JP2002084930A - 中通し竿 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構造で容易にトップガイド本体の脱着
が可能な中通し竿を提供する。 【解決手段】 トップガイド６のトップガイドホルダー
１０は、穂先側ほどやや大径化する緩やかなテーパが形
成されており、穂先側外周に全周にわたって他の部分よ
り小径に形成された小径部分10bと、その穂先側に形成
され小径部分10bに対してやや拡径したフランジ部分10a
とが形成されている。一方のトップガイド本体１１も弾
性を有するナイロン樹脂等によって形成された略筒状部
材である。手元側内周面には全周にわたって他の部分よ
り内径が小径に形成された小径部分11aが形成されてい
る。そして、この小径部分11aがフランジ部分10aを乗り
越えてトップガイドホルダー１０の小径部分10aに噛み
込んで嵌着される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、内部に釣糸が挿通
可能な釣糸通路を有する中通し竿に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の中通し竿は、内部に釣糸が挿通可
能な釣糸通路を有する元竿と、元竿の穂先側に連結され
元竿同様に内部に釣糸通路を有する中竿と、中竿の穂先
側に連結され釣糸通路を有する穂先竿とを有している。
元竿には、リールを取り付け可能なリールシートが形成
され、リールシートの穂先側にはリールからの釣糸を竿
体内部の釣糸通路に導入するための釣糸導入口が形成さ
れている。また、穂先竿の穂先側端部にはトップガイド
が設けられている。

【０００３】このトップガイドは、穂先竿の穂先側端部
外周面に接着剤等で取り付けられた雄ねじ部材に脱着自
在に螺合した筒状の本体部と、本体部の穂先側端部内に
はめ込まれたセラミックリングを有している。そして、
リールからの釣糸は釣糸導入口から竿体内部へ導かれて
穂先側のトップガイドへ至り、トップガイドの本体部内
を挿通してセラミックリングに支持されながら外部へ導
出される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の中通し竿のトッ
プガイドの本体部は、上述のように穂先竿の穂先側端部
外周面に取り付けられた別部材（雄ねじ部材）に対して
螺合式に装着されており、必要な場合に本体部を回転さ
せて螺合しまたはこれを解除して脱着することになる。
しかし、このような従来の方式では本体部を直ちに脱着
できず面倒である。特に、手袋を装着して釣りを行って
いるような場合には小さなトップガイドの本体部を螺合
させるような細かい作業は煩雑である。

【０００５】本発明の課題は、簡易な構造で容易に脱着
操作が可能なトップガイドを有する中通し竿を提供する
ことにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】発明１にかかる中通し竿
は、魚釣りに用いる中通し竿であって、内部に釣糸が挿
通可能な釣糸通路を有する竿体と、竿体の穂先側端部外
周に固定され、穂先側外周に嵌着雄部を有する筒状のト
ップガイドホルダーと、手元側内周に設けられた嵌着雄
部に脱着自在に嵌着可能な嵌着雌部と穂先側内周に装着
されたガイドリングとを有するトップガイド本体とを備
えている。

【０００７】この中通し竿では、例えば、トップガイド
内部にゴミ等が詰まった場合や水が溜まってこれを排除
したいような場合には、トップガイド本体を穂先側に引
き出して嵌着雌部の嵌着雄部に対する嵌着を解除するこ
とによって、ワンタッチでトップガイドホルダーからト
ップガイド本体を取り外すことができる。そして、トッ
プガイド本体を装着する場合には、逆に嵌着雌部を嵌着
雄部に填め込むことによって容易にトップガイド本体を
トップガイドホルダーに装着できる。

【０００８】この嵌着雄部と嵌着雌部とは互いの素材が
有する弾性によって脱着可能とすれば足りるが、特に、
嵌着雄部を有するトップガイドホルダを弾性部材で構成
するのが好ましい。何故なら、トップガイドホルダーは
竿体の穂先側端部外周面に接着剤等によって固定される
ところ比較的大きな弾性を有していても問題は少なく、
他方のトップガイド本体はある程度の強度を維持する必
要があるからである。

【０００９】発明２にかかる中通し竿は、発明１の中通
し竿であって、嵌着雄部はトップガイドホルダーの穂先
側外周に全周にわたって形成された小径部分とその穂先
側に形成されるフランジ部分とであり、嵌着雌部はトッ
プガイド本体の手元側内周面に全周にわたって形成され
た小径部分である。

【００１０】この場合には、嵌着雄部，嵌着雌部がそれ
ぞれ周方向に全周にわたって形成された小径部分乃至フ
ランジ部分から構成され、周方向全体にわたって噛み合
うので安定した状態でトップガイド本体をトップガイド
ホルダーに装着できる。

【００１１】また、ここで嵌着雄部と嵌着雌部との周方
向における嵌合力を小さく設定しておけば、トップガイ
ドホルダーに対してトップガイド本体が周方向に回転自
在とすることも可能である。このようにトップガイドホ
ルダーとトップガイド本体とを互いに周方向に回転自在
にすることで、竿体内からトップガイド本体内を挿通し
てゆく釣糸の周方向への抵抗を軽減させることも可能で
ある。

【００１２】発明３にかかる中通し竿は、発明１の中通
し竿であって、嵌着雄部はトップガイドホルダーの穂先
側外周に形成された小径部分とこの小径部分に周方向に
間隔を隔てて形成された複数のリブ部分とであり、嵌着
雌部は前記トップガイド本体の手元側内周面に全周にわ
たって形成された小径部分である。

【００１３】このようにリブ部分を設けて嵌着させるこ
とで軽量化も可能であると共に嵌着度合いの調整も容易
になる。発明４にかかる中通し竿は、発明１〜３の何れ
かの中通し竿であって、トップガイド本体は手元側端部
から軸方向に形成された割り部を有している。

【００１４】このようにトップガイド本体に所定の割り
部を形成することで、トップガイド本体とトップガイド
ホルダーとの脱着がスムーズになる。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て図面を参照しつつ説明する。本発明の一実施形態を採
用した中通し竿は、図１に示すように、元竿１と、元竿
１の穂先側に順次振出形式で連結される元上竿２、中竿
３，４、穂先竿５とを有している。これらの各竿体は炭
素繊維等の強化繊維にエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を
含浸させたプリプレグ素材から構成される先細り筒状部
材である。その内部は釣糸Ｌが挿通可能な釣糸通路とな
っており、各竿体の内周面には釣糸Ｌと各竿体内周面と
の接触面積を低減するべく螺旋状に形成された釣糸支持
突起を有している（図示せず）。

【００１６】元竿１にはリール７を脱着自在に装着可能
なリールシート８が設けられており、元竿１の穂先側に
位置する元上竿２の外周面にはリール７からの釣糸Ｌを
釣糸通路内に導入するための釣糸導入口９が形成されて
いる。また、釣糸導入口９上には釣糸Ｌを釣糸導入口９
へ導く釣糸導入ガイドＧが配置される。さらに、穂先竿
５穂先側端部にはトップガイド６が取り付けられてい
る。そして、リール７からの釣糸Ｌは釣糸導入ガイド
Ｇ，釣糸導入口９から元上竿２内部の釣糸通路に導入さ
れ、順次穂先側へ導かれてトップガイド６から外部に導
出されることになる。

【００１７】図２示すように、穂先竿５の穂先側先端に
設けられるトップガイド６は、穂先竿５の穂先側端部外
周に固定された略筒状のトップガイドホルダー１０と、
トップガイドホルダー１０に脱着自在に装着されるトッ
プガイド本体１１とを有している。

【００１８】このトップガイドホルダー１０はナイロン
樹脂等の弾性素材から形成された略筒状部材であり、穂
先竿５の穂先側端部外周に接着剤等によって固定されて
いる。トップガイドホルダー１０は、穂先側ほどやや大
径化する緩やかなテーパが形成されており、穂先側外周
に全周にわたって他の部分より小径に形成された小径部
分10bと、その穂先側に形成され小径部分10bに対してや
や拡径したフランジ部分10aとが形成されている（嵌着
雄部）。

【００１９】一方のトップガイド本体１１も弾性を有す
るナイロン樹脂等によって形成された略筒状部材であ
る。強度を考慮してポリカーボネート等の合成樹脂や金
属製部材としてもよい。また、このトップガイド本体１
１の穂先側内周にはセラミックス等から形成された硬質
のリング状のガイドリング１２が填め込まれて固定され
ている。このトップガイド本体１１の手元側内周面には
全周にわたって他の部分より内径が小径に形成された小
径部分11a（嵌着雌部）が形成されている。そして、こ
の小径部分11aがフランジ部分10aを乗り越えてトップガ
イドホルダー１０の小径部分10aに噛み込んで嵌着され
るようになっている。

【００２０】このように構成された中通し竿では、例え
ば、トップガイド６内部に釣糸Ｌに付着したゴミ等が詰
まった場合や水が溜まってこれを排除したいような場合
には、トップガイド本体１１を穂先側に引っ張って小径
部分11aをフランジ部分10a等から引き出すことにより、
ワンタッチでトップガイドホルダー１０からトップガイ
ド本体１１を取り外すことができる。そして、トップガ
イド本体１１を装着する場合には、逆に填め込むことに
よって容易にトップガイド本体１１をトップガイドホル
ダー１０に装着できる。

【００２１】［他の実施形態］ （ａ）図３に示すように、ガイドリング１２はその大き
さを異にしてトップガイド本体１１内に複数個配置して
もよい。また、トップガイド本体１１の手元側（トップ
ガイドホルダー側）端面から軸方向中央付近までにかけ
て割り部２０を設けてもよい。 （ｂ）上記実施形態において、トップガイド本体１１と
トップガイドホルダー１０との周方向における嵌合力を
小さく設定してもよい。このように、軸方向における嵌
合力を維持しつつ周方向における嵌合力をある程度小さ
く設定することで、トップガイドホルダー１０に対して
トップガイド本体１１が周方向に回転自在となる。そし
て、トップガイドホルダー１０とトップガイド本体１１
とを互いに周方向に回転自在にすることで、トップガイ
ド本体１１内を挿通してゆく釣糸Ｌの周方向への抵抗を
軽減させることもできる。 （ｃ）図４に示すように、トップガイドホルダー１０の
穂先側を小径部分１０ｄとして、小径部分１０ｄに周方
向に間隔を隔てて複数のリブ１０ｃを形成してもよい。
このように複数のリブ１０ｃによってトップガイド本体
１１と嵌着させることで、その嵌着度合いの調整等が容
易になる。なお、逆に、トップガイド本体１１内の小径
部分11aを周方向に間隔を隔てつつ複数のリブとして形
成してもよい。

【００２２】

【発明の効果】本発明によれば、簡易な構造で容易にト
ップガイド本体の脱着が可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態を採用した釣竿の全体図。

【図２】図１のトップガイド付近の拡大図。

【図３】他の実施形態を採用した中通し竿の図２に相当
する図。

【図４】他の実施形態を採用したトップガイドホルダー
を示した図。

【符号の説明】

５ 穂先竿 ６ トップガイド １０ トップガイドホルダー １１ トップガイド本体 １２ ガイドリング

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】魚釣りに用いる中通し竿であって、 内部に釣糸が挿通可能な釣糸通路を有する竿体と、 前記竿体の穂先側端部外周に固定され、穂先側外周に嵌
   着雄部を有する筒状のトップガイドホルダーと、 手元側内周に設けられた前記嵌着雄部に脱着自在に嵌着
   可能な嵌着雌部と穂先側内周に装着されたガイドリング
   とを有するトップガイド本体とを備えた中通し竿。
2. 【請求項２】前記嵌着雄部は前記トップガイドホルダー
   の穂先側外周に全周にわたって形成された小径部分とそ
   の穂先側に形成されるフランジ部分とであり、前記嵌着
   雌部は前記トップガイド本体の手元側内周面に全周にわ
   たって形成された小径部分である、請求項１に記載の中
   通し竿。
3. 【請求項３】前記嵌着雄部は前記トップガイドホルダー
   の穂先側外周に形成された小径部分とこの小径部分に周
   方向に間隔を隔てて形成された複数のリブ部分とであ
   り、前記嵌着雌部は前記トップガイド本体の手元側内周
   面に全周にわたって形成された小径部分である、請求項
   １に記載の中通し竿。
4. 【請求項４】前記トップガイド本体は手元側端部から軸
   方向に形成された割り部を有している、請求項１〜３の
   何れかに記載の中通し竿。