JP2002105518A - 回転炉床式の金属還元炉及び酸化金属の還元方法 - Google Patents
回転炉床式の金属還元炉及び酸化金属の還元方法Info
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Abstract
て、爆裂や粉化を起こさない様に、効率良く還元する。 【解決手段】 原料供給部13から炉床の回転方向に対
して下流側の加熱帯までの間に、加熱帯との仕切り壁1
6を設けた乾燥帯を有することを特徴とする回転炉床式
の金属還元炉。原料排出部11から原料供給部13まで
の間は、炉内天井の一部に水冷手段12を設けたり、炉
床18に水を吹き付ける機構を設けたりすることができ
る。
Description
び加工業において発生する金属酸化物を含むダストおよ
びスラジを還元処理する回転炉床式の金属還元炉及びそ
れを用いた酸化金属の還元方法に関するものである。
ては各種のものがあるが、この内で、生産性の高いプロ
セスとして、回転炉床法が実施されている。回転炉床法
は、固定した耐火物の天井および側壁の下で、中央部を
欠いた円盤状の耐火物の炉床がレールの上を一定速度で
回転する型式の焼成炉(以下、回転炉と称す)を主体と
するプロセスであり、酸化金属の還元に用いられる。回
転炉の炉床直径は10〜50メートルかつ、幅は2〜6
メートルを有するものである。
元剤と混合された後、原料ペレットにされて、回転炉に
供給される。原料ペレットはこの炉床上に敷きつめられ
ており、原料ペレットが炉床上に静置されていることか
ら、原料ペレットが炉内で崩壊しにくいといった利点が
あり、耐火物上に粉化した原料が付着する問題が無く、
また、塊の製品歩留が高いと言った長所がある。また、
生産性が高く、安価な石炭系の還元剤や粉原料を使用で
きると言った理由から、近年、実施される例が増加して
いる。
炉から発生する製鉄ダストや圧延工程でのシックナース
ラジの還元と不純物除去の処理にも有効であり、ダスト
処理プロセスとしても使用され、資源リサイクルに有効
なプロセスである。
る。
金属酸化物に、この酸化物の還元に必要な量の炭素系還
元剤をよく混合した後、パンペレタイザー等の造粒機に
て、水分が約10%となるように、水をかけながら、数
〜十数mmのペレットを製造する。原料の鉱石や還元剤
の粒径が大きい場合は、ボールミル等の粉砕機で粉砕し
た後に、混練して、造粒する。
状に敷き込む。炉床上に敷込まれたペレットは急速に加
熱され、5〜20分間、1300℃前後の高温で焼成さ
れる。この際に、ペレットに混合されている還元剤によ
り酸化金属が還元され、金属が生成する。還元後の金属
化率は還元される金属により異なるが、鉄、ニッケル、
マンガンでは、95%以上、還元しにくいクロムでも5
0%以上となる。また、製鉄業から発生するダストを処
理する場合は、還元反応に伴い、亜鉛、鉛、アルカリ金
属、塩素、等の不純物が揮発除去されることから、高炉
や電気炉にリサイクルすることが容易となる。
方法および製鉄ダストの還元処理方法においては、原料
と還元剤をペレットにすることが必須の条件で、原料の
事前処理として、原料の酸化金属の粉体と還元剤の混合
物を造粒性の良い状態にすることが重要であり、原料の
事前粉砕やボールミルでの混練等の種々の方法が行われ
ている。
回転炉床法による酸化金属の還元は、生産性や製造費用
の面で優れており、経済的に金属を製造する方法であ
る。しかし、原料と還元剤をペレットにすることが重要
であり、造粒性能の高い原料を選択するか、高価な粉砕
機を設置して、原料を粉砕することにより造粒性を向上
させることが必要であり、このための費用が多くかかる
問題があった。
する場合は、一般には、原料鉱石の粒径が大きいため、
平均粒径が数十μm以下になるように粉砕した後、造粒
して、ペレットを製造していた。その結果、粉砕工程の
設備が高価であり、また、粉砕機の運転のための電力が
かかることや粉砕機器の磨耗に伴う整備費用がかかると
いった欠点があった。
に、微粉の原料を使用することがあるが、原料の選択性
が厳しく、汎用的な方法ではなかった。そこで、湿式選
鉱後の微粉鉱石を使用すること、または高炉や転炉のシ
ックナーダスト、圧延工程でのスケールピットのスラジ
や酸洗工程での沈殿スラジ等を使用することが有効であ
る。しかし、この場合でも、原料の含有水分が多すぎて
造粒しづらいといった問題があった。すなわち、これら
の原料は粒径が1〜数十μmの微粉であり、その結果、
水分を含んだ状態では、これらは汚泥状となりやすく、
また真空脱水機やフィルタープレスで脱水した後でも、
水分が30〜50%あり、そのままでは水分が多すぎ
て、造粒できなかった。
で粉原料を完全に乾燥した後に、造粒する方法がある。
しかし、乾燥過程で粉原料が疑似凝集してしまい、その
ままでは造粒することはできないため、これを粉砕し
て、再度、微粒の状態にした後に、他の原料とともに、
加水して、造粒した後に、回転炉床で還元されていた。
も、多量の熱源を用いて乾燥した後に、再度水分を加え
られるため、造粒時の水分の蒸発に、熱源が必要であ
り、経済的な金属の還元方法ではなかった。
発生するダストやスラジを湿式集塵機または沈殿槽から
集めた場合には、これらの発生物は、最大90%と、多
くの水分を含有しており、これらの発生物を回転炉床法
で還元処理しようとする場合には、乾燥工程と乾燥後の
粉砕処理の問題が顕著であった。
特開平11−12619号公報には、原料を造粒せずに
回転炉床法で使用する方法として、原料を圧縮成型機で
タイル状にして、これを回転炉床法で使用する発明が開
示されている。しかし、この方法でも、やはり、水分を
大量に含有した状態の原料を使用することには問題があ
った。
示されるように、原料の水分を6〜18%に調整する必
要があり、このためには、事前の脱水処理に加え、乾燥
処理が必要であり、このための複雑な水分制御が必要な
問題があった。また、この原料装入のためには、特開平
11−12621号公報に示されるような、複雑な装入
装置が必要であり、この設備の整備費用が高い等の問題
も生じていた。
を高温の回転炉に直接装入した場合には、水分含有率が
高いために、水分の蒸発に伴う爆裂現象が発生して、原
料が粉化して、排気ガス中に失われて、製品歩留が極端
に悪いといった問題が生じていた。通常、回転炉床法で
の炉内温度は、原料供給部の近傍が最も低く、1150
〜1200℃である。気孔率が40〜55%の場合で
は、水分が15〜27%と多く、原料供給部の近傍が1
200℃以上になっても爆裂現象は起きないものの、水
蒸気の噴出による角部分や表面の剥離が生じる。したが
って、1200〜1250℃程度の高温でも、還元操業
は可能であるが、塊状の還元物の比率が少なく、粉の生
成率が高くなるという問題があった。その結果、排ガス
中に金属分がロスする比率が比較的高くなり、歩留の低
下の問題が残った。
を含んだ粉状態の原料を回転炉床法で爆裂の発生なく高
歩留で還元することが可能な回転炉床式の金属還元炉及
び還元方法を安価に提供することを目的とする。
(5)の通りである。
して下流側の加熱帯までの間に、加熱帯との仕切り壁を
設けた乾燥帯を有することを特徴とする回転炉床式の金
属還元炉。
の炉内天井の一部に水冷手段を有することを特徴とする
前記(1)の回転炉床式の金属還元炉。
の炉床に水を吹き付ける機構を有することを特徴とする
前記(1)又は(2)の回転炉床式の金属還元炉。
接加熱源、加熱・還元帯の排ガスの何れか又は2以上の
組み合わせであることを特徴とする前記(1)〜(3)
の何れかの回転炉床式の金属還元炉。
還元炉を用いて酸化金属を還元する方法であって、気孔
率が25〜55%で、3〜27%の水分を含有している
成形体を、前記乾燥帯にて60〜300秒間、300〜
1150℃で乾燥することを特徴とする酸化金属の還元
方法。
元炉と当該還元炉への金属酸化物原料の前処理設備を示
した還元装置の全体の1例を図3に示す。これは、水分
を含んだ粉状原料の混合ピット1、スラリー輸送ポンプ
2、脱水装置3、成形機4、回転炉5および、付帯設備
からなる。また、回転炉5の原料供給部周辺の円周に沿
った垂直断面図を図1、および図2に示す。
以上の比率で含んだ状態の酸化金属粉体と炭素を主体と
した還元剤を粉状にした原料を混合しておく。酸化金属
原料は、鉄鉱石粉、マンガン鉱石粉、クロム鉱石粉等の
粉鉱石や金属製造業で発生する精錬炉のダストや圧延工
程のスラジなどを用いる。特に、金属製造業で発生する
スラジは、元来70%程度の水を含んでいることから、
本方法に最も望ましい原料である。
く撹拌混合する。この固液混合物をスラリー輸送ポンプ
2にて脱水装置3に輸送して、ここで含有水分を15〜
27%まで脱水して、原料混合物の凝集体を形成する。
固液混合物を循環移動する濾布の上に注ぎ、当該濾布の
上下に設置した一対の圧搾ロールで絞る型式の脱水装
置、フィルタープレス、遠心脱水機等を用いて脱水し、
原料混合物の凝集体を得ることができる。
形機4にて、水分を含んだまま成形体を形成する。成形
体は、10〜20mm程度の大きさのものが望ましい。
回転炉5で成形体が爆裂しにくいように、水蒸気が抜け
やすい構造を設けることが望ましい。具体的には、気孔
率を高くすれば、水蒸気の抜けが良くなり、爆裂しにく
くなることから、図3に示す押し出し形式の成形機の場
合には、気孔率を40〜55%とすることが望ましい。
気孔率が40%より低いと、緻密な成形体である為、水
蒸気が抜けにくくなり、気孔率が55%を超えると、焼
成前の成形体の強度低下が発生し、成形体の炉内での崩
壊による操業支障を来たすので、上記の範囲とすること
が好ましい。
を用いる場合には、気孔率を25〜40%とすることが
好ましい。気孔率が25%より低いと緻密な成形体であ
る為、水蒸気が抜けにくくなり、気孔率が40%を超え
ると焼成前の成形体の強度低下が発生し、成形体の炉内
での崩壊による操業支障を来たすので、上記の範囲とす
る。また、成形体の水分が3%より少ないと、水蒸気の
発生に伴う成形体の粉化は発生しにくいので、3%以上
とし、押出し式の成形機を用いる場合、成形体としての
形状を得るためには、水分は15%以下とすることが好
ましい。
するケーシング内に設置してあるスクリューを用いて、
ケーシング末端のエンドプレートに設けた複数の穴型か
ら水分を含む粉体を押し出す型式の成形機が最も望まし
い。この成形機では、水分含有率=12〜27%と含水
粉体を比較的粗く成形できるので、成形体の気孔率を4
0〜55%に制御することが可能になる。成形機4にて
製造した成形体を回転炉5に供給する。供給装置として
は、水分が多くとも詰まりの生じない型式の振動フィー
ダーやシャトルコンベア等を使用する。
2〜27%含んでいるため、炉内で加熱される際に、成
形体内部で水蒸気が発生する。この水蒸気の発生速度が
速すぎると、気孔率の高い成形体においても、成形体の
表面剥離や爆裂が起きることから、水蒸気の発生速度を
低減することが重要な技術である。
切り壁16を設け、加熱〜還元による高温排ガスがこの
区間に到達する前に排ガス出口15から排出され、天井
14下部のこの区間への熱の供給を押さえ独立した乾燥
帯を設ける。
ガスには、揮発した亜鉛、鉛、アルカリ金属、塩素、等
の物質を含むため、炉内での再凝縮を防止するため乾燥
帯排ガス出口17部で900〜1100℃を確保する必
要がある。従って、乾燥帯排ガスと加熱・還元帯排ガス
を混合して排気する場合、乾燥帯排ガス温度が低温時
(300〜700℃)は、乾燥帯排ガス出口17部で排
ガス出口温度900〜1100℃を確保するため、乾燥
帯排ガス分は余分な昇熱が必要である。
16を設けることで、乾燥帯から発生する水分を多く含
んだ排ガスは、乾燥帯排ガス出口17から、加熱・還元
帯から発生する高温の排ガスは排ガス出口15から、各
々を排気することができる。
の昇熱が不要となり、燃料原単位が向上すると共に、高
温の排ガス系統に水分を多く含んだ排ガスが混合しない
ので、高温排ガス処理量が低減でき、排ガス処理設備費
をより安価にすることができる。
間接加熱源、バーナーによる熱源あるいは、加熱・還元
帯の排ガス熱源を利用することが可能であり、加えて前
記加熱源の何れか2つの手段、例えば、間接加熱源と加
熱・還元帯排ガス熱源を併用しても良い。
23が、バーナーではリジェネバーナー22が省エネル
ギーにおいて有効である。加熱・還元帯の排ガス熱源
は、高温の排ガスダクト6中に熱交換機20を設け、送
風機21からの空気を加熱した後、乾燥帯で使用する。
は左から右方向に移動して、排出スクリュー11にて、
還元された成形体を排出した後、原料供給口13から炉
床18上に成形体が連続的に供給される。
られた炉床18の還元物を排出した後の炉床表面温度は
1150〜1250℃であり、この温度に伴う炉床18
からの熱放散が乾燥帯の熱源となっている。本発明者ら
が種々の実験を行った結果、粉生成率を低下させるため
には、原料である成形体の供給時の炉床表面温度を90
0〜1050℃とすることが望ましいことを解明した。
炉床18を冷却することも有効な方法である。つまり、
炉床18を冷却することにより、炉床18からの伝熱を
低下することができる。
ュー11と原料供給口13の間の天井を水冷金属パネル
12で構成することにより、冷却する方法がある。この
場合は、還元済み成形体の排出が終わって、裸状態の炉
床18からの輻射熱を水冷金属パネル12で吸収するこ
とにより、炉床18の温度を低下させる。この方法で
は、水冷金属パネル12の表面温度は300℃程度とな
り、炉床表面温度を900〜1050℃に冷却するため
に、30〜50秒の冷却が必要である。また、原料供給
口13よりも上流の部分で炉床18にスプレーノズル等
から散水する方法も炉床冷却に有効である。
炉床18とともに炉内を移動して、徐々に高温部に移
り、成形体温度が1200℃を越えた時点で盛んに還元
反応を起こし、成形体の酸化金属はほとんど金属とな
る。還元された成形体は、排出スクリュー11で炉床1
8から掻き出され、クーラー10で冷却されて、高炉や
電気炉などの利用工程に輸送される。
れを還元する例を図4に示す。双ロール式圧縮成形機2
4、いわゆるブリケット成形機にて、水分を3から15
%に調整した粉体を成形する例である。この成形体は、
気孔率が25〜40%と比較的緻密なものである。ま
た、回転式造粒機、いわゆるパンペレタイザーにより、
成形体を製造する方法もある。ただし、この成形体は、
気孔率が約25%とかなり緻密な成形体となる。水分を
含んだ状態では、爆裂しやすいため、本発明の方法での
還元操業には不向きであるが、水分が3〜15%程度で
あれば、本発明の方法での使用に耐えられる。
体の場合は、成形体の乾燥を行う部分である乾燥帯の最
高温度は1000℃以下に押さえる必要がある。この理
由は、緻密で気孔率が低い成形体は、成形体の内部で水
蒸気が抜ける際に、気孔の通気抵抗により、成形体の内
部圧力が高くなり易く、爆裂や粉化を抑制するために
は、低温で水分を蒸発させる必要があるためである。ま
た、気孔率の高い成形体の場合と同様に、乾燥帯の炉内
温度を300℃以上とすることが有利である。これは、
ガス温度が低すぎて、乾燥帯の長さが極端に延長する欠
点を解消するためである。つまり、気孔率が25〜40
%と比較的緻密な成形体では、乾燥帯の温度を300〜
1000℃とすることが望ましい。この時の乾燥帯の長
さは、炉床18の通過時間に換算して、60〜180秒
が望ましい。気孔率が40〜60%の成形体の場合に対
して、より短い時間となっているが、これは含有水分が
少なく乾燥が早く終わるためである。
の水分除去が終了した後に、成形体は高温の炉内で還元
され、排出スクリュー11で炉床18から掻き出され、
クーラー10で冷却される。
5〜55%で、3〜27%の水分を含有している前記成
形体を炉床に供給し、乾燥帯の炉内温度を1150℃以
下に低下させることにより、表面の剥離等を抑制して、
成形体の粉生成率を低減することができる。双ロール式
の圧縮成形機を用いて成形する場合、気孔率が25〜4
0%で、3〜15%の水分を含有している前記成形体を
炉床に供給し、乾燥帯の炉内温度を1000℃以下に低
下させることにより、また、押出し式の成形機等を用い
て成形する場合には、気孔率が40〜55%で、12〜
27%の水分を含有している前記成形体を炉床に供給
し、乾燥帯の炉内温度を1150℃以下に低下させるこ
とにより、表面の剥離等を抑制して、成形体の粉生成率
を低減することができる。押出し式の成形機を用いて成
形する場合、当該スラッジの成形可能な水分条件は12
〜27%であることより、水分の範囲は上記のとおりと
する。
の時間は60〜300秒とする。60秒より短いと充分
な乾燥時間を確保できず、一方300秒より長いと生産
性が低下するので、上記の範囲に限定する。
り、表面の剥離等を抑制して、成形体の粉生成率を低減
することができる。乾燥帯の炉内温度が成形体の粉化に
与える影響を調査した結果を表1に示す。この実験で
は、押し出し式の成形機によって製造した平均粒径が8
μmの酸化鉄と炭素の粉体の混合物を試料として用い
た。成形体は、直径15mm、気孔率44%、水分19
%のものである。粉の発生率は表1に示すように、12
00℃では、25%あったものが、1000℃では、
8.8%まで低下している。また、300℃では、粉生
成率は、5.1%である。
率と水分により異なるが、気孔率が25〜40%で、3
〜15%の水分を含有している成形体の場合は、60〜
180秒、300〜1000℃とし、気孔率が40〜5
5%で、12〜27%の水分を含有している成形体の場
合は60〜210秒、300〜1150℃とする。炉内
温度を低下させると乾燥帯の長さが長くなり、設備的に
は炉床面積が大きくなる問題もある。乾燥帯の炉内温度
を300℃未満とすると、排ガスからの輻射伝熱が急速
に低下して、乾燥帯の長さが極端に延長する。その結
果、設備建設費用の面で不利であるとともに、炉内温度
を低下させるための機構も複雑になることから、乾燥帯
の炉内温度は300℃以上が有利である。また、乾燥帯
の炉内温度が1200℃以上の場合では、表1に示され
るように、急速に粉の比率が増加する。したがって、還
元製品の歩留の観点から、気孔率が25〜40%で3〜
15%の水分を含有している成形体の場合は乾燥帯の炉
内温度を1000℃以下とすることが望ましい。
を含有している比較的緻密な成形体の場合は、成形体の
乾燥を行う部分である乾燥帯の最高温度は、1000℃
以下に押さえる必要がある。この理由は、緻密で気孔率
が低い成形体は、成形体の内部で水蒸気が抜ける際に、
気孔の通気抵抗により、成形体の内部圧力が高くなり易
く、爆裂や粉化を抑制するためには、低温で水分を蒸発
させる必要があるためである。また、気孔率の高い成形
体の場合と同様に、乾燥帯の炉内温度を300℃以上と
することが有利である。これは、ガス温度が低すぎて、
乾燥帯の長さが極端に延長する欠点を解消するためであ
る。つまり、気孔率が25〜40%と比較的緻密な成形
体では、乾燥帯の温度を300〜1000℃とすること
が望ましい。この時の乾燥帯の長さは、炉床10の通過
時間に換算して、60〜180秒が望ましい。
の各工程で発生した酸化鉄を多く含むスラジを原料に操
業した結果を実施例として、表2に示す。また、比較例
として、乾燥帯のない従来の回転炉を用いた例を表2に
示す。使用した原料成形体は、平均粒径9μm、水分2
1%、気孔率44%の直径が15mmの円柱状をしたも
のであった。
20℃に制御されており、この領域の長さは、炉床の通
過時間換算で150秒であった。実施例で得られた還元
物は、製品粉率が8.7%と少なく、また、ダストへの
鉄分ロスも1.7%と低位であった。更に、金属化率は
88%と還元も良好であった。
が1080〜1180℃であり、本発明の条件よりも高
温であった。比較例で得られた還元物は、製品粉率が2
1.7%と多く、また、ダストへの鉄分ロスも3.7%
と高位であった。更に、金属化率は69%と低かった。
これは、粉化したものは比表面積が大きいため、炉内ガ
ス中の炭酸ガスにより、再酸化反応を受けたためであっ
た。
いて、水分を含有している粉体の成形体を用いて、経済
的に酸化金属の還元を行うことができる。また、水分を
大量に含有するダストとスラジの処理には有効である。
沿った垂直断面の例を示す図である。
沿った垂直断面の他の例を示す図である。
図である。
示す図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 原料供給部から炉床の回転方向に対して
下流側の加熱帯までの間に、加熱帯との仕切り壁を設け
た乾燥帯を有することを特徴とする回転炉床式の金属還
元炉。 - 【請求項2】 原料排出部から原料供給部までの間の炉
内天井の一部に水冷手段を有することを特徴とする請求
項1記載の回転炉床式の金属還元炉。 - 【請求項3】 原料排出部から原料供給部までの間の炉
床に水を吹き付ける機構を有することを特徴とする請求
項1又は2記載の回転炉床式の金属還元炉。 - 【請求項4】 乾燥帯の乾燥用熱源がバーナー、間接加
熱源、加熱・還元帯の排ガスの何れか又は2以上の組み
合わせであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1
項に記載の回転炉床式の金属還元炉。 - 【請求項5】 請求項1〜4の何れか1項に記載の金属
還元炉を用いて酸化金属を還元する方法であって、気孔
率が25〜55%で、3〜27%の水分を含有している
成形体を、前記乾燥帯にて60〜300秒間、300〜
1150℃で乾燥することを特徴とする酸化金属の還元
方法。
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