JP2002048088A - 真空ポンプ - Google Patents

真空ポンプ

Info

Publication number
JP2002048088A
JP2002048088A JP2000231768A JP2000231768A JP2002048088A JP 2002048088 A JP2002048088 A JP 2002048088A JP 2000231768 A JP2000231768 A JP 2000231768A JP 2000231768 A JP2000231768 A JP 2000231768A JP 2002048088 A JP2002048088 A JP 2002048088A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vacuum pump
stator
electromagnet
heating
heating electromagnet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000231768A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002048088A5 (ja
Inventor
Akira Yamauchi
明 山内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Instruments Inc
Original Assignee
Seiko Instruments Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Instruments Inc filed Critical Seiko Instruments Inc
Priority to JP2000231768A priority Critical patent/JP2002048088A/ja
Priority to EP01306187A priority patent/EP1178217A3/en
Priority to US09/915,595 priority patent/US6629824B2/en
Priority to KR1020010046202A priority patent/KR20020010880A/ko
Publication of JP2002048088A publication Critical patent/JP2002048088A/ja
Publication of JP2002048088A5 publication Critical patent/JP2002048088A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04DNON-POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04D19/00Axial-flow pumps
    • F04D19/02Multi-stage pumps
    • F04D19/04Multi-stage pumps specially adapted to the production of a high vacuum, e.g. molecular pumps
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04DNON-POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04D29/00Details, component parts, or accessories
    • F04D29/58Cooling; Heating; Diminishing heat transfer
    • F04D29/582Cooling; Heating; Diminishing heat transfer specially adapted for elastic fluid pumps
    • F04D29/584Cooling; Heating; Diminishing heat transfer specially adapted for elastic fluid pumps cooling or heating the machine
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05DINDEXING SCHEME FOR ASPECTS RELATING TO NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES, GAS-TURBINES OR JET-PROPULSION PLANTS
    • F05D2250/00Geometry
    • F05D2250/50Inlet or outlet
    • F05D2250/52Outlet
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05DINDEXING SCHEME FOR ASPECTS RELATING TO NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES, GAS-TURBINES OR JET-PROPULSION PLANTS
    • F05D2260/00Function
    • F05D2260/60Fluid transfer
    • F05D2260/607Preventing clogging or obstruction of flow paths by dirt, dust, or foreign particles

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Non-Positive Displacement Air Blowers (AREA)
  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小さな電力で効率よく気体の流路を加温でき
る真空ポンプを提供すること。 【解決手段】 外筒体16、外筒体16の中空部内に収
納されるステータ18、外筒体16の中空部内に回転可
能に収納されステータ18とともに気体の流路17を形
成するロータ14と、外筒体16及びステータ18が固
定支持されるベース19とを備え、ベース19内に、通
電によって発熱するとともに磁界を形成する加熱用電磁
石60と、加熱用電磁石60による磁力の磁路を形成す
る磁性部材65と、磁性部材65に固定されたアルミニ
ウム製の放熱板67とを備える真空ポンプ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、小さな電力で効率
よく気体の排気路を加温して気体分子成分の析出を回避
でき、低コストで、取り扱い性及び安全性に優れた真空
ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ターボ分子ポンプやねじ溝式
ポンプ等の真空ポンプはよく知られている。このような
真空ポンプは、半導体製造装置や液晶製造装置によりド
ライエッチングやCVD等、チャンバ内のプロセスガス
を排気して真空処理を行う場合や、電子線を利用した分
析、測定等に広く使用されている。
【0003】このような真空ポンプにおいては、中空部
を有する外筒部に、ステータ部及びロータ部が収納され
ており、ステータ部とロータ部によって気体の流路が形
成されている。そして、モータによってロータ部が回転
されることにより、流路の気体が移送され、外部の気体
を吸入口から吸引するようになっている。このような真
空ポンプとしては、ステータ部に、ロータ部と同軸に複
数のスペーサが配設され、これらのスペーサ間に、ロー
タ部ヘ向けて張り出すステータ翼が配設され、ロータ部
には、ステータ翼間に張り出すロータ翼が配設されたタ
ーボ分子ポンプがある。このターボ分子ポンプは、ロー
タ翼を回転することにより、気体分子を叩いて移送す
る。また、ロータ部とステータ部の互いに対向する周面
のうち一方にねじ溝が形成されており、ロータを回転す
ることにより、気体の粘性を利用して気体を移送するね
じ溝式の真空ポンプをターボ分子ポンプに組み合わせた
ものがあり、半導体製造装置等に一般的に用いられてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】さて、上述のような真
空ポンプでは、気体吸引時には、吸入口側において圧力
が低く、排出口側において圧力が高い状態となってい
る。また、中心部に配置されるモータ等の電装品による
過熱を防止するため、真空ポンプ内は、水流を循環させ
る等の冷却手段により所定温度以下に保持されている。
そのため、半導体製造装置に使用した場合のエッチング
工程におけるプロセスガスであるAlCl3等の反応性
ガスを吸引する場合には、排出口近傍においては、移送
される気体が昇華により析出し、流路表面に付着する場
合がある。そして、この付着物により、気体の流れが妨
げられ、真空ポンプによる気体の移送効率が低下した
り、最悪の場合、ロータ部とステータ部に付着した析出
物が接触し部材が損傷する等の原因となる可能性があ
る。
【0005】真空ポンプにおいて、気体の流路を加熱し
反応性ガスの昇華による析出を回避するための技術とし
ては、従来より、ニクロム線を用いたヒータを、真空ポ
ンプの下部の周囲に配置する技術がある。
【0006】図9は、このような技術を採用した真空ポ
ンプの全体構成を表した概略図である。図9に示す従来
技術の真空ポンプは、複合ポンプであって、中空部を有
する外筒部116に、ステータ部118とロータ部11
4が収納されている。外筒部116とステータ部118
は、ベース119上に固定支持されている。ロータ部1
14は、ベース119上に、ステータ部118と同軸に
回転可能に支持されている。ロータ部114は、軸線方
向の一端側に回転のラジアル方向に張り出すロータ翼1
141を、回転の軸線方向に多段に備えている。ステー
タ部118は、ロータ部114の外方からロータ翼11
41の間に張り出すステータ翼1181を備え、また、
軸線方向の他端側においてはロータ部114の外周面を
近接位置でとり囲むねじ溝付きスペーサ1180を備え
ている。また、ベース119近傍には気体の流路近傍の
温度を検出する温度センサ151が設けられており、ま
たベース119の底面には水冷管171が接触されてい
る。水冷管171は電磁バルブ172によって開閉され
るようになっている。更に、ベース119の外周面に
は、ニクロム線ヒータ160が巻回されている。
【0007】そして、真空ポンプの略中央に配設される
モータによって、ロータ部114がステータ部118に
対して回転し、前記一端側においてロータ翼1141と
ステータ翼1181とによって気体分子を排出口側へた
たき落とし、他端側においては、たたき落とされてきた
気体分子による粘性流をねじ溝付きスペーサ1180内
に形成し、粘性によって気体分子を排出口へ移送する。
これにより外筒部116の一端側の開口部(吸入口)か
らの気体はロータ部114とステータ部118との間に
形成された気体の流路を通ってベース119に形成され
る排出口から排出される。この真空ポンプは、図10に
示すように、温度センサ151からの出力に基づいて、
制御部180で、温度センサ151から検知される温度
Trと予め設定された設定温度Tdとに基づいて判別器
185によってヒータ160及び電磁バルブ172のO
N/OFFが判断される。即ち、Tr<Tdならば、ヒ
ータ160はONされて気体流路が加温され、電磁バル
ブ172はOFFされて水冷管171の流水は停止され
る。また、Tr≧Tdの場合には、電磁バルブ172が
ONされて水冷管171の水流が循環され、ヒータ16
0はOFFされ、気体流路は冷却される。そして、ヒー
タ160による加温と水冷管171の流水による冷却に
よって、気体の流路が所定の温度範囲に維持され、反応
性ガスの昇華による析出が抑制される。
【0008】また、排出口付近における気体成分の析出
を回避するための技術としては、従来より、磁性材料を
コアとしたコイルに交流電流を供給して気体の流路を加
温する技術が提案されている(実用新案登録第2570
575号公報)。この技術では、磁性材料をコアとした
コイルを外筒を支持し排気口を有するベースに埋め込
み、このコイルに交流電流を供給することにより、磁気
ヒステリシスによる発熱と、渦電流によるコア内での発
熱によって、気体の流路を加温する。
【0009】しかし、図9に示すようなヒータを利用す
る真空ポンプにおいては、排出口付近の加温がニクロム
線ヒータ160のみによって行われているので、ヒータ
160として、300W程度の、大きな電力によるのも
のを使用する必要がある。そのため、コントローラ電源
に大きな負担がかかったり、また、ケーブルに太いもの
を用いる必要があるため取り扱い難かったり、製造コス
ト及びランニングコストが高いという問題点がある。ま
た、真空ポンプの表面にヒータ160を設置し外部から
気体の流路を加温するため、熱が外部へ逃げやすい等、
ジュール熱を、加熱したい部分に効率良く与えることが
できず、一層大きな電力を必要とするという問題点があ
る。尚、安全保持のためには、ヒータ160をシリコン
ゴム等でカバーをする手法が採用されるが、製造コスト
が一層高くなってしまったり、サーモスタット等の保護
機能を設ける必要からサイズが大きくなったり、更なる
製造コストのアップを招く等の問題点が生じる。更に、
図5に示すようなヒータを利用する真空ポンプにおい
は、ヒータ160を停止させてからニクロム線が冷える
までに時間がかかり、温度制御に対する追従性がよくな
い問題点もある。
【0010】また、磁性材料をコアとしたコイルに交流
電流を供給して気体の流路を加温する技術においては、
磁気ヒステリシスによる発熱と、渦電流によるコア内で
の発熱を利用して真空ポンプ内部から気体の流路を加温
するので、図5に示すようなヒータを利用する真空ポン
プに比して、発熱を効率よく利用することが可能とな
り、安全である。しかし、コイルがポンプのベース内部
に埋め込まれた構成となっており、励起された熱がベー
スに吸収され流路部の温度だけを上昇させるのは難し
い。また、強力な交流磁場が真空ポンプ内部に発生する
ため、例えば微弱な磁場の変化をコイルのインダクタン
ス変化として捉える位置センサ等を用いる場合に、交流
磁場がノイズとして悪影響を及ぼすおそれがあり、特に
磁気軸受式の真空ポンプにおいては影響が大きくなる可
能性がある。
【0011】本発明は、上述の問題点を解決するために
提案されたもので、小さな電力で効率よく気体の流路を
加温して気体の流路における気体分子成分の析出を回避
でき、低コストな真空ポンプを提供することを第1の目
的とする。また、本発明は、第1の目的に加えて更に、
取り扱い性及び安全性に優れた真空ポンプを提供するこ
とを第2の目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明は、外筒部と、前記外筒部の中空部内
に収納されるステータ部と、前記外筒部の前記中空部内
に、前記ステータ部に対して回転可能に収納され、前記
ステータ部とともに気体の流路を形成するロータ部と、
前記ロータ部を回転させて前記流路内の気体を移送する
モータと、前記ステータ部を固定支持し、前記流路から
の気体を外部へ排出する排気路を有するベース部と、前
記排気路近傍に配設された加熱用電磁石と、前記排気路
近傍に配置され前記加熱用電磁石に密着し磁力の磁路を
形成する磁性部材と、前記加熱用電磁石への通電を制御
する制御手段と、を備える真空ポンプ(第1の構成)を
提供する。
【0013】本発明の第1の構成の真空ポンプにおいて
は、制御手段によって加熱用電磁石への通電が行われる
と、加熱用電磁石のコイルが発熱する。また加熱用電磁
石による磁力の磁路が磁性部材を通って形成されるた
め、加熱用電磁石による磁気的影響は発生しない。そし
て、磁性部材が加熱用電磁石に密着していることから、
加熱用電磁石のコイル内で発生した熱は、速やかに磁性
部材に伝達される。磁性部材は、ガスの流路内に設けて
あるため、速やかにガスを加熱することができる。この
ように、本発明の第1の構成の真空ポンプにおいては、
気体の排気路の近傍に、加熱用電磁石を配設し更に磁性
部材をこの加熱用電磁石の磁力の磁路を形成するように
加熱用電磁石に密着させ、加熱用電磁石に通電すると、
電磁石のコイルで発生したジュール熱が、効率良く磁性
部材へ伝達される。この結果、小さな電力で効率良く、
排気路を加温し反応性ガスの昇華による析出を抑えるこ
とができる。ここで、磁性部材は、加熱用電磁石と一体
成形されていても構わない。そして、電力を小さく抑え
ることができるので、コントローラ電源の負担が少な
く、太いケーブルを使用せずにすみ、取り扱い易く、製
造コストやランニングコストを低く抑えることが可能と
なる。前記加熱用電磁石は、排気路近傍に配置される。
この排気路近傍とは、ロータ部とステータ部により形成
される気体の流路とベースに形成される排気路の連設
部、ベースに形成される排気路のうちロータ部とステー
タ部の近傍等を意味する。排気路近傍は、圧力が相対的
に高くなり、反応性ガスの昇華による析出が起こりやす
いが、本構成によって、この部分の反応性ガスの昇華に
よる析出を確実に防止することができる。そしてこれに
より、気体の流れが妨げられることによる排気機能の低
下や、ロータ部と析出物との接触を防止できる。また、
加熱用電磁石にに供給する電流は直流電流とすることが
でき、これにより交流磁界に起因するノイズの発生を回
避できる。前記ステータ部と前記ベース、前記外筒部と
ベースは、別体であったものが互いに固定されても、一
体成形されたものであってもよい。
【0014】また本発明は、第1の構成の真空ポンプに
おいて、加熱用電磁石と磁性部材とが、間隙を介して対
向している真空ポンプ(第2の構成)を提供する。この
ように加熱用電磁石と磁性部材との間に間隙を設けるこ
とにより、加熱用電磁石コイルが発生するジュール熱を
高い反応性でガス流路の温度コントロールをすることが
可能となる。
【0015】更に本発明は、前記第1または第2の構成
の真空ポンプにおいて、加熱用電磁石は、ベース部及び
ステータ部のうちの一方に、加熱用電磁石と前記一方と
の熱伝導を低減する熱絶縁性部を介して固定されている
真空ポンプ(第3の構成)を提供する。第3の構成の真
空ポンプでは、通電時に銅損により発熱するコイルを内
包する加熱用電磁石が、熱絶縁性部によって熱容量の大
きなポンプ本体から熱的に絶縁されるので、コイルによ
る発熱が排気路以外に逃げることが防止され、一層効率
よく排気路を加熱することができる。前記熱絶縁性部と
しては、前記加熱用電磁石と前記一方との間に配設され
る断熱性材料よりなる部材や、前記加熱用電磁石と前記
一方との間のうち一部のみに熱容量の小さな柱状部材を
介在させ他の部分にエアギャップを形成させたもの等が
挙げられる。本発明は、第1の構成、第2の構成、及び
第3の構成の真空ポンプにおいて、磁性部材に対して固
定配置され、前記加熱用電磁石からの発熱を前記排気路
へ伝達する熱伝達手段を備える真空ポンプ(第4の構
成)を提供する。前記熱伝達手段により発熱が伝達され
る箇所は、排気路近傍であり、ロータ部とステータ部に
より形成される気体の流路とベースに形成される気体の
流路の連設部、ベースに形成される気体の流路のうちロ
ータ部とステータ部の近傍等が挙げられる。排気路近傍
は、真空ポンプの性能に影響しやすく、また流路が狭く
なっている。本発明は、この部分における気体分子の昇
華を確実に防止することができるので、真空ポンプの性
能低下を抑えるとともに振動の発生や部材の損傷を回避
することができる。この場合、熱伝達手段は、気体の排
気路内に配設されることが好ましい。前記ステータ部と
前記ベース、前記外筒部とベースは、別体であったもの
が互いに固定されても、一体成形されたものであっても
よい。
【0016】前記第1の構成から第4の構成の真空ポン
プにおいて、前記加熱用電磁石、前記磁性部材、及び前
記熱伝達手段のうちの少なくとも1つを、真空ポンプの
内部に配設することができる。これにより、気体が直接
加熱され、発熱を良好な効率で利用することができる。
上記第2の目的を達成するために、本発明は、第1の構
成から第4の構成の真空ポンプにおいて、前記加熱用電
磁石、前記磁性部材、及び前記熱伝達手段が、前記真空
ポンプの内部に配設されている真空ポンプ(第5の構
成)を提供する。加熱用電磁石、磁性部材、及び熱伝達
手段が真空ポンプの内部に配設されると、安全保持のた
めの対策を特に講じる必要がなくなり、また、発熱が外
部に漏洩し難く、前記発熱を良好な効率で利用すること
ができる。真空ポンプの内部としては、外筒部の中空部
内、外筒部の内部、ステータ部の表面、ステータ部の内
部、ロータ部の内部、ロータ部の表面、ベースの表面、
及びベースの内部が挙げられる。前記加熱用電磁石及び
前記磁性部材、前記熱伝達手段を真空ポンプの内部に配
設する場合、真空ポンプの内部として、前記気体の流路
や排気路を構成する部材の表面または内部に、配置され
たものとすることができる。これにより、流路や排気路
の気体が直接加熱され、発熱を一層良好な効率で利用す
ることができる。加熱用電磁石や磁性部材、熱伝達手段
を、気体の流路や排気路を構成する部材の表面または内
部に配置する場合としては、例えば、ロータ部としてロ
ータ翼と該ロータ翼を支持するロータ支持体(ロータ本
体)を備え、ステータ部としてステータ翼を支持するス
テータ支持体(スペーサ等)とを備えるターボ分子ポン
プにおいて、加熱用電磁石や磁性部材、熱伝達手段を、
ロータ支持体のスペーサ対向面や、ステータ支持体のロ
ータ対向面に配置する場合が挙げられる。また、ロータ
部のステータ対向面やステータ部のロータ対向面にねじ
溝が形成されているねじ溝式ポンプにおいて、加熱用電
磁石や磁性部材、熱伝達手段を、ロータ及びステータの
うちねじ溝の形成されている面や、このねじ溝の形成さ
れている面の対向面に配置することができる。更に、ベ
ースにおいて排気路を構成する流路面や、ベースの内部
に配置する場合が挙げられる。
【0017】本発明は、第1の構成から第5の構成のう
ちのいずれか1の構成の真空ポンプにおいて、前記加熱
用電磁石は、その抵抗値が25Ω以上である真空ポンプ
(第6の構成)を提供する。加熱用電磁石の抵抗値が2
5Ω以上であると、100Wの電力を加熱用電磁石に供
給した場合にその電流値I≦2(A)となる。したがっ
て、磁気軸受式の真空ポンプの電磁石駆動用ケーブルの
コネクタ端子に空ピンがある場合にこの空ピンを利用す
ることができる。尚、磁気軸受式の真空ポンプの電磁石
駆動用ケーブルは、通常大電流を流す必要がないため、
最大でも4(A)となっており、保証値も考慮すると、
I=2(A)以下であることが好ましく、加熱用電磁石
の抵抗値が25Ω以上であることによって、コネクタ端
子の空ピンを利用できる。本発明は、第1の構成から第
6の構成のうちのいずれか1の構成の真空ポンプにおい
て、前記排気路の温度を検出するための温度センサを備
え、前記制御手段は、前記温度センサからの出力に応じ
て前記加熱用電磁石への通電を制御する真空ポンプ(第
7の構成)を提供する。本発明は、前記第1の構成から
第7の構成のうちのいずれか1の構成の真空ポンプにお
いて、前記加熱用電磁石は、スイッチを介して外部電源
と電気的に接続され、前記スイッチは、前記排気路内の
温度を感知し該温度が所定以上において熱膨張により前
記加熱用電磁石と前記外部電源との接続を遮断する真空
ポンプ(第8の構成)を提供する。このようなスイッチ
を配設することにより、このスイッチが制御手段として
機能し、簡易な構成で、加熱用電磁石の駆動のON/O
FFを自動的に行い排気路を適切な環境温度内に保持す
ることが可能となる。本発明は、第1の構成から第8の
構成のうちのいずれか1の構成の真空ポンプにおいて、
前記熱伝達手段は、前記磁性部材をフィン状に形成して
なる放熱部、または、熱良導性材料により形成され前記
磁性部材に固定された放熱部材である真空ポンプ(第9
の構成)を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明に好適な実施の形態
について、図1から図4を参照して詳細に説明する。図
1は、本発明の真空ポンプの一実施形態としての複合ポ
ンプの全体構成を示す断面図である。尚、本図1および
他の図において、真空ポンプは、外筒体およびその内側
については軸線を中心として対照であるため、その片側
は省略して示されている。図1に示すように、本実施形
態の真空ポンプ(複合ポンプ)は、気体の吸入口16a
を有する外筒部としての外筒体16と、外筒体16の中
空部内に収納されるステータ18と、外筒体16の中空
部内に、ステータ18に対して回転可能に収納され、ス
テータ18とともに吸入口16aからの気体の流路17
を形成するロータ14と、ロータ14を回転させて流路
17の気体を移送するモータ(図示せず)と、外筒体1
6及びステータ18を支持し、外筒体16からの気体が
外部へ排出される排出口49を有するベース19とを備
えている。
【0019】外筒体16は、中空部が略円筒状に形成さ
れており、一方の周縁部に外部の容器に固定されるフラ
ンジ161を有している。他方の周縁部はベース19上
に固定される。そして、フランジ161が外部の容器の
排気口周囲と連結されることにより、外部の容器の内部
と外筒体16の中空部とが連通されるようになってい
る。
【0020】ステータ18は、外筒体16の中空部内に
同軸に固定されるステータ軸(図示せず)と、スペーサ
180と、このスペーサ180,180間に外周側が支
持されるステータ翼181とを備えている。
【0021】ステータ軸は円筒状であり、内周面にモー
タのコイルが固定され、通電によってステータ軸の軸線
回り方向に回転する回転磁界が形成されるようになって
いる。スペーサ180は段部を有する円筒状であり、外
筒体16の内側に積み重ねられている。外筒体16の排
出口49側のスペーサ180には、ねじ溝180aが形
成されており(ねじ溝付きスペーサ)、また、ねじ溝1
80a近傍の温度を検出するための温度センサ51が固
定されている。ステータ翼181は、外周縁部がスペー
サ180間に挟持され、外筒体16内に軸線方向に多段
に複数固定されている。このステータ翼181には、外
周縁部から外筒体16の軸線へ向けて放射状に張り出す
複数のステータブレードを有している。このステータブ
レードは、周回り方向に対して所定角度傾斜して支持さ
れている。
【0022】ロータ14は、ステータ軸の内方において
磁気軸受によって外筒体16と同軸に回転可能に支承さ
れるロータ軸(図示せず)と、ロータ軸からステータ軸
の上方(吸入口16a側外方)に張り出す支持部(図示
せず)と、支持部によりステータ軸の外方にロータ軸と
ともに回転可能に支持されるロータ本体14aとを備え
ている。ロータ軸の外周面には、モータのマグネット
が、ステータ18のステータ軸内周面に固定されるコイ
ルに対向可能に固定されており、このマグネットがコイ
ルによる回転磁界で付勢され、ロータ軸が回転するよう
になっている。
【0023】ロータ本体14aは、ステータ軸を包囲す
るように配置された筒状部14bと、この筒状部14b
の外周面から径方向外方へ向けてステータ翼181間に
張り出すロータ翼141とを備えている。筒状部14b
は、吸入口16a側の外径が小さく排出口49側の外径
が大きくなっており、ロータ翼141は、筒状部14b
の吸入口16a側の外径の小さい部分の外周面から張出
して設けられている。筒状部14bのうち排出口49側
の外径径が大きくなっている部分は、外周面がねじ溝付
きのスペーサ180と近接して対向している。そして、
吸入口16a側においてはロータ翼141によって気体
分子を排出口49側に叩き落とし、排出口49側におい
てねじ溝180aによって気体分子を排出口49側へ移
送し、ベース19の排出口49から排出するようになっ
ている。
【0024】ベース19には、ロータ本体14aとねじ
溝付きのスペーサ180との間からの気体が排出口49
へ移送される流路(排気路19a)が形成されており、
また、ステータ内部等に設けられた電装品からの配線を
結線するための基板を収納する基板収納部40が底部中
央に形成されている。
【0025】図2は、本実施形態のベース内を表す要部
拡大断面図である。ベース19は、図2にも示すよう
に、排気路19a近傍に配設された加熱用電磁石60
と、排気路19a近傍に配置され加熱用電磁石60によ
る磁力の磁路を形成する磁性部材65と、磁性部材65
に固定されて加熱用電磁石60からの発熱を排気路19
aへ伝達する熱伝達手段としての放熱板67とを備えて
いる。
【0026】加熱用電磁石60は、基板収納部40の回
りを複数回周回するように巻回されたコイル61を備え
ており、このコイル61が通電されることによって、コ
イル61の周囲に、複合ポンプの径方向外方側から内方
側へ向かう磁界が形成されるようになっている。コイル
61は、ステータ18側の面が開放された断面略コ字形
のコア62によって三方を覆われており、コイル61に
よる磁力がコア62内に収束し、コア62のステータ1
8側の2つの縁部に磁極が形成されるようになってい
る。コイル61とコア62との間には高熱伝導性のモー
ルド材63が満たされており、コア62の開放された面
からこのモールド材63が排気路19aに露出されてい
る。本実施形態においては、モールド材63は、その耐
熱温度が、コイル61による発熱の温度よりも十分に高
い、200°C以上のものが使用されている。コア62
のうちステータ側の面以外の外周面は、熱絶縁材料より
なる熱絶縁性部としての断熱層68によって、被覆され
ており、加熱用電磁石60はこの断熱層68を介してベ
ース19に固定されている。尚、断熱層68に代えて、
熱伝導性の高くない材料で細い支柱を形成し、この支柱
によってコア62をベース19に支持するようにしても
よい。磁性部材67は、コア62の開放面を覆うように
コア62に固定されており、この磁性部材67のコア6
2と逆側には板状の放熱板67が固定され排気路19a
内に配置されている。
【0027】ベース19の基板収納部40の外方には、
水冷用のジャケット70が固定されており、水冷管7
1,71によって冷水が循環されるようになっている。
この水冷管71,71は、電磁バルブ72によって開閉
されるようになっている。また、本実施形態の複合ポン
プは、図1に示すように、ベース19の排出口49にバ
ックポンプBが接続されている。ターボ分子ポンプ等
は、大気圧からの動作が不可能であるため、予め一定の
圧力以下まで、主ポンプの排気口圧力を下げるためのバ
ックポンプは不可欠である。
【0028】図3は、本実施形態の複合ポンプが具備す
る制御部を表すブロック図である。本実施形態の複合ポ
ンプは、外筒体16の外部に、図3に示すような加熱用
電磁石60のコイル61への通電を制御する制御手段と
しての制御部80を備えている。そして、温度センサ5
1からの温度検知信号が制御部80へ出力され、温度セ
ンサ51からの温度検知信号に基づいて、この制御部8
0において、加熱用電磁石60のコイル61への電流の
供給、電磁バルブ72への電流の供給が制御されるよう
になっている。
【0029】この図3に示すように、制御部80は、電
磁バルブ72の電源(バルブ電源)86と、バルブ電源
86を断続するバルブスイッチ81と、加熱用電磁石6
0のコイル61への通電を断続するコイルスイッチ82
及びアンプ83を含む電流調整器84と、温度センサ5
1からの温度検知信号が入力されこの温度検知信号に基
づいてバルブスイッチ81のON/OFF、及び電流調
整器84のON/OFFと電流の大きさとを判別する判
別手段(判別器)85とを備えている。そして、この制
御部80では、判別器85において、温度センサ51か
らの温度検知信号に基づき検出温度Trが求められ、予
め設定されている設定温度Teと検出温度Trとに基づ
いて、バルブスイッチ81及びコイルスイッチ82のO
N/OFF、コイルスイッチ82を介して供給されるコ
イル61への電流が制御される。
【0030】以上のように構成された本実施形態の複合
ポンプでは、モータによりロータ軸が回転されるとこの
回転がロータ本体14aに伝達され、ロータ本体14a
が定格値(2万〜5万rpm)で高速回転される。そし
てロータ本体14aの回転に伴って、吸入口16aから
の気体がロータ14とステータ18との間の流路17を
移送され、排出口49から排出される。ロータ14の回
転中には、温度センサ51からの温度検出信号が、制御
部80に出力されている。そして、制御部80では、判
別器85による判別結果に基づいて、検出温度Trが設
定温度Tdよりも高い場合(Tr>Td)には、バルブ
スイッチ81がON状態とされ、電磁バルブ72の電源
からの電磁バルブ72へ電流が供給され、電磁バルブ7
2が開放される。その結果、水冷管71からジャケット
70に水冷が流れ込み循環し、ベース19中央部の基板
収納部40や、その上方のステータ軸の周囲が冷却され
る。コイルスイッチ82はOFF状態とされ、コイル6
1には電流は供給されない。
【0031】図4は、本実施形態の複合ポンプの、検出
温度Trが設定温度Td以下である場合の状態を示す図
である。上述のような構成の本実施形態の複合ポンプに
おいては、検出温度Trが設定温度Td以下(Tr≦T
d)である場合には、バルブスイッチ81がOFF状態
とされて電磁バルブ72へは電流が供給されず、電磁バ
ルブ72は閉鎖された状態となる。また、コイルスイッ
チ82はON状態にされ、加熱用電磁石60への通電が
行われる。コイルスイッチ82がON状態のときの加熱
用電磁石60への電流は、設定温度Tdと検出温度Tr
の差Te(Te=Td−Tr)に応じて決定される。本
実施形態においては、設定温度Tdと検出温度Trの差
Teに応じた電流信号が判別器85から出力されアンプ
83により増幅され、差Teに比例した大きさの電流が
コイル61に供給されるようになっている。なお、アン
プ83によるゲインの度合いを差Teに応じて変えるよ
うにしてもよい。また、コイル61に供給される電流の
リミッタを設けておくことにより、起動時のポンプが冷
えた状態において過電流によりコイルの寿命が短くなる
ことを防止してもよい。
【0032】そして、加熱用電磁石60のコイル61
が、差Teの大きさに応じた熱量で発熱する。加熱用電
磁石60の発熱はモールド材63及び磁性部材65を介
して放熱板67に高い効率で伝達され、放熱板67から
排気路19aに放熱され、排気路19aが直ちに加温さ
れる。また、図4に示すように、コイル61による磁力
でコア62に磁極が形成される。本実施形態においては
複合ポンプの外方側の縁部にN極が形成され内方側の縁
部にS極が形成される。そして、コイル61からの磁力
は磁性部材65に収束してコイル61に入る状態とな
る。その結果、加熱用電磁石の磁場が周囲に回り込むこ
とがなく、磁気的ノイズを招く恐れがない。
【0033】この様に、本実施形態の複合ポンプでは、
排気路19aを加温するために、加熱用電磁石60をベ
ース19内にこのベース19とは熱絶縁した状態で配設
しており、通電時に加熱用電磁石60から磁性部材65
を介して放熱板67によって効率よく排気路19aへ伝
達される。従って、本実施形態の複合ポンプによれば、
加熱源(加熱用電磁石60)による発熱が外部へ漏れる
ことがなく且つ排気路19aへ効率よく伝達されるの
で、熱効率が高く、小さな電力に抑えることができる。
そして、電力を小さく抑えることができるので、コント
ローラ電源の負担が少なく、太いケーブルを使用せずに
すみ、例えば、磁気軸受用のピンケーブル等を流用する
ことができ、コストを容易に低減することができる。ま
た、ランニングコストも低く抑えることが可能となる。
また、加熱源(加熱用電磁石60)が外部に露出してい
ないので、安全であり、安全保持のための対策を特に講
じる必要がなくこの点で更にコスト低減が期待できる。
【0034】本実施形態の複合ポンプでは、気体の流路
17の温度を検出する温度センサ51を備えており、温
度センサ51により検出される排気路19aの温度に応
じて加熱用電磁石60のコイル61への電流が制御され
るので、必要に応じて適切に排気路19a及び流路17
が加熱され、一層、省電力、低コストである。本実施形
態の複合ポンプでは、放熱板67により、ねじ溝付きの
スペーサ180近傍が加温されるので、複合ポンプの性
能に影響しやすく、また気体の流路が狭くなっているね
じ溝180aにおける反応性ガスの昇華による析出を確
実に防止でき、効果的に、複合ポンプの性能低下を抑え
るとともにロータ14とステータ18との接触を回避す
ることができる。
【0035】本実施形態の複合ポンプでは、温度センサ
51が、ねじ溝付きのスペーサ180に配設されており
ねじ溝付きのスペーサ180の近傍の温度を検出するの
で、複合ポンプの性能に影響しやすく、また流路17が
狭くなっているねじ溝180aの近傍温度を確実に所定
温度に保持でき、ねじ溝180a近傍における気体分子
の昇華を確実に防止でき、効果的に、複合ポンプの性能
低下を抑え、ロータ14とステータ18との接触を回避
することができる。
【0036】尚、本発明のターボ分子ポンプは、上述の
実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸
脱しない限りにおいて適宜変更可能である。例えば、上
述の実施形態においては、加熱用電磁石及び磁性部材
は、ステータ18やベース49に位置を固定して支持さ
れているが、前記加熱用電磁石及び前記磁性部材のうち
の一方を、他方から後退する方向に付勢支持する支持手
段を設けてもよい。例えば、図5に示すように、加熱用
電磁石60をベース49に固定し、磁性部材65と放熱
板67とを引っ張りばね66等の支持手段によって加熱
用電磁石60に対して進退可能に支持したり、磁性部材
65と放熱板67をステータ18やベース49に対して
固定して配設し、加熱用電磁石を磁性部材65及び放熱
板67等の熱伝達手段に対して進退可能に支持してもよ
い。この場合、加熱用電磁石の駆動が停止されると速や
かに熱の伝達が低下し応答性のよい制御が可能となる。
尚、磁性部材はねじ溝付きのスペーサ180に埋め込ん
だ状態に固定し、ねじ溝付きのスペーサ180を熱伝達
手段として機能させるようにしてもよい。従来より、ス
ペーサ180はアルミニウム等の熱良導性の材料により
形成されている場合が多いので、このような場合には、
スペーサ180を熱伝達手段として利用することが可能
である。そして、スペーサ180を熱伝達手段とするこ
とによって、スペーサ180を加熱用電磁石によって直
接加熱することができる。
【0037】上述の実施形態及び各変形例においては、
熱伝達手段として、熱良導性材料により形成された放熱
板67が磁性部材65に固定されているが、熱伝達手段
はこれに限られるものではなく、磁性部材65に対して
固定配置され、加熱用電磁石60からの発熱を気体の移
送方向における下流側の気体の流路17へ伝達するもの
であればよく、磁性部材65をフィン状に形成してなる
放熱部を熱伝達手段とすることもできる。上述の実施形
態及び各変形例において、加熱用電磁石60と磁性部材
65とは、接触するように配設されているが、加熱用電
磁石60と磁性部材65とは、間隙を介して対向してい
るようにしてもよい。この場合には、加熱用電磁石60
と磁性部材65とは例えばベース49等の同じ部材に支
持されていても、また一方はベース49に支持され他方
はステータ18に支持されるなど、別の部材に支持され
ていてもよい。上述の実施形態及び各変形例において
は、熱伝達手段として熱良導性材料を板状に形成した放
熱部材が用いられているが、フィン状等の良好に放熱可
能な形状に形成したものとしてこれを排気路19a内に
配置し、排気路19aへの放熱効率を高めて一層効率よ
く排気路19aを加温できるようにしてもよい。加熱用
電磁石60と磁性部材65とを間隙を介して対向させか
つ放熱部材をフィン状とした例を図6に示す。
【0038】上述の実施形態及び各変形例においては、
温度センサ51で検出されるによる排気路19aの温度
に応じて制御部80によって加熱用電磁石60のコイル
61への電流が制御されるが、図7に一例を示すよう
に、加熱用電磁石60と外部電源との間にスイッチを介
在配置し、このスイッチが、排気路19a内の温度を感
知し温度が所定以上において熱膨張により加熱用電磁石
60と外部電源との接続を遮断するようにしてもよい。
このスイッチは、バイメタルで形成したものを採用する
ことができる。尚、図7に示す変形例においては板状バ
イメタルが使用されているが、らせん形、うずまき形、
円弧形等のバイメタルとすることもできる。上述の実施
形態及び各変形例においては、熱絶縁性部を、熱絶縁材
料よりなる断熱層68をコア62に被覆して設けている
が、図8に示すように、熱絶縁性部は、熱伝導性の高く
ない材料で形成した支柱95によってコア62をベース
49の部材49aに支持し支柱95以外の部分でコア6
2とベースと49の間に間隙を設けて熱絶縁性部69と
してもよい。
【0039】上述の実施形態及び各変形例においては、
ロータ翼141は筒状部14bの外周面から外方へ向け
て張り出しているが、筒状部14bの内周面から内方へ
向けて張り出したロータ翼を備え、ステータ18のスペ
ーサ180およびステータ翼181を筒状部14bの内
方に配設してもよい。上述の実施形態及び各変形例にお
いては、ねじ溝180aがステータ18(スペーサ18
0)のロータ14対向面側に形成されているが、筒状部
14b等のロータ14のステータ対向面側にもねじ溝が
形成されている真空ポンプにおいては、こちら側にも本
発明を適用して同様に機構を設けることもでき、有効で
ある。上述の実施形態及び各変形例においては、真空ポ
ンプは、ロータ翼141とステータ翼181が配設され
てターボ分子ポンプ部と、ロータ本体14aまたはステ
ータ18にねじ溝180aを配設し、ロータ14部を回
転して気体の粘性を利用して気体を移送するねじ溝式ポ
ンプ部の両方を備えた複合型ターボ分子ポンプとなって
いるが、ターボ分子ポンプ部のみにより気体を吸引する
ターボ分子ポンプや、ねじ溝式ポンプ部のみにより気体
を吸引するねじ溝式ポンプとすることもできる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
小さな電力で効率よく気体の流路を加温して気体の流路
における気体分子成分の析出を回避でき、低コストで、
取り扱い性及び安全性に優れた真空ポンプを提供するこ
とが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の真空ポンプの一実施形態としての複合
ポンプの全体構成を示す断面図である。
【図2】図1の真空ポンプベース内を表す要部拡大断面
図である。
【図3】図1の複合ポンプが具備する制御部を表すブロ
ック図である。
【図4】図1の複合ポンプの、検出温度が設定温度以下
である場合の動作を示す図である。
【図5】本発明の他の実施形態の要部構成断面図であ
る。
【図6】本発明の他の実施形態の要部構成断面図であ
る。
【図7】本発明の他の実施形態の要部構成断面図であ
る。
【図8】本発明の他の実施形態の要部構成断面図であ
る。
【図9】従来技術の真空ポンプの全体構成を示す断面図
である。
【図10】従来技術の真空ポンプが具備する制御部を表
すブロック図である。
【符号の説明】
14 ロータ 14a ロータ本体 14b 筒状部 141 ロータ翼 16 外筒体 16a 吸入口 161 フランジ 17 流路 18 ステータ 180 スペーサ 180a ねじ溝 181 ステータ翼 19 ベース 19a 排気路 40 基板収納部 49 排出口 51 温度センサ 60 加熱用電磁石 61 コイル 62 コア 63 モールド材 65 磁性部材 66 引っ張りばね 67 放熱板 68 断熱層 69 熱絶縁性部 70 ジャケット 71 水冷管 72 電磁バルブ 80 制御部 81 バルブスイッチ 82 コイルスイッチ 83 アンプ 84 電流調整器 85 判別器 86 バルブ電源 95 支柱

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外筒部と、 前記外筒部の中空部内に収納されるステータ部と、 前記外筒部の前記中空部内に、前記ステータ部に対して
    回転可能に収納され、前記ステータ部とともに気体の流
    路を形成するロータ部と、 前記ロータ部を回転させて前記流路内の気体を移送する
    モータと、 前記ステータ部を固定支持し、前記流路からの気体を外
    部へ排出する排気路を有するベース部と、 前記排気路近傍に配設された加熱用電磁石と、 前記排気路近傍に配置され前記加熱用電磁石による磁力
    の磁路を形成する磁性部材と、 前記加熱用電磁石への通電を制御する制御手段と、を備
    えることを特徴とする真空ポンプ。
  2. 【請求項2】 前記加熱用電磁石と前記磁性部材と、間
    隙を介して対向していることを特徴とする請求項1に記
    載の真空ポンプ。
  3. 【請求項3】 前記加熱用電磁石は、前記ベース部及び
    前記ステータ部のうちの一方に、前記加熱用電磁石と前
    記一方との熱伝導を低減する熱絶縁性部を介して固定さ
    れていることを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載の真空ポンプ。
  4. 【請求項4】 前記磁性部材に対して固定配置され、前
    記加熱用電磁石からの発熱を前記排気路へ伝達する熱伝
    達手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項3
    のうちのいずれか1の請求項に記載の真空ポンプ。
  5. 【請求項5】 前記加熱用電磁石、前記磁性部材、及び
    前記熱伝達手段が、前記真空ポンプの内部に配設されて
    いることを特徴とする請求項1から請求項4のうちのい
    ずれか1の請求項に記載の真空ポンプ。
  6. 【請求項6】 前記加熱用電磁石は、その抵抗値が25
    Ω以上であることを特徴とする請求項1から請求項5の
    うちのいずれか1の請求項に記載の真空ポンプ。
  7. 【請求項7】 前記排気路の流路の温度を検出するため
    の温度センサを備え、 前記制御手段は、前記温度センサからの出力に応じて前
    記加熱用電磁石への通電を制御することを特徴とする請
    求項1から請求項6のうちのいずれか1の請求項に記載
    の真空ポンプ。
  8. 【請求項8】 前記加熱用電磁石は、スイッチを介して
    外部電源と電気的に接続され、 前記スイッチは、前記排気路内の温度を感知し該温度が
    所定以上において熱膨張により前記加熱用電磁石と前記
    外部電源との接続を遮断することを特徴とする請求項1
    から請求項7のうちのいずれか1の請求項に記載の真空
    ポンプ。
  9. 【請求項9】 前記熱伝達手段は、前記磁性部材をフィ
    ン状に形成してなる放熱部、または、熱良導性材料によ
    り形成され前記磁性部材に固定された放熱部材であるこ
    とを特徴とする請求項1から請求項8のうちのいずれか
    1の請求項に記載の真空ポンプ。
JP2000231768A 2000-07-31 2000-07-31 真空ポンプ Pending JP2002048088A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000231768A JP2002048088A (ja) 2000-07-31 2000-07-31 真空ポンプ
EP01306187A EP1178217A3 (en) 2000-07-31 2001-07-18 Vacuum pump
US09/915,595 US6629824B2 (en) 2000-07-31 2001-07-26 Vacuum pump
KR1020010046202A KR20020010880A (ko) 2000-07-31 2001-07-31 진공 펌프

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000231768A JP2002048088A (ja) 2000-07-31 2000-07-31 真空ポンプ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002048088A true JP2002048088A (ja) 2002-02-15
JP2002048088A5 JP2002048088A5 (ja) 2007-08-02

Family

ID=18724552

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000231768A Pending JP2002048088A (ja) 2000-07-31 2000-07-31 真空ポンプ

Country Status (4)

Country Link
US (1) US6629824B2 (ja)
EP (1) EP1178217A3 (ja)
JP (1) JP2002048088A (ja)
KR (1) KR20020010880A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014119191A1 (ja) * 2013-01-31 2014-08-07 エドワーズ株式会社 真空ポンプ
JP2019183831A (ja) * 2018-04-16 2019-10-24 プファイファー・ヴァキューム・ゲーエムベーハー 真空ポンプおよびこれを作動させるための方法

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10113329A1 (de) * 2001-03-20 2002-09-26 Leybold Vakuum Gmbh Turbomolekularpumpe
JP2003254285A (ja) * 2002-02-28 2003-09-10 Boc Edwards Technologies Ltd ポンプ装置
JP2003269369A (ja) * 2002-03-13 2003-09-25 Boc Edwards Technologies Ltd 真空ポンプ
JP4007130B2 (ja) * 2002-09-10 2007-11-14 株式会社豊田自動織機 真空ポンプ
GB0502149D0 (en) * 2005-02-02 2005-03-09 Boc Group Inc Method of operating a pumping system
GB0508872D0 (en) * 2005-04-29 2005-06-08 Boc Group Plc Method of operating a pumping system
EP2317148A4 (en) * 2008-08-19 2015-03-25 Edwards Japan Ltd VACUUM PUMP
KR101750572B1 (ko) * 2009-08-21 2017-06-23 에드워즈 가부시키가이샤 진공 펌프
JP6069981B2 (ja) * 2012-09-10 2017-02-01 株式会社島津製作所 ターボ分子ポンプ
JP7242321B2 (ja) * 2019-02-01 2023-03-20 エドワーズ株式会社 真空ポンプ及び真空ポンプの制御装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5181043A (ja) * 1975-01-10 1976-07-15 Sharp Kk Denjikanetsuchoriki
JPH05231380A (ja) * 1992-02-19 1993-09-07 Shimadzu Corp 真空ポンプ
JPH0924322A (ja) * 1995-07-11 1997-01-28 Toray Ind Inc 基板加熱処理用均温プレート
JPH0972293A (ja) * 1995-09-05 1997-03-18 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ターボ分子ポンプ
JPH10306789A (ja) * 1997-05-08 1998-11-17 Daikin Ind Ltd 分子ポンプ

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6419198A (en) * 1987-07-15 1989-01-23 Hitachi Ltd Vacuum pump
JP2564038B2 (ja) * 1990-02-28 1996-12-18 株式会社島津製作所 ターボ分子ポンプ
KR950007378B1 (ko) * 1990-04-06 1995-07-10 가부시끼 가이샤 히다찌 세이사꾸쇼 진공펌프
JP2611039B2 (ja) * 1990-10-25 1997-05-21 株式会社島津製作所 磁気軸受タ−ボ分子ポンプ
US5577883A (en) * 1992-06-19 1996-11-26 Leybold Aktiengesellschaft Gas friction vacuum pump having a cooling system
US5618167A (en) * 1994-07-28 1997-04-08 Ebara Corporation Vacuum pump apparatus having peltier elements for cooling the motor & bearing housing and heating the outer housing
JP3125207B2 (ja) * 1995-07-07 2001-01-15 東京エレクトロン株式会社 真空処理装置
JP3058583B2 (ja) * 1995-12-20 2000-07-04 ヤマト科学株式会社 ロータリエバポレータ
JP3057486B2 (ja) * 1997-01-22 2000-06-26 セイコー精機株式会社 ターボ分子ポンプ
DE19702456B4 (de) * 1997-01-24 2006-01-19 Pfeiffer Vacuum Gmbh Vakuumpumpe
US6193461B1 (en) * 1999-02-02 2001-02-27 Varian Inc. Dual inlet vacuum pumps
US6382249B1 (en) * 1999-10-04 2002-05-07 Ebara Corporation Vacuum exhaust system
US6503050B2 (en) * 2000-12-18 2003-01-07 Applied Materials Inc. Turbo-molecular pump having enhanced pumping capacity

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5181043A (ja) * 1975-01-10 1976-07-15 Sharp Kk Denjikanetsuchoriki
JPH05231380A (ja) * 1992-02-19 1993-09-07 Shimadzu Corp 真空ポンプ
JPH0924322A (ja) * 1995-07-11 1997-01-28 Toray Ind Inc 基板加熱処理用均温プレート
JPH0972293A (ja) * 1995-09-05 1997-03-18 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ターボ分子ポンプ
JPH10306789A (ja) * 1997-05-08 1998-11-17 Daikin Ind Ltd 分子ポンプ

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014119191A1 (ja) * 2013-01-31 2014-08-07 エドワーズ株式会社 真空ポンプ
JPWO2014119191A1 (ja) * 2013-01-31 2017-01-26 エドワーズ株式会社 真空ポンプ
US10364814B2 (en) 2013-01-31 2019-07-30 Edwards Japan Limited Vacuum pump
JP2019183831A (ja) * 2018-04-16 2019-10-24 プファイファー・ヴァキューム・ゲーエムベーハー 真空ポンプおよびこれを作動させるための方法

Also Published As

Publication number Publication date
KR20020010880A (ko) 2002-02-06
US6629824B2 (en) 2003-10-07
EP1178217A2 (en) 2002-02-06
EP1178217A3 (en) 2003-01-02
US20020018727A1 (en) 2002-02-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102676150B1 (ko) 진공 펌프
JP5218220B2 (ja) ターボ分子ポンプ装置およびその制御装置
JP2002048088A (ja) 真空ポンプ
KR101420033B1 (ko) 터보 분자 펌프 장치
JP4657463B2 (ja) 真空ポンプ
KR101552747B1 (ko) 모터 드라이버 회로 및 그 모터 드라이버 회로를 탑재한 진공 펌프
JP2003269367A (ja) 真空ポンプ
JPWO2008062598A1 (ja) 真空ポンプ
JP2006090251A (ja) 真空ポンプ
JP2005083316A (ja) モータ制御システム及び該モータ制御システムを搭載した真空ポンプ
JP3912964B2 (ja) ターボ分子ポンプ
CN110863997A (zh) 带内加热装置的磁悬浮分子泵
JP2007027257A (ja) 冷却システムおよび電子機器
EP1340918A1 (en) Turbomolecular pump
JP2002303293A (ja) ターボ分子ポンプ
CN108730205A (zh) 电源一体型真空泵
JP2968188B2 (ja) 真空ポンプ装置
JP2009019574A (ja) キャンドポンプ
JP7533324B2 (ja) 真空ポンプ
JP3456558B2 (ja) ターボ分子ポンプ
JP2002070788A (ja) ターボ分子ポンプの温度制御回路
WO2024135679A1 (ja) 真空ポンプ
WO2024117080A1 (ja) 真空ポンプ、及び異物センサ
JP2005094818A (ja) 高融点液用キャンドモータの加熱方法およびその装置、ならびに高融点液用キャンドモータの運転装置
WO2022186075A1 (ja) 真空ポンプ

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20040108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040301

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070614

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070614

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20080925

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100401

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100713

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101109