JP2002091269A - 画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents

画像形成装置および画像形成方法

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JP2002091269A
JP2002091269A JP2000276260A JP2000276260A JP2002091269A JP 2002091269 A JP2002091269 A JP 2002091269A JP 2000276260 A JP2000276260 A JP 2000276260A JP 2000276260 A JP2000276260 A JP 2000276260A JP 2002091269 A JP2002091269 A JP 2002091269A
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image forming
temperature
image
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organic photoreceptor
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JP2000276260A
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English (en)
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Toru Yamaguchi
徹 山口
Shinichi Tsukamura
慎一 束村
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハードコート層を有する感光体の使用履歴
(使用時間、画像形成回数、帯電特性の劣化等)に応じ
て、画像流れを防止し、且つ、現像剤寿命やブレード寿
命を十分に延ばすことを可能とした画像形成装置および
画像形成方法を提供する。 【解決手段】 架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含
有する樹脂層を表面層として有する有機感光体と、前記
有機感光体の温度を変更する温度変更手段と、前記有機
感光体の使用履歴に応じて、前記温度変更手段の動作を
制御する制御手段とを有することを特徴とする画像形成
装置および該画像形成装置を用いた画像形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリン
タ、ファクシミリ等に用いられる画像形成装置に関し、
更に詳しくは、ハードコート層を有する感光体に起こり
やすい画像流れ(画像ボケ)を低減し、且つ、感光体の
減耗を低減した画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式の画像形成装置では、感光
体に形成した静電潜像を、トナー画像として顕像化した
後、転写紙に転写し、定着処理を施して画像を形成す
る。
【0003】感光体としては、様々な観点から有機感光
体が汎用されているが、アモルファスシリコンやセレン
感光体等の無機感光体に比べて、機械的強度が小さく、
傷による画像欠陥が発生しやすいことや、摩耗による帯
電能、感度の低下が著しい等その耐久性には問題があっ
た。
【0004】こうした有機感光体の耐久性の問題を解決
し、感光体の寿命を伸ばすために種々の試みがなされて
きた。例えば特開平9−319130号公報には、表面
層に硬化性の有機ケイ素系高分子とコロイダルシリカの
縮合物を含有させる技術などが報告されている。
【0005】上記技術は、確かに有効な手段となり得る
場合もあるが、この技術によっても必ずしも十分な問題
解決にならないばかりか、別の問題を派生してしまうこ
ともあることがわかり、その解決策を見つける必要があ
ることがわかった。
【0006】本発明者等の検討によれば、有機ケイ素系
の架橋膜は未反応の加水分解性基やシラノール基が膜表
面に残存し易く、高湿環境下において水分子の吸着の影
響を受けやすい問題がある。未反応基が多いと、高湿環
境下において水分子や帯電時に生成するNOx(窒素酸
化物)やオゾン等の放電生成物の吸着が起こりやすくな
って感光体の表面抵抗が低下し、結果として画像流れ
(画像ボケ)が発生するという問題である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記述
べたような架橋構造を有するシロキサン系樹脂層(以
下、ハードコート層とも称する)を表面層として設けた
有機感光体(以下ハードコート感光体とも称する)の画
像流れの問題に対処すべく、感光体を高温に保つことに
よって、水分子等のハードコート層への吸着を回避する
方法を先に提案した。
【0008】しかしながら、ハードコート感光体を高温
に保ちながら画像形成を行うと、現像剤等の資材の劣化
が激しくなり、また、クリーニング手段であるブレード
のめくれや摩耗といった問題も起こりやすいことがわか
った。
【0009】よって、本発明の目的は、ハードコート層
を有する感光体の使用履歴(使用時間、画像形成回数、
帯電特性の劣化等)に応じて、画像流れを防止し、且
つ、現像剤寿命やブレード寿命を十分に延ばすことを可
能とした画像形成装置および画像形成方法に関する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の構成により達成された。
【0011】1.静電潜像を形成する感光体と、前記静
電潜像をトナーにより現像する現像手段と、前記感光体
上に現像されたトナー画像を転写紙に転写する転写手段
と、前記転写手段による転写後に前記感光体上に残留し
た残留トナーを除去するクリーニング手段とを有する画
像形成装置において、前記感光体は架橋構造を有するシ
ロキサン系樹脂を含有する樹脂層を表面層として有する
有機感光体であり、前記有機感光体の温度を変更する温
度変更手段と、前記有機感光体の使用履歴に応じて、前
記温度変更手段の動作を制御する制御手段とを有するこ
とを特徴とする画像形成装置。
【0012】2.前記温度変更手段が加熱ヒータである
ことを特徴とする上記1に記載の画像形成装置。
【0013】3.前記有機感光体の使用履歴は前記樹脂
層の消失であり、前記制御手段は、当該樹脂層の摩耗量
に応じて、前記制御手段は前記有機感光体の温度を低下
させるべく前記温度変更手段を制御することを特徴とす
る上記1または2に記載の画像形成装置。
【0014】4.前記有機感光体の使用履歴は画像形成
回数であり、前記制御手段は、前記画像形成回数が所定
の画像形成回数に達したことに応じて、前記有機感光体
の温度を低下させるべく前記温度変更手段を制御するこ
とを特徴とする上記1または2に記載の画像形成装置。
【0015】5.前記有機感光体の使用履歴は使用時間
であり、前記制御手段は、前記使用時間が所定の使用時
間に達したことに応じて、前記有機感光体の温度を低下
させるべく前記温度変更手段を制御することを特徴とす
る上記1または2に記載の画像形成装置。
【0016】6.前記有機感光体はドラム状であり、か
つ、前記クリーニング手段はブレードであることを特徴
とする上記1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装
置。
【0017】7.架橋構造を有するシロキサン系樹脂を
含有する樹脂層を表面層として有する有機感光体上に静
電潜像を形成し、前記静電潜像を現像してトナー画像を
形成し、前記トナー画像を転写紙に転写し、前記感光体
に残留した残留トナーをクリーニングする画像形成方法
において、前記有機感光体の使用履歴に応じて、前記有
機感光体の温度を変更することを特徴とする画像形成方
法。
【0018】8.前記有機感光体の温度の変更を、加熱
ヒータにより行うことを特徴とする上記7項に記載の画
像形成方法。
【0019】9.前記有機感光体の使用履歴は前記樹脂
層の摩耗であり、当該樹脂層の消失量に応じて、前記制
御手段は前記有機感光体の温度を低下させることを特徴
とする上記7または8に記載の画像形成方法。
【0020】10.前記有機感光体の使用履歴は画像形
成回数であり、前記画像形成回数が所定の画像形成回数
に達したことに応じて、前記有機感光体の温度を低下さ
せることを特徴とする上記7または8に記載の画像形成
方法。
【0021】11.前記有機感光体の使用履歴は使用時
間であり、前記使用時間が所定の使用時間に達したこと
に応じて、前記有機感光体の温度を低下させることを特
徴とする上記7または8に記載の画像形成方法。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明をするが、本発明はこれに
限定されるものではない。
【0023】図1は画像形成装置である複写機の概略構
成図、図2は複写機の画像形成部の概略構成図である。
【0024】図1で、複写機101は本体内部に転写紙
105を蓄積していて、重送防止機構を備える給紙ロー
ラ106で画像形成動作に用いる転写紙105を一枚ず
つ給紙部109に搬入する。この給紙部109は画像形
成部1の直前に配置されるもので、ループローラ110
とレジストローラ111とを有している。
【0025】一方、画像形成部1では、感光体ドラム
(感光体)2が、後述する駆動手段により矢印Aの向き
に回転していて帯電用電極3により一様の電位が付与さ
れ、スキャナー部112が原稿載置ガラス113上の原
稿(不図示)に対応したデジタルデータを取得して画像
処理を施し、この画像処理を施したデジタルデータに基
づき走査露光部114が回転中の感光体ドラム2の表面
を照射し、原稿に対応した静電潜像を形成する。本実施
の形態では、詳細は後述するが、感光体ドラム2は、架
橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有する樹脂層(ハ
ードコート層)を設けた有機感光体(ハードコート感光
体)である。ついで前記静電潜像を現像ユニット(現像
手段)5により顕像化し、感光体ドラム2の表面にトナ
ー画像を現像する。
【0026】レジストローラ111が感光体ドラム2の
回転に同期して駆動されて、転写紙105は転写用電極
(転写手段)7に送り込まれる。転写用電極7に送り込
まれた転写紙105には感光体ドラム2に形成されたト
ナー画像の転写がなされ、その後、転写紙105は分離
用電極8(分離手段)と分離爪9により感光体ドラム2
から分離され、搬送ユニット117を介して定着ユニッ
ト118に搬送する。分離爪9に対して、感光体ドラム
2の回転方向の下流側に配設されたクリーニングユニッ
ト11のブレード11aが、転写後の感光体ドラム2の
表面を清掃して、異物や残留トナー等を除去する。残留
トナーが除去されると、再度、帯電用電極3が次の画像
形成動作に備えて感光体ドラム2の表面を帯電させる。
【0027】リサイクルパイプ6は、クリーニングユニ
ット11で回収した残留トナーを現像ユニット5へと搬
送する。搬送されたトナーは、再度現像に使用される。
現像ユニット5は、不図示のトナーカートリッジから供
給された新規トナーを内蔵していて、画像形成動作の実
行によって新規トナーを消費する。回収された残留トナ
ーはこの新規トナーへ混入される。
【0028】定着ユニット118内では、転写紙105
が加熱・加圧されて、トナー画像の定着が行われて、片
面コピーの場合は搬送ローラ119に挟持されて排紙ト
レー123に送られる。又、両面コピーの場合、定着済
みのトナー画像を有する転写紙105は搬送ローラ11
9により待避搬送路121を経て、スタッカ120に送
り込まれて一時待避させられ、画像形成プロセスに応じ
て再度送り出され、水平搬送路122を介して給紙部1
09に搬入され、片面コピーの場合と同様の工程によ
り、第2の面にトナー画像が形成された後、前記排紙ト
レー123に排出される。
【0029】次に画像形成部1の詳細を図2に基づき説
明する。図1と同じ参照符合の部材は、図1で説明した
ものと同様である。
【0030】この複写機101の画像形成部1には、感
光体ドラム(感光体)2の周辺に、帯電用電極(帯電手
段)3、走査露光部(露光手段)114、感光体温度セ
ンサ4、現像ユニット(現像手段)5、転写用電極(転
写手段)7、分離用電極(分離手段)8、分離爪9、ク
リーニングユニット(クリーニング手段)11、そして
帯電前露光部(PCL)(帯電前露光手段)12を順番
に配設してある。
【0031】また、感光体ドラム2の内側には、温度変
更手段である加熱ヒータ23が配設されていて、感光体
温度を上昇させることが出来る。これらは複写機101
に内蔵される制御手段13にそれぞれ連結されている。
制御手段13はユーザーが指示入力部(不図示)から入
力した情報に基づいて、ドラム駆動モータ40、現像ユ
ニット5、転写用電極7、分離用電極8、クリーニング
ユニット11等を作動して、複写機101の全体的なシ
ーケンス制御をしたり、後述するように感光体温度セン
サ4から得た感光体温度情報を基に、加熱ヒータ23の
ON/OFFを切り替え、感光体温度を制御する。
【0032】画像形成部1では、感光体ドラム2の表面
に帯電用電極3の作用により一様のマイナス電荷を付与
し、次いで画像処理を施したデジタルデータに基づき走
査露光部114が回転中の感光体ドラム2の表面を照射
し、該照射部分の電荷が減衰して、静電潜像が形成され
る。現像ユニット5の内部ではトナーが撹拌され、トナ
ーはマイナス電荷を帯びる。現像ユニット5は感光体ド
ラム2の回転軸と平行な回転軸をもつスリーブ5aを備
え、スリーブ5aに現像バイアスが印加されると、静電
潜像は現像ユニット5内のマイナス電荷を帯びたトナー
により現像(反転現像)され、感光体ドラム2の表面に
トナー画像が形成される。
【0033】感光体ドラム2の回転に同期して転写紙1
05が送り込まれると、転写用電極7にプラスの直流電
流(+DC)を流し、転写紙105の裏面にプラス電荷
を付与し、感光体ドラム2の表面上のトナー画像が転写
紙105に転写される。次に、分離用電極8にマイナス
の直流電流(−DC)とプラスの交流電流(+AC)を
重畳して流し、トナー画像を転写された転写紙105が
除電されて、感光体ドラム2との吸着力が減少し、やが
て自重により自然剥離しながら分離爪9に導かれて分離
が完了し、定着ユニット118に送り込まれる。
【0034】一方、分離爪9を通過する感光体ドラム2
には転写されないトナーが残留しているが、残留トナー
はクリーニングユニット11で回収され、帯電前露光部
12が清掃された感光体ドラム2を一様の光で露光して
その残留電位を消去・均一にし、次の帯電に備える。
【0035】リサイクルパイプ6(図1参照)は、内部
にトナーを搬送するスクリューを備えたパイプ状の部材
で、クリーニングユニット11から現像ユニット5まで
を連結していて、感光体ドラム2の表面から除去しクリ
ーニングユニット11で回収したトナーを現像ユニット
5に送り込む。リサイクルパイプ6により現像ユニット
5へ送られたトナーは、ふたたび現像に利用される。
【0036】ドラム駆動モータ40(駆動手段)は制御
手段13の制御に応じて感光体ドラム2の回転の開始、
停止を行う。
【0037】次に、本発明における温度変更手段の動作
を制御する制御手段について説明する。本実施の形態に
おいては、制御手段13がこの温度変更手段の動作を制
御する制御手段の機能を兼ねる。
【0038】本発明の制御手段は、「感光体の使用履
歴」に応じて、感光体の温度を変更するよう温度変更手
段である加熱ヒータ23の制御を行う。具体的には、下
記〜等の指標で所定期間感光体を使用したら、前記
所定期間以前より前記所定期間以後の感光体の温度を下
げる調整を行う。前記所定期間以前においては、ハード
コート層による画像流れの問題を回避するために、温度
変更以後よりも高い温度とする調整を行う。
【0039】「感光体の使用履歴」とは、どのくらいハ
ードコート感光体が減耗・劣化したのかという程度を示
す指標であり、例えば、 感光体のハードコート層全てが減耗し、その下の感光
層が露出したか否か(減耗量)、 感光体の温度を変更すべき所定の画像形成回数(複写
機ではコピー枚数)に達したかどうか、あるいは、 感光体の温度を変更すべき所定の感光体使用時間(感
光体ドラムの総回転時間)に達したかどうか、 感光体の帯電特性が一定レベル以下に悪くなったかど
うか、等である。
【0040】については、ハードコート層と感光層の
物性が違うことから、例えば光の反射率が測定出来る検
出器を感光体ドラム2の近傍に設け、反射率が顕著に変
わった時点をハードコート層全てが摩耗したと判断して
制御手段13にフィードバックし、感光体ドラム2の温
度を低下させるべくに、加熱ヒータ23の電源OFFと
する制御を行っても良いし、ある画像形成装置において
ハードコート層が消失する画像形成回数または感光体の
使用時間が略一定である場合には、これら経験則として
得られたハードコート層全てが摩耗して消失する所定の
画像形成回数または所定の感光体使用時間として予め設
定しておき、これらを検知したら、加熱ヒータ23の電
源OFFとする等、感光体ドラム2の温度を下げる制御
を行う。
【0041】については、コピーカウンタ等の画像形
成回数を計測する手段を設け、感光体温度を変更するタ
イミングとして予め設定しておいた所定の画像形成回数
に達したら、該コピーカウンタから制御手段13にフィ
ードバックし、加熱ヒータ23の電源OFFとする等、
感光体ドラム2の温度を下げる制御を行う。
【0042】については、ドラム駆動モータ40(駆
動手段)のON/OFFを監視し、感光体ドラムの回転
時間を計測する手段(本実施の形態においては、制御手
段13がこれを兼ねる)が、感光体温度を変更するタイ
ミングとして予め設定しておいた所定の感光体の使用時
間に達したら、加熱ヒータ23の電源をOFFとする
等、感光体の温度を下げる制御を行う。
【0043】については、感光体ドラム2表面近傍の
帯電用電極3と走査露光部114の間に表面電位センサ
25を配設し、帯電用電極3で帯電後、感光体表面が静
電潜像を形成するために必要な基準となる電位に帯電し
たかどうかを検知して、基準となる電位から所定の電位
差があると検知した時点を、感光体温度を変更するタイ
ミングとして予め設定しておき、該タイミングにおい
て、加熱ヒータ23の電源OFFとする等、感光体の温
度を下げる制御を行う。
【0044】一方、上記〜等の指標で前記所定期間
以前においては、ハードコート感光体における画像流れ
の問題を回避するために、前記所定期間以後より高い温
度で一定に保つことが好ましい。温度を一定に保つため
には、最初、加熱ヒータ23をONにして、感光体温度
センサ4から得られた感光体温度が所望の温度に達した
ところで、加熱ヒータ23をOFFとするよう制御手段
13で制御すればよい。感光体の使用履歴に応じて、感
光体の温度を変更した後も、一定の温度に保つには同様
に制御を行うことが出来る。
【0045】加熱ヒータ23は、感光体ドラム2を昇温
させることが出来るものであれば特に限定はなく、感光
体ドラム2の内壁にニクロム線をつづら状に這わせた
り、セラミックヒータを内設してもよい。感光体ドラム
2全体を一様に昇温させるには、ニクロム線を内壁全面
に這わせることが好ましい。尚、感光体ドラム2の温度
が50℃を越えると、現像ユニット5やクリーニングユ
ニット11内でトナーがブロッキングしたり、また、感
光体ドラム2に当接するクリーニングブレードのゴム物
性が変化してクリーニング特性が低下する等の不具合が
発生する場合があるので、感光体ドラム2の表面温度は
50℃以下で制御することが好ましい。
【0046】感光体温度センサ4は、感光体ドラム2の
表面の温度を測定するためのものであり、感光体ドラム
2の端部の非画像形成部に接触させる接触式であって
も、非接触式であってもよい。
【0047】次に、有機感光体について説明する。本発
明に用いられる有機感光体としては、表面層が、架橋構
造を有するシロキサン系樹脂を含有することを特徴とし
ている。表面層が架橋構造を有するシロキサン系樹脂を
含有することで硬質化および摩擦係数の低減を達成で
き、分離爪9やクリーニングブレードの当接による有機
感光体表面の擦過に対して、損傷が著しく改善され、有
機感光体の耐久性を著しく向上することができる。
【0048】本発明に用いられる有機感光体の構成は、
ドラム状の基体表面に、下引き層、電荷発生層、および
架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有する表面層と
しての電荷輸送層の順に積層されて構成される。更に前
記電荷輸送層は、電荷輸送物質とバインダー樹脂を含有
する下層および電荷輸送物質と架橋構造を有するシロキ
サン系樹脂を含有する上層の二層構成とされることが好
ましく、この場合においては前記上層が表面層となる。
【0049】前記架橋構造を有するシロキサン系樹脂
は、電荷輸送性能を有する構成単位を有することが好ま
しい。
【0050】電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且
つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂は公知の方法によ
り、即ち水酸基或いは加水分解性基を有する有機ケイ素
化合物を用いて製造される。前記有機ケイ素化合物は下
記一般式(A)〜(D)の化学式で示される。
【0051】
【化1】
【0052】式中、R1〜R6は式中のケイ素に炭素が直
接結合した形の有機基を表し、Z1〜Z4は水酸基又は加
水分解性基を表す。
【0053】上記一般式中のZ1〜Z4が加水分解性基の
場合は、加水分解性基としてメトキシ基、エトキシ基、
メチルエチルケトオキシム基、ジエチルアミノ基、アセ
トキシ基、プロペノキシ基、プロポキシ基、ブトキシ
基、メトキシエトキシ基等が挙げられる。R1〜R6に示
されるケイ素に炭素が直接結合した形の有機基として
は、メチル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキル
基、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のアリ
ール基、γ−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ−
アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロキシプロピル
の含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピ
ル、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等の
含水酸基、ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−メ
ルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロ
ピル、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等
の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリ
フルオロプロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフルオ
ロオクチルエチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、シ
アノ置換アルキル基等を挙げることができる。又、R1
〜R6はそれぞれの有機基が同一でもよく、異なってい
てもよい。
【0054】前記シロキサン系樹脂の原料として用いら
れる前記有機ケイ素化合物は、一般にはケイ素原子に結
合している加水分解性基の数nが1のとき、有機ケイ素
化合物の高分子化反応は抑制される。nが2、3又は4
のときは高分子化反応が起こりやすく、特に3或いは4
では高度に架橋反応を進めることが可能である。従っ
て、これらをコントロールすることにより得られる塗布
層液の保存性や塗布層の硬度等を制御することが出来
る。
【0055】又、前記シロキサン系樹脂の原料としては
前記有機ケイ素化合物を酸性条件下又は塩基性条件下で
加水分解してオリゴマー化或いはポリマー化した加水分
解縮合物を用いることもできる。
【0056】尚、シロキサン系樹脂とは前記の如く、予
め化学構造単位にシロキサン結合を有するモノマー、オ
リゴマー、ポリマーを反応させて(加水分解反応、触媒
や架橋剤を加えた反応等を含む)3次元網目構造を形成
し、硬化させた樹脂を意味する。即ち、シロキサン結合
を有する有機珪素化合物を加水分解反応とその後の脱水
縮合によりシロキサン結合を促進させ3次元網目構造を
形成させ、その結果生成した架橋構造を有するシロキサ
ン系樹脂を意味する。
【0057】又、前記シロキサン系樹脂は水酸基或いは
加水分解性基を有するコロイダルシリカを含ませて、架
橋構造の一部にシリカ粒子を取り込んだ樹脂としてもよ
い。
【0058】本発明における電荷輸送性能を有する構造
単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂と
は電子或いは正孔のドリフト移動度を示す特性を有する
化学構造(=電荷輸送性能を有する構造単位)をシロキ
サン系樹脂中に部分構造として組み込んだものである。
具体的には本発明の電荷輸送性能を有する構造単位を有
し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂は一般的に
電荷輸送物質として用いられる化合物(以後電荷輸送性
化合物又はCTMとも云う)を該シロキサン系樹脂中に
部分構造として有している。
【0059】尚、前記の電荷輸送性能を有する構造単位
とは電子或いは正孔のドリフト移動度を有する性質を示
す構造単位、或いは電荷輸送性化合物残基であり、又別
の定義としてはTime−Of−Flight法などの
電荷輸送性能を検知できる公知の方法により電荷輸送に
起因する検出電流が得られる構造単位、或いは電荷輸送
性化合物残基として表現することもできる。
【0060】以下にシロキサン系樹脂中に有機ケイ素化
合物との反応により電荷輸送性能を有する構造単位を形
成することのできる電荷輸送性化合物について説明す
る。
【0061】例えば正孔輸送型CTM:キサゾール、オ
キサジアゾール、チアゾール、トリアゾール、イミダゾ
ール、イミダゾロン、イミダゾリン、ビスイミダゾリジ
ン、スチリル、ヒドラゾン、ベンジジン、ピラゾリン、
スチルベン化合物、アミン、オキサゾロン、ベンゾチア
ゾール、ベンズイミダゾール、キナゾリン、ベンゾフラ
ン、アクリジン、フェナジン、アミノスチルベン、ポリ
−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、
ポリ−9−ビニルアントラセンなどの化学構造を前記シ
ロキサン系樹脂の部分構造として含有する。
【0062】一方、電子輸送型CTMとしては無水コハ
ク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ピロメリッ
ト酸、無水メリット酸、テトラシアノエチレン、テトラ
シアノキノジメタン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼ
ン、トリニトロベンゼン、テトラニトロベンゼン、ニト
ロベンゾニトリル、ピクリルクロライド、キノンクロル
イミド、クロラニル、ブロマニル、ベンゾキノン、ナフ
トキノン、ジフェノキノン、トロポキノン、アントラキ
ノン、1−クロロアントラキノン、ジニトロアントラキ
ノン、4−ニトロベンゾフェノン、4,4′−ジニトロ
ベンゾフェノン、4−ニトロベンザルマロンジニトリ
ル、α−シアノ−β−(p−シアノフェニル)−2−
(p−クロロフェニル)エチレン、2,7−ジニトロフ
ルオレン、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,
4,5,7−テトラニトロフルオレノン、9−フルオレ
ニリデンジシアノメチレンマロノニトリル、ポリニトロ
−9−フルオロニリデンジシアノメチレンマロノジニト
リル、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安
息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸、ペンタフルオロ安
息香酸、5−ニトロサリチル酸、3,5−ジニトロサリ
チル酸、フタル酸、メリット酸などの化学構造を前記シ
ロキサン系樹脂の部分構造として含有する。
【0063】本発明において、好ましい電荷輸送性能を
有する構造単位は、前記の如き通常用いられる電荷輸送
性化合物の残基であり、該電荷輸送性化合物を構成する
炭素原子又は珪素原子を介して下記式中のYで示される
連結原子又は連結基に結合し、Yを介してシロキサン系
樹脂中に含有される。
【0064】
【化2】
【0065】式中、Xは電荷輸送性能を有する構造単位
であって、該付与基を構成する炭素原子又は珪素原子を
介して式中のYと結合する基、Yは隣接する結合原子
(SiとC)を除いた2価以上の原子又は基である。
【0066】但し、Yが3価以上の原子の時は式中のS
iとC以外のYの結合手は結合が可能な前記硬化性樹脂
中のいずれかの構成原子と結合しているか又は他の原
子、分子基と連結した構造(基)を有する。
【0067】又、前記一般式の中で、Y原子として、特
に酸素原子(O)、硫黄原子(S)、窒素原子(N)が
好ましい。
【0068】ここで、Yが窒素原子(N)の場合、前記
連結基は−NR−で表される。(Rは水素原子又は1価
の有機基である。) 電荷輸送性能を有する構造単位Xは式中では1価の基と
して示されているが、シロキサン系樹脂と反応させる電
荷輸送性化合物が2つ以上の反応性官能基を有している
場合は硬化性樹脂中で2価以上のクロスリンク基として
接合してもよく、単にペンダント基として接合していて
もよい。
【0069】前記原子、即ちO、S、Nの原子はそれぞ
れ電荷輸送能を有する化合物中に導入された水酸基、メ
ルカプト基、アミン基と水酸基或いは加水分解性基を有
する有機珪素化合物との反応によって形成され、シロキ
サン系樹脂中に電荷輸送性能を有する構造単位を部分構
造として取り込む連結基である。
【0070】次に本発明中の水酸基、メルカプト基、ア
ミン基、有機珪素含有基を有する電荷輸送性化合物につ
いて説明する。
【0071】前記水酸基を有する電荷輸送性化合物は、
通常用いられる構造の電荷輸送物質で、且つ水酸基を有
している化合物である。即ち、代表的には硬化性有機ケ
イ素化合物と結合して、樹脂層を形成することが出来る
下記一般式で示される電荷輸送性化合物を挙げることが
できるが、下記構造に限定されるものではなく、電荷輸
送性能を有し、且つ水酸基を有している化合物であれば
よい。
【0072】X−(R7−OH)m ここにおいて、 X:電荷輸送性能を有する構造単位 R7:単結合、置換又は無置換のアルキレン基、アリー
レン基 m:1〜5の整数である その中でも代表的なものを挙げれば下記のごときものが
ある。例えばトリアリールアミン系化合物は、トリフェ
ニルアミン等のトリアリールアミン構造を電荷輸送性能
を有する構造単位=Xとして有し、前記Xを構成する炭
素原子を介して、又はXから延長されたアルキレン、ア
リーレン基を介して水酸基を有する化合物が好ましく用
いられる。
【0073】1.トリアリールアミン系化合物
【0074】
【化3】
【0075】2.ヒドラジン系化合物
【0076】
【化4】
【0077】3.スチルベン系化合物
【0078】
【化5】
【0079】4.ベンジジン系化合物
【0080】
【化6】
【0081】5.ブタジエン系化合物
【0082】
【化7】
【0083】次に、メルカプト基を有する電荷輸送性化
合物の具体例を下記に例示する。メルカプト基を有する
電荷輸送性化合物とは、通常用いられる構造の電荷輸送
物質で、且つメルカプト基を有している化合物である。
即ち、代表的には硬化性有機ケイ素化合物と結合して、
樹脂層を形成することが出来る下記一般式で示される電
荷輸送性化合物を挙げることができるが、下記構造に限
定されるものではなく、電荷輸送性能を有し、且つメル
カプト基を有している化合物であればよい。
【0084】X−(R8−SH)m ここにおいて、 X:電荷輸送性能を有する構造単位 R8:単結合、置換又は無置換のアルキレン基、アリー
レン基 m:1〜5の整数である その中でも代表的なものを挙げれば下記のごときものが
ある。
【0085】
【化8】
【0086】更に、アミノ基を有する電荷輸送性化合物
について説明する。アミノ基を有する電荷輸送性化合物
は、通常用いられる構造の電荷輸送物質で、且つアミノ
基を有している化合物である。即ち、代表的には硬化性
有機ケイ素化合物と結合して、樹脂層を形成することが
出来る下記一般式で示される電荷輸送性化合物を挙げる
ことができるが、下記構造に限定されるものではなく、
電荷輸送能を有し、且つアミノ基を有している化合物で
あればよい。
【0087】X−(R9−NR10H)m ここにおいて、 X:電荷輸送性能を有する構造単位 R9:単結合、置換、無置換のアルキレン基、置換、無
置換のアリーレン基 R10:水素原子、置換、無置換のアルキル基、置換、無
置換のアリール基 m:1〜5の整数である その中でも代表的なものを挙げれば下記のごときものが
ある。
【0088】
【化9】
【0089】アミノ基を有する電荷輸送性化合物の中
で、第一級アミン化合物(−NH2)の場合は2個の水
素原子が有機ケイ素化合物と反応し、シロキサン構造に
連結しても良い。第2級アミン化合物(−NHR10)の
場合は1個の水素原子が有機珪素化合物と反応し、R10
はブランチとして残存する基でも良く、架橋反応を起こ
す基でも良く、電荷輸送物質を含む化合物残基でもよ
い。
【0090】更に、ケイ素原子含有基を有する電荷輸送
性化合物について説明する。ケイ素原子含有基を有する
電荷輸送性化合物は、以下のような構造の電荷輸送物質
である。この化合物も硬化性有機ケイ素化合物と結合し
て、樹脂層を形成することが出来る。
【0091】 X−(−Y−Si(R113-a(R12an 式中、Xは電荷輸送性能を有する構造単位を含む基であ
り、R11は水素原子、置換若しくは無置換のアルキル
基、アリール基を示し、R12は加水分解性基又は水酸基
を示し、Yは置換若しくは無置換のアルキレン基、アリ
ーレン基を示す。aは1〜3の整数を示し、nは整数を
示す。
【0092】前記シロキサン系樹脂の形成原料:前記一
般式(A)から(D)(以下(A)〜(D)という)、
組成比としては、有機珪素化合物:(A)+(B)成分
1モルに対し、(C)+(D)成分0.05〜1モルを
用いることが好ましい。
【0093】また、コロイダルシリカ(E)を添加する
場合は前記(A)+(B)+(C)+(D)成分の総質
量100部に対し(E)を1〜30質量部を用いること
が好ましい。
【0094】また、前記有機ケイ素化合物やコロイダル
シリカと反応して樹脂層を形成することができる反応性
電荷輸送性化合物(F)の添加量は、前記(A)+
(B)+(C)+(D)成分の総質量100部に対し
(F)を1〜500質量部を用いることが好ましい。前
記(A)+(B)成分が前記の範囲を超えて使用される
と、(A)+(B)成分が少ない場合はシロキサン樹脂
層は架橋密度が小さすぎ硬度が不足する。又、(A)+
(B)成分が多すぎると架橋密度が大きすぎ硬度は十分
だが、脆い樹脂層となる。(E)成分のコロイダルシリ
カ成分の過不足も、(A)+(B)成分と同様の傾向が
みられる。一方、(F)成分が少ない場合はシロキサン
樹脂層の電荷輸送性能が小さく、感度の低下、残電の上
昇を生じ、(F)成分が多い場合はシロキサン樹脂層の
膜強度が弱くなる傾向がみられる。
【0095】本発明の電荷輸送性能を有する構造単位を
有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂は予め構
造単位にシロキサン結合を有するモノマー、オリゴマ
ー、ポリマーに触媒や架橋剤を加えて新たな化学結合を
形成させ3次元網目構造を形成する事もあり、又加水分
解反応とその後の脱水縮合によりシロキサン結合を促進
させモノマー、オリゴマー、ポリマーから3次元網目構
造を形成する事もできる。
【0096】一般的には、アルコキシシランを有する組
成物又はアルコキシシランとコロイダルシリカを有する
組成物の縮合反応により3次元網目構造を形成すること
ができる。
【0097】また前記の3次元網目構造を形成させる触
媒としては有機カルボン酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン
酸、炭酸及びチオシアン酸の各アルカリ金属塩、有機ア
ミン塩(水酸化テトラメチルアンモニウム、テトラメチ
ルアンモニウムアセテート)、スズ有機酸塩(スタンナ
スオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチル
チンジラウレート、ジブチルチンメルカプチド、ジブチ
ルチンチオカルボキシレート、ジブチルチンマリエート
等)、アルミニウム、亜鉛のオクテン酸、ナフテン酸
塩、アセチルアセトン錯化合物等が挙げられる。
【0098】本発明に用いることのできる有機感光体の
層構成は、特に限定はないが、電荷発生層、電荷輸送
層、或いは電荷発生・電荷輸送層(電荷発生と電荷輸送
の両方の機能を有する単層型感光層)等の感光層とその
上に本発明の表面層を塗設した構成をとるのが好まし
い。又、前記電荷発生層、電荷輸送層、或いは電荷発生
・電荷輸送層は各層が複数の層から構成されていてもよ
い。
【0099】有機感光体の電荷発生層に含有される電荷
発生物質(CGM)としては、例えばフタロシアニン顔
料、多環キノン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、インジ
ゴ顔料、キナクリドン顔料、アズレニウム顔料、スクワ
リリウム染料、シアニン染料、ピリリウム染料、チオピ
リリウム染料、キサンテン色素、トリフェニルメタン色
素、スチリル色素等が挙げられ、これらの電荷発生物質
(CGM)は単独で又は適当なバインダー樹脂と共に層
形成が行われる。
【0100】前記電荷輸送層に含有される電荷輸送物質
(CTM)としては、例えばオキサゾール誘導体、オキ
サジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾー
ル誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、
イミダゾロン誘導体、イミダゾリン誘導体、ビスイミダ
ゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、
ベンジジン化合物、ピラゾリン誘導体、スチルベン化合
物、アミン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンゾチアゾ
ール誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘
導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナ
ジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、ポリ−N−ビニ
ルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、ポリ−9−
ビニルアントラセン等が挙げられ、これらの電荷輸送物
質(CTM)は通常バインダーと共に層形成が行われ
る。
【0101】電荷発生層(CGL)、電荷輸送層(CT
L)に含有されるバインダー樹脂としては、ポリカーボ
ネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、メ
タクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポ
リ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポ
リビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、
塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体樹脂、塩化
ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂、ウレタン樹脂、
シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン−アルキッ
ド樹脂、フェノール樹脂、ポリシラン樹脂、ポリビニル
カルバゾール等が挙げられる。
【0102】本発明に用いることの出来る有機感光体の
電荷発生層中の電荷発生物質とバインダー樹脂との割合
は質量比で1:10〜10:1が好ましい。また、電荷
発生層の膜厚は5μm以下が好ましく、特に0.05〜
2μmが好ましい。
【0103】また、電荷輸送層は前記の電荷輸送物質と
バインダー樹脂を適当な溶剤に溶解し、その溶液を塗布
乾燥することによって形成される。電荷輸送物質とバイ
ンダー樹脂との混合割合は質量比で10:1〜1:10
が好ましい。
【0104】電荷輸送層の膜厚は通常5〜50μm、特
に10〜40μmが好ましい。また、電荷輸送層が複数
設けられている場合は、電荷輸送層の上層の膜厚は10
μm以下が好ましく、かつ、電荷輸送層の上層の下に設
けられた電荷輸送層の全膜厚より小さいことが好まし
い。
【0105】本発明に用いられる有機感光体のシロキサ
ン系樹脂を含む表面層は、表面層が電荷輸送層の場合は
前記電荷輸送層を兼ねても良く、好ましくは、電荷輸送
層もしくは電荷発生層とは別層の表面層として設けるの
がよい。この場合、前記感光層と本発明の表面層の間に
接着層を設けても良い。又、電子写真感光体の表面特性
を改良する目的で該表面層の上に更に薄層の保護層を設
けても良い。
【0106】次に本発明に用いることのできる感光体の
導電性支持体としては、 1)アルミニウム板、ステンレス板などの金属板 2)紙或いはプラスチックフィルムなどの支持体上に、
アルミニウム、パラジウム、金などの金属薄層をラミネ
ート若しくは蒸着によって設けたもの 3)紙或いはプラスチックフィルムなどの支持体上に、
導電性ポリマー、酸化インジウム、酸化錫などの導電性
化合物の層を塗布若しくは蒸着によって設けたもの等が
挙げられる 本発明で用いることの出来る感光体の導電性支持体の材
料としては、主としてアルミニウム、銅、真鍮、スチー
ル、ステンレス等の金属材料、その他プラスチック材料
をベルト状またはドラム状に成形加工したものが用いら
れる。中でもコスト及び加工性等に優れたアルミニウム
が好ましく用いられ、通常押出成型または引抜成型され
た薄肉円筒状のアルミニウム素管が多く用いられる。
【0107】また、前記導電性支持体は、その表面に封
孔処理されたアルマイト膜が形成されたものであっても
良い。
【0108】次に本発明に用いることの出来る感光体を
製造するための塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプ
レー塗布、円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられ
るが、感光層の樹脂層側の塗布加工は下層の膜を極力溶
解させないため、又、均一塗布加工を達成するためスプ
レー塗布又は円形量規制型(円形スライドホッパ型がそ
の代表例)塗布等の塗布加工方法を用いるのが好まし
い。なお前記スプレー塗布については例えば特開平3−
90250号及び特開平3−269238号公報に詳細
に記載され、前記円形量規制型塗布については例えば特
開昭58−189061号公報に詳細に記載されてい
る。
【0109】本発明に用いられる感光体は前記樹脂層が
塗布形成された後、50℃以上、好ましくは、60〜2
00℃の温度で加熱乾燥する事が好ましい。この加熱乾
燥により、残存塗布溶媒を少なくすると共に、硬化性樹
脂層を十分に硬化させることができる。
【0110】
【実施例】(有機感光体−1の作製)ポリアミド樹脂
(アミランCM−8000:東レ社製)60gを、16
00mlのメタノールに溶解分散せしめて中間層組成液
を調製し、洗浄済みの円筒状アルミニウム基体上に浸漬
塗布法で塗布し、膜厚0.3μmの中間層を形成した。
【0111】60gのY型チタニルフタロシアニンと、
700gのシリコーン樹脂溶液(KR5240、15%
キシレン−ブタノール溶液:信越化学社製)を、200
0mlの2−ブタノンからなる塗布組成液を混合し、サ
ンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を
調製した。この電荷発生層塗布液を、前記中間層上に浸
漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成
した。
【0112】200gの電荷輸送物質(D1)と、30
0gのビスフェノールZ型ポリカーボネート(ユーピロ
ンZ300:三菱ガス化学社製)と、2000mlの
1,2−ジクロロエタンを混合し、溶解して電荷輸送層
塗布液を調製した。この電荷輸送層塗布液を、前記電荷
発生層上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚20μmの電荷輸
送層を形成した。
【0113】メチルシロキサン単位80モル%とメチル
−フェニルシロキサン単位20モル%からなるポリシロ
キサン樹脂の10質量部にモレキュラーシーブ4Aを添
加し、15時間静置して脱水した。この樹脂をトルエン
10質量部に溶解し、これにメチルトリメトキシシラン
5質量部、ジブチル錫アセテート0.2質量部を加えて
均一な溶液とした。これにジヒドロキシメチルトリフェ
ニルアミン(例示化合物T−1)6質量部を加えて混合
し、この溶液を乾燥膜厚2μmの表面層として前記電荷
輸送層上に塗布し、120℃にて1時間の加熱硬化を行
い本発明の有機感光体−1を作製した。
【0114】
【化10】
【0115】(画像形成テスト)上記有機感光体−1を
図1に示す画像形成装置に装着し、感光体の使用時間に
応じて、感光体の温度制御を行った場合(本発明)と、
行わない場合(比較例)とで、画像流れ、現像剤の耐久
性について比較実験を行った。条件および評価結果を表
1に示す。尚、本発明において、当該画像形成装置にお
いてハードコート層全てが摩耗して消失する感光体の使
用時間を、経験則として得られた所定の感光体使用時間
として予め計測しておき、該感光体使用時間に達した時
点を変更点として、感光体の温度を変更・制御した。変
更点は25万コピー(画像形成回数が25万回)であっ
た。
【0116】
【表1】
【0117】(注) 画像流れ:室温30℃湿度80%の環境で、1000コ
ピー出力後、一旦、装置の電源をOFFとし、8時間放
置してから、再度電源をONにし、画像出力を行い、
5.5ポイントの文字の判別が可能かどうかを評価した
もの。5万コピー毎にこの画像流れの評価は行った。 現像剤耐久性:出力画像の白地部の反射濃度が、0.0
5以上となった時点を現像剤の寿命とする。
【0118】上記表1から明らかなように、変更点にお
いて、感光体の温度を下げる調整を行った本発明の画像
形成装置および画像形成方法は、画像流れおよび現像剤
寿命の両方において、優れた効果を奏することがわか
る。
【0119】
【発明の効果】ハードコート層を有する感光体の使用履
歴(使用時間、画像形成回数、帯電特性の劣化等)に応
じて、画像流れを防止し、且つ、現像剤寿命を十分に延
ばすことを可能とした画像形成装置および画像形成方法
を提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置である複写機の概略構成図であ
る。
【図2】図1の複写機の画像形成部の概略構成図であ
る。
【符号の説明】
2 感光体ドラム 4 感光体温度センサ 5 現像ユニット 6 リサイクルパイプ 7 転写用電極 8 分離用電極 11 クリーニングユニット 13 制御手段 23 加熱ヒータ 40 ドラム駆動モータ 101 複写機 105 転写紙

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静電潜像を形成する感光体と、前記静電
    潜像をトナーにより現像する現像手段と、前記感光体上
    に現像されたトナー画像を転写紙に転写する転写手段
    と、前記転写手段による転写後に前記感光体上に残留し
    た残留トナーを除去するクリーニング手段とを有する画
    像形成装置において、 前記感光体は架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有
    する樹脂層を表面層として有する有機感光体であり、 前記有機感光体の温度を変更する温度変更手段と、 前記有機感光体の使用履歴に応じて、前記温度変更手段
    の動作を制御する制御手段とを有することを特徴とする
    画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記温度変更手段が加熱ヒータであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記有機感光体の使用履歴は前記樹脂層
    の消失であり、前記制御手段は、当該樹脂層の摩耗量に
    応じて、前記制御手段は前記有機感光体の温度を低下さ
    せるべく前記温度変更手段を制御することを特徴とする
    請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記有機感光体の使用履歴は画像形成回
    数であり、前記制御手段は、前記画像形成回数が所定の
    画像形成回数に達したことに応じて、前記有機感光体の
    温度を低下させるべく前記温度変更手段を制御すること
    を特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記有機感光体の使用履歴は使用時間で
    あり、前記制御手段は、前記使用時間が所定の使用時間
    に達したことに応じて、前記有機感光体の温度を低下さ
    せるべく前記温度変更手段を制御することを特徴とする
    請求項1または2に記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記有機感光体はドラム状であり、か
    つ、前記クリーニング手段はブレードであることを特徴
    とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装
    置。
  7. 【請求項7】 架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含
    有する樹脂層を表面層として有する有機感光体上に静電
    潜像を形成し、前記静電潜像を現像してトナー画像を形
    成し、前記トナー画像を転写紙に転写し、前記感光体に
    残留した残留トナーをクリーニングする画像形成方法に
    おいて、 前記有機感光体の使用履歴に応じて、前記有機感光体の
    温度を変更することを特徴とする画像形成方法。
  8. 【請求項8】 前記有機感光体の温度の変更を、加熱ヒ
    ータにより行うことを特徴とする請求項7に記載の画像
    形成方法。
  9. 【請求項9】 前記有機感光体の使用履歴は前記樹脂層
    の消失であり、当該樹脂層の摩耗量に応じて、前記制御
    手段は前記有機感光体の温度を低下させることを特徴と
    する請求項7または8に記載の画像形成方法。
  10. 【請求項10】 前記有機感光体の使用履歴は画像形成
    回数であり、前記画像形成回数が所定の画像形成回数に
    達したことに応じて、前記有機感光体の温度を低下させ
    ることを特徴とする請求項7または8に記載の画像形成
    方法。
  11. 【請求項11】 前記有機感光体の使用履歴は使用時間
    であり、前記使用時間が所定の使用時間に達したことに
    応じて、前記有機感光体の温度を低下させることを特徴
    とする請求項7または8に記載の画像形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006119273A (ja) * 2004-10-20 2006-05-11 Canon Inc 画像形成装置

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