JP2002045178A - 新規イミダーゼ及びそれを用いたβ−カルバモイルカルボン酸誘導体の製造方法 - Google Patents

新規イミダーゼ及びそれを用いたβ−カルバモイルカルボン酸誘導体の製造方法

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JP2002045178A
JP2002045178A JP2000231765A JP2000231765A JP2002045178A JP 2002045178 A JP2002045178 A JP 2002045178A JP 2000231765 A JP2000231765 A JP 2000231765A JP 2000231765 A JP2000231765 A JP 2000231765A JP 2002045178 A JP2002045178 A JP 2002045178A
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pyridinedicarboximide
phthalimide
aminophthalimide
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cyclic imide
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Akira Shimizu
昌 清水
Jun Ogawa
順 小川
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Mitsubishi Chemical Corp
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  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規イミダーゼおよびそれを用いたβ−カル
バモイルカルボン酸誘導体の製造方法を提供することを
課題とする。 【解決手段】 アルスロバクター属微生物から、新規イ
ミダーゼを精製し、該イミダーゼを環状イミドに作用さ
せて、開環体を生成させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、環状イミドの加水
分解を触媒するイミダーゼ及びそれを用いた環状イミド
の開環体の製造方法、並びに微生物及び/又は微生物処
理物を用いた環状イミドの開環体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】有用な環状イミドの開環体としては、例
えば3−カルバモイル−α−ピコリン酸等が挙げられ、
これは生理活性又は薬理活性成分(医薬品、農薬など)
の中間原料として使用することができる。この3−カル
バモイル−α−ピコリン酸の化学的製造法においては、
2,3−ピリジンジカルボキシイミドをアルカリ中で加
水分解する方法があるが、イミドの加水分解反応によ
り、3−カルバモイル−α−ピコリン酸と2−カルバモ
イル−β−ピコリン酸の混合物となり、経済的に有利な
製造方法とは言えない。また生化学的手法により環状イ
ミドを加水分解する方法としてラット肝臓のイミダーゼ
によるイミド類の加水分解例の報告(Y.Yangら
The Journal of Biological
Chemistry 268,10870(199
3))があるが、物質の生産を目的とした方法ではな
く、また、加水分解反応の位置特異性を検討した報告で
はない。
【0003】そこで、アルスロバクター(Arthrobacte
r)属に属する微生物による2,3−ピリジンジカルボ
キシイミドから3−カルバモイル−α−ピコリン酸の選
択的合成方法が報告されているが(平成11年度日本生
物工学会大会講演要旨集(1999)、p182)、この様な選
択的合成を触媒する酵素の精製および詳細な特性評価は
行われておらず、また、他の種類の環状イミドに作用し
て開環体を生成することについても明かにされていなか
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、環状イミド
を加水分解して開環体を生成するイミダーゼ及びそれを
用いた環状イミドの開環体の製造方法、並びに微生物及
び/又は微生物処理物を用いた環状イミドの開環体の製
造方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アルスロ
バクター(Arthrobacter)属に属する微生物より、2,
3−ピリジンジカルボキシイミドから3−カルバモイル
−α−ピコリン酸の選択的合成を触媒するイミダーゼを
精製することに成功し、本発明を完成した。また、前記
イミダーゼが他の種類の環状イミドから、その開環体を
生成することを見いだし、本発明を完成した。さらに、
2,3−ピリジンジカルボキシイミドにアルスロバクタ
ー属に属する微生物を作用することにより、3−カルバ
モイル−α−ピコリン酸を製造できることから、本発明
を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、下記(1)及び
(2)に記載の理化学的性質を有するイミダーゼ(以
下、本発明酵素と称する)を提供する。 (1)作用:環状イミドを加水分解し、開環体を生成す
る。 (2)基質特異性:フタルイミド、2,3−ピリジンジ
カルボキシイミド、3,4−ピリジンジカルボキシイミ
ド、4−アミノフタルイミド、N−ヒドロキシフタルイ
ミド、N−アミノフタルイミド、N−ブロモフタルイミ
ド、N−メチルフタルイミド、N−(シクロヘキシルチ
オ)フタルイミド、5−メチルイサチンの環状イミドを
加水分解するが、ヒダントイン、ジヒドロウラシル、グ
ルタル酸イミド、コハク酸イミドの環状イミドを加水分
解しない。
【0007】本発明酵素は、さらに下記(3)〜(5)
に記載の理化学的性質を有することが挙げられる。 (3)TSK G3000SW(トーソー(株))を用
いたゲル濾過法により測定される分子量:約101,0
00ダルトン (4)SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動におい
て、少なくとも32,500ダルトンと推定されるポリ
ペプチドのバンドを示す。 (5)アミノ末端のアミノ酸配列が配列番号1で示され
るポリペプチドを含む。
【0008】本発明酵素は、さらに下記(6)〜(9)
に記載の理化学的性質を有することが挙げられる。 (6)至適pH:9付近(2,3−ピリジンジカルボキ
シイミドを基質とした場合) (7)至適温度:45℃付近(2,3−ピリジンジカル
ボキシイミドを基質とした場合) (8)安定pH:5〜9付近(30℃、20分の処理) (9)安定温度:約30℃未満(pH7.4、20分の
処理)
【0009】本発明酵素は、さらに下記(10)及び
(11)に記載の理化学的性質を有することが挙げられ
る。 (10)阻害:p−クロロメルクリ安息香酸塩によって
活性が阻害される。Fe2+によって活性が阻害される。 (11)ミカエリス定数(Km): 約2.07×10-4M(フタルイミドを基質とした場
合) 約6.67×10-4M(2,3−ピリジンジカルボキシ
イミドを基質とした場合) 約3.33×10-4M(3,4−ピリジンジカルボキシ
イミドを基質とした場合)
【0010】また本発明は、フタルイミド、2,3−ピ
リジンジカルボキシイミド、3,4−ピリジンジカルボ
キシイミド、4−アミノフタルイミド、N−ヒドロキシ
フタルイミド、N−アミノフタルイミド、N−ブロモフ
タルイミド、N−メチルフタルイミド、N−(シクロヘ
キシルチオ)フタルイミド、5−メチルイサチンからな
る群から選択される環状イミドに、本発明酵素を作用さ
せて、環状イミドの開環体を作成することを含む、環状
イミドの開環体の製造方法を提供する。
【0011】さらに本発明は、フタルイミド、3,4−
ピリジンジカルボキシイミド、4−アミノフタルイミ
ド、N−ヒドロキシフタルイミド、N−アミノフタルイ
ミド、N−ブロモフタルイミド、N−メチルフタルイミ
ド、N−(シクロヘキシルチオ)フタルイミド、5−メ
チルイサチンから選択される環状イミドに作用し、それ
ぞれの開環体を生成する能力を有する微生物および/ま
たは微生物処理物を、フタルイミド、3,4−ピリジン
ジカルボキシイミド、4−アミノフタルイミド、N−ヒ
ドロキシフタルイミド、N−アミノフタルイミド、N−
ブロモフタルイミド、N−メチルフタルイミド、N−
(シクロヘキシルチオ)フタルイミド、5−メチルイサ
チンからなる群から選択される環状イミドに作用させ
て、該環状イミドの開環体を生成させることを特徴とす
る環状イミドの開環体の製造方法を提供する。
【0012】また、前記微生物は、アルスロバクター属
に属する微生物であることが挙げられる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 <本発明酵素>本発明酵素の理化学的性質について説明
する。 (1)作用:環状イミドを加水分解し、開環体を生成す
る。この環状イミドの加水分解は、位置特異的に行われ
ること、具体的には、2,3−ピリジンジカルボキシイ
ミド(一般式1)を基質とした場合、2−カルバモイル
−β−ピコリン酸(一般式2)よりも、3−カルバミル
−α−ピコリン酸(一般式3)が選択的に生成されるこ
とが確認されている。また、フタルイミド、2,3−ピ
リジンジカルボキシイミド、3,4−ピリジンジカルボ
キシイミド等の芳香族環状イミドにおいて高い活性を示
すことも確認されている。
【0014】
【化1】
【0015】(2)基質特異性:フタルイミド(一般式
4)、2,3−ピリジンジカルボキシイミド(一般式
1)、3,4−ピリジンジカルボキシイミド(一般式
5)、4−アミノフタルイミド(一般式6)、N−ヒド
ロキシフタルイミド(一般式7)、N−アミノフタルイ
ミド(一般式8)、N−ブロモフタルイミド(一般式
9)、N−メチルフタルイミド(一般式10)、N−
(シクロヘキシルチオ)フタルイミド(一般式11)、
5−メチルイサチン(一般式12)の環状イミドを加水
分解するが、ヒダントイン、ジヒドロウラシル、グルタ
ル酸イミド、コハク酸イミドの環状イミドを加水分解し
ない。
【0016】
【化2】
【0017】本発明の酵素は、上記の芳香族環状イミド
や、フタルイミドのN置換誘導体等の環状イミドを加水
分解する。一方、既知の環状アミド加水分解酵素の基質
である、ヒダントイン、ジヒドロウラシル、2,4−チ
アゾリジンジオン等の環式ウレイドや、グルタル酸イミ
ド、コハク酸イミド、2−メチルコハク酸イミド等の単
環式イミドには加水分解しない。以上のことから、本発
明酵素は既知の酵素ではないと考えられる。
【0018】また、上記の(1)、(2)に記載の理化
学的性質は、例えば、基質と生成物との間に、光吸収、
蛍光、旋光度などの光学特性に差異がある場合、それを
指標として光学機器で測定する分光学的方法や、HPL
Cを用いた基質と生成物の同定やそれぞれの量の変化を
測定する方法等により確認することができる。
【0019】(3)TSK G3000SW(トーソー
(株))を用いたゲル濾過法により測定される分子量:
約101,000ダルトン (4)SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動におい
て、少なくとも32,500ダルトンと推定されるポリ
ペプチドのバンドを示す。 (5)アミノ末端のアミノ酸配列が配列番号1で示され
るポリペプチドを含む。
【0020】上記の(3)、(4)、(5)に記載の理
化学的性質は、後記実施例に示した方法により確認する
ことができる。ここで、SDS−ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動において、32,500ダルトンおよび30,000ダル
トンの分子量と推定される2本のポリペプチドのバンド
が示されており、また、それぞれのバンドについてアミ
ノ末端のアミノ酸配列が全く同じ配列であることから、
30,000ダルトンのポリペプチドは、32,500ダルトンのポ
リペプチドがプロテアーゼ消化を受けて生成したもので
あることが示唆される。また、本発明酵素の分子量か
ら、前記32,500ダルトンのポリペプチドのホモ3量体で
あることが示唆される。
【0021】(6)至適pH:9付近(2,3−ピリジ
ンジカルボキシイミドを基質とした場合) (7)至適温度:45℃付近(2,3−ピリジンジカル
ボキシイミドを基質とした場合) (8)安定pH:5〜9付近(30℃、20分の処理) (9)安定温度:約30℃未満(pH7.4、20分の
処理) 上記の(6)〜(9)に記載の理化学的性質は、後記実
施例に示した方法により確認することができる。
【0022】(10)阻害:p−クロロメルクリ安息香
酸塩によって活性が阻害される。Fe2+によって活性が
阻害される。このように本発明酵素は、通常状態の活性
を100%とした場合、SH阻害剤であるp−クロロメ
ルクリ安息香酸塩(1mM)の存在下で活性が20〜3
0%程度、また金属イオンのFe2+(1mM)の存在下
で活性が50〜60%程度となり、活性が阻害される。 (11)ミカエリス定数(Km): 約2.07×10-4M(フタルイミドを基質とした場
合) 約6.67×10-4M(2,3−ピリジンジカルボキシ
イミドを基質とした場合) 約3.33×10-4M(3,4−ピリジンジカルボキシ
イミドを基質とした場合)
【0023】<本発明の酵素を用いた環状イミド開環体
の製造方法>本発明酵素を用いて環状イミドの開環体を
製造する方法としては、上述した環状イミドを酵素に作
用させて、生成物の開環体を製造することができるもの
であれば特に限定されるものではなく、例えば、酵素を
含む溶液に基質を添加させて製造する方法や、固定化酵
素を用いた反応器によって製造する方法等が挙げられ
る。そこで本明細書において、本発明酵素は、精製若し
くは部分精製された酵素、及びそれらの固定化物全てを
含有する概念として用いられる。さらに、反応条件とし
ては温度4〜50℃、好ましくは20〜30℃の範囲で
行い、pH4.0〜11、好ましくはpH5.0〜10
の範囲で行う。環状イミドの濃度は0.0001〜80
%、好ましくは0.01〜50%の範囲が望ましく、必
要ならば反応の間、環状イミドは追補添加される。ま
た、反応溶液の組成としてはシクロヘキサノンなどの有
機溶媒等を含み、二相反応系のものを用いるのが、非酵
素的加水分解を抑えることができ好ましい。
【0024】<本発明の微生物を用いた環状イミド開環
体の製造方法>本発明の微生物による製造方法で使用さ
れる微生物、微生物処理物は、フタルイミド、3,4−
ピリジンジカルボキシイミド、4−アミノフタルイミ
ド、N−ヒドロキシフタルイミド、N−アミノフタルイ
ミド、N−ブロモフタルイミド、N−メチルフタルイミ
ド、N−(シクロヘキシルチオ)フタルイミド、5−メ
チルイサチンから選択される環状イミドに作用し、それ
ぞれの開環体を生成する能力を有するものであれば、特
に限定されるものではないが、上述した本発明酵素、ま
たは、その機能的に均等な酵素を産生する微生物、該微
生物処理物が挙げられる。
【0025】この様な微生物としては、例えばアルスロ
バクター(Arthrobacter)属に属する微生物が挙げら
れ、具体的菌株としては、アルスロバクター・エスピー
(Arthrobacter sp.)MCI3652株、アルスロバク
ター・エスピー(Arthrobactersp.)MCI3653株
およびこれらの近縁種が挙げられる。MCI3652
株、MCI3653株は、本発明者らにより天然土壌か
ら分離された菌株であり、それぞれ工業技術院生命工学
技術研究所(茨城県つくば市東一丁目1番3号)に平成
11年1月21日に受領され、FERM P−1715
4およびFERM P−17155として寄託されてい
る。
【0026】MCI3652株及びMCI3653株
は、1)グラム陽性桿菌、2)好気性、3)芽胞を形成
しない、4)多形性を示す、5)グルコース等の糖類か
ら酸を生成しない、6)細胞壁の主要アミノ酸としてリ
ジンを有する、7)細胞壁のアシル基型はアセチル型、
8)主要なイソプレノイドキノンはメナキノンMK9
(H2)を有する、などの特徴を有している。これらの
特徴から、上記菌株はバージェイズマニュアル・システ
マティック・バクテリオロジー〔Bergey's Manualof Sy
stematic Bacteriology〕第2巻、1288〜1301
頁(1986)に記載されているアルスロバクター(Ar
throbacter)属に帰属するものと考えられた。
【0027】また、上記2種の菌株は、細胞壁のアミノ
酸および糖組成より、アルスロバクター ウレアファシ
エンス(Arthrobacter ureafaciens)またはアルスロバ
クター シトレウス(Arthrobacter citreus)に近縁で
あることが示唆された。そこで、上記2種の菌株の16
SrDNA(約1500bp)の塩基配列をそれぞれ決
定し、データーベースにおいて検索を行った。その結
果、MCI3652株と、アルスロバクター ウレアフ
ァシエンス及びアルスロバクター シトレウスとの相同
性は、それぞれ99.4%及び95.8%であった。さ
らに、MCI3652株と、MCI3653株との相同
性は、99.3%であった。従って以上のことから、運
動性の有無で相違が見られたが、MCI3652株及び
MCI3653株は、アルスロバクター ウレアファシ
エンスに帰属させるのが妥当と考えられた。また上記2
種の菌株は、コロニー色調、無機窒素源利用、および1
6S rDNA塩基配列の相違から、同種異株であるこ
とが判明した。
【0028】微生物の培養に用いる培養液としては、特
に限定されるものではないが、微生物が資化しうる炭素
源、窒素源、及び無機イオン等が含まれる。炭素源とし
ては、グルコース、フルクトース、サッカロース等の炭
水化物、グリセロール、マンニトール、キシリトール、
リビトール等のポリアルコール類、有機酸その他が適宜
使用される。窒素源としては、NZアミン、トリプトー
ス、酵母エキス、ポリペプトン、肉エキス、大豆抽出物
などの有機窒素源、あるいは硫酸アンモニウム塩、硝酸
アンモニウム塩などの無機窒素源、その他などが適宜使
用される。無機イオンとしては、リン酸イオン、マグネ
シウムイオン、鉄イオン、マンガンイオン、モリブデン
イオンその他が必要に応じ適宜使用される。更に、イノ
シトール、パントテン酸、ニコチン酸アミドその他のビ
タミン類を必要に応じ添加することは有効である。酵素
の誘導剤として、イミド類が適宜使用される。培養は、
好気的条件下に、pH約3〜11、温度約4〜50℃の
適当な範囲に制御しつつ1〜100時間行う。
【0029】本発明の微生物を用いた製造方法において
は、上記微生物の1種あるいは2種以上を用いて製造す
ることができる。微生物、微生物処理物としては、具体
的には、培養して得られた上記微生物をそのまま、ある
いは培養して得られた上記微生物を公知の手法で処理し
たもの、即ち、アセトン処理したもの、凍結乾燥処理し
たもの、物理的または酵素的に破砕したもの等の微生物
処理物、およびそれらの活性画分を用いることができ
る。
【0030】さらには、このようにして得られた微生
物、微生物処理物等を通常の固定化技術を用いて、すな
わち、ポリアクリルアミド、カラギーナンゲル等の担体
に固定化したもの等を用いることも可能である。そこで
本明細書において、「微生物及び/または微生物処理
物」の用語は、上述の微生物、微生物処理物、及びそれ
らの固定化物全てを含有する概念として用いられる。
【0031】環状イミドの開環体を製造する方法とし
て、上述した微生物を培養し、得られた微生物及び/ま
たは微生物処理物に、環状イミドを添加し反応させ環状
イミドの開環体を得る方法、培地に環状イミドを添加し
培養と反応を同時に行う方法、あるいは培養終了後、環
状イミドを添加して更に反応を行う方法等を適宜用いる
ことができる。反応は温度4〜70℃、好ましくは20
〜50℃の範囲で行い、pH2〜11、好ましくは5〜
10の範囲で行う。環状イミドの濃度は0.0001〜
80%、好ましくは0.01〜50%の範囲が望まし
く、必要ならば反応の間、環状イミドは追補添加され
る。
【0032】培養及び反応で得られた環状イミドの開環
体の採取方法としては、微生物などの固形分を遠心分
離、フィルタープレス、限外濾過などの通常の分離装置
により除去した後に反応液を、有機溶媒による抽出、晶
析、カラムクロマトグラフィー、濃縮、蒸留などの分離
精製手段に供することにより光学活性体を得ることがで
き、分離精製手段は単独でまたは複数の手段を組み合わ
せて利用できる。前記有機溶媒としては例えばブタノー
ルなどのアルコール類、へキサン、シクロへキサン、ト
ルエン等の炭化水素類、クロロホルム、塩化メチレンな
どのハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、酢酸メチルな
どのエステル類、シクロヘキサノンなどのケトン類、エ
ーテル類、これらの混合溶媒などが利用できる。特にシ
クロヘキサノンは2,3−ピリジンジカルボキシイミド
の反応において有効である。本発明の微生物による製造
方法では、微生物またはその処理物の活性を利用して環
状イミドから環状イミドの開環体を簡便な方法で経済的
に有利に製造できる。
【0033】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0034】〔参考例1〕MgSO4・7H2O(0.0
3%)、酵母エキス(0.01%)、グリセロール
(1.0%)、NH4Cl(0.4%)、フタルイミド
(0.5%)、リン酸緩衝液(100mM、pH7.
0)を含む液体培地(以下、「培地A」と称する)にて
培養したアルスロバクター・エスピー(Arthrobacter s
p.)MCI3652株の湿菌体1gを、2mLの酢酸ナ
トリウム緩衝液(pH5.5)に懸濁し、そこへ20m
Mの2,3−ピリジンジカルボキシイミド(PDI)を
含むシクロヘキサノン溶液2mLを添加し、30℃、3
00rpmにて振とう反応を行った。このようにして反
応を行うことにより、PDIは有機相から供給され、そ
して反応が水相で行われることとなり、PDIの自然に
起きる無作為な加水分解を防ぐことができる。
【0035】反応40分後、遠心分離(3,500rpm、
10分)により酢酸ナトリウム緩衝液相と、シクロヘキ
サン相を分離後、それぞれの相におけるPDI含量をH
PLC(カラム:Cosmosil 5C18AR-II、溶媒組成:水/
アセトニトリル/トリフルオロ酢酸=90/10/0.
1、送液量:1mL/min、検出器:UV210n
m)で分析したところ、PDIの消失が観察されたの
で、シクロヘキサン相を20mM PDIを含む新たな
シクロヘキサン溶液に交換し、さらに80分間反応を継
続した。図1に反応の進行に伴うPDIの減少、3−カ
ルバモイル−α−ピコリン酸(α−3CP)、2−カル
バモイル−β−ピコリン酸(β−2CP)、2,3−ピ
リジンジカルボン酸(PDC)の生成を示す。計120
分の反応において累計40mMのPDIから、36.6
mMのα−3CP、2.1mMのβ−2CPが生成し
た。
【0036】〔実施例1〕3Lの培地Aに、アルスロバ
クター・エスピーMCI3652株を接種し、5Lジャ
ーファーメンターを用いて28℃、48時間培養した。
計6Lの培地から得られた25gの湿菌体を25mLの
20mMトリス塩酸緩衝液(pH7.4)に懸濁後、ダ
イノ-ミル(DYNO-MILL、ウイリー・エー・バコーフェン
社製)によりガラスビーズで破砕し、破砕液を遠心分離
(10,000rpm、30分)することにより無細胞抽出液を
得た。得られた無細胞抽出液について、DEAE-Sephacel
カラム(ファルマシア社製)を用いたアニオン交換クロ
マトグラフィーを行い、塩化ナトリウムの濃度勾配溶出
により本酵素活性を有する画分を回収した。さらに得ら
れた活性画分について硫酸アンモニウムによる塩析を行
い、活性を示す40−60%飽和画分を回収した。この
画分を Phenyl-Sepharose HR10/10カラム(ファルマシ
ア社製)を用いた疎水性カラムクロマトグラフィーによ
り精製し、最後に Mono Q 5/5カラム(ファルマシア社
製)を用いたアニオン交換クロマトグラフィーを行い、
最終精製酵素標本を得た。
【0037】さらに各精製工程におけるタンパク質の酵
素活性を、100mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.
0)、1.25mMの2,3−ピリジンジカルボキシイ
ミド、0.03mgの各精製工程におけるタンパク質を含
む、200μLの反応液を30℃にてインキュベートす
ることにより反応を行い、基質2,3−ピリジンジカル
ボキシイミドの減少にともなう285nmの吸光度の減
少を吸光光度計にてモニターすることにより測定した。
各工程における、総タンパク質量、総活性、比活性、及
び精製度を表1に示す。
【0038】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── 精製工程 総タンパク質量 総活性 比活性 精製度 (mg) (μmol/min)(μmol/min/mg) 倍 ──────────────────────────────────── 無細胞抽出液 1150 645 0.56 1 DEAE-Sephacel 344 542 1.58 2.8 硫酸アンモニウム画分 96.6 177 1.83 3.24 Phenyl-Sepharose 3.80 168 44.3 78.6 HR10/10 Mono Q HR5/5 0.34 23.0 68.6 123 ────────────────────────────────────
【0039】得られた本酵素標本は、SDS-PAGE(12.
5%ポリアクリルアミド)において2本のバンドを示
し、分子量マーカーとして(タンパク質分子量マーカー
「第一」III、第一化学薬品株式会社製)を用いた場
合、その分子量はそれぞれ32,500および30,000ダルトン
であると推定された。この2本のバンドをPVDF膜に転写
後切り出し、それぞれのN末端アミノ酸配列をプロテイ
ンシークエンサー(Model476A、アプライドバイオシス
テムズ社製)により自動エドマン分解法にて解読した。
その結果、それぞれのポリペプチドのN末端アミノ酸配
列は、下記に示すように、測定したN末端アミノ酸の最
初の30アミノ酸が全く同一であることが明かにされ
た。 30,000ダルトンのポリペプチド:XDNRLYDYSA
IVDRPALQWPDGKRVAFYVG(配列番号
1) 32,500ダルトンのポリペプチド:XDNRLYDYSA
IVDRPALQWPDGKRVAFYVGLNID
(配列番号2)
【0040】また、本酵素標本を未変性下でゲル濾過法
(TSK G3000-SW、トーソー(株)社製)により分子量を
測定したところ、分子量マーカーとして(MW-MARKER(H
PLC)、オリエンタル酵母株式会社製)を用いた場合、1
0,100ダルトンであること推定された。以上のことか
ら、分子量30,000ダルトンのポリペプチドは、分子量3
2,000ダルトンのポリペプチドがプロテアーゼ消化を受
けて生成されたものであることが示唆され、さらに本酵
素は分子量32,500のタンパク質から構成されるとする
と、ホモ3量体であると示唆された。
【0041】〔実施例2〕100mMリン酸カリウム緩
衝液(pH7.0)、1.25mM 2,3−ピリジン
ジカルボキシイミド、0.2ユニットの実施例1と同様
の精製方法により得られた本酵素標本(1ユニットは
2,3−ピリジンジカルボキシイミドを基質として1分
間に1マイクロモルの基質を変換する酵素量)を含む、
200μLの反応液を30℃にてインキュベートするこ
とにより反応を行った。反応の進行は基質2,3−ピリ
ジンジカルボキシイミドの減少にともなう285nmの
吸光度の減少を吸光光度計にてモニターすること、ある
いは、基質2,3−ピリジンジカルボキシイミドの減少
をHPLC(カラム:Cosmosil 5C18AR-II、溶媒組成:
水/アセトニトリル/トリフルオロ酢酸=90/10/
0.1、送液量:1mL/min、検出器:UV210
nm)にて定量することにより行った。反応終了後の反
応液をHPLCにより分析したところ、3−カルバモイ
ル−α−ピコリン酸と2−カルバモイル−β−ピコリン
酸が、約85:15の比で生成していた。
【0042】その他の基質、フタルイミド、3,4−ピ
リジンジカルボキシイミド、4−アミノフタルイミド、
N−ヒドロキシフタルイミド、N−アミノフタルイミ
ド、N−ブロモフタルイミド、N−メチルフタルイミ
ド、N−(シクロヘキシルチオ)フタルイミド、5−メ
チルイサチンについても同様の反応を行い、基質の減少
をHPLCにて定量した。生成物の確認も同様に行い、
HPLCで確認できる生成物は1ピークのみであり、対
応する環状イミドの開環体が定量的に生成していること
を確認した。また、反応における各基質の濃度、酵素の
相対活性、ミカエリス定数(Km)、Vmax、Vmax/Kmを、
表2に示す。また、表2中において、フタルイミド、
2,3−ピリジンジカルボキシイミド、3,4−ピリジ
ンジカルボキシイミド、4−アミノフタルイミド、N−
ヒドロキシフタルイミド、N−アミノフタルイミド、N
−ブロモフタルイミド、N−メチルフタルイミド、N−
(シクロヘキシルチオ)フタルイミド、5−メチルイサ
チンは、それぞれ、化合物A、C、D、E、F、G、
H、I、Jとして示してある。
【0043】
【表2】 表2 ──────────────────────────────────── 基質 濃度 相対活性 Km Vmax Vmax/Km (mM) (%) (mM) (μmol/min/mg)(μmol/min/mg/mM) ──────────────────────────────────── 化合物A 0.6 49.5 0.207 15.8 76.3 化合物B 1.25 100 0.667 114 171 化合物C 1.25 70.2 0.333 133 399 化合物D 0.6 0.461 n.d n.d n.d 化合物E 1.25 2.24 n.d n.d n.d 化合物F 1.25 0.474 n.d n.d n.d 化合物G 1.0 0.509 n.d n.d n.d 化合物H 1.25 n.d n.d n.d n.d 化合物I 0.6 3.61 n.d n.d n.d 化合物J 1.0 0.952 n.d n.d n.d ──────────────────────────────────── n.dは未測定。
【0044】〔実施例3〕実施例1と同様の精製方法に
よって得られた本酵素標本の、至適pH、至適温度、安
定pH、安定温度等の特性評価を行った。尚、以下の標
準測定条件、1.25mM 2,3−ピリジンジカルボ
キシイミド、0.2ユニットの本酵素標本を含む容量2
00μlの反応液、285nmの吸光度の減少に基づい
た2,3−ピリジンジカルボキシイミド減少量の測定方
法は特に記載の無い限り同一であるものとする。 至適pH 上記の標準測定条件において、反応を30℃の温度で行
い、緩衝液とpHを変えることにより、緩衝液とpHの
影響を調べた結果を図2に示す。図2中、□は酢酸/酢
酸ナトリウム緩衝液、◇はリン酸カリウム緩衝液、○は
トリス/HCl緩衝液、△はホウ酸塩/NaOH緩衝液
である。その結果、pH9付近が至適pHであることが
判明した。 至適温度 上記の標準測定条件において、100mMリン酸カリウ
ム緩衝液を含む反応液(pH7.0)で、30〜60℃
まで温度を変化させることにより、温度の影響を調べた
結果を図3に示す。その結果、45℃付近が至適温度で
あることが判明した。 安定pH 上記の標準測定条件において、30℃、20分間の処理
で、緩衝液とpHを変え、緩衝液とpHの影響を調べた
結果を図4に示す。図2中、□は酢酸/酢酸ナトリウム
緩衝液、◇はリン酸カリウム緩衝液、○はトリス/HC
l緩衝液、△はグリシン/NaOH緩衝液である。その
結果、pH5〜9付近が安定pHであることが判明し
た。 安定温度 上記の標準測定条件において、100mMリン酸カリウ
ム緩衝液を含む反応液(pH7.4)、20分間の処理
で、20〜60℃まで温度を変化させることにより、温
度の影響を調べた結果を図5に示す。その結果、約30
℃未満が安定温度であることが判明した。
【0045】
【発明の効果】本発明により、環状イミドから開環体を
生成することができるイミダーゼが提供される。また、
本発明のイミダーゼは、基質2,3−ピリジンジカルボ
キシイミドから選択的に3−カルバモイル−α−ピコリ
ン酸を生成できるため、特に有用環状イミドの開環体の
選択的な合成を行う製造方法が提供される。さらに、微
生物を用いた環状イミドの開環体の製造方法が提供され
る。
【0046】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> 三菱化学株式会社(Mitsubishi Chemical Corporation) <120> 新規イミダーゼ及びそれを用いたβ−カルバモイルカルボン酸誘導体の製 造方法 <130> J05276 <160> 2 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 30 <212> PRT <213> Arthrobacter ureafaciens <220> <221> UNSURE <222> (1) <223> Xaa=unkwnon <400> 1 Xaa Asp Asn Arg Leu Tyr Asp Tyr Ser Ala Ile Val Asp Arg Pro Ala 1 5 10 15 Leu Gln Trp Pro Asp Gly Lys Arg Val Ala Phe Tyr Val Gly 20 25 30 <210> 2 <211> 34 <212> PRT <213> Arthrobacter ureafaciens <220> <221> UNSURE <222> (1) <223> Xaa=unkwnon <400> 2 Xaa Asp Asn Arg Leu Tyr Asp Tyr Ser Ala Ile Val Asp Arg Pro Ala 1 5 10 15 Leu Gln Trp Pro Asp Gly Lys Arg Val Ala Phe Tyr Val Gly Leu Asn 20 25 30 Ile Asp
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のイミダーゼによる、酵素反応の時間
経過による基質および反応生成物の濃度の変化を示す。
【図2】 本発明のイミダーゼの2,3−ピリジンジカ
ルボキシイミドの加水分解における至適pHを明かにす
る、pHと相対活性との関係を示す。
【図3】 本発明のイミダーゼの2,3−ピリジンジカ
ルボキシイミドの加水分解における至適温度を明かにす
る、温度と相対活性との関係を示す。
【図4】 本発明のイミダーゼのpH安定性を明かにす
る、pHと相対活性との関係を示す。
【図5】 本発明のイミダーゼの温度安定性を明かにす
る、温度と相対活性との関係を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:06) C12R 1:06) (C12N 1/20 (C12N 1/20 C12R 1:06) C12R 1:06) (C12P 13/02 (C12P 13/02 C12R 1:06) C12R 1:06) (C12P 17/12 (C12P 17/12 C12R 1:06) C12R 1:06) Fターム(参考) 4B050 CC01 FF04E FF09E FF11E LL05 4B064 AE02 AE49 CA02 CA21 CB06 CC03 CD12 DA16 4B065 AA13X AC14 BA22 BB13 CA16 CA18 CA31 CA44 CA47

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記理化学的性質を有するイミダーゼ。 (1)作用:環状イミドを加水分解し、開環体を生成す
    る。 (2)基質特異性:フタルイミド、2,3−ピリジンジ
    カルボキシイミド、3,4−ピリジンジカルボキシイミ
    ド、4−アミノフタルイミド、N−ヒドロキシフタルイ
    ミド、N−アミノフタルイミド、N−ブロモフタルイミ
    ド、N−メチルフタルイミド、N−(シクロヘキシルチ
    オ)フタルイミド、5−メチルイサチンの環状イミドを
    加水分解するが、ヒダントイン、ジヒドロウラシル、グ
    ルタル酸イミド、コハク酸イミドの環状イミドを加水分
    解しない。
  2. 【請求項2】 さらに下記の理化学的性質を有する、請
    求項1記載のイミダーゼ。 (3)TSK G3000SW(トーソー(株))を用
    いたゲル濾過法により測定される分子量:約101,0
    00ダルトン (4)SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動におい
    て、少なくとも32,500ダルトンと推定されるポリ
    ペプチドのバンドを示す。 (5)アミノ末端のアミノ酸配列が配列番号1で示され
    るポリペプチドを含む。
  3. 【請求項3】 さらに下記の理化学的性質を有する、請
    求項1又は2記載のイミダーゼ。 (6)至適pH:9付近(2,3−ピリジンジカルボキ
    シイミドを基質とした場合) (7)至適温度:45℃付近(2,3−ピリジンジカル
    ボキシイミドを基質とした場合) (8)安定pH:5〜9付近(30℃、20分の処理) (9)安定温度:約30℃未満(pH7.4、20分の
    処理)
  4. 【請求項4】 さらに下記理化学的性質を有する、請求
    項1〜3の何れか一項記載のイミダーゼ。 (10)阻害:p−クロロメルクリ安息香酸塩によって
    活性が阻害される。Fe2+によって活性が阻害される。 (11)ミカエリス定数(Km): 約2.07×10-4M(フタルイミドを基質とした場
    合) 約6.67×10-4M(2,3−ピリジンジカルボキシ
    イミドを基質とした場合) 約3.33×10-4M(3,4−ピリジンジカルボキシ
    イミドを基質とした場合)
  5. 【請求項5】 フタルイミド、2,3−ピリジンジカル
    ボキシイミド、3,4−ピリジンジカルボキシイミド、
    4−アミノフタルイミド、N−ヒドロキシフタルイミ
    ド、N−アミノフタルイミド、N−ブロモフタルイミ
    ド、N−メチルフタルイミド、N−(シクロヘキシルチ
    オ)フタルイミド、5−メチルイサチンからなる群から
    選択される環状イミドに、請求項1〜4のいずれか一項
    に記載のイミダーゼを作用させて、該環状イミドの開環
    体を生成させることを特徴とする環状イミドの開環体の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 フタルイミド、3,4−ピリジンジカル
    ボキシイミド、4−アミノフタルイミド、N−ヒドロキ
    シフタルイミド、N−アミノフタルイミド、N−ブロモ
    フタルイミド、N−メチルフタルイミド、N−(シクロ
    ヘキシルチオ)フタルイミド、5−メチルイサチンから
    選択される環状イミドに作用し、それぞれの開環体を生
    成する能力を有する微生物および/または微生物処理物
    を、フタルイミド、3,4−ピリジンジカルボキシイミ
    ド、4−アミノフタルイミド、N−ヒドロキシフタルイ
    ミド、N−アミノフタルイミド、N−ブロモフタルイミ
    ド、N−メチルフタルイミド、N−(シクロヘキシルチ
    オ)フタルイミド、5−メチルイサチンからなる群から
    選択される環状イミドに作用させて、該環状イミドの開
    環体を生成させることを特徴とする環状イミドの開環体
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記微生物は、アルスロバクター属に属
    する微生物である、請求項6記載の環状イミドの開環体
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1326993C (zh) * 2005-05-25 2007-07-18 山西大学 一种环亚胺水解酶基因及其表达蛋白的应用

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