JP2001513224A - 一体の光遮蔽を有する反射式液晶ディスプレイ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ＡＭＬＣＤのような反射式液晶ディスプレイは、シリコン基板の表面上に位置する反射性画素のアレイを有し、これら反射性画素間に光透過性領域が位置している。この構造のものは、反射性画素とシリコン基板の表面との間に２つの金属層を有し、一方の金属層のセグメントが第１方向に延在してＬＣＤの行電極を構成しており、他方の金属層のセグメントが第１方向に対しほぼ垂直な方向の第２方向に延在してＬＣＤの列電極を構成している。反射性画素間で光透過性領域を通過する光を阻止するために、前記２つの金属層の一部を前記光透過性領域の下側に延在させる。このようにすることにより、別体の光阻止用すなわち光遮蔽用金属層を必要とすることなく、光阻止機能が達成される。

Description

【発明の詳細な説明】 一体の光遮蔽を有する反射式液晶ディスプレイ 発明の背景 本発明は、アクティブマトリックスＬＣＤ（ＡＭＬＣＤ）のような液晶ディス プレイ（ＬＣＤ）装置の分野におけるものであり、特に、このような装置におけ る光遮蔽に関するものである。 反射式ＬＣＤ装置自体は当業者にとって既知である。このような装置は一般に シリコン基板上に反射性画素のアレイを有し、反射性画素とシリコン基板の表面 との間に且つ代表的に酸化物の絶縁層内に種々の配線又は金属層や他の素子が位 置している。 日本のパイオニア社の佐藤、八木及び埴原氏による論文「反射式ＬＣＤパネル を有する高解像度及び輝度のＬＣＤプロジェクター」には代表的な反射式ＬＣＤ 装置の断面図が示され且つ説明されている。代表的な従来の反射式ＬＣＤの一部 の断面図がこの論文の図３に示されており、この図を便宜上本明細書の図１に示 す。以下の説明において、このような装置の通常の特徴は本発明と関連している 為、本発明に特有の特徴のみを説明する。 図１に示す装置８のような典型的な従来の反射式ＬＣＤ装置は代表的に、関連 部分で、シリコン基板１０より成っており、この基板上に順次に酸化物層１２、 液晶層１４、ＩＴＯ電極１６及びガラス層１８が設けられている。液晶層１４の 下側で酸化物層１２内には、画素電極２０のアレイが設けられ、反射性画素電極 ２０間には光透過性領域２２が位置している。酸化物層１２内で、画素電極２０ と基板１０との間には３つの金属層２４、２６及び２８も設けられている。金属 層２６及び２８は互いに直交する行及び列ラインを構成し、これらラインは下側 のシリコン基板１０内に形成されるＭＯＳトランジスタ（図１には図示せず）の ゲート及びソース電極に接続しうる。これら２つの金属層に加え、第３の金属層 ２４が光透過性領域２２の下側で反射性画素電極２０間に設けられ、反射性画素 電極間でこのような光透過性領域を経て装置に入射する光が基板に到達するのを 阻止している。さもないと、ここで漏洩電流を誘起し、適切な装置の動作に妨害 を及ぼすおそれがある。層２６又は２８の一部は付随的に、装置に入射される光 の少部分を阻止しうるも、図１の構造のものは、光阻止を必要な程度にするため に別体の金属層を必要としている。この従来の解決策は機能的な点から見れば満 足なものであるが、装置構造に追加の専用の金属層を必要とし、従って、複雑性 、製造時間及び製造費用を高めるとともに、複雑性の増大及び短絡が生じる可能 性の増大の為に信頼性が低くなる。 従って、従来の装置における専用の金属層の光阻止機能を、この目的のための みに設ける別体の金属層を必要とすることなく達成するのが好ましい。 発明の概要 本発明の目的は、反射性画素電極間の光阻止を、このための専用の金属層を設 けることなく達成した反射式ＬＣＤ装置を提供せんとするにある。本発明の他の 目的は、複雑性及び製造費用を少なくでき、製造時間が少なくて足り、匹敵しう る光阻止能力を有する従来の装置に比べ信頼性を高めた、光阻止能力を有する反 射式ＬＣＤ装置を提供せんとするにある。 本発明によれば、上述した種類の反射式ＬＣＤ装置において、行及び列電極を 構成する２つの金属層の一部を光透過性領域の下側で反射性画素電極間に延在さ せ、反射性画素電極間を通過する光を基板に到達しないように阻止するようにす ることにより、この機能を達成する別体の専用の金属層を必要とすることなく、 上述した目的を達成する。 本発明の好適例では、反射式ＬＣＤ装置に必要とする電気素子をも光透過性領 域の下側に位置させて、反射性画素電極間を通過する光を基板に到達しないよう に更に阻止するようにすることもできる。このような電気素子の一例は、酸化物 により分離された平行なポリシリコン層より成るキャパシタであり、これらポリ シリコン層を光透過性領域の下側で反射性画素電極間に位置させることにより、 複雑性、製造時間又は費用を装置に追加することのない追加の光阻止用素子を得 る。 本発明による反射式ＬＣＤ装置によれば、従来の技術に比べ著しい改善を提供 するものであり、完成装置の複雑性、製造時間及び費用を増大させて信頼性を低 減させる追加の専用の金属層又は迫加の光阻止用素子を必要とすることなく、反 射性画素電極間の光阻止により動作機能を高める。 本発明の上述した及びその他の観点は、以下の実施例に関する説明から明らか となるであろう。 図面の簡単な説明 本発明は、添付図面と関連して読むべき以下の説明により、より一層完全に理 解しうるであろう。図面中、 図１は、別体の光阻止層を有する従来の反射式ＬＣＤ装置の一部の簡単化した 断面図を示し、 図２は、本発明による光阻止構造体を有する反射式ＬＣＤ装置の一部の簡単化 した断面図を示し、 図３は、本発明による光阻止特性を有する反射式ＬＣＤ装置の一部を極めて簡 単化して示す平面図である。 各図間で同様な領域には一般に同じ符号を付してあり、図面は実際のものに正 比例して描いていないことに注意すべきである。 好適実施例の説明 本発明による反射式ＬＣＤ装置３０の一部を図２に簡単化した断面図で示す。 簡単化のため、本発明に関連する装置の部分のみ、すなわち、画素電極２０と金 属層２６及び２８とをハッチを付して示してあり、装置の他の部分は簡単化した 外形で示してある。図１に対するのと同様の規則を採用する。 図２に示す装置の基本構造は図１に示す装置の基本構造に類似しており、シリ コン基板１０を有し、その上に順次に、酸化物層１２、液晶層１４、ＩＴＯ電極 １６及びガラス層１８が設けられている。液晶層１４の下側で、酸化物層１２内 に画素電極２０のアレイが設けられ、反射性画素電極２０間に光透過性領域２２ が位置している。図２では、画素電極２０と基板１０との間で酸化物層１２内に ２つのみの金属層２６及び２８が設けられている。これら金属層の一部は装置の 互いに直交する行及び列ラインを構成し(図３参照)、金属層２６及び２８の種々 のセグメントは、タングステン等から成る垂直方向に延在する金属プラグ３２に より装置の種々の素子に接続されている。例えば、金属プラグ３２は、ＭＯＳト ランジスタ３４のゲート、ソース及びドレイン電極とキャパシタ３６とを金属層 ２６及び２８に接続するのに用いられる。 本発明によれば、金属層２６及び２８の一部分を、例えば、図２における部分 ２６Ａ及び２８Ａを光透過性領域２２の下側で反射性画素電極２０間に延在させ て、画素電極間でこのような光透過性領域を経て装置に入射される光が基板１０ に到達しないようにする。光が基板に到達すると、例えば、漏洩電流を誘起する ことにより、装置の動作に悪影響を及ぼすおそれがある。図２に示す装置では、 代表的にポリシリコン等より成るキャパシタ電極３６Ａ及び３６Ｂのような、光 を透過しない不透明な電気素子をも光透過性領域２２の下側に設けることにより 追加の光阻止を達成する。金属層２６及び２８とキャパシタ３６のような回路素 子とは双方とも、光阻止能力にかかわらず、装置の必要素子である為、この追加 の特徴は、図１に示す従来の装置の専用の追加の金属層２４のような、いかなる 特別な又は追加の層又は素子を用いることなく達成されることに注意すべきであ る。 金属層２６及び２８の光阻止機能をより一層明瞭に説明するために、本発明に よる反射式ＬＣＤ装置３０の一部の極めて簡単化した平面図を図３に示す。この 図３には、４つの方形（この場合正方形）の画素電極２０が示されており、これ ら４つの画素電極が、これらの間で格子状パターンを形成する互いに直交する光 透過性領域２２を有するアレイの一部を構成している。第１及び第２金属層２６ 及び２８の一部は、反射性画素電極２０間に位置する光透過性領域２２のすぐ下 側に、同様に互いに直交する格子状パターンとして設けられている為、反射性画 素電極間を通過する入射光は基板に到達しない。図３に示す金属層２６及び２８ の部分は、図２に示すように装置の種々の素子を相互接続する行及び列ラインを 設けるのに必要とする層の一部である為、光阻止機能が、この目的だけのために 設ける別体の専用の金属層を必要とすることなく達成されることがわかる。 このように、本発明によれば、複雑性及び製造費用を少なくでき、製造時間が 少なくて足り、匹敵しうる光阻止能力を有する従来の装置に比べ信頼性を高めた 、簡単で有効な光阻止構造を有する反射式ＬＣＤ装置を提供しうる。 上述したところでは、本発明を特に、幾つかの好適実施例につき説明したが、 本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変形が可能であること、当業者にとっ て明らかである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．シリコン基板の表面上に位置する反射性画素電極のアレイを有する反射式液 晶ディスプレイであって、前記反射性画素電極間に光透過性領域が位置してお り、前記反射性画素電極と前記シリコン基板の表面との間に第１金属層が位置 し、この第１金属層のセグメントが第１方向に延在して前記反射式液晶ディス プレイの行電極を構成しており、前記反射性画素電極と前記シリコン基板の表 面との間に第２金属層が位置し、この第２金属層のセグメントが前記第１方向 に対しほぼ直交する第２方向に延在して前記反射式液晶ディスプレイの列電極 を構成している当該反射式液晶ディスプレイにおいて、 前記第１及び第２金属層の一部が前記光透過性領域の下側に延在して、前記 反射性画素電極間を通過する光を前記シリコン基板に到達しないように阻止す るようになっていることを特徴とする反射式液晶ディスプレイ。 ２．請求の範囲１に記載の反射式液晶ディスプレイにおいて、この反射式液晶デ ィスプレイが、反射性画素電極の前記アレイと前記シリコン基板の表面との間 で、前記光透過性領域の一部の下側に位置する少なくとも１つの素子を有し、 前記反射性画素電極間を通過する光を前記シリコン基板に到達しないように更 に阻止するようになっていることを特徴とする反射式液晶ディスプレイ。 ３．請求の範囲２に記載の反射式液晶ディスプレイにおいて、前記素子が、ポリ シリコンの層より成るキャパシタを有していることを特徴とする反射式液晶デ ィスプレイ。 ４．請求の範囲１に記載の反射式液晶ディスプレイにおいて、前記反射性画素電 極がほぼ方形であり、前記第１及び第２金属層の前記一部が、互いに異なるレ ベルで互いに垂直な方向に延在して互いに直交する格子状パターンを形成する 金属細条を有する金属層を具えていることを特徴とする反射式液晶ディスプレ イ。 ５．請求の範囲１に記載の反射式液晶ディスプレイにおいて、前記反射性画素電 極と前記シリコン基板の表面との間に２つのみの金属層が設けられていること を特徴とする反射式液晶ディスプレイ。