JP2002065606A

JP2002065606A - 医療機器類の洗浄消毒装置

Info

Publication number: JP2002065606A
Application number: JP2000259467A
Authority: JP
Inventors: Kaoru Kawazoe; 薫川添; Takashi Kawada; 隆川田
Original assignee: MIZUTOMO KK; ONE STEP KK
Current assignee: MIZUTOMO KK; ONE STEP KK
Priority date: 2000-08-29
Filing date: 2000-08-29
Publication date: 2002-03-05

Abstract

(57)【要約】【課題】内視鏡等に付着している汚染物を短時間で洗
浄殺菌し院内感染を完全に防止できる医療機器類の洗浄
消毒装置を提供する。【解決手段】洗浄殺菌時に強力な酸化作用と殺菌作用
を有し時間と共に無害化する活性酸素を含有するクラス
ターを細分化した酸化活性水を使用し、この酸化活性水
と超音波発振装置Ｆから発振される超音波波動とにより
内視鏡Ｏを洗浄殺菌し、併せて処置具洗浄槽Ｉで検査で
使用された処置具をも洗浄殺菌する。そして、無菌温風
で急速に乾燥させ洗浄殺菌を短縮し検査間の洗浄消毒で
内視鏡を繰り返し使用可能とした。また、内視鏡予備洗
浄装置Ｋで内視鏡の吸引鉗子チャンネル内を予備洗浄
し、内視鏡挿入部回転型洗浄装置Ｎにより内視鏡挿入部
表面を洗浄し酸化活性水と超音波波動とによる洗浄殺菌
効果を高め、洗浄水散布装置Ｌにより粘膜面の粘液等を
洗浄し粘膜面の観察を容易にする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、内視鏡、管状カ
テーテル類などの医療機器類を、洗浄殺菌時に一定時間
だけ強力な酸化作用と殺菌作用とを有し、洗浄水を破棄
する時には無害化し環境への影響がない活性酸素を含有
する酸化活性水を使用し、該酸化活性水と超音波発振装
置からの超音波波動とにより、医療機器類の洗浄消毒す
るものであり、また、乾燥装置により水滴を風圧除去し
て乾燥処理時間の短縮をはかり、特に医療機器類のうち
で内視鏡及び内視鏡下処置治療に使用する処置具等に付
着した粘液、血液などの汚染物を速やかに取り除き、短
時間で使用後の内視鏡等の洗浄消毒ができる医療機器類
の洗浄消毒装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】たとえば、内視鏡検査治療の急速な普及
とともに、内視鏡本体及び内視鏡下処置治療に使用する
処置具などの医療機器類が開発され、医療現場で広く活
用されている。しかしながら、検査数の増大とともに内
視鏡検査による感染事故が国内外で多数報告されるよう
になり、感染例の多くは内視鏡や附属器具及び治療処置
具の不十分な洗浄消毒によることが原因とされており、
検査に伴う感染の完全な防止方法の確立が求められてい
る。従来、一般的に使用されている内視鏡の洗浄消毒装
置は、グルタール製剤が薬剤として用いられているが、
殺菌消毒浸漬時間に時間がかかり、さらに、その薬剤を
落とすための流水洗浄に多量の洗浄水と時間を要し、検
査と検査の間に殺菌消毒するには時間がかかり過ぎるた
め、短時間での殺菌消毒に適した薬剤の開発が行われて
いる。しかしながら、薬剤の多くは薬剤が接触している
部分のみは作用するが、対象となる物品表面の傷や溝な
どの窪みに付着した蛋白質成分の粘液、血液などに対し
ては、その表面だけを凝固させ、中に存在する感染源と
なる病原菌の殺菌消毒効果の点で問題となる場合があ
る。

【０００３】特に、内視鏡の生検鉗子や処置具などが出
し入れされる鉗子チャンネルチューブは表面の傷が多く
送気送水管路はブラッシング洗浄ができない構造であ
り、さらに、異種のチューブの接続部、継ぎ目、或いは
チューブ表面にできた傷の窪みなどに病原菌が進入し付
着している可能性があり、これらを掃除用ブラシや、洗
浄水の注入などだけで除去し殺菌することは困難であっ
た。それ故、残留物や病原菌が完全に殺菌除去されるこ
とがないまま内視鏡が次の患者の検査に使用され検査に
伴う感染の原因として近年大きな問題となっている。

【０００４】また、内視鏡は使用頻度が高く、それ自体
も高価であることから、多くの内視鏡を取り揃えること
は負担が大きく、結局、内視鏡を安全に効率よく使用す
るために比較的短い時間内に完全な殺菌ができる内視鏡
の洗浄消毒装置が求められるようになている。しかし、
従来市販されている薬剤に内視鏡を浸漬又は内視鏡の管
内に薬剤を注入、人手により掃除用ブラシでブラッシン
グする方法では限界があり、その結果、やむをえず不完
全な洗浄殺菌をしただけで、次の患者の検査に汚染した
内視鏡を使用したり、或いは、内視鏡を長時間かけて薬
液に浸漬する殺菌方法を採る場合は、一日の内視鏡の使
用回数に制約を受ける検査体制をとらざるを得ないなど
の問題を抱かえている。

【０００５】その他、従来の薬液は価格が高く設定され
ており、さらに、その薬剤の被曝による医療従事者の薬
剤被曝障害（皮膚疾患、呼吸器系疾患、頭痛、眼通など
の刺激による症状）、発癌性の問題などで使用を拒否す
る事例が出始めている。また、殺菌消毒薬剤の使用後の
廃棄処理は、自然環境に対する新たな問題点として指摘
されるようになってきている。

【０００６】そして、内視鏡検査治療技術の確立ととも
に、内視鏡下処置具の種類が急速に増え、複雑な形状、
細いチューブ、コイル状の細長い形状など、洗浄消毒が
行いにくい医療器具が数多く見受けられ、これら処置具
の洗浄消毒不良も感染の一因となっている。

【０００７】さらには、内視鏡の光学的技術向上に伴い
（電子内視鏡、拡大電子内視鏡）、消化管内の微細な病
変の検出が可能となり、内視鏡治療（内視鏡的粘膜切除
術、内視鏡的ポリープ切除術など）が向上し、それに伴
い、消化管粘膜面に付着した粘血液が観察の妨げとな
り、内視鏡前処置薬に粘液溶解剤などを使用し、胃内の
粘液を溶解させ内視鏡観察が行い易くする方法などが試
みられている。大腸内視鏡検査では、検査前に多量の水
と下剤を同時に服用させ、腸内の便を水と同時に排泄さ
せて内視鏡での観察ができるようにしている。しかしな
がら、粘稠な粘液、食物残渣、出血時の粘膜面や、大腸
内視鏡検査での腸洗浄の不良による便などで内視鏡での
観察が十分できないことも多く、その対応として、内視
鏡鉗子チャンネルから水を注射器で粘膜面に注水し、粘
膜面表面を洗い落とすなどしているが時間的、人的要因
を考慮した粘膜面を簡単に洗浄できる器具も要求されて
いる。また、その他の医療機器類についても同様であ
る。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】この発明の医療機器類
の洗浄消毒装置は上記課題に鑑み、殺菌時に一定時間だ
け強力な殺菌作用を有し、洗浄殺菌後は廃液が短時間で
水に還元し安全で残留物を生成しない活性酸素を含有す
る酸化活性水を使用して洗浄殺菌する医療機器類の洗浄
消毒装置を提供し、酸化活性水と超音波発振装置からの
超音波波動とにより、粘液、血液などの残留物や病原菌
をチューブの接続部、継ぎ目、チューブにできた傷の窪
みから浮き上がらせて洗浄消毒ができる医療機器類の洗
浄消毒装置を提供し、また、洗浄殺菌後乾燥装置により
無菌温風、酸化ガス又は酸化ガスを含む温風で殺菌乾燥
し洗浄消毒に要する時間の短縮ができる医療機器類の洗
浄消毒装置を提供することを目的とする。さらに、内視
鏡検査使用後の汚染物の付着した内視鏡全体（内視鏡鉗
子チャンネル内、送気送水管路内、内視鏡表面）の汚染
物の除去を、初めに内視鏡予備洗浄装置により鉗子チャ
ンネル内、送気送水管路内に付着している汚染物の主に
蛋白質・脂肪成分の除去を行い、内視鏡挿入部回転型洗
浄装置により内視鏡挿入部表面をブラシングとシャワー
により洗浄し、その後の酸化活性水と超音波波動とによ
る洗浄殺菌効果を向上させ、乾燥装置により乾燥時間の
短縮を図り、処置具洗浄槽にて内視鏡検査で使用した汚
染した処置具をその場で洗浄消毒処理し、さらにまた、
粘膜面洗浄水散布装置にて、内視鏡検査中の粘膜面観察
の妨げとなる粘液、血液などを浄水を散布することによ
り除去し、内視鏡検査での良好な観察ができる医療機器
類の洗浄消毒装置の提供を目的としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するこの
発明の請求項１の医療機器類の洗浄消毒装置は、水を浄
化する浄水装置と、酸素を酸化ガスにする酸化ガス発生
装置を設け、前記浄水装置から注出される浄水に、前記
酸化ガス発生装置から発生する酸化ガスを混入して、活
性酸素を含有する酸化活性水を生成し、該酸化活性水で
検査・治療などに用いられた医療機器類に付着している
汚染物を、洗浄殺菌する洗浄消毒手段を備えたことを要
旨とする。

【００１０】上記課題を解決するこの発明の請求項２の
医療機器類の洗浄消毒装置は、水を浄化すると共に水の
クラスターを細分化する浄水装置と、酸素を高電圧高圧
力下で圧力をもった酸化ガスを作る酸化ガス発生装置と
を設け、該装置から発生する酸化ガスをエゼクターを用
いて微細な気泡にして前記浄水装置から注出される浄水
に吹き込み、活性酸素を含有するクラスターを細分化し
た酸化活性水を生成し、該酸化活性水で検査・治療など
に用いられた医療機器類に付着している汚染物を、洗浄
殺菌する洗浄消毒手段を備えたことを要旨とする。

【００１１】上記課題を解決するこの発明の請求項３の
医療機器類の洗浄消毒装置は、活性酸素を含有するクラ
スターを細分化した酸化活性水を生成する酸化活性水生
成装置と、該装置から生成される酸化活性水で流水洗浄
と浸漬洗浄殺菌をする洗浄槽と、超音波波動により振動
させ医療機器類の表面に付着している汚染物を浮き上が
らせる超音波発振装置とからなり、洗浄槽において酸化
活性水と超音波波動とにより洗浄殺菌する洗浄消毒手段
を備えたことを要旨とする。

【００１２】上記課題を解決するこの発明の請求項４の
医療機器類の洗浄消毒装置は、前記活性酸素を含有する
クラスターを細分化した酸化活性水と超音波発振装置か
らの超音波波動とにより洗浄殺菌する洗浄消毒手段を備
えると共に、無菌温風を送風して急速乾燥させる乾燥手
段を備えたことを要旨とする。

【００１３】上記課題を解決するこの発明の請求項５の
医療機器類の洗浄消毒装置は、上記請求項４記載の医療
機器類の洗浄消毒装置において、医療機器類のうちの内
視鏡の洗浄消毒を行うもので、内視鏡検査終了後の内視
鏡の鉗子チャンネル内、送気送水管内及び内視鏡表面に
付着している粘液・血液などの汚染物を薬液により予備
洗浄する予備洗浄手段を設け、予備洗浄終了後の内視鏡
を上記の活性酸素を含有するクラスターを細分化した活
性酸素水と超音波発振装置からの超音波波動とにより洗
浄殺菌し、その後、無菌温風により水滴を除去し急速乾
燥をする内視鏡洗浄消毒手段を備えたことを要旨とす
る。

【００１４】上記課題を解決するこの発明の請求項６の
医療機器類の洗浄消毒装置は、上記請求項５記載の医療
機器類のうちの内視鏡の洗浄消毒において、内視鏡洗浄
消毒手段に加え、内視鏡検査で使用された処置具を上記
の活性酸素を含有するクラスターを細分化した活性酸素
水と超音波発振装置からの超音波波動とにより洗浄殺菌
する処置具洗浄消毒手段を備えたことを要旨とする。

【００１５】上記課題を解決するこの発明の請求項７の
医療機器類の洗浄消毒装置は、上記請求項６記載の医療
機器類のうちの内視鏡の洗浄消毒において、内視鏡洗浄
消毒手段と、処置具洗浄消毒手段に加え、内視鏡検査中
の粘膜面観察の妨げとなる粘液、血液などを流水洗浄に
より除去する粘膜面洗浄水散布装置を備えたことを要旨
とする。

【００１６】上記課題を解決するこの発明の請求項８の
医療機器類の洗浄消毒装置は、上記請求項４，５，６及
び７記載の医療機器類の洗浄消毒装置において、無菌温
風が、前記酸化ガス発生装置より発生する酸化ガス又は
酸化ガスを含む温風であることを要旨とする。

【００１７】上記課題を解決するこの発明の請求項９の
医療機器類の洗浄消毒装置は、上記請求項７記載の医療
機器類の洗浄消毒装置において、上記の活性酸素を含有
するクラスターを細分化した酸化活性水を生成する酸化
活性水生成装置と、内視鏡の吸引鉗子チャンネル内を薬
液の吸引により洗浄する予備洗浄装置と、内視鏡挿入部
表面の付着物を削ぎ取り洗浄する内視鏡挿入部回転型洗
浄装置と、超音波発振装置を備え酸化活性水と超音波波
動とで洗浄殺菌し急速に乾燥させる乾燥装置を備えた洗
浄槽と、内視鏡検査・治療で使用した処置具を酸化活性
水と超音波波動とで洗浄する処置具洗浄槽からなり、上
記内視鏡予備洗浄装置により内視鏡の吸引鉗子チャンネ
ル内の洗浄を薬液により予備洗浄を行い、内視鏡挿入部
を内視鏡挿入部回転型洗浄装置により表面に付着した汚
染物を削ぎ取り洗浄除去し、上記酸化活性水生成装置か
ら生成される酸化活性水が汚染物に対し作用し易くし、
内視鏡と処置具を酸化活性水に浸漬し超音波発振装置か
ら発振される超音波波動とにより洗浄殺菌をすることを
要旨とする。

【００１８】上記課題を解決するこの発明の請求項１０
の医療機器類の洗浄消毒装置は、上記請求項７及び９記
載の医療機器類の洗浄消毒装置において、上記内視鏡予
備洗浄装置が、内視鏡の鉗子チャンネル内を吸引洗浄す
る予備洗浄槽と、該予備洗浄槽に一定量の予備洗浄薬液
を短時間で注水できる定量注水器とを備え、内視鏡を予
備洗浄するごとに新たな予備洗浄液を注入可能とし、か
つ、予備洗浄槽を上記酸化活性水で内視鏡を予備洗浄す
るごとに洗浄殺菌することことを要旨とする。

【００１９】上記課題を解決するこの発明の請求項１１
の医療機器類の洗浄消毒装置は、上記請求項７，９及び
１０記載の医療機器類の洗浄消毒装置において、上記洗
浄槽が内視鏡を差し込み活性酸素を含有するクラスター
を細分化した酸化活性水により洗浄消毒する際に、内視
鏡に接続されているユニバーサルコードを内視鏡光源装
置に取り付けたまま洗浄槽内に内視鏡挿入部を差し込み
収納でき、内視鏡手元操作部と内視鏡挿入部のみを洗浄
消毒することができる中間洗浄槽と、一又は複数の内視
鏡をその全体を洗浄槽内に収納して洗浄消毒することが
できる主洗浄槽を備えたことを要旨とする。

【００２０】上記課題を解決するこの発明の請求項１２
の医療機器類の洗浄消毒装置は、上記請求項７，９，１
０及び１１記載の医療機器類の洗浄消毒装置において、
上記内視鏡挿入部回転型洗浄装置が中間洗浄槽の入り口
に設置され、内視鏡の挿入部を中間洗浄槽に差し込む際
に、モータで回転するブラシによるブラッシングと流水
シャワーによる洗浄とで自動的に内視鏡挿入部表面の汚
染物を削ぎ落とし洗浄し、前記活性酸素を含有するクラ
スターを細分化した酸化活性水による洗浄消毒効果を高
めるようにしたことを要旨とする。

【００２１】上記課題を解決するこの発明の請求項１３
の医療機器類の洗浄消毒装置は、上記請求項６，７及び
９記載の医療機器類の洗浄消毒装置において、洗浄槽に
収納した内視鏡を活性酸素を含有するクラスターを細分
化した酸化活性水に浸漬し、同時に内視鏡の管路内に該
酸化活性水を通水しつつ超音波発振装置から超音波を発
振し、酸化活性水の働きと超音波波動により内視鏡の外
部表面と管路内の洗浄と殺菌を可能としたことを要旨と
する。

【００２２】上記課題を解決するこの発明の請求項１４
の医療機器類の洗浄消毒装置は、上記請求項７及び９記
載の医療機器類の洗浄消毒装置において、上記洗浄水散
布装置の流水洗浄水を内視鏡鉗子チャンネル内に送り込
む手段として、洗浄水を加圧装置で加圧し、加圧装置と
鉗子口をシリコンチューブで接続することで内視鏡吸引
鉗子チャンネル内に洗浄水を注入可能とし、さらに、加
圧装置の圧力調整を可能とするとともに電磁弁などの流
量調整装置を組み込むことにより流量調整と注水間隔の
可変を可能としたことを要旨とする。

【００２３】上記課題を解決するこの発明の請求項１５
の内視鏡自動洗浄消毒装置は、上記請求項１乃至１４の
いずれかに記載の医療機器類の洗浄消毒装置において、
上記酸化ガス及び酸化活性水として、空気を酸化させて
作るオゾンガスと、該オゾンガスを浄水に混入して生成
したオゾン洗浄水とを用いることも可能としたことを要
旨としたものである。

【００２４】上記構成を有するこの発明の請求項１記載
の医療機器類の洗浄消毒装置は、浄水装置により水から
不純物を取り除き浄水を作り、この浄水に酸化ガス発生
装置で作られた酸化ガスを混入し、酸化活性水を生成す
る。この酸化活性水で検査・治療などに用いられた医療
機器類の洗浄消毒をする洗浄槽等に供給し、医療機器類
を洗浄槽において流水洗浄し又は酸化活性水の中に浸漬
し、これに付着した粘液、血液などの残留物を洗浄殺菌
することができる。そして、活性酸素を含有する酸化活
性水は、製造後、約１５分間は強力な酸化作用と強力な
殺菌性を有するが、時間の経過とともに酸化作用、殺菌
作用が無くなる。つまり約１５分間経つと無害化され普
通の水になるために内視鏡に付着したままでも薬物など
と違い残留による薬害の発生は無く、また、そのまま破
棄しても環境に悪影響を及ぼすことはない。

【００２５】上記構成を有するこの発明の請求項２記載
の医療機器類の洗浄消毒装置は、浄水装置により水から
不純物を除去すると共に、水のクラスターを細分化し小
さな分子重合の水とした浄水を生成できるので、汚染物
内への浸透性が高く微小の窪み、間隙又は付着物内にも
浸透し易い浄水となる。この浄水に圧力をもった酸化ガ
スをエゼクターにより微細な気泡にして吹き込み、酸化
ガスを浄水に効率よく溶解させ、酸化ガスの溶存濃度の
高い酸化活性水を供給できるので、強力な酸化作用と強
力な殺菌性を有する洗浄殺菌水となる。また、浄化した
水に溶存している酸素が高圧の酸化ガスが水に溶ける時
にこの酸素をも酸化させる為にこの浄水の殺菌力はさら
に高いものとなり、該酸化活性水で検査・治療などに用
いられた医療機器類に付着している汚染物を、強力に洗
浄殺菌することができる。

【００２６】上記構成を有するこの発明の請求項３記載
の医療機器類の洗浄消毒装置は、前記酸化活性水を洗浄
槽に供給し、洗浄槽において汚染された医療機器類を酸
化活性水で洗い、また、酸化活性水を貯留し、その中に
内視鏡を浸漬すると共に、洗浄槽に備えた超音波発振装
置を作動し発振される超音波波動により、内視鏡に付着
した粘液、血液などの残留物を付着面から浮き上がら
せ、酸化活性水が付着面まで進入し殺菌し、同時に剥離
した粘液、血液や殺菌された菌を再度付着する事なく洗
い流すことができる。

【００２７】上記構成を有するこの発明の請求項４記載
の医療機器類の洗浄消毒装置は、酸化活性水及び超音波
による洗浄が完了し、洗浄槽の洗浄水を排水後、無菌温
風を送風することにより医療機器類を早く乾燥すること
ができ、医療機器類の洗浄消毒時間が大幅に短縮でき
る。

【００２８】上記構成を有するこの発明の請求項５記載
の医療機器類の洗浄消毒装置は、内視鏡検査終了後の汚
染物の付着している内視鏡を、初めに予備洗浄装置によ
り蛋白質・脂肪成分を十分に取り除き酸化活性水の適性
な殺菌効果を発揮できるようにし、その後酸化活性水と
超音波波動とにより洗浄消毒し、無菌温風の送風により
水滴を除去し乾燥させることができるので、短時間で確
実な殺菌消毒が可能となり、次の内視鏡検査に速やかに
使用でき同じ内視鏡が短時間の検査間の洗浄消毒をもっ
て複数の患者に繰り返し安全に使用できるものである。

【００２９】上記構成を有するこの発明の請求項６記載
の医療機器類の洗浄消毒装置は、内視鏡検査及び治療に
使用された処置具も内視鏡と同様に酸化活性水と超音波
波動により洗浄殺菌できるもので、検査間の洗浄消毒を
もって繰り返し安全に使用できる。

【００３０】上記構成を有するこの発明の請求項７記載
の医療機器類の洗浄消毒装置は、内視鏡検査終了後の汚
染物の付着している内視鏡を予備洗浄し酸化活性水と超
音波波動とにより洗浄消毒し乾燥させ、内視鏡検査で使
用した汚染処置具も酸化活性水と超音波波動とにより洗
浄消毒し乾燥させることができる。そして、さらに内視
鏡検査中の粘膜面観察の妨げとなる粘液、血液などを粘
膜面洗浄水散布装置から送水される流水で洗い流し除去
することができるから、内視鏡検査で良好な観察ができ
る。

【００３１】上記構成を有するこの発明の請求項８記載
の医療機器類の洗浄消毒装置は、無菌温風に酸化ガス発
生装置より発生する酸化ガス又は酸化ガスを混入した温
風を送風するので、速やかに乾燥させるだけでなく殺菌
効果を一層向上させることができる。

【００３２】上記構成を有するこの発明の請求項９記載
の医療機器類の洗浄消毒装置は、予備洗浄装置により予
備洗浄槽において内視鏡の吸引鉗子チャンネル内を薬液
を吸引することにより洗浄し、内視鏡挿入部回転型洗浄
装置により内視鏡挿入部の表面洗浄を行い付着物を取り
除き洗浄し、超音波発振装置と乾燥装置を備えた洗浄槽
において、酸化活性水生装置で生成された活性酸素を含
有するクラスターを細分化した酸化活性水と超音波発振
装置から発振される超音波波動とにより内視鏡の洗浄と
殺菌をし、さらに、処置具洗浄装置により置具洗浄槽に
入れた検査で使用した処置具が、酸化活性水と超音波波
動により洗浄と殺菌がされるものである。なお、上記内
視鏡の予備洗浄用吸引薬液としては脂肪、蛋白質分解酵
素液が好ましく、また、この脂肪、蛋白質分解酵素液は
内視鏡挿入部回転型洗浄装置において洗浄に使用され
る。

【００３３】上記構成を有するこの発明の請求項１０記
載の医療機器類の洗浄消毒装置は、内視鏡検査終了直
後、内視鏡吸引鉗子チャンネル内面に付着した粘液、血
液などの汚染物を除去する手段として、定量注水器から
一定量の予備洗浄薬液を短時間で予備洗浄槽に供給し、
内視鏡の吸引鉗子チャンネル内に吸引して予備洗浄し、
内視鏡の予備洗浄が終わると新たな一定量の予備洗浄薬
液が注入され、また、予備洗浄により汚染された予備洗
浄槽に予備洗浄が完了するごとに酸化活性水を供給しこ
れを貯留して洗浄殺菌し、次の予備洗浄に備へ予備洗浄
槽を繰り返し使用できるようにしたものである。

【００３４】上記構成を有するこの発明の請求項１１記
載の医療機器類の洗浄消毒装置は、上記洗浄槽に中間洗
浄槽と主洗浄槽を備えているので、内視鏡を洗浄消毒す
る際に、内視鏡に接続されたユニバーサルコードを内視
鏡光源装置に取り付けたまま中間洗浄槽内に内視鏡挿入
部を差し込み収納して内視鏡手元操作部と内視鏡挿入部
のみを酸化活性水に浸漬し洗浄消毒することができる。
そして、主洗浄槽においては一又は複数の内視鏡をその
全体が洗浄槽内に円形に巻いて収納可能としたので、内
視鏡の洗浄消毒において、たとえば、検査間に行うルー
チン洗浄消毒は中間洗浄槽に内視鏡挿入部を差し込んで
行い、一日の検査終了後に行うオーバーナイト消毒は内
視鏡の全体を主洗浄槽に収納して行うというように、使
い分けが１台の洗浄消毒装置で行うことができる。

【００３５】上記構成を有するこの発明の請求項１２記
載の医療機器類の洗浄消毒装置は、上記内視鏡挿入部回
転型洗浄装置による内視鏡挿入部の洗浄消毒にあたり、
その中間洗浄槽内に内視鏡挿入部を差し込み収納する際
に、モータで回転するブラシによるブラッシングと薬液
等の流水シャワーによる洗浄とで内視鏡挿入部表面に付
着している汚染物を削ぎ落とし洗浄し、上記予備洗浄と
組み合わせることにより、内視鏡の内部と挿入部表面の
傷や溝などの窪みに付着している蛋白質・脂肪成分を殺
菌除去し、活性酸素を含有するクラスターを細分化した
酸化活性水による洗浄消毒効果を高めるようにしたの
で、感染源となる病原菌の殺菌消毒が十分にに行いうる
ものである。

【００３６】上記構成を有するこの発明の請求項１３記
載の医療機器類の洗浄消毒装置は、内視鏡を洗浄槽に入
れた活性酸素を含有するクラスターを細分化した酸化活
性水に浸漬し、同時に内視鏡の管路内に該酸化活性水を
通水しつつ超音波発振装置から超音波を発振するので、
酸化活性水の働きと超音波波動により内視鏡の外部表面
と管路内の洗浄と殺菌が同時にできる。

【００３７】上記構成を有するこの発明の請求項１４記
載の医療機器類の洗浄消毒装置は、上記洗浄水散布装置
の流水洗浄水を加圧装置で加圧し、加圧装置と鉗子口を
シリコンチューブで接続することで内視鏡吸引鉗子チャ
ンネル内に洗浄水を注入でき、さらに、加圧装置の圧力
調整ができ電磁弁などの流量調整装置により流量調整と
注水間隔の可変を可能としたので、内視鏡検査中の粘膜
面の観察の妨げとなる粘液、血液などの除去が確実に行
え良好な観察が行える。また、流量調整と注水間隔の可
変により粘膜面の状態に応じて最適な状態のもとに観察
できるものである。

【００３８】上記構成を有するこの発明の請求項１５記
載の医療機器類の洗浄消毒装置は、上記酸化ガス及び酸
化活性水として、空気を酸化させて作るオゾンガスと、
該オゾンガスを浄水に混入して生成したオゾン洗浄水を
用いることも可能としたので、純酸素を使用することな
く容易にオゾンガス、オゾン洗浄水を生成することがで
きる。

【００３９】

【発明の実施の形態】以上説明したこの発明の構成作用
を一層明確にするために、以下この発明の医療機器類の
洗浄消毒装置の好適な実施の形態の一例について図面を
参照して詳細に説明する。

【００４０】この発明の医療機器類の洗浄消毒装置を、
検査において感染の最も起こりやすい内視鏡の洗浄消毒
装置を例にとって以下に説明する。内視鏡の洗浄消毒装
置は、図１〜図６に例示されているように、Ａは酸化活
性水生成装置で、浄水装置Ｂ、酸化ガス発生装置Ｃ、エ
ゼクター２及びスパイラルミキサー３等から構成され、
浄水装置Ｂは水から不純物を取り除き浄化すると共に水
のクラスターを細分化し小さな分子重合の水とする装置
である。該浄水装置Ｂから注出される浄水は、浄水管路
ｂにより一旦貯留タンクＤ１に入り、ポンプＰ１により
エゼクター２に送られ、また、浄水管路ｂから分岐した
浄水管路ｂ’により後述する洗浄装置Ｅに供給されるよ
うになっている。酸化ガス発生装置Ｃは酸素ボンベ１か
ら供給される酸素を高電圧高圧力下で酸素を酸化し圧力
をもった酸化ガスを作る装置で、純粋な酸素を原料とし
ているので、窒素酸化物やその他の酸化物を生成するこ
とがなく、また、酸化ガスに圧力をもたせることができ
る。この酸化ガス発生装置Ｃで生成される圧力をもった
酸化ガスはガス管路ｃによりエジェクター２に送られ、
また、ガス管路ｃから分岐されたガス管路ｃ’により後
述の乾燥装置Ｇ１、Ｇ２、Ｇ３に送られるようになって
いる。エゼクター２において、クラスターを細分化され
た浄水に高圧の酸化ガスが微細な気泡にして吹き込ま
れ、浄水に酸化ガスが溶解しつつエゼクター２の後流側
に接続したスパイラルミキサー３内を流過し、酸化ガス
を吹き込まれた浄水が均一に混合され、活性酸素を含有
する酸化活性水が生成され、この活性酸素を含有する酸
化活性水は貯留タンクＤ２に入り、送水ポンプＰ２によ
り活性水管路ａから、下記の洗浄装置Ｅの主洗浄槽Ｈ、
処置具洗浄槽Ｉ、中間洗浄槽Ｊ、及び、予備洗浄装置Ｋ
等に送給されるようになっている。

【００４１】洗浄装置Ｅは、超音波発振装置Ｆ１と乾燥
装置Ｇ１を備えた主洗浄槽Ｈと、乾燥装置Ｇ２を備えた
処置具洗浄槽Ｉと、内視鏡の吸引鉗子チャンネル内の薬
液による予備洗浄をする予備洗浄装置Ｋと、この予備洗
浄に使用する吸引予備洗浄薬液を自動的に準備し注水す
る定量注水器Ｑと、超音波発振装置Ｆ２と乾燥装置Ｇ３
を備えた中間洗浄槽Ｊと、該中間洗浄槽Ｊの入口に設置
された内視鏡挿入部回転型洗浄装置Ｎと、粘膜面洗浄散
布装置Ｌとにより構成され、主洗浄槽Ｈと中間洗浄槽Ｊ
を備えた二方向収納式洗浄槽となっている。内視鏡の洗
浄殺菌消毒は、検査間に行うルーチン洗浄消毒と、一日
の検査終了後に行うオーバーナイト消毒に分けられ、主
にルーチン洗浄消毒の場合は内視鏡を縦方向に差し入れ
る中間洗浄槽Ｊを使用し、内視鏡の汚染された手元操作
部及び内視鏡挿入部のみを洗浄殺菌する。この場合光源
装置にユニバーサルコード４を接続したまま洗浄殺菌を
行うことができる。後者のオーバーナイト洗浄の場合は
主洗浄槽に１本又は複数本の内視鏡を、その全体をすべ
て洗浄殺菌する場合に内視鏡を丸めて横に寝せて収納し
て使用する。この様に二つの洗浄槽の使い分けが１台の
洗浄消毒装置で同時に出来るようになっている。

【００４２】主洗浄槽Ｈは、図２に示すように、前記酸
化活性水生成装置Ａから給水される酸化活性水を貯留
し、この中に予備洗浄槽Ｉで予備洗浄をした内視鏡、又
は、予備洗浄し内視鏡挿入部回転型洗浄装置Ｎで洗浄さ
れた内視鏡を、１本又は２本を洗浄槽内に円形に巻いて
収納浸漬し、主洗浄槽Ｈの底部に設置した超音波発振装
置Ｆ１を作動し超音波を発振し超音波波動による付着物
の剥離と、酸化活性水の浸透を促して一定時間洗浄殺菌
し、その後酸化活性水を洗浄槽から排出し、浄水管路
ｂ’から給水される浄水により流水洗浄し、主洗浄槽Ｈ
の扉等に設置した乾燥装置Ｇ１からの無菌温風により急
速に乾燥させ内視鏡Ｏの検査間洗浄消毒及び一日の検査
終了時の洗浄消毒が短時間で完全に行えるようになって
いる。なお、図示してないが、主洗浄槽洗面中央に内視
鏡乾燥装置のエアー水滴除去チューブを引き出せるよう
にし、洗浄殺菌が終わった内視鏡の水滴を強力な送風で
吹き飛ばしふき取りタオルなどを使うこと無く内視鏡を
速乾させ、次の患者の検査に直ぐに使えるようにするこ
ともできる。

【００４３】処置具洗浄槽Ｉは、内視鏡検査で使用した
検査治療用処置具及び内視鏡の部品の洗浄を、酸化活性
水生成装置Ａで生成された洗浄水及び活性酸素を含有す
るクラスターを細分化した酸化活性水と主洗浄槽Ｈに設
けた超音波発振装置Ｆ１を用い、処置具等の洗浄殺菌を
内視鏡洗浄殺菌と同時に行うことができるようになって
いる。従来は内視鏡で使用した処置具は、乾燥させない
よう大型のポリ容器などに酵素洗剤などを入れた物につ
け込み、全ての内視鏡検査の終了後、医療スタッフがス
ポンジ・ブラシなどで流水下に手洗浄し、消毒薬で殺菌
し乾燥させて使用又は滅菌処理して使用していた。しか
し、これら処置具の洗浄殺菌処理は、時間と手間を要
し、医療スタッフの大きな負担となり、又、使用直後の
汚染された処置具を洗い流し場などに直ぐに運ばなくて
はならず、検査室の汚染、周辺機器の汚染にもつながる
ことから、使用した位置から移動することなく処理出来
るように、処置具洗浄槽Ｉを主洗浄槽Ｈの一角（図２，
図４）又は中央（図５）に設け、前記酸化活性水生成装
置Ａから給水される酸化活性水を貯留し、この中に内視
鏡検査で使用した処置具及び内視鏡の部品を浸漬し超音
波発振装置Ｆ１からの超音波波動とで洗浄殺菌し、その
後酸化活性水を排出し浄水で洗浄し、扉等に設置した乾
燥装置Ｇ２から無菌温風が送風され乾燥するものであ
る。処置具洗浄槽Ｉは主洗浄槽Ｈと別に設けることな
く、主洗浄槽内に網状の籠を設けて主洗浄槽を区切って
処置具洗浄槽Ｉとしてもよく、この場合は主洗浄槽内に
貯留される酸化活性水を共用し、又、主洗浄槽Ｈの超音
波発振装置Ｆ１及び乾燥装置Ｇ１を兼用することにな
る。また、主洗浄槽Ｈに備えた超音波発振装置Ｇ１から
の超音波波動により処置具洗浄槽Ｉの酸化活性水を同時
に超音波振動させ、処置具洗浄槽内に浸漬している内視
鏡検査で使用された処置具に付着している汚染物の洗浄
消毒が出来るようになっているが、主洗浄槽Ｈに設けた
超音波発信装置Ｇ１とは別に処置具洗浄槽Ｉにも超音波
発振装置を設けてもよい。尚、処置具洗浄槽には乾燥装
置Ｇ２は必ずしも設ける必要はない。さらに、主洗浄槽
Ｈ、処置具洗浄槽Ｉ、中間洗浄槽Ｊ、予備洗浄槽ｋに空
気を酸化させて作るオゾンガス及浄水にオゾンガスを混
入してオゾン洗浄水を生成し、上記酸化ガス及び酸化活
性水として汚染物の洗浄消毒に使用できるようにするこ
とも可能である。

【００４４】上記内視鏡予備洗浄装置Ｋは、内視鏡検査
で使用した内視鏡の吸引鉗子チャンネル内を薬液（脂肪
蛋白分解酵素洗剤液など）を吸引することで、内視鏡吸
引鉗子チャンネル内に付着した粘液・血液・病原菌を表
面から取り除くと共に、汚染された予備洗浄槽ｋを自動
的に洗浄殺菌し、繰り返し内視鏡の予備洗浄ができる装
置である。従来、内視鏡医学会の内視鏡洗浄消毒ガイド
ラインに基づき、内視鏡の洗浄消毒に携わる医療スタッ
フが、検査前に吸引用酵素洗剤の１日の使用量を各施設
にある容器（バケツ・コップ）に入れて準備し、その容
器内の酵素洗剤を吸引し予備洗浄をしていたが、検査毎
に薬液を変えることなく使用するため、汚染内視鏡によ
る薬液自体の汚染が生じ、不潔なものとなっていた。酵
素洗剤を希釈した薬液を吸引することによる汚物除去
は、内視鏡の殺菌消毒薬の作用時間と関係があり、殺菌
消毒剤の適正な殺菌効果・殺菌時間の短縮の為には、殺
菌消毒する機器表面の蛋白質・脂肪成分を十分取り除い
ておく必要があり、内視鏡殺菌消毒前の吸引予備洗浄
は、いかなる殺菌薬剤を用いた場合も行わなければなら
ない行程となっている。

【００４５】この予備洗浄装置Ｋは、主洗浄槽Ｈの脇に
設けられ、予備洗浄槽ｋと予備洗浄に使用する吸引予備
洗浄薬液を自動的に準備し注水する定量注水器Ｑとから
なり、内視鏡検査終了直後の汚染された内視鏡Ｏの吸引
鉗子チャンネル内に薬液を吸引することにより蛋白質・
脂肪成分を十分に取り除き、後の酸化活性水、及び、浄
水を通水して行う洗浄殺菌を効果的にできるものであ
る。また、汚染された予備洗浄槽ｋは酸化活性水生成装
置Ａで生成される活性酸素を含有するクラスターを細分
化した酸化活性水にて自動的に洗浄殺菌され、予備洗浄
槽ｋを繰り返し使用できるようになっている。尚、内視
鏡Ｏの挿入部を予備洗浄槽ｋにおいて薬液に浸漬できる
構成とし、内視鏡Ｏの鉗子チャンネル内と挿入部表面に
薬液を作用させ蛋白質・脂肪成分を取り除くようにして
も良い。

【００４６】上記内視鏡予備洗浄用定量注水器Ｑでは、
内視鏡検査終了直後、内視鏡の吸引鉗子チャンネル内面
に付着した粘液、血液などの汚染物を吸引除去するにあ
たり、予備洗浄用吸引水と予備洗浄用吸引薬液（脂肪、
蛋白質分解酵素液）を貯水容器Ｍに一定量注水し、その
貯水容器内の浄水、薬液を内視鏡先端から吸引し洗浄殺
菌する洗浄用吸引水と洗浄用吸引薬液を繰り返し自動注
水し、鉗子チャンネル内面の予備洗浄が繰返しできるよ
うになっている。

【００４７】中間洗浄槽Ｊは、縦方向に長い形状で内視
鏡挿入部を垂直方向に差し込み収納できる構造で、側壁
に超音波発振装置Ｆ２が設置され、また、乾燥装置Ｇ３
を備え、さらに、入口には内視鏡挿入部回転型洗浄装置
Ｎが設置されている。この中間洗浄槽Ｊは、上記予備洗
浄槽Ｉで予備洗浄が終了した内視鏡を、内視鏡に接続さ
れたユニバーサルコード４を内視鏡光源装置５に取付け
たままで、内視鏡挿入部を垂直方向に伸ばしたまま差し
込み収納でき、中間洗浄槽Ｊ内に貯留した酸化活性水に
内視鏡挿入部と手元操作部を浸漬し超音波発振装置Ｆ２
からの超音波波動とにより洗浄消毒できる（図３参
照）。それ故、主に検査間洗浄消毒（ルーチン洗浄消
毒）をする場合に用いるものである。また、この中間洗
浄槽Ｊの構造は、内視鏡挿入部が長い場合、垂直方向に
差し入れる構造では装置が大きくなるので、中間洗浄槽
の入口からやや下方において洗浄槽を水平方向に屈曲し
た形状の中間洗浄槽Ｊ’とし（図４参照）、内視鏡挿入
部先端部を丸く曲がるようにして長い内視鏡挿入部を収
納できるようにしたもので、底部には超音波発振装置が
設置されている。

【００４８】さらに、中間洗浄槽Ｊ、Ｊ’内において、
該洗浄槽Ｊ、Ｊ’に入れた内視鏡Ｏを活性酸素を含有す
るクラスターを細分化した酸化活性水に浸漬し、同時に
内視鏡Ｏの管路内に該酸化活性水を通水しつつ超音波発
振装置Ｆ２から超音波を発振し、酸化活性水の働きと超
音波波動により内視鏡Ｏの外部表面と管路内の洗浄殺菌
を可能としている。

【００４９】内視鏡挿入部回転型洗浄装置Ｎは、上記中
間洗浄槽Ｊ、Ｊ’の入口に設置され、内視鏡の挿入部表
面の付着物を剥ぎ取り除去するもので、図示しないが、
ブラシ回転部、ブラシ回転駆動伝達部、ブラシ回転用モ
ータ、薬液吸引送水ポンプ、薬液散布部、回転洗浄始動
スイッチ及び、停止スイッチから構成され、モータで回
転するブラシによるブラッシングと薬液散布部からの薬
液のシャワーによる洗浄とで中間洗浄槽Ｊ内に内視鏡挿
入部を差し込み収納する際に、内視鏡挿入部表面に付着
している汚染物をブラシ洗浄部において削ぎ落とすよう
にして取り除き同時に薬液で洗浄し、その後の酸化活性
水による洗浄消毒効果を高めるようになっている。

【００５０】粘膜面洗浄水散布装置Ｌは、内視鏡検査中
の消化管粘膜面の粘液、血液などを洗い流すために洗浄
水を内視鏡鉗子チャンネル内に送り込み鉗子チャンネル
の先端から洗浄水を噴出させる装置で、流水洗浄水を内
視鏡鉗子チャンネル内に送り込むのに洗浄水を加圧装置
で加圧し、加圧装置と鉗子口とをシリコンチューブなど
で接続することにより内視鏡吸引鉗子チャンネル内に洗
浄水を注入可能とし、さらに、加圧装置の圧力調整を可
能とするとともに電磁弁などの流量調整装置を組み込む
ことにより流量調整と注水間隔の可変を可能として内視
鏡検査中の粘膜面の観察の妨げとなる粘液、血液などの
除去が確実に行え良好な観察の実現と併せて流量調整と
注水間隔の可変により粘膜面の状態に応じて最適な状態
のもとに観察できるようになっている。

【００５１】上記構成の内視鏡の自動洗浄消毒装置にお
ける図１の酸化活性水生成装置Ａにおいて、６は空気供
給管、７は外部酸素供給管、８は排ガス処理槽、９は排
ガス排出管、１０はクリーンエアー発生装置Ｒのコンプ
レッサー、１１はクリーンドライ器である。また、１２
はアルコールタンク、Ｐ４はアルコール送水ポンプ、１
３は加温ヒータ、１４はエアーコントロール部に至る配
管、１５はチャンネル接続口である。図２、図３、図
４、図５及び図６は洗浄装置で、１６は洗浄消毒液排水
弁、１７は操作パネルである。

【００５２】上記構成において、内視鏡洗浄消毒装置の
全行程を説明する。１検査間洗浄消毒の行程（ルーチン洗浄消毒）予備洗浄行程（１）内視鏡検査終了後の汚染内視鏡Ｏの表面を、先
ず、濡らしたガーゼを用いて人手により清拭し、粘液、
血液などの付着物を粗方拭き取る。（２）予備洗浄槽ｋに内視鏡を収納し送気、送水の繰り
返しにより、送気送水管路内逆流進入物を押し出し洗浄
する。（３）予備洗浄吸引薬液貯水容器Ｍから酵素洗浄希釈薬
液を球状吸引洗浄ブラシとともに吸引し、鉗子チャンネ
ル内を吸引洗浄する。（特願平１１−２５２５３４号参
照）（４）内視鏡洗浄消毒装置の中間洗浄槽Ｊに設置した内
視鏡挿入部回転型洗浄装置Ｎのブラシ回転部に、内視鏡
挿入部を差し込みながらブラシにより内視鏡挿入部の表
面を洗浄する。（５）内視鏡操作部の吸引ボタン、送気送水ボタン、鉗
子栓を取り外し、処置具洗浄槽Ｉ内に入れる。（６）内視鏡操作部に全管路洗浄具を取り付ける。な
お、上記全管路洗浄具は、各内視鏡メーカが付属品とし
て内視鏡とともに販売している。（７）内視鏡挿入部及び手元操作部を中間洗浄槽Ｊに差
し込み収納する。（８）スコープコネクターにある送気管、送水口金、吸
引口金に内視鏡洗浄消毒装置の側面にある洗浄殺菌流水
チューブを接続する。（９）内視鏡洗浄消毒装置の洗浄槽密閉扉を閉めて操作
パネル１７により洗浄殺菌消毒行程を開始させる。内視鏡洗浄消毒行程（１０）酸化活性水を中間洗浄槽Ｊと内視鏡操作部に取
り付けた全管路洗浄チューブに注水し、内視鏡表面と各
管路内の洗浄をする。なお、満水になったら洗浄槽排水
ドレーンから排水させる。（１１）中間洗浄槽Ｊに酸化活性水が満水になったら、
超音波振動装置Ｆ２が起動し超音波振動洗浄も同時にす
る。なお、この超音波洗浄は上記（１０）の洗浄動作の
時にも行う。（１２）酸化活性水による洗浄殺菌が終了したら、中間
洗浄槽内の酸化活性水を全て排出させる。（１３）酸化活性水を内視鏡Ｏと中間洗浄槽Ｊから洗い
落すため、浄水を流水にて高水圧散布洗浄する。（１４）乾燥装置Ｇ３により無菌温風を全管路洗浄チュ
ーブに送風し、内視鏡管路内の酸化活性水をすべて排出
する。（１５）急速乾燥送気水滴除去ホース等にて内視鏡操作
部の水滴を送風除去する。（１６）内視鏡の操作部に取り付けた全管路洗浄チュー
ブ及びスコープコネクター部の送気管、送水口金、吸引
口金に接続したチューブを取り外し内視鏡送気ボタン、
送水ボタン、鉗子栓を内視鏡操作部に取り付ける。内視鏡処置具の洗浄消毒の始動（１７）処置具洗浄槽Ｉに酸化活性水を給水し、満水に
なると超音波発振装置Ｆ１が起動し、超音波波動にによ
る洗浄をする。（１８）酸化活性水を全て排出させる。（１９）処置具から酸化活性水を洗い落すため、浄水に
て洗浄する。

【００５３】２一日の検査終了時の洗浄消毒の行程
（オーバーナイト消毒）予備洗浄行程及び内視鏡洗浄消毒行程は、上記検査間
洗浄消毒の行程（１）〜（１３）と同じである。なお、
（１０）〜（１３）の行程を省略し下記の第二洗浄消毒
行程に行く場合もある。内視鏡第二洗浄消毒行程（１４）酸化活性水を主洗浄槽Ｈと処置具洗浄槽Ｉと、
内視鏡操作部に取り付けた全管路洗浄チューブに注水
し、内視鏡表面と各管路内の洗浄をする。なお、満水に
なったら洗浄槽排水ドレーンから排水させる。（１５）主洗浄槽Ｈ及び処置具洗浄槽Ｉに酸化活性水が
満水になったら、超音波発振装置Ｆ１が起動し、超音波
波動による洗浄も同時にする。（１６）酸化活性水の流水洗浄が終了したら、主洗浄槽
及び処置具洗浄槽内の酸化活性水を全て排出させる。（１７）排水弁を閉め、酸化活性水を上記（１４）と同
様に注水し内視鏡の殺菌を行う。（１８）上記殺菌行程が終了したら、主洗浄槽、処置具
洗浄槽内の酸化活性水を全て排出させる。（１９）酸化活性水を内視鏡と主洗浄槽Ｈ及び処置具洗
浄槽Ｉから洗い落すため、浄水を流水にて高水圧散布洗
浄する。（２０）急速乾燥送気にて全管路洗浄チューブに送気
し、内視鏡管路内の浄水をすべて排出する。（２１）全管路洗浄チューブから消毒用アルコールを注
射器にて内視鏡管路内に注入し急速乾燥送気にて全管路
洗浄チューブに送気し、内視鏡管路内の消毒用アルコー
ルをすべて排出する。（２２）急速乾燥送気水滴除去ホース等にて、内視鏡操
作部の水滴を送風除去する。（２３）チューブを取り外し、内視鏡送気ボタン、送水
ボタン、鉗子栓を内視鏡操作部に取り付ける。（２４）主洗浄槽Ｈから内視鏡を又処置具洗浄槽Ｉから
処置具を取り出し、清潔な布で水分を完全に拭き取る。
以上の手順で内視鏡及び内視鏡処置具の洗浄消毒が完了
する。

【００５４】上記の実施の形態とすることにより、従来
の自動洗浄装置では、内視鏡予備洗浄は内視鏡の表面を
スポンジなどを使用し手洗いで洗浄し、鉗子チャンネル
内は専用洗浄ブラシでブラッシングしていたため、専門
スタッフの大きな負担となっていたがこの装置により解
消される。又、この洗浄消毒装置は、高価な殺菌薬液を
一切使用しないのでランニングコストが安く、短時間で
効率の良い洗浄消毒効果が得られる。さらに、医療スタ
ッフの薬液による被曝、自然環境的配慮の点からも、従
来と全く異なる。それ故、この装置のセールスポイント
は下記の通りである。（１）高価な殺菌薬液がいらない。……消毒費用が安
い。（２）洗浄時間が短い。…………………検査間消毒がで
きる。（３）環境に優しい。……………………薬液被曝、自然
環境的害がない。（４）準備が簡単。………………………１台の装置です
べてを処理できる。（５）場所を取らない。…………………処置台として使
用でき、新たな設置場所がいらない。（６）人件費の軽減ができる。…………最小の専門医療
スタッフで可動できる。（７）操作が簡単。………………………マイコン制御、
運転パターンの選択ができる。

【００５５】この医療機器類の洗浄消毒装置は、活性酸
素を含有するクラスターを細分化した酸化活性水を、内
視鏡本体及び内視鏡検査で使用される処置具の洗浄殺菌
に用い、内視鏡診療時に常時設置され内視鏡検査毎に使
用される。内視鏡の洗浄殺菌行程で欠かすことのできな
い予備洗浄（酵素洗剤吸引・内視鏡外部の清拭洗浄）を
本装置内で行える機能を持ち、さらに、内視鏡検査で必
要な要素（処置具洗浄殺菌・粘膜洗浄・処置具トレー）
を集約させ、ルーチン洗浄殺菌消毒とオーバーナイト洗
浄殺菌消毒を使い分けできる他に類を見ない洗浄消毒装
置である。内視鏡検査室の機器のレーアウトと、医療ス
タッフの動作の軽減や、内視鏡検査時に必要な要素をす
べて兼ね備えた装置である。この装置は、使用する施設
の規模（内視鏡室の広さ・内視鏡検査装置の数・給排水
口の設置位置・医療スタッフ数）や活性酸素を含有する
クラスターを細分化した酸化活性水の使用頻度などを考
慮し、複数配置型内視鏡洗浄消毒装置と単一型内視鏡洗
浄消毒装置の二機種から選べる。複数配置型洗浄消毒装
置は主に、図７に示すように、内視鏡検査室１８内に複
数の内視鏡検査機器を持つ大規模な施設を考慮し、酸化
活性水生成装置Ａと複数の洗浄装置Ｅを配管１９で接続
した構成からなる。単一型内視鏡洗浄消毒装置は、図８
に示すように、主に内視鏡検査室１８が狭く、内視鏡検
査機器が一台の小規模な開業医などの施設を考慮し、洗
浄装置Ｅに活性酸素を含有するクラスターを細分化した
酸化活性水生成装置Ａを組み込んだ単一型の装置であ
る。図中２０はベッドである。

【００５６】以上この発明の実施の形態の一例について
説明したが、この発明はこうした実施の形態のものに何
等限定されず、この発明の要旨を逸脱しない範囲におい
て種々なる形態で実施しうることは勿論である。たとえ
ば、検査、治療に用いられた管状カテーテル類（造影チ
ューブ、吸引チューブ、バルーンカテーテルなど）、感
染病棟における患者の使用した汚染生活物品類と患者に
使用した検査、治療用具、外科的処置に使用した処置具
（クーパー、コッヘル、ピンセット、ペアンなど）、細
菌検査などで使用した実験器具類（シャーレ、ピーカ
ー、フラスコなど）、バイオテクノロジーを用いた実験
に使用した汚染器具類（実験施設の廃棄物も含む）、そ
の他細菌、ウイルスに汚染された機械器具類などの洗浄
消毒にも適用できる。

【００５７】

【発明の効果】この発明の医療機器類の洗浄消毒装置
は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載さ
れるような効果を奏する。

【００５８】この発明の請求項１の医療機器類の洗浄消
毒装置によれば、浄水に酸化ガスを混入し活性酸素を含
有する酸化活性水を生成し、この酸化活性水で医療機器
類を洗浄殺菌するので、付着している汚染物に直接活性
酸素の強力な酸化作用が働き洗浄殺菌ができ、医療機器
類を介しての院内感染を完全に防止できる。また、活性
酸素（酸化ガス）は約１５分位で自然に酸素に還元して
消滅するので、洗浄殺菌した後に医療機器類に残留する
心配がなく、洗浄殺菌後に酸化活性水を破棄しても環境
に悪影響を及ぼすことはない。また、この洗浄消毒装置
は、高価な殺菌薬液を一切使用しないのでランニングコ
ストが安く、短時間で効率の良い洗浄殺菌消毒効果が得
られる。さらに、医療スタッフの薬液による被曝もなく
安全性が高い。

【００５９】この発明の請求項２の医療機器類の洗浄消
毒装置によれば、クラスターを細分化した浄水を使用し
ているので、活性酸素を含有する酸化活性水が内視鏡の
接続部、継ぎ目、傷や付着物に浸透し易く、洗浄殺菌効
果が高い。また、この浄水に圧力を持った酸化ガスを微
細な泡として吹き込む構成としているので、浄水に酸化
ガスを溶解させ易く溶存酸化ガス濃度を高くすることが
でき、さらに、圧力をもった酸化ガスが水に溶ける時に
水に溶存している酸素をも酸化させるために、殺菌効果
の極めて高い酸化活性水が生成でき、この酸化活性水に
より医療機器類の洗浄殺菌をするので、洗浄殺菌効果が
極めて高い。

【００６０】この発明の請求項３の医療機器類の洗浄消
毒装置によれば、活性酸素を含有するクラスターを細分
化した酸化活性水と、超音波発振装置から発振される超
音波波動とにより、内視鏡に付着した細菌、血液、残留
物などを付着面から浮き上がらせ、また傷の窪みや溝の
内から取り出すことができ、これにより酸化活性水が汚
染物内及び付着面に浸透し、汚染物を完全に殺菌し洗い
流すことができできる。そして、内視鏡の洗浄消毒に要
する時間も大幅に短縮でき、内視鏡の稼働率を高めるこ
とができる。

【００６１】この発明の請求項４の医療機器類の洗浄消
毒装置によれば、活性酸素を含有するクラスターを細分
化した酸化活性水と、超音波発振装置から発振される超
音波波動とにより洗浄殺菌した後の処置とし、医療機器
類の内側・外側に対し加温された無菌温風を送風するこ
とで医療機器類の内側・外側を短時間で乾燥することが
できる。それ故、短時間で使用後の内視鏡全体の洗浄消
毒が確実に行え、医療機器類による院内感染の防止がで
きる。

【００６２】この発明の請求項５の医療機器類の洗浄消
毒装置によれば、医療機器類の内、特に院内感染が問題
化している内視鏡に適用したもので、予備洗浄装置によ
り初めに蛋白質・脂肪成分を十分に取り除いておき、そ
の後活性酸素を含有するクラスターを細分化した酸化活
性水と超音波波動とにより汚染物を洗浄殺菌除去するの
で、殺菌効果が極めて高くなる。その上無菌温風を内視
鏡の鉗子チャンネル内、送気送水管内及び内視鏡表面に
送風し急速乾燥ができるので、内視鏡の洗浄消毒に要す
る時間も飛躍的に短縮され、内視鏡を安全に効率よく使
用できる。

【００６３】この発明の請求項６の医療機器類の洗浄消
毒装置によれば、内視鏡だけでなく、内視鏡の検査治療
に使用した処置具及び内視鏡の部品等も同時に洗浄消毒
できる。

【００６４】この発明の請求項７の医療機器類の洗浄消
毒装置によれば、内視鏡及び内視鏡の検査治療に使用し
た処置具の洗浄殺菌を可能とし、また、内視鏡による検
査において、観察する患者の粘膜面に付着している粘
液、血液などを浄水を散布することで洗浄除去すること
ができるので、内視鏡検査での良好な観察ができ内視鏡
検査で誤りのない正確な観察ができるものである。

【００６５】この発明の請求項８の医療機器類の洗浄消
毒装置によれば、医療機器類の洗浄殺菌が完了した後、
内視鏡内及び内視鏡の外側に対し酸化ガス及び酸化ガス
を混入した温風を送風することで、内視鏡内及び内視鏡
の外側を短時間で乾燥させ殺菌することができるので、
酸化活性水による洗浄むらが発生した場合でもこれを補
い完全に殺菌消毒ができる。

【００６６】この発明の請求項９の医療機器類の洗浄消
毒装置によれば、たとえば、内視鏡検査終了後の汚染物
の付着した内視鏡全体（内視鏡鉗子チャンネル内、送気
送水管路内、内視鏡表面）の汚染物の除去を内視鏡予備
洗浄装置により予備洗浄薬液を吸引し蛋白質・脂肪成分
を取り除き、内視鏡挿入部回転型洗浄装置により内視鏡
挿入部の表面をブラッシングしながら薬液による洗浄を
して予備洗浄し、粘液、血液などの汚染物を速やかに除
去し、洗浄槽において内視鏡を浸漬した時に活性酸素を
含有するクラスターを細分化した酸化活性水による洗浄
消毒効果を高め、短時間での感染防止を可能とし、さら
に急速乾燥装置の風圧水滴除去により次の内視鏡検査に
速やかに使用できるようにし、併せて、処置具洗浄装置
にて内視鏡検査で使用した汚染処置具をその場で移動す
ることなく洗浄消毒処理し検査終了後の洗浄消毒処理が
短時間で完全に行いうるようにしたので、内視鏡、処置
具の洗浄消毒不良による内視鏡検査治療時の検査間相互
感染が未然に防止できる。したがって、１つの装置によ
り内視鏡と処置具を短時間の検査間洗浄消毒をもって複
数の患者に繰り返し安全に使用できるから、一日の内視
鏡の使用回数に制約を受けることはない。さらに、内視
鏡の表面をスポンジなどを使用し手洗いで洗浄したり、
鉗子チャンネル内を専用洗浄ブラシでブラッシングする
必要がないので、専門スタッフの負担が大幅に軽減され
る。

【００６７】この発明の請求項１０の医療機器類の洗浄
消毒装置によれば、内視鏡の予備洗浄をするにあたり、
一定量の予備洗浄薬液が短時間で予備洗浄槽に注入さ
れ、内視鏡の予備洗浄を行なうごとに新たな洗浄薬液が
注入され、かつ、予備洗浄槽も内視鏡の予備洗浄ごとに
酸化活性水で洗浄殺菌できるようにしたので、薬液自体
が汚染されることなく、予備洗浄槽も常に清潔な状態で
使用できる。これにより内視鏡内の鉗子チャンネル内等
に付着している蛋白質・脂肪成分を充分に取り除くこと
ができ、後に行う酸化活性水及び超音波による洗浄殺菌
が完全にできる。

【００６８】この発明の請求項１１の医療機器類の洗浄
消毒装置によれば、最も汚染物が付着する内視鏡の挿入
部を回転ブラシによるブラッシングと、薬液による洗浄
により挿入部表面の汚染物の削ぎ落としと蛋白質・脂肪
成分の除去ができ、後に行う酸化活性水による洗浄殺菌
の効果を高めることができ、しかも、表面の傷や溝など
の窪みに付着している粘液、血液などを完全に殺菌除去
できるから、感染源となる病原菌の殺菌消毒が完璧に行
いうる。

【００６９】この発明の請求項１２の医療機器類の洗浄
消毒装置によれば、内視鏡挿入部を差し込み収納する中
間洗浄槽と、一又は複数の内視鏡をその全体を洗浄槽に
収納できる主洗浄槽を備えているので、中間洗浄槽にお
いては、内視鏡の挿入部と手元操作部などの検査間に行
うルーチン洗浄消毒が簡単に行え、また、主洗浄槽にお
いては内視鏡の全てを収納し酸化活性水に浸漬できるの
で、一日の検査終了後に行うオーバーナイト消毒に適
し、両者の使い分けができる。

【００７０】この発明の請求項１３の医療機器類の洗浄
消毒装置によれば、洗浄槽に酸化活性水を貯留しその中
に内視鏡を浸漬し、内視鏡の管内にも酸化活性水を通水
しながら超音波発振装置から超音波を発振するので、超
音波が内視鏡の細く長い管内まで伝達され内視鏡内部に
付着した細菌や血液、残留物を強力な振動で浮き上がら
せ、又、傷の窪みや溝の内から取り出し洗い落とすとと
もに殺菌することができる。それ故、内視鏡の外部のみ
ならずサンプリング等に使用する管内も同時に短時間で
洗浄殺菌することができる。

【００７１】この発明の請求項１４の医療機器類の洗浄
消毒装置によれば、洗浄水散布装置により、散布する洗
浄水の流量調整ができ、また、必要に応じて断続的に散
布することができるので、内視鏡検査での良好な観察が
できる。

【００７２】この発明の請求項１５の医療機器類の洗浄
消毒装置によれば、酸化ガスとして空気を酸化させて作
るオゾンガスを使用し、活性酸素を含む酸化活性水とし
てオゾンガスを浄水に混入して生成したオゾン洗浄水を
用いることにより、安価で簡単に洗浄消毒ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の医療機器類の洗浄消毒装置を内視鏡
の洗浄消毒に適用した概略構成図である。

【図２】内視鏡洗浄消毒装置の概略平面図である。

【図３】同側面図である。

【図４】中間洗浄槽を主洗浄槽の下部に水平方向に設け
た内視鏡洗浄消毒装置の側面図である。

【図５】内視鏡を中間洗浄槽に収納する状態を示す同平
面図である。

【図６】２本の内視鏡を主洗浄槽に収納した状態を示す
同平面図である。

【図７】大規模な内視鏡洗浄消毒装置の設置例の概略平
面図である。

【図８】小規模な内視鏡洗浄消毒装置の設置例の概略平
面図である。

【符号の説明】

Ａ…酸化活性水生成装置Ｂ…浄水装置Ｃ…酸化ガス発生装置槽Ｄ１、Ｄ２…酸化活性水貯留タンクＥ…洗浄装置Ｆ１…主洗浄槽に設置した超音波発振装置Ｆ２…中間洗浄槽に設置した超音波発振装置Ｇ１…主洗浄槽に設置した乾燥装置Ｇ２…処置具洗浄槽に設置した乾燥装置Ｇ３…中間洗浄槽に設置した乾燥装置Ｈ…主洗浄装置Ｉ…処置具洗浄槽Ｊ…中間洗浄槽Ｋ…予備洗浄装置ｋ…予備洗浄槽Ｌ…粘膜面洗浄水散布装置Ｍ…薬液及び洗浄水貯留タンクＮ…内視鏡挿入部回転型自動洗浄装置Ｏ…内視鏡２…エゼクター

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ｂ０８Ｂ 3/12 Ｂ０８Ｂ 3/12 Ｚ 9/027 9/06 Ｆターム(参考） 3B116 AA12 AA47 AB01 BA02 BA12 BB03 BB22 BB62 BB71 BB83 BB89 BB90 CA01 CC01 CC03 3B201 AA12 AA47 AB01 BA02 BA12 BB04 BB22 BB62 BB71 BB83 BB89 BB90 BB92 BB98 CA01 CC01 CC12 4C058 AA14 AA15 BB07 CC01 CC02 CC06 CC07 JJ07 JJ14 JJ21 JJ26 JJ28 4C061 AA00 AA01 AA04 BB00 CC00 DD03 GG04 GG08 GG09 JJ11

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】水を浄化する浄水装置と、酸素を酸化ガ
スにする酸化ガス発生装置を設け、前記浄水装置から注
出される浄水に、前記酸化ガス発生装置から発生する酸
化ガスを混入して、活性酸素を含有する酸化活性水を生
成し、該酸化活性水で検査・治療などに用いられた医療
機器類に付着している汚染物を、洗浄殺菌する洗浄消毒
手段を備えたことを特徴とする医療機器類の洗浄消毒装
置。
【請求項２】水を浄化すると共に水のクラスターを細
分化する浄水装置と、酸素を高電圧高圧力下で圧力をも
った酸化ガスを作る酸化ガス発生装置とを設け、該装置
から発生する酸化ガスをエゼクターを用いて微細な気泡
にして前記浄水装置から注出される浄水に吹き込み、活
性酸素を含有するクラスターを細分化した酸化活性水を
生成し、該酸化活性水で検査・治療などに用いられた医
療機器類に付着している汚染物を、洗浄殺菌する洗浄消
毒手段を備えたことを特徴とする医療機器類の洗浄消毒
装置。
【請求項３】活性酸素を含有するクラスターを細分化
した酸化活性水を生成する酸化活性水生成装置と、該装
置から生成される酸化活性水で流水洗浄と浸漬洗浄殺菌
をする洗浄槽と、超音波波動により振動させ医療機器類
の表面に付着している汚染物を浮き上がらせる超音波発
振装置とからなり、洗浄槽において酸化活性水と超音波
波動とにより洗浄殺菌する洗浄消毒手段を備えたことを
特徴とする医療機器類の洗浄消毒装置。
【請求項４】前記活性酸素を含有するクラスターを細
分化した酸化活性水と超音波発振装置からの超音波波動
とにより医療機器類を洗浄殺菌する洗浄消毒手段を備え
ると共に、無菌温風を送風し急速乾燥させる乾燥手段を
備えたことを特徴とする医療機器類の洗浄消毒装置。
【請求項５】医療機器類のうちの内視鏡の洗浄消毒に
おいて、内視鏡検査終了後の内視鏡の鉗子チャンネル内、送気送
水管内及び内視鏡表面に付着している粘液・血液などの
汚染物を薬液により予備洗浄する予備洗浄手段を設け、
予備洗浄終了後の内視鏡を上記の活性酸素を含有するク
ラスターを細分化した酸化活性水と超音波発振装置から
の超音波波動とにより洗浄殺菌し、その後、無菌温風に
より水滴を除去し急速乾燥をする内視鏡洗浄消毒手段を
備えたことを特徴とする請求項４記載の医療機器類の洗
浄消毒装置。
【請求項６】医療機器類のうちの内視鏡の洗浄消毒に
おいて、内視鏡検査終了後の内視鏡の鉗子チャンネル内、送気送
水管内及び内視鏡表面に付着している粘液・血液などの
汚染物を薬液により予備洗浄する予備洗浄手段を設け、
予備洗浄終了後の内視鏡を上記の活性酸素を含有するク
ラスターを細分化した酸化活性水と超音波発振装置から
の超音波波動とにより洗浄殺菌し、その後、無菌温風に
より水滴を除去し急速乾燥をする内視鏡洗浄消毒手段
と、上記内視鏡検査で使用された処置具を上記の活性酸素を
含有するクラスターを細分化した酸化活性水と超音波発
振装置からの超音波波動とにより洗浄殺菌する処置具洗
浄消毒手段とを備えたことを特徴とする医療機器類の洗
浄消毒装置。
【請求項７】医療機器類のうちの内視鏡の洗浄消毒に
おいて、内視鏡検査終了後の内視鏡の鉗子チャンネル内、送気送
水管内及び内視鏡表面に付着している粘液・血液などの
汚染物を薬液により予備洗浄する予備洗浄手段を設け、
予備洗浄終了後の内視鏡を上記の活性酸素を含有するク
ラスターを細分化した酸化活性水と超音波発振装置から
の超音波波動とにより洗浄殺菌し、その後、無菌温風に
より水滴を除去し急速乾燥をする内視鏡洗浄消毒手段
と、上記内視鏡検査で使用された処置具を上記の活性酸素を
含有するクラスターを細分化した酸化活性水と超音波発
振装置からの超音波波動とにより洗浄殺菌する処置具洗
浄消毒手段と、内視鏡検査中の粘膜面観察の妨げとなる粘液、血液など
を流水洗浄により除去する粘膜面洗浄水散布装置とを備
えたことを特徴とする医療機器類の洗浄消毒装置。
【請求項８】無菌温風が、前記酸化ガス発生装置より
発生する酸化ガス又は酸化ガスを含む無菌温風である請
求項４，５，６及び７記載の医療機器類の洗浄消毒装
置。
【請求項９】上記の活性酸素を含有するクラスターを
細分化した酸化活性水を生成する酸化活性水生成装置
と、内視鏡の吸引鉗子チャンネル内を薬液の吸引により
洗浄する予備洗浄装置と、内視鏡挿入部表面の付着物を
削ぎ取り洗浄する内視鏡挿入部回転型洗浄装置と、超音
波発振装置を備え酸化活性水と超音波波動とで洗浄殺菌
し急速に乾燥させる乾燥装置を備えた洗浄槽と、内視鏡
検査・治療で使用した処置具を酸化活性水と超音波波動
とで洗浄する処置具洗浄槽からなり、上記内視鏡予備洗浄装置により内視鏡の吸引鉗子チャン
ネル内の洗浄を薬液により予備洗浄を行い、内視鏡挿入
部を内視鏡挿入部回転型洗浄装置により表面に付着した
汚染物を削ぎ取り洗浄除去し、上記酸化活性水生成装置
から生成される活性酸素を含有するクラスターを細分化
した酸化活性水に浸漬し超音波発振装置から発振される
超音波波動とにより内視鏡と処置具の洗浄殺菌をするこ
とを特徴とする請求項７記載の医療機器類の洗浄消毒装
置。
【請求項１０】上記内視鏡予備洗浄装置が、内視鏡の
鉗子チャンネル内を吸引洗浄する予備洗浄槽と、該予備
洗浄槽に一定量の予備洗浄薬液を短時間で注水できる定
量注水器とを備え、内視鏡を予備洗浄するごとに新たな
予備洗浄薬液を注入可能とし、かつ、予備洗浄槽を上記
酸化活性水で内視鏡を予備洗浄するごとに洗浄殺菌する
ことができることを特徴とする請求項７及び９記載の医
療機器類の洗浄消毒装置。
【請求項１１】上記洗浄槽が、内視鏡を収納し活性酸
素を含有するクラスターを細分化した酸化活性水により
洗浄消毒する際に、内視鏡に接続されているユニバーサ
ルコードを内視鏡光源装置に取り付けたまま洗浄槽内に
内視鏡挿入部を差し込み収納でき、内視鏡手元操作部と
内視鏡挿入部のみを洗浄消毒することができる中間洗浄
槽と、一又は複数の内視鏡をその全体を洗浄槽内に収納
して洗浄消毒できる主洗浄槽を備えたことを特徴とする
請求項７，９及び１０記載の医療機器類の洗浄消毒装
置。
【請求項１２】上記内視鏡挿入部回転型洗浄装置が、
内視鏡の挿入部を中間洗浄槽に差し込み活性酸素を含有
するクラスターを細分化した酸化活性水に浸漬する際
に、モータで回転するブラシによるブラッシングと流水
シャワーによる洗浄とで自動的に内視鏡挿入部表面の汚
染物を削ぎ落とし洗浄し、前記酸化活性水による洗浄消
毒効果を高めるようにしたことを特徴とする請求項７，
９，１０及び１１記載の医療機器類の洗浄消毒装置。
【請求項１３】洗浄槽に収納した内視鏡を活性酸素を
含有するクラスターを細分化した酸化活性水に浸漬し、
同時に内視鏡の吸引鉗子チャンネル等の管路内に該酸化
活性水を通水しつつ超音波発振装置から超音波を発振
し、酸化活性水の働きと超音波波動により内視鏡の外部
表面と管路内の洗浄殺菌を可能としたことを特徴とする
請求項６、７及び９記載の医療機器類の洗浄消毒装置。
【請求項１４】上記洗浄水散布装置の流水洗浄水を内
視鏡鉗子チャンネル内に送り込む手段として、洗浄水を
加圧装置で加圧し、加圧装置と鉗子口をシリコンチュー
ブで接続することで内視鏡吸引鉗子チャンネル内に洗浄
水を注入可能とし、さらに、加圧装置の圧力調整を可能
とするとともに電磁弁などの流量調整装置を組み込むこ
とにより流量調整と注水間隔の可変を可能としたことを
特徴とする請求項７及び９記載の医療機器類の洗浄消毒
装置。
【請求項１５】上記酸化ガス及び酸化活性水として、
空気を酸化させて作るオゾンガスと、該オゾンガスを浄
水に混入して生成したオゾン洗浄水とを用いることも可
能としたことを特徴とする請求項１乃至１４のいずれか
に記載の医療機器類の洗浄消毒装置。