JP2002061980A - 圧縮式ヒートポンプ空調装置及びその運転方法 - Google Patents

圧縮式ヒートポンプ空調装置及びその運転方法

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JP2002061980A
JP2002061980A JP2000250456A JP2000250456A JP2002061980A JP 2002061980 A JP2002061980 A JP 2002061980A JP 2000250456 A JP2000250456 A JP 2000250456A JP 2000250456 A JP2000250456 A JP 2000250456A JP 2002061980 A JP2002061980 A JP 2002061980A
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heat
refrigerant
circuit
heat storage
engine
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Toshiya Okano
俊也 岡野
Yutaka Yoshida
豊 吉田
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Tokyo Gas Co Ltd
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Tokyo Gas Co Ltd
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    • Y02B30/52Heat recovery pumps, i.e. heat pump based systems or units able to transfer the thermal energy from one area of the premises or part of the facilities to a different one, improving the overall efficiency

Abstract

(57)【要約】 【課題】蓄熱槽を用いることにより、暖房時のCOPの
向上を可能とするエンジン駆動ヒートポンプ式空調装置
及び運転方法を提供する。 【解決手段】蓄熱槽加熱運転モードでは、圧縮機3を出
た高温高圧の冷媒ガスは、冷媒回路L2を経由して室内
熱交換器5に入り、室内空気に熱を与えて凝縮する。さ
らに、膨張弁6を通過して低圧となった冷媒は、室外熱
交換器7においてファン11により供給される外気から
熱を得て蒸発し、低温低圧のガスとなる。冷媒ガスは、
さらに冷媒回路L4,弁V2、冷媒回路L5、四方弁
4、冷媒回路L6を経由して圧縮機3に戻る。一方、こ
の間に発生するエンジン排熱は、冷却水回路9を介して
蓄熱槽8に蓄えられる。蓄熱利用運転モードでは、低圧
冷媒は外気から吸熱することなく、冷媒回路L4,弁V
1、排熱回収回路10を経由して蓄熱槽8に至る。ここ
でエンジン排熱を回収して蒸発し、低圧冷媒ガスとなっ
て圧縮機3に戻る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧縮式ヒートポン
プ空調装置に係り、特に蓄熱槽を備えたエンジン駆動圧
縮式に適した圧縮式ヒートポンプ空調装置及びその運転
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジン駆動圧縮式ヒートポンプ空調装
置は、圧縮機の動力としてガスエンジン等を用いたシス
テムであり、電気駆動タイプと比較して外気温低下時に
エンジン排熱を暖房に利用できるというメリットがあ
る。エンジン排熱の回収方法としては、エンジン排熱を
冷媒液と熱交換させて冷媒液の蒸発を促進する方法が採
られる。
【0003】図9は、このような従来の排熱回収タイプ
のエンジン駆動圧縮式ヒートポンプ空調装置100を示
す図である。空調装置100は、ガスエンジン113、
圧縮機101、四方弁102、室内熱交換器103、膨
張弁104、室外熱交換器105、冷媒加熱熱交換器1
11、エンジン冷却水回路112、及びこれらの装置を
結ぶ冷媒回路L106乃至L110から構成されてい
る。空調装置100が電気駆動タイプと異なっている点
は、駆動源であるガスエンジン113と冷媒加熱熱交換
器111を備えていることである。すなわち、エンジン
排熱は冷却水回路112を介して冷媒加熱熱交換器11
1に送られ、冷媒を加熱できるように構成されている。
【0004】次に、本空調装置100の暖房サイクルに
ついて説明する。外気温がそれほど低くない時は、エン
ジン排熱は図示しない放熱回路で放熱され、冷却水回路
112には送られない。従って、この場合の運転モード
は、一般的なヒートポンプサイクルと同一であるので説
明を省略し、エンジン排熱を利用する外気温低下時の運
転モードについてのみ説明することとする。
【0005】図9において、室外熱交換器105を出た
低圧冷媒は、冷媒回路L107、四方弁102を経て、
冷媒回路L110の途中に配設された冷媒加熱熱交換器
111に入る。ここで、冷媒ガスは、エンジン冷却水回
路112を介して運ばれるエンジン排熱から熱を得て完
全に蒸発することになる。
【0006】しかし、従来のエンジン駆動ヒートポンプ
式空調装置においては、エンジン排熱は専ら外気温が低
い場合の暖房能力確保に用いられ、効率の向上にはあま
り寄与しない。これは暖房定格相当の条件において、エ
ンジン排熱からの吸熱量を増加させると空気からの吸熱
量が減少するため、全体としてCOPは変化していない
ためである。
【0007】エンジン排熱を直接暖房に利用するシステ
ムとして、通常の冷媒配管のほかにエンジン冷却水配管
を室内に導いて、排熱を室内空気と熱交換する方式があ
る。しかし、この方式は4管式となるため、配管工事費
用の増大を招き、また、エンジン冷却水配管長が長くな
るに従い搬送動力が増大する等の問題がある。
【0008】また、従来のエンジン駆動ヒートポンプ式
空調装置においては、空調負荷への対応はエンジン回転
数を制御することにより行うが、回転数が一定値以下に
なると間欠運転となる。このため、冷房負荷が特に小さ
い場合には、エンジンの発停回数が頻繁になり、効率が
低下してしまう。これを防止するため、圧縮機吐出側の
高圧冷媒ガスをバイパス回路に導き、キャピラリーで減
圧して吸入側に戻すことにより、室内側に送る冷媒量を
制御するという方法が採られている。しかし、この方式
では、バイパス回路の冷媒は冷房に有効に用いられない
という問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、蓄熱
槽を用いてエンジン排熱を有効に利用して、暖房時のC
OPの向上を可能とするエンジン駆動ヒートポンプ式空
調装置及び運転方法を提供するものである。
【0010】本発明の他の目的は、蓄熱槽を用いて系内
で発生させる冷熱を有効に利用して、冷房時のCOPの
向上を可能とするエンジン駆動ヒートポンプ式空調装置
及び運転方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、圧縮機、蓄熱槽、系内で発生する排熱を
蓄熱槽に回収するための排熱回収回路、蓄熱槽内の温熱
を冷媒回路に供給するための温熱供給回路、を備えてお
り、かつ、温熱供給回路の稼動を制御可能に構成して成
ることを特徴とする圧縮式ヒートポンプ空調装置を提供
する(請求項1)。
【0012】この場合、圧縮機をエンジン駆動のもの
し、エンジン排熱利用のものとすることができる(請求
項2)。
【0013】これにより、エンジンから発生する排熱を
回収し、有効に利用することが可能となる。エンジン駆
動圧縮式ヒートポンプ空調装置としては、例えばガスエ
ンジンヒートポンプ空調装置を用いることができる。上
記発明において、蓄熱槽の内部に潜熱蓄熱材を備えるこ
とが望ましい(請求項4)。
【0014】適切な相変化温度を有する潜熱蓄熱材を用
いることにより、融解潜熱が利用でき、蓄熱槽を小型化
できるというメリットがある。
【0015】本発明は、空気熱源ヒートポンプ運転の際
に生ずるエンジン排熱を蓄熱する蓄熱運転モードと、該
蓄熱運転モード時に蓄えられた温熱を用いて低圧冷媒を
加熱して冷媒の蒸発温度を上げる蓄熱利用運転モード
と、をサイクリックに行うことにより、COPを向上さ
せることを特徴とするエンジン駆動圧縮式ヒートポンプ
装置の暖房運転方法を提供する(請求項6)。
【0016】蓄熱運転モードと蓄熱利用運転モードをサ
イクリックに繰り返すことにより、エンジン排熱を有効
に回収して平均COPを向上させることができることを
示したのが図4である。同図は、蓄熱槽加熱モード時と
蓄熱利用運転モード時におけるモリエ線図(圧力−エン
タルピー線図)を示したものである。同図において、サ
イクルABCDは、蓄熱槽加熱モードにおける冷媒の状
態を示している。このサイクルは、通常の暖房サイクル
の状態図と同一である。この場合の暖房COPは、Q/
qで示される。ここに、Qは室内熱交換器において冷媒
が凝縮する際に室内空気に与える熱量であり、qは圧縮
機動力である。
【0017】また、サイクルA'B'CDは、蓄熱利用運
転モード時における冷媒の状態を示すものである。適切
な相変化(凝固)温度を持った潜熱蓄熱材を選択するこ
とにより、低圧冷媒の蒸発温度を上昇させることが可能
となる。これにより飽和蒸気圧はPからP'に変化す
る。このため圧縮機動力エネルギーは、q'となり、暖
房COPは、Q/q'で示される。q'<qであるからQ
/q'> Q/qとなり、蓄熱利用運転モード時には通常
の暖房サイクルに比べ、COPが向上する。従って、両
モードを交互に繰り返すことにより、従来の暖房サイク
ルよりCOPを向上させることができるのである。
【0018】上記において、前記蓄熱利用運転モード時
には室外熱交換器ファンを停止することが望ましい(請
求項7)。
【0019】ファンを稼動させないことにより空気から
吸熱せず、蓄熱槽内に蓄えられた排熱をより有効に利用
できることとなる。また、ファン動力が不要となるた
め、動力費の低減に寄与する。
【0020】本発明は、上記装置において、さらに、装
置内で発生させる冷熱の少なくとも一部を前記蓄熱槽に
蓄えるための蓄冷熱回路と、蓄熱槽内の冷熱を冷媒回路
に供給するための冷熱供給回路と、を備え、かつ、蓄冷
熱回路の稼動を制御可能に構成して成ることを特徴とす
る圧縮式ヒートポンプ空調装置を提供する(請求項
3)。
【0021】このような構成により、冷房時の負荷が小
さい場合に蓄熱槽内に冷熱を蓄冷し、冷房負荷が大きく
なった時に、これを冷媒回路に供給することができる。
これにより、冷房負荷が小さい場合の駆動源のエンジン
発停回数を少なくすることができ、COP向上に寄与す
る。
【0022】また、潜熱蓄熱材の相変化温度が、暖房運
転時の温熱と冷房運転時の冷熱を共に蓄えることができ
る温度であることが望ましい(請求項5)。このような
潜熱蓄熱材を採用することにより、暖冷房時の蓄熱槽を
共用化でき、蓄熱槽の小型化にさらに寄与する。
【0023】本発明は、系内で発生させる冷熱の少なく
とも一部を蓄冷熱する蓄冷熱運転モードと、蓄冷熱運転
モード時に蓄えられた冷熱を冷媒回路に供給して、冷媒
の過冷却度を増加させる冷熱利用運転モードと、をサイ
クリックに行うことによりCOPを向上させることを特
徴とするエンジン駆動圧縮式ヒートポンプ装置の冷房運
転方法を提供する(請求項8)。
【0024】上記において、前記蓄冷熱運転モードと前
記冷熱利用運転モードとを冷房負荷に応じて適宜選択す
ることが望ましい(請求項9)。
【0025】図8は、上述の冷熱利用運転モード時のモ
リエ線図を示したものである。同図には、比較のために
通常の冷凍サイクルをも示している。サイクルABC'
D'は蓄冷熱利用モード運転における冷媒の状態を示し
ている。ABは圧縮工程、BCは室外熱交換器(凝縮
器)における凝縮工程、CC'は蓄熱槽13の冷熱によ
る過冷却工程、D'Aは室内熱交換器における蒸発工程
である。一方、一般の冷凍サイクルでは蓄熱槽における
過冷却工程がないため、冷媒はABCDのように変化す
る。
【0026】同図において、冷熱利用運転モード時の冷
房COPは、Q'/qで示される。ここに、Q'は室内熱
交換器において、冷媒蒸発の際の室内空気からの吸熱量
であり、qは圧縮機動力である。これに対し一般の冷凍
サイクルでは、室内熱交換器における吸熱量はQである
から、COPは、Q/qとなる。図8から明らかなよう
にQ'>QであるからQ'/q> Q/q、すなわち、冷
熱利用運転モードにより、平均のサイクルCOPが向上
することになる。
【0027】過冷却度の増大は、冷凍サイクルの理論C
OPを向上させることは上記説明で明らかであるが、さ
らに冷媒循環量を減少させることができ、冷媒循環系の
圧力損失低減につながるため、エネルギー消費量のさら
なる低減が可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。なお、以下の各図において同
一の部分については同一の番号を付し、重複説明を省略
する。
【0029】図1は、本発明に係る本発明に係るエンジ
ン駆動ヒートポンプ式空調装置の一実施の形態を示す図
面である。本空調装置1は、駆動用エンジン2、圧縮機
3、四方弁4、室内熱交換器5、電子膨張弁6、室外熱
交換器7、蓄熱槽8、エンジン冷却水回路9、排熱回収
回路10、切り替え弁V1、V2、及びこれら各装置を
結ぶ冷媒回路L1乃至L6を備えている。蓄熱槽8の内
部には潜熱蓄熱材13が充填されており、駆動用エンジ
ン2の排熱の一部がエンジン冷却水回路9を介して蓄熱
されるように構成されている。潜熱蓄熱材13の相変化
温度(融解温度)は約27℃である。このような潜熱蓄
熱材の例として三菱化成(株)製、商品名STL−27
(主成分塩化カルシウム6水塩、単位蓄熱容量178M
J/m3)を用いることができる。また、蓄熱槽8の内
部には熱交換器14が配設されており、蓄熱槽に蓄えら
れたエンジン排熱を、排熱回収回路10を介して冷媒に
与えるように構成されている。
【0030】なお、本空調装置1では、室内熱交換器5
を除いて一体としてパッケージ化されているが、膨張弁
6を室内熱交換器内に持つ構成としてもよい。次に、本
空調装置の暖房サイクルについて説明する。まず、蓄熱
槽加熱運転モードについて説明する。図2は、本空調装
置1の蓄熱槽加熱モードにおける作動を示している。本
モードは、通常のヒートポンプサイクルであり、外気を
熱源としてこれを室内空気に与えるものである。本モー
ド運転中に圧縮機の駆動用エンジンから出される排熱
は、蓄熱槽8内の潜熱蓄熱材13に蓄熱される。
【0031】同図において、弁V1は閉、弁V2は開、
ファン11はONとなっている。圧縮機3を出た高温高
圧の冷媒ガスは、冷媒回路L2を経由して室内熱交換器
5に入り、室内空気に熱を与えて凝縮する。さらに、膨
張弁6を通過して低圧となった冷媒は、室外熱交換器7
においてファン11により供給される外気から熱を得て
蒸発し、低温低圧のガスとなる。冷媒ガスは、さらに冷
媒回路L4,弁V2、冷媒回路L5、四方弁4、冷媒回
路L6を経由して圧縮機3に戻る。
【0032】一方、この間に発生するエンジン排熱は、
冷却水回路9を介して蓄熱槽8に蓄えられる。冷却水温
度は70乃至90℃前後であるため、蓄熱槽8内の潜熱
蓄熱材13は相変化し、エンジン排熱は潜熱分を含んで
潜熱蓄熱材13に蓄えられる。このため、より効率的な
蓄熱が可能となる。
【0033】次に、蓄熱利用運転モードについて説明す
る。図3は、本空調装置1の蓄熱利用運転モード時の作
動を示す図である。この運転モードでは、上述の蓄熱槽
加熱運転モードの間に蓄熱槽8に蓄熱されたエンジン排
熱を熱源として、ヒートポンプサイクルが形成されるこ
とになる。同図において、弁V1は開、弁V2は閉、フ
ァン11はOFFである。冷媒の作動は、室外熱交換器
5に入るまでは蓄熱槽加熱運転モードと同一であるので
省略する。室外熱交換器5において、ファン11がOF
Fであるので、低圧冷媒は外気から吸熱することなく、
冷媒回路L4,弁V1、排熱回収回路10を経由して蓄
熱槽8に至る。そして、ここでエンジン排熱を回収して
蒸発し、低圧冷媒ガスとなって圧縮機3に戻る。この場
合、潜熱蓄熱材13の凝固温度が約27℃であるので、
熱交換器14から出る冷媒ガスの温度は20℃前後とな
る。
【0034】以上、説明した2つの運転モードをサイク
リックに行うことにより、エンジン排熱を有効に回収し
て平均COPを向上させることができる。
【0035】運転モードの切り替えタイミングは、例え
ば冷媒の圧力又は温度を監視することにより判断するこ
とができる。
【0036】まず、冷媒の圧力監視による場合について
は、図1乃至3において、蓄熱槽8内に設けられた図示
しない温度センサ、及び冷媒低圧系統L6に設けた図示
しない圧力センサ(以下、低圧センサという。)の検出
値に基づいて運転モードの切り替えを行う。
【0037】具体的には、蓄熱槽8内の温度が設計され
た蓄熱温度(例えば27℃)に達していない場合は、
「蓄熱槽加熱運転モード」により運転継続し、蓄熱槽8
内の温度が設計された蓄熱温度(例えば27℃)に達し
たら、蓄熱が完了したものとみなし、「蓄熱利用運転モ
ード」に切り替える。
【0038】「蓄熱利用運転モード」に切り替えた後
は、低圧センサの検出圧力(=冷媒の蒸発圧力)で切り
替えタイミングを判断する。すなわち、蓄熱槽8内での
冷媒の蒸発が進むにつれ蓄熱量が減少する。このため、
次第に冷媒の吸熱量が滅少し蒸発圧力が低下する。この
圧力が設計された蒸発温度(例えば20℃)での飽和圧
力(例えば0.9MPa、フロンR22の鴇含)を下回
るようになったら、蓄熱量不足と判断し、再び「蓄熱槽
加熱運転モード」へと切り替える。
【0039】次に冷媒温度監視による場合について説明
する。上述の冷媒圧力監視との相違は、冷媒低圧系統の
圧力を監視するのではなく、冷媒低圧系統に図示しない
冷媒温度センサを設けて温度を監視、運転モードの切り
替えを行う点である。蓄熱槽温度検知については同様で
ある。
【0040】具体的には、蓄熱槽8内温度が設計された
蓄熱温度(例えば27℃)に達していない場合は、「蓄
熱槽加熱運転モード」を継続し、蓄熱槽8内温度が設計
された蓄熱温度(例えば27℃)に達したら、蓄熱槽へ
の蓄熱が完了したものとみなし、「蓄熱利用運転モー
ド」に切り替える。
【0041】「蓄熱利用運転モード」切り替え後は、冷
媒温度センサの検出温度(=冷媒の蒸発温度)で切り替
えタイミングを判断する。すなわち、蓄熱槽8内での冷
媒の蒸発が進むにつれ、蓄熱量が減少する。このため、
次第に冷媒の熱量が減少し蒸発温度が低下する。この温
度が設計された蒸発温度(例えば20℃)を下回るよう
になったら、蓄熱量不足と判断し、再び「蓄熱槽加熱運
転モード」へと切り替える。
【0042】図5は、本発明の他の実施形態を示す図で
ある。本実施形態に係るエンジン駆動ヒートポンプ式空
調装置20の構成が上述の実施形態と異なる点は、上述
の実施形態に係る空調装置の構成に加えて蓄冷熱回路2
1、蓄熱槽13に熱交換器23を備えている点である。
さらに、蓄冷熱回路21に電子膨張弁22、切替弁V
5、冷熱供給回路25に切替弁V4、冷媒回路L3に切
替弁V3が配設されている。その他の構成については上
述の実施形態と同一である。潜熱蓄熱材についても上述
の実施形態と同一のものを用いている。次に、本空調装
置20の暖房サイクル、冷房サイクルの作動について説
明する。暖房サイクルについては、図5において弁V3
開、弁V4、V5閉とすることにより上述の実施形態と
同一の作動を行うことができる。蓄熱槽加熱運転モード
と蓄熱利用運転モードをサイクリックに繰り返すことに
より平均COP向上させることができる点についても同
様である。
【0043】次に、本空調装置20の冷房サイクルにつ
いて説明する。まず、蓄冷熱運転モードについて説明す
る。この運転モードは、冷房負荷が比較的小さい場合に
用いられるモードである。図6は、本空調装置20の定
格運転時の蓄冷熱モード時における作動を示している。
同図において、弁V1、V4は閉、弁V2、V3は開と
なっている。また、電子膨張弁6、22の開度は、その
時点の冷房負荷に対応して調整されている。
【0044】圧縮機3を出た高温高圧の冷媒ガスは、冷
媒回路L5、弁V2、冷媒回路L4を経て室外熱交換器
7に至り、ここで外気と熱交換して凝縮する。凝縮した
冷媒液のうち、冷房負荷に対応する冷媒は、弁V3、冷
媒回路L3を経て、電子膨張弁6を通過して低圧とな
る。さらに、室内熱交換器5において室内空気と熱交換
して蒸発し、冷媒ガスとなって分岐26に至る。一方、
一部の冷媒は分岐27から蓄冷熱回路21に流入する。
そして、膨張弁22を通過後、低圧となって蓄熱槽13
において熱交換器23を介して潜熱蓄熱材13から熱を
奪い、自らは蒸発して冷媒ガスとなる。このときの潜熱
蓄熱材13の温度は約27℃である。冷媒は、さらに分
岐24、弁V5を経て分岐26に至る。分岐27で2つ
の経路に分岐した冷媒液は、分岐26において冷媒ガス
として合流し、さらに冷媒回路L2、四方弁4、冷媒回
路L6を経由して圧縮機3に還流する。上述のサイクル
を通じて、本空調装置20の冷房能力の一部は潜熱蓄熱
材の冷却に使われ、蓄熱槽13に蓄冷熱されることにな
る。
【0045】次に、冷熱利用運転モードについて図7を
参照して説明する。本モードは、蓄冷熱モード時に潜熱
蓄熱材13に蓄えられた冷熱を冷媒回路に供給するサイ
クルである。同図において、弁V1、V3、V5は閉、
弁V2、V4は開である。また、電子膨張弁6の開度は
全開である。
【0046】圧縮機3を出た高温高圧の冷媒ガスは、冷
媒回路L5、弁V2、冷媒回路L4を経て室外熱交換器
7において外気と熱交換して凝縮して液体となる。液冷
媒は、全量が分岐27から蓄冷熱回路21に流入し、潜
熱蓄熱材13から冷熱を奪い過冷却状態となる。過冷却
冷媒は、V4、分岐28、冷媒回路L3を経て膨張弁6
に導かれる。膨張弁6で低圧となった冷媒は、室内熱交
換器5で室内空気の熱を奪って自らは蒸発する。この場
合、過冷却度が大きいため、通常の冷凍サイクルと比較
して冷凍効果が増大する。冷媒ガスは、さらに冷媒回路
L2、四方弁4を経由して圧縮機3に還流する。
【0047】なお、上述の各実施形態においては、駆動
源としてエンジンを用いた例を示したが、これに限ら
ず、電気等を駆動源とするものであってもよい。また、
排熱としてエンジン排熱を示したが、これに限るもので
はなく、系内で生じる他の排熱を利用することもでき
る。
【0048】潜熱蓄熱材についても、塩化カルシウム6
水塩を主成分とするものに限らず、暖房・冷房時の負荷
に適した物性を有する蓄熱材を用いることができる。
【0049】
【実施例】表1は、本発明に係る蓄熱槽を備えた空調装
置を定格及び部分負荷で冷房運転した場合の結果を示し
たものである。使用した空調機は、20馬力相当GHP
(ガスエンジンヒートポンプ室外機、冷房能力56.0
kW)である。また、潜熱蓄熱材として上述のSTL−
27を用いた。運転条件は、空調機定格能力に対して8
0%負荷(44.8kW)で1時間、次に100%負荷
(56.0kW)で1時間運転を行った。この場合、8
0%負荷運転時には、20%負荷分は蓄熱槽に蓄冷熱さ
れ、100%負荷運転時には、蓄熱槽の冷熱は冷媒の過
冷却に用いられている。各負荷時及び合計のガス消費
量、蓄冷熱量、各負荷時及び平均COPを表1に示す。
比較のため、表2に上記空調機を蓄熱槽への蓄冷熱を行
わず、表1と同一負荷条件で運転した場合の結果を示
す。両者を比較すると、本発明に係る空調装置では平均
COPが1.08であるのに対して、従来の空調装置で
は平均COPは1.00である。すなわち、COPが約
8%向上していることが分かる。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【発明の効果】暖房サイクルにおいては、空気熱源によ
る蓄熱槽加熱運転モードと蓄熱利用運転モードを交互に
繰り返すことにより、平均COP向上が可能となる。ま
た、平均COPは、両モードの運転比率のみにより定ま
り、蓄熱槽の大きさには関係しない。従って、蓄熱槽の
コンパクト化が可能となり、機器のコストダウンにも寄
与する。
【0053】また、蓄冷熱回路を備えた空調装置にあっ
ては、冷房負荷の小さい場合に蓄熱槽冷却分を負荷とし
て上乗せすることにより、間欠運転することなく安定し
た運転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態に係る圧縮式ヒートポンプ
式空調装置を示す図である。
【図2】本発明に係る空調装置の蓄熱槽加熱運転モード
を示す図である。
【図3】本発明に係る空調装置の蓄熱利用運転モードを
示す図である。
【図4】蓄熱槽加熱モードと蓄熱利用運転モードにおけ
るモリエ線図を示す図である。
【図5】本発明の他の実施形態を示す図である。
【図6】本発明に係る空調装置の蓄冷熱運転モードを示
す図である。
【図7】本発明に係る空調装置の冷熱利用運転モードを
示す図である。
【図8】蓄冷熱運転モードと冷熱利用運転モードにおけ
るモリエ線図を示す図である。
【図9】従来のエンジン駆動圧縮式ヒートポンプ式空調
装置を示す図である。
【符号の説明】
1、20……エンジン駆動ヒートポンプ式空調装置、2
……駆動用エンジン、3……圧縮機、4……四方弁、5
……室内熱交換器、6、22……電子膨張弁、7……室
外熱交換器、8……蓄熱槽、9……エンジン冷却水回
路、10……排熱回収回路、13……潜熱蓄熱材、21
……蓄冷熱回路、25……冷熱供給回路

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧縮機と、蓄熱槽と、系内で発生する排熱
    を前記蓄熱槽に回収するための排熱回収回路と、前記蓄
    熱槽内に回収された温熱を冷媒回路に供給するための温
    熱供給回路と、を備え、かつ、前記温熱供給回路の稼動
    を制御可能に構成して成ることを特徴とする圧縮式ヒー
    トポンプ空調装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記圧縮機がエンジン
    駆動であり、かつ、前記排熱がエンジン排熱であること
    を特徴とする圧縮式ヒートポンプ空調装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2において、さらに、系内で
    発生させる冷熱の少なくとも一部を前記蓄熱槽に蓄える
    ための蓄冷熱回路と、前記蓄熱槽内の冷熱を冷媒回路に
    供給するための冷熱供給回路と、を備え、かつ、前記蓄
    冷熱回路及び前記冷熱供給回路の稼動を制御可能に構成
    して成ることを特徴とする圧縮式ヒートポンプ空調装
    置。
  4. 【請求項4】前記蓄熱槽は、内部に潜熱蓄熱材を備えた
    ことを特徴とする請求項1又は3に記載の圧縮式ヒート
    ポンプ空調装置
  5. 【請求項5】前記潜熱蓄熱材は、暖房運転時の温熱と冷
    房運転時の冷熱を冷媒回路に供給可能な相変化温度を有
    するものである請求項4に記載の圧縮式ヒートポンプ空
    調装置
  6. 【請求項6】圧縮機駆動に伴い発生するエンジン排熱を
    蓄熱する蓄熱運転モードと、該蓄熱運転モード時に蓄え
    られた温熱を用いて低圧冷媒を加熱して冷媒の蒸発温度
    を上げる蓄熱利用運転モードと、をサイクリックに行う
    ことにより、COPを向上させることを特徴とするエン
    ジン駆動圧縮式ヒートポンプ装置の暖房運転方法。
  7. 【請求項7】請求項6において、さらに前記蓄熱利用運
    転モード時には室外熱交換器ファンを停止させることを
    特徴とするエンジン駆動圧縮式ヒートポンプ装置の暖房
    運転方法。
  8. 【請求項8】系内で発生させる冷熱の少なくとも一部を
    蓄冷熱する蓄冷熱運転モードと、該蓄冷熱運転モード時
    に蓄えられた冷熱を冷媒回路に供給して、冷媒の過冷却
    度を増加させる冷熱利用運転モードと、をサイクリック
    に行うことによりCOPを向上させることを特徴とする
    エンジン駆動圧縮式ヒートポンプ装置の冷房運転方法。
  9. 【請求項9】請求項8において、前記蓄冷熱運転モード
    と前記冷熱利用運転モードとを、冷房負荷に応じて適宜
    選択することを特徴とするエンジン駆動圧縮式ヒートポ
    ンプ装置の冷房運転方法。
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