JP2002012467A - 調湿建材 - Google Patents

調湿建材

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JP2002012467A JP2000189690A JP2000189690A JP2002012467A JP 2002012467 A JP2002012467 A JP 2002012467A JP 2000189690 A JP2000189690 A JP 2000189690A JP 2000189690 A JP2000189690 A JP 2000189690A JP 2002012467 A JP2002012467 A JP 2002012467A
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    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/18Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing mixtures of the silica-lime type
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 湿気の吸放湿量、透湿性、および不燃性に優
れ、かつ建材として使用できる十分な強度を持った調湿
建材を提供する。 【解決手段】 主成分が炭酸カルシウムと非晶質シリカ
である成形体を炭酸硬化反応によって製造する。その成
形体は、窒素ガス吸着法により測定した比表面積が80
〜250m/g、平均細孔直径が1.5〜30.0n
mとなるようにし、かつ、その熱伝導率が0.4W/m
K以下となるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に不燃性に優れ
た無機系で、室内の湿度を調整する機能を持つ調湿建材
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から調湿性のある建築材として、一
般に炭酸カルシウムを主成分としたしっくいがある。し
っくいは調湿建材として古くから使用されているが、実
際は吸放湿量が少ない。そして、乾燥収縮によるクラッ
クを防止するために、厚くしたり、例えばすさ等の補強
繊維を多量に混入する必要がある。しかし、厚くすると
吸放湿量は増えるが透湿性が落ちるという問題があり、
調湿性能は上がらない。
【0003】このしっくいの調湿性を改善した材料とし
て、非晶質シリカを含む珪藻土を内添したしっくいや、
非晶質シリカを含む珪藻土を内添したセメント板がある
が、珪藻土がしっくいやセメントのアルカリ成分によっ
て変質し、本来珪藻土が持っている高い比表面積を低下
させてしまい、十分に調湿効果がでない。
【0004】また、建材としては、一般的に強度、寸法
安定性や不燃性が求められるが、前述の材料は重量があ
る割に強度が低い。つまり比強度が低い。また、吸水に
よる長さ変化率が大きく、クラックが発生したり寸法安
定性に劣る。そして、クラック防止のために、すさ等を
多量に混入すると不燃性が下がる等の問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な問題を解決し、湿気の吸放湿量、透湿性に優れ、かつ
建材として使用できる十分な強度を持った不燃性調湿建
材を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の調湿建
材は、炭酸硬化反応によって製造された成形体であっ
て、主成分が炭酸カルシウムと非晶質シリカである成形
体からなる調湿建材において、窒素ガス吸着法によるそ
の比表面積が80〜250m /g、平均細孔直径が
1.5〜30.0nmであり、かつ、熱伝導率を0.4
W/mK以下としたところに特徴を有する。ここで、熱
伝導率はJIS A1412「熱断熱材の熱伝導率及び
熱抵抗の測定方法」に従って測定した数値をいう。
【0007】人間が快適に生活していくための相対湿度
条件は、一般に40〜70%の間がよいといわれてい
る。室内湿度をその間に保つためには、その範囲におい
てすぐれた調湿能力を発揮する調湿建材が適している。
また、調湿材とは、表面物理の観点からみた場合、高湿
度雰囲気では材料が持つ毛細管により空気中の水蒸気を
吸着し、低湿度雰囲気では吸着された水分を空気中に放
出する能力が高い材料であるといえる。
【0008】では実際にどのような材料が優れた調湿建
材となり得るかについて鋭意研究した結果、発明者ら
は、炭酸硬化反応によって製造された成形体であって主
成分が炭酸カルシウムと非晶質シリカからなるものにお
いては、平均細孔直径及び比表面積が調湿性能に大きく
影響することを見い出した。すなわち、調湿は材料内部
にある微細空隙壁に水蒸気が吸着・離脱することによっ
て行われるため、微細な細孔を持ち、かつ、比表面積の
大きな材料ほど吸放湿量が高い。しかし、細孔径が極端
に小さい場合には、水蒸気の離脱が困難になり吸湿はす
るが放湿しない状態になるので、比表面積が80〜25
0m/gであって、平均細孔直径が1.5〜30.0
nmの範囲が最適である。
【0009】さらに、調湿建材としては、熱伝導率も重
要な要素であることが見いだされた。これが例えば壁材
料として使用されると、室外側が外気によって冷却され
る冬季では、熱伝導率が高いと室内側も低温になり、室
内側の表面に結露を生ずることがある。特に調湿建材を
断熱性の低いコンクリート壁に取り付けた場合には、こ
のような現象が起こりやすい。調湿建材表面に結露した
場合は、その結露水は内部に吸収されていくが、結露水
は水蒸気でなく液体であるため、材料内部への進入は遅
くなり、表層に過剰な水分が分布することになる。この
ことは調湿建材にとって問題とされるべきである。表層
に液体としての水分が過剰に集中すると、材料内部への
水分の吸収率が低下するため、その後の調湿性が低下す
ることになるからである。さらには、液体状に存在する
水分はカビの発生を促し、美観上、健康上好ましくない
状態になる可能性がある。日本の気候状況および住宅の
壁構造から、木材を内装仕上げに使用した場合に表面結
露が起きにくいことがわかっている。一般的に使用され
る木材の熱伝導率は、JIS A1412「熱断熱材の
熱伝導率及び熱抵抗の測定方法」に従って測定すると、
高くても0.4W/mK(カエデ等)である。そこで、
0.4W/mK以下にした本発明の調湿建材について研
究した結果、調湿性に非常に優れていることが究明され
た。これを越えると、壁体の両側で温度差が大きいとき
に表層に結露水が発生してその後の吸湿性が急激に低下
するからである。
【0010】また、炭酸硬化反応により製造された成形
体の組成を、炭酸カルシウムが15%〜65%、非晶質
シリカが15%〜45%、および骨材と多孔質材の一方
または双方で構成させるのが好ましい。さらに、炭酸カ
ルシウム中にバテライトが含まれるようにするとより好
ましい。これらの組成により、全体として数nmの微細
孔を持つ比表面積の非常に大きな材料となるからであ
る。なお、前記成形体には骨材及び多孔質材の一方又は
双方が60%以下含むことができ、多孔質材が60%以
下であれば、十分な比強度を保ちながら調湿性能をあげ
ることができる。
【0011】また、骨材が60%以下かつ骨材の平均粒
径を10μm以上とすることにより、JIS A 54
30に示される、吸水による長さ変化率を0.25%以
下とすることができ、寸法安定性にも優れた特徴を持つ
こともできる。吸水による長さ変化率はJIS A 5
430に示されるように0.25%以下が望ましいとい
えるからである。ここで骨材には、珪石粉末、長石粉
末、雲母、人工軽量骨材等を用いることができ、また、
多孔質材には、アルミナ珪酸塩類を含むものや軽石やバ
ルン状充填材等を用いることができる。なお、主成分の
炭酸カルシウムは、700℃以上の高温で加熱されると
吸熱反応を起こして二酸化炭素と酸化カルシウムに解離
するから、不燃性に優れた建材でもある。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の調湿建材の出発原料とし
て、石灰質原料粉末と珪酸質原料粉末を用い、それを任
意のカルシウムとシリカ成分のモル比率(CaO/Si
)となるように調整する。過剰なSiOは後述の
水和反応またはオートクレーブ反応で反応せず骨材とし
て残る。残った骨材の平均直径は10μm〜3mmが望
ましい。石灰質原料粉末として普通セメント、早強セメ
ント等のポルトランドセメント、消石灰、生石灰等の一
種または2種以上の混合物が使用できる。また、珪酸質
原料粉末としては、珪砂、珪石粉末、石炭灰、シリカゲ
ル、クリストバライト、珪藻土等の一種または2種以上
の混合物が使用できる。ただし、別途骨材及び多孔質材
の一方又は双方を必要に応じて60%以下混入しても良
い。
【0013】混入できる骨材は例えば珪石粉末、長石粉
末、雲母、人工軽量骨材などがあり、その場合の平均粒
径も10μm〜3mmが望ましい。多孔質材は例えばア
ルミナ珪酸塩類を含むものや軽石やバルン状充填材等が
ある。なお、骨材と多孔質材の添加は、反応前または、
後述する加圧成形前でも良い。それを水和反応もしくは
オートクレーブ反応で、珪酸カルシウム系の水和物を生
成する。例えば180℃ではその主成分がトバモライト
であり、余剰な珪酸質原料が骨材となる粉末が合成でき
る。これを、プレス機を使用して板状に加圧成形を行
う。加圧力は5〜30MPaが望ましい。なお、加圧成
形を行う前に、0.1〜5.0%の補強繊維、0.01
〜5%の無機顔料、0.01〜5%の消臭効果のある化
学吸着剤を混入しても良い。さらに、材料の強度を増加
させる目的で普通、早強、中庸熱、白色などのポルトラ
ンドセメントやγ−CSを炭酸硬化後材料の炭酸カル
シウム含有量が65%を越えないように混入してもよ
い。なお、ポルトランドセメントを使用する場合には、
そのセメントの一部または全部が水和反応したものでも
構わない。
【0014】次に、これを炭酸ガスを使用して密閉容器
内で反応硬化させる。反応条件は、温度が0〜100
℃、炭酸ガス濃度が2〜100%が工業的には好ましい
が、例えば燃焼時に発生する排気ガス中の炭酸ガス等も
使用できる。炭酸硬化反応により、トバモライト中のカ
ルシウム成分が炭酸カルシウムとなり抜けだし、細孔を
多数有する非晶質シリカができる。この多孔質性が吸放
湿性だけでなく、熱伝導率にも影響を与える。また、炭
酸カルシウムは、その主成分がカルサイトだけではな
く、微細なバテライトも生成する。これらの生成物によ
り数nmの微細孔を持つ表面積が非常に大きな材料とな
る。
【0015】なお、製造にはトバモライトの他に、ゾノ
トライトやCSH等の珪酸カルシウム系の水和物または
それらを主成分とする廃材が使用できる。例えば、軽量
気泡コンクリート粉末、窯業系サイジング等のセメント
二次製品の破砕品、コンクリート廃材、セメントスラッ
ジなどが利用できる。また、この材料は十分な比強度を
もつため調湿性のある建材として利用できる。そして、
前記の主成分の比率は炭酸カルシウムが15%〜65
%、非晶質シリカが15%〜45%であることが望まし
い。また、骨材及び多孔質材の一方又は双方が60%以
下含まれ、骨材の平均粒径が10μm以上であることが
望ましい。
【0016】本実施形態の調湿建材は、湿気伝導率が8
ng/(m・s・Pa)以上あり湿度変化に対するレス
ポンスが良い。図1に本発明に係る調湿建材の細孔径分
布の一例を示すが、平均細孔径の両側にそれぞれピーク
を持つことが特徴であり、平均より小さい細孔径が比表
面積を大きくし、大きな細孔径が湿気伝導率を大きくす
る働きがあり、その相乗効果で高い調湿性が得られる。
【0017】また、実際の湿度変化雰囲気での評価とし
て、25℃の一定温度条件で湿度70%、30%を24
時間づつ保持する48時間1サイクルの試験を行い、材
料の重量変化を測定し、単位面積当たりの吸放湿量を測
定したところ、単位面積当たり80g/m以上あり吸
放湿量が大きい。また、調湿性能のパラメーターとして
は、吸放湿量のみでは十分でなく、周囲の湿度変化に対
応する応答性も重要なファクターである。その因子は湿
気伝導率で評価できる。湿気伝導率が高い材料は、湿度
変化に対するレスポンスが速く、調湿建材としては好ま
しい。ただし、湿気伝導率が高すぎる材料は一般に連続
した空隙が多く、密度が低くなるため、吸放湿量および
強度が低くなるものが多い。
【0018】例えば0.3m幅×0.6m長さ×0.0
06m厚さの建材で、0.3m幅を片持ちはりとした場
合の最大引っ張り応力から計算すると、曲げ強度(kg
/m )/かさ密度(kg/m)で算出される比強度
が約180m必要であるが、この調湿建材はそれ以上の
比強度を有するため強度的にも十分である。なお、望ま
しいかさ密度は500〜2000kg/m程度であ
る。
【0019】
【実施例1】石灰質原料粉末と珪酸質原料粉末を使い、
CaO/SiOが0.25となるように粉体を調整し
た。それをオートクレーブで、180℃の温度条件で4
時間トバモライトの合成を行った。できた粉体を、プレ
ス成型機を用いて成形圧力を20MPaで、300mm
×300mm×12mm厚さの板を成形した。
【0020】それを前記の方法で市販の炭酸ガスを使用
し、炭酸硬化させることにより、炭酸カルシウムが29
%、非晶質シリカが21%、骨材が49%である調湿建
材を製造した。成分の分析は、炭酸カルシウムは、試料
を6Nの塩酸で溶解して、発生する炭酸ガス量から計算
した。非晶質シリカは、2Nの水酸化ナトリウムで溶解
した量から計算した。
【0021】骨材は、まず、試料を6Nの塩酸で溶解し
た後、溶解液をろ過し温水で十分洗浄する。次に、ろ紙
上に残ったものを2Nの水酸化ナトリウムで溶解し、塩
酸で中和した後ろ過し温水で十分洗浄する。最後にろ紙
上に残ったものが骨材であるのでこれを定量した。な
お、骨材の平均粒径は、SALD−2000粒度分布測
定装置(株式会社島津製作所製)を用いて粒度分布を測
定し、平均粒径を求めた。これにより、骨材の平均粒径
が68μmと求められた。次に比表面積と平均細孔直径
を窒素吸着法、具体的には、マイクロメリテックス ア
サップ 2400(株式会社島津製作所製)を用い測定
したところ、比表面積は92m/gで、平均細孔直径
は9.5nmであった。
【0022】次にJIS A1324に準ずる方法によ
り、湿気伝導率を測定したところ、10.4ng/(m
・s・Pa)であった。また、JIS A1412に準
ずる方法で熱伝導率を測定したところ0.36W/mK
であった。次に吸放湿量を測定するために、一定温度の
元で湿度変化を一定間隔で繰り返す試験を以下の通り行
った。まず材料を、300mm角面を1面だけ調湿作用
するように、他の5面をアルミニウムシールで防湿処理
を行った。これを環境試験器内で25℃の一定温度で、
湿度を30%に保ち試験体重量変動がなくなるまで放置
した。
【0023】次に湿度を70%へ変更し24時間保持し
湿度上昇時の吸湿による重量変化を測定し、その後30
%へ変更し24時間保持し湿度低下による放湿時の重量
変化を測定する48時間1サイクルの試験を行い、試験
体の単位面積当たりの吸放湿量を測定した。なお、吸放
湿量は次の式で求めた。 吸放湿量=((吸湿時の重量変化+放湿時の重量変化)
/2)/試験体面積 その結果、123g/mであった。次に材料を100
mm×25mm×12mm(厚さ)に加工し、そのかさ
密度と曲げ強度を測定し、比強度を算出したところ、5
32mであった。最後にJIS A 5430に準ずる
方法で、吸水による長さ変化率を測定したところ、0.
14%であった。
【0024】以上の結果を表1に示す。図1に細孔径の
分布図を示すが、平均細孔径9.5nmの両側にそれぞ
れピークを持つことが特徴であり、平均より小さい細孔
径が比表面積を大きくし、大きな細孔径が湿気伝導率を
大きくする働きがあり、その相乗効果で高い調湿性が得
られた。
【表1】
【実施例2】石灰質原料粉末と珪酸質原料粉末を使い、
CaO/SiOが0.4となるように粉体を調整し
た。これを実施例1に示す手順で炭酸硬化を行い、炭酸
カルシウムが40%、非晶質シリカが29%、骨材が2
9%である調湿建材を製造した。それを実施例1に示す
方法で各種の測定を行った。以上の結果を表1に示す。
【0025】
【実施例3】石灰質原料粉末と珪酸質原料粉末を使い、
CaO/SiOが0.6となるように粉体を調整し
た。これを実施例1に示す手順で炭酸硬化を行い、炭酸
カルシウムが50%、非晶質シリカが36%、骨材が1
2%である調湿建材を製造した。それを実施例1に示す
方法で各種の測定を行った。以上の結果を表1に示す。
【0026】
【実施例4】石灰質原料粉末と珪酸質原料粉末を使い、
CaO/SiOが0.8となるように粉体を調整し
た。これを実施例1に示す手順で炭酸硬化を行い、炭酸
カルシウムが57%、非晶質シリカが41%、骨材が1
%である調湿建材を製造した。それを実施例1に示す方
法で各種の測定を行った。以上の結果を表1に示す。
【0027】
【実施例5】実施例4と同じ石灰質原料粉末と珪酸質原
料粉末を使い、CaO/SiOが0.8となるように
粉体を調整した。この粉体100重量部に対し、平均粒
径が8μmである珪石微粉末を14重量部ミキサーで混
合した。これを実施例1に示す手順で炭酸硬化を行い、
炭酸カルシウムが50%、非晶質シリカが36%、骨材
が12%である調湿建材を製造した。それを実施例1に
示す方法で各種の測定を行った。以上の結果を表1に示
す。
【0028】
【実施例6】実施例1と同じ石灰質原料粉末と珪酸質原
料粉末を使い、CaO/SiOが0.25となるよう
に粉体を調整した。この粉体100重量部に対し、多孔
質材粉末として粒径が74μm以下である粘土を30重
量部ミキサーで混合した。これを実施例1に示す手順で
炭酸硬化を行い、炭酸カルシウムが22%、非晶質シリ
カが16%、骨材が37%、多孔質材が23%である調
湿建材を製造した。それを実施例1に示す方法で各種の
測定を行った。以上の結果を表1に示す。
【0029】
【実施例7】実施例4と同じ石灰質原料粉末と珪酸質原
料粉末を使い、CaO/SiOが0.8となるように
粉体を調整した。この粉体100重量部に対し、多孔質
材粉末として粒径が74μm以下である粘土を140重
量部ミキサーで混合した。これを実施例1に示す手順で
炭酸硬化を行い、炭酸カルシウムが23%、非晶質シリ
カが17%、骨材が0.4%、多孔質材が58%である
調湿建材を製造した。それを実施例1に示す方法で各種
の測定を行った。以上の結果を表1に示す。
【0030】
【実施例8】実施例1と同じ石灰質原料粉末と珪酸質原
料粉末を使い、CaO/SiOが0.25となるよう
に粉体を調整した。この粉体100重量部に対し、普通
ポルトランドセメントを10重量部ミキサーで混合し
た。これを実施例1に示す手順で炭酸硬化を行い、炭酸
カルシウムが60%、非晶質シリカが17%、骨材が2
3%である調湿建材を製造した。それを実施例1に示す
方法で各種の測定を行った。以上の結果を表1に示す。
【0031】実施例1から実施例8において、比表面積
が80〜250m/g、平均細孔直径が1.5〜3
0.0nmとなるため、湿気伝導率が10.0ng/
(m・s・Pa)以上あり、吸放湿量が80g/m
上となり調湿性能が高く、比強度も180m以上を満足
する十分な強度がある調湿建材が得られた。また、熱伝
導率はいずれも0.4W/mK以下となり、内外両面で
温度差が大きな環境で使用しても結露水による調湿性の
低下を生じさせないものであった。しかも、骨材の平均
粒径を10μm以上としており、吸水による長さ変化率
0.25%以下を満足した。
【0032】
【比較例1】水酸化カルシウム7kgと珪藻土3kgに
対し、水を5.5kg、つのまたを0.3kg加え混練
した。それを型枠に入れ、300mm×300mm×1
2mm(厚さ)、100mm×25mm×12mm(厚
さ)の試験体に加工した。それぞれの試験体を4週間硬
化させ、実施例1に示す方法で各種の測定を行った。
【0033】結果は比表面積が75m/gと小さく、
平均細孔直径も1.4nmと小さいため、湿気伝導率は
7.3ng/(m・s・Pa)と小さく、吸放湿量も3
8g/m と低く調湿性能に劣った。また比強度も5
5mと小さかった。また、骨材の平均粒径が9μmと小
さいため、吸水による長さ変化率も0.4%と大きく調
湿建材としては使用しにくいことが分かった。以上の結
果を表1に示す。
【0034】
【比較例2】ポルトランドセメント7kgと珪藻土3k
gに対し、水を6.5kg加え混練した。それを型枠に
入れ、300mm×300mm×12mm(厚さ)、1
00mm×25mm×12mm(厚さ)の試験体に加工
した。それぞれの試験体を4週間硬化させ、実施例1に
示す方法で各種の測定を行った。
【0035】結果は比表面積が60m /gと小さ
く、平均細孔直径も1.3nmと小さかった。また、湿
気伝導率は17.5ng/(m・s・Pa)と大きかっ
たが、吸放湿量が27g/mと低く調湿性能に劣っ
た。また比強度は425mと十分高いが、骨材の平均粒
径が8μmと小さかったため、乾燥時にクラックが入っ
てしまうほど収縮が大きく、吸水による長さ変化率が測
定できなかった。つまり、調湿建材としては使用しにく
いことが分かった。また、熱伝導率が0.46W/mK
以上となった比較例1及び2では、これを建築物の外壁
に使用したときには、例えば冬期に外気が低温時となる
と内壁面も冷却されて室内側に表面結露が発生すること
が予想される。
【0036】
【比較例3】実施例1と同じ石灰質原料粉末と珪酸質原
料粉末を使い、CaO/SiOが0.25となるよう
に粉体を調整した。この粉体100重量部に対し、骨材
として粒径が100μm以下であるアルミナ粉末を20
重量部ミキサーで混合した。これを実施例1に示す手順
で炭酸硬化を行い、炭酸カルシウムが24%、非晶質シ
リカが18%、骨材が58%である調湿建材を製造し
た。それを実施例1に示す方法で各種の測定を行った。
以上の結果を表1に表す。結果は比表面積および平均細
孔直径はそれぞれ82m/gと9.9nmであった。
また、湿気伝導率は9.5ng(m・s・Pa)、吸放
湿量が102g/mと調湿性能は高い。しかし、熱伝
導率が0.62W/mKであり、建築物の壁材に使用し
たときには、例えば冬季に外気が低温時となると内壁面
も冷却されて室内側に表面結露が発生することが予想さ
れる。
【0037】
【発明の効果】上述のように、本発明により、優れた調
湿性を持ち、強度も十分ある不燃性に優れた調湿建材が
得られ、しかも、熱伝導率が0.4W/mK以下である
から、表面結露が生じにくく、安定して調湿性を発揮で
きるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における細孔径分布を示すグ
ラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井須 紀文 愛知県尾張旭市下井町下井2035番地 株式 会社建材技術研究所内 (72)発明者 稲垣 憲次 愛知県尾張旭市下井町下井2035番地 株式 会社建材技術研究所内 (72)発明者 平林 克己 愛知県尾張旭市下井町下井2035番地 株式 会社建材技術研究所内 (72)発明者 坂下 雅司 愛知県尾張旭市下井町下井2035番地 株式 会社建材技術研究所内 Fターム(参考) 2E001 DB03 DE01 GA03 JA01 JA03 JA04 JA06 4G012 PA04 PA06 RA02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭酸硬化反応によって製造された成形
    体であって主成分が炭酸カルシウムと非晶質シリカであ
    る成形体からなる調湿建材において、窒素ガス吸着法に
    よるその比表面積が80〜250m/g、平均細孔直
    径が1.5〜30.0nmであり、かつ、熱伝導率が
    0.4W/mK以下であることを特徴とする調湿建材。
  2. 【請求項2】 比強度が180m以上であることを特徴
    とする請求項1記載の調湿建材。
  3. 【請求項3】 前記成形体中に炭酸カルシウムが15%
    〜65%、非晶質シリカが15%〜45%並びに骨材及
    び多孔質材の一方又は双方が含まれることを特徴とする
    請求項1又は2に記載の調湿建材。
  4. 【請求項4】 前記炭酸カルシウムにはバテライトが含
    まれることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記
    載の調湿建材。
  5. 【請求項5】 前記骨材及び多孔質材の一方又は双方が
    60%以下含まれることを特徴とする請求項3又は4に
    記載の調湿建材。
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