JP2002011711A - 押出成形用ダイス及び成形体の作製方法 - Google Patents

押出成形用ダイス及び成形体の作製方法

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JP2002011711A JP2000198387A JP2000198387A JP2002011711A JP 2002011711 A JP2002011711 A JP 2002011711A JP 2000198387 A JP2000198387 A JP 2000198387A JP 2000198387 A JP2000198387 A JP 2000198387A JP 2002011711 A JP2002011711 A JP 2002011711A
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和也 成瀬
Mitsunari Tajima
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 押出成形法により成形体を作製する際、成形
体の外周部にだま状の屑を付着させることなくセラミッ
ク成形体を作製することができる押出成形用ダイス及び
成形体の作製方法を提供する。 【解決手段】 1又は2以上の成形溝を有する押出成形
用ダイスであって、少なくとも、最外周の成形溝壁面の
JIS B 0601に基づく面粗度Raが50μm以
下であることを特徴とする押出成形用ダイス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、押出成形に使用す
る押出成形用ダイス、及び、該押出成形用ダイスを用い
てセラミック粉末を含む成形体を作製する成形体の作製
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】バス、トラック等の車両や建設機械等の
内燃機関から排出される排気ガス中に含有されるパティ
キュレートが環境や人体に害を及ぼすことが最近問題と
なっている。この排気ガスを多孔質セラミックに通過さ
せることにより、排気ガス中のパティキュレートを捕集
して排気ガスを浄化するセラミックフィルタが種々提案
されている。
【0003】セラミックフィルタは、通常、図5、6に
示すような多孔質セラミック部材30が複数個結束され
てセラミックフィルタ40を構成している。また、この
多孔質セラミック部材30は、図5に示すように、長手
方向に多数の貫通孔31が並設され、貫通孔31同士を
隔てる隔壁33がフィルタとして機能するようになって
いる。
【0004】すなわち、多孔質セラミック部材30に形
成された貫通孔31は、図5(b)に示すように、排気
ガスの入り口側又は出口側の端部のいずれかが充填材3
2により目封じされ、一の貫通孔31に流入した排気ガ
スは、必ず貫通孔31を隔てる隔壁33を通過した後、
他の貫通孔31から流出するようになっており、排気ガ
スがこの隔壁33を通過する際、パティキュレートが隔
壁33部分で捕捉され、排気ガスが浄化される。
【0005】これら多孔質セラミック部材30のなか
で、特に、多孔質炭化珪素部材は、極めて耐熱性に優
れ、再生処理等も容易であるため、種々の大型車両等に
使用されている。
【0006】従来、このような多孔質セラミック部材3
0を製造する際には、まず、セラミック粉末とバインダ
ーと分散媒液とを混合して成形体作製用の混合組成物を
調製した後、この混合組成物を押出成形用ダイスを備え
た押出成形装置に投入し、押出成形等を行うことによ
り、図5に示した多孔質セラミック部材30とほぼ同形
状の成形体、すなわち多数の貫通孔が隔壁を隔てて長手
方向に並設されたセラミック成形体を作製していた。
【0007】そして、次に、得られたセラミック成形体
をヒータ等を用いて乾燥させた後、セラミック成形体中
のバインダー等を熱分解させる脱脂工程及びセラミック
の焼成を行う焼成工程を行い、多孔質セラミック部材3
0を製造していた。
【0008】図7は、押出成形装置に従来の押出成形用
ダイスを取り付けてセラミック成形体を作製する様子を
模式的に示した断面図である。この押出成形装置50に
おいては、円管54の内部にスクリュー51が配設され
ており、円管54の上部には、セラミック粉末とバイン
ダーと分散媒液とからなる混合組成物52等を投入する
ための投入口55が設けられている。また、円管54の
右側部分には、押出成形用ダイス(金型)53が設置さ
れている。なお、この押出成形用ダイス53内には成形
溝58が形成されている。
【0009】この押出成形装置50を使用して押出成形
を行う際には、まず、混合組成物52を投入口55から
投入する。この混合組成物は、押出成形装置の内部で、
さらに混練されるとともに、スクリュー51により次第
に図面の右側に押し出され、押出成形用ダイス53内の
成形溝58を通過して押し出され、多数の貫通孔が隔壁
を隔てて長手方向に並設された柱状のセラミック成形体
1が作製される。
【0010】また、図8は、押出成形用ダイス53の一
例を模式的に示した部分拡大断面図である。この押出成
形用ダイス53は、成形材料供給部56と成形溝部57
とこれら成形材料供給部56と成形溝部57とを外側か
ら支持する枠部(図示せず)とから構成されている。
【0011】そして、成形材料供給部56には、混合組
成物52を通過させるために、円錐台形状の供給穴56
0が形成されており、一方、成形溝部57には、供給穴
560を通過した混合組成物52を、セラミック成形体
1の形状に成形するために、図1(b)に示した正面図
のように、格子状の成形溝58が形成されている。
【0012】すなわち、この成形溝部57においては、
多数の四角柱形状の柱状部580が成形材料供給部56
を構成する部材に支持された状態で、丁度図の紙面に垂
直に配列されており、この柱状部580が配列されるこ
とにより形成された成形溝58を混合物組成物52が連
続的に通過することにより、セラミック成形体1が作製
されるようになっている。
【0013】通常、このような押出成形用ダイス53の
成形溝58の壁面58aは、JISB 0601に基づ
く面粗度Raが50μm程度かそれ以上のものであっ
た。図9及び図10は、このような面粗度の壁面58a
を有する押出成形用ダイス53を通ってセラミック成形
体1が押し出されていく様子を模式的に示した図であ
り、いずれも(a)は、押出成形装置50のダイス近傍
を模式的に示した斜視図であり、(b)は、その部分拡
大断面図である。
【0014】図9に示した通り、押出成形用ダイス53
からセラミック成形体1が押し出されてくると、押出成
形用ダイス53の最外周の成形溝58の出口部分とセラ
ミック成形体1との間に、削られ、剥離した混合組成物
が、だま状のセラミック屑59を形成する。
【0015】また、図10に示した通り、だま状のセラ
ミック屑59はセラミック成形体1が押し出されていく
とともに成長して巨大化していき、一定の大きさを超え
ると押出成形用ダイス53から離れて、セラミック成形
体1上に付着したまま残存する。
【0016】このだま状のセラミック屑59がセラミッ
ク成形体1の表面に残存したままであると、セラミック
成形体1を焼成してセラミック部材とした場合、だま状
のものが付着したままの形状の多孔質セラミック部材と
なる。従って、その後、このセラミック部材を組み上げ
てセラミックフィルタ40と同様のセラミックフィルタ
を作製しようとすると、だま状のもの邪魔してセラミッ
ク部材同士を密着させた状態で組み上げることができな
かった。
【0017】また、同様のだま状のセラミック屑59
は、セラミック成形体の最外周部分のみに発生するもの
ではなく、セラミック成形体の貫通孔の内壁部分にも同
様のだま状のセラミック屑が発生し、セラミック成形体
の貫通孔となる部分を塞いでしまう場合があった。この
ようなセラミック成形体を焼成してセラミックフィルタ
を製造すると、パティキュレートの捕集効率が低下する
こととなる。
【0018】このように、従来の押出成形用ダイス53
を用いた場合に、成形体にだま状の屑が付着するのは、
壁面58aの面粗度が大きいと、混合組成物52が成形
溝58中を通過する間に、混合組成物52と壁面58a
との間に大きな剪断力が生じ、この混合組成物52が押
出成形用ダイス53から押し出されると、上記剪断力が
急に開放されるので、セラミック成形体1の表面が削り
取られて剥離してしまうためではないかと考えられる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの問
題を解決するためになされたもので、押出成形法により
成形体を作製する際に、成形体の最外周部分や貫通孔の
内部にだま状の屑を発生させることなく成形体を作製す
ることができる押出成形用ダイス、及び、これを用いて
セラミック粉末を含む成形体を作製する成形体の作製方
法を提供することを目的とするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】第一の本発明の押出成形
用ダイスは、1又は2以上の成形溝を有する押出成形用
ダイスであって、少なくとも、最外周の成形溝壁面のJ
IS B 0601に基づく面粗度Raが50μm以下
であることを特徴とする。
【0021】第二の本発明の押出成形用ダイスは、1又
は2以上の成形溝を有する押出成形用ダイスであって、
少なくとも、最外周の成形溝壁面の出口側の角を面取り
していることを特徴とする。
【0022】また、第三の本発明の成形体の作製方法
は、第一又は第二の本発明の押出成形用ダイスを用いて
セラミック粉末を含む成形体を作製することを特徴とす
る。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、第一、第二の本発明の押出
成形用ダイス及び第三の本発明の成形体の作製方法につ
いて、図面を参照しながら説明する。
【0024】まず、第一の本発明の押出成形用ダイスに
ついて説明する。第一の本発明の押出成形用ダイスは、
1又は2以上の成形溝を有する押出成形用ダイスであっ
て、少なくとも、最外周の成形溝壁面のJIS B 0
601に基づく面粗度Ra(以下、単に面粗度Raとも
いう)が50μm以下であることを特徴とする。
【0025】図1(a)は、第一の本発明の押出成形用
ダイスの一例を模式的に示した部分拡大断面図であり、
(b)は、その正面図である。図1に示したように、第
一の本発明の押出成形用ダイス10は、成形材料供給部
11と成形溝部13とこれら成形材料供給部11と成形
溝部13とを外側から支持する枠部(図示せず)とから
構成されており、少なくとも、成形溝部13の最外周の
成形溝壁面14aの面粗度Raが50μm以下に調整さ
れている。なお、成形材料供給部11は、作製する成形
体が中空状物である場合には成形溝部13の柱状部材1
5の支持等のために必要であるが、例えば、作製する成
形体が棒状である場合は必ずしも必要でない。
【0026】図1では、最外周の成形溝壁面14aの面
粗度Raが50μm以下に調整されているが、第一の本
発明の押出成形用ダイス10では、それ以外の部分、す
なわち、成形溝内壁14b等の面粗度Raが50μm以
下に調整されていてもよい。
【0027】このような第一の本発明の押出成形用ダイ
ス10を用いて、例えば、図2(b)に示すような、多
数の貫通孔43を有するセラミック成形体42を作製し
た場合、だま状のセラミック屑が形成されるのを防止す
ることができ、長時間にわたり、良好な品質のセラミッ
ク成形体42を作製することができる。これは、最外周
の成形溝壁面14aの面粗度Raが50μm以下に調整
されているので、押し出される途中の成形体に作用する
剪断力は小さくなり、スムーズに押し出され、押し出さ
れて作製されるセラミック成形体42の外周部分45
に、だま状のセラミック屑が形成されるのを防止するこ
とができるのではないかと考えられる。
【0028】また、成形溝内壁14bの面粗度Raが5
0μm以下に調整されていると、壁面が平滑になるた
め、同様の理由で作製されるセラミック成形体42の貫
通孔43内に、だま状のセラミック屑が形成されること
もなく、これに起因して製造した多孔質セラミック部材
の貫通孔が閉塞して、フィルタとしての機能が低下する
こともない。
【0029】上記最外周の成形溝壁面14aの面粗度R
aの値が50μmを超えると、混合組成物と押出成形用
ダイスとの剪断力が大きくなりすぎ、発生するだま状の
セラミック屑は大きくなり続け、一定の大きさ以上にな
ると押出成形用ダイス10から離れてセラミック成形体
に付着してしまう。上記面粗度Raの値は10μm以下
であることが望ましい。成形体がよりスムーズに押し出
されるため、だま状のセラミック屑の発生自体を抑える
ことができるからである。また、成形溝内壁14bの面
粗度Raが50μmを超えると、製造された多孔質セラ
ミック部材の貫通孔の一部が閉塞されたものが製造され
るおそれがあり、フィルタとしての機能が低下する。
【0030】最外周の成形溝壁面14a及び成形溝内壁
14bの面粗度Raを50μm以下に調整する方法とし
ては特に限定されず、例えば、SiC及び樹脂等を主成
分とする流体による流体研磨を行うことにより、上記面
粗度Raを5〜10μm程度に調整することができ、ま
た、ダイヤモンド砥粒を用いた鏡面仕上を行うことによ
り、上記面粗度Raを1μm程度以下にに調整すること
ができる。
【0031】押出成形用ダイス10の材料としては特に
限定されず、例えば、工具鋼、熱間金型用の工具鋼、超
硬合金等を使用することができる。
【0032】また、成形溝14の厚さd2 は1.0〜1
0mm程度が好ましい。上記d2 が、1.0mmよりも
薄いと、成形溝部14の厚さが薄くなるため、作製され
るセラミック成形体の形が安定せず、一方、10mmよ
りも厚いと経済的に不利になるとともに、押出し抵抗が
高くなり、生産効率が低下し、磨耗が促進される。ま
た、成形溝内壁14b間の距離d1 は、目的とするセラ
ミック成形体の内壁や外壁の厚さにより適宜決定すれば
よい。
【0033】また、成形溝14の形状等も特に限定され
ない。例えば、出口から見た成形溝14の形状がリング
状であれば、図2(a)に示したような管状の成形体4
1を作製することができ、出口から見た成形溝14が格
子形状(図1(b)参照)であれば、図2(b)に示し
たように、多数の貫通孔43を備えた成形体42を作製
することができる。
【0034】第一の本発明の押出成形用ダイスは、上述
したようなセラミック成形体を作製する際にのみ用いら
れるのではなく、例えば、樹脂、ゴム等のように押出成
形により作製される材料について使用することができ
る。
【0035】また、第一の本発明の押出成形用ダイスで
は、少なくとも、最外周の成形溝壁面の出口側の角を面
取りしていることが望ましい。第一の本発明の押出成形
用ダイス及び後述する第二の本発明の押出成形用ダイス
の両方の効果を享受することができ、押し出されてくる
成形体にだま状の屑が形成されるのを完全に抑えること
ができるからである。
【0036】このように、第一の本発明の押出成形用ダ
イスは、少なくとも、最外周の成形溝壁面14aのJI
S B 0601に基づく面粗度Raが50μm以下に
調整されているので、この第一の本発明の押出成形用ダ
イスを用いて押出成形を行うと、成形体の表面が削り取
られて剥離することがなく、成形体の外周部等にだま状
の屑が残存することがない。
【0037】次に、第二の本発明の押出成形用ダイスに
ついて説明する。第二の本発明の押出成形用ダイスは、
1又は2以上の成形溝を有する押出成形用ダイスであっ
て、少なくとも、最外周の成形溝壁面の出口側の角を面
取りしていることを特徴とする。
【0038】図3は、第二の本発明の押出成形用ダイス
の一例を模式的に示す部分拡大断面図であり、図4
(a)は、R面取りを行った面取り部の部分拡大断面図
であり、(b)は、C面取りを行った面取り部の部分拡
大断面図である。
【0039】図3に示した通り、第二の本発明の押出成
形用ダイス20は、成形材料供給部21と成形溝部23
とこれら成形材料供給部21と成形溝部23とを外側か
ら支持する枠部(図示せず)とから構成されており、少
なくとも、成形溝部23の最外周の成形溝壁面の出口側
の角が面取りされている。なお、成形材料供給部21
は、作製する成形体が中空状物である場合には柱状部材
25の支持等のために必要であるが、例えば、作製する
成形体が棒状である場合は必ずしも必要でない。
【0040】図3では、最外周の成形溝壁面の出口側の
角が面取りされているが、第二の本発明の押出成形用ダ
イス20では、それ以外の成形溝24の壁面の出口側の
角が面取りされていてもよい。
【0041】例えば、図2(b)に示すような、多数の
貫通孔43を有するセラミック成形体42を作製する場
合、最外周の成形溝壁面の出口側の角が面取りされてい
ないと、押し出されて作製されるセラミック成形体42
の外周部分45に、だま状のセラミック屑が形成される
こととなる。この場合、上述した第一の本発明の押出成
形用ダイスと同様に、セラミックフィルタを製造するこ
とができない。
【0042】また、最外周の成形溝壁面の出口側の角以
外の成形溝壁面の出口側の角が面取りされていないと、
押し出されて作製されるセラミック成形体42の貫通孔
43内に、だま状のセラミック屑が形成されることとな
るが、この場合、パティキュレートの捕集効率が低下し
てしまうため、これらの成形溝壁面の出口側の角も面取
りされていることが望ましい。
【0043】第二の本発明の押出成形用ダイスにおい
て、面取りの形状は、図4(a)に示したようなR面取
りであってもよく、(b)に示したようなC面取りであ
ってもよい。どちらの面取りでも押し出されてくるセラ
ミック成形体が、出口の角に引っ掛かることはなく、ま
た、徐々に剪断力等が緩和されるため、だま状のセラミ
ック屑が形成されることはない。
【0044】また、上記面取りの大きさは、例えば、R
面取りの場合、その曲面の半径R(図4(a)参照)
は、0.5〜1.5mmであることが望ましく、C面取
りの場合、その幅及び高さC(図4(b)参照)は、
0.5〜1.5mmであることが望ましい。
【0045】上記R面取りの曲面の半径Rと、C面取り
の幅及び高さCとが共に1.5mmを超えると、作製さ
れるセラミック成形体のサイズを設計の通りに制御する
ことが困難となり、一方、0.5mm未満であると、剪
断力の緩和が充分でなく、だま状のセラミック屑が形成
される場合がある。
【0046】また、押出成形用ダイス20の材料及びサ
イズ等の条件に関しては、上述した第一の本発明の押出
成形用ダイスと同様のもの及び条件を挙げることができ
る。
【0047】このように第二の本発明の押出成形用ダイ
スは、少なくとも、最外周の成形溝壁面の出口側の角を
面取りしている。従って、この第二の本発明の押出成形
用ダイスを用いて押出成形を行うと、成形溝24中で成
形材料が受けていた剪断力が急に開放されることはなく
徐々に開放されると考えられ、このため、成形体の表面
が削り取られて剥離することがなく、成形体にだま状の
屑が残存することがない。
【0048】次に、第三の本発明の成形体の作製方法に
ついて説明する。第三の本発明の成形体の作製方法は、
第一又は第二の本発明の押出成形用ダイスを用いてセラ
ミック粉末を含む成形体を作製することを特徴とする。
【0049】第三の本発明の成形体の作製方法は、上述
した従来の押出成形装置50を用いた成形体の作製方法
とほぼ同様であるが、押出成形用ダイスに上記第一又は
第二の本発明の押出成形用ダイスを用いている。このた
め、作製されるセラミック成形体に、だま状のセラミッ
ク屑が付着することはない。
【0050】従って、第三の本発明の成形体の作製方法
によれば、押出成形法によりセラミック成形体を作製す
る際に、セラミック成形体の最外周部分や貫通孔の内部
にだま状のセラミック屑を発生させることなく、良好に
成形体を作製することができる。このため従来の場合と
同様に、この成形体を脱脂、焼成することにより、フィ
ルタ機能を有する多孔質セラミック部材を製造すること
ができ、これを用いて、優れた機能を有するセラミック
フィルタを作製することができる。
【0051】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0052】実施例1 初めに、超硬合金を用いて、図1に示すような成形材料
供給部、成形溝部、及び、これら成形材料供給部と成形
溝部とを外側から支持する枠部(図示せず)からなる押
出成形用ダイスを作製した。続いて、この押出成形用ダ
イスの最外周の成形溝壁面を、SiCと樹脂とを主成分
とする流体による流体研磨を行うことにより押出成形用
ダイス10を作製した。このとき、最外周の成形溝壁面
14aのJIS B 0601に基づく面粗度Raは、
5μmであった。
【0053】作製した押出成形用ダイス10は、成形溝
部13の厚さd2 が6.0mm、成形溝14の幅d1
0.35mmであった。
【0054】次に、この押出成形用ダイス10を図7に
示した押出成形装置50に取付け、炭化珪素を主成分と
する混合組成物を押出成形装置50内に投入し、10時
間連続して押出成形を行い、図2(b)に示すようなセ
ラミック成形体を連続的に作製した。なお、作製したセ
ラミック成形体の長手方向に垂直な断面の大きさが33
mm×33mm、貫通孔の数が31個/cm2 、隔壁の
厚さが0.35mmであった。
【0055】このセラミック成形体の作製中、セラミッ
ク成形体の最外周部分と押出成形用ダイスの出口部分と
を観察したが、だま状のセラミック屑は観察されず、良
好にセラミック成形体を作製することができた。
【0056】実施例2 実施例1で初めに作製した押出成形用ダイスの最外周の
成形溝壁面の出口側の角をR面取りを行うことにより、
図3及び図4aに示したような押出成形用ダイス20を
作製した。このとき、面取り部24aの半径Rは1mm
であった。
【0057】次に、この押出成形用ダイス20を図7に
示した押出成形装置50に取付け、炭化珪素を主成分と
する混合組成物を押出成形装置50内に投入し、10時
間連続して押出成形を行い、図2(b)に示すようなセ
ラミック成形体を作製した。なお、作製したセラミック
成形体の長手方向に垂直な断面の大きさが33mm×3
3mm、貫通孔の数が31個/cm2 、隔壁の厚さが
0.35mmであった。
【0058】このセラミック成形体の作製中、セラミッ
ク成形体の最外周部分と押出成形用ダイスの出口部分と
を観察したが、だま状のセラミック屑は観察されず、良
好にセラミック成形体を作製することができた。
【0059】実施例3 実施例1で作製した押出成形用ダイス10の最外周の成
形溝壁面14aの出口側の角をC面取りして押出成形用
ダイスを作製した。このとき、この押出成形用ダイスの
C面取りした部分の幅及び高さは、それぞれ1mmであ
った。
【0060】次に、この押出成形用ダイスを図7に示し
た押出成形装置50に取付け、炭化珪素を主成分とする
混合組成物を押出成形装置50内に投入し、10時間連
続して押出成形を行い、図2(b)に示すようなセラミ
ック成形体を作製した。なお、作製したセラミック成形
体の長手方向に垂直な断面の大きさが33mm×33m
m、貫通孔の数が31個/cm2 、隔壁の厚さが0.3
5mmであった。
【0061】このセラミック成形体の作製中、セラミッ
ク成形体の最外周部分と押出成形用ダイスの出口部分と
を観察したが、だま状のセラミック屑は観察されず、良
好にセラミック成形体を作製することができた。
【0062】比較例1 押出成形用ダイスに、実施例1で初めに作製した押出成
形用ダイスを研磨等を行うことなく使用した以外は、実
施例1と同様にしてセラミック成形体を作製した。この
とき、上記押出成形用ダイスの成形溝壁面のJIS B
0601に基づく面粗度Raは60μmであった。
【0063】このセラミック成形体の作製中、セラミッ
ク成形体の最外周部分と押出成形用ダイスの出口部分と
を観察したところ、作製開始後、0.5時間からだま状
のセラミック屑が発生するようになり、セラミック成形
体の外周部分に付着した。
【0064】このように、実施例1〜3に係る押出成形
用ダイス10を用いて押出成形を行うと、長時間にわた
って成形を行っても、セラミック成形体の外周部分にだ
ま状のセラミック屑が付着することがなく、良好に成形
体を作製することができた。
【0065】一方、比較例1に係る押出成形用ダイスを
用いて押出成形を行うと、押出成形用ダイスの出口部分
とセラミック成形体との間にだま状のセラミック屑が発
生し、セラミック成形体の外周部分に付着し、欠陥品と
なった。
【0066】
【発明の効果】第一及び第二の本発明の押出成形用ダイ
スは、上述の通りであるので、押出成形により成形体を
作製しても、押出成形用ダイスと成形体との間にだま状
の屑が発生せず、この成形体の外周部分等に付着するこ
とがない。
【0067】また、本発明の成形体の作製方法を用いる
ことにより、だま状のセラミック屑が発生することな
く、良好な特性を有する成形体を作製することができ
る。従って、得られた成形体を用いて脱脂、焼成して多
孔質セラミック部材を製造した後、これらを組み合わせ
てセラミックフィルタとすることにより、優れた機能を
有するセラミックフィルタを作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、第一の本発明の押出成形用ダイスの
一例を模式的に示した部分拡大断面図であり、(b)
は、その正面図である。
【図2】(a)は、第一又は第二の本発明の押出成形用
ダイスを用いて、押出成形した成形体の一例を模式的に
示す斜視図であり、(b)は、他の成形体の一例を模式
的に示す斜視図である。
【図3】第二の本発明の押出成形用ダイスの一例を模式
的に示す部分拡大断面図である。
【図4】(a)は、R面取りを行った第二の本発明の押
出成形用ダイスの一部を模式的に示す部分拡大断面図で
あり、(b)は、C面取りを行った第二の本発明の押出
成形用ダイスの一部を模式的に示す部分拡大断面図であ
る。
【図5】(a)は、セラミックフィルタを構成する多孔
質セラミック部材を模式的に示す斜視図であり、(b)
は、(a)図におけるA−A線断面図である。
【図6】セラミックフィルタを模式的に示す斜視図であ
る。
【図7】押出成形装置を用いて押出成形を行う様子を示
す部分断面図である。
【図8】従来の押出成形用ダイスの一例を模式的に示し
た部分拡大断面図である。
【図9】(a)は、セラミック成形体を押し出している
状態を示す斜視図であり、(b)は、その部分拡大断面
図である。
【図10】(a)は、セラミック成形体を押し出してい
る状態を示す斜視図であり、(b)は、その部分拡大断
面図である。
【符号の説明】
1 セラミック成形体 10、20、53 押出成形用ダイス 11、21 成形材料供給部 12、22、560 供給穴 13、23、57 成形溝部 14、24、58 成形溝 14a、24a 最外周の成形溝壁面 15、25、580 柱状部 30 多孔質セラミック部材 31 貫通孔 32 充填材 33 隔壁 40 セラミックフィルタ 59 だま状セラミック屑

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1又は2以上の成形溝を有する押出成形
    用ダイスであって、少なくとも、最外周の成形溝壁面の
    JIS B 0601に基づく面粗度Raが50μm以
    下であることを特徴とする押出成形用ダイス。
  2. 【請求項2】 少なくとも、最外周の成形溝壁面のJI
    S B 0601に基づく面粗度Raが10μm以下で
    ある請求項1記載の押出成形用ダイス。
  3. 【請求項3】 1又は2以上の成形溝を有する押出成形
    用ダイスであって、少なくとも、最外周の成形溝壁面の
    出口側の角を面取りしていることを特徴とする押出成形
    用ダイス。
  4. 【請求項4】 少なくとも、最外周の成形溝壁面の出口
    側の角を面取りしている請求項1又は2記載の押出成形
    用ダイス。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1記載の押出成
    形用ダイスを用いてセラミック粉末を含む成形体を作製
    する成形体の作製方法。
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