JP2001516335A - 鎮痛を生じるための方法および組成物 - Google Patents

鎮痛を生じるための方法および組成物

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Abstract

(57)【要約】 鎮痛を生じるための組成物および方法が記載される。式(I)に記載の化合物が示され、急性および持続性の侵害受容性痛みおよび神経障害性痛みの調節における鎮痛を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 鎮痛を生じるための方法および組成物発明の分野 本発明は、鎮痛を生じるための方法および組成物に関し、特に、急性および持 続性の侵害受容性痛みおよび神経障害性痛みの処置に関する。 発明の背景 骨変性疾患およびガンなどの症状において起こり得るもののような、慢性また は治りにくい(intractable)痛みは、種々の鎮痛剤(しばしば、モルヒネのよ うなオピオイド化合物)を用いて処置される、消耗性の症状である。痛みの知覚 を支配する脳経路は、まだ完全には理解されていないが、「侵害受容性経路」と 呼ばれる、脊髄への感覚性の求心性(afferent)シナプス性結合が、幾分詳細に 報告されてきている(McGeer)。鎮痛、または痛みの知覚の低減は、このような 侵害受容性経路に沿った伝達を低減することにより達成され得る。 神経障害性痛みは、複雑でかつ変動し得る病因を有する、特定の型の痛みであ る。これは、一般に、神経の完全もしくは部分的離断、あるいは神経叢(plexus )または軟組織に対する外傷に帰属し得る慢性的症状である。この症状は、知覚 過敏(天然の刺激に対して感受性が増強される)、痛覚過敏(痛みに対する異常 な感受性)、異痛(触覚の刺激に対する知覚過敏により特徴付けられる広範な圧 痛(tenderness))、および/または自発的な強烈な痛み(spontaneous burning pain)。ヒトにおいては、神経障害性の痛みは、慢性的である傾向を有し、か つ消耗性であり得る。 神経障害性の痛みは、従来のオピオイド鎮痛剤療法に対して、非応答性である か、または部分的にのみ応答性であると一般的に考えられている(Jadad)。オ ピオイド化合物はまた、患者において耐性を誘発し得、用量の増加を必要とする 。高い用量では、これらの化合物は、生命を脅かし得る副作用(例えば、呼吸器 の機能低下)を生じ、そしてまた、患者において身体的依存性を生じ得る。これ らの理由により、慢性または神経障害性の痛みを処置するための代替療法が広範 に探索されている。 リドカインは、ナトリウムチャンネルをブロックする特性を有する、周知の鎮 痛性化合物である。これは、ニューロンの膜を横切るインパルスの伝導に必要と されるイオン流動を阻害することにより、局所麻酔として作用する。しかし、脊 髄ブロック、呼吸器停止、および心停止を包含し得る強力で重篤な副作用のため に、リドカイン塩酸塩を麻酔のために全身投与する場合には最小量が推奨され、 そして、注意深い管理の下で投与されなければならない(Physician's Desk Ref erence,1994)。リドカインはまた、水溶性が低い(オクタノール/水の分配係 数は、pH7.4において43である)。 従って、有効用量レベルにおいて毒性が低く、改善された水溶性を有し、かつ 、神経障害性痛みならびに急性および持続性の侵害受容性痛みの処置において有 効である鎮痛性化合物を提供することが望ましい。発明の要旨 1つの局面では、本発明は、急性および持続性の侵害受容性痛みならびに神経 障害性痛みを包含する痛みを処置する方法に関する。本方法に従って、このよう な処置を必要とする被検体に、薬学的に受容可能なキャリア中に治療的有効量の 式(I)の化合物またはその薬学的に受容可能な塩を含む組成物が投与される: ここで、 A1およびA2は、ヒドロキシルまたは水素であり、ただし、A1およびA2の少 なくとも1つは、ヒドロキシルであり; R1は、カルボニル炭素と、式(I)のアミン窒素との間の単炭素または二炭素結 合(one- or two- carbon linkage)であり;そして R2は、メチル、エチル、CH2X、およびCH2CH2Xからなる群から選択され、ここ で、Xはヒドロキシル基またはアミノ基であるか、あるいは、R2は、R1に結合 して4員〜6員のヘテロ環を形成するアルキル鎖である。 好ましい実施態様では、A1はヒドロキシルであり、かつ、A2は水素である。 さらに好ましい実施態様は、R1が-CH2-または-CH2CH2-であり、かつ、R2がメ チル、エチル、CH2X、またはCH2CH2Xであるものであり、ここで、Xはヒドロキ シル基またはアミノ基であり、そして好ましくはヒドロキシル基である。特に好 ましい実施態様は、3-ヒドロキシモノエチルグリシンキシリジドまたは3-ヒドロ キシMEGXとしても公知である、2-(エチルアミノ)-N-(3-ヒドロキシ-2,6-ジメチ ルフェニル)アセトアミドを用いる。 本方法に従って投与される他の好ましい化合物には、R1が上記のような単炭 素結合であり、かつ、R2が、R1に結合して4員〜6員のヘテロ環(好ましくは ピロリジル環)を形成するアルキル鎖であるものが挙げられる。 他の局面では、本発明は、痛みを処置するための薬学的組成物であって、薬学 的に受容可能なキャリア中に治療的有効量の上記の式Iの化合物またはその薬学 的に受容可能な塩を含む組成物を提供する。好ましい組成物は、上記の好ましい 化合物を含む。特に好ましい組成物には、化合物2-(エチルアミノ)-N-(3-ヒドロ キシ-2,6-ジメチルフェニル)アセトアミド、2-((2-ヒドロキシエチル)アミノ)-N -(3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニル)アセトアミド、2-((2S)-2-ピロリジル)- N-(3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニル)アセトアミド、2-((2R)-2-ピロリジル) -N-(3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニル)アセトアミド、および3-(エチルアミ ノ)-N-(3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニル)プロパンアミドが含まれる。 好ましくは、塩は、ハロゲン化物、カルボン酸塩、スルホン酸塩、または硫酸 塩(例えば、塩化物、臭化物、酢酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩 、メタンスルホン酸塩、またはトルエンスルホン酸塩)である。最も好ましくは 、対イオンは塩素イオンである。 本発明はまた、以下の式Iの構造を有する鎮痛性化合物を提供する: ここで、 A1およびA2は、ヒドロキシルまたは水素であり、ただし、A1およびA2の少 なくとも1つは、ヒドロキシルであり; R1は、式Iのカルボニル炭素とアミン窒素との間の単炭素結合または二炭素 結合であり;そして R2は、メチル、エチル、CH2X、およびCH2CH2Xからなる群から選択され、ここ で、Xはヒドロキシル基またはアミノ基であるか、あるいはR2は、アルキル鎖 を介してR1に結合し、4員〜5員のヘテロ環式環を形成する、 ただし、A1またはA2が水素であり、かつR1が-CH2-である場合には、R2は エチルではない。 好ましい化合物には、A1がヒドロキシルであり、かつ、A2が水素であるもの が挙げられる。すなわち、3-ヒドロキシ置換化合物である。特に好ましい化合物 には、2-(メチルアミノ)-N-(3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニル)アセトアミド 、2-((2-ヒドロキシエチル)アミノ)-N-(3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニル)ア セトアミド、2-((2S)-2-ピロリジル)-N-(3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニル) アセトアミド、2-((2R)-2-ピロリジル)-N-(3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニル )アセトアミド、3-(エチルアミノ)-N-(3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニル)プ ロパンアミド、および2-(2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル))アミノ)-N-(3-ヒドロ キシ-2,6-ジメチルフェニル)アセトアミドが挙げられる。 本発明のこれらおよび他の目的および性質は、以下の発明の詳細な説明を添付 の図面と併せて読むことにより、より十分に明確になる。図面の簡単な説明 図1は、本発明の3-ヒドロキシ置換化合物の調製のための合成スキームを示す ; 図2Aは、本発明の4-ヒドロキシ置換化合物の調製のための合成スキームを示 す; 図2Bは、ヘテロ環式環を有する本発明の化合物の調製を図示する; 図3Aは、pH6.58において、髄腔内(intrathecally)投与されたSNX-483(3- ヒドロキシMEGX)についての時間効果曲線を示し、続いてSprague-Dawleyラット の後ろ足に5%ホルマリンを皮下注射することにより起こる、急性および持続性 の侵害受容性応答の用量依存性遮断を示す; 図3Bは、図3A中のデータから導かれた用量応答曲線であり、Sprague-Dawl eyラットにおける急性(第1相、0〜9分)のホルマリンに誘発された侵害受容 性応答における、pH6.58でのSNX-483の効果を示す; 図3Cは、図3A中のデータから導かれた用量応答曲線であり、Sprague-Dawl eyラットにおける持続性(第2相、10〜90分)のホルマリンに誘発された侵害受 容性応答における、pH6.58でのSNX-483の効果を示す; 図4は、Sprague-Dawleyラットの後ろ足に5%ホルマリンを注射した後に、髄 腔内注射により投与されたSNX-483についての時間効果曲線を示し、持続性(第 2相)侵害受容性応答の遮断を示す; 図5は、pH6.58において髄腔内投与されたリドカインについての時間効果曲線 を示し、成体Sprague-Dawleyラットにおける、ホルマリンに誘発された足の収縮 (flinch)挙動への影響を示す。 図6Aは、pH9.2において、髄腔内投与されたSNX-483(3−ヒドロキシMEGX) についての時間効果曲線を示し、図3Aのように、Sprague-Dawleyラットにおけ る、急性および持続性の侵害受容性応答の用量依存性遮断を示す; 図6Bは、Sprague-Dawleyラットにおける、pH9.2における、ホルマリンに誘 発された急性および持続性の侵害受容性応答のSNX-483による用量依存性遮断を 図示する; 図7は、pH6.58において、髄腔内投与されたSNX-507(4−ヒドロキシMEGX)に ついての時間効果曲線を示し、続いてSprague-Dawleyラットの後ろ足に5%ホル マリンを皮下注射することにより起こる、急性(第1相)および持続性(第2相 )の侵害受容性応答の用量依存性遮断を示す; 図8Aは、ラットの熱刺激(ホットプレートテスト)により誘発された急性侵 害受容性応答の、髄腔内投与されたSNX-507による阻害を示す、時間効果曲線お よび用量応答曲線を示す; 図8Bは、図8Aに示される通り、SNX-507による、熱的に誘発された急性侵 害受容性応答の阻害における、SNX-507およびビヒクル処理されたコントロール についての時間効果曲線の下の面積の比較を示す; 図9は、ラットの熱刺激により誘発された急性侵害受容性応答の、髄腔内投与 されたSNX-522(3-ヒドロキシMMGX)による阻害を示す、時間効果曲線を示す; 図10は、後根神経節(dorsal root ganglia)に対して遠位にあるL5/L6脊椎神 経の片側性結合(unilateral ligation)により生じる、有痛性末梢神経障害を 伴うSprague-Dawleyラットにおける機械的異痛(mechanical allodynia)の、髄 腔内投与されたSNX-483(3-ヒドロキシMEGX)による用量依存性遮断を示す時間効 果曲線を示す; 図11は、SNX-483による、図10のように実験的に誘発された有痛性末梢神経障 害を伴うSprague-Dawleyラットにおける機械的異痛の用量依存性遮断を示す、用 量応答曲線を示す; 図12A〜12Bは、髄腔内投与されたSNX-507(4-ヒドロキシMEGX)による、実験 的に誘発された有痛性末梢神経障害を伴うSprague-Dawleyラットにおける機械的 異痛の用量依存性遮断を示す、時間効果曲線および曲線の下の面積を示す; 図13は、髄腔内投与されたSNX-522(3-ヒドロキシMMGX)による、実験的に誘 発された有痛性末梢神経障害を伴うSprague-Dawleyラットにおける機械的異痛の 用量依存性遮断を示す、時間効果曲線を示す; 図14〜18は、髄腔内投与された0.6μmolの化合物(本明細書中で、それぞれSN X-559、-560、-561、-572、および-579と命名される)による、実験的に誘発さ れた有痛性末梢神経障害を伴うSprague-Dawleyラットにおける機械的異痛の遮断 を示す、時間効果曲線を示す;そして 図19は、メキシレチン、3-ヒドロキシリドカイン、またはリドカインの脊椎( 髄腔内)注射後の、図10〜18のように実験的に誘発された有痛性末梢神経障害を 伴うラットにおける機械的異痛の閾値を図示する。発明の詳細な説明 I.定義 以下の用語は、他に示されない限り、以下の意味を有する。 本明細書中で用いられる、「二炭素結合(two-carbon linkage)」は、第1の 炭素原子を介して式Iのカルボニル炭素に結合し、そして、第2の炭素原子を介 して、式Iのアミン窒素に結合する;すなわち、これは分枝結合を形成しない。 「単炭素結合または二炭素結合(one- or two-carbon linkage)」は、式Iの R1およびR2がヘテロ環式環を形成する場合を除き、それぞれ、-CH2-基または- CH2CH2-もしくは-CH=CH-基を示す。 「侵害受容性痛み(nociceptive pain)」は、皮膚中の末梢神経末端、その下 にある組織、または内蔵への機械的、熱的、または化学的な刺激のような、有害 な刺激から生じる痛みである。このような刺激は、迅速な(または「急性」の) 痛み応答を生じ、そしてまた、長く続く(または「持続性」の)応答を生じ得る 。 後者は、急性痛み応答において放出された物質(例えば、グルタミン酸およびタ キキニン)による神経末端の活性化から生じ得る。このような痛みは、代表的に は、抗炎症剤または麻薬性鎮痛剤を用いて処置可能である。 「神経障害性痛み」は、末梢神経経路または中枢神経経路に対する傷害または それらの慢性的変化から生じる痛みである。このような痛みは、有害な感覚の明 確なインプット(input)なしに進行および持続し得、慢性化し得る。通常の感 覚刺激に対する感覚過敏(例えば、知覚過敏または異痛)が存在し得る。このよ うな痛みは、従来の鎮痛剤ではほとんど緩和されず、一般に、麻薬性鎮痛剤によ り部分的にのみ緩和される。 II.鎮痛性組成物 本発明に従えば、上記式Iに示される構造を有する化合物を含む組成物の投与 により、急性および持続性の侵害受容性痛みおよび神経障害性痛みの調節におい て、鎮痛が提供される。 式Iにおいて、A1およびA2は、ヒドロキシルまたは水素である。ただし、A1 およびA2の少なくとも1つはヒドロキシルであり、R1は、式Iのカルボニル 炭素とアミン窒素との間の単炭素結合または二炭素結合であり;そしてR2は、 メチル、エチル、CH2X、およびCH2CH2Xからなる群から選択され、ここで、Xは 、ヒドロキシル基またはアミノ基であるか、あるいはR2はアルキル鎖を介して 4員〜6員のヘテロ環式環を形成する。この化合物は、ハロゲン化物、カルボン 酸塩、スルホン酸塩、または硫酸塩のような薬学的に受容可能な塩として投与さ れ得、そして、薬学的に受容可能なキャリア中で投与される。 好ましい化合物には、A1がヒドロキシルであり、かつ、A2が水素であるもの 、すなわち、3-ヒドロキシ置換化合物が挙げられる。式Iの好ましいサブグルー プにはまた、R1が-CH2-または-CH2CH2-であり、かつ、R2が、メチル、エチル 、CH2X、およびCH2CH2Xであり、ここで、Xがヒドロキシル基またはアミノ基で ある化合物が包含される。特に好ましい化合物は、R2が、メチル、エチル、ま たは2-ヒドロキシエチルである化合物である。これらには、本明細書中で以下の ように命名された化合物が挙げられる(式Iを参照のこと):SNX-483(2-(エチ ルア ミノ)-N-(3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニル)アセトアミド)、SNX-507(2-(エ チルアミノ)-N-(4-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニル)アセトアミド)、SNX-522 (2-(メチルアミノ)-N-(3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニル)アセトアミド)、 およびSNX-559(2-(2-ヒドロキシエチル)アミノ)-N-(3-ヒドロキシ-2,6-ジメチル フェニル)アセトアミド)。このサブグループにはまた、SNX-579(2-(2-(N,N-ジメ チルアミノ)エチル))アミノ)-N-(3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニル)アセトア ミド)のような末端アミノ化化合物、およびSNX-572(3-(エチルアミノ)-N-(3-ヒ ドロキシ-2,6-ジメチルフェニル)プロパンアミド)のような、R1が二炭素鎖で ある化合物が挙げられる。 他の好ましいサブグループでは、R1は、式Iのカルボニル炭素とアミン窒素 との間の単炭素結合であり、かつ、R2は、R1に結合して4員〜6員のヘテロ環 式環を形成するアルキル鎖である。特に好ましいのは、ピロリジンを含む化合物 (例えば、本明細書中でSNX-560およびSNX-561と命名されるもの(それぞれ、 2-(2-ピロリジル)-N-(3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニル)アセトアミドの(2S )および(2R)異性体である)である。ピペリジンおよびアゼチジンのような異 なるサイズの環、ならびにモルホリンまたはチオモルホリンのような他のヘテロ 原子を含む環もまた意図される。 本発明の化合物は、本方法に従って、その薬学的に受容可能な塩としてもまた 投与され得る。アニオン性対イオンは、好ましくは、ハロゲン化物イオン、また はカルボキシレートイオン、スルホネートイオン、または硫酸含有イオンである 。より好ましくは、対イオンは、塩化物イオン、臭化物イオン、酢酸イオン、シ ュウ酸イオン、マレイン酸イオン、フマル酸イオン、メタンスルホン酸イオン、 またはトルエンスルホン酸イオンである。最も好ましくは、対イオンは塩化物イ オンである。 治療方法および組成物に加えて、本発明はまた、上記式Iの構造を有する化合 物を提供する。ここで、A1およびA2はヒドロキシルまたは水素であり、ただし 、A1およびA2の少なくとも1つはヒドロキシルであり、R1は、式Iのカルボ ニル炭素とアミン窒素との間の単炭素結合または二炭素結合であり、かつ、R2 は、メチル、エチル、CH2X、およびCH2CH2Xからなる群から選択され、ここで、 Xはヒドロキシル基またはアミノ基であるか、あるいはR2は、R1に結合して4 員または5員のヘテロ環式環を形成するアルキル鎖である;ただし、A1または A2が水素であり、かつR1が-CH2-である場合には、R2はエチルではない。好ま しい化合物には、3-ヒドロキシ置換化合物、特に、上記のSNX-522、SNX-559、SN X-560、SNX-561、SNX-572、およびSNX-579と命名された化合物が挙げられる。こ れらの化合物は、以下に記載するように、鎮痛を提供するのに有用である。 III.鎮痛性化合物の調製 3-ヒドロキシ置換基をベンゼン環上に有する、本発明の化合物は、一般に、図 1に示すように、例えばKeenaghan、Nelson、およびGlushkovに記載の方法に従 って調製され得る。リドカインの標準的合成のように、まず、2,6-キシリジンを クロロアセチルクロライド、または無水酢酸とのクロロ酢酸の反応生成物(Glus hkov)でアシル化して、2-クロロ-N-(2,6-ジメチルフェニル)アセトアミドを得 る。適切に置換されたアミンとの反応により、2-アルキルアミノ-N-(2,6-ジメチ ルフェニル)アセトアミド(1)を得る。ベンゼン環のニトロ化、続くジアゾ化およ び加水分解(Keenaghan)により、フェノール、2-アルキルアミノ-N-(3-ヒドロ キシ-2,6-ジメチルフェニル)アセトアミド(2)を得る。 4-ヒドロキシ置換基を有する化合物は、一般に図2Aに示されるように調製さ れ得る。中間体である4-ヒドロキシ-2,6-キシリジン、または4-アミノ-3,5-ジメ チルフェノール(3)は、公知の方法で調製され得る。示される2つの可能な経路 のうちの1つは、3,5-ジメチルフェノールのニトロ化、4-ニトロ異性体の単離、 およびアミンへの還元を用いる。Fernandoに記載の方法に従う代替経路は、3,5- ジメチルフェノールとジアゾ化スルファニル酸とのカップリングにより形成され たアゾ中間体を用いる。アゾ化合物を、次いでアミンに還元する(報告された全 収率は89%である)。続くアシル化およびアルキル化により、図1に記載される ような置換アセトアミドが得られる。 本明細書中でSNX-583(2-エチルアミノ-N-(3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニ ル)アセトアミド、3-ヒドロキシモノエチルグリシンキシリジドまたは3-ヒドロ キシMEGXとしても公知である)、SNX-522(3-ヒドロキシモノメチルグリシンキ シリジドまたは3-ヒドロキシMMGX)、およびSNX-507と命名された化合物は、図 1または2Aのスキームに従って(ここで、Rはエチルまたはメチルである)、 所望の通りに調製される。 本発明の他の化合物は、周知の合成方法に従って、図1または2Aのスキーム における少しの変形により調製され得る。例えば、SNX-572のような化合物(こ こで、R1は二炭素結合である)は、クロロアセチルクロライドを3-クロロプロ ピオニルクロライドで置き換えることにより調製される。SNX-559におけるヒド ロキシル基のようなさらなる反応性基を有する化合物は、合成の間に適切な保護 基を用いることにより調製され得る。 R1およびR2が環を形成する本発明の化合物(例えば、SNX-560およびSNX-561 と命名された化合物)は、図2Bに示すように調製され得る。適切なカルボキシ ル置換窒素ヘテロ環(この場合、活性化プロリン)を、図2に示すように4-アミ ノ-3,5-ジメチルフェノールと反応させるか、あるいは3-アミノ-2,4-ジメチル フェノール(これは図1に示される反応を用いて2,6-キシリジンから調製され得 る)と反応させる。 IV.鎮痛活性 本発明によれば、上記式Iの化合物が鎮痛剤として有効であることが見出され た。インビボでの鎮痛は、多くの動物モデルのうちの1種以上で簡便に測定され 、所与の痛みの刺激に対する動物の応答が測定される。 A.急性および持続性の侵害受容性の痛みの状態 1.ホルマリンテスト 急性の刺激に対する応答についての1つのこのようなモデルは、ラットホルマ リンテストである。このテストは、脊髄(Wheeler-Aceto)における侵害受容性 情報のプロセシングのいくつかのレベルを反映する。このテストにおいて使用さ れた侵害性の刺激(足へのホルマリン)により生じる遅延性の知覚入力は、急性 の痛み応答段階(第1期)、次いで第2の、持続性段階(第2期)を誘発するこ とを示した。この第2段階は、第1期の間に存在する求心性入力により引き起こ される促進されたプロセシングの状態を表し、薬理学的証拠に基づき、少なくと も2つの物質(グルタメートおよびタキキニン)の放出に関連する(Yamamoto) と考えられる。 ラットホルマリンテストにおいて、ホルマリンの標準用量は、ラットの足に注 入され、そして足の屈曲をその後90分間にわたって定量する(実施例I)。2相 性の応答パターンは、注入(第1期)および注入後約10〜60分間の間に生じる第 2段階(第2期)の後、5分間に観察される多くの応答を伴って典型的に観測さ れる。1分当たりの収縮の平均数を、時間の関数として記録する。各段階の間の 応答の定量を、図3B〜3Cに示すような収縮/分の曲線下の面積の計算により 行う。 図3A〜3C、4、および6A〜6B、および7は、3-ヒドロキシMEGX、命名 されたSNX-483、および4-ヒドロキシMEGX、命名されたSNX-507の変化する用量を 、ラットにおけるホルマリン応答への効果についてテストした実験の結果を示す 。5%ホルマリン溶液を、Sprague-Dawley ratの後足(hindpaw)に皮下注入し た。ホルマリン注入の10分前、テスト化合物を、腰膨大で終結する脊髄留置(髄 腔 的)カテーテル(indwelling spinal catheter)を通してボーラス注入により投 与した。図3A〜3Cに示される結果について、投薬溶液を、HClを用いてpH6.5 8に酸性化した。注入容量は20μLであった。 図3Aは、SNX-483の用量を変化させること(n=10動物/処置)による、急性 (第1期、0〜9分)および持続性(第2期、10〜90分)の痛みの遮断について の時間−効果曲線を示す。図3Aから理解され得るように、使用されたSNX-483 の最低用量(0.07μmol、黒丸)は、第1期および第2期応答の両方の阻害を示 し、阻害は、コントロールと比較して、1時間まで持続した。より高い用量は、 より大きくかつより長い寿命の(90分までまたはそれ以上)阻害を示した。 図3Bおよび3Cは、投薬量に対する所与の段階についての時間−効果曲線下 の面積をプロットすることによりこれらのデータから生じた用量−応答曲線を示 す。ED50用量(約50%阻害を生じる用量)を、第1期応答および第2期応答につ いての用量−応答曲線から決定した。SNX-483については、第1期ED50は9.3μg (42nmol)であり、そして第2期ED50は29.9μg(135nmol)であった。 標準ラットホルマリンテストにおいて、上記のように、ホルマリン注入前にテ スト物質を投与する。図4に示すように、SNX-483もまた、ラットの足のホルマ リンテストにおいて、ホルマリン注入(n=10動物/処置)の後に髄腔的に投与 された場合に、コントロールと比較して、持続性(第2期)侵害受容性応答をブ ロックすることが見出された。この観察は、SNX-483が、骨髄侵害受容性プロセ シングの予め存在する促進状態により生じる侵害受容挙動をブロックすることを 示唆する。 図5A〜5Bは、Sprague-Dawleyラットにおける、ホルマリンにより誘発され た急性および持続性の侵害受容性応答の、SNX-483による用量−依存遮断をさら に例示する。ここで、SNX-483の投薬溶液を、pH9.2に調整した。図6Bの各々の ヒストグラムは、指標段階(indicated phase)の間に観測された収縮の総数の 平均(n=3〜4動物/群)を表す。 図7は、0.6μmol用量のSNX-507(n=10)による、急性(第1期)および持 続性(第2期)の痛みの遮断についての時間−効果曲線を示す。この図から理解 され得るように、この用量のSNX-507は、第2期応答の阻害を示し、阻害は、90 分以上持続した。 これらの結果は、本発明の化合物が、急性および持続性両方の侵害受容性の痛 みを和らげるのに有効であること、およびSNX-483が、生理学的pH(pH=6.58) および塩基性pHの両方で有効であることを示唆する。さらに、示された投薬量で のSNX-483およびSNX-507の投与は、挙動に全く変化を生じなかった。 別の研究において、同様のテストを、リドカイン(図5)および3-ヒドロキシ リドカイン(データ示さず)を用いて行った。投薬溶液を、HClを用いてpH6.58 に酸性化し;注入用量を20μLとした。結果を図5に示す。この図から理解され 得るように、リドカインは、ホルマリン誘発侵害受容性応答(n=10)への効果 は無かった。同様の陰性の結果が、0.6μmol用量の3-ヒドロキシリドカインを用 いて得られた。さらに、この研究において、リドカインの投与により有害な副作 用(後肢不全麻痺の形態)が生じた。 2.ホットプレートテスト 別のモデルにより、急性熱刺激に対する侵害受容受容性応答を測定する。この テスト(以下の実施例2)において、動物を、一定温度52±0.5℃に維持される ステンレス鋼プレート上に配置し、後足をなめる(lick)かまたはジャンプする までの時間を60秒の閾値で測定する。動物を、テストまたはコントロール物質で 投与する直前にテストし、その後30分間隔でテストする。 図8A〜8Bは、上記のテストプロトコルに従う、SNX-507(4-ヒドロキシMEG X)およびコントロールビヒクルの2つのレベル(0.2および0.6μmol)の髄腔内 投与による、急性侵害受容受容性応答への効果を示す。図9は、0.6μmolのSNX- 522(3-ヒドロキシMMGX)を用いる類似の試験結果を示す。データを、平均±SEM (n=6〜8動物/処置)として表す。 この図から理解され得るように、低用量(0.2μmol)のSNX-507は、コントロ ールに比べて、投薬から最高1.5時間のブロック効果を示した。より高い用量(0 .6μmol)では、より強力かつより長寿命(3時間以上)のブロック効果を示し た。0.6μmol用量のSNX-522は、コントロールに比べて、著しいブロック効果を 示した。このブロック効果は、投薬から3時間本質的に減少せず、有効性は投薬 から 8時間保持される。これらの結果は、本発明の化合物が急性侵害受容受容性の痛 みを和らげるのに有効であることをさらに示す。 B.神経障害性の痛みの状態 本発明の化合物の鎮痛効力をまた、神経障害性または神経原性の痛みの動物モ デルにおいてテストした。1つのこのようなモデルは、二次的に末梢神経を傷つ けるカウザルギーといわれるヒトの状態(すなわち、反射性交換神経性ジストロ フィー(RSD))に類似する。この状態は、知覚過敏(天然の刺激に対する感受 性が高まる)、痛覚過敏(痛みに対する異常な感受性)、アロジニア(触覚の刺 激に対する過敏性により特徴付けられる広範な圧痛)、および自発性のやけどの 痛みにより特徴付けられる。 本発明の支持下で行われる実験を、実施例3において詳細にされる末梢神経障 害性のラットモデルにおいて行った。簡単にいえば、使用されるモデルにおいて 、ラットを、KimおよびChung(1992)により記載される、末梢神経(脊髄神経L5 およびL6)を再生的に傷つけるように計画された外科手順に供する。これらのラ ットは、知覚過敏状態を発現し、この知覚過敏は、当該分野で公知の1以上の系 列表を用いて測定され得る。ここで、アロジニアを、硬さの等級(graded degre e)を有するワイヤヘアを用いて、神経障害性ラットの後肢の刺激により測定し た。鎮痛性化合物は、動物が刺激に対して示す高い感受性を覆す。 図10〜18は、下記のように、本発明のいくつかの化合物で処置された動物 のアロジニアテストにおける結果を示す。pH6.58のテスト溶液を、上記のように 髄腔的に投与した。機械的アロジニア(mechanical allodynia)を、直径を変化 させたナイロンフィラメントを足に対して押しつけることにより測定した。デー タは、50%応答閾値によって表し、これは、足の撤退(withdrawal)を引き起こ すこと必要とするメジアン座屈重量(median buckling weight)であり;より低 い刺激レベルであるほど、より厳しいアロジニアである。 図10に示されるように、SNX-483(3-ヒドロキシMEGX)の種々の用量(0.15 〜0.6μmol)でのラットの処置(n=6動物/処置)により、閾値応答の増加を 示した。薬物処置に帰因する応答のピークの増加(アロジニアの遮断)は、30〜 60分まで観測され、そして単一ボーラス注入の効果は、長い寿命であり、3時間 を超え、可能なことには20時間まで持続した。0.3μmol(白三角)および0.6μm ol(黒三角)の投薬量は、図10にて理解され得るように、著しい鎮痛効果を示 し、かつ観測可能な有害な副作用を生じなかった。 図11は、図10に示されたデータから誘導された用量−応答曲線を示す。注 入の30分後に測定されたアロジニア閾値を、用量に対してプロットした。各点は 、単一の動物に対する値を示す。 図12A〜Bに示されるように、また、SNX-507(4-ヒドロキシMEGX)0.6μmo lでのラットの処置(n=6動物/処置)により、閾値応答の増加を示した。薬物 処置に帰因する応答のピークの増加(アロジニアの遮断)は、30分まで観測され 、そして単一ボーラス注入の効果は、長い寿命であり、3時間を超えた。従って 、0.6μmol投薬量のSNX-507は、有意な鎮痛効果を示し、観測可能な有害な副作 用を伴わなかった。 図13〜18は、以下を用いて行った同一の実験の結果を示す:種々の用量のSNX- 522(0.2、0.6、および1.8μmol;n=5動物/処置;図13)、および0.6μmol 投薬量のSNX-559(n=17;図14)、SNX-560(n=12;図15)、SNX-561( n=13;図16)、SNX-572(n=12;図17)、およびSNX-579(n=12;図1 8)。アロジニアの遮断は、上記全ての化合物について示され、特に顕著な効果 が、SNX-559、SNX-560、SNX-561、およびSNX-572により示された。 別の研究において、同様のテストが、リドカイン、3-ヒドロキシリドカイン、 およびメキシレチンを用いて行われた。0.6μmolの投薬量が使用された。図19 (n=5〜6)に示されるように、これらの投薬量のリドカインおよび3-ヒドロ キシリドカインは、機械的アロジニアをブロックせず、そしてメキシレチンにつ いては弱い応答のみが観測された。さらに、リドカインで処置されたラットにつ いて、有害な副作用が、即効性かつ一時性の弱い形態で観測された。対照的に、 本発明の化合物の2〜3倍を超える投薬量での投与時にはこのような効果は無い ことが記録された。 上記の結果は、本発明の化合物が、著しく有害な副作用を生じない投薬量で、 神経損傷により誘発される知覚過敏効果を覆し得ること、および急性および持続 性両方の侵害受容受容性の痛みを軽減し得ることを示唆する。 V.処方物および投薬 本発明の化合物を含む処方物は、固体、半固体、凍結乾燥粉末、または液体投 薬形態をとり得、例えば、錠剤、ピル、カプセル、粉末、持続性放出処方物、溶 液、懸濁液、乳濁液、座剤、保持浣腸(retention enema)、クリーム、軟膏、 ローション、エアロゾルなどであり、好ましくは、正確な投薬量の簡単な投与に 適切な単位投薬形態である。 典型的には、組成物は、従来の薬学的キャリアまたは賦形剤を含み、そしてさ らに、他の医薬品(medical agent)、キャリア、アジュバントなどを含んでも よい。好ましくは、組成物は、約0.5重量%〜75重量%の、本発明の単数または 複数の化合物であり、残りは、適切な薬学的賦形剤で構成される。経口投与のた めに、このような賦形剤は、薬学的グレードのマンニトール、ラクトース、スタ ーチ、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルク(talcum)、 セルロース、グルコース、ゼラチン、スクロース、炭酸マグネシウムなどを含む 。 所望であれば、組成物はまた、少量の無毒性の補助物質(例えば、湿潤剤、乳化 剤または緩衝剤)を含んでもよい。 液体組成物は、化合物(約0.5%〜約20%)および任意的な薬学的アジュバン トを、キャリア(例えば、生理食塩水、デキストロース水溶液、グリセロール、 またはエタノール)中に溶解させるかまたは分散させることにより調製されて、 溶液または懸濁液を形成し得る。経口液体調製物における使用のために、組成物 は、溶液、懸濁液、乳濁液、またはシロップとして調製され得、これは、液体形 態、または水もしくは通常の生理食塩水に水和するのに適した乾燥形態のいずれ かで供給される。本発明の化合物は、良好な水溶性を有するので、水性キャリア 中の遊離形態または塩形態で、簡便に投与され得る。 組成物が、経口投与用途の固体調製物の形態で使用される場合、この調製物は 、錠剤、顆粒、粉末、カプセルなどであり得る。錠剤処方物において、組成物は 、典型的には添加剤(例えば、サッカライドまたはセルロース調製物のような賦 形剤、スターチペーストまたはメチルセルロースのような結合剤、充填剤、崩壊 剤、 および医薬調製物の製造において典型的に通常使用される他の添加剤)と共に処 方される。 非経口投与のための注入可能な組成物は、典型的には、適切なI.V.(静脈内) 溶液(例えば、無菌生理食塩水)中に、式Iの化合物または受容可能な塩を含む 。組成物はまた、脂質またはリン脂質中の懸濁液として、リポソーム性懸濁液中 に、または水性乳濁液中に処方され得る。水性溶液中での投与が好ましい経路で ある。 いくつかの用途について、損傷した神経または標的神経を取り囲み得る髄膜を 通る、活性化合物の浸透を増強するための組成物または処置レジメン手段に含む ことが望まれ得る。化合物の髄膜貫通(trans-meningeal)輸送を増強するため の手段は、当該分野で公知であり、そしてリポソーム性膜で化合物をカプセル化 すること、組成物への界面活性剤の添加などを含む。あるいは、またはさらに、 髄膜貫通輸送は、当該分野で周知の方法に従って、髄膜関門を分裂するのに有効 なこの高張投薬溶液を被験体に投与することにより促進され得る。 このような投薬形態の調製方法は、当業者に公知であるかまたは理解される; 例えば、Remington's Phrmaceutical Sciences(17th Ed.,Mack Publishing Co. ,1985)を参照のこと。 一般的に、化合物の投薬量および投与経路は、痛みの部位および被験体の大き さに従って、標準的な薬学的実施に従って決定される。組成物は、以下のセクシ ョンVIに記載されるように、種々の経路により被験体に投与され得る。 投与されるべき組成物は、ある量の選択された鎮痛性化合物を、患者における 鎮痛を生じるのに薬学的に有効量で含む。慢性の痛み、特に、神経障害性の痛み を処置する場合、患者は、定期的なベースに基づいて、症状を軽減し、そして患 者の快適性を改善するのに十分な投薬レベルで組成物を与え得る。投薬される用 量は、投与経路に依存し、非経口投与のためにはより少ない量が好ましく、そし て経口投与のためにはより多い量が好ましい。非経口投与のためには、適切な用 量レベルは、約0.05〜0.75mg/kg患者の体重であり、好ましくは、約0.1〜0.5mg/ kgである。所与の経路に最適な投薬量は、当該分野で公知の方法に従う、例えば 、以下の実施例に記載される処置レジメンを用いるルーチンな実験により決定さ れ得る。 VI.処置方法 侵害受容性または神経障害性の痛みを処置するのに有用な本発明の組成物は、 このような処置を必要とする被験体に種々の公知の経路(例えば、経口投与、神 経周囲投与、または非経口投与)により投与され得る。非経口投与は、静脈内、 髄腔内、皮下、腹腔内または筋肉内注入を含む。 髄腔内投与は、脊髄の周囲(冒された椎骨レベルの後角範囲)への化合物の局 所投与を可能にする。このとき、痛覚の多シナプス性の遅延が起こる。このタイ プの局所投与は、共有に係る米国特許第5,587,454号に記載される。ボーラス投 与または一定注入(constant infusion)のいずれかのような髄腔内投与は、化 合物を、大脳髄液(CSF)を含むクモ膜下空間に直接送達する。この方法は、有 効ではあるが、正確な部位への送達を確実にするための正確な技術的専門知識を 必要とする。 脊髄領域への送達はまた、クモ膜の外側の脊髄領域に硬膜外注入によっても達 成され得る。上記のように、髄膜を介する活性化合物の浸透を高めるために組成 物手段に加えることは有利であり得る。このような手段は、当該分野で公知であ り、そしてリポソーム性カプセル化またはペプチド組成物への界面活性剤もしく はイオン対形成剤(ion-pairing agent)の添加を含む。あるいは、またはさら に、クモ膜への増強された浸透は、髄膜関門の浸透性を高めるのに有効な高張投 薬溶液を投与することにより達成され得る。 遅滞注入(slow infusion)による投与は、髄腔的または硬膜外経路を使用す る場合には特に有用である。多くのインプラント可能なポンプまたは身体装着可 能な(body-mountable)ポンプが化合物を規定速度で送達するのに有用であるこ とは当該分野で公知である。米国特許第4,619,652号に記載されるこのようなポ ンプの1つは、持続的な流速(tonic flow rate)または周期的なパルスで化合 物を送達するのに使用され得る身体装着可能なポンプである。ポンプの真下であ る注入部位により、直接、必要な領域(例えば、神経周囲領域)への化合物の送 達が提供される。 神経障害性の痛みに対する鎮痛性はまた、神経突起成長の増殖それ続く神経の 損傷により特徴づけられる冒された皮膚領域に、神経周囲的に投与され得る。こ のような神経周囲投与は、直接的に、または経皮的アプリケーターを使用しての いずれかによる局所手段によるものであり得る。あるいは、神経周囲投与は、皮 下注入により達成され得る。カルシウムチャネルに生じる遮断は、神経突起増殖 を介した伝達により生じる高まった感覚を低減させる。神経周囲送達はまた、損 傷した神経の周囲にカフを形成することにより(好ましくは、治療化合物を含む 生分解性マトリックス)達成され得る。あるいは、またはさらに、治療化合物は 、損傷した神経を修復するために、設計された神経副子(nerve splint)に化合 物を結合させるかまたはその上に化合物をコーティングするかにより損傷した神 経の近傍に配置され得る。これらの神経副子の例は、米国特許第4,534,349号お よび同第4,920,962号に提供される。 神経周囲送達はまた、鎮痛性化合物を縫合材料に組み込み、そしてこれらの材 料を損傷した組織を縫合するのに使用することにより達成され得る。この方法は 、組織の損傷に付随する神経障害の進行を阻害するために提供されることが所望 される部位に化合物を送達するのに特に有用である。米国特許第5,308,889号は 、N-タイプカルシウムチャネル遮断化合物の治療的送達に使用するのに適切で あり得るコラーゲンベースの縫合材料を記載する。 神経周囲部位に化合物を送達するための1つの特に有用な手段は、経皮送達で ある。この送達形態は、当該分野で公知の方法に従って達成され得る。一般的に 、経皮送達は、選択された皮膚領域への化合物の遅滞送達を可能にする経皮「パ ッチ」の使用を伴う。このようなパッチは、本発明の化合物の全身送達を提供す るのに一般的に使用されるが、本発明の文脈では、このような部位指向性送達は 、選択された神経突起増殖領域において、増大した化合物濃度を提供することが 期待され得る。経皮パッチ送達システムの例は、米国特許第4,655,766号(浸透 圧的流体吸収送達システム(fluid-imbibing osmotically driven system))お よび米国特許第5,004,610号(速度制御された経皮送達システム)により提供さ れる。 経皮送達について、浸透を高める物質(例えば、脂溶性物質(例えば、脂肪族 カルボン酸、脂肪族アルコール)または水溶性物質(例えば、エチレングリコー ル、1,3-プロパンジオール、グリセロール、プロピレングリコールなどのような アルカンポリオール))を含むことが所望され得る。さらに、米国特許第5,362, 497号に記載されるように、「水分超吸収樹脂(super water-absorbent resin) 」は、経皮送達をさらに増大するために経皮処方物に添加され得る。このような 樹脂の例として、ポリアクリレート、けん化ビニルアセテート−アクリル酸エス テルコポリマー、架橋ポリビニルアルコール−無水マレイン酸コポリマー、けん 化ポリアクリロニトリルグラフトポリマー、スターチアクリル酸グラフトポリマ ーなどが挙げられるが、これらに限定されない。このような処方物は、問題の領 域にドレッシング(dressing)を閉じ込めるように提供され得るか、または1つ 以上の上記の経皮パッチの形状で提供され得る。 遅延放出のために、鎮痛性化合物は、遅滞放出用に(例えば、生分解性ポリマ ーから形成されるマイクロカプセル中または当該分野で公知の方法に従うリポソ ーム性キャリア系中に)処方されるために、薬学的組成物中に含まれ得る。 VII.治療的適用(Therapeutic Indication) 本発明は、侵害受容性および神経障害性の両方の痛みを処置するための方法お よび組成物を提供する。神経性の痛みに有効な治療は、既に記載されたように広 く探求される。神経障害性の痛みは、多くの別々の病因学に帰因し得る。一般的 に、このような痛みは、本明細書に記載される任意の方法に従って処置され得る 。しかし、多くの場合、その特定の原因に取り組む方法で痛みを処置することが 好ましい。例えば、痛みは、特定の神経繊維の損傷に由来する場合、冒された神 経への化合物の持続的な付与または冒された領域への化合物の経皮的な付与のい ずれかによりこのような痛みを処置するのが適切であり得る。 特定の処方物および送達様式についての議論は、上記セクションVおよびVIに て見出すことができる。本セクションは、本発明の方法に従う処置が特に治療的 有用性を有し得るいくつかの例示的適用を示す。以下に記載される適用は、決し て網羅するものではないが、種々のいくつかの治療状況を例示するために提示す る。ここで、本発明の化合物および方法は、急性および持続性の侵害受容性の痛 みまたは神経障害性の痛みの治療に使用され得る。 A.眼科的適用。 眼は、重度に神経支配された器官である。特に、角膜は 、C-繊維により特に重度に神経支配され、皮膚mm2当たりおよそ(estimated) 3〜600繊維末端(fiber ending)と比較して、mm2当たりおよそ3〜4000繊維末 端を含む。この神経繊維の損傷は、眼を起点とする神経障害性の痛みを引き起こ し得る。本明細書中に記載されるような鎮痛性化合物を用いた処置について、眼 への局所的投与、またはより重篤な場合には、脈絡膜上投与が好ましい。このよ うな投与は、活性化合物を含む脈絡膜上インプラントを提供することにより簡便 に達成され得る。米国特許第5,164,188号は、脈絡膜上の空間への、化合物の慢 性的および制御された投与に適した生分解性インプラントを記載する。慢性的な インプラント治療はまた、神経損傷を生じ得る、剥離した網膜または黄斑性孔( macular hole)の外科手術後のような眼科手術の後に必要とされる。 B.歯科的適用。 根管手順に付随する歯内治療学的修復のような歯科修復 の領域へ鎮痛性化合物の送達は、神経性の痛みを和らげるため、または歯科神経 障害の進行を防ぐための手段として所望され得る。ここでは、治療化合物が、そ の領域から歯髄を除いた後に、当該分野の標準的技術に従って、根管に挿入され る1つ以上のポリマーベースの材料または樹脂中に含まれ得るかまたは添加され 得る。 C.やけどによる傷害(burn injury)。 やけどによる傷害は、主に、熱 的および機械的刺激に対する痛覚過敏より特徴付けられる。この痛覚過敏は、侵 害受容的な増感によるものであり、ここで、神経突起増殖は感覚求心性床(sens ory afferent bed)において起こる。上で議論した原理に従う、式Iの化合物を 含む組成物によるやけど領域の処置は、低減した増感および痛覚過敏、ならびに 痛覚過敏性応答の進行の低減を提供し得る。治療組成物は、冒された領域に直接 か、または保護的な生体ポリマーマトリックス(例えば、人工皮膚マトリックス )を含む処方物中に付与され得る。 D.反射性交換神経性ジストロフィー(RSD)。 RSDは、末梢神経系におけ る異常性、より特定すると、皮膚の体性感覚の求心性神経の増感によるものと考 えられる。交換神経性拍出(sympathetic outflow)は、異所的な神経過剰興奮 性の病巣を活性化することであると考えられる。この状態の処置およびその進行 の低減は、上で議論された送達に関する任意の種々の経皮(局所)経路または皮 下経路により達成され得る。神経周囲送達はまた、この状態に必要とされ得る。 E.ヘルペス後の神経痛。 ヘルペス後の神経痛は、その急性の段階におい て、主要な求心性軸策に損傷を引き起こし得る神経内炎症により特徴付けられる 。この損傷は、皮膚刺激に対する異常な感受性を生じ得る。一般に、異常な感受 性の処置の様式は、冒された神経(単数または複数)の身体中における位置に依 存する。治療化合物の神経周囲または局所的送達は、この状態において必要であ る。 F.糖尿病性神経障害。 長神経(long nerve)における主要な求心性軸策 の神経障害は、糖尿病患者において見出される。これは、これらの神経の主要な 求心性軸策の遠位端の生き返り(dying-back)および試みられた再生を生じる。 侵害受容性の増感が続き得る。このような増感およびその進行は、本明細書中に 記載される1つ以上の処置方法に従って処置され得る。特に、治療化合物の神経 周囲的または局所的な付与が、冒された神経および神経床の位置と一致して、必 要である。 G.関節炎。 関節炎は、関節の求心性神経による痛みの高められた感受性 により特徴付けられる。一般的に、関節の求心性神経の処置において、治療化合 物は、冒された関節の近傍に、神経周囲的に投与される。 実施例1 鎮痛性についてのホルマリンテスト ラット(雄のSprague-Dawley、275〜300g、Harlan Industries,Indianapolis ,IN)を、ハロタン麻酔下で腰椎髄腔内カテーテルを用いてインプラントした( YakshおよびRudy,1976)。カテーテル(ポリエチレンPE-10)を、槽から腰椎拡 大の吻側の端部まで延長した。インプラントの3〜5日後、運動機能障害(moto r dysfunction)のない動物をテストした。このアッセイにおいてテストされる 薬物を、滅菌生理食塩水(0.9%NaCl)に溶解し、容量10μlで注入し、次いでカ テーテルを洗浄する(clear)ための10μlの滅菌生理食塩水を注入した。 ホルマリンテスト(5%ホルマリンの50μlを、軽く麻酔された(ハロタン、 3%)動物の足の足底の面に注入した)において与えられる薬物の効果について 、動物を試験した。注入された足の自発的な収縮/振動の数を、ホルマリンの注 入後の合間に数えた。 ホルマリンのみまたはビヒクル(生理食塩水)を伴う注入は、典型的には、2 相性の応答パターン(前足の撤退)(例えば、図3Aおよび6Aを参照のこと) を生じる。収縮/分の曲線下の面積を、第1期(時間=0〜9分)および第2期 (10〜90分)について計算した。これらの値を、髄腔的log用量(μg)に対して プロットし、図3Bおよび3Cに示される結果を得た。 図4に示されるデータを得るために、上記のように、ホルマリン注入前ではな く、ホルマリン注入の後にSNX-483を投与した。投薬溶液はpH6.58であった。 動物を、対称的に歩行できないことにより証明されるような全身性の運動機能 障害の出現について、および異常な活性の任意の他の明白な徴候についても観察 した。 実施例2 鎮痛性についてのホットプレートテスト ラット(雄のSprague-Dawley、275〜300g、Harlan Industries,Indianapolis ,IN)を、ハロタン麻酔下で腰椎髄腔内カテーテルを用いてインプラントした( YakshおよびRudy)。カテーテル(ポリエチレンPE-10)を、槽から腰椎拡大の吻 側の端部まで延長した。インプラントの3〜5日後、運動機能障害のない動物を テストした。このアッセイにおいてテストされる薬物を、滅菌生理食塩水(0.9 %NaCl)に溶解し、容量10μlで注入し、次いでカテーテルを洗浄するための10 μlの滅菌生理食塩水を注入した。 図8および9に示されるデータを得るために、動物を、一定温度52±0.5℃に 維持されたステンレス鋼プレートの上に配置し、後足をなめるかまたはジャンプ するまでの時間を測定した。60秒以内に応答がなければ、その試験(trial)を 終了し、そしてこの値を記録した。研究を開始する前、約10分間隔で2回の試験 を行うことにより、動物を試験条件に順化した。動物を、テスト物質またはコン トロール物質で投与する直前にテストし、その後30分間隔でテストした。 実施例3 持続性神経障害の遮断 雄のSprague-Dawleyラット(200〜350gm)を、ハロタン麻酔下で挿入される慢 性的な腰椎髄腔内カテーテルを用いて準備した(YakshおよびRudy)。動物を腹 臥位に配置し、そして左傍脊髄(paraspinal)筋肉を、Kimらに記載されるよう に、L4-S2レベルで隷状プロセスから分離した。左L5およびL6神経根を、6-0外科 用絹縫合糸で堅く結紮した。ラットを麻酔から回復させた。典型的には、アロジ ニアが、外科手術後1〜2日後に始まり、そして45日間もの間続くことが観測さ れた。 テストのために、動物を、オープンワイヤメッシュの底を有するプラスチック 小ボックス(cubicle)に配置した。保存剤非含有の生理食塩水溶液に溶解した 化合物を、腹腔内カテーテルを通して容量10μlで、次いでカテーテルラインを フラッシュするための10μlの生理食塩水を投与した。動物を、下記のように、 薬物処置後の種々の時間ポイントでアロジニアについてテストした。 左後足の撤退(アロジニア)、を生じるのに必要とされる非侵害性の刺激の閾 値を評価するために、Von Freyヘア(0.4〜15グラムの範囲)を、外科的に処置 された後足に対称的に付与した。応答を引き起こさないことにより、次により堅 いヘアのテストをもたらした。きびきびとした(brisk)撤退応答を引き起こす ことは、次により小さい刺激強度のテストをもたらした。このプログラムを、統 計的方法(Dixon)に従って繰り返し、50%応答の閾値を規定した。アロジニア は、外科的に処置された動物全てにより示されたおよそ3グラム未満の閾値(ヘ ア刺激強度といわれる)まで引き起こされた。 図10および12〜19のデータを、50%応答閾値で表し、これは、足の撤退 を引き起こすことを必要とするメジアン座屈重量であり;より低い刺激レベルで あるほど、より厳しいアロジニアである。図11は、図10に示されたデータか ら誘導された用量−応答曲線を示す。注入の30分後に測定されたアロジニア閾値 を、用量に対してプロットした。各点は、単一の動物に対する値を示す。 動物を、対称的に歩行できないことにより証明されるような全身性の運動機能 障害の出現について、および異常な活性の任意の他の明白な徴候についても観察 した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 60/018,255 (32)優先日 平成8年5月24日(1996.5.24) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/021,357 (32)優先日 平成8年7月8日(1996.7.8) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),AU,CA,JP,K R (72)発明者 ナダスディ,ラスズロ アメリカ合衆国 カリフォルニア 94598, ウォルナット クリーク,ブライアータウ ン コート 3420 (72)発明者 アンスティン,ディー.ティモシー アメリカ合衆国 カリフォルニア 94587, ユニオン シティ,ケンウッド ストリー ト 4835 (72)発明者 ブログリー,ルイス アメリカ合衆国 カリフォルニア 95062, サンタ クルズ,シーブライト アベニュ ー ナンバー19 116 (72)発明者 アージ,ラスズロ アメリカ合衆国 カリフォルニア 94708, バークリー,ケイス アベニュー 1044

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.痛みを処置する方法であって、該処置を必要とする被検体に、薬学的に受容 可能なキャリア中に治療的有効量の式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な 塩を含む組成物を投与する工程を包含する、方法: ここで、 A1およびA2は、ヒドロキシルまたは水素であり、ただし、A1およびA2の少 なくとも1つは、ヒドロキシルであり; R1は、R1およびR2がヘテロ環式環を形成する場合を除いて、-CH2-基または -CH2CH2-基または-CH=CH-基であり;そして R2は、メチル、エチル、CH2X、およびCH2CH2Xからなる群から選択され、ここ で、Xはヒドロキシル基またはアミノ基であるか、あるいはR2はR1に結合して 4員〜6員のヘテロ環式環を形成するアルキル鎖である。 2.A1がヒドロキシルであり、かつ、A2が水素である、請求項1に記載の方法 。 3.R1が-CH2-または-CH2CH2-であり、かつ、R2が、メチル、エチル、CH2X、 およびCH2CH2Xからなる群から選択され、ここで、Xが、ヒドロキシル基または アミノ基である、請求項1に記載の方法。 4.R1が-CH2-であり、かつ、R2が、メチル、エチル、または-CH2CH2OHである 、請求項3に記載の方法。 5.R1が、式Iのカルボニル炭素とアミン窒素との間の単炭素結合(one-carbo n linkage)であり、かつ、R2が、R1に結合して4員〜6員のヘテロ環式環を 形成するアルキル鎖である、請求項4に記載の方法。 6.前記環が、ピロリジン環である、請求項5に記載の方法。 7.前記化合物が、2-(エチルアミハ-N-(3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニル) アセトアミドである、請求項1に記載の方法。 8.前記処置される痛みが、急性または持続性の侵害受容性の痛み、あるいは神 経障害性の痛みである、請求項1に記載の方法。 9.痛みを処置するための薬学的組成物であって、薬学的に受容可能なキャリア 中に、治療的有効量の式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩を含む、組 成物: ここで、 A1およびA2は、ヒドロキシルまたは水素であり、ただし、A1およびA2の少 なくとも1つは、ヒドロキシルであり; R1は、R1およびR2がヘテロ環式環を形成する場合を除いて、-CH2-基または -CH2CH2-基または-CH=CH-基であり;そして R2は、メチル、エチル、CH2X、およびCH2CH2Xからなる群から選択され、ここ で、Xはヒドロキシル基またはアミノ基であるか、あるいはR2はR1に結合して 4員〜6員のヘテロ環式環を形成するアルキル鎖である。 10.A1がヒドロキシルであり、かつ、A2が水素である、請求項1に記載の組 成物。 11.前記化合物が、2-(エチルアミノ)-N-(3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニ ル)アセトアミド、2-((2-ヒドロキシエチル)アミノ)-N-(3-ヒドロキシ-2,6-ジメ チルフェニル)アセトアミド、2-((2S)-2-ピロリジル)-N-(3-ヒドロキシ-2,6-ジ メチルフェニル)アセトアミド、2-((2R)-2-ピロリジル)-N-(3-ヒドロキシ-2,6- ジメチルフェニル)アセトアミド、および3-(エチルアミノ)-N-(3-ヒドロキシ-2, 6-ジメチルフェニル)プロパンアミドからなる群から選択される、請求項10に 記載の組成物。 12.前記化合物が、2-(エチルアミノ)-N-(3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニ ル)アセトアミドである、請求項11に記載の組成物。 13.式Iの構造を有する化合物であって: ここで、 A1およびA2は、ヒドロキシルまたは水素であり、ただし、A1およびA2の少 なくとも1つは、ヒドロキシルであり; R1は、R1およびR2がヘテロ環式環を形成する場合を除いて、-CH2-基または -CH2CH2-基または-CH=CH-基であり;そして R2は、メチル、エチル、CH2X、およびCH2CH2Xからなる群から選択され、ここ で、Xはヒドロキシル基またはアミノ基であるか、あるいはR2はR1に結合して 4員〜5員のヘテロ環式環を形成するアルキル鎖である、 ただし、A1またはA2が水素であり、かつR1が-CH2-である場合には、R2は エチルではない。 14.A1がヒドロキシルであり、かつA2が水素である、請求項13に記載の化 合物。 15.前記化合物が、2-(メチルアミノ)-N-(3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニ ル)アセトアミドである、請求項14に記載の化合物。 16.前記化合物が、2-((2-ヒドロキシエチル)アミノ)-N-(3-ヒドロキシ-2,6- ジメチルフェニル)アセトアミドである、請求項14に記載の化合物。 17.前記化合物が、2-((2S)-2-ピロリジル)-N-(3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフ ェニル)アセトアミドである、請求項14に記載の化合物。 18.前記化合物が、2-((2R)-2-ピロリジル)-N-(3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフ ェニル)アセトアミドである、請求項14に記載の化合物。 19.前記化合物が、3-(エチルアミノ)-N-(3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニ ル)プロパンアミドである、請求項14に記載の化合物。 20.前記化合物が、2-(2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル))アミノ)-N-(3-ヒドロ キシ-2,6-ジメチルフェニル)アセトアミドである、請求項14に記載の化合物。
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