JP2002053369A - セラミック焼結体およびそれを用いた配線基板 - Google Patents
セラミック焼結体およびそれを用いた配線基板Info
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Abstract
焼成が可能であり、高熱伝導率、低誘電率を有し、且つ
高強度を有するセラミック焼結体を得る。 【解決手段】絶縁基板1と、その表面および/または内
部に配設された配線回路層2を具備してなる配線基板に
おいて、絶縁基板を少なくともガラス相と、ガーナイト
(ZnAl2O4)および/またはスピネル(MgAl2
O4)などのスピネル系化合物結晶相と、AlN、Si3
N4、SiCおよびBNの群から選ばれる少なくとも1
種の非酸化物系化合物結晶相(N)を含有し、相対密度
が95%以上、誘電率が8以下、熱伝導率が2W/m・
K以上のセラミック焼結体によって形成する。
Description
パッケージ、多層配線基板等に適用される配線基板等に
最適なセラミック焼結体とそれを用いた配線基板に関す
るものであり、特に、銀、銅、金と同時焼成が可能で、
誘電率が低く信号遅延を低減することが可能であり、か
つ半導体素子等の能動素子の動作時等に発生する熱を効
率よく放散することが可能なセラミック焼結体の改良に
関する。
術の急速な発達に伴い、半導体素子の高速化、大型化が
進行している。そのため、半導体素子の高速化に伴い、
パッケージや基板等における信号遅延の問題が大きくな
っている。同時に、半導体素子の大型化に伴う発熱量の
増加による、パッケージや基板等における熱抵抗の問題
も大きくなっている。
は、アルミナ質焼結体からなる絶縁層の表面または内部
にタングステンやモリブデンなどの高融点金属からなる
配線層が形成されたアルミナ配線基板が最も普及してい
る。
その導体であるタングステン(W)や、モリブデン(M
o)などの高融点金属は導体抵抗が大きく、さらにアル
ミナの誘電率も9程度と高いことから、信号遅延が大き
いことが問題となっていた。そこで、W、Moなどの金
属に代えて、銅、銀、金などの低抵抗金属を導体として
使用し、さらに絶縁層の誘電率を低くすることが要求さ
れている。
ラスとセラミックとの複合材料であるガラスセラミック
スを絶縁層として用いることにより、1000℃以下の
低温焼成を可能とし、融点の低い銅、銀、金などの低抵
抗金属を導体として使用できるようにし、かつ誘電率を
アルミナよりも低くすることが可能な、ガラスセラミッ
ク配線基板が開発されつつある。
に、ガラスにSiO2系フィラーを添加した絶縁層と、
銅、銀、金などの低抵抗金属からなる配線層とを900
〜1050℃の温度で同時焼成した多層配線基板や、特
開昭60−240135号のように、ホウ珪酸亜鉛系ガ
ラスに、アルミナ、ジルコニア、ムライトなどのフィラ
ーを添加したものを低抵抗金属と同時焼成したものなど
が提案されている。その他、特開平5−298919号
には、ムライトやコージェライトを結晶相として析出さ
せたガラスセラミック材料も提案されている。
ような従来のガラスセラミックスにおいては、熱伝導率
が0.5〜1.5W/m・K程度と低く、熱放散性にお
いて従来のアルミナ等に比べて劣っていた。
開平4−254477号等に記載されるような、高熱伝
導性を有するAlNとガラスとを焼成したガラスセラミ
ックスを絶縁基板として用いた配線基板が提案されてい
る。
ックスをフィラーとして用いると、焼成中にガラスと非
酸化物セラミックフィラーとが焼成中に反応し、焼成中
に非酸化物セラミックフィラーが分解して、分解ガスが
発生し、このガスによって磁器が膨張したり、寸法精度
が上がらない等の問題があった。
面が荒れるなどの問題があり、安定して良好な磁器を得
ることが難しく、歩留まりが低く、工業製品としての実
用上大きな問題があり、事実上量産は困難であった。か
かる現象は、特に、大気などの酸化性雰囲気中での焼成
で顕著となるため、銀を導体とする配線層の形成が非常
に困難であったり、銅配線を行う際に脱バインダー不良
が起こり易いなどという問題があった。
伝導性を有するAlN等を添加してもマトリックスが低
熱伝導性のガラス相のみであるために、磁器として高熱
伝導化が得られにくく、しかも強度が弱いという問題が
あった。
金属、なかでも銀と同時に低温で焼成が可能であり、高
熱伝導率、低誘電率を有し、且つ高強度を有するガラス
セラミック焼結体、およびそれを用いた配線基板を提供
することを目的とする。
対して鋭意検討した結果、少なくともSiO2、Al2O
3、ZnO、B2O3を含むホウ珪酸系ガラス粉末と、A
lN、Si3N4、SiC、BNの群から選ばれる少なく
とも1種の非酸化物系化合物粉末とからなる混合粉末を
焼成し、焼結体として、ガラス相と、スピネル系化合物
結晶相と、AlN、Si3N4、SiCおよびBNの群か
ら選ばれる少なくとも1種の非酸化物系化合物結晶相を
分散含有させることによって、銀、銅、金等の低抵抗、
低融点金属、なかでも銀と低温で同時焼成を可能としつ
つ、ガラスと非酸化物系化合物粉末との反応を抑制でき
るため、高熱伝導率、低誘電率を有するセラミック焼結
体、およびそれを用いた配線基板を歩留まりよく提供す
ることができることを知見し、本発明に至った。
ネル系化合物結晶相と、AlN、Si3N4、SiCおよ
びBNの群から選ばれる少なくとも1種の非酸化物系化
合物結晶相を、さらにはガラス相を含有し、相対密度が
95%以上、誘電率が8以下、熱伝導率が2W/m・K
以上であることを特徴とするものである。
ーナイト(ZnAl2O4)および/またはスピネル(M
gAl2O4)であることが望ましい。
他に、ムライト結晶相およびコーディエライト結晶相の
うち少なくとも1種を含有してもよいし、あるいは、
(M1)Al2Si2O8(M1=Ca、Sr、Baのう
ちの少なくとも1種)結晶相および(M2)2MgSi2
O7(M2=Ca、Sr、Baのうちの少なくとも1
種)結晶相のうち少なくとも1種を含有することが望ま
しい。
l2O3、ZnOおよびB2O 3 を含むホウ珪酸系ガラス粉
末を30〜95重量%と、AlN、Si3N4、SiCお
よびBNの群から選ばれる少なくとも1種の非酸化物系
化合物粉末を5〜70重量%の割合で含有する混合粉末
を所定形状に成形後、焼成して形成されたものであり、
前記ホウ珪酸系ガラス粉末が、SiO2を10〜55重
量%、Al2O3を3〜35重量%、ZnOを2〜25重
量%、B2O3を3〜25重量%、MgO2を0〜30重
量%、CaO、SrO、BaOの群から選ばれる少なく
とも1種を0〜50重量%の割合で含有することが望ま
しい。
その表面および/または内部に配設された配線層を具備
してなるものであって、絶縁基板を上記のセラミック焼
結体によって形成したものであって、前記配線層は、
金、銀、銅から選ばれる群の1種以上の導体を主成分と
することが望ましい。
ラス相をマトリックスとし、このガラス相中に、スピネ
ル系化合物結晶相と、AlN、Si3N4、SiCおよび
BNの群から選ばれる少なくとも1種の非酸化物系化合
物結晶相とを分散含有した組織からなる相対密度が95
%以上の緻密質からなる焼結体である。なお、上記ガラ
ス相は完全に結晶化しており実質的に非晶質を含有しな
くてもよい。
ての高熱伝導化を達成する上で、それ自体、高熱伝導性
を有する結晶相を分散していることが必要である。高熱
伝導性を有する結晶相としては、AlN、Si3N4、S
iCおよびBNの群から選ばれる少なくとも1種、特に
AlNまたはSi3N4の非酸化物系化合物結晶相が挙げ
られるが、これらの非酸化物系化合物は、ガラス相との
反応性が高いため、その焼結過程で非酸化物系化合物が
分解してガスなどが発生してしまう。
lN、Si3N4、SiC、BNを選択したのは、これら
の非酸化物系化合物結晶相の熱伝導率が高く、かつガラ
スとの反応性が比較的低いためであり、特にAlN、S
i3N4が望ましい。
iO2、Al2O3、ZnO、B2O3を含有する非晶質ガ
ラスあるいは結晶化ガラスを用いると、非酸化物系化合
物との反応性を低く抑えることができ、分解ガスなどの
発生を抑制できる。また、かかるガラスは、誘電率が低
いために、焼結体全体として誘電率を低下させることが
できる。
が小さく、高熱伝導性と低誘電率化を達成できる。具体
的には、熱伝導率が2W/m・K以上、特に2.5W/
m・K以上、最適には3W/m・K以上であり、誘電率
が8以下、特に7.5以下、最適には7以下であること
を特徴とする。
l2O3、ZnO、B2O3を含むホウ珪酸系ガラス粉末を
30〜95重量%、特に32.5〜85重量%、最適に
は35〜80重量%と、AlN、Si3N4、SiC、B
Nの群から選ばれる少なくとも1種の非酸化物系化合物
粉末5〜70重量%、特に15〜67.5重量%、最適
には20〜65重量%とからなる混合粉末の成形体を1
000℃以下で焼成することによって作製されるもので
ある。
記ホウ珪酸系ガラス粉末が30重量%未満、即ち非酸化
物系化合物粉末が70重量%を超えると、1000℃以
下の焼成において焼結体を緻密化することが困難とな
り、前記ホウ珪酸系ガラス粉末が95重量%を超える、
即ち非酸化物系化合物粉末が5重量%よりも少ないと、
2W/m・K以上の高熱伝導化が達成できないためであ
る。
系化合物結晶相に加えて、Si、Al、Zn、Bを含有
すること、言い換えれば、出発原料組成におけるガラス
粉末中の成分として、少なくともSiO2、Al2O3、
ZnO、B2O3が必要であって、さらにはMgO、Ca
O、SrO、CaOを任意成分として含有してもよい。
これらの成分を含有するガラスは、焼成中に非酸化物系
化合物との反応性が非常に低いため、ガラスとフィラー
の反応によるガスが発生し、焼結体の寸法精度の悪化や
焼結体の表面での気泡発生による歩留まりの著しい低下
を防ぐことが可能となる。
組成としては、SiO2を10〜55重量%、特に25
〜50重量%、Al2O3を3〜35重量%、特に5〜3
2重量%、特に8〜25重量%、ZnOを2〜25重量
%、特に4〜20重量%、B 2O3を3〜25重量%、特
に5〜20重量%、MgOを0〜30重量%、特に0〜
27重量%、特に0〜25重量%、CaO、SrO、B
aOの群から選ばれる少なくとも1種をその合量で0〜
50重量%、特に0〜35重量%の割合でそれぞれ含有
することが望ましい。
ルカリ金属酸化物等は、非酸化物系化合物と反応性が高
く、寸法精度の悪化や気泡発生等を招くため、ガラス中
に含有させることは望ましくなく、それらは酸化物換算
による合計量で0.5重量%以下に抑制することが望ま
しい。
ガラス相中に、前記非酸化物系化合物結晶相に加えて、
スピネル系化合物結晶相が存在することが重要である。
このスピネル系化合物結晶相は、焼結体の熱伝導率と強
度を向上させる作用を有する。このスピネル系化合物結
晶相としては、ガーナイト(ZnAl2O4)および/あ
るいはスピネル(MgAl2O4)であることが望まし
い。このスピネル系化合物結晶相は、前記組成のガラス
からの析出結晶相であってもよいし、スピネル系化合物
をフィラーとして添加することも可能であるが、ガラス
から析出させることがより、緻密な焼結体を得るのに効
果的であって、熱伝導率と強度の向上効果も大きい。ま
た、前記2つのスピネル系化合物結晶相が相互に固溶し
た、(Mg,Zn)Al2O4の形で存在していても差し
支えない。
記ガラス相中に分散させる結晶相として、非酸化物系化
合物結晶相およびスピネル系化合物結晶相以外に他の結
晶相が存在してもよい。
ィエライト結晶相のうち少なくとも1種を含有すること
が焼結体の熱伝導率と強度を向上させるために効果的で
ある。これらの結晶相も、前記組成のガラスからの析出
結晶相であってもよいし、フィラーとして添加すること
も可能であるが、ガラスから析出させることがより緻密
な焼結体を得るのに効果的であって、熱伝導率と強度の
向上効果も大きい。
図1の焼結体の組織を説明するための概略図に示すよう
に、ホウ珪酸系ガラス相(G)と、非酸化物化合物結晶
相(N)、スピネル系化合物結晶相(S)を必須とし、
さらにはムライト結晶相(Mu)やコーディエライト結
晶相(Co)等の結晶相を含むものである。
いては、前記ガラス粉末中にMgO、CaO、SrO、
BaOの群から選ばれる少なくとも1種、特にMgOを
配合することが望ましい。これらの成分を配合すること
により、ガラスの軟化点が低下し、非酸化物系化合物の
添加量を増加させることが可能となる結果、焼結体の熱
伝導率をさらに向上させることができる。
BaOを含有する場合、本発明のセラミック焼結体にお
いては、非酸化物系化合物結晶相とスピネル系化合物結
晶相に加えて、ガラス相から結晶相として(M1)Al
2Si2O8(M1=Ca、Sr、Baのうちの少なくと
も1種)結晶相および(M2)2MgSi2O7(M2=
Ca、Sr、Baのうちの少なくとも1種)結晶相のう
ち少なくとも1種を析出させると、焼結体の熱伝導率と
強度の向上、特に針状に析出させることが可能であるた
め、強度の向上に効果的である。
体は、例えば、図2の焼結体の組織を説明するための概
略図に示すように、ホウ珪酸系ガラス相(G)と、スピ
ネル系化合物結晶相(S)、非酸化物化合物結晶相
(N)以外に、(M1)Al2Si2O8(M1=Ca、
Sr、Ba)結晶相(MAS)や(M2)2MgSi2
O7(M2=Ca、Sr、Ba)結晶相(MMS)の相
から構成される。
は、上記のスピネル系化合物結晶相、ムライト結晶相、
コーディエライト結晶相、あるいはMAl2Si2O
8(M=Ca、Sr、Ba)結晶相、非酸化物系化合物
結晶相以外にも、1つあるいは複数の酸化物結晶相を含
有していても差し支えない。
でフィラーとして添加してもよいし、またガラスの結晶
化により析出させても差し支えなく、これらの酸化物結
晶相を焼結体内部に含有させて、得られる焼結体の特
性、例えば誘電率、誘電損失、熱膨張係数、破壊強度、
破壊靭性、熱伝導率等、を制御することが可能となる。
O2、Al2O3、ZrO2、TiO2、ZnO、MgSi
O3、Mg2SiO4、Zn2SiO4、CaMgSi
2O6、Zn2Al4Si5O18の群から選ばれる少なくと
も1種が挙げられ、用途に合わせて選択できる。なお、
上記酸化物結晶相はここに例示した結晶相に限定される
ものではない。
線基板について、半導体素子を収納搭載した半導体素子
収納用パッケージを例として図3をもとに説明する。図
3によれば、パッケージAは、絶縁基板1の表面および
/あるいは内部にメタライズ配線層2が形成され、パッ
ケージAの下面には、複数の接続用電極3が配列されて
いる。絶縁基板の上面中央部には、半導体素子4がガラ
ス、樹脂等の接着剤を介して絶縁基板1に接着固定さ
れ、半導体素子4はメタライズ配線層2とボンディング
ワイヤ5を介して電気的に接続され、さらにその上から
封止樹脂6により覆うことにより封止されている。そし
て、半導体素子4と、絶縁基板1の下面に形成された複
数の接続用電極3とは、メタライズ配線層2を介して電
気的に接続されている。
ッケージにおける前記絶縁基板1が上記のセラミック焼
結体からなるものであり、特に熱伝導率が、従来のセラ
ミックの平均的な値である約1W/m・Kよりも高い2
W/m・K以上、、特に2.5W/m・K以上、最適に
は3W/m・K以上であり、誘電率が8以下、特に7.
5以下、最適には7以下であることが望ましい。
ック焼結体を形成し得る混合粉末を用いて、適当な有機
溶剤、溶媒を用いて混合してスラリーを調製し、これを
従来周知のドクターブレード法やカレンダーロール法、
あるいは圧延法、プレス成形法により、シート状に成形
する。そして、このシート状成形体に所望によりスルー
ホールを形成した後、スルーホール内に、銅、金、銀の
うちの少なくとも1種を含む金属ペーストを充填する。
そして、シート状成形体表面には、高周波信号が伝送可
能な高周波線路パターンを金属ペーストを用いてスクリ
ーン印刷法、グラビア印刷法などの配線層の厚みが5〜
30μmとなるように、印刷塗布する。その後、複数の
シート状成形体を位置合わせして積層圧着した後、10
00℃の酸化性雰囲気または非酸化性雰囲気で焼成する
ことにより、配線基板を作製することができる。
は、酸化性雰囲気での焼成であってもガラスと非酸化物
系化合物との反応を抑制できるために、配線層を銀で形
成することが可能であり、その場合には有機バインダを
除去する工程を400〜600℃の酸化性雰囲気で行
い、焼成を950℃以下の酸化性雰囲気で行なうことが
できる。また、配線層を銅で形成する場合には、有機バ
インダを除去する工程を700〜800℃のN2雰囲気
で行い、焼成を1000℃以下のN2などの非酸化性雰
囲気で行なうことができる。
素子が搭載され配線層と信号の伝達が可能なように接続
される。接続方法としては、配線層上に直接搭載させて
接続させたり、あるいはワイヤーボンディングや、TA
Bテープなどにより配線層と半導体素子とが接続され
る。
表面に、絶縁基板と同種の絶縁材料や、その他の絶縁材
料、あるいは放熱性が良好な金属等からなるキャップを
ガラス、樹脂、ロウ材等の接着剤により接合することに
より、半導体素子を気密に封止することができ、これに
より半導体素子収納用パッケージを作製することができ
る。
均粒径が2μmの非酸化物系化合物粉末として、AlN
粉末、Si3N4粉末、SiC粉末、BN粉末を用いて、
表1の組成に従い混合した。
塑剤、トルエンを添加し、スラリーを調製した後、この
スラリーを用いてドクターブレード法により厚さ300
μmのグリーンシートを作製した。そして、このグリー
ンシートを5枚積層し、50℃の温度で100kg/c
m2の圧力を加えて熱圧着した。得られた積層体を大気
中、500℃で脱バインダーした後、大気中で表2の条
件において焼成して絶縁基板用焼結体を得た。
ラッシュ法にて測定した。また、焼結体にIn−Gaペ
ーストを塗布して電極とし、LCRメーターを用いて、
測定周波数1MHzにおいて誘電率を測定した。測定の
結果は表2に示した。
ス中の構成金属元素および酸素を含むガラス相以外に種
々の結晶相が確認された。その結晶相をX線回折測定か
ら同定し、ピーク強度の大きい順にガラス相と合わせて
表2に示した。なお、ガーナイト結晶相とスピネル結晶
相はピークが重なるため表中では区別せずにまとめてガ
ーナイト結晶相として記述した。
ビアホールを形成して銀ペーストを充填し、シート表面
に銀ペーストを配線パターンとして印刷塗布し、また、
最下層のグリーンシートの底面には、内部の配線層と導
通する電極層を形成した後、これを5層積層して、上記
と同様な条件で焼成して35mm角、厚み1.2mmの
多層配線基板をそれぞれ200個作成した。
50μmを規格とした際の寸法精度について良品率を算
出した結果を表2に示した。
分として、非酸化物系化合物粉末に代わり、コーディエ
ライト粉末、ZrO2粉末を用いて同様に焼結体を作製
し評価した。
体の抗折強度を3点曲げ試験によって測定した。また、
焼結体を粉砕し、気相中で真比重を求め、アルキメデス
法でかさ比重を求めて相対密度を算出し表2に示した。
発明に基づき、少なくともSiO2、Al2O3、Zn
O、B2O3を含有するガラス粉末と、非酸化物系化合物
粉末を所定量混合、焼成して得られ、かつ構成相として
ガラス相以外にスピネル系化合物結晶相およびAlN、
Si3N4、SiC、BNの群から選ばれる少なくとも1
種の非酸化物系化合物結晶相を含有する場合において
は、熱伝導率が2W/m・K以上の高い値を示し、さら
に誘電率が8以下の低誘電率と、高強度を示しつつ高い
寸法精度を有するセラミック焼結体およびそれを用いた
配線基板が得られることが分かる。
量%よりも多い、即ち非酸化物系化合物が5重量%より
も少ない試料No.1、8においては、非酸化物系化合
物による熱伝導率の向上効果が不十分となり、2W/m
・Kよりも低い熱伝導率を示す。
い、即ち非酸化物系化合物が70重量%よりも多い試料
No.14においては、緻密な焼結体が得られないもの
であった。さらに、非酸化物系化合物に変えてコーディ
エライト、ZrO2を用いた試料No.23、24にお
いても2W/m・Kよりも低い熱伝導率を示す。
カリ金属酸化物を多量に含有するガラスE、Fを用いた
試料No.25〜28においては、ガラスと非酸化物化
合物が反応してしまい、十分な寸法精度が得られないも
のであった。
縁基板を構成する焼結体において、ガラスあるいは結晶
化したガラス相中に、結晶相として少なくともスピネル
系化合物結晶相と前記非酸化物化合物結晶相とを分散さ
せることによって、銀、銅、金等の低抵抗、低融点金
属、なかでも銀と同時に低温で1000℃以下で焼成を
可能としつつ、ガラスと非酸化物化合物粉末との反応を
抑制できるため、高熱伝導率、低誘電率を有するセラミ
ック焼結体、およびそれを用いた配線基板を歩留まりよ
く提供することができる。
めの概略図である。
るための概略図である。
用パッケージの概略断面図である。
Ba)結晶相 MMS (M2)2MgSi2O7(M2=Ca,Sr,
Ba)結晶相 A 半導体素子収納用パッケージ 1 絶縁基板 2 配線層 3 接続用電極 4 半導体素子
Claims (9)
- 【請求項1】スピネル系化合物結晶相と、AlN、Si
3N4、SiCおよびBNの群から選ばれる少なくとも1
種の非酸化物系化合物結晶相を含有し、相対密度が95
%以上、誘電率が8以下、熱伝導率が2W/m・K以上
であることを特徴とするセラミック焼結体。 - 【請求項2】ガラス相と、スピネル系化合物結晶相と、
AlN、Si3N4、SiCおよびBNの群から選ばれる
少なくとも1種の非酸化物系化合物結晶相を含有し、相
対密度が95%以上、誘電率が8以下、熱伝導率が2W
/m・K以上であることを特徴とするセラミック焼結
体。 - 【請求項3】スピネル系化合物が、ガーナイト(ZnA
l2O4)および/またはスピネル(MgAl2O4)であ
ることを特徴とする請求項1または請求項2記載のセラ
ミック焼結体。 - 【請求項4】他の結晶相として、ムライト結晶相および
コーディエライト結晶相のうち少なくとも1種を含有す
ることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか記
載のセラミック焼結体。 - 【請求項5】他の結晶相として、(M1)Al2Si2O
8(M1=Ca、Sr、Baのうちの少なくとも1種)
結晶相および(M2)2MgSi2O7(M2=Ca、S
r、Baのうちの少なくとも1種)結晶相のうち少なく
とも1種を含有することを特徴とする請求項1乃至請求
項4のいずれか記載のセラミック焼結体。 - 【請求項6】少なくともSiO2、Al2O3、ZnOお
よびB2O3を含むホウ珪酸系ガラス粉末を30〜95重
量%と、AlN、Si3N4、SiCおよびBNの群から
選ばれる少なくとも1種の非酸化物系化合物粉末を5〜
70重量%の割合で含有する混合粉末を所定形状に成形
後、焼成して形成されたものである請求項1乃至請求項
5のいずれか記載のセラミック焼結体。 - 【請求項7】前記ホウ珪酸系ガラス粉末が、SiO2を
10〜55重量%、Al2O3を3〜35重量%、ZnO
を2〜25重量%、B2O3を3〜25重量%、MgOを
0〜30重量%、CaO、SrO、BaOの群から選ば
れる少なくとも1種を0〜50重量%の割合で含有する
ことを特徴とする請求項6記載のセラミック焼結体。 - 【請求項8】絶縁基板と、その表面および/または内部
に配設された配線層を具備してなる配線基板において、
前記絶縁基板が、前記請求項1乃至請求項7のいずれか
記載のセラミック焼結体からなることを特徴とする配線
基板。 - 【請求項9】前記配線層が、金、銀、銅から選ばれる群
の1種以上の導体を主成分とする請求項8記載の配線基
板。
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