JP2002086553A - ポリエステル系シートからなる耐熱成形体およびその製造方法 - Google Patents

ポリエステル系シートからなる耐熱成形体およびその製造方法

Info

Publication number
JP2002086553A
JP2002086553A JP2000281960A JP2000281960A JP2002086553A JP 2002086553 A JP2002086553 A JP 2002086553A JP 2000281960 A JP2000281960 A JP 2000281960A JP 2000281960 A JP2000281960 A JP 2000281960A JP 2002086553 A JP2002086553 A JP 2002086553A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molded article
polyester
resin
acid
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000281960A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4945837B2 (ja
Inventor
Nobuhiro Ide
伸弘 井出
Toshifumi Onishi
敏文 大西
Hiroshi Shimoyama
洋志 下山
Atsushi Hara
厚 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP2000281960A priority Critical patent/JP4945837B2/ja
Publication of JP2002086553A publication Critical patent/JP2002086553A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4945837B2 publication Critical patent/JP4945837B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリエステル系シートからなる成形体であ
り、耐熱性、耐衝撃性に優れたものを提供する。 【解決手段】 主としてポリエチレンテレフタレートお
よびガラス転移温度の低い他種樹脂からなるポリエステ
ル系シートを熱成形した後に熱処理を行って得られる成
形体であり、耐衝撃性に優れかつ180℃の雰囲気下に
10分放置した際の寸法変化率が30%以下であること
を特徴とする成形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリエステル系シー
トからなる成形体、詳しくは優れた耐熱性、寸法安定
性、耐衝撃性を有する成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】主としてポリエチレンテレフタレート樹
脂(以下PETと記す)からなるポリエステル系シート
を成形して得られる成形体は、近年種々の用途に用いら
れている。これらの成形体は真空、圧空、圧縮等の成形
法によって容易に成形することができ、また機械的強
度、外観等に優れることが特徴である。しかし、PET
のガラス転移温度は70℃近傍であるため、上記成形体
は高温での寸法安定性が悪いこと、たとえば電子レンジ
加熱等によって変形してしまうという欠点を有してい
る。
【0003】上記欠点を解決するための方法として、た
とえばガラス転移温度の高いポリエステル系樹脂である
ポリエチレンナフタレート(以下PENと記す)からな
るシートまたはPENをPETにブレンドしたシートを
成形体に用いる方法等が提案されている。しかし、PE
Nのみからなるシートは力学特性、特に耐衝撃性に劣
り、またブレンド樹脂からなるシートは高温での寸法安
定性の改善が十分ではなく、耐熱性に優れているとはい
いがたいのが事実である。
【0004】また、成形体を結晶化させることで耐熱性
を向上させる方法が知られている。たとえば特開平11
−35700号公報、特開平11−291337号公報
等には、成形体を成形後に熱処理、結晶化させる方法が
記述されている。しかしこれらの公報に記載されている
成形体は結晶化が進行するとともにもろくなり、耐衝撃
性に劣るようになるのも事実である。
【0005】さらに、タルク、ステアリン酸ナトリウム
等の結晶核剤を含有するポリエステル系シートを成形体
成形時に結晶化させて得られる結晶化樹脂成形体も実用
化されている。この成形体は、その結晶性のため180
℃以上の耐熱性を有することが特徴であるが、前項と同
様結晶化が進行するとともに成形体がもろくなることが
やはり問題として挙げられる。また、成形後金型内で結
晶化させるため、専用の金型の金型と成型機が必要であ
り、さらには成形時間が長く生産性に劣るものであっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述の通り、上記ポリ
エステル系シートからなる成形体は、その耐熱性、寸法
安定性、耐衝撃性を兼ねそろえることができていない。
本発明は以上の背景に基づき、耐熱性、寸法安定性、耐
衝撃性を兼ねそろえた成形体を提供することを課題とす
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は以下に
示すものである。 1.主としてポリエステルからなるシートを熱成形し脱
型後に熱処理を行って得られた成形体であり、180℃
の雰囲気下に10分放置した際の寸法変化率が30%以
下であることを特徴とする成形体。 2.熱処理前後の成形体寸法の差が10%以内であるこ
とを特徴とする上記1記載の成形体。 3.固有粘度0.70dL/g以上を有するポリエステ
ル系樹脂90〜99.5重量%および他種樹脂0.5〜
10重量%からなる層を少なくとも1層有するシートを
熱成形して得られることを特徴とする、上記1、2のい
ずれかに記載の成形体。 4.ポリエステル系樹脂中の他種樹脂が、損失正接が最
大値を示す温度が−20℃以下の樹脂であることを特徴
とする上記1から3のいずれかに記載の成形体。 5.上記記載のポリエステルが主としてポリエチレンテ
レフタレートであることを特徴とする上記1から4のい
ずれかに記載の成形体。 6. 主としてポリエステルからなるシートを熱成形後
脱型して結晶化率20%以下の成形体を得た後、さらに
熱処理を行って成形体の結晶化率を20%以上にするこ
とを特徴とする成形体の製造方法。
【0008】以下に本発明について詳細に説明する。本
発明における成形体は、主としてポリエステルからなる
シートを熱成形して得られる成形体であり、かつ180
℃の雰囲気下に15分放置した際の寸法変化率が30%
以下であることを特徴とする成形体である。寸法変化率
が30%以上である場合、熱変形による形状悪化が著し
く実用上好ましくない。寸法変化率は好ましくは20%
以下、より好ましくは10%以下である。なお、寸法変
化率とは成形体の任意の位置から1ないし3cm角の試
料を切りだし、180℃の雰囲気下に15分放置した際
の最大収縮位置から算出するものであり、寸法変化のな
い場合0%となる。
【0009】本発明における成形体は、熱処理前後の成
形体寸法の差が10%以内であることを特徴とする。差
が10%より大きい場合、成形金型によって賦型される
形状と実際の成形体の形状が大きく異なり、またひずみ
が生じることで形状の美しさに欠けるため好ましくな
い。
【0010】熱処理前の成形体を得る方法は、真空成
形、圧空成形、真空圧空成形、雄型アシスト付き真空成
形、プレス成形等が挙げられる。この際、用いられる金
型、木型等に温調を行う必要はない。ここで得られた成
形体は金型から外された後、次いで以下に示す熱処理工
程に供する。
【0011】温調を行っていない型を用いて成形された
成形体の結晶化度は概ね20%以下であるが、5%〜2
0%の間であることが好ましい。結晶化度が5%より小
さい場合、熱処理後に得られる容器の耐熱性が劣る場合
がしばしばあり、20%より大きい場合には容器形状が
劣ることがあり得る。
【0012】熱処理工程とは、熱成形した結晶化度の低
い成形体を雄型に固定した後に、熱風オーブン中での熱
処理、加熱したオイル中への浸漬、加熱した金属板ある
いは雌型の接触、赤外線ヒーターによる加熱等に相当す
る。あるいは加熱した雄型による熱処理でもよい。熱処
理温度および時間は、特に限定はしないが、たとえば成
形体の温度が140℃ないし270℃、好ましくは16
0℃ないし250℃、かつ成形体の結晶化度が20%な
いし50%、より好ましくは20%ないし40%になる
ように適宜設定される。成形体の結晶化度が20%に満
たない場合得られた成形体の寸法変化率は大きく、また
50%を超える場合得られた成形体がもろくなり耐衝撃
性に劣るため好ましくない。
【0013】結晶化度の低い成形体の雄型への固定は、
熱処理前後の成形体寸法の差が10%以内となるように
行う。固定はたとえば雌金型、金属リング等によって行
うが、その方法は適宜選択できる。
【0014】本発明におけるポリエステル系シートに用
いられるポリエステル系樹脂は、主としてPETであ
る。またその他のポリエステル系樹脂、たとえばポリプ
ロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート、
ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンナフタレー
ト、ポリブチレンナフタレート、液晶性ポリエステルも
使用可である。
【0015】本発明のポリエステル系シートに用いられ
るポリエステル系樹脂は、その固有粘度が0.70dL
/g以上、好ましくは0.80dL/g以上である。固
有粘度が0.70dL/g以下である場合、得られたシ
ートおよびその成形体は機械的強度に劣り、また成形体
成形時のシート予熱工程でシート垂れ下がりによる操業
不良発生が起こりやすいため、好ましくない。
【0016】本発明におけるポリエステル系樹脂は、そ
の酸成分の一部として、主たる酸成分以外の芳香族ジカ
ルボン酸、脂環族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸を
用いても良い。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタ
ル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル
酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタ
ル酸、ヒドロキシ安息香酸、ジフェニルジカルボン酸、
ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホン
ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、3,
5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸、5−ナトリウム
スルホイソフタル酸などが挙げられる。脂環族ジカルボ
ン酸としてはシクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒド
ロ無水フタル酸などが挙げられる。脂肪族ジカルボン酸
としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、水添
ダイマー酸などが挙げられる。これらは樹脂の融点およ
び結晶性を大きく低下させない範囲で用いられ、その量
は全酸成分の20モル%未満、好ましくは10モル%未
満である。
【0017】本発明におけるポリエステル系樹脂は、そ
のグリコール成分の一部として他種のグリコールすなわ
ち炭素数が1〜25のアルキレングリコールを用いるこ
とができる。例えばジエチレングリコール、1,2−プ
ロピレングリコール、1,3−プロバンジオール、1,
3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5
−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,
9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ジメチ
ロールヘプタン、ジメチロールペンタン、トリシクロデ
カンジメタノール、ビスフェノールXのエチレンオキサ
イド誘導体(XはA,S,F)などである。これらのグ
リコールは各種特性のバランスにより適切な組み合わせ
で用いられるが、ポリマー中の主となるエステル単位の
結晶性を妨げないことが前提であるため、その共重合量
は全グリコール成分の20モル%以下であることが望ま
しい。
【0018】本発明におけるポリエステル系樹脂は、少
量に限って三官能以上のポリカルボン酸やポリオール成
分を含むこともできる。例えば無水トリメリット酸、ベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸、トリメチロールプロパ
ン、グリセリン、無水ピロメリット酸、ペンタエリスリ
トール、5−ヒドロキシイソフタル酸などを3モル%以
下使用できる。
【0019】本発明におけるポリエステル系樹脂は、少
量に限って二官能性のポリエーテル成分を含むこともで
きる。例えばPTMG、エチレンオキサイド変成PTM
Gなどを10重量%以下使用できる。また、p−フェニ
ルフェノール、ベンジルオキシ安息香酸、ナフタレンモ
ノカルボン酸、ポリエチレングリコールモノメチレンエ
ーテル等の化合物も10重量%以下使用できる。
【0020】本発明におけるポリエステル系シートに含
有される他種樹脂とは、ポリエステル系シート成形およ
び成形体成形の際に著しい熱分解を示すものでない限り
特に限定しない。例えばポリオレフィン系、ポリエステ
ル系、ポリスチレン系、ポリアミド系、シリコーン系、
ポリアクリル系の樹脂およびエラストマーが好適に用い
られる。
【0021】上記他種樹脂のシート中での分散径は10
μm以下であることが好ましい。分散径が10μmより
大きい場合、得られたシートからなる成形体は耐衝撃性
に劣るようになることがある。
【0022】本発明におけるポリエステル系シートに含
有される樹脂は、損失正接が最大値を示す温度が−20
℃以下の樹脂であるものがより好ましい。たとえばポリ
オレフィン系樹脂、ポリエステル系エラストマー、非晶
ポリエステル系樹脂、スチレン系エラストマー、シリコ
ーン系エラストマー、アクリル系樹脂およびそれらの複
合体がその例として挙げられる。
【0023】前述のポリオレフィン系樹脂としては、例
えば高密度ポリエチレン、分岐低密度ポリエチレン、線
状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、(変
性)ポリプロピレン、(無水)マレイン酸変性ポリエチ
レン、水素添加エチレンブテン共重合体、酢酸ビニル−
エチレン共重合体、アクリル酸エチル−エチレン共重合
体、エチレン−プロピレン共重合体、メタクリル酸グリ
シジル−エチレン共重合体、メタクリル酸グリシジル−
アクリル酸エチル−エチレン共重合体、エチレン−アク
リル酸共重合体の金属塩、エチレン−メタクリル酸共重
合体の金属塩およびそれらの変成体などが挙げられる。
これらは単独で用いても良いし、二種以上を併用しても
良い。好ましくは線状低密度ポリエチレン、超低密度ポ
リエチレン、マレイン酸変性ポリエチレン、水素添加エ
チレンブテン共重合体、アクリル酸エチル−エチレン共
重合体、メタクリル酸グリシジル−アクリル酸エチル−
エチレン共重合体である。
【0024】前述のポリエステル系エラストマーとして
は、ポリブチレンテレフタレート(以下PBTと記す)
とポリアルキレングリコール(例えばオキシテトラメチ
レングリコールからなるもの)、PBTと脂肪族系ポリ
エステル(例えばポリカプロラクトン、ポリブチレンア
ジペート)からなるもの、PETとポリアルキレングリ
コールからなるもの、PETと脂肪族系ポリエステルか
らなるものが例として挙げられるが、これらに限定する
わけではない。
【0025】前述の非晶ポリエステル系樹脂は、前述の
酸成分、グリコール成分からなるものから選ばれる。特
に主たる酸成分が、テレフタル酸、イソフタル酸、フタ
ル酸、セバシン酸、アジピン酸、ダイマー酸のいずれか
およびそれらの混合物であり、主たるグリコール成分
が、エチレングリコール、トリメチレングリコール、ブ
タンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキ
サンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、
ジエチレングリコール、ダイマージオールのいずれかお
よびそれらの混合物であるものが好ましく用いられる。
【0026】前述のスチレン系エラストマーとしては、
スチレンエチレン共重合体、スチレンエチレンブテン共
重合体、スチレンエチレンブテン共重合体の水素添加
物、スチレンブタジエン共重合体、スチレンブタジエン
共重合体の水素添加物等、およびこれらの酸およびエポ
キシ変成体が例として挙げられる。
【0027】前述のアクリル系樹脂としては、例えばポ
リメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリ
ブチルアクリレート等およびそれらの共重合体が挙げら
れる。さらに、これらの樹脂の複合体として、例えばシ
リコーン−アクリル系樹脂からなるコア・シェル型ゴ
ム、ポリオレフィン−アクリル系樹脂からなるコア・シ
ェル型ゴム等が挙げられる。
【0028】上記の他種樹脂の添加量は、0.5〜10
重量%、下限は好ましくは1重量%以上、さらに好まし
くは2重量%以上、特に好ましくは3重量%以上であ
り、上限は好ましくは8重量%以下、より好ましくは7
重量%以下である。0.5重量%より少ないと耐衝撃性
改善効果が充分ではなく、10重量%より多いと耐熱性
の低下、外観の低下等の悪影響が現れるため好ましくな
い。
【0029】損失正接が最大値を示す温度は、引っ張り
強制振動型動的粘弾性測定装置、あるいは回転型動的粘
弾性測定装置によって測定される。
【0030】本発明の成形体に用いられるポリエステル
系シートには、公知の任意の結晶核剤、例えばタルク、
カオリン、シリカ等の無機核剤、およびPBTオリゴマ
ー、安息香酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、高
重合度PET粉砕物、ポリオレフィン等の有機核剤など
を添加することができる。結晶核剤の添加量は5重量%
以下であり、核剤の種類に応じて適宜設定される。
【0031】本発明の成形体に用いられるポリエステル
系シートは、二層以上からなるものであってもよい。本
明細書に記載される範囲の異なる組成からなる層、ある
いは、核剤を含むPET、イソフタル酸共重合PET、
1,4−シクロヘキサンジメタノールを共重合した非晶
ポリエステル樹脂、ポリエチレンナフタレート系樹脂等
からなる層が、多層とする際の例として挙げられる。
【0032】本発明の成形体に用いられるポリエステル
系シートには、目的に応じて種々の重合体あるいは添加
剤を配合して組成物を得ることができる。重合体として
は、例えばポリアミド系重合体、ポリアクリル系重合
体、ポリカーボネート系樹脂、シリコーン系樹脂などが
挙げられる。添加剤としては、公知のヒンダードフェノ
ール系、硫黄系、燐系、アミン系の酸化防止剤、ヒンダ
ードアミン系、トリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベ
ンゾエート系、ニッケル系、サリチル系等の光安定剤、
帯電防止剤、滑剤、過酸化物等の分子調整剤、エポキシ
系化合物、イソシアネート系化合物、カルボジイミド系
化合物等の反応基を有する化合物、金属不活性剤、有機
及び無機系の核剤、中和剤、制酸剤、防菌剤、蛍光増白
剤、充填剤、難燃剤、難燃助剤、有機及び無機系の顔
料、染料などを添加することができる。
【0033】
【実施例】以下、実施例及び比較例によって本発明を更
に詳述するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。主な物性値の測定法は次の通りである。 (1) IV:フェノール/テトラクロロエタン=60
/40(重量比)の混合溶媒を用いて温度30℃にて測
定した。
【0034】(2)損失正接が最大値を示す温度:引っ
張り強制振動型動的粘弾性測定装置(UBM社製Rhe
ogel−E4000)、または回転型動的粘弾性測定
装置(レオメトリクス社SR−200)を用い、十分な
低温から2℃/分で昇温しながら11Hzにおいて測定
したときの損失正接(tanδ)が最大を示す温度とし
た。以下Tgと示す。
【0035】(3)寸法変化率:成形体の任意の位置か
ら1ないし3cm角の試料を切りだし、200℃の雰囲
気下に15分放置した際の最大収縮位置から算出した。
【0036】(4)耐衝撃性:得られた成形体に100
gの砂を入れ、0℃雰囲気下50cmの高さから鉄板上
に落とし、割れるか否かを評価した。
【0037】使用した各種樹脂は次の通りである。 PET−1:東洋紡績社製IV=1.00dL/gのP
ET樹脂 PET−2:東洋紡績社製IV=0.75dL/gのP
ET樹脂 ポリエチレン:日本ポリケム(株)社製線状低密度ポリ
エチレン ノバテック LL(Tg<−20℃)ポリオレフィン樹脂:JSR
(株)社製ダイナロン6200P(Tg<−20℃) 変性ポリオレフィン樹脂−1:住化アトケム社製ボンダ
イン TX8030(Tg<−20℃) 変性ポリオレフィン樹脂−2:住友化学工業(株)社製
ボンドファースト7M(Tg<−20℃) スチレン系エラストマー:JSR(株)社製ダイナロン
1320P(Tg<−20℃) ポリエステル系エラストマー:東洋紡社製ペルプレン
(Tg<−20℃) コア・シェル型ゴム:三菱レイヨン(株)社製 メタブ
レンS2001(Tg<−20℃) ポリスチレン:数平均分子量45万のポリスチレン(T
g=100℃) ポリエステル樹脂:IV=1.0のポリブチレンテレフ
タレート(Tg=25℃)
【0038】実施例1〜9および比較例1 上記の各樹脂を用いて、自家製シーティング機にて0.
5mm厚みのシートを得た。なお、シート成形時のバレ
ル温度は全て290℃とした。次にこのシートを用い
て、三和興業社製真空圧空成形機TVP−33型にて直
径7cm、深さ10cmの50℃に温調した金型を用
い、円柱型成形体を得た。次いで同形状の雄木型に成形
体を固定し、220℃の熱風オーブンで3分間の熱処理
を行った(比較例3のみ熱処理を行わなかった)。得ら
れた成形体について、前述の評価法に基づき寸法変化
率、耐衝撃性を評価した。また、目視にて成形体が変形
するか否かを観測した。以上を表1にまとめて示す。な
お、熱処理前後の成形体の寸法変化率は円柱形成形体の
口部直径を測定して求めたが、いずれも2%以下であっ
た。
【0039】
【表1】
【0040】表中の数字は各成分の重量%を表す。ま
た、タルクは、樹脂の総量に対する重量部として示し
た。耐衝撃性は成形体の割れたものを×、割れなかった
ものを○とした。
【0041】表1より、実施例1〜7の成形体は、加熱
の際に変形、収縮せず、かつ優れた耐衝撃性を示してい
ることがわかる。また、実施例8,9では加熱の際に変
形、収縮はしなかったが、耐衝撃性には若干劣ってい
た。一方、比較例1では、収縮変形で問題があることが
明らかである。
【0042】
【発明の効果】以上特定のポリマー組成物からなるシー
トより得られた本発明の成形体は、優れた耐熱性、耐衝
撃性を有しており、産業界に寄与すること大である。さ
らには、特別な金型を用意することもなく高耐熱性の容
器を得ることが出来る上、金型内で熱処理しないことか
ら成形速度を上げることが出来、生産性の向上が図られ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101:00) B29K 67:00 B29K 67:00 B65D 1/00 C (72)発明者 原 厚 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 3E033 AA20 BA13 BA14 BA17 BA18 BA21 BA22 BA23 BB01 BB04 BB05 CA03 CA07 EA12 FA01 FA04 4F071 AA12 AA12X AA15 AA15X AA20 AA20X AA21 AA21X AA22 AA22X AA28 AA28X AA32 AA32X AA33 AA33X AA36 AA36X AA43 AA44 AA45 AA46 AA67 AA67X AA77 AA77X AA78 AA88 AF12Y AF54Y BB03 BC05 4F208 AA24 AC03 AR12 AR17 AR20 MB01 MG11 MW02 4J002 AC082 AC112 BB032 BB052 BB062 BB072 BB102 BB122 BB152 BB202 BB212 BB232 BC042 BC052 BG042 BN052 BN172 CF011 CF031 CF032 CF042 CF051 CF052 CF061 CF071 CF081 CF091 CF101 CF141 CF172 CF181 FD010 FD040 FD070

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主としてポリエステルからなるシートを
    熱成形し脱型後に熱処理を行って得られた成形体であ
    り、180℃の雰囲気下に10分放置した際の寸法変化
    率が30%以下であることを特徴とする成形体。
  2. 【請求項2】 熱処理前後の成形体寸法の差が10%以
    内であることを特徴とする請求項1記載の成形体。
  3. 【請求項3】 固有粘度0.70dL/g以上を有する
    ポリエステル系樹脂90〜99.5重量%および他種の
    樹脂0.5〜10重量%からなる層を少なくとも1層有
    するシートを熱成形して得られることを特徴とする、請
    求項1または2に記載の成形体。
  4. 【請求項4】 ポリエステル系樹脂中の他種樹脂が、損
    失正接が最大値を示す温度が−20℃以下の樹脂である
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の成
    形体。
  5. 【請求項5】 前項記載のポリエステルが主としてポリ
    エチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項
    1から4のいずれかに記載の成形体。
  6. 【請求項6】 主としてポリエステルからなるシートを
    熱成形後脱型して結晶化率20%以下の成形体を得た
    後、さらに熱処理を行って成形体の結晶化率を20%以
    上にすることを特徴とする成形体の製造方法。
JP2000281960A 2000-09-18 2000-09-18 ポリエステル系シートからなる耐熱成形体の製造方法 Expired - Lifetime JP4945837B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000281960A JP4945837B2 (ja) 2000-09-18 2000-09-18 ポリエステル系シートからなる耐熱成形体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000281960A JP4945837B2 (ja) 2000-09-18 2000-09-18 ポリエステル系シートからなる耐熱成形体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002086553A true JP2002086553A (ja) 2002-03-26
JP4945837B2 JP4945837B2 (ja) 2012-06-06

Family

ID=18766542

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000281960A Expired - Lifetime JP4945837B2 (ja) 2000-09-18 2000-09-18 ポリエステル系シートからなる耐熱成形体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4945837B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005239818A (ja) * 2004-02-25 2005-09-08 Risu Pack Co Ltd 耐熱性ポリエステル系シート、及びこれを使用した耐衝撃性を有する成形品
JP2013189550A (ja) * 2012-03-14 2013-09-26 Du Pont-Toray Co Ltd 耐熱熱可塑性エラストマー樹脂組成物
KR20150114031A (ko) * 2014-03-31 2015-10-12 충남대학교산학협력단 음이온형 공중합 폴리에스터/소듐도데실벤젠설포네이트 블렌드 필름, 나노 필라멘트 및 이의 제조방법
JP2016124986A (ja) * 2014-12-29 2016-07-11 富士ゼロックス株式会社 樹脂組成物及び樹脂成形体
US9696667B2 (en) 2014-02-27 2017-07-04 Fuji Xerox Co., Ltd. Constraining mechanism, cleaning device, image carrier unit, and image forming apparatus

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01204738A (ja) * 1988-02-10 1989-08-17 Kuraray Co Ltd ガスバリアー性を有する耐熱性容器
JPH0375124A (ja) * 1989-08-17 1991-03-29 Toppan Printing Co Ltd 成型容器の製造方法
JPH07195508A (ja) * 1993-12-28 1995-08-01 Sekisui Plastics Co Ltd 結晶性ポリエチレンテレフタレートシートの成形処理方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01204738A (ja) * 1988-02-10 1989-08-17 Kuraray Co Ltd ガスバリアー性を有する耐熱性容器
JPH0375124A (ja) * 1989-08-17 1991-03-29 Toppan Printing Co Ltd 成型容器の製造方法
JPH07195508A (ja) * 1993-12-28 1995-08-01 Sekisui Plastics Co Ltd 結晶性ポリエチレンテレフタレートシートの成形処理方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005239818A (ja) * 2004-02-25 2005-09-08 Risu Pack Co Ltd 耐熱性ポリエステル系シート、及びこれを使用した耐衝撃性を有する成形品
JP2013189550A (ja) * 2012-03-14 2013-09-26 Du Pont-Toray Co Ltd 耐熱熱可塑性エラストマー樹脂組成物
US9696667B2 (en) 2014-02-27 2017-07-04 Fuji Xerox Co., Ltd. Constraining mechanism, cleaning device, image carrier unit, and image forming apparatus
KR20150114031A (ko) * 2014-03-31 2015-10-12 충남대학교산학협력단 음이온형 공중합 폴리에스터/소듐도데실벤젠설포네이트 블렌드 필름, 나노 필라멘트 및 이의 제조방법
KR101684902B1 (ko) * 2014-03-31 2016-12-13 충남대학교산학협력단 음이온형 공중합 폴리에스터/소듐도데실벤젠설포네이트 블렌드 필름, 나노 필라멘트 및 이의 제조방법
JP2016124986A (ja) * 2014-12-29 2016-07-11 富士ゼロックス株式会社 樹脂組成物及び樹脂成形体
US9562157B2 (en) 2014-12-29 2017-02-07 Fuji Xerox Co., Ltd. Resin composition and resin molded article

Also Published As

Publication number Publication date
JP4945837B2 (ja) 2012-06-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4839012B2 (ja) インモールド成形用ポリエステルフィルム
JP6276261B2 (ja) Eg、chdm及びtmcdを含有するテレフタレート又はイソフタレートポリエステルの三元系ブレンド
CN102712210A (zh) 包含装饰材料的热塑模制产品
JP5127296B2 (ja) 深絞り成型同時転写箔用ポリエステルフィルム
JP2009155413A (ja) 加飾用ポリ乳酸系樹脂シート並びにそれを用いた加飾部材
JP2003292593A (ja) ポリエステル樹脂
JP4583699B2 (ja) ポリエステルフィルム、成形用ポリエステルフィルム及びそれを用いた成形部材
JP2002086553A (ja) ポリエステル系シートからなる耐熱成形体およびその製造方法
JP4563090B2 (ja) ポリエステル系樹脂組成物、該樹脂組成物からなる熱収縮性ポリエステル系フィルム、成形品および容器
JP2002234571A (ja) 耐熱ブリスターパック
JP4568043B2 (ja) ポリエステル系樹脂組成物、該樹脂組成物からなる熱収縮性ポリエステル系フィルム、成形品および容器
JPH11106625A (ja) ポリエステル系シート及びそれを用いた低温耐衝撃性でかつ耐熱性のポリエステル系成形品
JP4174701B2 (ja) 多層ポリエステル系シートおよびその成形品
JP2647706B2 (ja) ポリエステル積層成形体およびその用途
JP3737302B2 (ja) 新規なポリエステルペレットおよびポリエステルペレットの製造方法
JP4143895B2 (ja) 多層ポリエステル系シ−ト、フイルム、およびそれからなる成形品
JP4189717B2 (ja) ポリエステル系樹脂組成物およびそれからなる成形体
JP2723141B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物およびその用途
JP2006051747A (ja) 成形同時転写用ポリエステルフィルム
JPH106458A (ja) 多層ポリエステル系シート及びそれを用いた成形品
JPH11105220A (ja) ポリエステル系多層シート及びそれを用いた低温耐衝撃性でかつ耐熱性のポリエステル系多層成形品
JP3594083B2 (ja) ポリエステル系樹脂シート、その成形品および金型汚れ防止方法
JP3197908B2 (ja) 透明ポリエステル容器
JPH1067045A (ja) 熱可塑性樹脂成形品の製造法
JPH11129422A (ja) 多層ポリエステル系シート及びそれを用いた成形品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070911

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100722

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100729

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100924

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110810

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111011

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120110

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120207

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120220

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150316

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4945837

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150316

Year of fee payment: 3

EXPY Cancellation because of completion of term