3記載の
ような構成を採用することが好ましい。同様に、請求項
5又は6記載の織物にあっては、請求項7記載の構成を
採用することが好ましい。
【0016】つまり、請求項3記載の発明は、パイル用
経糸2としてシルク糸を用いる構成を採用してなる。ま
た、請求項7記載の発明は、パイル用経糸2が、シルク
糸から構成されているものである。
【0017】かかる構成を採用することにより、パイル
にはシルク糸が用いられていることにより、そのパイル
の触感に優れている。また、シルク糸は、紫外線防止や
肌に優しい素材であるため、特に乳児や幼児用の生地と
して最適である。
【0018】なお、上記シルク糸として、生糸を用いる
ことも可能であるが、請求項4及び請求項8記載のよう
に、シルク糸として絹紡糸を用いることが好ましい。こ
のように絹紡糸を用いることにより、生糸に比べて吸水
性に優れているという利点を有し、このため特に乳児や
幼児用の生地として最適に用いることができるという利
点を有する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の一実施の形態と
して、パイル織物としてのタオルの製造について説明す
る。なお、図1乃至図3は、本実施形態の各製造工程に
おける、タオルの経糸方向に断面をとった模式的な説明
図である。また、図4は、同製造方法において用いられ
る製造装置の概略構成を示す斜視図である。図5は、他
実施形態のタオルの製造工程における、タオルの経糸方
向に断面をとった模式的な説明図である。
【0020】本実施形態のタオルの製造方法の説明に際
して、まず製造装置について図4を参酌しつつ、概説す
る。
【0021】図4に示す製造装置10は、従来の製造装
置と同様の構成からなるものであり、原反11,12に
巻き付けられた経糸1,2を布巻き13側(下流側)に
送っていく途中において、緯糸入れ部材であるシャトル
14によって緯糸3を編み込むものである。なお、図示
中、二つの原反11,12は、夫々、下地用経糸1用の
原反11と、パイル用経糸2用の原反12とである。
【0022】そして、幅方向に緯糸3を持って移動する
シャトル14により緯糸3を経糸1,2間に通し、この
緯糸3を通す段階において、そうこう棒(経糸上下部
材)15を上下動させることにより、各経糸1,2を上
下させておき、緯糸3を所望の経糸1,2間に通すもの
である。なお、緯糸入れ部材としてのシャトル14は、
一つのシャトルが幅方向に移動するものであっても、左
右一対のシャトルが中央部において緯糸を受け渡す所謂
レピア式のものであっても良い。また、緯糸入れ部材と
して、緯糸をエアーで飛ばすエアージェットや、水で飛
ばすウォータージェット等のようにシャトルを用いない
ものを用いることもできる。
【0023】また、緯糸3を既に編まれたタオル地側
(布巻き13側・下流側)に筬打ちするための筬16
が、シャトル14の移動位置の前後位置(原反側と布巻
き13側との間)を移動するように設けられている。
【0024】なお、図中、17は、下地用経糸1とパイ
ル用経糸2とに夫々所望のテンションを加えるテンショ
ン部材であり、このテンション部材17によって、下地
用経糸1は強く張られ、パイル用経糸2は緩めに張られ
ている。また、18は、各経糸1,2のモツレを防止す
るためのあや棒である。
【0025】次に、本実施形態の製造方法について説明
する。まず本実施形態の製造方法の全体的な構成を概説
すると、本方法は、複数本の経糸1,2を供給しつつ、
この経糸1,2間に下地用緯糸3を供給する緯糸供給工
程と、この緯糸供給工程により供給された下地用緯糸3
を筬打ちして所望の経糸(パイル用経糸2)をパイル状
に形成するパイル形成工程とが繰り返し行われるもので
ある。
【0026】前記複数本の経糸1,2は、筬打ちにより
パイル状に形成されるパイル用経糸2、及び、下地用緯
糸3とにより下地を構成する下地用経糸1と峻別され
る。このパイル用経糸2と下地用経糸13とは、図4に
示すように、異なる原反11,12から供給されてお
り、下地用経糸1は筬打ちに際して弛まないようにテン
ションが高く、パイル用経糸23は筬打ちに際してパイ
ル状となるようにテンションが低い状態で供給されてい
る。
【0027】なお、パイル用経糸2は、幅方向において
下地用経糸1の間に位置するように供給され、例えば、
二本(又は一本)の下地用経糸1と一本のパイル用経糸
2とが交互に幅方向に位置するように供給される。
【0028】また、下地用経糸1として綿糸を用いてお
り、パイル用経糸2としてはシルク糸を用いている。こ
こで、シルク糸としては、生糸を用いることもできる
が、絹紡糸を用いている。この絹紡糸としては、好まし
くは66デニール以上、より好ましくは106デニール
以上のものが好適に用いられ、また好ましくは532デ
ニール以下、より好ましくは333デニール以下のもの
が好適に用いられる。
【0029】上述のように供給される下地用経糸1は、
前記そうこう棒15によって上下されて、その間にシャ
トル14が保持する下地用緯糸3が通されることになる
が、ここで下地用経糸1は、そうこう棒15によって隣
接する下地用経糸1と上下位置が異なるように上下動せ
しめられ、下地が所謂平織となるように設けられてい
る。なお、そうこう棒15の動作等を制御することによ
って、下地を綾織や朱子織等に設けることも可能であ
る。
【0030】また、上述のように供給されるパイル用経
糸2も、そうこう棒15によって上下されて、その間に
下地用緯糸3が通されることになるが、本実施形態にお
いては、このパイル用経糸2は、そうこう棒15によっ
て隣接するパイル用経糸2と上下位置が異なるように上
下動せしめられ、下地の両面からパイルが立ち上がった
タオル地となるように設けられている。なお、そうこう
棒15の動作等を制御することによって、片面のみから
パイルが立ち上がるように設けたり、各面におけるパイ
ルの本数が異なるように設けることも適宜変更可能な事
項である。
【0031】上述のように上下位置を変更された経糸
1,2間に緯糸3が通される。ここで、緯糸3として
は、綿糸を用いており、例えば、先晒染糸等、所望の色
に着色された着色糸を使うことが好ましく、これにより
タオル製造段階において色付けを行うことができる。な
お、この緯糸3として、上述したようなシルク糸を用い
ることも可能である。
【0032】次に、経糸1,2間に緯糸3を通し筬打ち
する工程について、図1乃至図3を参酌しつつ説明する
が、かかる工程の全体的な流れは、第一本目の緯糸3a
が通される第一緯糸供給手順、その後第二本目の緯糸3
bが供給される第二緯糸供給手順、その後第三本目の緯
糸3cが供給される第三緯糸供給手順、次いでこの第一
乃至第三緯糸3a,…を筬打ちするパイル形成手順、そ
の後、経糸1間に補強用緯糸4を通す補強用緯糸供給手
順、その後この補強用緯糸4を筬打ちする補強用緯糸筬
打ち手順の手順が順次繰り返し行われるものである。な
お、図1乃至図3においては、緯糸を3a,3b,3c
と図示している。
【0033】図1は、上述の第三緯糸供給手順後の状態
を説明するための説明図であるが、これに基いて第一緯
糸供給手順から第三緯糸供給手順までの手順について説
明する。なお、本実施形態の第一緯糸供給手順から第三
緯糸供給手順までが、本願発明の緯糸供給工程に相当す
るものである。なお、図示中、左側が上流側(原反1
1,12側)であり、最左方にある緯糸3a,…がまだ
筬打ちされていない緯糸3a,…である。
【0034】第一緯糸供給手順においては、その前段階
からパイル用経糸2の上下位置は変更せずに、下地用経
糸1の上下位置を変更した状態で、第一本目の緯糸3a
を経糸の間に通す。
【0035】第二緯糸供給手順においては、第一緯糸供
給手順後に、パイル用経糸2の上下位置を変更して、下
地用経糸1の上下位置を変更しない状態で、第二本目の
緯糸3bを経糸の間に通す。
【0036】第三緯糸供給手順においては、第二緯糸供
給手順後に、パイル用経糸2及び下地用経糸1の双方の
上下位置を変更した状態で、第三本目の緯糸3cを経糸
の間に通す。
【0037】上記第三緯糸供給手順後に(緯糸供給工程
後に)、この三本の緯糸を筬打ちすることにより、図2
に示すように、この三本の緯糸3a,…と下地用経糸1
とにより下地を形成するとともに、パイル用経糸2を下
地から立ち上がらせることにより、パイルを形成する
(パイル形成手順)。なお、図2において最左方(上流
側)のパイルがこの手順により形成されたパイルであ
る。
【0038】そして、上記パイル形成後に、第四本目と
なる補強用緯糸4を経糸間に供給する(補強用緯糸供給
手順)。ここでは、パイル形成手順後において、パイル
用経糸2の上下位置を変更せずに、下地用経糸1の上下
位置を変更した状態で、第二本目の緯糸3bを経糸の間
に通す。つまり、補強用緯糸4を、パイル用経糸2には
編み込まずに下地用経糸1に編みこまれるように設けて
いる。この補強用緯糸供給手順後において、この補強用
緯糸4を筬打ちして、補強用緯糸4と下地用経糸1とに
より下地を形成する(補強用緯糸筬打ち手順)。図3は
この補強用緯糸筬打ち手順完了時の説明図である。な
お、本実施形態においては、この補強用緯糸供給手順と
補強用緯糸筬打ち手順とから本願発明の補強用緯糸工程
が構成されている。なお、図3において最左方(上流
側)の補強用緯糸4がこの手順により筬打ちされた補強
用緯糸である。
【0039】上記補強用緯糸筬打ち手順後に(補強用緯
糸工程後に)、再度上述した第一緯糸供給手順(緯糸供
給工程)から補強用緯糸筬打ち手順(補強用緯糸工程)
までの手順を繰り返し行うことにより、パイルを有する
タオルが編まれていくことになる。
【0040】このようにして編成されたパイル織物とし
てのタオルは、パイル状に立ち上がった複数本のパイル
用経糸2と、複数本の下地用経糸1と、これらの経糸
1,2の間に供給され筬打ちがされて編まれてなる下地
用緯糸3a,…とを備え、さらに、筬打ちされた下地用
緯糸3cと、その次に供給される下地用緯糸3aとの間
には、補強用緯糸4が介在されてなるものである。
【0041】このようにパイル形成手順後に補強用緯糸
4が介在されるため、パイル形成後においてパイルを形
成するパイル用経糸2に上流側(原反11,12側)へ
張力が働いても、パイルの上流側には補強用緯糸4が位
置しているので、パイルが潰れ難く、製造工程において
欠陥品が発生し難い。また、このように補強用緯糸4が
介在されることにより、製品としてのタオルもそのパイ
ル部分が潰れ難く、さらには下地自身も補強用緯糸4の
存在のためにその強度に優れており、タオル自体の強度
にも優れている。
【0042】また、補強用緯糸筬打ち手順において、筬
打ちの際にパイルが形成されないように、補強用緯糸4
を下地用経糸1間にのみ供給しているため、タオルの補
強用緯糸4は、パイル用経糸2には編み込まれずに下地
用経糸1には編みこまれることになる。
【0043】このため、製造工程において補強用緯糸4
を筬打ちした際に、パイル用経糸2が立ち上がることを
的確に防止でき、欠陥品の発生を防止できる。
【0044】また、パイル用経糸2としてシルク糸を用
いているため、パイルにはシルク糸が用いられているこ
とにより、そのパイルの触感に優れるとともに、シルク
糸は、紫外線防止や肌に優しい素材であるため、特に乳
児や幼児用の生地(例えば乳児用衣服の生地)として最
適である。
【0045】しかも、上記実施形態においてはシルク糸
として絹紡糸を用いているため、生糸に比べて吸水性に
優れ、したがって特に乳児や幼児用の生地として最適に
用いることができるという利点を有する。
【0046】また、上記実施形態においては、下地を構
成する下地用緯糸3として既に所望の色に着色された着
色糸を用いるため、上記のタオル製造時(織物製造時)
において既に所望の色のタオルを製造することができ
る。なお、この後(タオル製造後)に着色、晒し等の加
工を行っても良い。
【0047】なお、上記実施形態は上述のような構成か
らなり、上記利点を有するものであったが、本願発明は
これに限定されるものではない、
【0048】つまり、上記実施形態においては、三本の
下地用緯糸3に対して一本の補強用緯糸4を介在させる
ものであったが、例えば、図5に示すように、補強用緯
糸を二本以上介在させるように設けることも可能であ
る。なお、図5中、一本目の補強用緯糸を4a、二本目
の補強用緯糸を4bと図示している。具体的には、この
図5に示す例にあっては、パイル形成工程後に、経糸
1,2間に二本の補強用緯糸4a,4bを供給し、この
二本の補強用緯糸4a,4bを筬打ちするように設けて
いる。なお、この場合にあっては、補強用緯糸4a,4
bを筬打ちする際にパイルが形成されないように、二本
の補強用緯糸4a,4bを下地用経糸1間にのみ供給す
るようにして、パイル用経糸2間には供給されないよう
に構成する(補強用緯糸4a,4bを供給する際に下地
用経糸1は上下位置を変更せしめ、パイル用経糸2は上
下位置を変更させない)ことが好ましい。
【0049】また、上記実施形態においては、パイルを
構成するパイル用経糸2としてシルク糸を用いたため上
述のような利点を有してなるが、本願発明はこれに限定
されるものではない。また、パイル用経糸2のシルク糸
として絹紡糸を用いたため上述のような利点を有してな
るが、例えば生糸を用いることも可能である。
【0050】また、上記実施形態においては、パイル用
経糸2のみをシルク糸としているが、例えば下地用緯糸
3等その他の糸にシルク糸を用いることも可能である。
但し、シルク糸は綿糸等に比べてコスト高となるため、
全ての糸をシルク糸から構成することは好ましくない。
【0051】また、上記実施形態においては、パイル用
経糸2が下地の両面から立ち上がるように設けている
が、本願発明はこれに限定されるものではなく、パイル
用経糸2が下地の片面のみから立ち上がるように設ける
ことも可能である。なお、かかる場合において、下地用
緯糸3及び/又は補強用緯糸4としてシルク糸を用いる
ことが好ましく、これにより裏面(パイルが形成されな
い面)の触感等が優れるという利点を有する。
【0052】さらに、図6に示すように、一本のパイル
用経糸2a,2bが、表裏交互に表出するように設ける
ことも可能である。この図6に示す例にあっては、二種
類の配列の異なるパイル用経糸2a,2bが設けられ、
一方のパイル用経糸2aが表面より表出する際には、他
方のパイル用経糸2bが裏面より表出し、また、一方の
パイル用経糸2aが裏面より表出する際には、他方のパ
イル用経糸2bが表面より表出するように設けられてい
る。より具体的には、上記実施形態と同様に第一緯糸供
給手順及び第二緯糸供給手順を行い、その後の第三緯糸
供給手順において、パイル用経糸2a,2b及び下地用
経糸1の双方の上下位置を変更した状態で、第三本目の
緯糸3cを経糸の間に通す。そして、第三緯糸供給手順
後に(緯糸供給工程後に)、この三本の緯糸を筬打ちし
てパイルを形成し、その後に上記実施形態と同様に、パ
イル用経糸2の上下位置を変更せずに、下地用経糸1の
上下位置を変更した状態で、補強用緯糸4を供給して筬
打ちを行うことによって、図6に示すタオルは製造され
ている。
【0053】また、本願発明は、各図において示すパイ
ルの高さに限定されるものではなく、各図示例のものよ
りも低いパイルであっても本願発明の意図する範囲内で
ある。
【0054】さらに、パイルが形成されずにパイル用経
糸が下地用経糸と同様に編まれている所謂平織り部が設
けられているパイル用織物も本願発明の意図する範囲内
である。つまり、例えば補強用緯糸工程後に、緯糸を供
給する際に、下地用経糸及びパイル用経糸の上下位置を
変更して、これを複数回繰り返して、平織り部を設ける
ものも本願発明の意図する範囲内である。なお、このよ
うな平織り部の形成を所定間隔ごとに行うことにより、
縞柄模様のパイル織物を形成することも可能である。さ
らに、この際において緯糸として着色糸を用いることに
よりパイル部分と平織り部分との色合いが異なって見
え、視覚的にも優れたものを製造できる利点を有する。
このため、ベビー服や乳児又は幼児用パジャマに要求さ
れる淡い色合いの生地を容易に製造できる利点も有す
る。
【0055】さらに、図7に示すように裏地が設けられ
たパイル織物も本願発明の意図する範囲内である。この
図7に示すような織物の製造方法は、パイル形成後(補
強用緯糸工程の前又は後)に、複数本の経糸1,…のう
ち下地用緯糸3a,…に編み込まれない裏地用経糸5の
間に、例えばシルク糸からなる裏地用緯糸6を供給し
て、この裏地用緯糸6を筬打ちして裏地を形成する裏地
形成工程を具備するものである。また、緯糸供給工程に
おいて、複数本の裏地用経糸5の一部5aを、供給され
る緯糸3a,…の表面側に位置せしめて、裏地と下地と
を連結する方法からなる(図7)。なお、裏地と下地と
の連結方法は、裏地形成工程において、下地用経糸2の
一部を、供給される裏地用緯糸4の裏面側に位置せしめ
て、裏地と下地とを連結するように設ける方法を採用す
ることも可能である。より具体的に図7に示す織物の製
造方法について説明する。上記実施形態のような補強用
緯糸工程終了後に、裏地用緯糸6を経糸間に供給する
(裏地用緯糸供給手順)。ここでは、補強用緯糸工程後
において、下地用経糸1及びパイル用経糸2が緯糸供給
部分(シャトル14の移動位置)よりも表面側(図示例
では下側)に位置するようにし、また裏地用経糸5の上
下位置を変更した状態で裏地用緯糸6が供給され、裏地
用緯糸6が裏地用経糸5にのみ編み込まれるように設け
ている。この裏地用緯糸供給手順後において、この裏地
用緯糸6を筬打ちして、裏地用緯糸6と裏地用経糸5と
により裏地を形成する(裏地用緯糸筬打ち手順)。上述
した裏地形成工程は、この裏地用緯糸供給手順と裏地用
緯糸筬打ち手順とから構成されている。図7に示す織物
の製造方法にあっては、上記実施形態と略同様の緯糸供
給工程において、大部分の裏地用経糸5の上下位置は変
更せずに、この裏地用経糸5の間には各緯糸3a,…を
通さないが、複数本の裏地用経糸5のうち一部(図7に
おける5a)は、緯糸供給工程において上下位置が変更
されて、緯糸3cの表面側に位置するように設けられ、
これにより裏地と下地とが連結されることになる。
【0056】
【発明の効果】上述のように、本願発明によれば、パイ
ルを形成した後に、経糸間に補強用緯糸を供給し、これ
を筬打ちしてなるため、製造過程において欠陥品の発生
が少なく、強度にも優れているという効果を有する。
【0057】また、パイル用経糸としてシルク糸を用い
ることによって、触感等において優れ、例えば乳幼児の
ための生地としても最適となる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態の製造工程における、タ
オルの経糸方向に断面をとった模式的な説明図であり、
第三緯糸供給手順後(緯糸供給工程後)の状態を示す。
【図2】本願発明の一実施形態の製造工程における、タ
オルの経糸方向に断面をとった模式的な説明図であり、
パイル形成工程後の状態を示す。
【図3】本願発明の一実施形態の製造工程における、タ
オルの経糸方向に断面をとった模式的な説明図であり、
補強用緯糸筬打ち手順後(補強用緯糸工程)の状態を示
す。
【図4】本願発明の一実施形態の製造方法において用い
られる製造装置の概略構成を示す斜視図である。
【図5】本願発明の他の実施形態のタオルの製造工程に
おける、タオルの経糸方向に断面をとった模式的な説明
図であり、緯糸供給工程後の状態を示す。
【図6】本願発明の他の実施形態のタオルの経糸方向に
断面をとった模式的な説明図である。
【図7】本願発明の他の実施形態のタオルの経糸方向に
断面をとった模式的な説明図である。
【図8】従来例のタオル経糸方向に断面をとった模式的
な説明図である。
【符号の説明】
1 下地用経糸 2 パイル用経糸 3,3a,3b,3c 下地用緯糸 4 補強用緯糸

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数本のパイル用経糸(2)及び下地用
    経糸(1)を供給しつつ、この経糸(1,2)間に下地
    用緯糸(3a,…)を供給する緯糸供給工程と、この緯
    糸供給工程により供給された下地用緯糸(3a,…)を
    筬打ちしてパイル用経糸(2)をパイル状に形成するパ
    イル形成工程とが繰り返し行われるタオル等の織物の製
    造方法において、 パイル形成工程後に、経糸(1,2)間に補強用緯糸
    (4)を供給して、この補強用緯糸(4)を筬打ちする
    補強用緯糸工程を具備することを特徴とするタオル等の
    織物の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の製造方法であって、 前記補強用緯糸工程において、筬打ちの際にパイルが形
    成されないように、補強用緯糸(4)を下地用経糸
    (1)間にのみ供給することを特徴とするタオル等の織
    物の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記請求項1又は2記載の製造方法であ
    って、 前記パイル用経糸(2)としてシルク糸を用いることを
    特徴とするタオル等の織物製造方法。
  4. 【請求項4】 前記請求項3記載の製造方法であって、 シルク糸として絹紡糸を用いることを特徴とするタオル
    等の織物製造方法。
  5. 【請求項5】 パイル状に立ち上がった複数本のパイル
    用経糸(2)と、複数本の下地用経糸(1)と、これら
    の経糸(1,2)の間に供給され筬打ちがされて編まれ
    てなる下地用緯糸(3a,…)とを備えたタオル等の織
    物であって、 筬打ちされた下地用緯糸(3a,…)と、その次に供給
    される下地用緯糸(3a,…)との間には、補強用緯糸
    (4)が介在されていることを特徴とするタオル等の織
    物。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の織物であって、 前記補強用緯糸(4)は、パイル用経糸(2)には編み
    込まれずに下地用経糸(1)には編みこまれてなること
    を特徴とするタオル等の織物の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記請求項5又は6記載の織物であっ
    て、 前記パイル用経糸(2)は、シルク糸から構成されてい
    ることを特徴とするタオル等の織物。
  8. 【請求項8】 前記請求項7記載の織物であって、 前記シルク糸は、絹紡糸から構成されていることを特徴
    とするタオル等の織物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101085859B1 (ko) 2009-12-03 2011-12-01 한미타올주식회사 타올의 편직방법
KR101085860B1 (ko) 2009-12-03 2011-12-01 한미타올주식회사 타올의 편직방법
CN103485025A (zh) * 2013-09-05 2014-01-01 吴江秦邦纺织有限公司 一种毛巾衬衫
CN112030310A (zh) * 2020-07-16 2020-12-04 苏州经贸职业技术学院 一种缂丝起绒织物及其织造方法

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