JP2002018690A - 多心光コネクタフェルールの端面研磨方法 - Google Patents

多心光コネクタフェルールの端面研磨方法

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JP2002018690A
JP2002018690A JP2000208981A JP2000208981A JP2002018690A JP 2002018690 A JP2002018690 A JP 2002018690A JP 2000208981 A JP2000208981 A JP 2000208981A JP 2000208981 A JP2000208981 A JP 2000208981A JP 2002018690 A JP2002018690 A JP 2002018690A
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face
ferrule
optical
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Yoshinari Baba
吉成 馬場
Juichi Noda
壽一 野田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フェルールの結合端面を高い平面度と歩留り
をもって研磨し、光ファイバのフェルールに対する突出
寸法を好適突出寸法とする。また、マルチモードファイ
バであってもコア部分に凹みが生じることがなく研磨す
る。 【解決手段】 第1の研磨工程によって、フェルール3
の結合端面3aと光ファイバ4の端面に付着している接
着剤を除去し、これらの端面を平滑にする。第2の研磨
工程により光ファイバの端部をフェルール3の結合端面
3aに対して一定量突出させる。この突出寸法は約5μ
mである。研磨材として、繻子織りの研磨シートを用い
る。第2の研磨工程によって得られた突出寸法を、第3
の研磨工程によって所定の突出寸法にする。この所定の
突出寸法は、光ファイバの接続に好適な突出寸法(約2
μm)である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多心光コネクタフ
ェルールの端面研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光通信分野において、光ファイバの接続
に用いられる光コネクタとしては、単心のものと多心の
ものがある。図5にMT光コネクタと呼ばれている多心
光コネクタの結合前の状態を示す。この多心光コネクタ
1は、光ファイバ心線2の端部に取付けられた多心コネ
クタフェルール(以下、フェルールともいう)3を備え
ている。フェルール3は、結合端面3aに開孔する複数
の微小なファイバ用挿通孔を有し、これらの挿通孔に前
記光ファイバ心線2を形成する各光ファイバ4の端部
を、その端面が結合端面3aに露出するようにそれぞれ
挿通しエポキシ系接着剤等によって固定している。接着
剤は、結合端面3aから突出している光ファイバ4の突
出端部(端部の一部)のみをフェルール3に固定してい
るのではなく、ファイバ用挿通孔の内部にも注入され、
端部をしっかりとフェルール3に固定している。フェル
ール3に固定している光ファイバ心線2にフェルール3
が固定されると、フェルール3の結合端面3aは光ファ
イバ4の端面とともに研磨され、これらの端面に付着し
ている接着剤が除去される。5,6は一対の多心光コネ
クタ1,1を接続するためのガイド孔とガイドピンで、
一方のフェルール3の結合端面3aに一対のガイド孔5
が前記ファイバ用挿通孔の両側に形成されることにより
雌型のフェルールを形成し、他方のフェルール3の結合
端面に一対のガイドピン6が前記ガイド孔5に対応して
突設されることにより雄型のフェルールを形成してい
る。
【0003】多心コネクタフェルール3の結合端面3a
の研磨方法としては、フラット研磨、突出研磨、
斜め研磨の3種類が知られている。フラット研磨は、
結合端面3aと光ファイバ4の端面を同一平面となるよ
うに研磨する方法で、現状においては研磨方法の主流を
なしている。の突出研磨は、結合端面3aを平滑に研
磨し、光ファイバと結合端面3a(合成樹脂、ガラス繊
維等からなる)との硬度差等を利用して、光ファイバ4
の端部を結合端面3aに対して所定量突出させる研磨方
法である。斜め研磨は結合端面3aを斜めに研磨する
点で突出研磨と異なっているが、光ファイバ4の端部を
結合端面3aに対して所定量突出させる点で、突出研磨
に分類されるものである。このうち、本発明は突出研磨
(斜め研磨を含む)に関する。
【0004】ところで、2つのフェルール3の結合端面
3aをガイド孔5とガイドピン6によって合わせた時
に、フラット研磨された結合端面3aでは、凹みが形成
される場合がしばしばあり、この場合に結合端面3a間
に隙間が生じて、光ファイバ4の端面が互いに接触せ
ず、このため光の接続損失が大きくなるという問題があ
った。この問題解決のため、従来は、屈折率整合剤を結
合端面3aの間に塗布する方法がといられている。しか
し、頻繁に着脱する場合は、屈折率整合剤の掃除・塗布
作業が煩わしいという問題があった。このため、最近で
は突出研磨が用いられ、屈折率整合剤を使用しない方法
が実用されるようになった。突出研磨の場合は、光ファ
イバ4の端部を結合端面3aから突出させるので、2つ
のフェルール3の結合端面3aにおいてまず光ファイバ
4の突出端部が接触し、かつ突出端部に押圧力がかか
り、結果として良好な光接続が得られる。なお最近は光
ファイバ心線2の結合端面3a内での位置精度を大変良
好に調整でき、突出研磨の場合に光ファイバ4の突出端
部が相互に接触できないということは殆どない。
【0005】突出研磨において、光ファイバ4の多心コ
ネクタフェルール3の結合端面3aに対する好適突出寸
法は約2μm程度とされ、これより大きかったり小さい
と接続損失が増加するため良好な接続性能が得られなく
なることが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記した突出研磨方法
において、光ファイバ4のフェルール3の結合端面3a
に対する最適突出寸法は2μm程度とされるが、従来は
バフによる研磨方法を採用しているため、図6に示すよ
うに1μm程度しか突出させることができず、接続損失
が大きいという問題があった。また、フェルールの結合
端面を高い平面度をもって研磨することができず、さら
には各光ファイバ4のコア部分に凹み10が生じ光学性
能を低下させるという問題もあった。なお、図6は8本
の光ファイバ4からなる光ファイバ心線2に固定された
フェルールの結合端面と光ファイバ4の突出端部の断面
曲線を示す図である。
【0007】表3は従来のバフ研磨により作成された試
料(図6の断面曲線を測定した試料)の突出量、突出端
部頂点の凹み量、接続損失を本発明と比較対照用に示し
たものである。突出量は1.0〜1.1μm、凹み量は
0.2〜0.3μmであり、接続損失は0.6〜0.9
dBと大きく、ばらつきも大きい。
【0008】
【表3】
【0009】本発明は上記した従来の問題を解決するた
めになされたもので、その目的とするところは、フェル
ールの結合端面を高い平面度と歩留りをもって研磨する
ことができ、またフェルールに対する光ファイバの突出
寸法を好適突出寸法とすることができ、しかもマルチモ
ード光ファイバであってもコア部分に凹みが生じること
がなく、良好な光学性能を得ることができるようにした
多心光コネクタフェルールの端面研磨方法を提供するこ
とにある。なお、マルチモード光ファイバとは、光が伝
播するコア部の直径が62.6μmまたは50μmであ
り、シングルモード光ファイバのコア部の直径よりも大
きい光ファイバである。コア部は屈折率を高めるため
に、Ge等が添加されている。そのために、コア部はク
ラッド部(外径125μm)よりも柔らかく、より研磨
され易い特長があることが公知である。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に第1の発明は、光ファイバの端部が接着剤を介して固
定された多心光コネクタフェルールの結合端面を研磨す
る研磨方法において、前記多心光コネクタフェルールの
前記結合端面(光ファイバの端面または突出端面を含
む)を研磨することによりこれらの端面に付着している
前記接着剤を除去し、前記結合端面の表面をほぼ平坦化
する第1の研磨工程と、前記結合端面を繻子織り研磨シ
ートを用いて研磨することにより前記光ファイバを前記
結合端面に対して一定量突出させる第2の研磨工程と、
前記光ファイバの突出端面を研磨することにより光ファ
イバの結合端面からの突出寸法を所定の突出寸法にする
第3の研磨工程とを備えたものである。
【0011】第2の発明は、上記第1の発明において、
第2の研磨工程が光ファイバの端部を多心コネクタフェ
ルールの結合端面に対して約5μm突出させ、第3の研
磨工程が光ファイバの突出寸法を約2μmにするもので
ある。
【0012】本発明において、第1の研磨工程は、フェ
ルールの結合端面と光ファイバの端面に付着している接
着剤を除去し、これらの端面を平滑にする。第2の研磨
工程は、研磨材として繻子織りの研磨シートを用いてい
るので、光ファイバの端部をフェルールの結合端面に対
して一定量突出させる。この突出寸法は約5μmで、好
適とされる所定の突出寸法より大きい。繻子織りの研磨
シートは、洋服地のサテン織りと同じ織り方で製作した
特製の研磨シートである。第3の研磨工程は、第2の研
磨工程によって得られた突出寸法を所定の突出寸法にす
る。この所定の突出寸法は、光ファイバの接続に好適な
突出寸法(約2μm)で、接続損失を小さくすることが
できる。なお、第1から第2の研磨工程においては、結
合端面の研磨は光ファイバの端面あるいは突出端部の研
磨と同時に行われ、第3の研磨工程においては、突出端
部のみの研磨が行われる。第2の研磨工程は突出研磨で
あるが、その際にコア部(突出端部の先端)に凹みが生
じることがあるので突出端部の先端を平滑化すること、
および突出端部の調整を行うために、第3の研磨工程が
必要である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る研磨方法を詳
細に説明する。図1は本発明に係る研磨方法を実施する
ために用いられる研磨装置と研磨シートの斜視図であ
る。同図において、研磨装置20は箱型の筐体21を備
え、この筐体21の上面に研磨板22、電源スイッチ2
3、タイマー24、スタートスイッチ25および支柱2
6が設置されている。支柱26は、上下動自在でかつ水
平面内において回動自在なアーム27と、このアーム2
7を多心コネクタフェルール3の研磨時に所定の高さ位
置まで下降させてその位置にロックするロックナット2
8を備えている。アーム27の先端には、スピンドル2
9が上下動自在に取付けられ、かつ図示しない圧縮コイ
ルばねによって下方に付勢されている。前記スピンドル
29の下端には、コネクタセット治具30が取付けられ
ている。
【0014】前記コネクタセット治具30は、8個の多
心コネクタフェルール3の同時研磨を可能にするもの
で、スピンドル29の下端に水平に取付けられた八角形
の板31と、この板31の各辺に一対のねじ32によっ
てそれぞれ取付けられた8個の押圧板33とを備えてい
る。なお、34は光ファイバ心線2を引っ掛けておくた
めのバー、35は研磨液の容器である。
【0015】次に、研磨装置20による多心コネクタフ
ェルール3の結合端面3aの研磨方法について説明す
る。本発明による研磨方法は、第1の研磨工程、第2の
研磨工程および第3の研磨工程に別れている。第1の研
磨工程は、多心光コネクタフェルール3の結合端面3a
と光ファイバ4(図5)の端面に付着している接着剤を
除去してこれらの端面を平坦面とする工程で、メタルボ
ンドフィルム(電着ダイヤ)等からなる第1の研磨シー
ト40と、純水等の研磨液が用いられる。
【0016】第2の研磨工程は、フェルール3の結合端
面3aを研磨して光ファイバ4の端部を結合端面3aか
ら一定量突出させる工程である。この突出寸法は、光フ
ァイバ4の好適とされる所定の突出寸法(約2μm)よ
り大きく、約5μmが好ましい。第2の研磨工程におい
ては、第2の研磨シート41と研磨液が用いられる。
【0017】第2の研磨シート41は、繻子織り(サテ
ン織り)の研磨シートで、例えば図1に示すようにポリ
エステル製の細い(50デニール)径糸42に対して、
これより太い(150デニール)緯糸43を、均等な本
数を飛ばして表面側に隆起するように織った布を薄いシ
ートに貼り付けて研磨シートとしたものである。なお、
図1においては、4目に対して1目だけ緯糸43が径糸
42の表面側に隆起するように繻子織りした例を示して
いる。研磨液としては、アルミナ溶液等が用いられる。
【0018】第3の研磨工程は、第2の研磨工程によっ
て突出された光ファイバの突出端面を研磨して所定の突
出寸法にする工程である。この所定寸法は、光ファイバ
の接続に好適な突出寸法で、約2μmとされる。第3の
研磨工程においては、第3の研磨シート45と研磨液が
用いられる。第3の研磨シート45としては、例えば酸
化セリウムシート(酸化セリウムの研磨粉をシートにコ
ート処理したもの)とか、ダイアモンドシートが用いら
れる。研磨液としては、純水等が用いられる。
【0019】研磨に際して、先ず光ファイバ4の端部が
接着剤を介して固定されたフェルール3をコネクタセッ
ト治具30に取付ける。接着剤は接合端面3aから突出
している光ファイバ4の突出端部を固定するだけでな
く、ファイバ用挿通孔の内部にも注入され、端部をフェ
ルール3に固定している。フェルール3のコネクタセッ
ト治具30への取付けは、ねじ32を緩めて各押圧板3
3と板31の各辺との間にフェルール3を、その結合端
面3aを下に向けて差し込み高さ方向の位置決めと傾き
調整を行った後、ねじ32を締め付ければよい。これに
よって、フェルール3は、板31と押圧板33とによっ
て挟持され、コネクタセット治具30に取付けられる。
【0020】次に、研磨板22の表面に第1の研磨シー
ト40を貼り付ける。
【0021】第1の研磨シート40を研磨板22に貼り
付けた後、アーム27を手で回動させてコネクタセット
治具30を研磨板22の上方に移動させる。そして、ロ
ックナット28を回転させてアーム27を下降させ、フ
ェルール3の結合端面3aを第1の研磨シート40の表
面に押し付ける。フェルール3は第1の研磨シート40
に接触すると、それ以上下降することができないため、
スピンドル29が上昇して内部に組み込まれている圧縮
コイルばねを徐々に圧縮し、このばねの弾撥力でフェル
ール3を第1の研磨シート40に押し付ける。なお。フ
ェルール3に対する押圧力は、スピンドル29に設けた
ばね力調整用ねじ50によって自由に可変設定すること
が可能である。
【0022】次に、タイマー24によって第1の研磨工
程の研磨時間を設定し、スタートスイッチ25をONに
すると、研磨板22が回転して第1の研磨シート40が
フェルール3の結合端面3aと光ファイバ4の端面に付
着している接着剤を除去し、これらの端面を平坦面にす
る。研磨中は純水を研磨液として第1の研磨シート40
に適下する。研磨板22は、第1の研磨シート40の表
面全体による研磨を可能にするため、遊星歯車の回転運
動に類似した回転運動を行う。
【0023】第1の研磨工程が終了すると、研磨板22
を停止させ、ロックナット28の回転操作によってアー
ム27を上昇させてフェルール3を第1の研磨シート4
0から離間させる。次に、第1の研磨シート40を研磨
板22から剥離して第2の研磨シートである繻子織り研
磨シート41を研磨板22に貼着する。また、タイマー
24によって第2の研磨工程の研磨時間を設定する。
【0024】次に、アーム27を再び降下させてフェル
ール3を繻子織りの研磨シート41に所定の圧力で押し
付け、スタートボタン25をONにして研磨板22を回
転させる。さらに、繻子織り研磨シート41に研磨液と
してアルミナ(#2000)溶液等を適下させることに
より、フェルール3の結合端面3aを所定時間研磨す
る。これにより、光ファイバ4を結合端面3aから一定
量突出させることができる。この場合、繻子織り研磨シ
ート41を用いると、光ファイバ4を約5μm突出させ
ることができる。これは、繻子織り布の表面側に突出し
ている太い径糸43を細い緯糸42の表面側に特定の間
隔で突出させていることによるものと思われる。特定の
間隔としては、4目に1目の割合が好ましい。
【0025】第2の研磨工程が終了すると、研磨板22
を停止させ、ロックナット28の回転操作によってアー
ム27を上昇させてフェルール3を繻子織り研磨シート
41から離間させる。次に、繻子織り研磨シート41を
研磨板22から剥離して第3の研磨シート45を研磨板
22に貼着する。また、タイマー24によって第3の研
磨工程の研磨時間を設定する。
【0026】次に、アーム27を再び降下させてフェル
ール3を第3の研磨シート45に所定の圧力で押し付
け、スタートボタン25をONにして研磨板22を回転
させる。さらに、第3の研磨シート45に研磨液として
酸化セリウム(#8000)溶液等を適下させることに
より、光ファイバ4の突出端面を所定時間研磨する。こ
れにより、フェルール3の結合端面3aに対する光ファ
イバ4の突出寸法を所定の突出寸法とすることができ
る。この突出寸法は約2μmで、接続に好適な突出寸法
である。
【0027】
【実施例】次に、本発明による実施例について説明す
る。エポキシ系の合成樹脂と細かいガラス繊維を混ぜて
形成した多心コネクタフェルールを8個用意し、これら
のフェルールを2本の光ファイバからなる多心光ファイ
バ心線にぞれぞれエポキシ系接着剤によって固定した。
そして、8個のフェルールの結合端面を図1に示した研
磨装置20によって、表1に示す研磨条件で研磨した。
【0028】
【表1】
【0029】研磨に際しては、各研磨工程が終了すると
研磨されたサンプルを取り出してその研磨面を測定し
た。なお、これらの研磨工程において、フェルールに対
する押圧力は約150g/l端子とした。
【0030】図2は、第1の研磨工程が終了した後のフ
ェルールの結合端面(光ファイバの端面を含む)の断面
曲線を示す図である。この図から明らかなように、フェ
ルールの結合端面の表面粗さは約0.2μmであるが、
光ファイバの突き出しは見られず、突出量は0で、結合
端面の平面度も良好であった。
【0031】図3は、第2の研磨工程が終了した後のフ
ェルールの結合端面と光ファイバの突出端部の断面曲線
を示す図である。この図から明らかなように、光ファイ
バの突出量は約5μmであった。また、フェルールの結
合端面の表面粗さは約0.2μm以下で、平面度も良好
であった。2本の光ファイバの先端には凹みが認められ
なかった。
【0032】図4は、第3の研磨工程が終了した後のフ
ェルールの結合端面と光ファイバの突出端部の断面曲線
を示す図である。この図から明らかなように、光ファイ
バの突出量は約2μmであった。フェルール面の表面粗
さは約0.2μm以下であった。また、光ファイバのコ
ア部には凹みが認められず、平滑に研磨されていること
が確認された。さらに、フェルールの結合端面を高い平
面度で研磨することができ、図6に示した従来の研磨方
法による平面度に比べて優れていることが確認された。
【0033】さらに、本実施例によって研磨された光コ
ネクタにおける光ファイバの突出量と接続損失を測定し
た。その測定結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】表2から明らかなように、本研磨方法によ
れば光ファイバの突出寸法を容易にかつ歩留りよく好適
突出寸法とすることができ、接続損失を0.2dB以下
と小さくすることができることが確認された。
【0036】なお、本実施の形態においては、第2の研
磨工程の突出量を約5μmとしたが、必ずしも5μmに
限定されるものではなく、例えばシングルモード光ファ
イバの場合、3μm程度でもよい。シングルモード光フ
ァイバの場合、コア部が9μmと小さいため、凹みの発
生が少ないからである。そのため、第3の研磨工程での
ファイバ突出端面を平坦に研磨する量は少なくて済み、
約1μmの研磨により最終の光ファイバの突出量として
2μmを得ることができる。第3の研磨工程の好適な光
ファイバの突出量は、現在業界では2μmが使用されて
いるが、理論的な裏付けは目下研究中である。したがっ
て、好適突出量2μmとしたが、この値に限定されるも
のではなく、突出量1.5〜2.5μmは本発明の方法
により、例えば研磨時間を変える等により任意に作製可
能である。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る多心光
コネクタフェルールの端面研磨方法は、第1の研磨工程
において多心光コネクタフェルールの結合端面と光ファ
イバの端面に付着している接着剤を除去するとともに結
合端面の表面をほぼ平坦化し、第2の研磨工程において
繻子織りの研磨シートを用いてフェルールの結合端面を
研磨することにより光ファイバの端部を前記結合端面に
対して一定量突出(約5μm)させ、第3の研磨工程に
おいて光ファイバの突出端面を研磨することにより光フ
ァイバの突出寸法を所定の突出寸法(約2μm)とする
ようにしたので、突出寸法を好適突出寸法に仕上げるこ
とができ、また光ファイバのコア部分に凹部が生じず、
良好にかつ歩留り良く研磨することができ、接続損失が
小さい多心光コネクタフェルールを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る研磨方法を実施するために用い
られる研磨装置と研磨シートの斜視図である。
【図2】 第1の研磨工程が終了した後のフェルールの
結合端面(光ファイバの端面を含む)の断面曲線を示す
図である。
【図3】 第2の研磨工程が終了した後のフェルールの
結合端面と光ファイバの突出端部の断面曲線を示す図で
ある。
【図4】 第3の研磨工程が終了した後のフェルールの
結合端面と光ファイバの突出端部の断面曲線を示す図で
ある。
【図5】 多心光コネクタフェルールの一部を分解して
示す斜視図である。
【図6】 従来の研磨方法による多心コネクタフェルー
ルの結合端面と光ファイバの突出端部の断面曲線を示す
図である。
【符号の説明】
1…多心光コネクタ、2…光ファイバ心線、3…多心コ
ネクタフェルール、3a…結合端面、4…光ファイバ、
5…ガイド孔、6…ガイドピン、20…研磨装置、22
…研磨板、30…コネクタセット治具、40…第1の研
磨シート、41…第2の研磨シート(繻子織り研磨シー
ト)、45…第3の研磨シート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野田 壽一 東京都新宿区西新宿二丁目1番1号 エ ヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株 式会社内 Fターム(参考) 2H036 QA13 QA22 QA29 2H038 CA22 3C049 AA07 AC04 BA02 CA01 CB01 CB03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバの端部が接着剤を介して固定
    された多心光コネクタフェルールの結合端面を研磨する
    研磨方法において、 前記多心光コネクタフェルールの前記結合端面(光ファ
    イバの端面または突出端面を含む)を研磨することによ
    りこれらの端面に付着している前記接着剤を除去し、前
    記結合端面の表面をほぼ平坦化する第1の研磨工程と、 前記結合端面を繻子織り研磨シートを用いて研磨するこ
    とにより前記光ファイバを前記結合端面に対して一定量
    突出させる第2の研磨工程と、 前記光ファイバの突出端面を研磨することにより光ファ
    イバの結合端面からの突出寸法を所定の突出寸法にする
    第3の研磨工程と、 からなることを特徴とする多心光コネクタフェルールの
    端面研磨方法。
  2. 【請求項2】 第2の研磨工程は光ファイバの端部を多
    心コネクタフェルールの結合端面に対して約5μm突出
    させ、第3の研磨工程は光ファイバの突出寸法を約2μ
    mにすることを特徴とする請求項1記載の多心光コネク
    タフェルールの端面研磨方法。
JP2000208981A 2000-07-10 2000-07-10 多心光コネクタフェルールの端面研磨方法 Pending JP2002018690A (ja)

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